JP4568667B2 - ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトパブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは、特に電子線、X線、EUV光(Extreme Ultra-violet:波長13nm付近)等を使用して高精細化したパターン形成し得るポジ型レジストに関するものであり、電子線、X線、EUV光等を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができるポジ型レジスト組成物に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、レジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、さらにKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィも開発が進んでいる。
かかる電子線、X線あるいはEUV光を用いたリソグラフィープロセスに適したレジストとしては高感度化の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型レジストが用いられており、ポジ型レジストに対しては主成分として、アルカリ水溶液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液には可溶となる性質を有するポリマー(以下、酸分解性樹脂と略すことがある)、及び酸発生剤からなる化学増幅型組成物が有効に使用されている。
電子線又はX線用のポジ型レジストに関しては、例えば特許文献1(特開平4−219757号公報)には、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)のフェノール性ヒドロキシ基の20〜70%がアセタール基で置換されたポリマーを含有するレジスト組成物が開示されている。
また、特許文献2(特開2000-66382号)には、p−ヒドロキシスチレンと(
メタ)アクリル酸エステルの共重合体を含有する感放射線性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献3(特開2001−33970号)には、特定の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を含有する感放射線性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4(特開2002−55457号)には、酸発生剤を5質量%以上含む
フォトレジスト組成物を用いて短波長(約160nm未満)の放射線あるいは電子線によりパターンを形成する方法が開示されている。
また、特許文献5(特開2002−323768号)には、特定のアセタール構造を有する樹脂を含むポジ型電子線、X線又はEUV用レジスト組成物が開示されている。
また、特許文献6(特開2003−177537号)には、エーテル連結基を有するアセタール構造を有する樹脂を含むポジ型電子線、X線又はEUV用レジスト組成物が開示されている。
また、特許文献7(特開2003−57819号)には、重合性末端基を有する分岐ポリマーを含有するフォトレジスト組成物が開示されている。
また、特許文献8(特開2000−347412号)には、ヒドロキシスチレン誘導体のデンポリマーまたはハイパーブランチポリマーを含有するレジスト材料が開示されてい
る。
しかしながら、上記技術でも、解像力、ラインエッジラフネス、感度およびパターン形状は同時に満足できていないのが現状である。
ラインエッジラフネスとは、レジスト組成物の特性に起因して、レジスト組成物のラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することを言う。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させる原因となっている。レジストパターンサイズがクオーターミクロン以下になるに伴い、ラインエッジラフネスの改善要求が高まってきている。
パターン形状とは、作成したパターンの矩形性であり、パターン断面を横から観察した場合、パターン上部のみが出っ張る形状(T−top)や、パターン上面が丸くなる形状(ラウンドトップ)、パターン幅が上部から下部に行くにつれ広がる形状(テーパー)およびパターン幅が上部から下部につれ狭まる形状(逆テーパー形状)が見られると、エッチングによるパターン転写が忠実に行われなくなってしまう。
また、EUVを光源とする場合、光の波長が極紫外領域に属し、高エネルギーを有するため、EUV光に起因するネガ化等の光化学反応が協奏することによるコントラスト低下等の問題があった。
従来知られている技術の組合せにおいては、電子線又はX線照射下で充分良好なラインエッジラフネスと良好なパターン形状を併せ持つことは困難であり、これらの両立が望まれていた。また、EUV照射下においても、充分良好な感度とコントラストを併せ持つことが望まれていた。
特開平4−219757号公報 特開2000-66382号公報 特開2001−33970号公報 特開2002−55457号公報 特開2002−323768号公報 特開2003−177537号公報 特開2003−57819号公報 特開2000−347412号公報
本発明の目的は、高エネルギー線、特にKrFエキシマレーザー、電子線、X線あるいはEUV光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、特に電子線使用時におけるラインエッジラフネスおよびパターン形状を同時に満足し、またEUV光使用時における感度、溶解コントラストに優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
即ち、本発明に係わるポジ型レジスト組成物は下記構成である。
(1)(A)少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大するポリマー、及び、
(B)一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム塩
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Figure 0004568667
一般式(I)中、
〜R13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、−CO−、又は、−SO である。
(2)ポリマー(A)が、くし型ポリマーであることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(3)ポリマー(A)が、星型ポリマーであることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4)ポリマー(A)が、ハイパーブランチドポリマーであることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(5)ポリマー(A)を形成するポリマー鎖のうち少なくとも1つが、ビニル型の繰り返し単位からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(6)該ビニル型繰り返し単位として、スチレン誘導体に由来する繰り返し単位または/および(メタ)アクリル酸誘導体に由来する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
更に好ましい態様として、以下の構成を挙げることができる。
(7)(D)界面活性剤の量が、該組成物中の固形分100質量%当たり0.0001質量%〜2質量%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(8)ポリマー(A)が、酸の作用により分解し、脂環及び芳香環の少なくともいずれかを有する基が脱離し、アルカリ可溶性基を生じる基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(9)電子線、X線又はEUVにより露光されることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(10)活性光線又は放射線が、波長100〜300nmの紫外線であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(11)活性光線又は放射線が、波長200〜300nmの紫外線であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(12)更に(C)有機塩基性化合物を含有することを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(13)前記(B)成分として、(B1)活性光線または放射線の作用により有機スル
ホン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする(1)〜(12)いずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(14)前記(B)成分として、(B2)活性光線または放射線の作用によりアリールスルホン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする(1)〜(12)いずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(15)さらに、溶剤を含有することを特徴とする(1)〜(14)いずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(16)上記溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有することを特徴とする(1)〜(15)いずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(17)上記溶剤としてさらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することを特徴とする(16)記載のポジ型レジスト組成物。
(18)更に、下記一般式(A)で表されるアセタール化合物及び/又は一般式(B)で表されるアセタール化合物を含有することを特徴とする(1)〜(17)いずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 0004568667
一般式(A)及び(B)中、R1’及びR2’は、各々独立に、炭素数1〜30個の有機基を表す。本発明は、上記(1)〜(18)に係る発明であるが、以降、他の事項も含めて記載している。
本発明により、電子線、EUV光によるパターン形成においても、良好な性能を示すポジ型レジスト組成物を提供することができる。
以下、本発明のポジ型レジスト組成物について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔1〕(A)少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有し、酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解性が増大するポリマー(以下、「酸分解性ポリマー(A)」ともいう)
酸分解性ポリマー(A)は、少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有するとともに、酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり、後述するような酸の作用により分解し、カルボキシ基、水酸基などのアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する繰り返し単位を含有する。
本発明で使用される酸分解性ポリマー(A)は、少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有している、いわゆる分岐ポリマーであり、従来用いられている、1つ
のポリマー鎖のみで構成されている直鎖状ポリマーとはその構造が異なる。分岐ポリマーに関しては石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(アイピーシー)第1章、第6章、第7章、および野瀬卓平、中浜精一、宮田清蔵編「大学院 高分子化学」(講談社)p.39に記載されている。一般に分岐ポリマーは枝分かれ(分岐)構造に由来した物性を有するため、通常の直鎖状ポリマーとは、溶液、固体物性が大きく異なることが知られている。
各ポリマー鎖の分子量は、好ましくは50以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは200以上である。
なお、ポリマー鎖とは、繰り返し単位を複数持つものである。
上記分岐ポリマーとして、例えば、くし型ポリマー(A1)、星型ポリマー(A2)、ハイパーブランチドポリマー(A3)が挙げられる。くし型ポリマーとは幹に多数の枝が等間隔に出ている分岐ポリマーである。くし型ポリマーのうち、側鎖(枝)が主鎖(幹)とは異なる構成または配置を持つものはグラフトポリマーと呼ばれる。星型ポリマーとは原子あるいは原子団を核とし、3つ以上の複数の分岐鎖が放射状に伸びた構造の分岐ポリマーであり、ハイパーブランチドポリマーとは一分子中に二種類の置換基を合計含む3個以上もつ、いわゆるABx型分子の重合により得られる多重分岐ポリマーである。くし型、グラフト、星型およびハイパーブランチドポリマーに関しては上記「大学院 高分子化学」p.39〜43に記載されている。
上記分岐ポリマーの分岐鎖の有無を確認する方法としては、GPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)−光散乱測定による方法が挙げられる。すなわち、ポリマーのGPC/MALLS(多角度光散乱)測定を行い、各溶出位置において、散乱光強度の傾きより<R21/2 (半径Rの2乗平均の平方根)を求め、散乱光強度の切片より重量平均分子量Mwを求め、<R21/2 とMwの対数をプロットして最小2乗法によりその傾きαを計算する。あるポリマーXの傾きαxと、該ポリマーXと単量体種が同一で共重合組
成の類似した直鎖ポリマー(例えば、共重合組成の誤差が10%以内、即ち、2種のポリマー各々における最も多く含有する同一の繰り返し単位の含有量(モル%)の差が10モル%以内)の場合の傾きαlを比較すると、(αl /αx )> 1となる場合、ポリマーXに分岐鎖が存在し、(αl /αx )の値が1より大きいほどポリマーXの分子中の分岐の割合が大きく、(αl /αx )≦ 1の場合、ポリマーXは分岐鎖を有していないと評価
する。本発明の分岐ポリマーを用いた場合に上記プロットで得られる傾きをαbとすると
、(αl /αb )の値は、好ましくは1.02以上、より好ましくは1.03以上、更に好ましくは1.04以上、最も好ましくは1.05以上である。
上記分岐ポリマーを形成する各ポリマー鎖(幹部、枝部に限らず)の重合に関しては従来の技術(ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、またはリビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合といった連鎖重合や縮合重合)を適用することができるが、連鎖重合が好ましい。すなわち、上記分岐ポリマーを形成する各ポリマー鎖は、ビニル型の繰り返し単位からなることが好ましい。また、重合法としては連鎖重合の中でもラジカル重合およびリビングラジカル重合が特に好ましい。
なお、該ビニル型繰り返し単位としては下記式(I)で示されるスチレン誘導体または下記式(II)で示される(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。
Figure 0004568667
式(I)中、Zは水素原子または(酸分解性または非酸分解性の)有機基を示す。Yは水素原子または(酸分解性または非酸分解性の)有機基を示す。R1は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基を示す。a、b、cは整数であり、a≧0、b≧0、c≧0、0≦a+b+c≦5を満たす。
Zの有機基のうち酸分解性基としては、−C(R11)(R12)(R13)、−C(R14)(R15)(OR16)、−〔C(R17)(R18)〕n−CO−OC(R11)(R12)(R13)が好ましい。R11〜R13は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R14、R15、R17、R18は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R16は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。尚、R11、R12、R13のうちの2つ、R14、R15、R16のうちの2つまたはR17、R18の2つが結合して環を形成してもよい。
該アルキル基、該シクロアルキル基、該アルケニル基、該アラルキル基は、それぞれのアルキレン鎖中に−O−、−S−、−CO2−、−CO−、―CONH―、−SO2−、−SO−、又はこれらの組み合わせを有していても良い。
Yの有機基のうち酸分解性基としては、−C(R11)(R12)(R13)、−C(R14)(R15)(OR16)が好ましい。
Figure 0004568667
式(II)中、R2は水素原子またはアルキル基を示す。X1は―ORa、―SRbまたは―N(Rc)Rbを示す。Raは水素原子または(酸分解性または非酸分解性の)有機基を
示す。Rbは水素原子または非酸分解性の有機基を示す。Rcは水素原子またはアルキル基を示す。
Raの有機基のうち酸分解性基としては−C(R11)(R12)(R13)、−C(R14)(
15)(OR16)が好ましい。
Ra またはRbの非酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解することのない有機基
であり、例えば、酸の作用により分解することのない、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミド基、シアノ基等を挙げることができる。アルキル基及びシクロアルキル基は、炭素数1〜10個が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数6〜12個のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基に於けるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を挙げることができる。
2及びRcのアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を好ましく挙げることができる。
上記各基が有してもよい置換基としては、例えば、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
式(I)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004568667
Figure 0004568667
式(II)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004568667
次に、各分岐ポリマーの合成法について説明する。
くし型ポリマー(A1)の合成法は、上記くし型ポリマーの定義に合致した構造のポリマーを合成できるものであれば手段を問わない。具体的には、幹となるポリマーに何らかの方法で重合開始点を発生させ、幹となるモノマーをそこから重合させて枝をつける方法、リビングポリマーのような活性を有するポリマーを幹となるポリマーに反応させる方法、末端に重合可能な官能基を持つポリマー(マクロモノマー)を重合させる方法などが挙げられる。上記合成法の中でマクロモノマー法が好ましい。マクロモノマーの合成とそれを用いたポリマー合成に関しては、山下雄也編著「マクロモノマーの化学と工業」(アイピーシー)第2章、3章に記載されている。
星型ポリマーの(A2)の合成法は、先に分岐鎖(枝)となるポリマーを合成した後、核となる原子または原子団(以降コアと呼ぶ)に結合させるarm-first法と、先にコアと
なる多官能開始剤を合成した後、枝となるポリマーを合成するcore-first法の二種に大別できるが、どちらの方法を用いても良い。星型ポリマー(A2)の合成法に関しては石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(アイピーシー)第1章に記載されている。
ハイパーブランチドポリマー(A3)の合成法は、縮合重合を用いる場合、直鎖状ポリマー合成で使われている縮合反応を多官能性分子(ABx型モノマー)に適用する方法、
連鎖重合を用いる場合、二重結合を持つ化合物に開始剤となる反応点を持たせたモノマーのカチオン重合やラジカル重合で合成する方法が挙げられるが、後者が好ましい。ハイパーブランチドポリマー(A3)の合成法に関しては石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(アイピーシー)第6章に記載されている。
なお、通常の直鎖状ポリマーをラジカル重合により合成しようとする際に連鎖移動の影響などで突発的に発生する、一分子中に二つ以上のラジカル活性点を有する生長ラジカルから生成するようなポリマーは、その分岐鎖の構造や分岐鎖が生成する度合いが完全に不規則であり構造が規定できないため、本発明の分岐ポリマーとは全く異なる。そのようなポリマーは本発明の分岐ポリマーには含まない。
また、本発明の酸分解性ポリマー(A)はデンドリマーを含まないものとする。本発明の酸分解性ポリマー(A)は枝分かれ(分岐)単位と線状単位の混合を含むが、デンドリマーは世代を問わず枝分かれ繰り返し単位のみを含む。また本発明の酸分解性ポリマー(A)は多分散性であり、少なくとも1.08以上の分子量分散度を示すが、デンドリマーは単分散型(一般に分散度が約1.02未満)の、極めて明確な輪郭を有している。よって、本発明の酸分解性ポリマー(A)とデンドリマーは区別することができる。
以下にくし型ポリマー(A1)、星型ポリマー(A2)、ハイパーブランチドポリマー(A3)の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
〔くし型ポリマー(A1)〕
Figure 0004568667
Figure 0004568667
〔星型ポリマー(A2)〕
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667


Figure 0004568667
〔ハイパーブランチドポリマー(A3)〕
Figure 0004568667
m1は0より大きい数であり、m2、m、n1、n2、nの各々は0以上の数である。
酸分解性ポリマー(A)は、全繰り返し単位中、一般式(I)または一般式(II)で示される繰り返し単位を5モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上である。また、必要に応じて併せて他の繰り返し単位を含有してもよい。該他の繰り返し単位に相当するモノマーとしては、例えば、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等を挙げることができる。
酸分解性ポリマー(A)は、全繰り返し単位中、酸分解性基を有する繰り返し単位を5〜90モル%含有することが好ましく、より好ましくは7〜80モル%、さらに好ましくは10〜70モル%である。酸分解性基を有する繰り返し単位としては、式(I)でZが−C(R14)(R15)(OR16)の構造、または式(II)でXが―ORaでありさらにRaが−C(R11)(R12)(R13)または−C(R14)(R15)(OR16)の構造が好ましい。
また、酸分解性ポリマー(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位として、酸の作用で脂環及び芳香環の少なくともいずれかを有する基が脱離し、アルカリ可溶性基を生じる基を有する繰り返し単位を有していることが好ましい。
このような繰り返し単位としては、一般式(I)及び(II)で表される繰り返し単位については、一般式(I)におけるY及びZとしての酸分解性の有機基及び一般式(II)におけるRaとしての酸分解性の有機基が、脂環及び芳香環の少なくともいずれかを有する基である場合が挙げられる。
酸分解性ポリマー(A)は、酸の作用により分解し、脂環及び芳香環の少なくともいずれかを有する基が脱離し、アルカリ可溶性基を生じる基を有する繰り返し単位の含有量は、酸分解性ポリマー(A)を構成する全繰り返し単位に対して、通常3〜95モル%、好ましくは5〜80モル%である。
また、一般式(I)におけるY及びZとしての酸分解性の有機基及び一般式(II)におけるRaとしての酸分解性の有機基は、総炭素数が4〜50が好ましく、5〜45がより好ましく、6〜40が特に好ましい。
酸分解性ポリマー(A)中の酸分解性基の導入法としては、フェノール性水酸基やカルボキシル基などのアルカリ可溶性基をあらかじめ酸分解性基で保護したモノマーを共重合して導入する方法と、アルカリ可溶性基を含有するポリマー骨格を構築した後に該アルカリ可溶性基を酸分解基保護して導入する方法があるが、どちらの方法でも良い。後者の方法の例としては、フェノール性水酸基を有するポリマーのそのフェノール性水酸基の一部を、該当するビニルエーテル化合物と酸触媒とを用いてアセタール化反応させることにより得る方法であり、例えば、特開平5−249682、特開平8−123032、特開平10−221854に記載の方法でアセタール基を導入することができる。また、J. Photo Polym. Sci. Tech., 11(3) 431 (1998)に記載された S. Malikのアセタール交換反応を用いて所望のアセタール基を導入することも可能である。
即ち、フェノール性水酸基を有するポリマーと下記一般式(C)で表されるビニルエーテル化合物および下記一般式(D)で表されるアルコール化合物とを酸触媒下反応させる方法である。ここで、酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等を用いることができる。この方法は、例えば下記反応式に示すように、フェノール性水酸基を有する樹脂と、下記一般式(C)で示されるビニルエーテル化合物及び下記一般式(D)で示されるアルコール化合物とを酸触媒存在下反応させることによりR3'およびR4'、もしくはR4'のみを下記一般式(F)に示すようにアセタール基として導入することができる。
Figure 0004568667
また、酸分解性ポリマー(A)中の酸分解性基の種類は1種であっても複数であっても良い。
酸分解性ポリマー(A)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200,000であり、1,500〜20,000が特に好ましい。即ち、溶解性、解像力の点から分子量200000以下が好ましい。ここで、重量平均分子量とは、光散乱検出によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められた値である。
酸分解性ポリマー(A)の分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)の下限は上記の通り1.1である。上限に関しては、酸分解性ポリマー(A)の分子量分散度が大きいほど、ラインエッジラフネスが悪くなる傾向が見られるため、一般に3.0以下であり、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下、最も好ましくは1.3以下である。
このような分子量分散度の小さいポリマーは、ポリマーの合成条件(重合溶媒の量、重合開始剤の量)やポリマーの精製条件(再沈溶剤の種類・量、再沈操作の回数)を種々変更することによって得ることができる。例えば、重合溶剤や開始剤の量を変えることで分子量を調節することができ、また再沈溶剤を変えたり再沈操作の回数を増やすことで樹脂の分散度を減らすことができる。再沈溶剤としては、2種以上の溶剤を混合して用いるか、または再沈操作を2回以上行うことが好ましく、2種以上の溶剤を混合した再沈溶剤を用いて再沈操を2回以上行うことがより好ましい。あるいは、リビングアニオン、リビングラジカル、またはリビングカチオン重合法を経由することによっても分子量分散度の低いポリマーを合成することができる。
(A1)くし型ポリマーの場合、幹となる部分(主鎖)の平均重合度をnmとすると、nmはポリマーの重量平均分子量が上記の範囲に収まる限りどの範囲でもよい。また枝分かれ繰り返し単位から伸びる各分岐鎖の平均重合度をnbとすると、nbの下限としてはnb≧3が好ましく、より好ましくはnb≧5、さらに好ましくはnb≧10である。nbが小さすぎると通常の線状ポリマーに近くなり本発明の効果が得られない。nbの上限に関し
ては、ポリマーの重量平均分子量が上記の範囲に収まる限りどの範囲でもよいが、nb≦15nmが好ましく、より好ましくはnb≦13nm、さらに好ましくはnb≦10nmであ
る。nbがnmに対して大きすぎると溶解性が著しく遅くなり本発明の効果が得られない。
また、ポリマー1分子中の分岐点の数の平均をxとすると、xは0.05nm≦x≦0
.8nmが好ましく、より好ましくは0.1nm≦x≦0.7nm、さらに好ましくは0.
15nm≦x≦0.6nmである。xが小さすぎると通常の線状ポリマーとほとんど変わらなくなり、またxが大きすぎると溶解性が著しく遅くなり、どちらも本発明の効果が得られない。
(A2)星型ポリマーの場合、コア部分から伸びる分岐鎖(枝)の数の平均をyとすると、定義上yは3以上である。yの上限としてはy≦20が好ましく、より好ましくはy≦17、さらに好ましくはy≦14である。また、各分岐鎖の平均重合度をnhとすると
、nhはポリマーの重量平均分子量が上記の範囲に収まることを前提に5≦nh≦1000が好ましく、より好ましくは10≦nh≦800、さらに好ましくは15≦nh≦600である。また、コア部分の分子量は2000以下が好ましく、より好ましくは1800以下、さらに好ましくは1500以下である。コア部分の分子量の下限に関しては特に限定されないが、上記yの値が4以上になる場合には、コア部に複数存在する分岐鎖との連結部分が離れていて互いに近づけない構造のものが好ましい。具体的には単環もしくは多環の芳香環を1つあるいは複数有する構造が好ましい。
(A3)ハイパーブランチドポリマーの場合、ポリマー1分子中の分岐点を有する繰り返し単位と分岐点を有さない繰り返し単位とのモル比の平均(例えば、先に例示したハイパーブランチドポリマーの構造においては(m1+m2+....):(n1+n2+....)の平均)は、通常1:99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5、さらに好ましくは10:90〜90:10である。
酸分解性ポリマー(A)の組成物中の含有量としては、該組成物の全固形分の質量に対して通常70〜98質量%であり、好ましくは75〜96質量%であり、より好ましくは80〜96質量%である。
〔2〕一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム化合物(B)
本発明の感光性組成物は、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)として一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム化合物(以下、単にスルホニウム塩(B)ともいう)を含有する。
Figure 0004568667
一般式(I)中、
〜R13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは単結合または2価の連結基である。
〜R13としては各々独立に水素原子または置換基であり、置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
また、R〜R13のうちの2つが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環)を形成してもよい。環形成するR〜R13のうちの2つ以上の組み合わせとしては、例えば、RとR13、RとRが挙げられる。
形成する環は多環縮合環であってもよい。環の具体例としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
〜R13として好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
〜R13として更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R〜R13として特に好ましくは水素原子又はアルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基である。
〜R13としての置換基は炭素数20以下が好ましく、炭素数15以下がより好ましい。
Zは単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、単結合、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、-CH=CH-,-C≡C-、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、等であり、置換基を有しても良い。これらの置換基としては上のR1〜R13に示した置換基と同様である。
Zとしての連結は炭素数15以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましい。
Zとして好ましくは単結合、アルキレン基、カルボニル基、スルホニル基、エステル基、エーテル基又はチオエーテル基であり、特に好ましくは単結合、アルキレン基、カルボニル基又はスルホニル基である。
一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム塩(B)は、対アニオンを有する。アニオンとしては、有機アニオンが望ましい。有機アニオンとは炭素原子を少なくとも1つ含有するアニオンを表す。更に、有機アニオンとしては非求核性アニオンであることが好ましい。非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。非求核性カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム塩(B)の対アニオンとしてはスルホン酸アニオンが好ましく、更に好ましくはアリールスルホン酸であることが好ましい。
対アニオンとして具体的には、(B2−1)メタンスルホン酸アニオン、(B2−2)トリフロロメタンスルホン酸アニオン、(B2−3)ペンタフロロエタンスルホン酸アニオン、(B2−4)ヘプタフロロプロパンスルホン酸アニオン、(B2−5)パーフロロブタンスルホン酸アニオン、(B2−6)パーフロロヘキサンスルホン酸アニオン、(B2−7)パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、(B2−8)ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、(B2−9)3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸アニオン、(B2−10)2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸アニオン、(B2−11)パーフロロエトキシエタンスルホン酸アニオン、(B2−12)2,3,5,6−テトラフロロ−4−ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオン、(B2−13)メタンスルホン酸アニオン、(B2−14)p-トルエンスルホン酸アニオン、(B2−15)3,5−ビストリフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、(B2−16)ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、(B2−17)2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸アニオンなどが挙げられる。
スルホニウム塩(B)が一般式(I)で表されるカチオンとともに有するアニオンは、1価でも2価以上でもよい。アニオンが2価以上の場合、スルホニウム塩(A)は、一般式(I)で表されるカチオンを2個以上有することができる。
一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム塩(B)の分子量は、一般的には250〜1500であり、好ましくは250〜1000である。
一般式(I)の化合物は環状スルフィド化合物を過酸化水素で酸化してスルホキシドと
し、ジフェニルスルホキシド化合物を酸触媒の存在下反応させ、トリフェニルスルホニウム塩構造を合成した後、所望のアニオンに塩交換することによって合成できる。
スルホニウム塩(B)の含量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。
カチオンの具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
(併用酸発生剤)
本発明においては、化合物(A)以外に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(酸発生剤)を更に併用してもよい。
併用しうる光酸発生剤の使用量は、モル比(化合物(A)/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜20/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ましくは100/0〜50/50である。
そのような併用可能な光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光によ
り酸を発生する化合物も使用することができる。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004568667
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸ア
ニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換されたアルカ
ンスルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換されたアリールスルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(Z1−1
)、(Z1−2)及び(Z1−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般
式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、及び(Z1−3)を挙げることができる。
化合物(Z1−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201
〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(Z1−2)について説明する。
化合物(Z1−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、
ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
化合物(Z1−3)とは、以下の一般式(Z1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0004568667
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-と同様の非求核性アニ
オンを挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R5cおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキ
ル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6
〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同
様のものを挙げることができる。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004568667
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物として、スルホン酸基を1つ有するスルホン酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、またはフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物であり、特に好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸のスルホニウム塩である。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
〔3〕アルカリ可溶性樹脂
本発明のレジスト組成物には、樹脂成分として前記酸分解性ポリマー(A)以外に酸分解性基を含有していないアルカリ可溶性樹脂を配合することができ、これにより感度が向上する。
酸分解基を含有していないアルカリ可溶性樹脂(以下単に「アルカリ可溶性樹脂」という)は、アルカリ現像液に可溶な樹脂であり、本発明の酸分解性ポリマー(A)中の酸分
解性基が形式上全て脱保護された樹脂を初め、ポリヒドロキシスチレン、ノボラック樹脂及びこれらの誘導体を好ましくあげることができる。またこれら以外にp−ヒドロキシスチレン単位を含有する共重合樹脂もアルカリ可溶性であれば用いることができる。
本発明において、上記酸分解性基を含有しないアルカリ可溶性樹脂の組成物中の添加量としては、組成物の固形分の全質量に対して、好ましくは2〜60質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
〔4〕(C)有機塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(C)塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい構造として、下記式(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
Figure 0004568667
式(A)〜(E)中、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。置換基を有するアルキル基、シクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルホリン、ピペリジンを挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。これらの化合物は置換基を有していてもよい。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナー5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホ
ニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。塩基性化合物の使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。十分な添加効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
〔5〕(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記(D)界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらの(D)界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新
秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファッ
クF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002
−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オ
キシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有
するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
(D)界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔6〕溶剤
本発明の組成物は、上記各成分及び後述する成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましい。これらの有機溶剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記の中でも、好ましい有機溶剤としては2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
上記の中でも、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有
することがより好ましい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに加えさらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することがラインエッジラフネス、真空中PEDによる性能変化低減の点で好ましい。
〔7〕パターン形成方法
本発明に係わるポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布した後、乾燥又はプリベークを行いレジスト膜を形成し、所定のマスクを通して、露光し、好ましくはポストベークを行い、現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。なお、基板上に予め反射防止膜を設けてもよい。
ここで露光光としては、例えば、250nm以下の波長の遠紫外線、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキ
シマレーザー(157nm)、EUV(13nm)、X線、電子ビーム等が挙げられ、特に好ましくは、KrFエキシマレーザー、電子線、X線又はEUVが挙げられる。
本発明のポジ型レジスト組成物によるパターン形成において、現像に使用するアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)マクロモノマー1の合成
Figure 0004568667
反応容器中でp−(1−エトキシエチル)スチレン(東ソー製)76.9g(0.4mol)、t−ブチルアクリレート76.9g(0.6mol)をテトラヒドロフラン250mlに溶解し、攪拌しながら系中に窒素ガスを流した。そこに3−メルカプト酢酸18.42g(0.2mol)、重合開始剤V−65(和光純薬工業製)を12.42g(0.05mol)添加し、反応溶液を60℃に加熱した。10時間過熱攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、蒸留水3L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン150mlに溶解し、再度蒸留水3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥して中間体を135.3g得た。
反応容器中に上記で得られた中間体100g、トリエチルアミン9.41g、グリシジルアクリレート8.94g、ヒドロキノン0.1g、メチルエチルケトン200mlを加え、60℃に加熱して2時間攪拌した。反応溶液を室温まで放冷し、蒸留水3L中に滴下
した。ろ過した固体をアセトン150mlに溶解し、再度蒸留水3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥してマクロモノマー1を120.3g得た。GPC/MALLS(多角度光散乱)による重量平均分子量は4300であった。1H−NMR解析から、p−(1−エトキシエチル)スチレン/t−ブチルアクリレートの比が43/57、二重結合存在比が0.215mmol/gであった。よって、上述したnb(分岐鎖となる部分の平均重
合度)は27.6である。
(合成例2)ポリマーA−1の合成
Figure 0004568667
反応容器中でp−(1−エトキシエチル)スチレン(東ソー製)2.98g(0.016mol)、t−ブチルアクリレート2.63g(0.021mol)、マクロモノマー1を65.12g(平均二重結合モル数0.014mol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解し、攪拌しながら系中に窒素ガスを流した。そこに重合開始剤V−65(和光純薬工業製)を0.89g(0.0036mol)添加し、反応溶液を60℃に加熱した。10時間過熱攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、蒸留水3L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン150mlに溶解し、再度蒸留水3L中に滴下、ろ過して固体を得た。この固体を反応容器に添加し、メタノール200ml、蒸留水20ml、p−トルエンスルホン酸1.0gを加え60℃に加熱して3時間攪拌した。その後反応溶液を蒸留水3Lに滴下し、ろ過した固体をアセトン150mlに溶解し、再度蒸留水3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥してポリマー38.4gを得た。その後、このポリマーをPGMEAに溶解させ、30質量%の溶液を得た。このポリマーをA−1とする。GPC/MALLSによる重量平均分子量は32000であった。また1H−NMR解析から、p−ヒドロキシスチレン/t−ブチルアクリレート/マクロモノマー1の比が31/41/28、全体のp−ヒドロキシスチレン/t−ブチルアクリレートの比が41/59であった。よって、上述したnm(幹となる部分(主鎖)の平均重合度)は、38.0、x(ポリマー1分子中の分岐点の数の平均)は10.6である。
(合成例3)多官能開始剤1の合成
Figure 0004568667
反応容器中に2,2−6,6−テトラメチル−1−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエトキシ)−ピペリジン73.10g(0.2mol)、テトラヒドロフランmlを加え、攪拌しながら系中に窒素ガスを流し、溶液を−40℃に冷却した。そこに水素化ナトリウム4.8g(0.2mol)を添加し、さらに20分攪拌した。その後1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン20.24g(0.045mol)を添加し、反応溶液を徐々に室温まで昇温した。その後飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止・中和し、酢酸エチル300mlと蒸留水100mlで抽出操作を行った。酢酸エチル層に硫酸マグネシウムを加えて脱水し、溶媒を留去した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い多官能開始剤1を185.3g得た。
なお、上記の2,2−6,6−テトラメチル−1−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエトキシ)−ピペリジンは、原料をスチレンからp−(1−エトキシエチル)スチレンに変更する以外は Journal of American Chemical Society 1994, Vol. 116, p.11185と同様の方法で合成できる。
2,2−6,6−テトラメチル−1−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエトキシ)−ピペリジンの構造は以下の通りである。
Figure 0004568667
(合成例4)ポリマーA−2の合成
Figure 0004568667
反応容器中に多官能開始剤1を3.18g(0.002mol)、p−(1−エトキシエチル)スチレン(東ソー製)38.45g(0.2mol)を添加し、攪拌しながら系中に窒素ガスを流し、反応溶液を130℃に加熱した。10時間加熱攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、さらに酢酸エチル100ml、メタノール20ml、蒸留水5ml、p−トルエンスルホン酸0.5gを加え反応溶液を60℃に加熱し2時間攪拌した。その後反応溶液を蒸留水2L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン100mlに溶解し、再度蒸留水2L中に滴下、ろ過した後減圧乾燥して粉体を23.7g得た。この粉体65.1gをPGMEA300gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約60gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、2−シクロヘキサンエタノール16.03g、t−ブトキシビニルエーテル12.52g、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩0.5gを添加し、室温にて4時間撹拌した。その後、トリエチルアミン0.4gを添加して中和し、酢酸エチル100g、水100gにより洗浄操作を3回行った。その後、溶媒量を調整して30質量%のポリマー溶液を得た。このポリマーをA−2とする。GPC/MALLS(多角度光散乱)測定による重量平均分子量は18000、1Hおよび13C−NMR解析から、フェノール性OHのアセタール保護率が14.5%であった。よって、上述のy(コア部分から伸びる分岐鎖(枝)の数の平均)は4、nh(各分岐鎖の平均重合度)は、31.3、コア部分の分子量は194である。
(合成例5)中間体1の合成
Figure 0004568667
反応容器中で5−ブロモ−2−ヒドロキシベンジルアルコール203.0g(1.0mol)を四塩化炭素500mlに溶解し、さらにトリフェニルホスフィン314.75g(1.2mol)を加えて時間加熱還流を行った。反応溶液を室温まで放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水を用いて洗浄・分液操作を行った。有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水した後溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い中間体1を197.6g得た。
(合成例6)中間体2の合成
Figure 0004568667
反応容器中に合成例5で得られた中間体1を177.18g(0.8mol)、ピリジン200mlを加え、さらに無水酢酸163.34g(1.6mol)を1時間かけて滴下した。滴下後さらに2時間攪拌した後、さらに酢酸エチル500mlを加え、0.1N−HCl水溶液で2回洗浄を行い、有機層をさらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と蒸留水で洗浄・分液を行った。有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水した後溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い中間体2を202.38g得た。
(合成例7)モノマー1の合成
Figure 0004568667
反応容器中で、合成例6で得られた中間体2を131.76g(0.5mol)を脱水テトラヒドロフラン250mlに溶解させ、系中を窒素置換した。中間体2に対しそれぞれ5モル%、10モル%のニッケル(II)クロリド、トリフェニルホスフィンを加えて撹拌し、さらにビニルマグネシウムブロミド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を500ml加え、60℃に加熱して4時間撹拌した。室温まで戻した後、酢酸エチル-水で洗浄、
抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムgを用いて脱水し、溶媒を留去した後、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、モノマー1を84.26g得た。
(合成例8)ポリマーA−3の合成
Figure 0004568667
反応容器中で合成例7で得られたモノマー1を42.13g(0.2mol)をクロロベンゼン100mlに溶解し、攪拌しながら系中に窒素ガスを流した。そこに、モノマー1に対してそれぞれ0.2当量、0.1当量の2,2’−ビピリジル、CuClを加え、115℃に加熱して4時間攪拌した。反応溶液を室温まで放冷した後、テトラヒドロフラン100mlを加えさらに2時間攪拌した。その後反応溶液をアルミナを通してろ過し、ろ液をメタノール3L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン100
mlに溶解し、再度メタノール3L中に滴下、ろ過した後減圧乾燥して粉体を27.81g得た。この粉体を反応容器に加え、さらにメタノール100ml、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.91g(0.01mol)を加えて3時間加熱還流を行った。その後1N−HCl水溶液を加え中和し、蒸留水2L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン50mlに溶解し、再度蒸留水2L中に滴下、ろ過した後減圧乾燥
して粉体を19.37g得た。この粉体をPGMEA100gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約20gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。
20℃まで冷却し、2−フェノキシエチルビニルエーテル3.77g、p−トルエンスルホン酸1.0gを添加し、室温にて1時間撹拌した。その後、トリエチルアミン1.16gを添加して中和し、酢酸エチル40g、水40gにより洗浄操作を3回行った。その後、溶媒量を調整して30質量%のポリマー溶液を得た。このポリマーをA−3とする。GPC/MALLS(多角度光散乱)測定による重量平均分子量は26000であった。また、1Hおよび13C−NMR解析から、ポリマー1分子中の分岐点を有する繰り返し単位と分岐点を有さない繰り返し単位とのモル比の平均は76:24であった。また、フェノール性OHのアセタール保護率が21.5%であった。
(合成例8)ポリマーA−4の合成
下記構造のポリマーA−4を、合成例4におけるビニルエーテルを変更する以外は同様の方法で合成した。重量平均分子量は15000、フェノール性水酸基の保護率は37.6%であった。y=4、nh=25.5、コア部の分子量は194であった。
Figure 0004568667
(合成例9)直鎖状ポリマーT−1〜T−4及びKの合成
既存の方法を用いて、本発明のポリマーA−1〜A−4とモノマー組成・重量平均分子量が同等である、下記に示す直鎖状ポリマーT−1〜T−4を合成し、30質量%のPGMEA溶液を得た。また、別途、ポリマーKを得た。
T−4:重量平均分子量15000、フェノール性水酸基の保護率:37.5%
Figure 0004568667
Figure 0004568667
Figure 0004568667
(分岐度の確認)
ポリマーA−1〜A−4およびT−1〜T−4のGPC/MALLS(多角度光散乱)測定による重量平均分子量(Mw)と、αl /αx の値を表1に示す。ここでαx 、αl
は以下の定義で求められる。
αx:本発明のポリマーA−1〜A−4のGPC/MALLSから求められる<R21/2 (半径Rの2乗平均の平方根)とMwの対数とのプロットから最小2乗法で求めた傾き
αl:A−1〜A−4それぞれに対応する直鎖状ポリマーT−1〜T−4について、上
記αxと同様の要領で求めた傾き
Figure 0004568667
表1の結果から、本発明のポリマーA−1〜A−4はいずれも(αl /αx )> 1となり、ポリマーに分岐鎖が存在していることがわかる。
(合成例10)10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(A1)の合成
チオキサンテン−9−オン10gをトリフルオロ酢酸40ml中で攪拌し、氷冷下、30%過酸化水素水5.4mlとトリフルオロ酢酸10.8mlを混合した溶液をゆっくり添加した。その後、氷冷下30分攪拌後、室温で1時間攪拌を行った。さらに、反応液を水にあけ、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶し、スルホキシド体4.6gを得た。スルホキシド体3gをトルエン20ml中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.7mlとノナフルオロブタンスルホン酸2.2mlを添加した。反応液を徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを添加し結晶を析出させ、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより、10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(A1)を3.9g得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.38(s,3H),7.34(d,2H),7.72(m,2H),7.95(m,4H),8.28(m, 2H),8.63(d,2H)
(合成例11) 10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム 3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸塩(A2)の合成
合成例1で得られた10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(A1)1.5gをメタノール/水=1/1溶液に溶解し、イオン交換樹脂(アンバーライトIRA402ClをNaOH水でアニオンをOHに置換したもの)に通し、3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸1gを加え、クロロホルムで抽出することで対塩が変更した10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム 3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸塩(A2)1.7gを得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.37(s,3H),7.34(d,2H),7.79(m,3H),7.93(m,4H),8.34(m, 4
H),8.62(d,2H)
(合成例12) 2−アセチル−10−トリル−9−オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩 (A8)の合成
チオサリチル酸15gと4-ブロモアセトフェノン20gを炭酸ナトリウム12gと銅触媒0.2gの存在下、ジメチルホルムアミド200ml中、170℃で6時間攪拌した後、反応液を塩酸水溶液にあけ、ろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶を行い、16gのスルフィドを得た。得られたスルフィド10gをポリリン酸100g中、60℃で5時間攪拌後、氷水にあけた。結晶をろ取し、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で結晶を洗い、エタノールで再結晶を行うことで、2−アセチル−9H−チオキサン−9−オン5gを得た。更に得られた2−アセチル−9H−チオキサン−9−オン3gをトリフルオロ酢酸12ml中で氷冷下攪拌し、30%過酸化水素水1.4mlとトリフルオロ酢酸2.7mlの混合溶液をゆっくり加えた。添加後、氷冷下30分攪拌し、続いて室温で1時間攪拌し反応を終結させた。反応液を水にあけ、酢酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液で分液し、有機層を減圧留去することでスルホキシド体3.6gを得た。それをトルエン15g中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.3ml、ノナフルオロブタンスルホン酸1.9mlを添加し、氷冷下30分、室温で1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを加え結晶化させ、得られた結晶を酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより2-アセチル-10-トリル-9-オキソチオキサンテニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩(A8)1gを得た。
1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.39(s,3H),2.74(s,3H),7.37(d,2H),7.72(m,2H),7.97(m, 2H),8.19(m,1H),8.39(m,2H),8.67(d,1H),9.09(s,1H)
他のスルホニウム塩(A)も同様に合成した。
〔実施例1〜12及び比較例1〜6〕
(i)ポジ型レジストの調製および塗設
下記表2に示すように、酸分解性樹脂、酸発生剤、塩基性化合物及び界面活性剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分濃度8.5質量%の溶液を調製した後、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過し
て、レジスト溶液を得た。このレジスト溶液を6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃で、90秒間ベークして膜厚0.30μmのレジスト膜を得た。
(ii)ポジ型レジストパターンの形成及び評価
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製 HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に、110℃で、90秒間ベークし、2.3
8質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4300)
を用いて観察した。0.15μmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
〔解像力〕
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における0.15μmラインパターンの断面形状を走査型電子
顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察し、矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価を行った。
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す照射量における0.15μmラインパターンの長さ方向50μmにお
ける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
評価結果を表2に示す。
表2における各成分の略号は以下のとおりである。
ポリマー、酸発生剤は先に記載のもの。
〔塩基性化合物〕
E−1: トリ−n−ヘキシルアミン
E−2: 2,4,6−トリフェニルイミダゾール
E−3: テトラ-(n-ブチル)アンモニウムヒドロキシド
〔界面活性剤〕
W−1:フッ素系界面活性剤、メガファックF−176(大日本インキ化学工業製)
W−2:フッ素/シリコン系界面活性剤、メガファックR08(大日本インキ化学工業製)
W−3:シリコン系界面活性剤、ポリシロキサンポリマーKP341(信越化学工業製)
Figure 0004568667
表2から、本発明のポジ型レジスト組成物は、電子線の照射によるパターン形成に関して、高感度で高解像力であり、パターン形状、ラインエッジラフネスも優れていることがわかる。
〔実施例13〜17及び比較例7、8〕
上記実施例1、4、5、9、11及び比較例1、4の各レジスト組成物を用い、実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。ただし、レジスト膜厚は0.15μmとした。得られたレジスト膜にEUV光(波長13.5nm、リソテックジャパン社)を用いて、露光量を0〜5.0mJづつ変えながら面露光を行ない、さらに110℃で、90秒間ベークした。その後2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度を求めた。
次に上記実験にて求めた感度の1/2にあたる露光量のEUV光を照射したサンプルを準備、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒現像した後のレジスト膜表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察した。結果を表3に示す。
Figure 0004568667
表3から、本発明のポジ型レジスト組成物は、EUV光の照射による特性評価において、感度、表面ラフネスが優れていることがわかる。
〔実施例18〜22及び比較例9、10〕
実施例1、4、5、9、11及び比較例1、4の各レジスト組成物を用い、実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。ただし、レジスト膜厚は、0.40μmとした。得られたレジスト膜に、KrFエキシマレーザーステッパー(キャノン(株)製FPA3000EX−5、波長248nm)を用いて、パターン露光した。露光後の処理は、実施例1と同様に行った。結果を下記表4に示す。
Figure 0004568667
表4から、本発明のポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー露光によるパターン形成に関して、比較例に比べて、高感度、高解像力であり、パターン形状、ラインエッジラフネスも優れていることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大するポリマー、及び、
    (B)一般式(I)で表されるカチオンを有するスルホニウム塩
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004568667
    一般式(I)中、
    1〜R13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成しても
    よい。
    Zは、−CO−、又は、−SO である。
  2. ポリマー(A)が、くし型ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  3. ポリマー(A)が、星型ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. ポリマー(A)が、ハイパーブランチドポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  5. ポリマー(A)を形成するポリマー鎖のうち少なくとも1つが、ビニル型の繰り返し単位からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 該ビニル型繰り返し単位として、スチレン誘導体に由来する繰り返し単位または/および(メタ)アクリル酸誘導体に由来する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項5に記載のポジ型レジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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