JP4557886B2 - 食道癌の抗原およびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、食道癌を含む各種癌の診断や免疫療法などに有用な新規なヒト食道癌抗原、及びその利用等に関する。より詳細には、本発明は、ヒト癌に特異的な蛋白質、その部分ペプチド、それらをコードするDNA、上記蛋白質をエピトープとする抗体、キラーT細胞、癌ワクチン、癌診断用プローブ、癌診断薬および癌の予防・治療薬に関する。
現在、死亡原因の第一位となっている癌においては、その発生機序、診断法、治療法が進歩したにもかかわらず、未だに多くの進行癌を治療できないのが現状である。これを改善するためには、新しい早期診断法と治療法の開発が必要とされている。
癌の治療法として免疫療法は古くから期待され、様々な試みがなされてきたが、まだ十分な抗腫瘍効果を示すには至っていない。特に食道癌においては、治療法として、主に放射線療法と外科療法が行なわれているが、その位置的な理由から患者への負担の大きさは、計り知れないところがある。従ってできるだけ副作用や侵襲が少ない治療法の確立が望まれている。従来、癌の免疫療法は非特異的免疫療法を中心として行われてきたが、近年、T細胞が生体内での腫瘍拒絶に重要な役割を果たすことが明らかになり、細胞傷害性T細胞(CTL:Cytotoxic T Lymphocyte)を誘導しうるT細胞認識腫瘍抗原の単離とMHCクラスI拘束性エピトープの決定に努力がそそがれている。
従来、多くの腫瘍抗原の単離としてCTLを用いたcDNA発現クローニング法で行われてきたが、腫瘍の細胞株化とCTLの樹立が必要であることから、メラノーマ以外の癌腫からの腫瘍抗原の単離は困難とされていた。
本発明の目的は、各種癌や腫瘍の診断・治療に応用することができるヒト食道癌抗原、それをコードする遺伝子、それを用いた抗癌ワクチン、抗体、上記抗原に特異的に反応するCTL(細胞傷害性T細胞)等を提供することである。本発明の第二の目的は、本発明はまた、上記抗原または細胞傷害性T細胞を用いた有効な抗原特異性免疫療法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、cDNAマイクロアレイ法を用いて、免疫治療法の効果が優れた蛋白質、並びに該蛋白質を構成する多くのペプチドからなる抗原を単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記(A)又は(B)の何れかの蛋白質が提供される。
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠損、挿入及び/又は付加を含むアミノ酸配列を有し、かつ免疫誘導活性を有する蛋白質。
本発明の別の側面によれば、上記の本発明の蛋白質の一部からなり、かつ免疫誘導活性を有するペプチドが提供される。本発明のペプチドは、好ましくは、癌抗原蛋白質を認識する細胞傷害性T細胞を活性化しうるペプチドである。
本発明のさらに別の側面によれば、下記(1)〜(10)の何れかに記載のアミノ酸配列からなるペプチドが提供される。
Figure 0004557886
Figure 0004557886
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質をコードする哺乳動物のDNAが提供される。好ましくは、哺乳動物はヒトまたはマウスである。
本発明のさらに別の側面によれば、下記(a)、(b)又は(c)の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA。
(b)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、免疫誘導活性を有する蛋白質をコードするDNA。
(c)上記(a)又は(b)のDNAの部分配列を有し、かつ、免疫誘導活性を有する蛋白質をコードするDNA。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質又はペプチドに対する抗体が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質又はペプチドを用いてインビトロ刺激により誘導された細胞傷害性T細胞が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質又はペプチドを含む癌ワクチンが提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のDNA、又は該DNAを含む組換えウイルス若しくは組換え細菌を含む、癌ワクチンが提供される。本発明の癌ワクチンは、好ましくはアジュバントをさらに含む。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のDNAを含む、癌診断用プローブが提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の癌診断用プローブ及び/又は抗体を含む、癌診断薬が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質、ペプチド、抗体、及び/又は細胞傷害性T細胞を含む癌の予防・治療薬が提供される。好ましくは、癌は食道癌、脳腫瘍、悪性黒色腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、頭頚部癌、腎臓癌、前立腺癌、肺癌、甲状腺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌、肝癌、胆嚢癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、又は肉腫である。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質の発現をRNAi現象により抑制できる核酸が提供される。好ましくは、上記核酸は、siRNA、shRNA又はそれらの発現ベクターである。その具体例としては、配列番号17に記載の配列を有するRNA又はそれを発現できる発現ベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した核酸、又はRNA又はそれを発現できる発現ベクターを含む、抗腫瘍剤が提供される。
図1は食道癌患者26例の癌部と非癌部の発現量のPP−RP発現の相対比を示したグラフである。
図2は、正常臓器におけるPP−RPの発現量を1としたときの他の臓器に発現する量の相対値を示したグラフである。図2のAは、食道癌患者26人の癌部・非癌部におけるPP−RP遺伝子の発現の相対比を示す。図2のBは。多様な正常臓器におけるPP−RP遺伝子の発現を示す。
図3は12の正常細胞と食道癌細胞株におけるノーザンブロット分析の結果を示す。
図4は、各種癌細胞株におけるPP−RP mRNAの発現をRT−PCRで解析した結果を示す。
図5は、goat polyclonal anti−RBQ−1(Santa Cruz)を用いて正常と食道癌組織の免疫染色を行った結果を示す。
図6は、NIH3T3細胞株にPP−RPを遺伝子導入した細胞の変化を観察した結果を示す。NIH3T3細胞株にPP−RPを遺伝子導入すると、細胞のpile up像が観察される。
図7は、NIH3T3細胞株にPP−RPを遺伝子導入した細胞をヌードマウスに注入した2週間後のマウスの、注入部の状態を示す。3頭のマウスに10細胞を注入した。NIH3T3細胞株にPP−RPを遺伝子導入した細胞は、ヌードマウスでマスを形成した。
図8はPP−RP蛋白由来のペプチドワクチン10種類の混合物で誘導して得られたCTL株の各ペプチドに対する51Crリリースアッセイ結果を示すグラフである。PP−RP蛋白由来のペプチドワクチン10種類の混合物で誘導して得られたCTLは、ペプチド7を特異的に認識する。
図9はPP−RPペプチド2で誘導して得られたCTL株の、C1R−A2402癌細胞株に対する細胞傷害活性を51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。PP−RP由来p420−428GYSVPPPGFペプチドで誘導した食道癌患者のCTLは、ペプチド特異的に癌細胞株を傷害できる。
図10はPP−RPペプチド2で誘導して得られたCTL株の、TE9およびTE11に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。PP−RP由来p420−428GYSVPPPGFペプチドで誘導した食道癌患者のCTLは、PP−RP抗原特異的に癌細胞株を傷害する。
図11はPP−RPペプチド3で誘導して得られたCTL株の、C1R−A2402癌細胞株に対する細胞傷害活性を51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。PP−RP由来p634−642AYYGRSVDFペプチドで誘導した食道癌患者のCTLは、ペプチド特異的に癌細胞株を傷害できる。
図12はPP−RPペプチド3で誘導して得られたCTL株の、TE9およびTE11に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。PP−RP由来p634−642AYYGRSVDFペプチドで誘導した食道癌患者のCTLは、PP−RP抗原特異的に癌細胞株を傷害する。
図13AはPP−RPペプチド3で誘導して得られたCTL株の、C1R−A2402、およびSK−Hep1癌細胞株に対する細胞傷害活性を51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図13BはPP−RPペプチド3で誘導して得られたCTL株の、TE13に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図13CはPP−RPペプチド3で誘導して得られたCTL株の、TE9、TE11、TE13およびSK−Hep1に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。
TE11:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE13:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE9:HLA−A33、PP−RPの発現++
SK−Hep1:HLA−A24、PP−RPの発現−
PP−RP由来p634−642AYYGRSVDFペプチドで誘導した食道癌患者のCTLはペプチドを特異的に認識し、HLA−A24拘束性にPP−RPを発現している癌細胞株を傷害する。
図14AはPP−RPペプチド9で誘導して得られたCTL株の、C1R−A2402、およびSK−Hep1癌細胞株に対する細胞傷害活性を51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図14BはPP−RPペプチド9で誘導して得られたCTL株の、TE13に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図14CはPP−RPペプチド9で誘導して得られたCTL株の、TE9、TE11、TE13およびSK−Hep1に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。
TE11:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE13:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE9:HLA−A33、PP−RPの発現++
SK−Hep1:HLA−A24、PP−RPの発現−
PP−RP由来p379−388VFVPVPPPPLペプチドで誘導した食道癌患者のCTLはペプチドを特異的に認識し、HLA−A24拘束性にPP−RPを発現している癌細胞株を傷害する。
図15AはPP−RPペプチド10で誘導して得られたCTL株の、C1R−A2402、およびSK−Hep1癌細胞株に対する細胞傷害活性を51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図15BはPP−RPペプチド10で誘導して得られたCTL株の、TE13に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。図15CはPP−RPペプチド10で誘導して得られたCTL株の、TE9、TE11、TE13およびSK−Hep1に対する細胞傷害活性を、51Crリリースアッセイにより測定した結果を示すグラフである。
TE11:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE13:HLA−A24、PP−RPの発現++
TE9:HLA−A33、PP−RPの発現++
SK−Hep1:HLA−A24、PP−RPの発現−
PP−RP由来p484−493EFTNDFAKELペプチドで誘導した食道癌患者のCTLはペプチドを特異的に認識し、HLA−A24拘束性にPP−RPを発現している癌細胞株を傷害する。
図16は、PP−RPを高発現している食道癌細胞株TE13においてRNAiによりPP−RPをノックダウンした場合の細胞の増殖速度を測定した結果を示す。
図17は、PP−RPが予後予測因子になることを示す生存曲線である。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
(1)本発明の蛋白質及びペプチド
本発明の食道癌から採取された蛋白質は、下記(A)又は(B)の何れかの蛋白質である。
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質(以下「PP−RP」とも言う)。
(B)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入及び/又は付加を含むアミノ酸配列を有し、かつ、免疫誘導活性を有する蛋白質。
本明細書で言う免疫誘導活性を有する蛋白質とは、抗体産生、細胞性免疫等の免疫反応を誘導する活性を有する蛋白質を言うが、なかでも、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞/CTL)を刺激するT細胞誘導活性を有する蛋白質が特に好ましい。
PP−RP(proliferation potential related protein)は、1616アミノ酸残基の蛋白質(遺伝子の塩基数5376bp)で、RBBP6(retinoblastoma binding protein6)と呼ばれる5926bPで1792アミノ酸残基の分割変異体aである。このPP−RPはRb蛋白質に直接結合し、更にDNAとも結合できるドメインを持つ核蛋白質である。
この蛋白質はノーザンブロット法によりヒト正常臓器において、胎盤と精巣以外ではほとんど発現が認められなかった。このPP−RP遺伝子をNIH/3T3細胞に発現させると形質変換した。また、この細胞をヌードマウスに移植すると生着して腫瘍を形成することより癌化と関連している可能性がある。
本発明の食道癌抗原であるPP−RPは、例えば、食道癌患者から採取した癌細胞から本明細書の下記実施例のようなcDNAマイクロアレイ解析により検出することができる。
このヒト蛋白質PP−RPとアミノ酸配列が類似の蛋白質がマウスにも存在する。この蛋白質はP2P−Rと名付けた。このP2P−Rはp53とRb蛋白質と結合する核蛋白質で、M期に発現量が増加する。
本発明におけるcDNAマイクロアレイ法とは、公知のごとく、例えば癌患者から摘出された組織から、癌部と非癌部とに分けてmRNAを調製し、それから蛍光標識したcDNAを作成し、できたcDNAを全遺伝子の約50%以上、好ましくは60%以上、特に好ましくは約70%以上の遺伝子がスポットしてあるスライドガラスにのせ、ハイブリダイズさせ、スキャナーでシグナルを取込み、遺伝子発現を解析する方法である。
上記した「配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入及び/又は付加を含むアミノ酸配列」における「1若しくは数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、更に好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個を意味する。
本発明の蛋白質の入手・製造方法は特に限定されず、天然由来の蛋白質でも、化学合成した蛋白質でも、遺伝子組み換え技術により作成した組み換え蛋白質の何れでもよい。比較的容易な操作でかつ大量に製造できるという点では、組み換え蛋白質が好ましい。
天然由来の蛋白質を入手する場合には、該蛋白質を発現している細胞又は組織から蛋白質の単離・精製方法を適宜組み合わせて単離することができる。化学合成蛋白質を入手する場合には、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法に従って本発明の蛋白質を合成することができる。また、各種の市販のペプチド合成機を利用して本発明の蛋白質を合成することもできる。
本発明の蛋白質を組み替え蛋白質として産生するには、該蛋白質をコードする塩基配列(例えば、配列番号2に記載の塩基配列)を有するDNA又はその変異体又は相同体を入手し、これを好適な発現系に導入することにより本発明の蛋白質を製造することができる。
発現ベクターとしては、好ましくは宿主細胞において自立複製可能であるか、あるいは宿主細胞の染色体中へ組込み可能であるものであればよく、本発明の遺伝子を発現できる位置にプロモーターを含有しているものが使用される。また、本発明の蛋白質をコードする遺伝子を有する形質転換体は、上記の発現ベクターを宿主に導入することにより作製することができる。宿主は、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞のいずれでもよく、また宿主への発現ベクターの導入は、各宿主に応じた公知の手法により行えばよい。
本発明においては、上記のようにして作製した本発明の遺伝子を有する形質転換体を培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より本発明の蛋白質を採取することにより組み換え蛋白質を単離することができる。
本発明の形質転換体が大腸菌等の原核生物、酵母菌等の真核生物である場合、これら微生物を培養する培地は、該微生物が資化しうる炭素原、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれでもよい。また培養条件も該微生物を培養するのに通常用いられる条件で行なえばよい。培養後、本発明の蛋白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
なお、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠損、挿入及び/又は付加を含むアミノ酸配列を有する蛋白質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA配列の1例を示す配列番号2に記載の塩基配列の情報に基づいて当業者であれば適宜製造または入手することができる。
即ち、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠損、挿入及び/又は付加を含むアミノ酸配列を有する蛋白質をコードする塩基配列を有する遺伝子(変異遺伝子)は、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することもできる。具体的には、配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAを利用し、これらDNAに変異を導入することにより変異DNAを取得することができる。
例えば、配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法を用いて行なうことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載の方法に準じて行なうことができる。
本発明は更に、上記した本発明の蛋白質の一部からなり、かつ免疫誘導活性を有するペプチドにも関する。本発明のペプチドは、癌抗原蛋白質を認識する細胞傷害性T細胞を活性化しうるものが好ましい。このようなペプチドの具体例としては、下記の何れかのアミノ酸配列を有するものが挙げられる。
Figure 0004557886
本発明のペプチドの合成は、通常のペプチド化学において用いられる方法に準じて行うことができる。通常用いられる合成方法は、例えばPeptide Synthesis,Interscience,New York,1966;The Proteins.Vol 2,Academic Press Inc.,New York,1976;ペプチド合成、丸善(株)、1975;ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)、1985;医薬品の開発 続 第14巻・ペプチド合成、広川書店、1991等の文献や国際公開WO99/67288号等の公報に記載されている。具体的には、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法に従って合成することができる。また、各種の市販のペプチド合成機を利用して本発明のペプチドを合成することもできる。
本発明のペプチドは、HLA−A24に対する結合モチーフを有する。このようなHLA−A24に対する結合モチーフを有するペプチドの選択は、例えば(J.Immunol.,152.3913.1994;J.Immunol.,155.4307.1994)に記載の方法に基づいて行うことができる。あるいはまた、インターネット上で利用可能となっているソフトウェア、例えばParker K.C.,J.Immunol.,152,1994に記載されているもの等を用いて、種々のペプチドとHLA抗原との結合親和性をin silicoで計算することもできる。例えば(J.Immunol.,152.1994;Int.J Cancer.,80,1999.Nukaya,)に記載のように測定することができる。
(2)本発明のDNA
本発明のDNAは、上記(1)に記載した本発明の蛋白質をコードするDNAであり、好ましくは、下記(a)、(b)又は(c)の何れかのDNAである。
(a)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA。
(b)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、免疫誘導活性を有する蛋白質をコードするDNA。
(c)上記(a)又は(b)のDNAの部分配列を有し、かつ、免疫誘導活性を有する蛋白質をコードするDNA。
上記した「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNA又は該DNAの断片を固定化したフイルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフイルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラークローニング第2版等に記載されている方法に準じて行うことができる。
ストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
本発明のDNAの取得方法は特に限定されない。本明細書中の配列表の配列番号1および配列番号2に記載したアミノ酸配列および塩基配列の情報に基づいて適当なプローブやプライマーを調製し、それらを用いてヒトなどのcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明のDNAを単離することができる。cDNAライブラリーは、本発明のDNAを発現している細胞、器官又は組織から作製することが好ましい。
PCR法により配列番号2に記載した塩基配列を有するDNAを取得することもできる。ヒト染色体DNA又はcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号2に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを用いてPCRを行う。PCRの反応条件は適宜設定することができる。例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイクル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
上記したプローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法に準じて行うことができる。
(3)本発明の抗体及び細胞傷害性細胞
本発明は、上記した本発明の蛋白質またはペプチドの一部もしくは全部をエピトープ(抗原)として認識する抗体、並びに該蛋白質又はペプチドを用いてインビトロ刺激により誘導された細胞傷害性(キラー)T細胞(CTL)にも関する。一般的には、CTLの方が抗体よりも強い抗腫瘍活性を示す。
本発明の抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、その作製は定法により行うことができる。
例えば、ポリクローナル抗体は、本発明の蛋白質を抗原として哺乳動物を免疫感作し、該哺乳動物から血液を採取し、採取した血液から抗体を分離・精製することにより得ることができる。例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ等の哺乳動物を免疫することができる。免疫感作の方法は当業者に公知であり、例えば抗原を、例えば7〜30日間隔で2〜3回投与すればよい。投与量は1回につき、例えば抗原約0.05〜2mg程度とすることができる。投与経路も特に限定されず、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与等を適宜選択することができる。また、抗原は適当な緩衝液、例えば完全フロインドアジュバント又は水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジュパントを含有する適当な緩衝液に溶解して用いることができる。
免疫感作した哺乳動物を一定期間飼育した後、抗体価が上昇してきたら、例えば100μg〜1000μgの抗原を用いて追加免疫を行うことができる。最後の投与から1〜2ケ月後に免疫感作した哺乳動物から血液を採取して、該血液を、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム又はポリエチレングリコールを用いた沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等の常法によって分離・精製することにより、ポリクローナル抗血清として、本発明の蛋白質を認識するポリクローナル抗体を得ることができる。
一方、モノクローナル抗体はハイブリドーマを調製して得ることができる。例えば、抗体産生細胞とミエローマ細胞株との細胞融合によりハイブリドーマを得ることができる。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、以下のような細胞融合法によって得ることができる。
抗体産生細胞としては、免疫された動物からの脾細胞、リンパ節細胞、Bリンパ球等を使用する。抗原としては、本発明の蛋白質又はその部分ペプチドを使用する。免疫動物としては、マウス、ラット等を使用でき、これらの動物への抗原の投与は常法により行う。例えば、完全フロインドアジュバント、不完全フロインドアジュバントなどのアジュバントと抗原である本発明の蛋白質又はペプチドとの懸濁液を動物の静脈、皮下、皮内、腹腔内に数回投与することによって動物を免疫化する。免疫化した動物から抗体産生細胞として例えば脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とを公知の方法により融合してハイブリドーマを作製することができる。
細胞融合に使用するミエローマ細胞株としては、例えばマウスではP3X63Ag8、P3U1株、Sp2/0株などが挙げられる。細胞融合を行うに際しては、ポリエチレングリコール、センダイウイルスなどの融合促進剤を用い、細胞融合後のハイブリドーマの選択にはヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン(HAT)培地を常法に従って使用する。細胞融合により得られるハイブリドーマは限界希釈法等によりクローニングする。さらに必要に応じて、本発明の蛋白質を用いた酵素免疫測定法でスクリーニングを行うことにより、本発明の蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体を産生する細胞株を得ることができる。
このようにして得られたハイブリドーマから目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノクローナル抗体の精製は、常法により行うことができる。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜組み合わせて使用できる。
また、上記した抗体の断片も本発明の範囲内である。抗体の断片としては、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント等が挙げられる。
さらに、上記した抗体の標識抗体も本発明の範囲内である。即ち、上記のようにして作製した本発明の抗体は標識して使用することができる。抗体の標識の種類及び標識方法は当業者に公知である。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼなどの酵素標識、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)又はTRITC(テロラメチルローダミンBイソチオシアネート)等の蛍光標識、コロイド金属および着色ラテックスなどの呈色物質による標識、ビオチンなどのアフィニティ標識、あるいは125Iなどの同位体標識などを挙げることができる。本発明の標識抗体を用いた本発明の蛋白質あるいはペプチド(即ち、癌抗原)の分析又は測定は、酵素抗体法、免疫組織染色法、免疫ブロット法、直接蛍光抗体法又は間接蛍光抗体法等の当業者に周知の方法に従って行うことができる。
本発明はまた、本発明の蛋白質又はペプシドを用いたインビトロ刺激により誘導された活性化T細胞に関する。例えば、末梢血リンパ球や腫瘍浸潤リンパ球を本発明の蛋白質又はペプチドでインビトロ刺激すると腫瘍反応性活性化T細胞が誘導され、この活性化されたT細胞は養子免疫療法に有効に用いることができる。また本発明の蛋白質又はペプチドを強力な抗原提示細胞である樹状細胞にインビボあるいはインビトロで発現させて、その抗原発現樹状細胞投与により免疫誘導を行うことができる。
(4)本発明の癌ワクチン
本発明のDNA、蛋白質及びペプチドは、抗原特異的に癌細胞株を傷害することのできるT細胞を誘導することができるので、癌の治療、予防剤として期待できる。例えば、本発明のDNAを適当なベクターに組み込み、この組換えDNAで形質転換されたBCG菌の細菌、または本発明のDNAをゲノムに組込まれたワクシニアウイルス等のウイルスは、ヒト癌の治療・予防用生ワクチンとして有効に利用できる。なお、癌ワクチンの投与量及び投与法は通常の種痘やBCGワクチンと同様である。
即ち、本発明のDNA(そのまま、あるいは発現ベクターに組み込んだプラスミドDNAの形)、該DNAを含む組換えウイルス若しくは組換え細菌はそのまま、あるいはアジュバントに分散した状態で癌ワクチンとしてヒトを含む哺乳動物に投与することができる。本発明のペプチドも同様にアジュバントと分散した状態で癌ワクチンとして投与することができる。
本発明で用いることのできるアジュバントとしては、フロイントの不完全アジュバント、BCG、トレハロースダイマイコレート(TDM)、リポ多糖(LPS)、ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられるが、抗体の誘導能等の関係から、フロイントの不完全アジュバント(FIA)を使用することが好ましい。
(5)本発明の癌診断用プローブ、癌診断薬、癌の予防・治療薬(DNAプローブ・診断薬)
本発明のDNAは各種ヒト癌のDNAを取り出してその相同性を調べることで診断用プローブとして使用することができる。また、このプローブや前記抗体を使用して癌診断薬として使用することができる。
即ち、本発明は、本発明の蛋白質をコードするDNA又はRNAのアンチセンス鎖の全部又は一部を含む癌診断用プローブに関する。さらに本発明は、上記の癌診断用プローブ又は本発明の蛋白質に対する抗体を含む、癌診断薬に関する。本発明の癌診断用プローブとしては、本発明の蛋白質をコードするDNA(cDNA)又はRNAのアンチセンス鎖の全部又は一部であり、プローブとして成立する程度の長さ(少なくとも20ベース以上)を有するものが好ましい。例えば、上記アンチセンス鎖を用いて検体から得られた本発明の蛋白質(癌抗原)のmRNAを検出することにより、癌の診断が可能となる。検出に用いられる検体としては、被験者の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織等の生検から得ることができるゲノムDNAや、RNA又はcDNAを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。かかる検体を使用する場合、PCR等により増幅したものを用いてもよい。
本発明でいう癌の種類は特に限定されず、具体例としては、食道癌、脳腫瘍、悪性黒色腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、頭頚部癌、腎臓癌、前立腺癌、肺癌、甲状腺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌、肝癌、胆嚢癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、又は肉腫などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(蛋白・ペプチドからなる免疫予防・治療薬)
癌患者の癌細胞に対する免疫応答は予想以上に活発であり、多種多様な蛋白に対してIgG抗体が産生されていることを見出している。本発明の前記蛋白やその一部であるペプチドに特異的に結合する抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記食道癌抗原PP−RP等の蛋白又はその一部を抗原として用いて常法により作製することができ、それらを用いて食道癌の診断に利用することができる。
本発明の蛋白質又はペプチドは、また、T細胞エピトープとして癌細胞特異的細胞傷害性T細胞を誘導できるので、ヒト癌の予防・治療剤として有用である。また、本発明の抗体は、癌の診断薬として有用である。実際の使用法としては、本発明の蛋白質、ペプチドまたは抗体をそのまま、又は医薬的に許容される担体、及び/又は希釈剤とともに、必要に応じて下記の補助剤も加えて、注射液として投与することもできるし、噴霧などの方法で粘膜からの経皮吸収などで投与してもよい。なお、ここでいう担体としては、例えば、ヒト血清アルブミン等を挙げることができる。また、希釈剤としては、例えば、PBS、蒸留水等を挙げることが出来る。
投与量は成人一人当り、本発明の蛋白質、ペプチド又は抗体を、例えば、1回当り0.01mg〜100mgの範囲になるよう投与することができるが、この範囲に限定されるものではない。製剤の形態も特に限定されず、凍結乾燥したものや、糖などの賦形剤を加えて顆粒にしたものでもよい。
本発明の薬剤に添加することができる細胞傷害性T細胞誘導活性を高めるための補助剤としては、BCG菌などの菌体成分、nature,vol.344,p873(1990)に掲載されるISCOM、J.Immunol.vol.148,p1438(1992)に記載されるサポニン系のQS−21、リポソーム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。また、レンチナン、シゾフィラン、ピシバーニールなどの免疫賦活剤を補助剤として用いることもできる。また、IL−2、IL−4、IL−12、IL−1、IL−6、TNFなどのT細胞の増殖、分化を増強するサイトカイン等も補助剤として用いることができる。
また、患者から採取した細胞または、同一のHLAパプロタイプを持つ細胞に試験管内で当該抗原ペプチドを加え、抗原提示させた後、患者血管内に投与し、患者体内で効果的に細胞障害性T細胞を誘導することもできる。また、患者末梢血リンパ球に当該ペプチドを加えて試験管内で培養することにより試験管内で細胞傷害性T細胞を誘導した後に患者血管内に戻すこともできる。このような細胞移入による治療は既に癌治療法として実施されており、当業者間ではよく知られた方法である。
(免疫療法の抗原)
特異的抗腫瘍免疫療法の標的抗原となるためには、その抗原が細胞傷害性T細胞(キラーT細胞/CTL)の認識抗原であることが必要である。本発明の抗原は日本人に多いHLA−A24において、インビトロにおけるキラーT細胞誘導活性を増大させた。このことから本発明の抗原を体内に注入することにより、CTLを誘導活性化し、その結果、抗腫瘍効果が期待できる。また、本発明の抗原で刺激するとインビトロにおいて活性化T細胞が誘導され、この活性化されたT細胞を体内に注入することによる養子免疫療法に有効に用いることができる。
(5)本発明のRNAi
本発明はさらに、本発明の蛋白質の発現をRNAi現象により抑制できる核酸に関する。このような核酸としては、siRNA、shRNA又はそれらの発現ベクターなどが挙げられ、具体例としては、配列番号17に記載の配列を有するRNA又はそれを発現できる発現ベクターが挙げられる。これらの核酸(RNA又はその発現ベクターなど)は、以下の実施例で示す通り、本発明の蛋白質(PP−RP)を高発現している食道癌細胞の増殖速度を抑制することができることから、抗腫瘍剤として有用である。
本発明の抗腫瘍剤の投与方法は特に限定されず、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、粘膜投与、直腸内投与、膣内投与、患部への局所投与、皮膚投与など)、患部への直接投与などが挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤は、医薬組成物として使用する場合、必要に応じて薬学的に許容可能な添加剤を配合することができる。薬学的に許容可能な添加剤の具体例としては、抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、希釈剤、キャリア、賦形剤および/または薬学的アジュバントなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の抗腫瘍剤の有効成分である核酸の投与量は、使用目的、疾患の重篤度、患者の年齢、体重、性別、又は既往歴などを考慮して、当業者が決定することができる。有効成分である核酸の投与量は特に限定されないが、1回当たり、例えば約0.1ng〜約100mg/kg、好ましくは約1ng〜約10mgである。
以下、本発明の抗原、その製造方法、効果について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]:cDNAマイクロアレイ法によるPP−RPのスクリーニング
インフォームドコンセントを行い、承諾を得た26人の食道癌患者から癌組織を採取した。採取後の癌組織は−80℃で保存した。この癌組織サンプルをレーザーマイクロビームマイクロディセクションシステムにより、癌部のみ若しくは非癌部のみをそれぞれ回収し、mRNAを調製し、それから蛍光標識したcDNAを作成し、できたcDNAを全遺伝子の70%にあたる23040遺伝子がスポットしてあるスライドガラスにのせ、ハイブリダイズさせ、スキャナーでシグナルを取込み、遺伝子発現を解析した。その結果、PP−RP遺伝子の発現は食道癌患者26例のうち21例において、非癌部に対する癌部の発現量の相対比が5倍以上であった。しかも正常胎盤以外での発現がほとんど認められない遺伝子、PP−RPを同定した。(図1、図2)
[実施例2]:ノーザンブロット解析
(試験法)
12の正常組織と食道癌・頭頚部癌細胞株におけるPP−RP遺伝子の発現をノーザンブロット解析にて確認した。ノーザンブロット法は次の方法で行った。すなわち、正常組織におけるPP−RP遺伝子の発現を確認するために、ヒト組織のポリ(A)RNAブロット(ヒト12−lane MTNブロット,クロンテック社)を用いた。また正常食道、正常精巣、正常胎盤、癌細胞株の総RNAを用い、自作にてメンブレンを作成した。
これらのメンブレンに5’−TGCTGTTGTGATTCCCTGCTG−3’(配列番号13)とアンチセンス5’−AGGAAACTGAGGAGAAAACTG−3’(配列番号14)のプライマーで得られたPCR産物をPP−RPプローブとしてハイブリダイズさせた。
(結果)
結果を、図3に示す。この図から明らかなように、PP−RPは癌細胞株と12の正常組織では胎盤にのみ発現することが分かった。
[実施例3]:RT−PCRによる各種癌細胞株におけるPP−RP mRNAの発現解析
Figure 0004557886
を用い、各種癌細胞株におけるPP−RP mRNAの発現解析を行った。PCRは、94℃1分、58℃1分、72℃1.5分を30サイクル行った。結果を図4に示す。図4の結果から分かるように、食道癌だけではなく、様々な癌細胞株でPP−RPの発現が認められた。
[実施例4]:免疫染色
ニチレイのヒストファイン・シンプルステイン法で行った。使用した抗体はgoat polyclonal anti−RBQ−1(Santa Cruz)で正常と食道癌組織の免疫染色を行った。結果を図5に示す。図5の結果から分かるように、正常組織では、精巣、胎盤に発現が認められ、脾臓、リンパ節、脳、腎臓、肺、肝臓、食道組織には、発現は認められなかった(A〜R)。正常食道組織では発現は認められないが、食道癌になると発現が認められるようになる(S−V)。また、その局在は染色体の周辺であった(W、X)。
[実施例5]:NIH3T3細胞への遺伝子導入
(試験方法)
宝ホールディング(株)よりPP−RP遺伝子の3056bp〜4942bp部分(ORF 92bp〜4942bp)の組み込まれたベクターを購入した。これとネオ耐性遺伝子発現ベクターpCI−ネオをリポフェクタミンTM2000を用い、同時に遺伝子導入した。ネオにて細胞を選択し、その後限界希釈法にてクローン化した。その細胞をヌードマウスの皮下に1回接種し、盛り上がりが形成されるかどうかを検証した。
(試験結果)
結果を、図6、図7に示す。図で明らかなように遺伝子導入された細胞において、盛り上がりが観察され、PP−RPが癌遺伝子様の機能を持つことが示された。
[実施例6]:PP−RPを構成するペプチドのスクリーニング
元来、種々のタンパク質がin vivoにおいて抗原提示細胞上に提示される場合に、9量体のペプチドに分解されてから提示されることを考慮し、日本人全体の60%を占めるHLA−A24に対して結合モチーフを有するPP−RP由来の9もしくは10量体のペプチドを合成した。HLA−ペプチド結合予測を用いてHLA−A24とKの両方に結合すると予測されるヒトPP−RPとマウスP2P−Rに共通のペプチドをPP−RPのシークエンスより選び出し、9または10のアミノ酸からなる下記の10種類のペプチドを、自動ペプチド合成機(PSSM8,島津製作所(株)製)にて、Fmoc(9−fluorenylmethyloxycarbonyl)法で合成した。合成したペプチドは、高速液体クロマトグラフィーを用いて純粋なペプチドとした。
Figure 0004557886
[実施例7]:51Cr.リリースアッセイ
(試験方法)
末梢血単球から誘導した樹状細胞を抗原提示細胞として、合成PP−RPペプチドでCD8陽性T細胞を刺激することで得られたT細胞株を用い、そのペプチド特異性と癌細胞傷害活性を測定した。標的細胞としては、C1R−A2402細胞にペプチド添加の有無、またはTE11(HLA−A24,PP−RPの発現 ++)、TE13(HLA−A24,PP−RPの発現 ++)、TE9(HLA−A33,PP−RPの発現 ++)、SK−Hep1(HLA−A24,PP−RPの発現 −)、さらにPP−RPのsiRNA(small interfering RNA)の発現ベクターpSilencerTMsiRNA発現ベクター(Ambion(登録商標))にてPP−RPの発現を抑制したTE13 shPP−RPとそのコントロールとしてTE13 shGFPというセルラインを作成し、それらに対してエフェクターとして上記の方法で誘導されたCTLラインを加え、活性を測定した。ペプチドとしては、上記10個のペプチドの混合物を用いた。
(試験結果)
結果を図8に示す。
[実施例8]:
抗原ペプチドとしてペプチド2を用いる以外は実施例7と同様に行った。試験結果を図9及び図10に示す。
[実施例9]:
抗原ペプチドとしてペプチド3を用いる以外は実施例7と同様に行った。試験結果を図11〜図13A、B、Cに示す。
[実施例10]:
抗原ペプチドとしてペプチド9を用いる以外は実施例7と同様に行った。試験結果を図14A、B、Cに示す。
[実施例11]:
抗原ペプチドとしてペプチド10を用いる以外は実施例7と同様に行った。試験結果を図15A、B、Cに示す。
[実施例12]:増殖速度
PP−RPを高発現している食道癌細胞株TE13からRNAi 5’−GAACAGCACUCCUGGAAUC−3’(配列番号17)を用い、PP−RPをknockdownした。実際に、TE13細胞と比べ、PP−RPをknockdownした細胞TE13−shPP−RP細胞では、PP−RP蛋白質の発現量が減少していることをWestern blotにて確認した。その細胞を1x10個/plateで1%serum中にて培養したところ、TE13と比べTE13−shPP−RP細胞では、細胞増殖速度が有意(p<0.01)に遅くなった(図16)。この結果は、PP−RPが食道癌の悪性度に関係している可能性を示唆するだけでなく、ここで用いたRNAi 5’−GAACAGCACUCCUGGAAUC−3’(配列番号17)がPP−RPを高発現している食道癌などの治療に使える可能性も示唆している。
[実施例13]:PP−RPの発現量と予後
食道癌の手術後、癌が全く残らなかった場合をR0、肉眼的に癌が残っている場合をR2、R0、R2以外の状態をR1とした場合に、R1の15症例について術後の生存期間を調べた。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0004557886
表1の結果から分かるように、PP−RPの発現量が非常に高かった(非癌部と比べ癌部において、>1000倍)5症例では、それ以外の10症例(非癌部と比べ癌部においてPP−RPの発現が<142.1倍)と比べて、有意(p<0.05)に生存期間が短かった。
[実施例14]:予後予測因子としてのPP−RP
食道癌の手術後、癌が全く残らなかった場合をR0、肉眼的に癌が残っている場合をR2、R0、R2以外の状態をR1とした場合に、R1の15症例中PP−RPの発現量が非常に高かった(>1000倍)5症例では25ヶ月以内に全員死亡してしまったのに対し、それ以外の10症例(PP−RPの発現が<142.1倍)中7症例では、30ヶ月以上の生存が確認された。それぞれの群においてKaplan−Meier法で生存曲線を作製したところ、図17のようになった。また、Breslow−Gehan−Wilcoxon検定により、この2群間に有意差(p<0.05)を認めた。以上の結果より、PP−RPの発現量が食道癌の予後予測因子として使用できる可能性が示唆された。
本発明の抗原蛋白、および抗原ペプチド、あるいは本発明の蛋白またはペプチドをコードするDNAは自己傷害性等の副作用が少なく優れた抗癌ワクチンとして使用することができる。また、抗体は診断薬として使用することができる。また本発明の抗原により刺激、活性化されたキラーT細胞は抗癌剤として使用できる。また、本発明の抗原蛋白は食道癌の悪性度に関係している可能性があり、その発現を抑制するRNAi(例えば、5’−GAACAGCACUCCUGGAAUC−3’など(配列番号17))は、本発明の抗原蛋白を高発現している食道癌などの治療に使うことができる。

Claims (6)

  1. 下記(2)、(3)、(7)、(9)及び(10)の何れかに記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
    Gly−Try−Ser−Val−Pro−Pro−Pro−Gly−Phe (2)
    Ala−Try−Try−Gly−Arg−Ser−Val−Asp−Phe (3)
    Gly−Try−Leu−Val−Ser−Pro−Pro−Gln−Gln−Ile (7)
    Val−Phe−Val−Pro−Val−Pro−Pro−Pro−Pro−Leu (9)
    Glu−Phe−Thr−Asn−Asp−Phe−Ala−Lys−Glu−Leu (10)
  2. 請求項1に記載のペプチドに対する抗体。
  3. 請求項1に記載のペプチドを用いてインビトロ刺激により誘導された細胞傷害性T細胞。
  4. 請求項1に記載のペプチドを含む食道癌ワクチン。
  5. アジュバントをさらに含む請求項4に記載の食道癌ワクチン。
  6. 請求項2に記載の抗体を含む、食道癌診断薬。
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