JP4562844B2 - 光電陰極及び電子管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定波長の光を吸収して光電子を放出することが可能な多結晶ダイヤモンド薄膜を用いた光電陰極及び電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所定波長の被検出光を検知するために用いられる光電陰極及びそれを備えた電子管が知られている。光電陰極は、所定波長の光を吸収して光電子を放出する光吸収層を有しており、この光吸収層に被検出光が入射されてこの被検出光が光電子に変換されることによって、被検出光を検知することができる。この光吸収層には様々な半導体材料が用いられるが、紫外光について光電変換量子効率の高い材料として多結晶ダイヤモンドが、特開平10−149761号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年の半導体の高集積化に伴って半導体集積回路の微細化が急速に進んでいる。現在、微細な半導体集積回路の製造方法として光リソグラフィーが有望視されており、その光源はArFからF2等の波長の短いものへと研究が進められている。
【0004】
このような紫外光を利用した技術の発展に伴って、紫外光をモニタするための光電陰極は一層の高感度化が要求されている。
【0005】
そこで、本発明は光電変換量子効率の高い多結晶ダイヤモンド薄膜を備えた光電陰極及び電子管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、多結晶ダイヤモンド薄膜の光電変換量子効率の向上を図るべく鋭意研究を進めた結果、多結晶ダイヤモンド薄膜の光電変換量子効率は、その薄膜の膜質に大きく影響されることを見出した。
【0007】
一般にダイヤモンドの結晶性を表す指標として、ラマン分光法によるラマンスペクトルが用いられる。図7は、ラマンスペクトルの一例を示す図である。図7に見られるように、多結晶ダイヤモンドのラマンスペクトルには、波数1335cm-1付近にダイヤモンド成分を示すピークと、波数1580cm-1付近に非ダイヤモンド成分を示すピークが生じる。それぞれのピーク強度の比を計算することによって、多結晶ダイヤモンド薄膜に含有されているダイヤモンド成分及び非ダイヤモンド成分(以下、この割合を「結晶性」という)を定量的に評価することができる。なお、本明細書では、ラマンスペクトルの波数1335cm-1付近のピーク強度をP1、波数1580cm-1付近のピーク強度をP2とした時の、P2/P1を「非ダイヤモンド率」として、結晶性を示す値として定義する。
【0008】
本発明の光電陰極に用いられる多結晶ダイヤモンド薄膜は、粒子径の平均が1.5μm以上であり、かつラマン分光法によって得られるラマンスペクトルにおいて、波数1580cm-1付近のピーク強度は波数1335cm-1付近のピーク強度に対し、その比率が0.2以下であることを特徴とする。
【0009】
このように、光電陰極に用いられる多結晶ダイヤモンドを粒子径が1.5μm以上であって、非ダイヤモンド率が0.2以下とすることによって、高い光電変換量子効率の多結晶ダイヤモンド薄膜を実現した。
【0010】
すなわち、本発明に係る光電陰極は、多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分とする材料からなり、入射した光の光量に応じて電子を放出する光吸収層を備える光電陰極であって、多結晶ダイヤモンドは、粒子径の平均が1.5μm以上であり、かつラマン分光法によって得られるラマンスペクトルにおいて、波数1580cm-1付近のピーク強度は波数1335cm-1付近のピーク強度に対し、その比率が0.2以下であることを特徴とする。
【0011】
このように粒子径が1.5μm以上で、かつ非ダイヤモンド率が0.2以下である多結晶ダイヤモンドを光電陰極の光吸収層の主材料とすることで、感度の良い光電陰極を実現することができる。
【0012】
上記光電陰極は、光吸収層の表面は水素によって終端されていることを特徴としても良い。このように光吸収層の表面を水素で終端することによって、光吸収層表面の仕事関数を低下させ、光電子を放出しやすくできる。
【0013】
上記光電陰極は、光吸収層の表面に電子親和力を低下させるための活性化層をさらに備えることを特徴としても良い。このように光吸収層の表面に活性化層を設けることによって光吸収層表面の電子親和力を低下させ、光電子を放出しやすくできる。
【0014】
上記光電陰極は、活性化層はアルカリ金属又はその酸化物あるいはそのフッ化物からなることを特徴としても良い。このような物質によって活性化層を構成することによって、容易に活性化層を形成できる。
【0015】
上記光電陰極は、多結晶ダイヤモンドはp型の導電型であることを特徴としても良い。多結晶ダイヤモンドをp型の導電型とすることで多結晶ダイヤモンドの抵抗を低下させ、光電子を放出しやすくできる。
【0016】
上記光電陰極は、光吸収層を支持する基板をさらに備えることを特徴としても良い。このように基板を備えることにより、損傷しやすい薄膜である光吸収層の強度を高めることができる。
【0017】
上記光電陰極は、基板は波長200nm以下の光に対して透光性を有することを特徴としても良い。このように波長200nm以下の光に対して透光性を有することで、基板側から入射した光を検知することができる。
【0018】
本発明に係る電子管は、所定波長の入射光に対して透光性を有する入射窓と、上記光電陰極と、光電陰極を収納すると共に入射窓を支持する容器と、容器内に収納され、光電陰極から放出された光電子を収集する陽極とを備えることを特徴とする。光電変換部として上記光電陰極を用いることで、感度の良い電子管を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明に係る電子管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態の電子管1を示す図である。電子管1は、所定波長の光を吸収して光電子を放出する光電陰極2と、放出された光電子を増倍する電子増倍部7と、増倍された光電子を収集する陽極4と、これら各部を収納する容器5とを備えている。
【0021】
容器5の一端には、被検出光を容器5内に導入するための入射窓3が設けられている。入射窓3は、被検出光である紫外光に対して透光性を有する材料、例えばMgF2で構成される。光電陰極2は入射窓3の近傍に設けられ、この光電陰極2と、複数のダイノード71〜78からなる電子増倍部7と、陽極4とは、被検出光の入射光軸とほぼ平行に配置されている。陽極4を有する側の容器5端部には、陽極4に収集された電子を容器の外側に取り出すステムピン81、82が設けられている。光電陰極2と電子増倍部7との間には、光電陰極2によって放出された光電子を電子増倍部7に効率良く収束させるための収束電極6が備えられている。また、容器5内は1×10−10Torr(1.33×10 −8 Pa)程度の超高真空に排気されている。
【0022】
次に、光電陰極2について説明する。光電陰極2は、被検出光である紫外光に対して透光性を有する基板21と、基板21上に設けられた多結晶ダイヤモンドからなる光吸収層22と、光吸収層22の表面に設けられた活性化層23とを備えている。光電陰極2は、その基板21と入射窓3とが対向するように容器5内に配置されている。
【0023】
ここで、基板21の材料には紫外光に対して透光性を有するCaF2、MgF2、又は石英等が用いられ、活性化層23の材料にはCa、Rb、K、Na、Li等のアルカリ金属又はそれらの酸化物やフッ化物が用いられる。
【0024】
次に、本実施形態の特徴である光吸収層22を構成する多結晶ダイヤモンドについて詳述する。多結晶ダイヤモンドはp型の導電型であり、活性化層との境界付近は水素終端されている。また、その膜質について述べると、多結晶ダイヤモンドを構成するそれぞれの結晶の粒子径は一定ではないが平均の粒子径は1.5μm以上であり、非ダイヤモンド率は0.2以下である。この非ダイヤモンド率の算出根拠となるラマンスペクトルは、波長514.5nmでスポット径1μmのレーザー光源を用いてラマン分光分析をして得たものである。
【0025】
ここで、光電陰極2の光吸収層22に用いられる多結晶ダイヤモンドの粒子径、及び結晶性が上記のような条件を満たすことが好適な理由を図2、図3を参照しながら説明する。図2は多結晶ダイヤモンドの非ダイヤモンド率と光電変換量子効率との関係を示す図、図3は多結晶ダイヤモンドの粒子径と光電変換量子効率との関係を示す図である。
【0026】
図2に示されるように、非ダイヤモンド率が小さくなるに従って光電変換量子効率は高くなっていく。ところが、非ダイヤモンド率を0.2以下に小さくしても、その光電変換量子効率は40%より高くならない。また、図3に示されるように、結晶の粒子径が大きくなるに従って光電変換効率は高くなっていく。ところが、粒子径についても粒子径が1.5μm以上の範囲において光電変換量子効率は40%で横ばいとなる。
【0027】
発明者らの研究によれば、非ダイヤモンド率と粒子径の2つのパラメータは独立ではなく、互いに影響を及ぼしていることが明らかになっている。すなわち、粒子径が1.5μmより小さい多結晶ダイヤモンドにおいては、非ダイヤモンド率の値を小さくしても図2に示す光電変換量子効率は得られない。逆に、非ダイヤモンド率の値が0.2より大きい多結晶ダイヤモンドにおいては、粒子径を1.5μmより大きくしても図3に示す光電変換量子効率は得られない。このように、結晶性と粒子径の両方のパラメータが上記の範囲内となる多結晶ダイヤモンドにおいて初めて、40%という高い光電変換量子効率が得られるのである。
【0028】
上記の結晶性及び粒子径を有する多結晶ダイヤモンドの光吸収層22は、次のようにして製造される。光吸収層22は、反応ガスとしてCH4、H2を用い、マイクロ波プラズマを用いた気相成長法(CVD)によって基板21上に形成される。
【0029】
このマイクロ波プラズマCVDを行う際の気相成分中の炭素成分比によって多結晶ダイヤモンドの結晶性を制御でき、形成される多結晶ダイヤモンドの膜厚によってその粒子径を制御することができる。図4は気相成分中に含まれるCH4、H2の比と多結晶ダイヤモンドの非ダイヤモンド率との関係を示す図、図5は多結晶ダイヤモンド薄膜の膜厚とその粒子径との関係を示す図である。図4から分かるように、CH4/H2の値が1%付近において非ダイヤモンド率は最小となり、CH4/H2の値が増加するに従って非ダイヤモンド率は大きくなる。また、図5から分かるように、多結晶ダイヤモンドの膜厚とその粒子径は比例する。
【0030】
これらの知見により、多結晶ダイヤモンドの粒子径を1.5μm以上であって、非ダイヤモンド比率を0.2以下に制御することができる。例えば、CH4とH2の成分比率がCH4/H2=0.01である気相中で、マイクロ波プラズマCVDを行い、多結晶ダイヤモンドの膜厚が3μm程度になるまで成長させれば良い。
【0031】
次に、本実施形態の電子管1の製造方法と動作について簡単に説明する。多結晶ダイヤモンドからなる光吸収層22が形成された基板21を、電子増倍部7、陽極4及び収束電極6と共に容器5内に収納する。そして、容器5を排気装置に接続し、排気装置によって1×10−10Torr(1.33×10 −8 Pa)の高真空にする共に、ベーキング処理をして容器5内の不純物を排気する。その後、光電陰極2に試験光を入射させて光電子放出率をモニタしながら、活性化層23を好適な厚さに形成する。
【0032】
この電子管1は次のように動作する。被検出光が入射窓3を透過して容器5内に入射される。入射された被検出光は光電陰極2に入力され、この被検出光によって光電陰極2から光量に対応した量の光電子が放出される。放出された光電子は収束電極6によって収束され、電子増倍部7に入力される。そして、電子増倍部7で増倍された電子が陽極4に収集される。陽極4に収集された電子はステムピン81、82を通じて容器5外部に取り出され、これが電子管1へ入力された被検出光の強度を示す信号となる。
【0033】
本実施形態の電子管1に用いられる光電陰極2は、粒子径が1.5μm以上で、非ダイヤモンド率が0.2以下の多結晶ダイヤモンドを光吸収層22の材料としている。これにより、光吸収層22での光電変換量子効率が高い光電陰極2が実現でき、ひいては電子管1の感度を高めることができる。
【0034】
また、光吸収層22である多結晶ダイヤモンド薄膜は、CH4とH2を反応ガスとしてマイクロ波プラズマCVDによって形成され、その表面が水素終端されている。これにより、光吸収層22表面の仕事関数が低下し、光電子が放出されやすくなり、光電変換量子効率を向上させることができる。
【0035】
また、光電陰極2は光吸収層22の表面に活性化層23を備えている。これにより、光吸収層22表面の電子親和力を低下させて、光電子が放出されやすくなり、光電変換量子効率を向上させることができる。
【0036】
さらに、光吸収層22を構成する多結晶ダイヤモンドはp型の導電型とされている。これにより、光吸収層22の抵抗が減少するので光電子が放出されやすくなり、光電変換量子効率を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態の別の効果として、光電変換量子効率の高い光電陰極2の光吸収層22を効率良く形成できることが挙げられる。
【0038】
従来は、どのような多結晶ダイヤモンドにおいて高い光電変換量子効率が得られるか知られていなかった。このため、経験的に粒子径が大きくて、非ダイヤモンド率の小さい多結晶ダイヤモンドが好ましいとわかったとしても、そのような多結晶ダイヤモンド薄膜を製造するのはコスト高となってしまい好ましくなかった。すなわち、CH4、H2を反応ガスとしてマイクロ波プラズマCVDによって多結晶ダイヤモンドを成長させる場合、図6に示すようにCH4の比率を高くすれば、多結晶ダイヤモンドが早く堆積するが、図4に示すように非ダイヤモンド率が高くなってしまう。従って、単に非ダイヤモンド率を低くし、かつ粒子径を大きくすると光電変換量子効率が高くなるという知見だけでは、CH4の比率の低い気相中でマイクロ波プラズマCVDにより、延々と多結晶ダイヤモンドを成長させなくてはならず効率が悪い。
【0039】
一方、本実施形態の光吸収層22の材料である多結晶ダイヤモンドは、その粒子径及び結晶性が規定されている。このため、要求される非ダイヤモンド率(0.2以下)の多結晶ダイヤモンドを形成可能な気相成分比(図4参照)から、多結晶ダイヤモンドを最も早く成長させることができる気相成分比を選択可能であり、また、必要な膜厚(粒子径が1.5μmとなる膜厚(図5参照))以上に厚い光吸収層22を形成することがなくなるので効率が良くなる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0041】
本実施形態では、光吸収層22をマイクロ波プラズマCVDによる気相成長法を用いて形成したが、熱フィラメントCVD等によって光吸収層22を形成しても良い。また、反応ガスについてもCH4とH2の組合せに限定されるわけではなく、COとH2、又は、CH4とCO2等を用いても良い。
【0042】
また、本実施形態では、被検出光が基板21を通じて光吸収層22に入射され、被検出光の進行方向に光電子を放出する透過型の電子管1について説明したが、活性化層側から被検出光が入射され、被検出光の進行方向とは反対方向に光電子を放出する反射型の電子管としても良い。
【0043】
さらに、本実施形態の光電陰極2は、電子管1に限られず、蛍光体を備えたイメージ管あるいは表示管、マイクロチャンネルプレートと蛍光体を備えた画像増強管、光電陰極から放出された電子を加速して固体素子に打ち込む電子打ち込み管、光電陰極から放出された電子を加速して電荷結合素子等の1次元又は2次元位置検出素子に打ち込む電子打ち込み管等様々なものに適用可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、光電変換量子効率の高い多結晶ダイヤモンド薄膜を有する光電陰極を実現できる。そして、それを備えた光電陰極、電子管によって高感度の光電陰極や電子管を実現することができる。
【0045】
また、光電変換量子効率の高い多結晶ダイヤモンドの結晶性及び粒子径が規定されているので、効率良く多結晶ダイヤモンド薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の電子管を示す図である。
【図2】多結晶ダイヤモンドの非ダイヤモンド率と光電変換量子効率との関係を示す図である。
【図3】多結晶ダイヤモンドの粒子径と光電変換量子効率との関係を示す図である。
【図4】気相成分中に含まれるCH4、H2の比と多結晶ダイヤモンドの非ダイヤモンド率との関係を示す図である。
【図5】多結晶ダイヤモンド薄膜の膜厚とその粒子径との関係を示す図である。
【図6】気相成分中に含まれるCH4、H2の比と多結晶ダイヤモンド薄膜の成長速度の関係を示す図である。
【図7】ラマンスペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…電子管、2…光電陰極、3…入射窓、4…陽極、5…容器、6…収束電極、7…電子増倍部、81、82…ステムピン。

Claims (8)

  1. 多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分とする材料からなり、入射した光の光量に応じて電子を放出する光吸収層を備える光電陰極であって、
    前記多結晶ダイヤモンドは、粒子径の平均が1.5μm以上であり、かつラマン分光法によって得られるラマンスペクトルにおいて、波数1580cm-1付近のピーク強度は波数1335cm-1付近のピーク強度に対し、比率が0.2以下であることを特徴とする光電陰極。
  2. 前記光吸収層の表面は水素によって終端されていることを特徴とする請求項1記載の光電陰極。
  3. 前記光吸収層の表面に電子親和力を低下させるための活性化層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の光電陰極。
  4. 前記活性化層はアルカリ金属又はその酸化物あるいはそのフッ化物からなることを特徴とする請求項3記載の光電陰極。
  5. 前記多結晶ダイヤモンドはp型の導電型であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光電陰極。
  6. 前記光吸収層を支持する基板をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光電陰極。
  7. 前記基板は波長200nm以下の光に対して透光性を有することを特徴とする請求項6記載の光電陰極。
  8. 所定波長の入射光に対して透光性を有する入射窓と、
    請求項6又は7記載の光電陰極と、
    前記光電陰極を収納すると共に前記入射窓を支持する容器と、
    前記容器内に収納され、前記光電陰極から放出された光電子を収集する陽極とを備えることを特徴とする電子管。
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