JP4560871B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エリア実装型半導体装置での成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、軽量化、高機能化の市場動向において、半導体の高集積化が年々進み、又半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、新規にエリア実装型の半導体装置が開発され、従来構造の半導体装置から移行し始めている。
エリア実装型半導体装置としてはボールグリッドアレイ(以下、BGAという)、あるいは更に小型化を追求したチップサイズパッケージ(以下、CSPという)が代表的であるが、これらは、従来のQFP、SOPに代表される表面実装型半導体装置では限界に近づいている多ピン化・高速化への要求に対応するために開発されたものである。構造としては、ビスマレイミド・トリアジン(以下、BTという)樹脂/銅箔回路基板に代表される硬質回路基板、あるいはポリイミド樹脂フィルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半導体素子搭載面、即ち基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物等で成形・封止されている。又基板の半導体素子搭載面の反対面には半田ボールを2次元的に並列して形成し、半導体装置を実装する回路基板との接合を行う特徴を有している。更に、半導体素子を搭載する基板としては、上記有機回路基板以外にもリードフレーム等の金属基板を用いる構造も考案されている。
【0003】
これらエリア実装型半導体装置の構造は基板の半導体素子搭載面のみを樹脂組成物で封止し、半田ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態をとっている。ごく希に、リードフレーム等の金属基板等では、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層が存在することもあるが、半導体素子搭載面では数百μmから数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質的に片面封止となっている。このため、有機基板や金属基板と樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱収縮の不整合、あるいは樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮による影響により、これらの半導体装置では成形直後から反りが発生しやすい。又これらの半導体装置を実装する回路基板上に半田接合を行う場合、200℃以上の加熱工程を経るが、この際に半導体装置の反りが発生し、多数の半田ボールが平坦とならず、半導体装置を実装する回路基板から浮き上がってしまい、電気的接合信頼性が低下する問題も起こる。
【0004】
基板上の実質的に片面のみを樹脂組成物で封止した半導体装置において、反りを低減するには、基板の線膨張係数と樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を近づけること、及び樹脂組成物の硬化収縮を小さくする二つの方法が重要である。
基板としては有機基板では、BT樹脂やポリイミド樹脂のような高いガラス転移温度(以下、Tgという)の樹脂が広く用いられており、これらは樹脂組成物の成形温度である170℃近辺よりも高いTgを有する。従って、成形温度から室温までの冷却過程では有機基板のα1の領域のみで収縮するので、樹脂組成物もTgが高く、かつα1が回路基板と同じであり、更に硬化収縮がゼロであれば反りはほぼゼロであると考えられる。このため、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂とトリフェノールメタン型フェノール樹脂との組合せによりTgを高くし、無機充填材の配合量でα1を合わせる手法が既に提案されている。
【0005】
又赤外線リフロー、ベーパーフェイズソルダリング、半田浸漬等の手段での半田処理による半田接合を行う場合、樹脂組成物の硬化物並びに有機基板からの吸湿により半導体装置内部に存在する水分が高温で急激に気化することによる応力で半導体装置にクラックが発生したり、基板の半導体素子搭載面と樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が発生することもあり、硬化物の高強度化、低応力化、低吸湿化とともに、基板との高密着も求められる。
従来のBGAやCSP等のエリア実装型半導体装置には、反りの低減のためにトリフェノールメタン型エポキシ樹脂とトリフェノールメタン型フェノール樹脂を樹脂成分とする樹脂組成物が用いられてきた。この樹脂組成物の硬化物は、Tgが高く、硬化性、熱時曲げ強度に優れた特性を有しているが、硬化物の吸水率が高く、又樹脂組成物の溶融粘度が比較的高く、無機充填材の高充填化には限界があり、低吸湿化が不十分で、耐半田クラック性には問題があった。
【0006】
一方、従来のQFPやSOP等の表面実装型半導体装置では、半田実装時のクラックや各素材界面での剥離防止のために、ビフェニル型エポキシ樹脂に代表されるような結晶性エポキシ樹脂を使用しているが、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂を用いた樹脂組成物の硬化物と比較して熱時曲げ強度が低く、かつ硬化が遅いのが問題であった。そこで、反りが小さく、硬化性、熱時曲げ強度に優れ、かつ低吸湿、耐半田クラック性に優れる樹脂組成物を得るため、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂と結晶性エポキシ樹脂の特徴を生かすべく、樹脂組成物の製造時に両方のエポキシ樹脂を適正量併用したり、予め両方のエポキシ樹脂を溶融混合したものを用いても、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂を用いた時の反りが小さく、硬化性、熱時曲げ強度に優れるという特徴と、結晶性エポキシ樹脂を用いた時の低吸湿、耐半田クラック性に優れるという特徴を両立することはできておらず、不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エリア実装型半導体装置での成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] (A)一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に30〜100重量%含むエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示される樹脂硬化剤を総樹脂硬化剤中に30〜100重量%含む樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とし、前記一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)が、一般式(1)において無置換で、2つの水酸基がp−配向である4、4’−ジヒドロキシビスフェノールであり、(a)と(b)との重量比(a/b)が0.1〜19、総エポキシ樹脂のエポキシ基と総樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当量比が0.5〜2であり、無機充填材(C)の含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり250〜1400重量部で、硬化促進剤の含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴とする半導体用エポキシ樹脂組成物、
【化3】
Figure 0004560871
(ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。nは0〜4の整数)
【0009】
【化4】
Figure 0004560871
(ただし、nは平均値で、1〜10の正数)
[2] 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが第[1]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて封止されてなることを特徴とする半導体装置、
を提供するものであり、エリア実装型半導体素子での成形後や半田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、低粘度・低分子量のビスフェノールF類(a)と結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)との重量比(a/b)を0.1〜19とした混合物(以下、混合フェノールという)をグリシジルエーテル化した樹脂で、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に由来する低粘度化が図られており、従来のビフェニル型エポキシ樹脂より、更に加熱時の溶融粘度の低い樹脂となるため、ビフェニル型エポキシ樹脂を主として用いた樹脂組成物よりも流動性が向上し、無機充填材をより高充填化することができ、ひいてはエポキシ樹脂組成物の低吸湿化が可能となるため、耐半田クラック性の向上に寄与する。又高い結晶性を持つエポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類と共にグリシジルエーテル化させることによって、常温で固体として取り扱うことができるようになる。
【0011】
一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)としては、特に分子量、粘度を制限するものはないが、できるだけ低分子量であることが望ましく、より好ましいのは一般式(1)において無置換で、2つの水酸基がp−配向である4、4’−ジヒドロキシビスフェノールである。これにより低粘度化への寄与が大きくなり、かつ無置換ゆえにグリシジルエーテル化した場合、高い反応性を有するエポキシ樹脂を得ることができる。
結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)としては、例えば、一般式(3)のビフェニル型フェノール類、一般式(4)のスチルベン型フェノール類等が挙げられる。
【化5】
Figure 0004560871
(ただし、式中のR2は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整数。)
【0012】
【化6】
Figure 0004560871
(ただし、式中のR3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは0〜4の整数。)
【0013】
一般式(3)のビフェニル型フェノール類としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルビフェニル等(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0014】
一般式(4)のスチルベン型フェノール類としては、例えば、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−5,3’−ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,6−ジメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラターシャリブチルスチルベン等(置換位置の異なる異性体を含む)が挙げられる。
【0015】
これらの内では、入手のし易さ、性能、原料価格等の点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、(以上2種のフェノール類を、以下a群という)、3−ターシャリブチル−2,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン(以上3種のフェノール類を、以下b群という)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、又は4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’−ジメチルスチルベン(以上6種のフェノール類を、以下c群という)から選択される1種以上が好ましい。
特にビフェニル型フェノール類では、低粘度化効果が大きく、かつ反応性に富む4,4’−ジヒドロキシビフェニルが含まれていることが好ましい。又スチルベン型フェノール類では、b群、c群それぞれ単独ではその結晶性の高さから融点が高くなる傾向にあるが、それぞれから選択される1種以上の混合物にすることにより、グリシジルエーテル化物の融点を低下させる効果があるので混合物にすることが好ましい。これらの混合比、混合方法は限定しない。
【0016】
一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)との混合方法は特に限定しないが、溶剤による溶解や加熱による溶融混合等の方法により、均一に混合することが好ましい。これは、不均一に混合されたものをグリシジルエーテル化しても、それぞれ単独にグリシジルエーテル化したものの混合物と同様の性状になるため、期待する低粘度化や常温での固形化がはかれないためである。
一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)との混合比は、重量比(a/b)で0.1〜19が好ましく、より好ましくは0.5〜9である。0.1未満だと、一般式(1)で示されるビスフェノールF類に由来する低粘度化効果が薄いため好ましくない。又、19を越えると、結晶性エポキシ樹脂による作業性の向上が見られないので好ましくない。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂の合成方法については特に限定しないが、例えば、混合フェノールを過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下で50〜150℃、好ましくは60〜120℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。生成したエポキシ樹脂の塩素イオン、ナトリウムイオン、その他フリーのイオンは極力少ないことが望ましい。
【0018】
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、その配合量を調整することによりその特性を最大限引き出すことができる。配合量としては、総エポキシ樹脂中に30〜100重量%で、30重量%未満では半田処理時に反りが大きくなり、又流動性が低下するため好ましくない。併用できるエポキシ樹脂としては、特には限定しないが、例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
【0019】
本発明に用いられる一般式(2)で示される樹脂硬化剤は、剛直なナフトール骨格を1分子中少なくとも2個以上有するため、樹脂組成物の硬化物の吸水率が低いという特性を有している。更に、β−ナフトール骨格の樹脂硬化剤と比較して、硬化時の樹脂組成物の成形収縮率が小さく、硬化物のTgの低下等が生じにくい特徴を有しているため樹脂組成物の硬化物の反りが小さい。更に疎水性の芳香族環を有しているため吸水率が比較的低く、従って本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置は、実装時の半田処理下でも高い信頼性を得ることができる。
本発明に用いられる一般式(2)の樹脂硬化剤は、その配合量を調整することによりその特性を最大限引き出すことができる。配合量としては、総樹脂硬化剤中に30〜100重量%で、30%未満だと半田処理時に反りが大きくなり、耐湿信頼性が低下するため好ましくない。併用できる樹脂硬化剤としては、特には限定しないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン化合物等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
更に、エポキシ樹脂のエポキシ基と樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当量比が0.5〜2であり、当量比が0.5未満であっても、2を越えても、樹脂組成物の硬化性、耐湿信頼性あるいは硬化物のTgの低下等が生じるので好ましくない。
【0020】
本発明に用いられる無機充填材の種類については特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝集シリカ粉末、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム等が挙げられ、特に溶融球状シリカが好ましい。球状シリカの形状としては、流動性改善のために限りなく真球状であり、かつ粒度分布がブロードであることが好ましい。無機充填材の含有量としては、成形性と信頼性のバランスから、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり250〜1400重量部が好ましい。250重量部未満だと難燃性が得られず、1400重量部を越えると成形性の問題が生じ好ましくない。
本発明で用いる無機充填材は、予め十分に混合しておくことが好ましい。又必要に応じて無機充填材をカップリング剤やエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や直接無機充填材に添加し、混合機を用いて処理する方法等がある。
【0021】
本発明で用いる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に用いられているものを広く用いることができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等を単独でも混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部あたり0.4〜20重量部含有する。0.4重量部未満であると、加熱成形時において十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、20重量部を越えると、硬化が速すぎて成形時に流動性の低下により充填不良などが生ずるおそれがある。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分の他、必要に応じて酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。 本発明の樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例で本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いたエポキシ樹脂、樹脂硬化剤の略号及び構造を、まとめて以下に示す。
実施例及び比較例のエポキシ樹脂A〜Dの合成に使用したビスフェノールFの構造式(5)、及び結晶性エポキシ樹脂前駆体であるフェノールの構造式(6)を示す。式(5)と式(6)を表1の配合割合で常法によりグリシジルエーテル化して得た。その特性を表1に示す。
【化7】
Figure 0004560871
【0024】
【化8】
Figure 0004560871
【0025】
【表1】
Figure 0004560871
【0026】
・エポキシ樹脂1:式(7)を主成分とするエポキシ樹脂(融点:105℃、エポキシ当量:191g/eq)
・エポキシ樹脂2:式(8)のエポキシ樹脂(軟化点:59℃、エポキシ当量:171g/eq)
・フェノール樹脂1:式(9)のフェノール樹脂(軟化点:87℃、水酸基当量:210g/eq)
・フェノール樹脂2:式(10)のフェノール樹脂(軟化点:110℃、水酸基当量:98g/eq)
・フェノール樹脂3:式(11)のフェノール樹脂(軟化点:70℃、水酸基当量:170g/eq)
【化9】
Figure 0004560871
【0027】
【化10】
Figure 0004560871
【0028】
Figure 0004560871
を常温においてミキサーで混合し、90℃と45℃の2本のロールを用いて混練し、冷却後粉砕して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。
【0029】
・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。単位はcm。
・吸水率:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で直径50mm、厚さ3mmの成形品を成形し、175℃、8時間で後硬化し、得られた成形品を85℃、相対湿度60%の環境下で168時間放置し、重量変化を測定して吸水率を求めた。単位は重量%。
・パッケージ反り量:トランスファー成形機を用いて、金型温度180℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で225pBGA(基板は厚さ0.36mm、ビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板、パッケージサイズは24×24mm、厚さ1.17mm、シリコンチップはサイズ9×9mm、厚さ0.35mm、チップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンディングしている。)を成形した。更に175℃、8時間で後硬化した。
室温に冷却後パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。単位はμm。
・ 耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金型温度180℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分で225pBGA(基板は厚さ0.36mm、ビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板、パッケージサイズは24×24mm、厚さ1.17mm、シリコンチップはサイズ9×9mm、厚さ0.35mm、チップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンディングしている。)を成形した。更に175℃、8時間で後硬化したパッケージ10個を、60℃、相対湿度60%で120時間、及び85℃、相対湿度60%で168時間処理した後、IRリフロー処理(240℃)を別々に行った。処理後の内部の剥離、及びクラックの有無を超音波探傷機で観察し、不良パッケージの個数を数えた。不良パッケージの個数がn個であるとき、n/10と表示する。
【0030】
実施例2〜5、比較例1〜6
実施例1と同様にして、表2、表3の組成に従って配合して得られた樹脂組成物について評価した。評価結果を表2、表3に示す。なお、実施例4に用いるオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は196g/eq、実施例5に用いるフェノールノボラック樹脂の水酸基当量は104g/eqである。
【0031】
【表2】
Figure 0004560871
【0032】
【表3】
Figure 0004560871
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形後及び半田処理時の反りが小さく、耐半田クラック性に優れる特性を有しており、これで封止された半導体装置は信頼性に優れている。

Claims (2)

  1. (A)一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)と、結晶性エポキシ樹脂の前駆体であるフェノール類(b)とを混合しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に30〜100重量%含むエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示される樹脂硬化剤を総樹脂硬化剤中に30〜100重量%含む樹脂硬化剤、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とし、前記一般式(1)で示されるビスフェノールF類(a)が、一般式(1)において無置換で、2つの水酸基がp−配向である4、4’−ジヒドロキシビスフェノールであり、(a)と(b)との重量比(a/b)が0.1〜19、総エポキシ樹脂のエポキシ基と総樹脂硬化剤のフェノール性水酸基の当量比が0.5〜2であり、無機充填材(C)の含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり250〜1400重量部で、硬化促進剤の含有量が、総エポキシ樹脂と総樹脂硬化剤の合計量100重量部当たり0.4〜20重量部であることを特徴とする半導体用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004560871
    (ただし、式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、それらは互いに同一であっても異なってもよい。nは0〜4の整数)
    Figure 0004560871
    (ただし、nは平均値で、1〜10の正数)
  2. 基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を用いて封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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