JP4556303B2 - 土木用不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高伸度、高強度で、地盤、あるいは岩盤の凹凸部へのなじみがよく、排水性良好な土木用不織布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱可塑性ポリマーを溶融紡糸し、連続フィラメントをエアーサッカーなどで高速牽引した後、フィラメントを開繊し、移動するネット上に捕集連続フィラメントからなるウエブを形成した後、引続いて加熱ロールで熱接着あるいはニードルパンチM/Cで機械的に絡合させて不織布を得るという、いわゆるスパンボンド法は、盛土補強シート、防砂シート、トンネル用排水シートなど土木用不織布、電線押え巻きテープ、フィルター用途などの工業資材用不織布、収納袋、包装基材などの生活資材用不織布、更には医療衛生材料用不織布などとして使用されており、その需要はますます旺盛である。
【0003】
しかしながら、これらの用途における要求特性もさまざまで、例えば、土木資材用途、特に盛土補強シートにおいては、盛土と盛土の間に敷きつめ、土砂の陥没を防止することが必要であり、強い強力を有している上に、高い排水機能を有していることの他に、盛土の凹凸へのなじみがよく、シートの破れを抑制するために、適度の伸度を有していることが必要である。一方、トンネル排水シートについても、かかる盛土補強シートと同様に、高い排水性と同時に、岩盤の凹凸とのなじみをよくするために、適度の伸度を有することが重要であり、そのため透水性がよく、適度な厚みと柔軟性があり、伸度が出しやすいニードルパンチシートを用いることが多く、特にスパンボンド法により製造したニードルパンチシートは、短繊維を用いカードM/Cあるいはランダムウエツバーなどによりウエブを形成し、得られたウエブにニードルパンチ処理を施し不織布とした、いわゆる短繊維法に比べ高強力であるなど有利な点が多い。
【0004】
しかしながら、スパンボンドである場合、連続した長繊維を使用しているために、ニードルパンチにより絡合させたシートの伸度は、短繊維法により製造したものに比べて低いものとなりやすく、また、ニードルパンチ工程で界面活性剤などを付与した後ニードルパンチする方法もあるが、フィラメント同士の絡合が悪くなるため、シートがしっかりせず、このようなシートでは、土砂などの荷重でへたりやすく、排水機能が低下するだけでなく、トンネル用の排水シートにおいては、スパンボンド不織布である排水層と樹脂とが剥離したり、さらにゴムシートである遮水層が、部分的あるいは全面的に貼合せた場合においては、特に貼合せが部分的であった場合に、該排水シートが遮水シートから剥離し、満足すべき機能を発揮できなくなるなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、土木用(特にトンネル用シート)として良好な機能をもつとともに、盛土あるいは岩盤の凹凸へのなじみがよい上に、排水性に優れた土木用不織布およびその製造方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の土木用不織布は、連続フィラメントからなるウエブをニードルパンチしてなる不織布であって、連続フィラメントからなるウエブをニードルパンチしてなる不織布であって、連続フィラメントがポリエチレンテレフタレート繊維からなり、該不織布のタテ方向の5%モジュラスが39N/5cm以上であって、該不織布の引張り伸度Y(%)と該不織布を構成するフィラメントの引張り伸度X(%)との関係が、下式(1)を満足し、かつ、該フィラメントの引張り強度が2.90CN/dtex以上であるとともに、該不織布の目付W(g/m 2 )と引張り強度T(N/5cm巾)との関係が、下式(2)を満足することを特徴とするものである。
【0007】
Y≧1.1X−4.5…(1)
但し70≦X≦95
T≧2.80W−200…(2)
但し 200≦W≦1000
また、かかる土木用不織布の製造方法は、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、4000m/分〜6000m/分で高速牽引したフィラメントを、ネット上に捕集してシートを形成した後、該シートを、該熱可塑性樹脂の融点より70℃以上低い温度のカレンダーロールで、0.2〜0.35g/cm3 の密度まで圧縮した後、針密度が45〜200本/cm2 で、針深度が5〜20mmである条件下で、ニードルパンチ処理することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記課題、つまり盛土あるいは岩盤の凹凸へのなじみがよい上に、排水性に優れた土木用不織布について、鋭意検討した結果、不織布を構成するフィラメントの伸度と不織布の伸度とが、特定な関係にある場合のみにおいて、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0009】
すなわち、連続フィラメントからなるウエブをニードルパンチされて作られた不織布において、かかる不織布の引張り伸度Y(%)と該不織布を構成するフィラメントの引張り伸度X(%)との関係が、下式(1)を満足するものであることが重要である。
【0010】
Y≧1.1X−4.5…(1)
但し 70%≦X≦95%
かかる不織布のニードルパンチ後の伸度は、70%以上100%以下、好ましくは75%以上90%以下であることが重要である。伸度が70%未満であった場合、盛土あるいはトンネル岩盤との凹凸とのなじみが不十分であり、また100%より大きい場合は、伸びやすいため、部分的シートにたるみを生じたり、しわを生じたりして、排水、補強を兼ね備えたシートが得られないなどの問題があるので好ましくない。
【0011】
かかる特定な伸度を有するニードルパンチ不織布を得るためには、該不織布を構成するフィラメントの伸度が密接に関係しており、すなわち、かかるフィラメントのニードルパンチ前の伸度としては、70%〜95%の範囲のものが好ましく、より好ましくは75%〜90%である。該フィラメントの伸度が70%未満の場合、ニードルパンチ後の不織布の伸度は70%以上という条件を達成することができず、不織布特性としての初期の目的を達成することができない。また、該フィラメントの伸度が95%を越える場合は、ニードルパンチ後の不織布の伸度が高すぎて、強力的にも満足できるものが得られないばかりか、該フィラメントの結晶配向性が低下して、熱収縮率がアップするため、例えばトンネル用排水シートなどに用いる場合、排水シートであるニードルパンチ不織布を遮水層である樹脂あるいはゴム層との貼合せに際して、熱を加えた場合、加工時の巾縮みあるいは加工じわが発生しやすいなどの問題が発生しやすくなるので好ましくない。
【0012】
なお、かかるフィラメントにおいて、実用性の上から、引張り強度が2.90CN/dtex以上、より好ましくは3.00CN/dtex以上であるフィラメントを使用することが重要である。
【0013】
引っ張り強度が2.90CN/dtex未満であった場合、ニードルパンチ後の不織布の目付W(g/m2)引っ張り強度T(N/5cm巾)との関係がT≧2.80W−200を満足することができず、盛土あるいはトンネル岩盤の凹凸による破れを生じ易く十分な補強・排水効果をもたせることができない。
【0014】
なお、トンネル用途の遮水層に用いる樹脂あるいはゴムとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、メラミン、エポキシなどの樹脂や、シリコンゴム、塩化ゴムなどのゴムが、耐久性、柔軟性などの性質を勘案して、それぞれの用途に応じて適宜選択して使用される。
【0015】
本発明の不織布のタテ方向とヨコ方向の伸度差は15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下である。15%より大きいと伸びに異方性を生じ、伸度の低い側に支配されるため岩盤の凹凸に対しなじみが悪くなり、施工後外圧を受けると、浮き上がった部分に破れを生ずる危険がある。
【0016】
本発明において、不織布の目付W(g/m2 )と引張り強度T(N/5cm巾)との関係は、下式(2)を満足することが好ましい。
【0017】
T≧2.80W−200…(2)
但し 200≦W≦1000
かかる不織布の目付は、200g/m2〜1000g/m2 の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは300〜800g/m2 、特に好ましくは300〜700g/m2 である。かかる不織布の目付が200g/m2 未満と、厚みが薄くなった場合、排水機能を満足することができないので好ましくないし、また、かかる目付が1000g/m2 より大きいと、岩盤への施工時の施工性が悪く、実用上満足することができない。
【0018】
また、本発明の不織布のタテ方向の5%モジュラスは、39N/5cm以上であることが好ましく、より好ましくは44N/5cm以上、さらに好ましくは49N/5cm以上である。39N/5cm未満であると、盛土あるいはトンネル岩盤の凹凸に対するなじみは良いが、施工時あるいは施工後のシートにたるみを生ずるなど施工性、施工後の性能が悪くなるので好ましくない。
【0019】
本発明の不織布を構成するフィラメントの繊度は、3.3〜13.2dtexであることが好ましく、より好ましくは4.4dtex〜11dtex、特に好ましくは5.5〜8.8dtexである。フィラメントの繊度が3.3dtex未満である場合、ニードルパンチした際に繊維の切断が発生しやすくなるだけでなく、フィラメント自体の剛性が不足しているため、嵩高性に乏しく、目詰りもしやすく、十分な排水機能を発揮しないなど、土木用不織布として十分な機能を発揮しない傾向が出てくるので好ましくない。また、フィラメントの繊度が13.2dtexより大きい場合、単糸当たりの吐出量が多いため、吐出糸条の冷却が不十分であり、安定して操業できない状態になるため好ましくない。
【0020】
また本発明の不織布の見かけ密度は、0.13g/cm3 以下であることが好ましく、より好ましくは0.1g/cm3 以下である。0.13g/cm3 より大きいと、シートの剛性が高くなり、 施工性が悪化するのみならず、シートにしたときに、目詰まりがしやすく、凹凸へのなじみも悪くなるので好ましくない。
【0021】
本発明を構成する繊維は、ポリエチレンテレフタレートよりなるポリエステルを対象とするものである。かかる繊維のフィラメント中には、カーボンブラック、酸化チタン、その他耐候剤を添加してもよい
【0022】
また排水機能をアップするため、該フィラメントの断面形状が楕円、三角、扁平などの異形断面であるものも好ましく使用される。
【0023】
本発明の不織布を構成するフィラメントは、上述したように同一繊度の構成をしてもよいが、例えば岩盤層側の排水機能をアップするため、8.8〜13.2dtexの高繊度層とし、遮水層貼合せ側を3.3〜11dtexの低繊度層とするような、繊度を異にする少なくとも2層以上の積層構造としたり、あるいは、好ましくは3.3〜13.2dtex、より好ましくは4.4〜11dtexのフィラメントで、太細の混繊構造としたものであってもよい。
【0024】
本発明の不織布を製造するためには、口金から吐出されたフィラメントを冷却しながらエジェクターにより、4000m/分〜6000m/分で高速牽引するに際して、牽引するエジェクターのエアー圧力を調整するか、もしくは、ポリマーを吐出する口金面からエジェクターまでの距離、即ち紡糸長を適当に変更し、フィラメントの引張り伸度を、本発明の70%〜95%とすることで可能である。エジェクターにより牽引開繊フィラメントをネット上に捕集、フィラメントを構成する熱可塑性樹脂の融点より70℃以上低い温度のカレンダーロールで、0.2〜0.35g/cm3の密度まで圧縮して、目標とする目付のシートを得た後、ニードルパンチ装置によりフィラメントを機械的絡合させることで、要求される品質を有する製品を得ることができる。カレンダーロールの圧力、速度等、その他の条件は適宜目標密度まで圧縮できる条件を選択すればよい。
【0025】
ニードルパンチの針密度は針の形状、種類によって異なるが、針深度が5〜20mmで、45本/cm2 〜200本/cm2 の片面あるいは表裏両面パンチが好ましく、50本/cm2 〜120本/cm2 であればより好ましい。針密度が45本/cm2 未満となるとフィラメントの絡合が不十分であり、遮水層である樹脂との接合性が悪く、実用に供することができず、針密度が200本/cm2より多くなると、シートは緻密なものとなるが、フィラメントの切断が増加し、シート強力が低下する問題があるので好ましくない。針深度はニードルパンチ加工時のベッドプレート表面からさらに突き刺した針の先端までの距離である。
【0026】
遮水層に用いる不織布の目付は、前述したとおり200〜1000g/m 2 であるが、不織布の目付が400g/m 2 以上の場合、必要に応じて0.05〜1重量%の界面活性剤を、少なくとも片面に付与し、ニードルパンチすることが、ニードルパンチ時の針負荷低減の点で好ましい。かかる界面活性剤の付与率が0.05重量%未満であった場合、付与効果は少なく、反対に1重量%を越えると、針負荷は低下するが、付与率が高すぎるため、繊維の絡合効果が不十分であり、本発明の不織布特性を満足することはできない。かかる界面活性剤の種類は、特に限定されるものではなく、ジメチルシリコン、ポリエーテルポリエステル、アルキルスルホン酸ナトリウムなど、繊維間の摩擦を下げる効果があれば使用することができ、必要に応じて消泡剤、防腐剤等を添加してもよい。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、実施例の中に示す特性値の測定方法は次のとおりである。
【0028】
(1)単糸繊度(dtex):
不織布を構成する繊維の単糸繊度は、次の方法により算出した。
【0029】
ニードルパンチ不織布よりフィラメントのサンプルを採取し、単糸の拡大写真を撮影(500倍)し、ランダムに、n=50の繊維径を測定、繊維密度で補正し、単糸繊度を算出した。
【0030】
(2)単糸の切断強度(CN/dtex):
引張り試験機を用い、次の条件にて評価した。
【0031】
ロードセル:10N
フルスケール:0.4N
引張速度 :2cm/分
チャート速度:20cm/分
つかみ間隔:2cm
単糸の切断伸度(%)=切断時の伸び(cm)/{試料長(cm)×チャート速度(cm/分)/引張速度(cm/分)}×100
(3)不織布目付(g/cm2 ):
シートの巾方向、長さ方向それぞれ100cmのサンプル2個を採取天秤で重量を測定し、2個の平均値を算出した。
【0032】
(4)不織布引張り強力(N/5cm):
ニードルパンチ製品シートの長さ方向及び巾方向それぞれ巾5cm、長さ30cmのサンプル5個を採取、テンシロン引張り試験機を用い、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/分で測定、それぞれの最高強力値を読み取り平均値を算出した。
【0033】
(5)不織布引張り伸度(%):
上記引張り強力測定に準じ、最高強力時の伸度を読み取り平均値を算出した。
【0034】
(6)不織布5%伸長時モジュラス(N/5cm):
引張り強力、引張り伸度測定時の強伸度曲線から5%伸長時の強力値を読み取り、その値の平均値を算出した。
【0035】
(7)不織布厚み(mm):
ニードルパンチ製品シートの巾方向に、10cm×10cmのサンプルを均等分に10個採取し、JIS−L1906に準じ、押付圧力2kpaで厚さ0.01mm単位で測定、その平均値を算出した。
実施例1〜3
固有粘度が0.66,融点が262℃であるポリエチレンテレフタレートを180℃で6時間乾燥した後、温度が285℃である押出機で溶融した後、計量ポンプで計量、紡糸M/C巾方向に配置された紡糸口金を通して溶融紡糸し、チムニーにて冷却、紡糸口金下方に設置したエジェクターで牽引・細化した。引き続き衝突板に衝突帯電させフィラメントを開繊した後、メッシュ式の移動コンベアー上にフィラメントを捕集し、185℃のカレンダーロールを通して圧縮した後、密度0.28g/cm3の仮圧着シートを得た。
【0036】
このとき用いた条件は、口金孔数120孔、口金当たりの吐出量370g/分、口金とエジェクター間の紡糸長は180cmであり、エジェクター圧力を0.5Mpa、0.4Mpa、0.35Mpaに変更し、得られた仮圧着シートをニードルパンチM/Cで、針深度10mmで針本数が表裏それぞれ60本/cm2となるようニードルパンチして不織布を得た。
【0037】
表1に示した通り、得られた不織布の単繊維強伸度及び不織布特性を調査したところ、いずれも本発明範囲内にあり、シート特性も高伸度、高強力を有する土木資材として有用な不織布であり、トンネル用としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂との貼合せ性もよく、岩盤の凹凸に対するなじみなど、施工性にも優れた良好な不織布であった。
【0038】
【表1】
Figure 0004556303
【0039】
実施例4
実施例1〜3と同様の方法により、エジェクタ圧力を0.45Mpaとし、目付300g/m2 の仮圧着シートを2枚採取した。このシート2枚を積層した後、スプレー噴霧装置で0.3%の油剤を付与し、針深度13mmで表裏それぞれ60本/cm2 でニードルパンチを実施した。
【0040】
表2から明らかなように、得られた不織布は、本発明範囲内にあり、表面の品位もよく土木資材、トンネル資材として良好なものであった。
比較例1、2
実施例1〜3と同様の方法により、口金面からエジェクターまでの紡糸長を140cmとし、エジェクター圧力を0.5Mpaおよび0.4Mpaで、目付300g/m2 を目標に仮圧着シートを採取、実施例1〜3と同様の方法により片面が60本/cm2 となるように、ニードルパンチを実施した。
【0041】
表2から明らかなように、得られた不織布のフィラメントの伸度は58〜62%と低く、該不織布の長さ方向の伸度は60%レベルであり、岩盤へのなじみも悪く土木用不織布として不十分なものであった。
【0042】
【表2】
Figure 0004556303
【0043】
実施例5
実施例1〜3と同様の方法にて、口金孔数を60孔、吐出量を口金当たり370g/分 、紡糸長180cmで紡糸、フィラメントの繊度が10.7dtexで、目付が300g/m2 となるようにコンベアー速度を調整し、仮セットシートを得た。
【0044】
得られた仮セットシートを用い、上面、下面それぞれ針深度15mmで針本数が58本/cm2となるようにニードルパンチして不織布を得た。
【0045】
得られた不織布は、目付が315g/m2 、シート厚み3.5mm、不織布の長さ方向の強力は1225N/5cm、巾方向の強力は882N/5cmで、長さ方向の伸度は78%、巾方向の伸度は82%であり、施工性良好な不織布であった。
比較例3
実施例5と同様の方法にて、口金孔数を40孔としフィラメントの繊度を16.5dtexとすべく紡糸したが、フィラメント同士の接触がはげしく安定紡糸不可能であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、地盤、あるいは岩盤の凹凸部へのなじみがよい上に、高伸度で、高強度で、しかも排水性良好な土木用不織布を再現性よく、安定して提供することができる。

Claims (4)

  1. 連続フィラメントからなるウエブをニードルパンチしてなる不織布であって、連続フィラメントがポリエチレンテレフタレート繊維からなり、該不織布のタテ方向の5%モジュラスが39N/5cm以上であって、該不織布の引張り伸度Y(%)と該不織布を構成するフィラメントの引張り伸度X(%)との関係が、下式(1)を満足し、かつ、該フィラメントの引張り強度が2.90CN/dtex以上であるとともに、該不織布の目付W(g/m2 )と引張り強度T(N/5cm巾)との関係が、下式(2)を満足することを特徴とする土木用不織布。
    Y≧1.1X−4.5…(1)
    但し70≦X≦95
    T≧2.80W−200…(2)
    但し 200≦W≦1000
  2. 該不織布のタテ方向とヨコ方向の伸度差が15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の土木用不織布。
  3. 該フィラメントの繊度が3.3dtex〜13.2dtexであり、かつ、該不織布の見掛け密度が0.13g/cm3 以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の土木用不織布。
  4. 請求項1に記載の土木用不織布を製造する方法であって、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、4000m/分〜6000m/分で高速牽引したフィラメントを、ネット上に捕集してシートを形成した後、該シートを、該熱可塑性樹脂の融点より70℃以上低い温度のカレンダーロールで、0.2〜0.35g/cm3 の密度まで圧縮した後、針密度が45〜200本/cm2 で、針度が5〜20mmである条件下で、ニードルパンチ処理することを特徴とする土木用不織布の製造方法。
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