JP4570192B2 - 推力発生器の制御方法および制御装置 - Google Patents
推力発生器の制御方法および制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4570192B2 JP4570192B2 JP2000029854A JP2000029854A JP4570192B2 JP 4570192 B2 JP4570192 B2 JP 4570192B2 JP 2000029854 A JP2000029854 A JP 2000029854A JP 2000029854 A JP2000029854 A JP 2000029854A JP 4570192 B2 JP4570192 B2 JP 4570192B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thrust
- generator
- total
- value
- angle range
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 158
- 238000009826 distribution Methods 0.000 claims description 91
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 claims description 74
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims description 43
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims description 23
- 239000013598 vector Substances 0.000 claims description 20
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims description 19
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 17
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims description 10
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 9
- 238000005265 energy consumption Methods 0.000 description 26
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 2
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 2
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 1
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B63—SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
- B63H—MARINE PROPULSION OR STEERING
- B63H5/00—Arrangements on vessels of propulsion elements directly acting on water
- B63H5/07—Arrangements on vessels of propulsion elements directly acting on water of propellers
- B63H5/125—Arrangements on vessels of propulsion elements directly acting on water of propellers movably mounted with respect to hull, e.g. adjustable in direction, e.g. podded azimuthing thrusters
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B63—SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
- B63H—MARINE PROPULSION OR STEERING
- B63H23/00—Transmitting power from propulsion power plant to propulsive elements
- B63H23/22—Transmitting power from propulsion power plant to propulsive elements with non-mechanical gearing
- B63H23/24—Transmitting power from propulsion power plant to propulsive elements with non-mechanical gearing electric
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B63—SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
- B63H—MARINE PROPULSION OR STEERING
- B63H25/00—Steering; Slowing-down otherwise than by use of propulsive elements; Dynamic anchoring, i.e. positioning vessels by means of main or auxiliary propulsive elements
- B63H25/42—Steering or dynamic anchoring by propulsive elements; Steering or dynamic anchoring by propellers used therefor only; Steering or dynamic anchoring by rudders carrying propellers
-
- G—PHYSICS
- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05D—SYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
- G05D1/00—Control of position, course, altitude or attitude of land, water, air or space vehicles, e.g. using automatic pilots
- G05D1/02—Control of position or course in two dimensions
- G05D1/0206—Control of position or course in two dimensions specially adapted to water vehicles
- G05D1/0208—Control of position or course in two dimensions specially adapted to water vehicles dynamic anchoring
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Ocean & Marine Engineering (AREA)
- Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーブル施設船、掃海艇、オイルリグ等の船舶・海洋構造物における推力発生器の制御方法およびその制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーブル施設船、掃海艇、オイルリグ等の船舶・海洋構造物(以下、単に、船舶という)では、作業上の要請から、潮流、風、波等の外乱に対して海面上で一定の位置、方位または航路を保持する必要がある。
【0003】
これらの船位保持制御、航路保持制御等においては、船体の運動を制御する動的位置制御システム[DPS(Dynamic Positioning System)]により船底に取り付けられた複数のプロペラ、舵、スラスタ等の推力発生器(以下、単に、スラスタという)に対し、推力が制御されている。
【0004】
上記動的位置制御システムにおいては、位置、方位、航路保持に必要な船舶全体の推力およびモーメントの指令値を受けて、船舶の消費燃料、スラスタの配置等による制約の下で、如何に各スラスタに対し推力を配分するかが重要な技術的事項である。
【0005】
まず、船舶運航上の経済的理由から、当然、その燃料消費は可能な限り少ないことが望ましいことから、上記動的位置制御システムにおいては、制御に必要な船舶全体の推力およびモーメントを発生させ、かつ船舶の消費エネルギを最小にするような効率的な各スラスタへの推力配分を決定する必要がある。
【0006】
従来の方法としては、船舶の消費エネルギを評価関数として設定し、これを最小化する解を求めることにより各スラスタへの推力配分を決定する方法が存在し、例えば特許第2749833号公報に開示されたものがある。この公報に開示されている制御推力配分装置は、スラスタの推力成分を評価関数を用いて求める際に、ラグランジェ未定乗数法を用いるものである。
【0007】
また、あるスラスタの下流に他のスラスタが存在する場合に、この他のスラスタから出る推力が大きく低下することから、さらに水中の計測用音響機器は一般的に船底の前部あるいは船腹に設置するために、スラスタの水流が音響機器の計測に悪影響を及ぼすことから、上記動的位置制御システムにおいては、何らかの回避策が必要とされる。
【0008】
この回避策としては、スラスタ同士の干渉を考慮して設定された禁止角度範囲外へ各スラスタの角度を変更する方法は、従来から行われており、例えば特公平6−33080号公報に開示されたものがある。
【0009】
この特公平6−33080号公報に開示された首振り式スラスタ付き船舶においては、船体移動方向設定系からの移動方向信号に基づいて各スラスタの後流中にスラスタの存在する首振り角範囲を設定禁止区域として設定しうる禁止区域設定系を具備したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制御推力配分装置においては、以下の問題があった。
まず、各スラスタへの推力配分を決定する場合に、個々のスラスタの定格推力による制限により、船舶全体の推力、モーメントの指令値に対応した推力配分が不可能な場合の取り扱いが問題であった。この取り扱いにおいては、如何にして、船舶に与える影響を小さくした処理を行うかが技術的課題であった。
【0011】
また、推力配分処理に加えて上述したような角度禁止処理を行う場合には、角度禁止処理による各スラスタの推力変化が与える推力配分処理結果への影響が問題であった。
【0012】
例えば、船舶の消費エネルギを最小化する推力配分処理後に、上述したような角度禁止処理を行った結果は、消費エネルギを最小化する推力配分とはならない。つまり、単に禁止角度範囲内のスラスタを個々に禁止角度範囲外に変更するような角度禁止処理を、推力配分処理後に行うのでは、禁止角度範囲内の全てのスラスタについて処理をした結果は、相当に当初の推力配分結果から変更されるおそれがある。
【0013】
しかしながら、全てのスラスタの禁止角度範囲を拘束条件として評価関数を最小化する推力配分を厳密に行うことは、スラスタ数が多くなると計算量が膨大となるため、非現実的な処理である。したがって、如何にして、消費エネルギを最小化する推力配分結果からの変化を少なくして現実的な角度禁止処理を行うかが技術的課題であった。
【0014】
そこで、本発明は、各スラスタすなわち推力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を可能とし、船舶の制御に与える影響が極めて少ない推力制限手段を有する推力発生器の制御方法およびその制御装置を提供するものであり、さらに船舶の消費エネルギを最小化する推力配分処理結果に対する変動が少ない現実的な角度禁止処理を行う推力発生器の制御方法およびその制御装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の推力発生器の制御方法は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づき航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算し、
これら求められた全推力および全モーメントの値に基づき、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算により求めるようにした推力発生器の制御方法であって、
上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求め、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力において、定格推力を越えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように、変更する推力制限処理を行う方法である。
【0016】
また、本発明の第1の推力発生器の制御装置は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器とを具備するとともに、
上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部と、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力において、定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度出力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部とから構成したものである。
【0017】
上記第1の制御方法および制御装置の構成によると、評価関数を用いて推力の配分を行った結果、定格推力を超えている推力発生器が存在している場合には、推力制限処理において、定格推力を超えている推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力の配分を行うことにより、当該推力発生器の推力超過分を余裕のある推力発生器へ再配分可能とし、船舶の制御に影響を与えない処理を行うことができる。さらに、この推力制限処理を所定の回数行っても依然として定格推力を超えている推力発生器が存在している場合には、定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、全推力および全モーメントの値を変更して配分を行うのであるが、この変更の際に、評価関数の最小値を減少させる変更を行うことにより、船舶の消費エネルギを減少させる推力制限処理を行うことができる。
【0018】
また、本発明の第2の推力発生器の制御方法は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づき航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算し、
これら求められた全推力および全モーメントの値に基づき、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算により求めるようにした推力発生器の制御方法において、
上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器での推力uを求め、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
次に、上記求められた推力に基づく各推力発生器の方位角が禁止角度範囲内にある場合には、該当する推力発生器を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、
次に上記角度禁止処理により得られた推力が定格推力を越えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、さらに上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように、変更する推力制限処理を行う方法である。
【0019】
また、本発明の第2の推力発生器の制御装置は、複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器とを具備するとともに、
上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部と、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力を入力して、この推力に基づく推力発生器の方位角が、予め求められている推力発生器の禁止角度範囲内にある場合には、禁止角度範囲外に変更するための角度禁止処理部と、
この角度禁止処理が行われた推力を入力して、この推力が、それぞれ推力発生器の定格推力を越えている場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部とから構成したものである。
【0020】
上記第2の制御方法および制御装置の構成によると、上記第1の制御方法および制御装置による推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加することにより、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、船舶の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0021】
また、本発明の第3の推力発生器の制御方法は、上記第2の制御方法の角度禁止処理において、禁止角度範囲内にある一の推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定し、かつ他の禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を自由回転可能とした状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理である。
【0022】
また、本発明の第3の推力発生器の制御装置は、上記第2の制御装置の角度禁止処理部において、禁止角度範囲内にある一の推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定し、かつ他の禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を自由回転可能とした状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返すように構成したものである。
【0023】
上記第3の制御方法および制御装置の構成によると、上記第2の制御方法および制御装置における推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加する際に、この禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理としているため、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、効率的な手順にて、船舶の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0024】
また、本発明の第4の推力発生器の制御方法は、上記第3の制御方法の角度禁止処理において、禁止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定する方法である。
【0025】
また、本発明の第4の推力発生器の制御装置は、上記第3の制御装置の角度禁止処理部において、禁止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定するようにしたものである。
【0026】
上記第4の制御方法および制御装置の構成によると、推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定するようにしたので、禁止角度範囲外への変更に際して、変更による消費エネルギの増加を最小にすることができる。
【0027】
また、本発明の第5の推力発生器の制御方法は、第1または第2の制御方法の推力制限処理において、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、
航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を減少させる方法である。
【0028】
また、本発明の第5の推力発生器の制御装置は、第1または第2の制御装置の推力制限処理部において、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、
航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を減少させるようにしたものである。
【0029】
上記第5の制御方法および制御装置の構成によると、推力制限処理を行う際に、制御手順に優先度を考慮するようにしたので、船舶の運動制御の犠牲を極力抑えた推力制限処理を行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における推力発生器の制御装置および制御方法を、図1〜図6に基づき説明する。
【0031】
本実施の形態においては、推力発生器として、船舶(航走体の一例)の底部に取り付けられて推力を発生させるスラスタの場合について説明する。
まず、航走体である船舶を、図1のモデル図に基づき説明する。
【0032】
図1に示すように、船舶1の重心Gを原点として、縦方向中心線(以下、縦軸という)をx軸、横方向中心線(以下、横軸という)をy軸とすると、船体底部に設けられる複数個(例えば、n個)のスラスタ2の位置は、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、・・・・(xn,yn)にて表され、また各スラスタ2にて出力される推力(推力成分)を、(L1,T1)、(L2,T2)、・・・・(Ln,Tn)と表す。なお、各スラスタ2は、任意の角度範囲で旋回自在に設けられており、必要に応じてその旋回が禁止される範囲(禁止角度範囲)が決められるとともに、あるものについては、旋回しないように固定されている(勿論、全てのスラスタが旋回し得るものであってもよい)。
【0033】
そして、この船舶1には、船舶の位置、方位、航路などを保持するために、上記各スラスタ2の推力を最適に調節するための制御装置が具備されている。
図2に示すように、この制御装置3は、船舶1の所定位置に配置されて現在位置および前進方向である方位を測定する複数個の測定器11を有する測定部121と、船舶1側に設けられて船舶1が保持すべき位置、方位、航路などを設定する設定部13と、これらの測定部12からの測定値および設定部13からの設定値を入力するとともに、船舶1を、所定位置、所定方位、または所定航路を維持(保持)するのに必要とされる全推力(X,Y)および全モーメントNを演算(例えば、PID演算により行われる)する制御指定演算器14と、この制御指定演算器14で演算された全推力(X,Y)および全モーメントNを入力して各スラスタ2が出力すべき推力を演算する推力配分演算器15とが具備されている。
基本的には、各スラスタ2の推力(L1,T1)、(L2,T2)、・・・・(Ln,Tn)の合計が、全推力(X,Y)および全モーメントNに等しくなる。
なお、上記推力配分演算器15で求められた推力が、スラスタ駆動部4に出力されて、船舶1における所定の制御が行われる。
【0034】
ここで、上記推力配分演算器15の概略構成について説明する。
この推力配分演算器15は、上記制御指定演算器14からの全推力X,Yおよび全モーメントNを入力して、船舶の消費エネルギが最小となるように、各スラスタ2が出力すべき最適な推力を演算する推力演算部21と、この推力演算部21で求められた推力を入力して、この推力に基づくスラスタ2の方位角が、予め求められているスラスタ2の禁止角度範囲内にあるか否かをチェックするとともに、禁止角度範囲内にある場合には、禁止角度範囲外に変更するための角度禁止処理部22と、この角度禁止処理が行われた推力を入力して、この推力が、各スラスタ2の制限推力すなわち定格推力以下であるか否かをチェックするとともに定格推力を越える場合には、全推力X,Yおよび/または全モーメントNの値を変更する推力制限処理部23が具備されている。
【0035】
次に、上記制御装置3に基づく制御方法、特に、推力配分演算器15にて行われる各スラスタ2への推力配分処理方法について説明する。なお、ここでは、上述した推力演算部21、角度禁止処理部22および推力制限処理部23での機能についても併せて説明する。
【0036】
まず、この処理の全体の流れを、図3のフローチャートに基づき説明する。
この処理では、船舶1の制御に必要な全推力(X,Y)および全モーメントNを求めるステップ1(制御指定演算器にて、X,Y,Nが決定される)と、これらの値から各スラスタ2が出力すべき推力を評価関数を使用して、消費エネルギが最小となるように、最適配分を行うステップ2(推力演算部21にて行われる)と、このステップ2で求められた最適な推力であっても、あるスラスタ2について、その方位角[例えば、x方向とy方向の推力成分(L,T)の比により求められる]が禁止角度範囲内に入っている場合があるため、その有無をチェックするステップ3(角度禁止有無のチェック)と、このステップ3により、その方位角が禁止角度範囲内に入っている場合には、スラスタ2を禁止角度範囲外に変更処理を行うステップ4(角度禁止処理)(ステップ3およびステップ4は、角度禁止処理部22にて行われる)と、上記ステップ3またはステップ4を通過して、全てのスラスタ2が禁止角度範囲外になった場合に、各スラスタ2に配分された推力がそれぞれの定格推力内に入っているか否かをチェックするステップ5(推力制限チェック)と、このステップ5において、定格推力を越えているスラスタ2が存在している場合に、その推力が定格推力内となるために必要な処理を行うステップ6(推力制限処理)(ステップ5およびステップ6は、推力制限処理部23にて行われる)とから構成されている。
【0037】
以下、上記各ステップを詳細に説明する。
まず、ステップ1では、制御指定演算器14において、測定部12から入力された位置、方位などの測定値および設定部13から入力された設定位置、設定方位、設定航路などにより、船舶1の制御に必要な全推力(X,Y)および全モーメントNの値が決定される。
【0038】
次に、ステップ2では、推力配分演算器15において、上記制御指定演算器14で求められた船舶1に対する全推力(X,Y)および全モーメントNが入力されて、消費エネルギが最小となる各スラスタ2の最適な推力が求められる。すなわち、推力の最適配分処理が行われる。
【0039】
以下、この推力の最適配分処理について説明する。
全推力および全モーメントと、求めるべき各スラスタ2における推力との間には、下記(1)式に示す関係がある。
【0040】
Γ=Tu・・・(1)
ここで、Γは全推力および全モーメントの成分からなる配列ベクトル、Tはスラスタ2の位置行列、uは全スラスタ2の推力成分(具体的には、xおよびy方向での推力成分である)を要素とする推力配列ベクトルである。
【0041】
したがって、与えられたΓからuを求めることにより、全スラスタ2の推力が得られることになるが、一般に、uの次元はΓの次元より大きいため、解は一意には求まらない。
【0042】
上記各ベクトル(Γ,T,u)を、成分で表すと、下記(2)〜(4)式のようになる。
【0043】
【数1】
そこで、各スラスタ2の消費エネルギを表す評価関数Jを導入し、これを最小化する条件を与えることによりuを決定することができる。
【0044】
この評価関数Jは、下記(5)式にて表される。
J=(1/2)utWu・・・(5)
なお、(5)式中、utはuの転置ベクトル、Wは[p行×p列]の重み行列であり、pはuの次元である(n個のスラスタが全て自由に回転し得るものである場合、p=2n;n個の内、q個のスラスタが角度が固定されたものである場合、p=2n−qとなる)。推力配分の際、各スラスタ2に、同じ重みを掛けるとすれば、Wは対角成分(コストパラメータ)がすべて1となる配列で、下記(6)式にて表される。
【0045】
【数2】
上記評価関数Jを最小にする解は下記(7)式に示すように、(Moor-Penrose pseudo inverse)T+を用いて与えられる。
【0046】
u=T+Γ・・・(7)
ここで、T+は下記(8)式で与えられる。
T+=W-1Tt(TWTt)-1・・・(8)
上記(7)および(8)式により、消費エネルギを最小にし得るスラスタ2の最適な推力、すなわち与えられた全推力および全モーメントに対する最適配分を求めることができる。
【0047】
次に、スラスタにおける角度禁止処理について説明する。
この角度禁止処理は、あるスラスタの下流側に他のスラスタが存在する場合、下流側のスラスタから出る推力が大きく低下すること、およびスラスタの水流が音響機器の計測に悪影響を及ぼすのを回避するためになされるものである。
【0048】
以下、ステップ4における角度禁止処理について、図4のフローチャートに基づき説明する。
この角度禁止処理の概略の流れを説明すると、まずステップ11では、ステップ2で求められた最適配分の結果の中から、n個のスラスタの内、禁止角度範囲内にあるスラスタ1〜mをカウントし、m個の番号を割り当て特定する。
【0049】
次に、ステップ12では、当該スラスタk(1≦k≦m)についてその角度を禁止角度範囲外に設定し、この角度を固定した状態で、再度、最適配分処理を行い、この場合の評価関数Jの最小値Jk(1≦k≦m)を求める。
【0050】
次に、ステップ13では、ステップ12で求められた最小値Jkの中でも最もJkが大きくなるスラスタの最適配分を選択した後、ステップ14において、その最適配分にて禁止角度のスラスタが存在するか否かを確認し、存在する場合は、再度、ステップ11に戻り、上記角度禁止処理を、禁止角度範囲内のスラスタの個数がゼロになるまで繰り返して行う。
【0051】
ここで、上記ステップ12について、詳細に説明する。
なお、スラスタkの禁止角度範囲がak1〜ak2(境界値)間であるとする。但し、禁止角度範囲は180度未満である。
【0052】
まず、ステップ21で、第1番目のスラスタを選択し、カウントを行うため、k=1と設定する。
次に、ステップ22で、そのスラスタkの推力のx成分Tk、y成分Lkを特定し、ステップ23で、スラスタkの角度すなわち方位角takを、下記(9)式に基づき決定する。
【0053】
tak=tan-1(Lk/Tk)・・・(9)
次に、ステップ24で、スラスタkの角度がak1からak2の間であると判断(検出)されると、ステップ25〜27にて、スラスタkの方位角takが、角度ak1および角度ak2のいずれか近い角度(境界値)に、すなわち禁止角度範囲外となるように変更される(角度禁止処理)。
【0054】
なお、スラスタkの方位角を、いずれか近い境界値に変更するのは、角度禁止処理による消費エネルギの増加を最小にするならば、ステップ2の最適配分により求められた値からのずれ(角度)を最小にする必要があるからである。
【0055】
すなわち、ステップ25においては、takがak1およびak2のどちらに近いかを判断し、ak1に近い場合は、ステップ26でak1をスラスタkの方位角と設定し、ak2に近い場合には、ステップ27でak2をスラスタkの方位角と設定する。
【0056】
ここで留意すべきは、仮に全ての禁止角度範囲内のスラスタについて、個々に消費エネルギの増加が最小になるような角度禁止処理を行っても、必ずしもスラスタ全体を考えた場合に最適な処理とはならないということである。言い換えれば、一つのスラスタの処理は他のスラスタの処理に影響する。
【0057】
例えば、図6に示すモデルにおいて、X=0,Y=200,N=−1000であり、3個のスラスタ11,12,13の位置を、(0,0),(−5,−1),(−5,1)とすれば、ステップ2による最適配分の結果、スラスタ12とスラスタ13との角度は、ともに90度で、推力もともに100に配分されたとする。また、スラスタ12の禁止角度範囲は80度から110度であり、スラスタ12の禁止角度範囲は70度から120度であるとする。
【0058】
スラスタ12についてのみ角度禁止処理を行った結果、スラスタ12の角度は80度に変更される(90度と80度の差は10度、90度と110度の差は20度)。しかし、スラスタ13についてのみ角度禁止処理を行った結果は、スラスタ13の角度は70度になる(70度と90度の差が20度、120度と90度の差が30度)。
【0059】
この状況下では、スラスタ12およびスラスタ13には、プラスX方向に推力が発生するため、入力値であるX=0を満足するためには、スラスタ11では、マスナスX方向の推力を発生させて、スラスタ12およびスラスタ13のX方向の推力キャンセルする。最終的には、各スラスタ11〜13の推力は、図6の破線に示すようなものとなり、最適配分とは言い難い。
【0060】
しかし、図4に示したアルゴリズムを用いた場合には、より合理的な角度禁止処理が得られる。
したがって、禁止角度範囲内のスラスタについて、個々に禁止角度範囲外に変更した後、全体的な処理を行う必要がある。このため、ステップ28においては、禁止角度範囲外のスラスタの角度を固定するとともに、スラスタkについてこの角度を禁止角度範囲外に変更した後の角度に固定し、他の禁止角度範囲内の(n−1)個のスラスタが自由回転可能とし、上述した(3)式および(4)式を用いて最適配分処理を行い、その最適配分結果から(2)式を用いて評価関数の最小値Jkを求める。
【0061】
ステップ29および30のループにより、m個のスラスタの個々について評価関数の最小値Jk(k=1〜m)が求められる。
ところで、ステップ13において、評価関数の最小値Jk(k=1〜m)の最大値MAX(Jk)を選択した理由は、下記の通りである。
【0062】
すなわち、評価関数の最小値が最大値Jmをとる最適配分では、ステップ2の最適配分で求められた消費エネルギの最小値に対し、最も大きいエネルギ増加をもたらすことになり、したがって他の禁止角度範囲内に存在するスラスタのいくつかが禁止角度範囲外に抜け出す可能性がある。しかし、k=m以外の角度禁止処理では、k=mのスラスタが禁止角度範囲内から抜け出すことはないからである。
【0063】
次に、上記演算により全てのスラスタが禁止角度範囲外になった場合の推力について検討を行う必要がある。すなわち、演算により求められた推力が、スラスタ2の推力制限値である定格推力を越えている場合には、その値を採用することができないので、そのスラスタ2については、ステップ5および6により、推力を制限する必要がある。
【0064】
以下、推力制限処理部23における推力制限処理を、図3および図5に示すフローチャートに基づき説明する。
すなわち、ステップ5において、その推力が定格推力を越えているスラスタ2が存在するか否かが判断され、存在しない場合には、そのままの推力が、各スラスタ駆動部4に出力されることになる。
【0065】
一方、定格推力を越えているスラスタ2が存在する場合には、ステップ6にて、該当するスラスタ2の推力が制限される。
すなわち、まずステップ31において、コストパラメータ自身が所定範囲にあるかどうかが判断される。なお、コストパラメータαkについては、少なくと初回の判断時に、全てが1に設定されている。
【0066】
上記コストパラメータが所定範囲に入っている場合(適している場合)には、ステップ32に進み、該当するスラスタ2の重み行列Wの値であるコストパラメータαkが増加されて、このスラスタ2に配分される推力を相対的に低下させる。そして、再度、ステップ2に戻り、以下、最適配分、角度禁止チェック、推力制限チェックが行われ、全てのスラスタ2の推力が推力制限内に納まれば、その推力に基づき各スラスタ2が制御されることになる。
【0067】
そして、この再度の一連の処理においても、定格推力を越えているスラスタ2が存在する場合は、再度、ステップ6のステップ31に進み、さらにそのコストパラメータαが増加されて上記と同様の処理が行われる。
【0068】
ところで、コストパラメータαkの値が適正範囲を越えた場合、すなわちコストパラメータの変更により、当該スラスタに配分される推力が相対に低下することが得られない場合には、ステップ33に進み、全推力(X,Y)および全モーメントNが変更されて、再度、ステップ2に戻り、ステップ3〜5までの処理が行われる。なお、ステップ33の変更処理を行う場合には、最適配分を行う際のコストパラメータαの値は、初期値に戻される。
【0069】
そして、全てのスラスタ2の推力が推力制限内に入った場合には、その処理は終了するが、入らない場合には、入るまで、ステップ33の全推力(X,Y)および全モーメントNの変更が行われた後、ステップ2〜5の処理が繰り返し行われる。
【0070】
ここで、上記ステップ33における変更処理を、図5に基づき説明する。
ステップ6の推力制限処理では、船舶1の制御に極力小さい影響で、かつその変更による消費エネルギの変化が極力小さくなるように全推力(X、Y)および全モーメントN(以下、この説明では、単に、X,Y,Nとだけ記述する場合もある)の変更を行うのがよい。
【0071】
船位保持、航路保持等に必要な船舶に対する全推力およびモーメントの指令値(X、Y、N)を変更するのであるから、当然、制御への影響が生じるため、その変更は重要である。
【0072】
そこで、本実施の形態では、船舶の運動の物理的状況を考慮し、変更の際のY,XおよびNの優先順位を設定することにした。
まず、定点保持、定方位移動制御を行う場合、船舶の方位が変動すると船体に働く潮流力モーメントや風力モーメントが大きく変わり、船の動きが予想以上に急変する恐れがあるため、方位の制御は優先すべきであって、モーメントNが最も優先度の高い成分である。
【0073】
次に、船舶の前後運動抵抗が横運動抵抗より小さいので、横方向推力Yに十分な推力を配分しないと制御の効果が出てこないため、優先度は横方向推力Yが縦方向推力Xより高くなる。
【0074】
次に、航路保持制御の場合では、上述の理由により、まずモーメントNの優先度を高くする必要がある。
そして、船舶を指定した速度で航路保持を行わなければならないので、Xの優先度がYより高く設定すればよい。
【0075】
したがって、制御場面によって、推力配分の優先度は、N→Y→Xとなったり、N→X→Yになったりする。
しかしながら、実際には、船舶の横運動抵抗が縦運動抵抗よりはるかに大きいため、同じ量のXとYを調整すれば、Xの方が船の運動に対する影響がはるかに大きくなる。また、高速航路保持を除いて、殆どの操船では、船舶の前進速度が低いため、Xの値に起因してステップ5の処理(定格推力を越えたスラスタが存在するか否かの判断)が「いいえ」となることはない。
【0076】
したがって、ステップ6の推力制限処理においては、まずY、次にX、最後にNという順序で変更を行えば船舶の制御面での影響が小さくて済む。
また、推力制限処理は、消費エネルギである評価関数Jの最小値を低下させるように行う必要がある。
【0077】
ここで留意すべきは、図1に示すような一般的な船舶の場合は、NとYとが独立でないことから、単純に、Yの絶対値の低下が、評価関数Jの最小値の低下につながらない場合が生じ得る。これを考慮するには、評価関数Jの最小値のYによる微分値の正負を判断し、これが負の場合は、Yを増加させる変更を行えばよい。X、Nについては、単純に絶対値が減少すれば評価関数Jの最小値が減少すると考えればよい。
【0078】
図5は、これらを考慮した場合の推力禁止処理のフローチャートで、以下、ステップ33における変更処理について、詳細に説明する。
まず、ステップ41では、評価関数Jの最小値のYによる微分値がゼロかゼロでないかを判断し、ゼロでない場合には、ステップ42でその微分値の正負を判断する。
【0079】
そして、微分値が正の場合には、ステップ43に進み、評価関数Jの最小値が減少するように、Y、X、Nの絶対値を減少させる。一方、微分値が負の場合には、ステップ44に進み、評価関数Jの最小値が減少するように、Yの絶対値を増加させ、X、Nの絶対値を減少させる。
【0080】
ところで、評価関数Jの最小値のYによる微分値がゼロの場合は、ステップ45で、Xがゼロかゼロでないかを判断する。
ゼロでない場合には、ステップ46に進み、評価関数Jの最小値が減少するように、XとNの絶対値を減少させる。
【0081】
一方、ゼロである場合には、ステップ47に進み、Nの絶対値を減少させる。
上記各ステップ43、44、46、47の処理では、Y、X、Nの絶対値を必要に応じて変更させるが、先に述べたY、X、Nの制御への影響の度合いを考慮して変更させる必要がある。
【0082】
このため、下記に示すようなパラメータa、b、cを導入し、ステップ43では、下記(10)〜(12)式のように変更を加える。
|Y|=|Y|−a・Δ・|Y|・・・(10)
|X|=|X|−b・Δ・|X|・・・(11)
|N|=|N|−c・Δ・|N|・・・(12)
ここで、a,b,cはa>b≧c≧o,a+b+c=1の関係を有する分配パラメータである。また、Δは調整パラメータであり、具体的数値としては、0.01〜0.05の値に設定される(この調整パラメータについては、以下同じ)。
【0083】
また、ステップ64では、下記(13)〜(15)式のように変更を加える。
|Y|=|Y|+a・Δ・|Y|・・・(13)
|X|=|X|−b・Δ・|X|・・・(14)
|N|=|N|−c・Δ・|N|・・・(15)
この場合も、a,b,cはa>b≧c≧o,a+b+c=1の関係を有する分配パラメータである。
【0084】
また、ステップ46では、下記(16)および(17)式のように変更を加える。
|X|=|X|−a・Δ・|X|・・・(16)
|N|=|N|−b・Δ・|N|・・・(17)
ここでは、a,bはa>b≧o,a+b=1の関係を有する分配パラメータである。
【0085】
また、ステップ47では、下記(18)式のように変更を加える。
|N|=|N|−a・Δ・|N|・・・(18)
ここでは、aはa=1なる関係を有する分配パラメータである。
【0086】
このように、スラスタ2の推力の最適配分およびスラスタの角度禁止処理が行われた後に、スラスタ2における推力制限処理を行い、しかもこの推力制限処理においては、まずコストパラメータにより調整が行われ、このコストパラメータの調整でも行い得なかった場合には、コストパラメータを元の値に戻すとともに、初めに設定された全推力および全モーメントを変更して推力制限処理を行うようにしており、さらにこの推力制限処理においては、船舶の物理的状況を考慮して変更を加える優先度を導入して行うようにしているので、最適な推力配分を確実に得ることができる。
【0087】
上述したスラスタの制御装置および制御方法によると、評価関数を用いて推力の最適配分を行った後、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、さらにこの結果、定格推力を超えているスラスタが存在している場合には、まず推力制限処理において、定格推力を超えているスラスタに対応する重み行列のパラメータを増加させて再度最適配分を行うことにより、当該スラスタの推力超過分を余裕のあるスラスタへ再配分可能とし、船舶の制御に影響を与えない処理を行うことができる。また、上記最適配分後に、禁止角度範囲内にあるスラスタの方位角を禁止角度範囲外に設定するようにしているため、スラスタの推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、船舶の消費エネルギが少ない、かつスラスタの定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0088】
また、角度禁止処理においては、該当するスラスタの方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の最適配分を選択する処理を、全てのスラスタが禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理としているため、スラスタの推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、効率的な手順にて、船舶の消費エネルギが少なく、かつスラスタの定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0089】
また、推力制限処理を行う際に、制御手順に優先度を考慮するようにしたので、船舶の運動制御の犠牲を極力抑えた推力制限処理を行うことができる。
ところで、上記実施の形態においては、最適配分により各スラスタの推力を求める際に、角度禁止処理を行った後の推力に、各スラスタの推力が定格推力内となるような制限処理を行うようにしているが、角度禁止処理を行なわない制御であってもよい。
【0090】
この場合の制御方法および制御装置では、上記実施の形態において説明した角度禁止処理のためのステップ3およびステップ4が省略されたものである。
この制御方法および制御装置によると、評価関数を用いて、各スラスタの最適な推力を求めた後、各スラスタにおける推力が定格推力を超えている場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させるとともに、パラメータの変更でも対処し得ない場合には、評価関数が減少するように、全推力および全モーメントを変更させる処理を、定格推力を超えるスラスタが存在しなくなるまで繰り返し行うようにしたので、最適な推力配分を行うことができる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の推力発生器の制御方法および制御装置によると、評価関数を用いて推力の配分を行った結果、定格推力を超えている推力発生器が存在している場合には、まず推力制限処理において、定格推力を超えている推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力の配分を行うことにより、当該推力発生器の推力超過分を余裕のある推力発生器へ再配分可能とし、船舶の制御に影響を与えない処理を行うことができる。さらに、この推力制限処理を所定の回数行っても依然として定格推力を超えている推力発生器が存在している場合には、定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、全推力および全モーメントの値を変更して配分を行うのであるが、この変更の際に、評価関数の最小値を減少させる変更を行うことにより、船舶の消費エネルギを減少させる推力制限処理を行うことができる。
【0092】
また、本発明の第2の制御方法および制御装置の構成によると、上記第1の制御方法および制御装置による推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加することにより、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、船舶の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0093】
また、本発明の第3の制御方法および制御装置の構成によると、上記第2の制御方法および制御装置による推力の配分後に、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を付加する際に、該当する推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定した状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理としているため、推力発生器の推力の禁止角度範囲を考慮した推力配分を行う必要がある場合にも、効率的な手順にて、船舶の消費エネルギが少なく、かつ推力発生器の定格推力による制限に対応した推力配分を行うことができる。
【0094】
また、本発明の第4の制御方法および制御装置の構成によると、推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定するようにしたので、禁止角度範囲外への変更に際して、変更による消費エネルギの増加を最小にすることができる。
【0095】
さらに、本発明の第5の制御方法および制御装置の構成によると、推力制限処理を行う際に、制御手順に優先度を考慮するようにしたので、船舶の運動制御の犠牲を極力抑えた推力制限処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における推力発生器を有する船舶の模式図である。
【図2】本実施の形態における推力発生器の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の推力発生器の制御方法の全体の手順を示すフローチャートである。
【図4】同制御方法における角度禁止処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】同制御方法における推力制限処理の要部の手順を示すフローチャートである。
【図6】同制御方法における角度禁止処理を説明するための船舶の模式図である。
【符号の説明】
1 船舶
2 スラスタ
3 制御装置
11 測定器
12 測定部
13 設定部
14 制御指定演算器
15 推力配分演算器
21 推力演算部
22 角度禁止処理部
23 推力制限処理部
Claims (10)
- 複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づき航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算し、
これら求められた全推力および全モーメントの値に基づき、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算により求めるようにした推力発生器の制御方法であって、
上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求め、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力において、定格推力を越えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように、変更する推力制限処理を行うことを特徴とする推力発生器の制御方法。 - 複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定するとともに、これらの測定値に基づき航走体を、所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算し、
これら求められた全推力および全モーメントの値に基づき、各推力発生器にて出力すべき推力を推力配分演算により求めるようにした推力発生器の制御方法において、
上記推力配分演算は、下記式に示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器での推力uを求め、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
次に、上記求められた推力に基づく各推力発生器の方位角が禁止角度範囲内にある場合には、該当する推力発生器を禁止角度範囲外に設定する角度禁止処理を行い、
次に上記角度禁止処理により得られた推力が定格推力を越えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、さらに上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように、変更する推力制限処理を行うことを特徴とする推力発生器の制御方法。 - 角度禁止処理は、禁止角度範囲内にある一の推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定し、かつ他の禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を自由回転可能とした状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返す処理であることを特徴とする請求項2に記載の推力発生器の制御方法。
- 角度禁止処理において、禁止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定することを特徴とする請求項3に記載の推力発生器の制御方法。
- 推力制限処理において、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、
航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を減少させることを特徴とする請求項1または2に記載の推力発生器の制御方法。 - 複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器とを具備するとともに、
上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部と、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力において、定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度出力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部とから構成したことを特徴とする推力発生器の制御装置。 - 複数個の推力発生器を有する航走体の位置および方位を測定する測定部と、航走体の位置および方位を設定する設定部と、上記測定部および設定部で得られた測定値および設定値を入力して、航走体を所定位置若しくは所定方位または所定航路に保持するために必要な全推力と全モーメントを演算して出力する制御指定演算器と、この制御指定演算器で求められた全推力と全モーメントを入力して各推力発生器における推力配分を行いその配分値をそれぞれの駆動部に出力する推力配分演算器とを具備するとともに、
上記推力配分演算器は、下記式にて示す評価関数Jを最小化させる各推力発生器の推力uを求める推力演算部と、
J=(1/2)utWu
(但し、uは各推力発生器の推力成分を要素とする推力配列ベクトル、utはuの転置ベクトル、Wは重み行列である)
上記求められた推力を入力して、この推力に基づく推力発生器の方位角が、予め求められている推力発生器の禁止角度範囲内にある場合には、禁止角度範囲外に変更するための角度禁止処理部と、
この角度禁止処理が行われた推力を入力して、この推力が、それぞれ推力発生器の定格推力を越えている場合には、当該推力発生器に対応する重み行列のパラメータを増加させて再度推力を求め、かつ上記パラメータの変更を許容値まで行っても定格推力を超えている推力発生器が存在する場合には、この定格推力を超える推力発生器が存在しなくなるまで、上記与えられた全推力および全モーメントの値を、評価関数Jの最小値が減少するように変更する推力制限処理部とから構成したことを特徴とする推力発生器の制御装置。 - 角度禁止処理部において、禁止角度範囲内にある一の推力発生器の方位角を禁止角度範囲外の値に設定するとともに、禁止角度範囲外の推力発生器についてはその方位角を固定し、かつ他の禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を自由回転可能とした状態で、評価関数の最小値を該当する推力発生器ごとに求めた後、この求められた評価関数の最小値が最大となる場合の推力配分を選択する処理を、全ての推力発生器が禁止角度範囲外になるまで繰り返すように構成したことを特徴とする請求項7に記載の推力発生器の制御装置。
- 角度禁止処理部において、禁止角度範囲内にある推力発生器について、禁止角度範囲内にある推力発生器の方位角を禁止角度範囲外に設定する際に、禁止角度範囲の境界値の内、上記方位角に近い境界値に設定するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の推力発生器の制御装置。
- 推力制限処理部において、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が正の場合には、全横方向推力と全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値が負の場合には、全横方向推力の絶対値を増加させるとともに、全縦方向推力と全モーメントの絶対値を減少させ、
航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロ以外の場合には、全縦方向推力と全モーメントとの絶対値を減少させ、航走体の全横方向推力についての評価関数の微分値がゼロの場合でかつ全縦方向推力がゼロの場合には、全モーメントの絶対値を減少させることを特徴とする請求項6または7に記載の推力発生器の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000029854A JP4570192B2 (ja) | 2000-02-08 | 2000-02-08 | 推力発生器の制御方法および制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000029854A JP4570192B2 (ja) | 2000-02-08 | 2000-02-08 | 推力発生器の制御方法および制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001219899A JP2001219899A (ja) | 2001-08-14 |
JP4570192B2 true JP4570192B2 (ja) | 2010-10-27 |
Family
ID=18554946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000029854A Expired - Lifetime JP4570192B2 (ja) | 2000-02-08 | 2000-02-08 | 推力発生器の制御方法および制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4570192B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109709970A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-05-03 | 哈尔滨工程大学 | 一种水下机器人六自由度推力分配优化方法 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4339016B2 (ja) | 2002-05-20 | 2009-10-07 | 川崎重工業株式会社 | 推力配分方法及び推力配分装置 |
EP1628864B1 (de) * | 2003-05-13 | 2015-03-25 | Continental Teves AG & Co. oHG | Fahrdynamikregelsystem für fahrzeuge |
JP5151168B2 (ja) * | 2007-01-31 | 2013-02-27 | 株式会社Ihi | バウスラスタと旋回式スラスタを有する2軸船の推力制御方法及び装置 |
JP6566236B2 (ja) * | 2015-03-26 | 2019-08-28 | 三菱重工業株式会社 | 演算装置、移動体システム、演算方法およびプログラム |
JP6336174B1 (ja) * | 2017-04-10 | 2018-06-06 | 三菱電機株式会社 | 船舶の運動制御装置および運動制御方法 |
SE541652C2 (en) * | 2017-10-23 | 2019-11-19 | Kongsberg Maritime Sweden Ab | Navigation system with independent control of lateral and longitudinal thrust |
CN112947060A (zh) * | 2019-12-11 | 2021-06-11 | 中国科学院沈阳自动化研究所 | 一种水下机器人三维动力定位的推力分配优化方法 |
JP7177117B2 (ja) * | 2020-04-09 | 2022-11-22 | 東京計器株式会社 | 船***置保持装置 |
JP7177116B2 (ja) * | 2020-04-09 | 2022-11-22 | 東京計器株式会社 | 船***置保持装置 |
CN114194347B (zh) * | 2022-01-05 | 2022-12-27 | 广东海洋大学 | 半潜式海洋平台的动力定位方法、装置、设备及介质 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2749833B2 (ja) * | 1988-10-14 | 1998-05-13 | 三菱重工業株式会社 | 制御推力配分装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5996096A (ja) * | 1982-11-22 | 1984-06-02 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 船舶の操縦装置 |
JPH0633080B2 (ja) * | 1986-03-31 | 1994-05-02 | 三菱重工業株式会社 | 首振り式スラスタ付き船舶 |
JP2808531B2 (ja) * | 1995-04-17 | 1998-10-08 | 三菱重工業株式会社 | 航走体の制御推力配分装置 |
-
2000
- 2000-02-08 JP JP2000029854A patent/JP4570192B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2749833B2 (ja) * | 1988-10-14 | 1998-05-13 | 三菱重工業株式会社 | 制御推力配分装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109709970A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-05-03 | 哈尔滨工程大学 | 一种水下机器人六自由度推力分配优化方法 |
CN109709970B (zh) * | 2018-12-25 | 2022-01-14 | 哈尔滨工程大学 | 一种水下机器人六自由度推力分配优化方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001219899A (ja) | 2001-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4570192B2 (ja) | 推力発生器の制御方法および制御装置 | |
JP4339016B2 (ja) | 推力配分方法及び推力配分装置 | |
WO2012080241A1 (en) | Thrust allocation in dynamic positioning systems | |
Fitriadhy et al. | Course stability of a ship towing system | |
Valčić et al. | ANFIS based model for ship speed prediction | |
Ueno et al. | Rudder effectiveness correction for scale model ship testing | |
Zhao et al. | Simulation analysis of rudder roll stabilization during ship turning motion | |
CN111538242B (zh) | 一种不确定性估计和饱和补偿的动力定位t-s模糊抗饱和控制方法 | |
Liang et al. | Design ride control system using two stern flaps based 3 DOF motion modeling for wave piercing catamarans with beam seas | |
JP2000025683A (ja) | バブレーヤのrancによる弁開度自動制御方法 | |
Akimoto et al. | Finite-volume simulation method to predict the performance of a sailing boat | |
Javanmard et al. | An experimental investigation of the effect of ride control systems on the motions response of high-speed catamarans in irregular waves | |
JP4968641B2 (ja) | 構造体の位置・方位制御方法、構造体の位置・方位制御システム及びプログラム | |
Grm | Mathematical model for riverboat dynamics | |
Kang et al. | Installing single-propeller twin-rudder system with less asymmetric maneuvering motions | |
Wheeler et al. | Using vof slip velocity to improve productivity of planing hull CFD simulations | |
JP5296736B2 (ja) | 入射波の波高及び波向き推定方法、自動航路又は/及び船位維持制御方法、自動航路又は/及び船位維持制御システム及び船舶と洋上構造物 | |
Liu et al. | Control parameter optimization of underwater gliders for turbulence observation | |
Le et al. | Estimation of Ship Hydrodynamic Coefficients in Harbor Maneuvers and Its Applications | |
Flory | A method for estimating Passing Ship Forces | |
Oladele | Dynamics of an Autonomous Underwater Vehicle (AUV) towing another AUV | |
Li et al. | Real‐time predictive control‐based anti‐pitching method for high‐speed multihull with appendages constraints | |
Kvale | Revised simulation model for a very large crude carrier (vlcc) | |
Tjøswold | Verifying and Validation of a Manoeuvring Model for NTNU's Research Vessel R/V Gunnerus | |
Zhang | Stability and chaos analysis of nonlinear roll motion of trimaran ship with variable lay-out under wind and waves |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090428 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090612 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100810 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4570192 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |