JP4563918B2 - 単結晶SiC基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、絶縁層埋め込み型の半導体基板を使用した単結晶SiC基板の製造方法に関するものである。
単結晶SiC(炭化シリコン)は、熱的、化学的安定性に優れ、機械的強度も強く、放射線照射にも強いという特性から、次世代の半導体デバイス材料として注目を集めている。また、埋め込み絶縁層を有するSOI基板は、回路の高速化と低消費電力化を図る上で優れており、次世代のLSI基板として有望視されている。従って、これら2つの特徴を融合した絶縁層埋め込み型半導体SiC基板が半導体デバイス材料として極めて有望視されている。
上記のような絶縁層埋め込み型半導体SiC基板は、例えば、表面Si層とこの表面Si層の下側に存在する埋め込み絶縁層(SiO層)とを有する絶縁層埋め込み型のSi基板(SOI基板)を用いて作製する。すなわち、SOI基板の表面Si層を10nm程度に薄膜化し、これを高温で炭化処理して単結晶SiC薄膜に変成し、上記単結晶SiC薄膜をシード層としてエピタキシャル法によりSiCを成長させる(例えば下記の特許文献1)。
特開2003−224248号公報
しかしながら、上述した製造方法では、炭化処理で形成される単結晶SiC薄膜が極めて薄い膜であるため、その後に高温でエピタキシャル成長を行うと、単結晶SiC薄膜が昇華により局所的に消滅してしまい、部分的にSiO層が露出するという問題があった。このように、シード層としての単結晶SiC薄膜が部分的に消滅すると、エピタキシャル成長で生成される単結晶SiC層の結晶性が劣化し、表面の平坦性も悪いものになっていた。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、エピタキシャル成長させるSiC層の結晶性を良好にして表面平坦性を向上させることができる単結晶SiC基板の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の単結晶SiC基板の製造方法は、表面に厚み1nm〜15nmの薄膜である単結晶SiC膜が形成された基板について、上記単結晶SiC膜をシード層としてエピタキシャル成長させることにより単結晶SiC層を形成する方法であって、
上記単結晶SiC膜をシード層として、毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行ってエピタキシャル成長させることを要旨とする。
すなわち、本発明の単結晶SiC基板の製造方法は、厚み1nm〜15nmの薄膜である単結晶SiC膜をシード層として、毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行うことから、加熱に要する時間を極限まで短縮することが可能で、昇華による部分的なシード層の消滅がほぼ完全に防止でき、エピタキシャル成長で生成される単結晶SiC層の結晶性が良くなり、表面の平坦性も大幅に向上する。さらに、この後にエピタキシャルGaN膜等の他の半導体膜を形成させた場合にも、その半導体膜の結晶性や膜厚均一性はすぐれたものとなる。このとき、シード層となる単結晶SiC膜が1nm〜15nmの薄膜である場合に昇華による結晶性の悪化が顕著になることから、急速加熱によってシード層の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させる効果が顕著に現れて効果的である。
本発明において、エピタキシャル成長温度に達するまでの温度域における、少なくとも1100℃以上エピタキシャル成長温度までの温度域において上記急速加熱を行う場合には、SiCが昇華しやすい1100℃以上エピタキシャル成長温度まの温度領域において、毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行うことから、上記温度領域の滞在時間を極限まで短縮することが可能で、昇華による部分的なシード層の消滅がほぼ完全に防止でき、エピタキシャル成長で生成される単結晶SiC層の結晶性が良くなり、表面の平坦性も大幅に向上する。
本発明において、上記急速加熱はRTP加熱である場合には、比較的容易に毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行うことが可能となり、現実的な装置により容易に、急速加熱によってシード層の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させることができる。
本発明において、所定厚さの表面Si層と埋め込み絶縁層とを有するSOI基板を準備し、上記SOI基板を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層を単結晶SiC膜に変成させて表面に単結晶SiC膜が形成された基板を形成する場合には、SOI基板を構成するSiO層やSiが軟化や溶融をしない温度域でのエピタキシャル成長でも、昇華によって単結晶SiC膜が消滅しやすいことから、急速加熱によってシード層の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させる効果が顕著に現れて効果的である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の単結晶SiC基板の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
本発明の方法は、所定厚さの表面Si層3と埋め込み絶縁層4とを有するSOI基板1を準備する。ついで、上記SOI基板1の表面Si層3の厚みを1nm〜15nmに薄膜化する。つぎに、上記SOI基板1を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させる。そして、上記単結晶SiC薄膜5をシード層5としてエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長の際、エピタキシャル成長温度に達するまでの温度域における、少なくとも1100℃以上エピタキシャル成長温度までの温度域において毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行ってエピタキシャル成長させる。
以下、各工程について詳しく説明する。
図2(a)に示すように、上記SOI基板1は、Si母材2の表面近傍に、埋め込み絶縁層4として所定厚みのSiO層が形成され、表面に所定厚さの表面Si層3が形成されたものである。上記埋め込み絶縁層4の厚みは、約1〜200nm程度の厚みになるよう設定されている。
図2(b)に示すように、準備したSOI基板1に対し、SOI基板1の表面Si層3の厚みを薄くし薄膜化する処理を行う。この薄膜化は、例えば、SOI基板1を酸化雰囲気で加熱処理することにより、埋め込み絶縁層4との界面近傍に所望厚みのSi層を残存させるよう、表面Si層3の表面から所定深さを酸化させたのち、表面に生成した酸化物層をフッ化水素酸等でエッチングすることにより除去して薄膜化することが行われる。
このとき、薄膜化した表面Si層3の厚みは、1nm〜15nm程度に設定するのが好ましく、より好ましいのは1nm〜10nm程度であり、さらに好ましいのは3nm〜7nm程度である。上記薄膜化した表面Si層3の厚みが1nm未満では、その後の変成工程によって一次単結晶SiC層6が十分に生成されず、やはりその後の変成工程での一次単結晶SiC層6の生成に支障をきたすからである。
また、上記薄膜化した表面Si層3の厚みが15nmを超えると、その後の炭化処理後のエピタキシャル成長で単結晶SiC薄膜5が昇華で消滅しにくくなるので、本発明の効果が得られにくくなるからである。
また、その後にイオン注入して埋め込み絶縁層4と表面Si層3の界面近傍に窒素含有Si層をする場合に、窒素含有Si層を表面から深い位置に形成させる必要が生じることから、イオン注入のエネルギーレベルを高くする必要が生じ、表面Si層3の結晶性を低下させるおそれがある。また、窒素を表面から深いところまでイオン注入させる必要があることから、深さ方向の窒素分布領域も広くなる。このため、所定の窒素含有Si層を、表面Si層3と埋め込み絶縁層4との界面近傍の領域に形成したときに、表面Si層3のうち窒素を含有しない表面層の存在比率が小さくなって、その後の変成工程での一次単結晶SiC層6の生成に支障をきたすおそれがあるからである。
このとき、表面Si層3の薄膜化後にNイオンのイオン注入等を行うことにより、表面Si層3と埋め込み酸化物層4との界面近傍領域に、窒素含有Si層を形成し、この状態のSOI基板1を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させることもできる。
図2(c)に示すように、上記表面Si層3の薄膜化を行ったSOI基板1を、炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させる。
上記変成工程は、例えば、雰囲気制御が可能な加熱炉において、加熱炉内に導入される雰囲気ガス(水素ガスおよび炭化水素ガス)を切り換えながら温度調節することにより行うことができる。
上記のような装置により、上記SOI基板1を加熱炉内に設置し、上記加熱炉内に水素ガスと炭化水素系ガスとの混合ガスを供給しながら、加熱炉内の雰囲気温度を上昇させて、前記SOI基板1の表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させることが行われる。
このとき、上記SOI基板1を加熱炉内に設置して、加熱炉内に水素ガスに対して炭化水素系ガスを1体積%の割合で混合した混合ガスを供給する。また、この混合ガスの供給と同じくして、加熱炉内の雰囲気温度を1200〜1405℃に加熱する。この加熱によって、SOI基板1の表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させることができる。
ここで、前記水素ガスはキャリアガスであり、炭化水素ガスとしては例えばプロパンガスを使用する。例えば、水素ガスのボンベからの供給量が1000cc/分であったならば、炭化水素ガスのボンベからの供給量を10cc/分とする。
このとき、上述したように、表面Si層3における表面Si層3と埋め込み絶縁層4との界面近傍領域に窒素含有Si層を形成したのち、上記SOI基板1を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を一次単結晶SiC層6に変成させると、その後のエピタキシャル成長でのSiCの結晶性が向上する。
すなわち、上記窒素含有Si層は、窒素が含有されたSiであり、純Siに比べて反応性が低く不活性である。このため、表面Si層3における表面Si層3と埋め込み絶縁層4との界面近傍領域に高温下で安定な窒素含有Si層を形成してから炭化処理を行うことにより、生成されたSiCが埋め込み絶縁層4に侵入して界面を不安定にするのが防止され、SiC/絶縁層界面が均一な状態となる。したがって、その後にエピタキシャル成長によって単結晶SiC層6を形成した場合にも、SiCの結晶性が向上するため、きれいな単結晶で膜厚も均一な単結晶SiC層6が得られるようになる。さらに、この後にエピタキシャルGaN層8等の他の半導体膜を形成させた場合にも、その半導体膜の結晶性や膜厚均一性はすぐれたものとなる。
上記単結晶SiC薄膜5は、表面Si層3を変成させたものであるため、その膜厚は表面Si層3の膜厚とほぼ等しくなる。すなわち、単結晶SiC薄膜5の膜厚は、SOI基板1の表面Si層3の膜厚を制御することにより、任意に制御できることになる。
必要に応じて、上記工程を過剰に行って単結晶SiCを上記単結晶SiC薄膜5の上に堆積させることを行なってもよい。上記工程を過剰に行う(例えば数分〜数時間継続させる)ことにより、上記単結晶SiC薄膜5の上に炭素薄膜が堆積される。
図3(d)(e)に示すように、上記炭化処理を行ったSOI基板1に対し、上記単結晶SiC薄膜5をシード層5としてエピタキシャル成長することにより、上記シード層5の上に単結晶SiC層6を成長させる。
このとき、エピタキシャル成長温度に達するまでの温度域における、少なくとも1100℃以上エピタキシャル成長温度までの温度域において毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行ってエピタキシャル成長させる。
上記急速加熱の際の昇温速度は、毎秒25℃以上とする必要があるが、より好ましいのは毎秒30℃以上であり、さらに好ましいのは毎秒40℃以上である。昇温速度が毎秒25℃に達しないと、エピタキシャル成長温度に達するまでのSiCが昇華しやすい1100℃以上の温度領域に基板が晒される時間が長くなり、その間にSiCが昇華して部分的に消失し、エピタキシャル成長で生成される単結晶SiC層6の結晶性が悪くなったり表面の平滑性が悪くなったりするからである。
上記急速加熱する温度領域は、少なくともエピタキシャル成長温度に達するまでの1100℃以上の温度域とする必要があるが、1000℃以上エピタキシャル成長温度までとすることもできるし、900℃以上、あるいは800℃以上エピタキシャル成長温度までとすることもできる。室温からエピタキシャル成長温度までを上記急速加熱することもできる。
また、上記急速加熱はRTP(Rapid Thermal Prosessing)加熱とするのが好ましい。RTP加熱装置は、例えば、プロセスガスが導入される反応管に加熱手段として熱放射による赤外線ランプを付加したランプ加熱式の加熱装置を使用することができる。
図4は、本発明で好適に用いられる急速加熱・急速冷却装置(RTP装置)の一例を示す。
図において、10は熱処理装置(RTP装置)である。この熱処理装置10は、石英からなるチャンバー11を有し、このチャンバー11内で基板であるウェーハ18を熱処理するようになっている。加熱は、チャンバー11を上下左右から囲繞するよう配置された加熱ランプ12によって行う。この加熱ランプ12はそれぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。
このチャンバー11のガスの導入側にはガス導入口19が設けられ、ガスの排気側には、オートシャッター13が装備され、外気を封鎖している。オートシャッター13には、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウェーハ挿入口が設けられている。また、オートシャッター13にはガス排気口20が設けられており、炉内雰囲気を調整できるようになっている。
そして、ウェーハ18は支持治具、例えば石英トレイ14に形成された3点支持部15の上に配置される。石英トレイ14のガス導入口19側には、石英製のバッファ16が設けられており、ガス導入口19から導入されたガスがウェーハ18に直接当たるのを防ぐことができる。
また、チャンバー11には不図示の温度測定用特殊窓が設けられており、チャンバー11の外部に設置されたパイロメータ17により、その特殊窓を通してウェーハ18の温度を測定することができる。
以上のような熱処理装置10によって、ウェーハ18を急速加熱・急速冷却する処理は次のように行われる。
まず、熱処理装置10に隣接して配置される、図示しないウェーハハンドリング装置によってウェーハ18を図示しないウェーハ挿入口からチャンバー11内に入れ、石英トレイ14上に配置した後、オートシャッター13を閉める。そして、加熱ランプ12に電力を供給し、ウェーハ18を、所定のエピタキシャル成長温度に昇温する。この際、毎秒25℃以上の昇温速度によって昇温され、室温から目的の温度になるまでに要する時間は例えば5〜20秒程度である。
次に、その温度において所定時間保持することにより、ウェーハ18に高温熱処理を加えることができる。所定時間経過し高温熱処理が終了したなら、加熱ランプ12の出力を下げウェーハ18の温度を下げる。このときの降温も例えば20秒程度で行うことができる。最後に、ウェーハハンドリング装置によってウェーハを取り出すことにより、熱処理を完了する。
そして、具体的には、上記エピタキシャル成長は、例えば、下記の条件により単結晶SiC層6を成長させる。例えば、単結晶SiC薄膜5が形成されたSOI基板1を処理チャンバー内に配置し、上記処理チャンバー内にモノメチルシランまたはシランおよびプロパン等の原料ガスを約1sccm程度のガス流量で供給しながら、所定の成長温度で処理することにより、上記単結晶SiC薄膜5をシード層5としてエピタキシャル成長により、単結晶SiC層6を成長させることができる。
図3(f)に示すように、そののち、必要に応じて、上記二次単結晶SiC層6の上に、エピタキシャル成長によりGaN層8等の他の半導体膜を形成させることが行われる。
上記エピタキシャル成長は、例えば、下記の条件によりGaN層8を成長させる。例えば、単結晶SiC層6をエピタキシャル成長させたSOI基板1を処理チャンバー内に配置し、上記処理チャンバー内にトリメチルガリウムおよびアンモニア等の原料ガスを約1sccm程度のガス流量で供給しながら、温度800〜1405℃で処理することにより、上記二次単結晶SiC層6の上にGaN層8を形成させることができる。
このような方法により、上記エピタキシャル成長の際、SiCが昇華しやすい1100℃以上エピタキシャル成長温度まの温度領域において、毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行うことから、上記温度領域の滞在時間を極限まで短縮することが可能で、昇華による部分的なシード層5の消滅がほぼ完全に防止でき、エピタキシャル成長で生成される単結晶SiC層6の結晶性が良くなり、表面の平坦性も大幅に向上する。さらに、この後にエピタキシャルGaN膜8等の他の半導体膜を形成させた場合にも、その半導体膜の結晶性や膜厚均一性はすぐれたものとなる。
また、上記シード層5となる単結晶SiC膜は1nm〜15nmの薄膜であるため、シード層5となる単結晶SiC膜が1nm〜15nmの薄膜である場合に昇華による結晶性の悪化が顕著になることから、急速加熱によってシード層5の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層6の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させる効果が顕著に現れて効果的である。
また、上記急速加熱はRTP加熱とすることにより、比較的容易に毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行うことが可能となり、現実的な装置により容易に、急速加熱によってシード層5の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層6の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させることができる。
また、所定厚さの表面Si層3と埋め込み絶縁層4とを有するSOI基板1を準備し、上記SOI基板1を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層3を単結晶SiC薄膜5に変成させて表面に単結晶SiC薄膜5が形成された基板を形成するため、SOI基板1を構成するSiO層やSiが軟化や溶融をしない温度域でのエピタキシャル成長でも、昇華によって単結晶SiC薄膜5が消滅しやすいことから、急速加熱によってシード層5の消滅を防止して、成長させる単結晶SiC層6の結晶性を良好にして表面の平坦性を向上させる効果が顕著に現れて効果的である。
つぎに、本発明の単結晶SiC基板の製法の実施例について説明する。
サンプルとして厚み100nmの表面Si層3を有した30mm四方のSOI基板1を準備した。上記サンプルのSOI基板1を、1slmで酸素ガスを流しながら1100℃で90分加熱して表面に酸化膜を形成させたのち、フッ化水素酸等でエッチングすることにより、表面Si層3を5nmに薄膜化した。
上記SOI基板1を処理チャンバー内に配置し、処理チャンバー内に1slmのHガスと10sccmのCを流しながら1250℃に加熱して15分間炭化処理を行い、SiC変成を行い、厚み5nmの単結晶SiC薄膜5を形成し、一旦冷却してサンプルを作成した。
そして、図4の熱処理装置10を使用し、0.1sccmのモノメチルシランを流しながら1200℃のエピタキシャル成長温度までRTP加熱を行った。そのときの昇温状態を図5に示す。この実施例における平均昇温速度は毎秒230℃であった。
図5の例において、620℃付近と1050℃付近で、それぞれ若干昇温が遅くなっているのはフィードバック制御の影響である。このように、昇温過程で若干昇温速度が遅くなったとしても、少なくともエピタキシャル成長温度に達するまでの所定の温度域における平均の昇温速度が毎秒25℃以上であれば本発明の目的は達成し、このような態様も本発明に含む趣旨である。
そして、上記エピタキシャル成長温度に10分間保持することにより、エピタキシャル成長を行い、単結晶SiC層6を500nm形成した。
一方、比較例として抵抗加熱の熱処理装置により昇温を行い、1200℃で10分間保持するエピタキシャル成長を行ったものを準備した。そのときの昇温状態を図6に示す。図6の例では、温度を安定化させるために何度か一定温度に保持している。この例では、一定温度に保持している時間を除いた昇温速度が毎秒約2℃である。
つぎに、昇温速度がSiC膜の結晶性に影響する程度を調査した。
上述の実施例1のサンプルについて、図4の熱処理装置10を使用し、0.1sccmのモノメチルシランを流しながら1200℃のエピタキシャル成長温度までRTP加熱を行った。このときの昇温速度を、毎秒13℃、24℃、40℃、100℃、200℃に設定してエピタキシャル成長を行った。
エピタキシャル成長後の結晶性の評価は、つぎのようにして行った。すなわち、まず、どのサンプルも基板の結晶方位(100)面上にエピタキシャル成長を行い、エピタキシャル成長後の結晶をX線回折を行い、その回折チャートを出力する。
例えば、図7(A)が結晶性の良い状態の回折チャートの一例であり、図7(B)が結晶性の悪い状態の回折チャートの一例である。結晶方位(100)面上にエピタキシャル成長を行うので、結晶性が良い場合は、図7(A)のように(100)面のピークが大きく現れ、(111)面のピークは小さく現れる。それが、結晶性が悪くなるに従い、図7(B)のように(111)面のピークが大きくなって現れるようになり、反対に(100)面のピークが小さくなって現れるようになる。
そして、バックグラウンドを除く(100)面のピーク高さh1と(111)面のピーク高さh2との比h1/h2がすなわちピーク強度比(100)/(111)であり、それを算出すると、結晶性がよくなるほど大きな値をとることになる。
図8は、上記各サンプルについてのピーク強度比(100)/(111)をプロットした図である。図からわかるように、昇温速度が毎秒24℃よりも遅いと、結晶性が極端に悪くなっていることがわかる。
本発明は、大規模集積回路等に用いる半導体基板の製造等に適用することができる。
本発明の一実施例の単結晶SiC基板の製造方法を示す工程図である。 上記単結晶SiC基板の製造方法を示す図である。 上記単結晶SiC基板の製造方法を示す図である。 RTP装置の一例を示す図である。 実施例の昇温状態を示す図である。 比較例の昇温状態を示す図である。 結晶性の評価方法を説明する図である。 結晶性の評価結果を示す図である。
符号の説明
1 SOI基板
2 Si母材
3 表面Si層
4 埋め込み絶縁層(酸化物層)
5 シード層(単結晶SiC薄膜)
6 単結晶SiC層
8 GaN層
10 熱処理装置
11 チャンバー
12 加熱ランプ
13 オートシャッター
14 石英トレイ
15 3点支持部
16 バッファ
17 パイロメータ
18 ウェーハ
19 ガス導入口
20 ガス排気口

Claims (4)

  1. 表面に厚み1nm〜15nmの薄膜である単結晶SiC膜が形成された基板について、上記単結晶SiC膜をシード層としてエピタキシャル成長させることにより単結晶SiC層を形成する方法であって、
    上記単結晶SiC膜をシード層として、毎秒25℃以上の昇温速度で急速加熱を行ってエピタキシャル成長させることを特徴とする単結晶SiC基板の製造方法。
  2. エピタキシャル成長温度に達するまでの温度域における、少なくとも1100℃以上エピタキシャル成長温度までの温度域において上記急速加熱を行う請求項1記載の単結晶SiC基板の製造方法。
  3. 上記急速加熱はRTP加熱である請求項1または2記載の単結晶SiC基板の製造方法。
  4. 所定厚さの表面Si層と埋め込み絶縁層とを有するSOI基板を準備し、上記SOI基板を炭化水素系ガス雰囲気中で加熱して上記表面Si層を単結晶SiC膜に変成させて表面に単結晶SiC膜が形成された基板を形成する請求項1〜のいずれか一項に記載の単結晶SiC基板の製造方法。
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