JP4566891B2 - トンネル覆工コンクリート打設方法 - Google Patents

トンネル覆工コンクリート打設方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法に関する。
例えば山岳トンネル工法等のトンネル工法において、掘削したトンネルの内周面の地山を覆って構築されるトンネル覆工コンクリートを形成するための方法として、コンクリート覆工用型枠を用いる工法が一般的に採用されている(例えば、特許文献1参照)。コンクリート覆工用型枠50は、図9(a),(b)に示すように、例えば馬蹄形等のアーチ形状部分52を含む形状のトンネル53の内周面54に沿って、トンネル53の側壁部55から上部に亘って設置されるものであり、設置されたコンクリート覆工用型枠50と、トンネル53の内周面54の吹き付けコンクリート56によって覆われる地山との間の覆工空間61に、好ましくは無筋コンクリートを打設して硬化させることにより、トンネル底部のインバート部51のコンクリートと連続させるようにして、覆工コンクリートが形成されることになる。
また、コンクリート覆工用型枠50としては、例えばパラセントルと呼ばれる組立式のトンネル覆工用型枠の他、スライドセントルと呼ばれる移動式のトンネル覆工用型枠が知られており、トンネル53の掘削作業の進行に伴なって、例えば10m程度の所定のスパン毎にコンクリート覆工用型枠50を据え付け直しながら、トンネル53の掘進方向の後方から前方に向かって、コンクリート覆工用型枠50を用いてトンネル53の側部及び上部の覆工コンクリートを順次打設形成して行くことになる。
そして、コンクリート覆工用型枠50を用いてトンネルの側部及び上部の覆工コンクリートを打設するには、例えば図10(a)〜(d)に示すように、設置したコンクリート覆工用型枠50に設けられた検査窓56からコンクリートを打設可能な高さ領域として、例えばトンネル53の側壁部55からアーチ形状部分52の肩部までの領域に対しては、検査窓56を介してコンクリート57を供給すると共に、バイブレータ58を検査窓56から挿入し、供給されたコンクリート57を締固めながらコンクリート57を打設する。しかる後に、検査窓56からコンクリート57を供給しつつバイブレータ58によって締固めることが困難な高さ領域として、トンネル53の冠部(クラウン部)59(図9(a)参照)の領域に対しては、コンクリート覆工用型枠50の天端部に設けた吹き上げ口としてのコンクリート供給口60から、コンクリートを吹き上げ方式で打ち込み、締固めを行うことなく冠部59のコンクリート57を形成するパターンが採用されている。
より具体的には、所定位置にコンクリート覆工用型枠50を設置した後に、コンクリート覆工用型枠50とトンネル53の内周面54との間の覆工空間61に、例えば側壁部55の下部から下段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図10(a)参照)と、さらに側壁部55の上部のアーチ形状部分52に向かって、中段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図10(b)参照)と、アーチ形状部分52の冠部59の手前まで、上段の検査窓56及び必要に応じてコンクリート供給口60を介してコンクリート57を流し込みながら、バイブレータ58を用いて締固める工程(図10(c)参照)と、冠部59の覆工空間61における既設覆工コンクリート62側の部分からコンクリート供給口60を介して順次コンクリート57を流し込み、締固めを行うことなく妻型枠63までコンクリート57を充填する工程(図10(d)参照)とによって、覆工コンクリートが打設されることになる。
特開2002−147193号公報
しかしながら、上述のようなコンクリート覆工用型枠50を用いた従来の覆工コンクリートの打設方法では、コンクリート覆工用型枠50の全体に分散させて設けた多くの検査窓56から人力によってバイブレータ58を各々挿入しながらコンクリートを締固めてゆく必要があるため、多くの手間を要することになる。したがって、検査窓56から人力によってバイブレータ58を挿入して締固めを行う作業をできるだけ少なくして、効率良く覆工コンクリートを打設できるようにすることが望ましい。また、上述のような従来の覆工コンクリートの打設方法では、トンネル冠部(クラウン部)59に打設されたコンクリート57の締固めを行うことができないことから、当該冠部59における覆工コンクリートの品質上の信頼性が低くなり、特に既設覆工コンクリート62の付近では、エア溜まりや空洞が発生しやすくなる。さらに、吹き上げ口としてのコンクリート供給口60から集中してコンクリート覆工用型枠50と地山との間の空間61にコンクリート57が打設されるので、締固めができないと、コンクリート57がコンクリート供給口60から周囲に流れる際の軌跡が縞模様として覆工コンクリートの表面に残りやすくなり、仕上りが悪くなる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、検査窓から人力によってバイブレータを挿入して締固めを行う作業を軽減して、多くの人手や手間を要することなく、効率良く覆工コンクリートを打設してゆくことができると共に、冠部の覆工コンクリートも効果的に締固めながら打設してゆくことのできるトンネル覆工コンクリートの打設方法を提供することを目的とする。
本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において、前記トンネル覆工用型枠の外周面とトンネル内周の覆工面との間の覆工空間における少なくともトンネル冠部に、妻型枠を貫通して既設覆工コンクリートに向けてトンネル軸方向に延設するケーブルを前記妻型枠の外側から牽引可能に配置すると共に、該ケーブルを少なくとも前記既設覆工コンクリートの近傍領域において下方に折れ曲がるように方向転換させて、該ケーブルの先端に取り付けたバイブレータを前記覆工空間のトンネル側部に吊り下げた状態で配置し、前記覆工空間に供給したコンクリートの上昇に伴なって、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを上昇させて、前記コンクリートを締固めつつ覆工コンクリートの両側部分を打設し、前記トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、前記バイブレータを、前記トンネル冠部の覆工空間において下方に吊り下げた状態からトンネル軸方向に移動可能となるようにセットし直し、前記トンネル覆工用型枠のトンネル冠部に設けたコンクリート供給口からコンクリートをトンネル冠部の覆工空間に供給し、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを前記妻型枠側に移動させつつ供給したコンクリートを締固めて、前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設するトンネル覆工コンクリート打設方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法によれば、前記バイブレータを浮きの付いたバイブレータとし、前記覆工空間に供給したコンクリートの上昇に伴なって、前記バイブレータを浮き上がらせながら上昇させるようにすることもできる。
さらに、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法によれば、前記トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、前記バイブレータを、前記浮きを付けたままの状態でトンネル軸方向に移動可能となるようにセットし直すこともできる。
さらにまた、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法によれば、前記トンネル覆工用型枠のトンネル冠部に設けたコンクリート供給口からコンクリートを供給して、前記トンネル冠部の覆工空間にコンクリートを充填した後に、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを前記妻型枠側に移動させつつ充填したコンクリートを締固めて、前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設することが好ましい。
本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法によれば、検査窓から人力によってバイブレータを挿入して締固めを行う作業を軽減して、多くの人手や手間を要することなく、効率良く覆工コンクリートを打設してゆくことができると共に、冠部の覆工コンクリートも効果的に締固めながら打設してゆくことができる。
本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリートの打設方法は、図1〜図8に示すように、例えば山岳トンネル工法において、トンネル覆工用型枠10を用いてトンネル12の側部及び上部の覆工コンクリート11を、トンネル底部のインバートコンクリート13と連続して、或いは連続可能となるように打設形成してゆく際に、トンネル覆工用型枠10の外周面10aと、トンネル12内周の地山40に吹き付けコンクリート41を吹き付けた覆工面42との間の覆工空間17に供給されるコンクリート14を、充分に締固めながら効率良く打設してゆくための方法として採用されたのもである。
ここで、本実施形態では、トンネル覆工用型枠10は、従来技術として公知の例えばスライド移動式のセントルであり、トンネル12の掘削作業の進行に伴なって、例えば10m程度の所定のスパン毎にトンネル12の掘進方向Xの後方から前方に向かって据え付け直しながら、トンネル12の側部及び上部の覆工コンクリート11を順次打設形成してゆくことを可能にするものである。
そして、本実施形態のトンネル覆工コンクリート打設方法は、トンネル覆工用型枠10を用いて覆工コンクリート11を形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において(図6参照)、トンネル覆工用型枠10の外周面10aとトンネル内周の覆工面42(図1参照)との間の覆工空間17における少なくともトンネル冠部15に、妻型枠16を貫通して既設覆工コンクリート18に向けてトンネル軸方向Xに延設するケーブル19を妻型枠16の外側から牽引可能に配置すると共に、ケーブル19を少なくとも既設覆工コンクリート18の近傍領域において下方に折れ曲がるように方向転換させて、ケーブル19の先端に取り付けたバイブレータ21を覆工空間17のトンネル側部に吊り下げた状態で配置し(図2参照)、覆工空間17に供給したコンクリート14の上昇に伴なって、ケーブル19を牽引しながらバイブレータ21を上昇させて、コンクリート14を締固めつつ覆工コンクリート11の両側部分を打設する(図4、図5参照)。またトンネル冠部15の下方まで覆工コンクリート11の両側部分を打設したら、バイブレータ21を、トンネル冠部15の覆工空間17において下方に吊り下げた状態からトンネル軸方向Xに移動可能となるようにセットし直し(図6参照)、トンネル覆工用型枠10のトンネル冠部15に設けたコンクリート供給口22からコンクリート14をトンネル冠部15の覆工空間17に供給し(図6,図7参照)、ケーブル19を牽引しながらバイブレータ21を妻型枠16側に移動させつつ供給したコンクリート14を締固めて、トンネル冠部15の覆工コンクリート11を打設する(図8参照)。
また、本実施形態によれば、バイブレータ21には浮き20が付いており、覆工空間17に供給したコンクリート14の上昇に伴なって、バイブレータ21を浮き上がらせながら上昇させるようになっている。
本実施形態では、トンネル12の側部及び上部の覆工コンクリート11を打設するのに先立って、図2に示すように、浮き20の付いたバイブレータ21をトンネル側部の覆工空間17に吊り下げた状態で配置する。すなわち、本実施形形態によれば、既設覆工コンクリート18の近傍領域を含む覆工空間17の既設覆工コンクリート18側の領域において、ケーブル19を介して下方に吊り下げられてトンネル側部の下端部分に配置されるバイブレータ21については(No6,5,4,3)、ケーブル19は、各々、例えばトンネル覆工用型枠10の外周面10aに設けられた滑車23を介して略垂直に折れ曲がり、トンネル軸方向Xに延設すると共に、妻型枠16を貫通してこれの外側に設けられた牽引用のケーブルリール24に各々接続されている。これによってこれらのバイブレータ21は、例えばケーブルリール24の機械的な操作によってケーブル19を自動的制御して巻き取りつつ、覆工空間17に供給したコンクリート14の上昇に伴なって、コンクリート14を締固めつつ上昇できるようになっている。
また、本実施形態では、覆工空間17の妻型枠16側の領域でケーブル19を介して下方に吊り下げられてトンネル側部の下端部分に配置されるバイブレータ21については(No2,1)、ケーブル19は、各々、例えばトンネル覆工用型枠10のアーチ形状部分の肩部に設けられた開閉可能な検査窓25から下方に延設配置されると共に、検査窓25の内側に設けられた牽引用のケーブルリールに各々接続されている。これによってこれらのバイブレータ21は、ケーブルリールの機械的な操作によってケーブル19を自動的に制御して巻き取りつつ、覆工空間17に供給したコンクリート14の上昇に伴なって、コンクリート14を締固めつつ上昇できるようになっている。
ここで、本実施形態では、バイブレータとして、図3に示すように、浮き20の付いた棒状のバイブレータ21が用いられる。浮き20の付いたバイブレータ21は、コンクリート14の打設に伴って垂直方向に自動的に移動可能な例えば特開平5−280289号公報や特開2000−356098号公報に記載のバイブレータと同様の構成のものを用いることができ、棒状のバイブレータ21のケーブル19との接続部分に、例えば比重の小さな合成樹脂製の略円柱形状の浮き20を装着して構成されている。また浮き20は、例えば直径部分で2つ割りにして係合手段を介して互いに接合されることにより、バイブレータ21に着脱可能に装着されている。
なお、本実施形態では、トンネル覆工用型枠10の全体に分散配置されて、開閉可能な複数の検査窓25が、予め設計された所定の位置に設けられている。これらの検査窓25を適宜選択し、例えばコンクリート供給ホースを検査窓25を介してトンネル覆工用型枠10の内側から覆工空間17に挿入して、覆工空間17にコンクリート14を供給することができ、また必要に応じて検査窓25からバイブレータを挿入して、供給したコンクリート14を締固めることができるようになっている。アーチ形状部分の肩部に設けられた検査窓25からは、上述のように浮き20の付いたバイブレータ21を吊り下げると共に、アーチ形状部分の肩部、又はこれよりも上方のトンネル冠部15に設けられた検査窓25の一部は、トンネル軸方向Xに延設するケーブル19を下方に折れ曲がるように方向転換させる滑車23に近接して開口形成されている。これらの検査窓25を介して、後述するように、トンネル覆工用型枠10から滑車23を撤去する作業や、バイブレータ21を下方に吊り下げた状態からトンネル軸方向Xに移動可能な状態にセットし直す作業を、トンネル覆工用型枠10の内側から行うことができるようになっている。
浮き20の付いたバイブレータ21をトンネル側部の覆工空間17に吊り下げたら、図4に示すように、例えばトンネル側部に配置した下段の検査窓25からコンクリート14を覆工空間17に供給し、浮き20の浮力によってバイブレータ21を上昇させつつコンクリートを締固めると共に、ケーブルリール24によって余ったケーブル19を巻き取りながらトンネル側部の覆工コンクリート11を打設する。
そして、引き続き図5に示すように、例えば中段部分や肩部に配置した検査窓25からコンクリート14を供給し、また必要に応じてトンネル冠部15に設けたコンクリート供給口22からもコンクリート14を供給して、浮き20の浮力によってバイブレータ21を上昇させつつコンクリート14を締固めると共に、ケーブルリール24によって余ったケーブル19を巻き取りながら、例えばアーチ形状部分の肩部まで覆工コンクリート11を打設する。
アーチ形状部分の肩部まで覆工コンクリート11を打設したら、図6に示すように、妻型枠16側の領域に配置されたバイブレータ21(No2,1)を、検査窓25を介して撤去する。また滑車23と近接させて設けた検査窓25を介して、例えば当該検査窓25の近傍まで上昇してきたバイブレータ21(No6,5,4,3)から浮き20を取り外すと共に、滑車23を撤去する。そして、棒状のバイブレータ21をトンネル軸方向Xに沿うように配設すると共に、例えばバイブレータ21の基端部分に設けた係止部をトンネル覆工用型枠10の外周面10aにトンネル軸方向Xに延設して形成したガイド部に係止して、バイブレータ21を、トンネル冠部15の覆工空間17においてトンネル軸方向Xにスライド移動可能となるようにセットし直す。
なお、バイブレータ21は、浮き20を取り外すことなく、浮き20を取り付けたままの状態でトンネル軸方向Xに移動可能となるようにセットし直すこともでき、これによって浮き20は、バイブレータ21のスライド移動中にトンネル覆工用型枠10の外周面10aとバイブレータ21との間に間隔を保持するスペーサとしての機能を発揮する。また、浮き20の部分にガイド部と係止する係止部を設けて、バイブレータ21をガイド部に沿ってトンネル軸方向Xにスライド移動させるようにすることもできる。
バイブレータ21をトンネル軸方向Xに移動可能にセットし直したら、好ましくはそのままの状態で、トンネル覆工用型枠10の例えば既設覆工コンクリート18に近接する部分のトンネル冠部15に設けたコンクリート供給口22や、さらに妻型枠16側に所定の間隔をおいてトンネル冠部15に適宜設けたコンクリート供給口からコンクリート14を供給して、図7に示すように、トンネル冠部15の覆工空間17にコンクリート14を充填する。
トンネル冠部15の覆工空間17にコンクリート14を充填したら、さらに、トンネル軸方向Xに移動可能にセットし直したバイブレータ21をケーブルリール24によって牽引して、妻型枠16側に移動させつつ充填したコンクリート14を締固める。図8に示すように、バイブレータ21が妻型枠16まで移動したら、バイブレータ21を駆動させながら覆工空間17から引き抜き、好ましくは引き抜きによって生じた空間を埋めるように妻型枠16からコンクリートを注入して、当該トンネル覆工用型枠10を設置したスパンにおける覆工コンクリート11の打設作業が終了する。
そして、本実施形態のトンネル覆工コンクリート打設方法によれば、検査窓25から人力によってバイブレータを挿入して締固めを行う作業を軽減して、多くの人手や手間を要することなく、効率良く覆工コンクリート11を打設してゆくことができると共に、トンネル冠部15の覆工コンクリート11も効果的に締固めながら打設してゆくことができる。
すなわち、本実施形態によれば、トンネル冠部15の覆工空間17に、妻型枠16を貫通してトンネル軸方向Xに延設するケーブル19を牽引可能に配置すると共に、既設覆工コンクリート18側の領域においてケーブル19を方向転換させて、浮き20の付いたバイブレータ21を覆工空間17のトンネル側部に吊り下げた状態で配置し、覆工空間17に打設したコンクリート14の上昇に伴なって、ケーブル19を牽引しながらバイブレータ21を浮き上がらせて、コンクリート14を締固めつつ覆工コンクリート11の両側部分を打設するので、検査窓25から人力によってバイブレータを挿入して締固めを行う作業を不用にしたり、或いは軽減しつつ、ケーブルリール24によってケーブル19の牽引を制御しながら効率良く覆工コンクリート11を打設してゆくことが可能になる。
また、本実施形態によれば、トンネル冠部15の下方まで覆工コンクリート11の両側部分を打設したら、バイブレータ21を、トンネル冠部15の覆工空間17においてトンネル軸方向Xに移動可能となるようにセットし直すと共に、トンネル冠部15の覆工空間17にコンクリート14を供給し、ケーブル19を牽引しながらバイブレータ21をトンネル軸方向Xに移動させつつ供給したコンクリート14を締固めて、トンネル冠部15の覆工コンクリート11を打設するので、トンネル冠部15の覆工コンクリート11をバイブレータ21によって十分に締め固めることができ、トンネル冠部15の覆工コンクリート11にエア溜まりや空洞が発生したり、表面の仕上りが悪くなるのを回避して、品質の良い覆工コンクリート11を得ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明は、山岳トンネル以外のその他のトンネルにおいて覆工コンクリートを形成するべく採用することができ、またトンネル覆工用型枠の外周面との間に覆工空間を形成する覆工面は、吹き付けコンクリートによって覆われる地山の他、1次覆工を行った後のトンネル内周面による、2次覆工を行うための覆工面であっても良い。さらに、妻型枠側の領域のトンネル冠部より下方の覆工コンクリートは、検査窓から巻き取り可能に吊り下げたバイブレータを用いて締固める必要は必ずしもなく、例えば検査窓から人力によりバイブレータを挿入して締固めを行うこともできる。さらにまた、トンネル冠部の下方の両側部分の覆工コンクリートは、トンネル覆工用型枠に設けられた検査窓からコンクリートを供給すると共に人力でバイブレータを挿入して締固めながら打設する方法を適宜併用しつつ覆工コンクリートを打設することもできる。
また、本発明では、バイブレータに浮きを付けて、覆工空間に供給したコンクリートの上昇に伴なってバイブレータを浮き上がらせながら上昇させる必要は必ずしもなく、例えばバイブレータにコンクリートの存在を検地する検知センサーを設け(例えば、特許第3692002号公報参照)、この検知センサーによってコンクリートの上昇を検知しつつ、ケーブルを牽引制御しながらバイブレータを上昇させることもできる。
さらに、トンネル冠部の覆工空間にコンクリートが充填されるのを待って、ケーブルを牽引しながらバイブレータを妻型枠側に移動させつつトンネル冠部の覆工空間のコンクリートを締固める作業を行う必要は必ずしもなく、コンクリートが覆工空間に供給されるのと並行して、例えば既設覆工コンクリートから妻型枠側に向けて追っかけ方式でコンクリートを締固めてゆくこともできる。
本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法において、トンネル覆工用型枠をトンネル内周の覆工面に沿って設置した状態を示すトンネル軸方向から見た断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 浮きの付いたバイブレータの構成を説明する斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法の作業工程を説明する略示斜視図である。 (a)は従来のトンネル覆工コンクリート打設方法においてコンクリート覆工用型枠をトンネル内周の覆工面に沿って設置した状態を示すトンネル軸方向から見た断面図、(b)は同側面図である。 (a)〜(d)は、従来のトンネル覆工コンクリート打設方法の作業手順を説明する、一部を断面図として示す側面図である。
符号の説明
10 コンクリート覆工用型枠
10a トンネル覆工用型枠の外周面
11 覆工コンクリート
12 トンネル
13 インバートコンクリート
14 コンクリート
15 トンネル冠部
16 妻型枠
17 覆工空間
18 既設覆工コンクリート
19 ケーブル
20 浮き
21 バイブレータ
22 コンクリート供給口
23 滑車
24 ケーブルリール
25 検査窓
X トンネル軸方向(トンネル掘進方向)

Claims (4)

  1. トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において、
    前記トンネル覆工用型枠の外周面とトンネル内周の覆工面との間の覆工空間における少なくともトンネル冠部に、妻型枠を貫通して既設覆工コンクリートに向けてトンネル軸方向に延設するケーブルを前記妻型枠の外側から牽引可能に配置すると共に、該ケーブルを少なくとも前記既設覆工コンクリートの近傍領域において下方に折れ曲がるように方向転換させて、該ケーブルの先端に取り付けたバイブレータを前記覆工空間のトンネル側部に吊り下げた状態で配置し、
    前記覆工空間に供給したコンクリートの上昇に伴なって、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを上昇させて、前記コンクリートを締固めつつ覆工コンクリートの両側部分を打設し、
    前記トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、前記バイブレータを、前記トンネル冠部の覆工空間において下方に吊り下げた状態からトンネル軸方向に移動可能となるようにセットし直し、
    前記トンネル覆工用型枠のトンネル冠部に設けたコンクリート供給口からコンクリートをトンネル冠部の覆工空間に供給し、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを前記妻型枠側に移動させつつ供給したコンクリートを締固めて、前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設するトンネル覆工コンクリート打設方法。
  2. 前記バイブレータが浮きの付いたバイブレータであり、前記覆工空間に供給したコンクリートの上昇に伴なって、前記バイブレータを浮き上がらせながら上昇させる請求項1に記載のトンネル覆工コンクリート打設方法。
  3. 前記トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、前記バイブレータを、前記浮きを付けたままの状態でトンネル軸方向に移動可能となるようにセットし直す請求項2に記載のトンネル覆工コンクリート打設方法。
  4. 前記トンネル覆工用型枠のトンネル冠部に設けたコンクリート供給口からコンクリートを供給して、前記トンネル冠部の覆工空間にコンクリートを充填した後に、前記ケーブルを牽引しながら前記バイブレータを前記妻型枠側に移動させつつ充填したコンクリートを締固めて、前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設する請求項1〜3のいずれかに記載のトンネル覆工コンクリート打設方法。
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