JP4566834B2 - 静電潜像担持体、並びにプロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
現在、工業製品の環境性能は、その存亡を左右するほど一般にも重要視されつつある。この状況下、感光体の使用形態は未だ使い捨てを前提としたサプライ製品としての性格が強く、地球環境に与えるインパクトは許容されない事態となりつつある。この対応として、感光体自体の設計及び使いこなし面から、感光体の摩耗や創傷を抑制することが必要となる。同時に、感光体周りの感光体接触部材へ与えるダメージも少なくすることができれば、作像エンジンの経時劣化を抑制することが可能となり、結果として、部品の交換頻度や装置自体の買い換えを抑制し、省資源化や大気汚染防止などの環境負荷の低減に貢献することができる。
例えば、特許文献1には、感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが提案されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を表面に有する感光体が提案されている。
また、特許文献4には、電荷輸送性付与基を有する硬化性シロキサン樹脂を三次元網目構造状に硬化させる感光体の製造方法が提案されている。
更に、耐擦傷性を向上するためには表面硬度を高くするよりは、応力緩和を向上させる方が有利であると考えられる。
<1> 支持体と、該支持体上に感光層と、該感光層上に表面層とを少なくとも有してなり、該表面層と同じ組成の膜をスライドガラス上に厚み5μmとなるように成膜し、該膜を#000のスチールウールを用いて500gfの荷重で50回ラビングした後の該膜のヘイズ値が10%以下であることを特徴とする静電潜像担持体である。
<2> ヘイズ値が1.0%以下である前記<1>に記載の静電潜像担持体である。
<3> 表面層が、ポリジメチルシロキサン系共重合体とポリカプロラクトンとポリシロキサンとを含む組成物の硬化物、及びポリカプロラクトンと、ポリシロキサンとを骨格中に導入したポリジメチルシロキサン系共重合体の硬化物の少なくともいずれかを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<4> 硬化物が、ポリジメチルシロキサン系共重合体のウレタン架橋物及びポリジメチルシロキサン系共重合体のメラミン架橋物のいずれかである前記<3>に記載の静電潜像担持体である。
<5> 表面層が、下記構造式(1)で表される電荷輸送物質を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<6> 電荷輸送物質の表面層における含有量が1〜50質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<7> 表面層が、導電性フィラーを含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<8> 表面層の厚みが1〜10μmである前記<1>から<7>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<9> 感光層が、単層型感光層である前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<10> 感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層である前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカ−トリッジである。
<12> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<10>のいずれかに記載の静電潜像担持体を有することを特徴とする画像形成装置である。
<13> 画像形成装置が、静電潜像担持体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有する前記<12>に記載の画像形成装置である。
<14> 潤滑性付与剤が、金属石鹸である前記<13>に記載の画像形成装置である。
<15> 金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも1種である前記<14>に記載の画像形成装置である。
<16> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含んでなり、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<10>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法である。
ここで、前記自己治癒性とは、多少の擦過傷又は圧力によるへこみ傷に対して一時的には他の平面と比べて傷として存在するが、その塗膜の弾性により経時的に修復し傷を消滅させてしまう機能を意味する。
前記静電潜像担持体の表面に自己治癒性を発現させるためには表面層を形成する樹脂膜はバネの作用をする網目状の構造をもつのが有利である。これには表面層の樹脂膜に架橋構造をもたせ、更に架橋構造内にソフトセグメントとハードセグメントを持たすとよい。ソフトセグメントだけでは弾性が弱くなり形状を保持することが困難となる。またハードセグメントばかりでは傷が刻印されるため不適となる。
ソフトセグメントはポリカプロラクトンが好ましく、ハードセグメントとしてウレタン又はメラミンを硬化剤に用いることが好ましい。
導電性フィラーを配合するケースでは表面層の抵抗を下層の抵抗と比較して2桁程度落とすとよい。また、導電性フィラーの配合で表面層の透明性が消失してしまうと露光による電荷発生が不十分となるため、配合するフィラーは成膜後も透明であるものが望ましい。具体的には導電性フィラーとして酸化スズを用いるとよい。表面層の抵抗は導電性フィラーの抵抗値、配合量と表面層の厚み設定によってコントロールすることができる。
更に、自己治癒性を有する表面層を成膜する際、下層の成分を溶解し、これが表面層に混入すると、これらがトラップサイトとして作用することが多い。そこで、表面層の成膜に用いる溶剤は下層を溶かさないものが好ましい。成膜方法にも左右されるが通常、1ml/10mg以上の溶解度となるものを使用するとよい。
本発明の静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に感光層と、該感光層上に表面層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
ここで、前記ヘイズ値は、例えば、市販のヘイズメーターなどにより測定することができる。
また、前記静電潜像担持体は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層と、該積層型感光層上に表面層を設けてなり、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
また、図2、図3、図4、及び図5は、各々本発明の他の静電潜像担持体の層構成例を示すものである。
図2は、感光層が電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204より構成される機能分離型タイプのものである。図3は、支持体201と、機能分離型タイプの感光層の電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204の間に下引き層205を入れたものである。図4は、電荷輸送層204の上に表面層206を積層したタイプのものである。図5は、下引き層205と電荷発生層203との間に中間層207を設けたタイプのものである。なお、本発明の静電潜像担持体は、支持体201上に感光層202を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
前記表面層は、上述したように優れた自己治癒性を有し、(1)ポリジメチルシロキサン系共重合体とポリカプロラクトンとポリシロキサンとを含む組成物の硬化物、及び(2)ポリカプロラクトンと、ポリシロキサンとを骨格中に導入したポリジメチルシロキサン系共重合体の硬化物の少なくともいずれかを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
また、前記(2)のポリカプロラクトン及びポリシロキサンが骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体は、単独で用いることもできるし、前記(1)の組成物の1種又は2種以上と混合して用いることもできる。
前記(1)の組成物、又は前記(2)のポリジメチルシロキサン系共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、株式会社ナトコ製の商品名「自己治癒性クリヤーNo.100」、などが好適に挙げられる。
前記ポリジメチルシロキサン系共重合体は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であっても構わない。
また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできる。更に、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。
前記ポリカプロラクトンとしては、例えば、下記構造式(i)で表される2官能ポリカプロラクトンジオール類、下記構造式(ii)で表される3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他の4官能ポリカプロラクトンポリオール等、が挙げられる。これらの中でも、ポリカプロラクトントリオールが特に好ましい。
前記ポリシロキサンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、又は該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記シラン化合物を付加させたもの等を使用することができる。
該ポリシロキサンは、得られる表面層材料に耐熱性、耐汚染性等を付与し、表面層材料の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
前記溶液重合の反応温度は、50〜150℃が好ましく、反応時間は3〜12時間が好ましい。
前記ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000が好ましく、効果的に表面層材料表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、5000〜20000がより好ましい。
前記ポリカプロラクトンは、表面層材料に対して高い反撥弾性と良好な密着性を付与し、擦過力が及ぼされると、該擦過力をエネルギー弾性変形により吸収する働きを有するが、該ポリカプロラクトンの含有量が5質量%未満であると、表面層材料の耐擦傷性及び耐チッピング性が低下することがあり、50質量%を超えると、表面層材料の耐汚染性が低下することがある。
前記ポリシロキサンは、表面層材料に対して耐汚染性、耐候性、耐熱性を付与するとともに表面層材料の表面硬度を向上させる働きを有するが、該ポリシロキサンの含有量が1質量%未満であると、前記効果が十分に発揮されないことがあり、20質量%を超えると、表面層材料の耐擦傷性が低下することがある。
前記アリール基としては、例えば、芳香族炭化水素基としてフェニル基;縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基;非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、下記構造式(I)で表される基;複素環基としてチエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
(2)アルキル基としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。これらのアルキル基は、さらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、トリフルオロメチル基、2-ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基、などが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR109)として、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、などが挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基、などが挙げられる。
(6)下記構造式で表される基である。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられる。
これらはアルキル基及びアリール基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。また、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジ(p-トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基などが挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、メチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基;アルキレンジチオ基、などが挙げられる。
以上説明したように表面層に電荷輸送物質を配合することにより、帯電安定性を高める作用を持つ。その結果、下地との誘電率の差が緩和されることが多い。前記表面層と下地との誘電率が大きく異なると、各層で充放電のバランスが崩れてしまい、帯電安定性が確保しにくくなる。結果、残像等の異常画像を生じてしまうことがある。前記電荷輸送物質の配合は感度特性の向上の他に帯電安定性が得られるため、高信頼性を付与するのに有利である。
他方、表面層塗料成分が下地に混入し、トラップサイトを生成すると、激しい残留電位の蓄積が見られる。ポアソン方程式の関係に沿って、厚みの2乗に比例するためと思われる。このため、下地を溶解させない溶媒を選択することは極めて重要となる。
前記表面層の厚みは、1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
前記複層型感光層は、少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、更に必要に応じて、中間層、その他の層を有してなる。
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、前述した材料を用いることができる。
これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば、次の(a)〜(d)のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、スチレン化フェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−i−プロピリデンビスフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリスメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアネート、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニレン−N′−i−プロピル−p−フェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン
チオビス(β−ナフトール)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ドデシルメルカプタン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルチオカルバメート、イソプロピルキサンテート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート
トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシルホスファイト)、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられる。
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどが挙げられる。
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどが挙げられる。
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどが挙げられる。
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどが挙げられる。
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどが挙げられる。
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどが挙げられる。
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなどが挙げられる。
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどが挙げられる。
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどが挙げられる。
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどが挙げられる。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなどが挙げられる。
ニッケル〔2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート〕ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどが挙げられる。
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
なお、各層に添加できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層の説明に記載したものと同じものを用いることができる。
前記支持体としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電体又は導電処理をした絶縁体が好適であり、例えば、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属、又はそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属、あるいはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの;樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙、などが挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器は、もちろん上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図6において、感光体11は、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有し、かつ、感光体表面に自己治癒性を有することを特徴とする感光体である。感光体11はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段12は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド ステート チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。転写手段16には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
現像手段14により感光体上に現像されたトナー15は、記録媒体18に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段17により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
そこで、本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を備えることによって、クリーニングブレードに対する電子写真感光体表面の摩擦係数を長期間にわたって低減することができ、上記不具合を解消することができる、画像形成装置、及び画像形成方法を得ることができる。
感光体11は駆動手段1Cにより駆動され、帯電手段12による帯電、露光手段13による像露光、現像(図示せず)、転写手段16による転写、クリーニング前露光手段によるクリーニング前露光、クリーニング手段17によるクリーニング、除電手段1Aによる除電が繰返し行われる。図8においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図8において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
ここで、図9中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。感光体11は、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有し、かつ、感光体表面に自己治癒性を有することを特徴とする感光体である。各色の現像手段14Bk,14C,14M,14Yは各々独立に制御可能となっており、画像形成を行う色の現像手段のみが駆動される。
転写ドラム方式の電子写真装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図9に示すような中間転写方式の電子写真装置では中間転写体1F上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特長がある。
この電子写真装置に用いられる感光体11は、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有し、かつ、感光体表面に自己治癒性を有することを特徴とする感光体である。各感光体11Y,11M,11C,11Bkの周りには、帯電手段12、露光手段13、現像手段14、クリーニング手段17等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体11Y,11M,11C,11Bkの各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト1Gが駆動手段1Cにて掛け渡されている。この搬送転写ベルト1Gを挟んで各感光体1Y,1M,1C,1Bkに対向する転写位置には転写手段16が配設されている。
図10の形態のようなタンデム方式の電子写真装置は、各色毎に感光体1Y,1M,1C,1Bkを持ち、各色のトナー像を搬送転写ベルト1Gに保持された記録媒体18に順次転写するため、感光体を一つしか持たないフルカラー画像形成装置に比べ、はるかに高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記感光体101としては、上述した本発明の前記静電潜像担持体が用いられる。前記露光器103としては、高解像度で書き込みを行うことのできる光源が用いられる。前記帯電器102としては、任意の帯電部材が用いられる。
これにより、静電潜像担持体やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行うことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と静電潜像担持体が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
肉厚0.8mm、直径100mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・10質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・7質量部
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・200質量部
〔電荷発生層用塗工液〕
・チタニルフタロシアニン(株式会社リコー製)・・・20質量部
・ポリビニルアルコール(エスレックB BX−1、積水化学工業株式会社製)・・・ 10質量部
・メチルエチルケトン・・・100質量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ポリカーボネート樹脂(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・7質量部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質・・・10質量部
・1質量%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)テトラヒドロフラン溶液・・・1質量部
〔表面層用塗工液〕
・自己治癒性樹脂(主剤)(自己治癒性クリヤーNo.100、ナトコ株式会社製)・・・2質量部
・自己治癒性樹脂(硬化剤)(自己治癒性クリヤーNo.2、ナトコ株式会社製)・・・1質量部
・メチルイソブチルケトン・・・17質量部
実施例1において、表面層用塗工液に用いたメチルイソブチルケトンをエチルセロソルブに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1において、下引き層の厚みを2μm、電荷輸送層の厚みを30μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1において、電荷輸送層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
・下記構造式で表される高分子電荷輸送物質(重量平均分子量=100,000)・・・12質量部
・1質量%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液・・・1質量部
実施例1において、表面層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・自己治癒性樹脂(主剤)(自己治癒性クリヤーNo.100、ナトコ株式会社製)・・・19質量部
・自己治癒性樹脂(硬化剤)(自己治癒性クリヤーNo.2、ナトコ株式会社製)・・・51質量部
・下記構造式で表される架橋性電荷輸送物質・・・30質量部
実施例1において、表面層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・自己治癒性樹脂(主剤)(自己治癒性クリヤーNo.100、ナトコ株式会社製)・・・6質量部
・自己治癒性樹脂(硬化剤)(自己治癒性クリヤーNo.2、ナトコ株式会社製)・・・29質量部
・下記構造式で表される架橋性電荷輸送物質・・・15質量部
実施例1において、表面層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・自己治癒性樹脂(主剤)(自己治癒性クリヤーNo.100、ナトコ株式会社製)・・・6質量部
・硬化剤(スーパーベッカミンL−145−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・3質量部
・下記構造式で表される架橋性電荷輸送物質・・・1質量部
実施例7において、架橋性電荷輸送物質を次のものに変えた以外は、実施例7と同様にして、感光体を作製した。
実施例1において、表面層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・自己治癒性樹脂(主剤)(自己治癒性クリヤーNo.100、ナトコ株式会社製)・・・2質量部
・自己治癒性樹脂(硬化剤)(自己治癒性クリヤーNo.2、ナトコ株式会社製)・・・1質量部
・スズ−アンチモン系酸化物(T−1、三菱マテリアルズ株式会社製)・・・2質量部
・エチルセロソルブ・・・900質量部
実施例1において、電荷輸送層の厚みを30μmに変更し、表面層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
実施例1において、表面層用塗工液を以下のものに変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ポリカーボネート樹脂(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・7質量部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質・・・5質量部
・固有抵抗低下剤(BYK−P104、ビックケミー社製)・・・0.1質量部
・シクロヘキサノン・・・80質量部
・テトラヒドロフラン・・・280質量部
得られた実施例1〜8、参考例9及び比較例1〜2の各表面層と同じ組成の膜をスライドガラス上に厚み5μmとなるように成膜し、該膜を#000のスチールウールを用いて500gfの荷重で50回ラビングした後のヘイズ値(%)をヘイズメーターにより測定した。結果を表1に示す。
以上のように作製した実施例1〜8、参考例9及び比較例1〜2の各感光体を実装用にした後、感光体の像露光部位が現像手段のスリーブ部に至るまでのプロセス時間を95msecに改造した高速電子写真装置(株式会社リコー製、imagio Neo1050 Pro)に搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで画像濃度が6%となるテキストとグラフィック画像のパターンを連続999枚づつ印刷する条件で通算30万枚、コピー用紙(株式会社リコー製、マイペーパー)に複写印刷した。
なお、トナーは純正品を用い、現像剤は純正品のものに対して平均キャリア粒径が20μmのものに変更した現像剤を使用した。電子写真装置の帯電手段は装置に取り付けられているスコロトロンチャージャーをそのまま用いた。電子写真装置のプロセス状態をコントロールする回路(プロセスコントロール)は作動させて試験を行った。試験環境は、24℃、54%RHであった。
耐久試験終了後、感光体表面に東京精密社製ピックアップE−DT−S02Aを取り付けた触針式表面粗さ計(Surfcom、東京精密社製)により、10点平均粗さRzを測定した。
耐久試験終了後、渦電流方式厚み測定器(FISCHER SCOPE mms、フィッシャー社製)により、感光体ドラム長手方向1cm間隔に厚みを測定し、それらの平均値を感光層厚みとした。
耐久試験終了後、表面電位計(Trek MODEL344、トレック社製)のプローブを取り付けた改造現像ユニットを複写機内現像部に取り付け、感光体中央部の表面電位を測定した。
耐久試験終了後、600dpi×600dpiの画素密度で、黒ベタパッチの画像濃度が0.8となる現像条件で竹の子チャートの複写印刷を行い、このときの最大解像度を測定した。
また、試験終了後の表面の凹凸もこれを反映し、実施例1〜8、及び参考例9の各感光体は表面平滑な状態を維持している。これに加え、耐摩耗性に優れることから機械的耐久性に極めて優れた感光体と見なされる。比較例1と比較例2の感光体は現像剤キャリアが所々、感光体表面に埋め込まれた形跡があり、これが表面粗さに反映している。
露光部電位については、実施例1と比較して実施例2〜8、及び参考例9の各感光体は軒並み低い値を確保している。これは、表面層の下地に対する溶解性が抑制されていること(実施例2、実施例4)、高感度が得られるように感光層の厚み調節が図られていること(実施例3)、表面層に電荷輸送セグメントが導入されていること(実施例5〜8)、表面層に導電性フィラーが添加されていること(参考例9)、が功を奏していると解釈される。なお、プリント画像の解像度は現像剤に小粒径キャリアを使用しているため、軒並み解像度が高く、実施例1〜8、参考例9の各感光体は比較例1と同等以上の解像度が得られている。耐擦傷性に優れる性状は耐久性のみならず電子写真装置の高画質化にも寄与すると判断される。
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 記録媒体
19 定着手段
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
1D 第1の転写手段
1E 第2の転写手段
1F 中間転写体
1G 記録媒体担持体
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 表面層
207 中間層
Claims (14)
- 支持体と、該支持体上に感光層と、該感光層上に表面層とを少なくとも有してなり、該表面層と同じ組成の膜をスライドガラス上に厚み5μmに成膜し、得られた膜を#000のスチールウールを用いて500gfの荷重で50回ラビングした後の該膜のヘイズ値が1.0%以下であることを特徴とする静電潜像担持体。
- 表面層が架橋構造を有する樹脂膜であり、前記樹脂膜が架橋構造内にソフトセグメントとハードセグメントとを有し、前記ソフトセグメントがポリカプロラクトンであり、前記ハードセグメントがウレタン架橋剤又はメラミン架橋剤を硬化剤として用いて形成されたものである請求項1に記載の静電潜像担持体。
- 表面層が、下記構造式(1)で表される電荷輸送物質を含有する請求項1から2のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 電荷輸送物質の表面層における含有量が1〜50質量%である請求項1から3のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 表面層が、導電性フィラーを含む請求項1から4のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 表面層の厚みが1〜10μmである請求項1から5のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 感光層が、単層型感光層である請求項1から6のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層である請求項1から7のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置が、静電潜像担持体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有する請求項10に記載の画像形成装置。
- 潤滑性付与剤が、金属石鹸である請求項11に記載の画像形成装置。
- 金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも1種である請求項12に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含んでなり、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法。
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