JP4572447B2 - 故障診断方法、故障診断装置、及び記録媒体 - Google Patents

故障診断方法、故障診断装置、及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、店舗内に配設したショーケース、エアコン、照明等の各種機器を店舗内または店舗外から管理/制御するシステムにおいて、特に故障診断装置及び故障診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されるショーケース等の機器の故障診断を行う技術が知られている。例えば、特開平10−238920号公報には、機器の運転状態に関するデータを当該データが得られた機器の運転条件毎に分類して、過去の運転状態に関するデータベースを構築し、機器の現在の運転状態に関するデータをデータベース内の対応する過去のデータと比較して、機器の現在の運転状態を評価するよう構成した機器の運転状態管理装置が開示されている。
【0003】
また、特開平10−267509号公報には、機器の運転状態に関するデータを当該データが得られた機器の運転条件毎に分類保存して、過去の運転状態に関するデータベースを構築し、機器の現在の運転状態に関するデータとデータベース内の対応する過去のデータとに基づいて、機器が故障に至る時期を予測するよう構成した機器の運転状態管理装置が開示されている。
【0004】
このように、上記2つの従来技術は、機器に関するデータを蓄積したデータベースを構築し、このデータベースに登録したデータを用いて、経験的に機器の運転状態の評価並びに故障予測を行うものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合、機器についての入念なデータを取得しない限り、周囲温度の変動による影響や、複数の故障が同時に発生した場合等に対しては、機器の運転状態の評価並びに故障予測を的確に行うことができないため、データベースの構築に多大な労力を要し、また必要に応じて推論機構等も搭載しなければならないので、人的負担/コスト負担が大きくなり、効率的であるとは言えない。
【0006】
特に、ショーケースのみならず、エアコンや照明等の店舗内に設置されている各種機器をまとめて制御するような場合には、機器の種別毎に膨大なデータを記憶しなければならず、データベースが膨大なものとなってしまう。
【0007】
本発明の課題は、店舗内に配設されるショーケース等の機器の故障を効率良く診断または予測することができる故障診断装置及び故障診断方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による故障予測方法は、所定の学習期間内において、ショーケース本体と冷凍機とより成る各冷凍/冷蔵ショーケースの状態データを所定周期で収集し、該収集したデータに基づいて少なくとも冷凍機の吐出側圧力と、ショーケースの温調温度のプルダウン時間と、ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差を算出し、該各種算出値を蓄積した時系列データを用いて各冷凍/冷蔵ショーケース毎にその各種故障発生を予測する為の閾値を求め、前記学習期間で得られた閾値を用いて、故障発生予測する。
【0009】
機器の故障を予測/診断する為に何等かの閾値を設定する手法では、予め適切と思われる閾値を設定しても、実際には各機器毎による違いや、その設置環境に影響されて、場合によっては誤報が多くなりかねない。
【0010】
これに対し上記故障予測方法によれば、実際に機器を設置した後に、実測したデータに基づいて、各々の閾値を設定するようにしているので、各機器毎/設置場所毎の適切な閾値が設定でき、誤報が起こる確率が極めて低くなる。また、最初に学習させておけば、後は求めた閾値のみ記憶/保持して、これら閾値との単純な比較処理を行えばよいので、従来のような膨大な量のデータを蓄積したデータベースを構築する必要はなく、また処理負荷が非常に小さくなる。
【0011】
また、上記故障診断方法において、例えば、前記温調温度のプルダウン時間に対する閾値、前記庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差に対する閾値は、前記各種時系列データの前記学習期間における前半の平均値と後半の平均値とを求め、これら2つの平均値より各々の変化傾向を求め、冷凍機の吐出側圧力に対して予め設定される閾値と、冷凍機の吐出側圧力の平均値と変化傾向とに基づいて求められる係数を、前記プルダウン時間、プルダウン時間の差に対して各々求められた変化傾向に乗じた値を用いて決定する。
【0012】
このように、プルダウン時間、プルダウン時間の差に対する閾値を、これらとの相関関係を利用して、冷凍機の吐出側圧力に対する閾値とその変化傾向を基準にして推定するので、適切な閾値を決定できると共に、店舗内・店舗外エンタルピを測定する為の温度/湿度センサを設ける必要もなくなる。
【0013】
また、例えば、前記故障発生予測は、該ショーケースの温調温度のプルダウン時間に対して求められた閾値を越えた場合には冷却性能低下の警報を発し、該ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差に対して求められた閾値を越えた場合にはハニカム目詰まりの警報を発するようにする。
【0014】
更に、例えば、前記冷凍機の吐出側圧力に対して予め設定される閾値は、冷凍機の保護制御が作動する圧力値に任意の係数を乗じた値である。
このように、冷凍機の保護制御が作動する圧力値を基準にして吐出側圧力の閾値を決定することにより、故障発生あるいは庫内温度が異常上昇する前の適切な時期に、警報等を発することができ、トラブルを未然に防ぐことが可能となる。
【0015】
更に、上記の通り、プルダウン時間、プルダウン時間の差に対する閾値は、この吐出側圧力の閾値を基準にしているので、適切な閾値を設定できることになる。
【0016】
本発明による故障予測装置は、店舗内の各種機器と接続し、該各種機器の状態データを収集する装置において、収集した状態データに基づいて、少なくとも、冷凍機の吐出側圧力と、ショーケースの温調温度のプルダウン時間と、ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差という各種基本データを算出する基本データ算出手段と、所定の学習期間内において該基本データ算出手段により算出された各種基本データを蓄積し、該蓄積した各種基本データを用いて前記各種機器毎にその各種故障発生を予測する為の各種閾値を決定する閾値決定手段と、前記学習期間後において、前記基本データ算出手段で算出された各種基本データを、前記閾値決定手段で決定された各種閾値と比較することにより、故障が起こるか否かを予測する故障予測手段とを備えるように構成する。
【0017】
更に例えば、店舗内の機器の模擬図を表示し、前記故障予測手段により故障発生が予測された機器に対応する該模擬図上の位置を、故障内容に応じて点灯または消灯あるいは点滅、または色変えで表示する表示手段を備える。
【0018】
このように、故障した機器の設置場所、その故障予測結果が、視覚的に一目で分かるようになっている。
また、例えば、前記故障診断装置は、各店舗毎に設置される情報処理装置またはネットワークアダプタ、あるいはネットワークを介して各店舗の機器の状態を集中管理するサーバ装置である。
【0019】
例えば上記サーバ装置を故障診断装置とした場合、複数の店舗の故障診断を1箇所で集中して行うので、各店舗毎に故障診断装置を設置する必要がなくなるので、コスト削減効果がある。
【0020】
更に、例えば、前記故障予測手段により故障発生が予測された場合に、該予測結果を通知する電子メールを自動作成し送信するメール作成/送信手段を備えている。
【0021】
これにより、例えば保守員等が所持する携帯端末装置(PHS等の無線通信機能付き)に電子メールを送信することで、保守員等が何処に居ても故障発生及びその内容/場所等を即座に知らせることが可能となり、修理等の対応を迅速に行えるようになる。
【0022】
また、本発明には、上記故障予測方法、故障予測装置自体に限らず、これら方法、装置を実現させるプログラムが記憶された記憶媒体(可搬記憶媒体含む)も含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態による店舗内機器管理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【0024】
図2は、図1に示した店舗100A内の構成を示すブロック図である。
尚、ここでは、説明の便宜上、店舗100Aのみ細部構成を示すこととするが、店舗100B、100Cについても店舗100Aと略同様の構成となる。
【0025】
図1、図2に示す店舗内機器管理システムは、各店舗100A〜100C内のショーケース1(冷凍/冷蔵オープンショーケース)、エアコン2、その他照明等の各種機器に、それぞれ別個のコントローラ9、11、12、、21を配設して、NA(ネットワークアダプタ)3、ルータ4、及びネットワーク5を介して、店舗内PC8や、店舗外の情報処理装置(店舗本部サーバ6、サービス本部サーバ7等々)と接続するように構成したものである。そして、この店舗内機器管理システムでは、各コントローラが、それぞれ管轄する機器からデータを一定時間毎に経時的に集計し、収集したデータを店舗内パソコン(以下、店舗内PCという)8に送信する。具体例としては、ショーケースコントローラ9は、ショーケース1及び冷蔵庫10のデータを収集して、店舗内PC8に送信する。エアコンコントローラ11は、エアコン2のデータを収集して店舗内PC8に送信する。蓄熱コントローラ12は、蓄熱槽13のデータを収集して店舗内PC8に送信する。あるいは、収集したデータは、ネットワーク5を介して、店舗外の情報処理装置に送信するようにしてもよい。尚、一応断っておくが、これらコントローラは、当然、データ収集専用ではない。
【0026】
そして、これらコントローラからデータを受信した店舗内PC8や店舗外の情報処理装置は、受信したデータに基づいて各機器の故障診断/予測を行う。具体的な故障診断/予測方法については、後に図13等で詳細に説明する。
【0027】
図1において、店舗100A、店舗100B、及び店舗100Cは、店舗内にショーケース1、エアコン2、自動販売機14、及びセキュリティシステム15等を配設した店舗である。尚、ここでは、これら店舗100A〜100Cは、チェーン店化したスーパーマーケットのように、地域的に分散配置された店舗であるものとする。
【0028】
また、店舗本部サーバ6は、各店舗100A〜100Cを統括する本部機構の端末装置であり、提供する商品の種別及び価格等を各店舗に指示すると共に、各店舗100A〜100Cの売上げ状況等を把握する。サービス本部サーバ7は、各店舗100A〜100Cが顧客に提供すべきサービスの内容を集中管理する本部機構の端末装置である。セキュリティ本部サーバ16は、各店舗100A〜100Cにおける入退出管理や火災、防犯に係わるセキュリティ機構を統括する本部機構の端末装置である。
【0029】
このように、本例の店舗内機器管理システムでは、単に店舗ごとにその店舗の商品、サービス、セキュリティ等を管理するのではなく、店舗本部サーバ6、サービス本部サーバ7、セキュリティ本部サーバ16という各店舗100A〜100Cに共通の本部機構を設け、各店舗100A〜100Cを機能ごとに集中管理している。
【0030】
また、店舗オーナー・サーバ17は、各店舗100A〜100Cのオーナーが所有する端末装置である。機器オーナー・サーバ18は、各店舗100A〜100Cに設置されるショーケース等の機器がメーカー等からレンタルしたレンタル機器である場合、このレンタル機器のオーナーが所有する端末装置である。機器メンテナンス業者・サーバ19は、各店舗100A〜100Cに設置されるショーケース1等の機器を維持・管理するメンテナンス業者が所有する端末装置である。尚、ここでは説明の便宜上、各店舗100A〜100Cの店舗オーナー、機器オーナー、及び機器メンテナンス業者は、同一人であるものとする。
【0031】
また、各店舗100A〜100C、店舗本部サーバ6、サービス本部サーバ7、セキュリティ本部サーバ16、店舗オーナー・サーバ17、機器オーナー・サーバ18、機器メンテナンス業者・サーバ19は、それぞれ、ルータ4を介してネットワーク5に接続されている。具体的には、このネットワーク5は、公衆回線網(電話回線、ISDN等)やインターネット、ATMを用いるネットワーク等であり、また各端末装置はTCP/IPプロトコルを用いた通信を行う。よって、各店舗100A〜100Cと各端末装置との間でインターネット上のファイル転送(FTP)や電子メールの転送を行うことも可能である。
【0032】
従って、各店舗100A〜100C内の各機器の故障診断及び予測は、各店舗100A〜100C内の店舗内PC8だけでなく、店舗本部サーバ6、サービス本部サーバ7、セキュリティ本部サーバ16、店舗オーナー・サーバ17、機器オーナー・サーバ18、機器メンテナンス業者・サーバ19等の各端末装置において行わせることもできる。または、後述するNA3に行わせるようにしてもよい。
【0033】
図2に示す各店舗100A〜100C内のシステムは、店舗制御コントローラ20、ショーケース・コントローラ9、エアコン・コントローラ11、蓄熱コントローラ12、照明コントローラ21、自動販売機14、セキュリティシステム15等を、マルチドロップ方式(図示のように、各種コントローラ、自動販売機等を各々経由させて接続させる方式)でNA3に接続した構成を有し、各機器の状態に係わる情報の通知や指示等を行える。
【0034】
具体的には、例えば、蓄熱コントローラ12は、冷凍機22及び冷凍機23の負荷状況を示すデータを、ショーケース・コントローラ9、エアコン・コントローラ11から受け取り、この受信したデータ(冷凍機の負荷状況)に基づいて蓄熱槽13を制御する。
【0035】
NA3は、例えば「機器の状態表示/機器の設定入力」等のホームページを提供し、例えばアクセスを許可されている端末装置の“ブラウザ”画面上で、上記のように接続した機器の状態表示や設定を行うことができるようにする機能(以下、ホームページ機能という)と、接続している機器にトラブル等が発生した場合に自動的に管理者あるいは予め指定/登録されている任意の者に対して、電子メールなどによりトラブル発生を通知する機能(以下、自動メール送信機能という)とを有するネットワークアダプタである(これら機能に関する発明は、既に本発明の出願人が出願している)。
【0036】
このNA3を用いることにより、各店舗100A〜100C内の各種機器の監視や管理等を外部において(例えば店舗本部サーバ6等)集中的に行うことができたり、障害発生等を機器メンテナンス業者・サーバ19等に電子メールにより迅速に通知することができる。尚、このNA3は、シリアル通信ラインを収容するインタフェースを有するオプションボードとして形成し、店舗内PC8等に装着することもできる。また、NA3に代えて、ホームページ機能やメール送信機能を有するパソコン等を配設したり、店舗内の各種機器に直接NA3を装着する構成としてもよい。
【0037】
店舗コントローラ20は、店舗全体の省エネルギー制御を行うコントローラであり、具体的にはパソコン等で構成される。ショーケース・コントローラ9は、ショーケース1、冷蔵庫10の庫内商品に対する温度調整を行う為に冷凍機22を制御するコントローラである。エアコン・コントローラ11は、店舗内を所定の温度に調整する為のエアコン2を冷凍機23を用いて制御するコントローラである。蓄熱コントローラ12は、冷凍機22、冷凍機23の負荷状態に基づいて、氷を蓄熱する蓄熱槽13を制御するコントローラである。
【0038】
照明コントローラ21は、店舗内の天井等に配設された各種照明機器等を制御するコントローラであり、併せて、ショーケース1の蛍光灯調光をも行う。具体的には、例えば、ショーケース1の蛍光灯調光を行うに際しては、特開平6−325874号公報に開示された照明制御システムに対応する調光制御を行う。
【0039】
自動販売機14は、店舗内に設置され、飲料や食品等を販売する、オーナー管理される自動販売機である。尚、かかる自動販売機14は、ショーケース等との関連が薄いため、この自動販売機14用のコントローラは設けていない。
【0040】
セキュリティシステム15は、ドア24に設けられたセンサ、火災報知器25、防犯装置26等からのデータに基づいて店舗全体のセキュリティ管理するシステムである。尚、このセキュリティシステム15は、元々コントローラの機能を有するため、別個にコントローラを設けていない。
【0041】
店舗内PC8は、店舗内に設置されているパソコンであり、店舗で販売する商品の種類、価格等の管理や、売上げの計数の他に、各コントローラから受信した時系列データに基づいて各機器の故障診断を行う。尚、この店舗内PC8に付設されたPHSアダプタ27を介して、店舗オーナー・サーバ17や機器オーナー・サーバ18等に音声メッセージを用いた連絡等を行うこともできる。具体的には、例えば後述する故障の予測情報等を発信する。
【0042】
尚、上述した実施例の説明では、ショーケース・コントローラ9やエアコン・コントローラ11などの各種機器をマルチドロップ方式で接続することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、リング型等の各種のネットワークトポロジーを用いることもできる。また、ネットワーク5を介して店舗100A〜100Cと店舗本部サーバ6等とが通信可能としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば無線通信系、衛星通信等による伝送路を介して、通信可能とする構成であってもよい。
【0043】
次に、ショーケース1の構成について説明する。ここでは、オープンショーケースを例にして、図3を参照して説明する。
図3には、オープンショーケースの一例の側断面図を示す。
【0044】
同図に示すオープンショーケース32は、本体27、陳列棚28、開口部29、冷凍機30、冷媒配管31、蒸発器33、送風機34、ダクト35、吹き出し口36等より成り、外気温度用サーミスタ45、庫内温度用サーミスタ46、温調温度用サーミスタ47、除霜温度用サーミスタ48等が設置されている構成となっている。尚、これらは基本的に室内(店舗内)に設置される構成であり、室外機である冷凍機30と区別する為に、以下、これらをオープンショーケース32の本体側と呼ぶこととする。
【0045】
本体27は、当該オープンショーケース32を形成する基本的な筐体であり、その一方向が開口(開口部29)されて、ここから商品の出し入れを行える形状となっている。陳列棚28は、商品を置くための棚である。
【0046】
冷凍機30は、高温・高圧の液冷媒を生成して、オープンショーケース32の本体側に供給する。すなわち、冷凍機30により生成された高温・高圧の液冷媒は、冷媒配管31を通り、オープンショーケース32本体側に供給される。これは不図示の膨張弁により低温・低圧の液冷媒となり、蒸発器33に送られる。これにより蒸発器33周辺の空気が冷やされる。冷やされた空気は、送風機34によりダクト35に送り込まれ、更に吹き出し口36からオープンショーケース32の庫内37へと送られ、庫内37全体を冷やす。吹き出し口36から庫内37に送られた冷気の一部は、図上に矢印で示すようにエアカーテンを形成しつつ吸込み口38に吸込まれる。これは、再び送風機34により送られ、冷気の循環を作り出す。
【0047】
また、上記外気温度用サーミスタ45は、オープンショーケース32の周囲の温度を検知する為の温度センサである。庫内温度用サーミスタ46は、オープンショーケース32の庫内37の温度を検知する為の温度センサである。温調温度用サーミスタ47は、送風機34によりダクト35に送り込まれた空気の温度を検知する為の温度センサである。除霜温度用サーミスタ48は、蒸発器33近傍の温度を検知する為の温度センサである。
【0048】
上記冷凍機30について詳細に説明する。
冷凍機30は、同図に示すように、圧縮機39、凝縮器40等を有する構成である。
【0049】
上記蒸発器33に送られた低温・低圧の液冷媒は、低温・低圧のガス冷媒となって、冷媒配管31を通って冷凍機30側に戻される。これは、まず、圧縮機39に送られて圧縮されて高温・高圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、凝縮器40に送られ、凝縮器40により放熱を行うことにより高温・高圧の液冷媒となり、これは再び冷媒配管31を通りオープンショーケース32側に送られる。尚、冷媒配管31はループ状で冷媒を循環させるようになっている。
【0050】
また、冷凍機30には温度センサと圧力センサが設けられている。すなわち、同図に示すように、吸込(低圧)側温度センサ41、吸込(低圧)側圧力センサ42、吐出(高圧)側温度センサ43、吐出(高圧)側圧力センサ44が設けられている。吸込(低圧)側温度センサ41と吸込(低圧)側圧力センサ42は、圧縮機39に入るまえの低温・低圧のガス冷媒の温度と圧力を測定するために設けられているセンサである。吐出(高圧)側温度センサ43と吐出(高圧)側圧力センサ44は、圧縮機39により圧縮されて成る高温・高圧のガス冷媒の温度と圧力を測定するために設けられているセンサである。
【0051】
ここで、あるインバータ式冷凍機の場合、負荷の増大、過渡的な外乱により冷凍サイクル機器、電気・電子部品の許容範囲を越えると予想された場合、通常運転制御とは異なる保護制御動作に入る。例えば、吐出(高圧)側圧力が高すぎた場合に運転周波数を減らす、等のような保護制御を行う。このような保護制御を行うことにより、冷凍機30自体の故障は防止することが可能となるが、後述するようなショーケース庫内温度上昇という問題が生じる場合がある。詳しくは後述する。
【0052】
次に、以下に、各種故障が起きた場合の、オープンショーケース32、冷凍機30に設置した上記各種センサの信号変化特性について説明する。
まず、上記蒸発器33に着霜故障(アイスバンク)が発生した場合について説明する。
【0053】
図4(a)は霜が完全に除去された状態の蒸発器33の外観図、図4(b)は除霜動作により霜を完全に除去できる限界の量まで霜49が付着した状態の蒸発器33の外観図である。
【0054】
図5には、主に図4(a)の状態から図4(b)の状態になるまでの(更にその後も)外気温度用サーミスタ45、庫内温度用サーミスタ46、及び温調温度用サーミスタ47でそれぞれ計測される温度の経時変化をグラフで示す。同図に示すグラフの縦軸は計測温度、横軸は時間である。
【0055】
図5において、時間t1 は図4(a)の状態のとき、時間t2 は図4(b)の状態のときである。外気温度用サーミスタ45は、オープンショーケース32の周囲の温度を測定するので、蒸発器33への霜の付着状態には影響されない。同図に示す例では、周囲温度はほぼ一定であったものとする。一方、蒸発器33への霜の付着量が増すに従って冷気が送風され難くなる為、庫内温度用サーミスタ46及び温調温度用サーミスタ47で計測される温度(庫内37、ダクト35の温度)は、同図に示すように徐々に上昇していく。
【0056】
次に、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)を参照して、冷凍機30の凝縮器40の目詰り故障時について説明する。
図6(a)はゴミ50が完全に除去された状態の凝縮器40、図6(b)はゴミ50が詰まった状態の凝縮器40の外観図である。
【0057】
図7(a)、(b)には、主に図6(a)の状態から図6(b)の状態になるまでの間(更にその後も)吐出(高圧)側温度センサ43、吐出(高圧)側圧力センサ44でそれぞれ計測される冷媒の温度/圧力の経時変化をグラフで示す。
同図(a)、(b)に示すグラフの横軸は時間、縦軸は(a)は温度、(b)は圧力である。
【0058】
図7(a)、(b)において、時間t3 は図6(a)の状態のとき、時間t4 は図6(b)の状態のときである。凝縮器40が目詰まりし伝熱面積が小さくなると、ガス冷媒からの放熱が正常に行われなくなるため、吐出(高圧)側のガス冷媒の温度と圧力は、目詰まりの度合いに応じて上昇する。吐出(高圧)側のガス冷媒の温度と圧力が上昇することで、蒸発器33に導かれる冷媒の温度と圧力も上昇する為、ショーケースの庫内37の温度が上昇してしまう。
【0059】
更に、蒸発器37から冷凍機30側へ戻る冷媒、すなわち吸込(低圧)側のガス冷媒の温度と圧力も上昇する。このガス冷媒の圧力が上昇すると、上述したあるインバータ式冷凍機の場合、上記の様に、運転周波数を低くする保護制御動作に入る。保護制御動作に入ることで、冷凍機30は故障を免れるかもしれないが、運転周波数を低くすると、蒸発器33に導かれる冷媒の温度や圧力が更に上昇してしまい、ショーケースの庫内37が全く冷えない状態になってしまう。
【0060】
更に、このまま運転を続けることで凝縮器40の目詰まりが更に酷くなると、最終的には冷凍機30は高圧圧力異常となり停止する。
続いて、以下に、ガス冷媒の漏れまたは不足時の現象について説明する。
【0061】
図8は、ガス冷媒の漏れまたは不足時の圧縮機39に対する吸込(低圧)側と吐出(高圧)側の圧力値の経時変化を示す図である。
同図に示すように吐出(高圧)側圧力51は、ガス冷媒漏れの初期には上昇する傾向を示すが、その後、ガス冷媒の漏れまたは不足が多くなると、圧縮機39における圧縮効果が低下するため、図示のように圧力51は徐々に低下していく。一方、吸込(低圧)側圧力52は、ガス冷媒の漏れまたは不足の度合いに係わらず、蒸発器33において熱交換が過度に進むため、図示のように徐々に上昇する。
【0062】
上記のことは、温度(吸込(低圧)側温度、吐出(高圧)側温度)についても同様である。
図9には、除霜動作が入った後の、庫内温度53(庫内温度用サーミスタ46で計測)、温調温度54(温調温度用サーミスタ47で計測)のプルダウン時間を表わしたグラフを示す。
【0063】
同図の左側にはガス冷媒の漏れ/不足がない状態、右側にはガス冷媒の漏れ/不足がある状態における庫内温度53、温調温度54の経時変化を示す。
まず、同図左側に示すように、ガス冷媒の漏れ/不足がない状態では、除霜動作が行われることによって庫内温度53、温調温度54は急激に上昇するが、除霜動作終了後は急激に低下する。一方、ガス冷媒の漏れ/不足がある状態では、蒸発器33における冷却能力が低下する為、同図右側に示すように、除霜動作終了後、庫内温度53、温調温度54が低下するまでのプルダウン時間が掛かるようになる。
【0064】
最後に、ショーケースの吹き出し口36(ハニカム部)のゴミ、ホコリによる目詰まり時について説明する。
図10は、吹き出し口36(ハニカム部)にゴミ、ホコリが付着した場合のショーケースの庫内温度53と温調温度54の温度変化の一例を示す図である。
【0065】
吹き出し口36(ハニカム部)にゴミ、ホコリが無い場合、庫内温度53と温調温度54の温度差は例えば5°C程度でほぼ一定となっている。
これに対し、吹き出し口36(ハニカム部)にゴミ、ホコリが付着すると、吹き出し口36(ハニカム部)からの風量が低下するため、ショーケース庫内37に冷気が行き渡らなくなり、庫内37の温度は上昇する。吹き出し口36(ハニカム部)に付着するゴミ、ホコリの量が増えていくに従って、例えば同図に示すように、庫内37の温度は徐々に上昇していく。
【0066】
一方、温調温度サーミスタ47が設置してあるダクト35内までは冷気が行き渡るので、温調温度54はゴミ、ホコリの付着前とほとんど変わらない。これより、同図に示すように、庫内温度53と温調温度54の温度差は、ゴミ、ホコリの付着前と比べて、次第に大きくなっていく。尚、これは、温度差ではなく温度比で考えた場合でも、同様である。
【0067】
次に、図11は、除霜動作が入った後の、庫内温度53と温調温度54のプルダウン時間を表した図である。
同図の左側に示すように、ゴミ、ホコリの付着が無い状態では、除霜により上昇した庫内温度53(図上、実線で示す)と温調温度54(図上、点線で示す)は、除霜動作終了後、急激に低下する。
【0068】
一方、同図の右側に示すように、ゴミ、ホコリが付着して目詰まりを起こしている状態では、吹き出し口36(ハニカム部)からの風量が低下するため、除霜動作後、温調温度54のプルダウン時間は、ゴミ、ホコリの付着が無い状態のプルダウン時間とほとんど変わらないが、庫内温度53のプルダウン時間は長くなる。
【0069】
以上、オープンショーケース32、冷凍機30の状態データを検出する為の各種センサの信号変化特性が、各種故障が起きた場合にそれぞれどの様になるかを説明したが、これを用いて、以下に説明する故障診断/予測方法を想到した。更に各機器毎/設置場所毎に信号変化特性がバラツクことに対応して、以下に説明する学習処理を行うことを想到した。これら各処理について、以下、詳細に説明する。尚、予測とは、近い将来に故障が発生する可能性が高い、と判断することであり、従来より予測を行うことは考えられていたが、本例では、閾値を用いる予測方法において、より精度の高い予測を実現している。
【0070】
上述してあるように、図1、図2に示す店舗内機器管理システムでは、各コントローラ(ショーケース・コントローラ9等)がそれぞれ管轄する機器(ショーケース1及び冷蔵庫10等)のデータ(各種センサの計測データ等)を、一定時間毎に経時的に集計し、収集した時系列データを店舗内PC8に送信する。
【0071】
本例では、店舗内PC8は、上記のように送信されてきたデータを用いて、まず所定期間(学習期間)内に収集したデータに基づいて閾値を決定し、その後はこの閾値を用いて故障診断/予測を行う。
【0072】
図12は、故障予測装置の概略的な機能ブロック図である。尚、故障予測装置は、例えば店舗内PC8、NA3等の情報処理装置に、当該故障予測を行う機能を実現させるプログラムをインストールすることにより実現させる。
【0073】
同図に示す故障予測装置110は、基本データ算出部111、閾値決定部112、故障予測部113を有する。
基本データ算出部111は、上記NA3を介して収集した各種機器(ショーケース、エアコン等)の状態データに基づいて、少なくとも、冷凍機の吐出側圧力と、ショーケース1の温調温度のプルダウン時間と、ショーケース1の庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差という各種基本データを算出する。
【0074】
閾値決定部112は、所定の学習期間内において上記基本データ算出部111により算出された各種基本データを蓄積し、この蓄積した各種基本データを用いて各種機器毎にその各種故障発生を予測する為の各種閾値を決定する。
【0075】
故障予測部113は、上記学習期間後において、基本データ算出部111で算出された各種基本データを、閾値決定部112で決定された各種閾値と比較することにより、故障が起こるか否かを予測する。そして、予測結果を出力、表示、通知等させる。
【0076】
この故障予測装置による故障予測方法について、以下、図13、図14等を参照して詳細に説明する。
図13は学習期間における学習/閾値決定(学習処理)の手順を示すフローチャート図であり、その後は、この閾値を用いて、図14に示す故障診断/予測処理を行っていく。
【0077】
以下、図13、図14を参照して処理の具体例について説明する。
尚、ここでは、ショーケース・コントローラ9が管轄する機器(ショーケース1及び冷蔵庫10)の故障診断/予測であって、ショーケース1を例にして説明する。この例では、上記学習の開始日は、例えばあるショーケース1(オープンショーケース32と冷凍機30)を新たに設置して、電源を入れた日とする。あるいは、電源投入後、数日運転を行って動作が安定したのを見計らって学習を開始するようにしてもよい。同図では、この学習開始日を“n月m日”とする。また、学習期間は、この例では2週間とする。
【0078】
まず、このn月m日において、上述した各種センサからの計測データのうち、庫内温度用サーミスタ46により計測されたショーケースの庫内温度53、温調温度用サーミスタ47により計測された温調温度54、及び冷凍機30側に設けられている吐出(高圧)側圧力センサ44により計測された吐出(高圧)側圧力51のデータに基づいて、以下の▲1▼〜▲4▼を算出する処理を行う(ステップS1)。
【0079】
▲1▼ショーケースの庫内温度53の変化率
▲2▼冷凍機30の吐出(高圧)側圧力51
▲3▼ショーケースの温調温度54のプルダウン時間
▲4▼庫内温度53と温調温度54のプルダウン時間の差
次に、上記▲1▼ショーケースの庫内温度53の変化率が、予め設定される所定の閾値(以下、閾値Aとする)以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0080】
閾値A以上であった場合には(ステップS2,YES)、蒸発器33にあるレベル以上(例えば、除霜動作で除去できる限界量以上)の霜49が付着したものとし、「着霜警報」を発する(ステップS3)。ここで、オープンショーケース32においては、通常、新しい商品の補充作業が行われた場合や、周囲の空気の変動等に影響されて、庫内温度53が一時的に上昇する場合がある。この為、庫内温度53の変化率が閾値A以上になったときに直ちに警報を発すると、誤報となってしまうおそれがある。そこで、庫内温度53の変化率が閾値A以上になった後に一定時間以上庫内温度53が下がらなかった場合に、「着霜警報」を発するようにしてもよい。尚、このような「着霜警報」が発せられる状態では、正しいデータが収集できないかもしれないので、警報が解除されるまで学習処理を中断するようにしてもよい。
【0081】
▲1▼以外については(つまり、▲2▼、▲3▼、▲4▼は)、算出後に判定処理を行うものではなく、算出結果を記憶/蓄積していき(その日(ここではn月m日)一日中)、後に後述するステップS5の処理に用いる。
【0082】
以上が、一日分(ここではn月m日)の処理であり、翌日(n月m+1日)からも同じ処理を行っていく(ステップS4)。すなわち、毎日、一定時間毎に上述した▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼を算出する処理を行い、▲1▼については上記ステップS2と同様に着霜判定を実施して、必要に応じて「着霜警報」を発し、▲2▼、▲3▼、▲4▼については算出結果を記憶/蓄積していく。
【0083】
そして、一週間後、この一週間(n月m日〜n月m+6日)に蓄積した上記▲2▼、▲3▼、▲4▼の算出結果に基づいて、それぞれの一週間分の平均値を求める(ステップS5)。尚、平均値を求めた後は、記憶/蓄積してあったデータを消去すれば、当該装置で必要な記憶容量が少なくて済む。
【0084】
翌週(n月m+7日〜n月m+14日)についても、同様に、毎日、上記ステップS1、S2と同様の処理を実施していき(ステップS6)、最後にこの一週間(n月m+7日〜n月m+14日)に蓄積した▲2▼、▲3▼、▲4▼の算出結果に基づいて、それぞれの一週間分の平均値を求める(ステップS7)。
【0085】
以上で、第1週目の▲2▼、▲3▼、▲4▼の平均値、すなわち“冷凍器の吐出(高圧)側圧力の平均値”P(n月m日〜n月m+6日)、“ショーケースの温調温度のプルダウン時間の平均値”T1(n月m日〜n月m+6日)、及び“ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差の平均値”T2(n月m日〜n月m+6日)と、第2週目の▲2▼、▲3▼、▲4▼の平均値、すなわち“冷凍器の吐出(高圧)側圧力の平均値”P(n月m+7日〜n月m+14日)、“ショーケースの温調温度のプルダウン時間の平均値”T1(n月m+7日〜n月m+14日)、及び“ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差の平均値”T2(n月m+7日〜n月m+14日)とが求められ、これに基づいて以下に説明するステップS8〜S10の計算を行って、閾値C、Dを求める。
【0086】
まず、第1週目から第2週目までの、▲2▼、▲3▼、▲4▼の平均値の差(絶対値)を算出する(ステップS8)。これは、既に各週毎の▲2▼、▲3▼、▲4▼の平均値を算出してあるので、この差の絶対値を求めることで、1週間あたりのデータの平均値の差(変化傾向)ΔP、ΔT1、ΔT2が求まる。
【0087】
尚、第1週目と第2週目の平均値に殆ど差がない場合も考えられる(極端な場合、ΔPが‘0’であった場合、以下の係数αを求める式が成立しなくなる)。
よって、ΔP、ΔT1、ΔT2の少なくとも何れか1つについて、予め適当と思われる閾値を決めておき、閾値を越えなかった場合には、以下のステップS9以降の処理を行わず、第3週目について上述したデータ収集/平均値算出処理を行い、第1週目と第3週目(若しくは、第2週目と第3週目)との間で上記ΔP、ΔT1、ΔT2を求めるようにする。これでも未だ閾値を越えない場合には、引続き第4週目以降も、同様の処理を行っていく。
【0088】
次に、ショーケースの温調温度のプルダウン時間の閾値Cと、ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間差の閾値Dを求めるための係数αを、以下の式により求める(ステップS9)。
【0089】
係数α=(吐出(高圧)側圧力の閾値B−Pmax)/ΔP
(Pmax ;“冷凍器の吐出(高圧)側圧力の平均値”Pの第1週目と第2週目のいずれか大きいほう)
ここで、上述してあるように、あるインバータ式冷凍機においては、吐出(高圧)側圧力が高すぎた場合に運転周波数を減らす等のような保護制御動作に入るが、この保護制御動作に入るときの吐出(高圧)側圧力を基準として、これに任意の係数β(≦1)を乗じた値を、上記閾値Bとして予め求め設定しておく。
【0090】
尚、保護制御機能が備っていない冷凍機の場合には、その冷凍機が異常停止する圧力値を基準として、これに任意の係数γ(<1)を乗じた値を閾値Bとする。
【0091】
そして、求めた係数αを用いて、以下の式により、ショーケースの温調温度のプルダウン時間の閾値Cと、ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間差の閾値Dを、それぞれ求める(ステップS10)。
【0092】
C=T1max +α×ΔT1
D=T2max +α×ΔT2
(T1max ;“ショーケースの温調温度のプルダウン時間の平均値”T1の第1週目と第2週目のいずれか大きいほう
T2max ;“ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差の平均値”T2の第1週目と第2週目のいずれか大きいほう)
以上で学習期間の処理は終了し、その後は求めた閾値B、C、Dを用いて、以下に説明する故障診断/予測処理を行う。
【0093】
尚、上述した実施例の説明では、第1週目と第2週目という1週間単位で平均値を算出し、これに基づいて処理を行ったが、勿論これに限る必要はなく、例えば5日単位、10日単位、2週間単位等としてもよい。
【0094】
また、ステップS10におけるC、Dの算出式において、例えば予め設定される所定の補正係数p,qを用いて、p×α、q×αを求め、これらをαの代わりに用いて、C、Dを求めるようにしてもよい。
【0095】
以下、図14を参照して故障診断/予測処理について説明する。
同図に示す故障診断/予測処理は、上記学習処理がn月m+14日で完了し、その翌日(n月m+15日)から開始されるものとして説明する。
【0096】
まず、(n月m+15日)においても、学習期間中のステップS1と同様に、各センサからの測定値を読み込んで、上記▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼の値を算出する(ステップS11)。
【0097】
そして、“▲1▼ショーケースの庫内温度53の変化率”については、図13のステップS2と同様、閾値A以上であるか否かを判定し、閾値A以上となった場合は着霜警報を発する。
【0098】
同様に、“▲2▼冷凍機30の吐出(高圧)側圧力51”が閾値B以上であるか否かを判定し(ステップS12)、閾値B以上となった場合には「凝縮器熱交換性能低下」の警報を発する(ステップS13)。
【0099】
“▲3▼ショーケースの温調温度54のプルダウン時間”が閾値C以上であるか否かを判定し(ステップS13)、閾値C以上となった場合には「冷却性能低下」の警報を発する(ステップS14)。
【0100】
“▲4▼庫内温度53と温調温度54のプルダウン時間の差”が閾値D以上であるか否かを判定し(ステップS15)、閾値D以上となった場合には「ハニカム目詰まり」の警報を発する(ステップS16)。
【0101】
以後、毎日、上記ステップS11〜ステップS16の処理を行っていく(ステップS18)。
基本的には、一旦、学習処理で閾値を決定すれば、以後ずっと、毎日、上記ステップS11〜ステップS16の処理を繰り返していけばよいが、例えば誤報が多いというような問題が起こった場合には、再度学習処理を行わせる。あるいは、これに限らず、定期的に学習処理を行わせて、閾値を再設定させるようにしてもよい。
【0102】
上述した学習処理を行う意味、更に特に上述した方法により閾値C、Dを決定する意味について、以下に説明する。
図15は、各測定値(▲2▼、▲3▼、▲4▼)と店舗内・店舗外エンタルピ(温度・湿度で決まる熱容量又は熱エネルギー;店舗内エンタルピは主にショーケース周辺の店舗内空気、店舗外エンタルピは店外に設置されている冷凍機30周辺の外気に係わる)との関係を示す図であり、同図において太線で示す部分が、学習期間のデータに基づいて得られる部分とする。
【0103】
図15に示すように各測定値(▲2▼、▲3▼、▲4▼)には相関関係が見られる。このような相関関係(全て正比例のグラフとなっている関係、と言ったほうがよいかもしれないが、本明細書においては相関関係というものとする)があることは、少なくとも、本出願の発明者により確かめられている。
【0104】
また、Pについては、保護制御動作に入るときの吐出(高圧)側圧力値(実際には、これを基準とし、これより少し小さい値、すなわち任意の係数β(≦1)を乗じた値)を、閾値とすることが、上述した理由より当然適切であることは分かるが、T1、T2についても、Pが閾値Bになったときに各々がなる値(すなわち、図15における一点鎖線との交点)を閾値とすると、故障直前の状態を予測するのに適切な値となることが、本出願の発明者により確かめられている。
【0105】
問題は、各機器毎のバラツキや、その設置場所の周囲環境により、図15に示すグラフの傾きや相関関係が多少違ってくるということである。よって、例えば工場出荷時等に、各機器の故障診断の為の閾値を決めたとしても、実際に設置して見ると、必ずしも適切な閾値となっていない場合があり、誤報の原因にも成りかねない。
【0106】
これより、本実施の形態においては、各機器を実際に設置した後に、一定期間データ収集させて、これに基づいて、その機器のその設置場所における閾値を決定させる(すなわち、上記学習期間に決定した閾値C、D)。
【0107】
ここで、断っておくならば、図13、図14の処理によって、図15に示す情報が全て得られるわけではない。すなわち、各測定値と店舗内・店舗外エンタルピとの関係は、分からない(本実施の形態では、周囲の温度(外気温等)を測定する必要なく、閾値の設定/故障予測を行えることも特徴の1つとしている。よって、外気温度用サーミスタ45は、無くてもよい)。よって、同図の“学習期間”に示す太線のような傾きが分かるわけではない。上述してあるように、1週目と2週目の平均値とその差が分かるだけである。
【0108】
しかしながら、まず、その機器を設置後にそれほど時間が経過していない時期(すなわち、目詰まり等が未だ起こっていないはずの時期)であって且つ機器が正常運転している場合に差が生じるのは、主に店舗内・店舗外エンタルピの差が原因であることが分かっている。更に、各測定値(▲2▼、▲3▼、▲4▼)には上記“相関関係”があることが分かっている。そして、閾値Bは決めてあるので、単純に、測定値▲2▼の平均値(値が大きい方)+ΔP×α=閾値Bという関係が成り立つ。
これが分かれば、他の測定値▲3▼、▲4▼も、係数αを用いて閾値を決定することができる。
【0109】
このように、各機器毎による違いや、その設置環境により違いが生じることに対応して、実際に設置後に実測したデータに基づいて各々の閾値を設定するようにしているので、各機器毎/設置場所毎の適切な閾値が設定でき、誤報が起こる確率が極めて低くなる。
【0110】
特に、これら閾値は、実際に故障が起こる前の機器の状態に対応しているので、単なる故障診断ではなく、故障の予測(故障の予防診断ともいえる)を、的確に行うことができるようになる。これより、故障が起こる前に保守員等が処置することができ、故障発生を未然に防ぎ、以て故障による販売機会のロスをほぼ無くすことができる。
【0111】
また、最初に学習させておけば、後は求めた閾値B,C,D(及び閾値A)のみ記憶/保持して、これら閾値との単純な比較処理を行えばよいので、従来のような膨大な量のデータを蓄積したデータベースを構築する必要はなく、また処理負荷が非常に小さくなる。
【0112】
尚、学習処理を行わずに、予め設定される閾値A,B,C,Dを用いて、図14に示す処理を行うようにしてもよい。
上述してあるように、上記学習処理/故障診断処理は、店舗内PC8に限らず、他の情報処理装置で行うようにしてもよいが、処理結果の表示についても同様である。すなわち、店舗内PC8で表示するのに限らず、他の情報処理装置で表示させてもよい。
【0113】
更に、学習処理/故障診断処理を行った装置で表示させるとは限らない。学習処理/故障診断処理を行った装置から、処理結果をネットワークを介して他の情報処理装置に通知してそこで表示させるようにしてもよい。この場合、例えば保守/修理要員等が所持する携帯端末装置(PHS等の無線通信機能付き)に通知させることで、何処に居ても故障発生及びその内容/場所等を知らせることが可能となる。
【0114】
更に、故障内容及び故障箇所が、視覚的に一目で分かるようにする。
例えば、図16に、表示例を示す。
同図に示す例では、ある店舗における店舗内PC8のディスプレイ60上で、店内の各種ショーケース及び冷凍機の配置(レイアウト)を表示している状態で、故障等が発生したショーケースの表示位置を点灯/点滅させたり、色を変えて表示する状態を示している(この例では、精肉・鮮魚用のショーケースの中の1つで故障発生)。
【0115】
このようにすることで、どの場所のショーケース(または冷凍機)が故障したのかが、視覚的に一目で分かるようになる。更に、色を変えて表示する場合、故障の内容に応じて予め決められている色で表示することで(例えば上記「冷却性能低下」の場合は赤色、「ハニカム目詰まり」の場合には黄色で表示する等)、故障箇所だけでなく故障内容までも視覚的に一目で分かるようになる。
【0116】
尚、表示形態は好きなように決めればよい。例えば上記点灯/点滅に限らず、正常時は点灯状態とし故障時は消灯する、等であってもよい。
また、図16では店舗内について示したが、例えば別画面で、その店舗の場所が何処にあるのかを示す為に、周辺の地図を表示し、この地図上でその店舗の場所を点灯/点滅/色変え等で表示し、更にその店舗の位置をクリックすると図16のような画面に切り替わるようにしてもよい。
【0117】
上記故障予測の表示により、故障予測されたショーケースの場所が視覚的に分かり易くなると共に、何処を直せば故障発生を未然に防げるのか分かるので、保守員等が処置する際に、工具、器材等、何を準備すればよいか分かり、何処に行けばよいかも分かり易いので、メンテナンス作業の効率化につながる。
【0118】
図17は、上記学習処理、故障診断/予測/表示処理を実行する情報処理装置の情報処理装置のハードウェア構成図、及び記憶媒体の一例を示す図である。
図17において、情報処理装置70は、CPU71、記憶部72(可搬記憶媒体72aを含む)、メモリ73、表示部74、操作部75、入出力インタフェース部76、通信部77等より構成される。尚、情報処理装置70は、上記店舗内PC8、NA(ネットワークアダプタ)3、機器メンテナンス業者・サーバ19等である。
【0119】
CPU71は、情報処理装置70全体を制御する中央処理装置である。
記憶部72は、少なくとも、上述した学習処理、故障診断/予測処理を実現するためのプログラムが記憶されているHDD等の記憶装置である。または記憶部72は可搬記憶媒体72aとその駆動読み取り装置の組合せ(例えば、フロッピディスク(FD)とフロッピーディスクドライブ(FDD))であってもよい。可搬記憶媒体72aには上記FDの他にCD−ROM、メモリカード、DVD、MO等がある。
【0120】
メモリ73は、記憶部72に格納されているプログラムを一時的に記憶し当該プログラムをCPU71に実行させる為のRAM等である。
表示部74は、ディスプレイ等であり、例えば図16のような表示を行う。
【0121】
操作部75は、キーボード、マウス等であり、これを用いてユーザ等は所望の操作を行う。
入出力インタフェース部76は、例えば上記マルチドロップ方式やリング型等の何等かの通信線を介して、各種機器(ショーケースや冷凍機等)の状態データを入力する為のインタフェースである。
【0122】
通信部77は、例えば上記ルータ(ダイヤルアップルータ)、ネットワーク8を介して他の情報処理装置と通信可能とする一般的に良く知られている構成である。
【0123】
ここで、本発明は、情報処理装置といった装置それ自体に限らず、コンピュータにより使用されたときに、本発明に係わる各種機能を実現させる為のプログラムが格納されたコンピュータ読出し可能な記録媒体(記憶媒体)自体として構成することもできる。
【0124】
この場合、「記録媒体」には、例えば図17で可搬記憶媒体72aの一例として示しているCD−ROM78、フロッピィーディスク79等の可搬記憶媒体や(勿論、これら一例に限らず、MO、DVD、リムーバブルハードディスク等、「可搬記憶媒体」の範疇に入るものであれば何であってもよい)だけでなく、ネットワーク8を介して通信可能な外部の任意の情報処理装置(不図示)の「記録媒体」も含まれる。また、当然、上記情報処理装置70内の記憶装置(RAM/ROM又はハードディスク等)も含まれる。
【0125】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の故障診断方法、故障診断装置によれば、各機器毎による違いや、その設置環境により違いがあっても、実際に設置後に実測したデータに基づいて各々の閾値を設定するようにしているので、各機器毎/設置場所毎の適切な閾値が設定でき、誤報が起こる確率が極めて低くなる。特に、これら閾値は、実際に故障が起こる前の機器の状態に対応しているので、単なる故障診断ではなく、故障の予測を、的確に行うことができるようになる。これより、故障が起こる前に保守員等が処置することができ、故障発生を未然に防ぎ、以て故障による販売機会のロスをほぼ無くすことができる。また、最初に学習させておけば、後は求めた閾値のみ記憶/保持して、これら閾値との単純な比較処理を行えばよいので、膨大な量のデータを蓄積したデータベースを構築する必要はなく、また処理負荷が非常に小さくなる。
【0126】
更に、故障発生を予測した場合、その機器の場所や故障内容等を視覚的に分かりやすく表示したり、電子メール等で外部に通知することにより、故障の内容の把握と対応(修理等)を迅速に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】店舗内機器管理システム全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1に示した店舗100A内の構成を示すブロック図である。
【図3】オープンショーケースの一例の側断面図である。
【図4】(a)は霜が完全に除去された状態の蒸発器の外観図、(b)は霜が付着した状態の蒸発器の外観図である。
【図5】外気温度用、庫内温度用、及び温調温度用のサーミスタでそれぞれ計測される温度の経時変化の一例を示す図である。
【図6】(a)はゴミが完全に除去された状態の凝縮器、
(b)はゴミが詰まった状態の凝縮器の外観図である。
【図7】(a)は吐出(高圧)側温度センサで計測される冷媒の温度、
(b)は吐出(高圧)側圧力センサで計測される冷媒の圧力の経時変化の一例を示す図である。
【図8】ガス冷媒の漏れまたは不足時の圧縮機に対する吸込(低圧)側と吐出(高圧)側の圧力値の経時変化を示す図である。
【図9】除霜動作が入った後の、庫内温度、温調温度のプルダウン時間を表した図である。
【図10】吹き出し口にゴミ、ホコリが付着した場合のショーケースの庫内温度と温調温度の経時変化の一例を示す図である。
【図11】除霜動作が入った後の、庫内温度と温調温度のプルダウン時間を表した図である。
【図12】故障予測装置の概略的な機能ブロック図である。
【図13】学習処理の一例を説明する為のフローチャート図である。
【図14】故障診断/予測処理の一例を説明する為のフローチャート図である。
【図15】図13の学習処理の意味を説明する為の図である。
【図16】故障発生を知らせる表示画面の表示例を示す図である。
【図17】学習処理、故障診断/予測処理を実行する情報処理装置の情報処理装置のハードウェア構成図、及び記憶媒体の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ショーケース
2 エアコン
3 NA(ネットワークアダプタ)
4 ルーター
5 ネットワーク
6 店舗本部サーバ
7 サービス本部サーバ
8 店舗内PC
9 ショーケース・コントローラ
10 冷蔵庫
11 エアコン・コントローラ
12 蓄熱コントローラ
13 蓄熱槽
14 自動販売機
15 セキュリティシステム
16 セキュリティ本部サーバ
17 店舗オーナー・サーバ
18 機器オーナー・サーバ
19 機器メンテナンス業者・サーバ
20 店舗制御コントローラ
21 照明コントローラ
22 冷凍機
23 冷凍機
24 ドア
25 火災報知機
26 防犯装置
27 本体
28 陳列棚
29 開口部
30 冷凍機
31 冷媒配管
32 オープンショーケース
33 蒸発器
34 送風機
35 ダクト
36 吹き出し口(ハニカム)
37 庫内
38 吸い込み口
39 圧縮機
40 凝縮器
41 吸込(低圧)側温度センサ
42 吸込(低圧)側圧力センサ
43 吐出(高圧)側温度センサ
44 吐出(高圧)側圧力センサ
45 外気温度用サーミスタ
46 庫内温度用サーミスタ
47 温調温度用サーミスタ
48 除霜温度用サーミスタ
49 霜
50 ゴミ
51 吐出(高圧)側圧力
52 吸込(低圧)側圧力
53 庫内温度
54 温調温度
60 ディスプレイ
70 情報処理装置
71 CPU
72 記憶部
72a 可搬記憶媒体
73 メモリ
74 表示部
75 操作部
76 入出力インタフェース部
77 通信部
78 CD−ROM
79 フロッピィーディスク
100A、100B、100C 店舗
110 故障予測装置
111 基本データ算出部
112 閾値決定部
113 故障予測部

Claims (3)

  1. 所定の学習期間内において、ショーケース本体と冷凍機とより成る各冷凍/冷蔵ショーケースの状態データを所定周期で収集し、該収集したデータに基づいて少なくとも冷凍機の吐出側圧力と、ショーケースの温調温度のプルダウン時間と、ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差を算出し、
    該各種算出値を蓄積した時系列データを用いて各冷凍/冷蔵ショーケース毎にその各種故障発生を予測する為の閾値を求める処理であって、前記温調温度のプルダウン時間に対する閾値、前記庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差に対する閾値は、前記各種時系列データの前記学習期間における前半の平均値と後半の平均値とを求め、これら2つの平均値より各々の変化傾向を求め、冷凍機の吐出側圧力に対して予め設定される閾値と、冷凍機の吐出側圧力の平均値と変化傾向とに基づいて求められる係数を、前記プルダウン時間、プルダウン時間の差に対して各々求められた変化傾向に乗じた値を用いて決定し、
    前記学習期間で得られた閾値を用いて、故障発生予測することを特徴とする故障診断方法。
  2. 前記故障発生予測は、該ショーケースの温調温度のプルダウン時間に対して求められた閾値を越えた場合には冷却性能低下の警報を発し、該ショーケースの庫内温度と温調温度のプルダウン時間の差に対して求められた閾値を越えた場合にはハニカム目詰まりの警報を発することを特徴とする請求項記載の故障診断方法。
  3. 前記冷凍機の吐出側圧力に対して予め設定される閾値は、冷凍機の保護制御が作動する圧力値に任意の係数を乗じた値であることを特徴とする請求項1または2記載の故障診断方法。
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