JP4554740B2 - 遠心式血液ポンプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心式血液ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、人工心肺装置における体外血液循環に遠心式血液ポンプを使用する例が増加している。遠心ポンプとしては、外部とポンプ内の血液室との物理的な連通を完全に排除し、細菌等の侵入を防止できることにより、外部モータからの駆動トルクを磁気結合を用いて伝達する方式のものが用いられている。そして、このような遠心式血液ポンプは、血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有している。また、インペラは、内部に磁性体(永久磁石)を備え、インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータおよびこのロータを回転させるモータを備えた回転トルク発生機構により回転する。また、インペラは、ロータと反対側にも磁力により吸引されており、ハウジングに対して非接触状態にて回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなマグネットカップリングを利用する遠心式血液ポンプでは、回転負荷の過度の増加により、マグネットカップリングが脱調を起こす危険性がある。そして、脱調が生じると、インペラの回転は停止する。人工心臓に用いられるような血液ポンプにおいては、マグネットカップリングの脱調、すなわち負荷側であるインペラの回転停止は、生体に障害を引き起こす危険性がある。
マグネットカップリングに脱調が起こらないようにするには、大きな磁力を持つマグネットを使用する方法が考えられる。インペラとロータのマグネットカップリングによる吸引力と、マグネットカップリングの吸引力と相反する力を電磁石などにより与え、インペラを反対方向に吸引する吸引力とのバランスにより、ハウジングに対するインペラの非接触回転が達成されている。このため、マグネットカップリングの磁力を大きくすると、脱調は防止できるが電磁石により大きな電流を供給する必要が生じてくる。生体内埋込用血液ポンプ等ではその消費電力の低減も重要な課題である。
【0004】
本発明の目的は、マグネットカップリングの磁力を大きくすることなく、マグネットカップリングであるインペラとロータ間の脱調を防止することができる遠心式血液ポンプ装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、上記目的を達成するものは、血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、前記インペラを吸引するための電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部と、該遠心式血液ポンプ装置本体部のための制御装置とを備える遠心式血液ポンプ装置であって、該制御装置は、前記インペラと前記ロータ間の脱調を防止するために、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記電流モニタリング機能により検知された電磁石電流振幅が記憶する許容最大電磁石電流振幅以上となったときに、モータ電流値もしくはモータ回転数を一旦低下させた後、モータ電流値もしくはモータ回転数をステップワイズに上げるように制御するモータ制御機能を備えている遠心式血液ポンプ装置である。
【0006】
また、上記目的を達成するものは、血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、前記インペラを吸引するための電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部と、該遠心式血液ポンプ装置本体部のための制御装置とを備える遠心式血液ポンプ装置であって、該制御装置は、前記インペラと前記ロータ間の脱調を防止するために、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記遠心式血液ポンプ装置の作動初期の電磁石電流平均値演算ならびにその記憶機能と、継続して行われる電磁石電流平均値演算機能と、初期電磁石電流平均値と現在の電磁石電流平均値を用いた電磁石電流平均値低下度演算機能と、平均値低下度が、記憶する許容最大電磁石電流平均値低下度を越えた場合、モータ電流値を一旦低下させた後、モーター電流値をステップワイズに上げるように制御するモータ制御機能を備えている遠心式血液ポンプ装置である。
【0007】
そして、前記制御装置は、前記モータ制御機能によるモータ回転低下時を知らせる警報手段を備えていることが好ましい。さらに、前記インペラ位置制御部は、前記インペラの磁性部材を吸引するための固定された複数の電磁石と、該インペラの磁性部材の位置を検出するための位置センサーを備えていることが好ましい。また、前記インペラ位置制御部は、前記電磁石に流れる電流波型より前記インペラの磁性部材の位置を検出するための演算回路を備えていることが好ましい。
【0008】
そして、前記モータ制御機能は、例えば、前記電磁石電流振幅が所定値以上となったときに、モータ駆動電流を所定量低下させた後、再びモータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量増加させるように制御するものである。
さらに、前記モータ制御機能は、例えば、前記電磁石電流振幅が所定値以上となったときに、モータ駆動電流を所定量低下させた後、再びモータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量でステップワイズに増加させ、再び、前記電磁石電流振幅が所定値以上となったときに、モータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量低下させるように制御するものである。
また、前記モータ制御機能は、例えば、前記電磁石電流平均値が所定値以下となったときに、モータ駆動電流を所定量低下させた後、再びモータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量増加させるように制御するものである。
さらに、前記モータ制御機能は、例えば、前記電磁石電流平均値が所定値以上となったときに、モータ駆動電流を所定量低下させた後、再びモータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量でステップワイズに増加させ、再び、前記電磁石電流平均値が所定値以下となったときに、モータ駆動電流を前記所定量より少ない規定量低下させるように制御するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の遠心式血液ポンプ装置を用いて説明する。
図1は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。図2は、本発明の遠心式血液ポンプ装置に使用される遠心式血液ポンプ装置本体部の一例の正面図である。図3は、図2の遠心式血液ポンプ装置本体部をインペラ部分にて切断した断面図である。図4は、図2に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置の縦断面図であり、インペラのみ図3の屈曲した一点破線により切断した状態を模式的に示してある。図5は、図2に示した遠心式血液ポンプ装置本体部の平面図である。図6は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。図7は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。図8は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。図9は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。
【0010】
本発明の遠心式血液ポンプ装置1は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、内部に磁性体25を備え、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式血液ポンプ部2と、遠心式血液ポンプ部2のインペラ21の磁性体25を吸引するための磁石33を備えるロータ31と、ロータ31を回転させるモータ34を備えるインペラ回転トルク発生部3と、インペラ21を吸引するための電磁石41を備えるインペラ位置制御部4を備え、ハウジングに対してインペラ21が非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部5と、制御装置6を備える。
【0011】
制御装置6は、図1および図6に示すように、モータ駆動電流設定値入力部69aもしくはモータ回転数設定値入力部69bを備えるとともに、所定値以上のモータ回転数もしくは所定値以上のモータ駆動電流値の入力を制限する入力制限機能を備えている。また、制御装置6は、モータ駆動電流設定値の入力もしくはモータ回転数設定値の入力のいずれかを選択するための入力モード選択部68を備えている。
この実施例の遠心式血液ポンプ装置1では、制御装置6は、モータ駆動電流設定値入力部69aとモータ回転制御部65とを備え、モータ回転制御部65は、モータ駆動電流上限値記憶機能と、記憶されたモータ駆動電流上限値以上のモータ駆動電流設定値の入力を制限するモータ駆動電流設定値入力制限機能を備えている。あらかじめ、血液もしくは物性がそれに近いものを用いて、遠心ポンプに脱調が発生するモータ駆動電流値を調べ、その値もしくは、安全性を考慮してその値より20〜50%程度低い値をモータ駆動電流上限値とし、これを制御部65の記憶部64に記憶させておく。モータ回転制御部65は、記憶されたモータ駆動電流上限値以上のモータ駆動電流設定値の入力を行おうとすると、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82が鳴動し、入力拒否を操作者に伝達する。操作者は、別の電流値を入力する。このような機能を備えることにより、脱調の発生の危険性のあるモータ駆動電流値以上でのモータの駆動が防止され、脱調の発生は極めて少ないものとなる。
【0012】
また、上述の実施例に限らず、遠心式血液ポンプ装置1の制御装置6は、モータ回転数設定値入力部69bとモータ回転制御部65とを備え、モータ回転制御部65は、モータ回転数上限値記憶機能と、記憶されたモータ回転数上限値以上のモータ回転数設定値の入力を制限するモータ回転数設定値入力制限機能を備えるものでもよい。あらかじめ、血液もしくは物性がそれに近いものを用いて、遠心ポンプに脱調が発生するモータ回転数を調べ、その値もしくは、安全性を考慮してその値より20〜50%程度低い値をモータ回転数上限値とし、これを制御部65の記憶部64に記憶させておく。モータ回転制御部65は、記憶されたモータ回転数上限値以上のモータ回転数設定値の入力を行おうとすると、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82が鳴動し、入力拒否を操作者に伝達する。操作者は、別の電流値を入力する。このような機能を備えることにより、脱調の発生の危険性のあるモータ回転数以上でのモータの駆動が防止され、脱調の発生は極めて少ないものとなる。
【0013】
図2ないし図5に示すように、この実施例の遠心式血液ポンプ装置本体部5は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式血液ポンプ部2と、インペラ21のためのインペラ回転トルク発生部(非制御式磁気軸受構成部)3と、インペラ21のためのインペラ位置制御部(制御式磁気軸受構成部)4とを備える。
インペラ21は、非制御式磁気軸受構成部および制御式磁気軸受構成部の作用により、ハウジング20内の所定位置に保持された状態で回転する。
【0014】
ハウジング20は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を備え、非磁性材料により形成されている。ハウジング20内には、血液流入ポート22および血液流出ポート23と連通する血液室24が形成されている。このハウジング20内には、インペラ21が収納されている。血液流入ポート22は、ハウジング20の上面の中央付近よりほぼ垂直に突出するように設けられている。血液流出ポート23は、ほぼ円筒状に形成されたハウジング20の側面より接線方向に突出するように設けられている。
ハウジング20内に形成された血液室24内には、中央に貫通口を有する円板状のインペラ21が収納されている。インペラ21は、下面を形成するドーナツ板状部材(下部シュラウド)27と、上面を形成する中央が開口したドーナツ板状部材(上部シュラウド)28と、両者間に形成された複数(6つ)のベーン18を有する。そして、下部シュラウドと上部シュラウドの間には、隣り合うベーン18で仕切られた複数(6個)の血液通路26が形成されている。血液通路26は、インペラ21の中央開口と連通し、インペラ21の中央開口を始端とし、湾曲して外周縁まで延びている。言い換えれば、隣り合う血液通路26間にベーン18が形成されている。なお、この実施例では、血液通路26およびベーン18は、等角度間隔にかつほぼ同じ形状に設けられている。
【0015】
そして、インペラ21には、複数(具体的には、6つ)の磁性体25(永久磁石、従動マグネット)が埋設されている。埋設された磁性体25(永久磁石)は、後述するインペラ回転トルク発生部3のロータ31に設けられた永久磁石33によりインペラ21を血液流入ポート22と反対側に吸引し、かつ回転トルクをインペラ回転トルク発生部より伝達可能にするために設けられている。また、このようにある程度の個数の磁性体25を埋設することにより、後述するロータ31との磁気的結合も十分に確保できる。磁性体25(永久磁石)の形状としては、円形であることが好ましい。あるいは、リング状のマグネットを多極(例えば、24極)に分極したもの、言い換えれば、複数の小さな磁石を磁極が交互となるように、かつ、リング状に並べたものでもよい。
また、インペラ21は、上部シュラウドそのものもしくは上部シュラウド内に設けられた磁性部材28を備える。この実施例では、上部シュラウドの全体が、磁性部材28により形成されている。磁性部材28は、後述するインペラ位置制御部の電磁石41によりインペラ21を血液流入ポート22側に吸引するために設けられている。磁性部材28としては、磁性ステンレスまたはニッケルまたは軟鉄部材等が使用される。
【0016】
インペラ位置制御部4およびインペラ回転トルク発生部3により、非接触式磁気軸受が構成され、インペラ21は、相反する方向より引っ張られることにより、ハウジング20内において、ハウジング20の内面と接触しない適宜位置にて安定し、非接触状態にてハウジング20内を回転する。
インペラ回転トルク発生部3は、ハウジング20内に収納されたロータ31とロータ31を回転させるためのモータ34(内部構造を省略する)からなる。ロータ31は、回転板32と回転板32の一方の面(血液ポンプ側の面)に設けられた複数の永久磁石33からなる。ロータ31の中心は、モータ34の回転軸に固定されている。永久磁石33は、インペラ21の永久磁石25の配置形態(数および配置位置)に対応するように、複数かつ等角度ごとに設けられている。
インペラ回転トルク発生部3としては、上述のロータおよびモータを備えるものに限られず、例えば、インペラ21の永久磁石25を吸引し、かつ回転駆動させるための複数のステーターコイルからなるものでもよい。また、インペラ回転トルク発生部3には、モータ34もしくはロータ31の回転数を検知するためのセンサ35が設けられている。センサとしては、光学式、磁気式センサが使用できる。また、モータの回転数は、モータコイル間の逆起電力より検知してもよい。
【0017】
インペラ位置制御部4は、インペラの磁性部材28を吸引するための固定された複数の電磁石41と、インペラの磁性部材28の位置を検出するための位置センサ42を備えている。具体的には、インペラ位置制御部4は、ハウジング20内に収納された複数の電磁石41と、複数の位置センサ42を有する。インペラ位置制御部の複数(3つ)の電磁石41および複数(3つ)の位置センサ42は、それぞれ等角度間隔にて設けられており、電磁石41と位置センサ42も等角度間隔にて設けられている。電磁石41は、鉄心とコイルからなる。電磁石41は、この実施例では、3個設けられている。電磁石41は、3個以上、例えば、4つでもよい。3個以上設け、これらの電磁力を位置センサ42の検知結果を用いて調整することにより、インペラ21の中心軸(z軸)方向の力を釣り合わせ、かつ中心軸(z軸)に直交するx軸およびy軸まわりのモーメントを同じにすることができる。
【0018】
位置センサ42は、電磁石41と磁性部材28との隙間の間隔を検知し、この検知出力は、電磁石41のコイルに与えられる電流もしくは電圧を制御する制御部63にフィードバックされる。また、インペラ21に重力等による半径方向の力が作用しても、インペラ21の永久磁石25とロータ31の永久磁石33との間の磁束の剪断力および電磁石41と磁性部材28との間の磁束の剪断力が作用するため、インペラ21はハウジング20の中心に保持される。また、位置センサ42を用いずに、電磁石に流れる電流波型より該インペラの磁性部材位置を検出するための演算回路を備えるものでもよい。
【0019】
次に、制御装置6について、図1を用いて説明する。
制御装置6は、インペラ位置制御機能、インペラ回転トルク制御機能、インペラ位置制御部を用いてハウジング内におけるインペラ21の浮上位置を変化させるインペラ浮上位置制御機能を備えている。
具体的には、制御装置6は、制御装置本体部61と、モータドライバ62と、インペラ位置制御用コントロール部63とを備えている。
モータドライバ62は、制御部65より出力(指示)されたモータ駆動電流値もしくはモータ回転数に対応する信号を出力しモータ34を回転させるためのドライバである。
【0020】
また、インペラ位置制御用コントロール部63は、制御装置本体部61より出力(指示)されたインペラ浮上位置を維持するために電磁石41に流れる電流または電圧もしくは電流および電圧を制御するためのものである。また、3つの位置センサ42による検知結果は、インペラ位置制御用コントロール部63に入力され、インペラ21の中心軸(z軸)方向の力を釣り合わせ、かつ中心軸(z軸)に直交するx軸およびy軸まわりのモーメントが同じになるように、3つの電磁石41に流れる電流を制御する。なお、位置センサ42による検知結果を制御装置本体部61に入力し、制御装置本体部61より、3つの電磁石41個々に与える電圧値を出力させてもよい。
【0021】
制御装置本体部61は、記憶部(ROM)64と、CPU(図示せず)と、表示部66と、入力部67、警報手段である警報ランプ83およびブザー82を備えている。表示部66には、モータ駆動電流設定値表示部71、モータ回転数設定値表示部72、インペラ回転数表示部76が設けられている。また、入力モード選択部68、モータ回転関連設定値入力部69が設けられており、モータ回転関連設定値入力部69には、モータ駆動電流設定値入力部69a、モータ回転数設定値入力部69bが設けられている。
この実施例の制御部65の記憶部64には、モータ駆動電流上限値とモータ回転数上限値の両者が記憶されている。なお、上限値はROMに記憶させてもよいが、アナログ電圧値として記憶させてもよい。そして、制御部65は、モータ駆動電流設定値入力部69aよりモータ駆動電流設定値が入力される場合に、記憶されたモータ駆動電流上限値以上のモータ駆動電流設定値の入力を行おうとすると、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82を鳴動させ、入力拒否を操作者に伝達する。操作者は、別の電流値を入力する。同様に、制御部65は、記憶されたモータ回転数上限値以上のモータ回転数設定値の入力を行おうとすると、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82を鳴動させ、入力拒否を操作者に伝達する。操作者は、別の回転数を入力する。このような機能を有することにより、脱調の恐れがある条件にて、モータが回転することを防止できる。また、入力部もデジタル的な入力でなく、ボリューム等のアナログ的な場合でもよい。
なお、上述した実施例では、入力を制限する、いわゆる入力制限方式により、脱調の発生を防止するものであるが、これに限られるものではなく、図7に示すように、出力を制限することにより、脱調を防止するものであってもよい。
【0021】
出力制限方式では、例えば、図7に示す遠心式血液ポンプ装置の制御装置73は、モータ駆動電流値入力部69aもしくはモータ回転数設定値入力部69bと、モータ回転制御部65とを備え、モータ回転制御部65は、モータ駆動電流上限値記憶機能と、記憶されたモータ駆動電流上限値以上の電流がモータに供給されることを制限するモータ駆動電流上限値制御機能を備える。このような機能を備えることにより、脱調の発生の危険性のあるモータ駆動電流値以上でのモータの駆動が防止され、脱調の発生は極めて少ないものとなる。
モータ駆動電流上限値制御機能としては、記憶されたモータ駆動電流上限値(上述のように、血液もしくは物性がそれに近いもの)を用いて、遠心ポンプに脱調が発生するモータ駆動電流値を調べ、その値もしくは、安全性を考慮してその値より20〜50%程度低い値)とモータ駆動電流設定値入力部69aより入力されたモータ駆動電流値もしくはモータ回転数設定値入力部69bより入力されたモータ回転数より算出されるモータ駆動電流値との比較機能と、モータ駆動電流値がモータ駆動電流上限値より小さい場合には、モータ駆動電流値によりモータが回転されるように制御し、また、モータ駆動電流値がモータ駆動電流上限値より大きいものであれば、モータ駆動電流上限値により、モータが回転されるようにモータを制御するモータ回転制御機能を備えているものであってもよい。
【0022】
このような出力制限方式の場合の制御部65としては、例えば、制御部65は、モータ駆動電流上限値とモータ回転数上限値の両者が記憶されている記憶部64を備え、モータ駆動電流設定値入力部69aより入力されたモータ駆動電流設定値が記憶されたモータ駆動電流上限値以上の場合には、モータ駆動電流上限値の出力を行うとともに、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82を鳴動させ、設定条件が上限値に変更されたことを操作者に伝達する。この場合操作者は、別の電流値の入力は不要である。同様に、制御部65は、モータ回転数入力部69aより入力されたモータ回転数設定値が記憶されたモータ回転数上限値以上の場合には、モータ回転数上限値に対応した出力を行うとともに、警報ランプ83の点滅もしくはブザー82を鳴動させ、設定条件が上限値に変更されたことを操作者に伝達する。この場合にも操作者は、別の電流値の入力は不要である。
【0023】
また、制御部が備える比較機能としては、図7に示すように、制御部65が備えるCPU(図示せず)により行うもの、また、電気回路的に行うものとが考えられる。電気回路的に行う場合には、図8に示すブロック図のように、制御部(モータ駆動電流最大値制御部)74は、制御器74a、電流リミッタ回路74bおよび比較器74cを備えるものとなる。電流リミッタ回路74bは、モータ駆動電流上限値以上の電流がモータへ出力されることを制限するためのものである。制御器74aより出力されるモータ駆動電流入力値もしくはモータ回転数入力値より算出されるモータ駆動電流値と、電流リミッタ回路74bが出力するモータ駆動電流上限値は、比較器74cにより比較され、値の小さい電流値が比較器74cよりモータドライバに出力される。
【0024】
また、出力制限方式の他の例としては、制御装置が、モータ回転数設定値入力部とモータ回転制御部を備え、さらに、モータ回転制御部は、モータ回転数上限値記憶機能と、記憶されたモータ回転数上限値とモータ回転数設定値入力部より入力されたモータ回転数設定値との比較機能と、モータ回転数設定値がモータ回転数上限値より小さいものであれば、モータ回転数設定値によりモータが回転されるように制御し、また、モータ回転数設定値がモータ回転数上限値より大きいものであれば、モータ回転数上限値によりモータが回転されるようにモータを制御するモータ回転制御機能を備えているものであってもよい。
【0025】
また、制御部によるモータの制御は、上述した入力制限方式、出力制限方式に限定されるものではない。例えば、図9に示すブロック図のように、ロータ回転数検知方式であってもよい。
この実施例の制御装置は、モータ回転数検出部35と電気的に接続されたモータ回転制御部75を備え、さらに、モータ回転制御部75は、モータ回転数上限値記憶機能を備えるとともに、検出されるモータ回転数がモータ回転数上限値以上とならないようにモータを制御するモータ回転制御機能を備えている。
上述したように、インペラ回転トルク発生部3には、モータ34もしくはロータ31の回転数を検知するためのセンサ35が設けられている。そして、センサからの信号は、制御部75に入力され、制御部75は、回転数を演算する。センサとしては、光学式、磁気式センサが使用できる。また、モータの回転数は、モータコイル間の逆起電力より検知してもよい。
そして、モータ回転制御部75は、モータ回転数上限値記憶機能と、記憶されたモータ回転数上限値と実際のモータ回転数との比較機能と、実際のモータ回転数がモータ回転数上限値以下であれば格別制御を行わず、実際のモータ回転数がモータ回転数上限値に近づいた場合には、モータ回転数上限値を越えないようにモータドライバへの出力信号を調整する。このような制御方式であっても、脱調を防止できる。
【0026】
次に、図10に示す実施例の遠心式血液ポンプ装置について説明する。
図10は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。図11は、図10に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置制御システムを説明するためのフローチャートである。
インペラの回転負荷の増加に伴ってマグネットカップリング間(インペラとロータ間)に回転方向のズレが生じ、このズレが過度に大きくなると脱調を起こす。本件発明において用いている遠心式血液ポンプでは、負荷側に機械的に支持された回転中心が存在しないため、負荷側の偏心あるいは振れ回りによって、マグネットカップリング間に径方向のズレも生じうる。この偏心あるいは振れ回りの大きさも脱調を引き起こす要因となりうる。この偏心あるいは振れ回りの大きさはインペラの成形精度、ポンプ室内に形成された血栓などの異物の影響を受けることも考えられる。
【0027】
そこで、本発明者が鋭意検討したところ、マグネットカップリングに径方向のズレ(偏心あるいは振れ回り)あるいは回転方向にズレが生じたときには、カップリングの吸引力に変化が生じること(具体的には、吸引力に波が生じることもしくは吸引力が低下すること)、吸引力の変化はインペラ位置制御部の電磁石電流の変化により現れることを見出した。特に、インペラ位置制御部の電磁石電流変化は、電磁石電流振幅(最高電流値と最低電流値の差)、所定時間の電磁石電流平均値を演算することにより、確認できることを知見した。
この実施例の遠心式血液ポンプ装置100は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、内部に磁性体25を備え、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式血液ポンプ部2と、遠心式血液ポンプ部2のインペラ21の磁性体25を吸引するための磁石33を備えるロータ31と、ロータ31を回転させるモータ34を備えるインペラ回転トルク発生部3と、インペラ21を吸引するための電磁石41を備えるインペラ位置制御部4とを備え、ハウジング20に対してインペラ21が非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部5と、遠心式血液ポンプ装置本体部5のための制御装置106とを備える。制御装置106は、電磁石41の電流モニタリング機能と、電流モニタリング機能により検知された電磁石電流振幅(最高電流値と最低電流値の差)が所定値以上となったときに、モータ回転速度を低下させるように制御するモータ制御機能を備えている。
【0028】
遠心式血液ポンプ装置の基本構成は、図1に示し、上述したものと同じである。相違点は、制御装置のモータ制御機能のみである。
制御装置106が備えるインペラ位置制御用コントロール部63は、制御装置本体部101より出力(指示)されたインペラ浮上位置を維持するために電磁石41に流れる電流または電圧もしくは電流および電圧を制御するためのものである。この制御装置では、電磁石41の電流モニタリング機能を備えており、モニタリングされた電流値に対応する信号は、電磁石電流値出力部より制御部105に出力される。制御部105は、入力される電磁石電流値に対応する信号より、電磁石電流振幅(最高電流値と最低電流値の差)を演算する。この実施例では、電磁石41は3つ設けられているので、個々に算出された電磁石電流振幅の平均値とされる。そして、制御部105の記憶部104には、許容最大電磁石電流振幅(振幅の所定値)が記憶されている。制御部105は、両者の値の比較機能を備え、算出された電磁石電流振幅が上記所定値を越えた場合、モータ回転速度を低下させるように、モータドライバへの出力信号を制御する機能を備えている。許容最大電磁石電流振幅(振幅の所定値)としては、ポンプの大きさなどにより相違するが、1.0〜1.4A程度である。
【0029】
図11のフローチャートを用いて、制御作用を説明する。
モータ34は、モータ駆動電流値入力部69aより入力されたモータ駆動電流設定値で回転している。モータ34の回転中は、常時電磁石電流振幅が演算されており、電磁石電流振幅が、所定の範囲内(上限は、許容最大電磁石電流振幅)であるかどうか所定時間毎に判断し、範囲内であれば、電磁石電流振幅演算に戻り、これを繰り返す。電磁石電流振幅が、所定の範囲外(例えば、許容最大電磁石電流振幅を越えた)となった場合には、制御部は、モータ回転低下モードに移行し、モータ駆動電流を標準値[モータ駆動電流値入力部69aより入力された電流設定値よりある程度低い電流値、好ましくは、電流設定値の70〜80%、あるいは、あらかじめ設定した標準値(0.3〜1.0A程度)]に、または、モータ回転数を1600〜2000rpm程度に低下させる。その後、電磁石電流振幅を演算し、電磁石電流振幅が、所定の範囲内(上限は、許容最大電磁石電流振幅)であるかどうか所定時間毎に判断し、範囲内であれば、制御部はモータ駆動電流を所定値(初回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の5〜10%、あるいは、0.05〜0.1Aずつ)、または、モータ回転数を50〜100rpm増加させる。そして、増加後のモータ駆動電流が、モータ駆動電流設定値(初期設定値)に到達したかどうかを判断し、到達していない場合には、再び、磁石電流振幅演算、電磁石電流振幅所定の範囲内かどうかの判断、範囲内であれば、モータ駆動電流を所定値(初回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の5〜10%、あるいは、0.05〜0.1Aずつ)、または、モータ回転数を50〜100rpm増加を繰り返して行う。つまり、この制御方式では、一旦ある程度電流値もしくはモータ回転数を低下させた後、電流値もしくはモータ回転数をステップワイズに上げるように制御する。そして、この電流値もしくはモータ回転数増加過程において、電磁石電流振幅所定が範囲内でないものとなった場合には、モータ駆動電流を所定値(初回の低下量に比べて少ない値)減少され、再び磁石電流振幅演算、電磁石電流振幅所定の範囲内かどうかの判断、範囲外であれば、モータ駆動電流のさらなる所定値の低下を行う。そして、この電流値低下は、電磁石電流振幅が所定の範囲内となるまで繰り返され、再び、電磁石電流振幅が所定の範囲外となるまで、その電流値が維持される。もし、再び、電磁石電流振幅が所定の範囲外となった場合には、電磁石電流振幅が所定の範囲内となるまで、モータ駆動電流の低下が行われる。
【0030】
このような制御を行うことにより、脱調の発生を回避でき、かつ回避可能レベルでの最大電流値でモータを回転させることができ、ある程度の流量を確保すること、あるいは、ポンプの逆流を防止することができる。さらに、この制御では、モータ駆動電流の所定値増加を繰り返して行った結果、モータ駆動電流設定値に到達した場合には、通常モードに復帰することもできるようになっている。
また、制御部105は、モータ回転低下モードに移行すると、警報ランプ83が点滅もしくはブザー82が鳴動し、モード移行を知らせる。また、通常モードに復帰した場合には、それらの作動が停止するようになっている。
【0031】
次に、図12に示す実施例の遠心式血液ポンプ装置について説明する。
図12は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。図13は、図12に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置制御システムを説明するためのフローチャートである。
この実施例の遠心式血液ポンプ装置110は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、内部に磁性体25を備え、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式血液ポンプ部2と、遠心式血液ポンプ部2のインペラ21の磁性体25を吸引するための磁石33を備えるロータ31と、ロータ31を回転させるモータ34を備えるインペラ回転トルク発生部3と、電磁石41を備えるインペラ位置制御部4とを備え、ハウジング20に対してインペラ21が非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部5と、遠心式血液ポンプ装置本体部5のための制御装置116とを備える。制御装置116は、電磁石41の電流モニタリング機能と、電流モニタリング機能により検知された所定時間の電磁石電流平均値が所定値以下となったときに、モータ回転速度を低下させるように制御するモータ制御機能を備えている。
【0032】
遠心式血液ポンプ装置の基本構成は、図1に示し、上述したものと同じである。相違点は、制御装置116のモータ制御機能のみである。また、上述した図10および図11に示した実施例との相違は、モータ制御への移行を上述の実施例では、電磁石電流振幅により行っていたものを、この実施例では、電磁石電流平均値により行う点のみである。
制御装置116が備えるインペラ位置制御用コントロール部63は、制御装置本体部111より出力(指示)されたインペラ浮上位置を維持するために電磁石41に流れる電流または電圧もしくは電流および電圧を制御するためのものである。この制御装置116では、電磁石41の電流モニタリング機能を備えており、モニタリングされた電流値に対応する信号は、電磁石電流値出力部117より制御部115に出力される。制御部115は、入力される電磁石電流値に対応する信号より、所定時間(例えば、0.2〜5.0秒)での電磁石電流平均値を演算する。この実施例では、電磁石は3つ設けられているので、個々に算出された電磁石電流平均値のさらなる平均値となる。そして、制御部115の記憶部114には、許容最低電磁石電流平均値(平均値の所定値)、あるいは、最低電磁石電流積算値である許容最低電磁石電流関連値が記憶されている。制御部115は、両者の値の比較機能を備え、算出された電磁石電流平均値(もしくは積算値)が上記所定値を越えた場合、モータ回転速度を低下させるように、モータドライバへの出力信号を制御する機能を備えている。許容最低電磁石電流平均値(平均値の所定値)としては、ポンプの大きさなどにより相違するが、0.7〜1.0A程度である。
【0033】
図13のフローチャートを用いて、制御作用を説明する。
モータ34は、モータ駆動電流値入力部69aより入力されたモータ駆動電流設定値で回転している。モータ34の回転中は、常時電磁石電流平均値が演算されており、電磁石電流平均値が、所定の範囲内[上限は、2〜3A、下限は、許容最低電磁石電流平均値(積算値)]であるかどうか所定時間毎に判断し、範囲内であれば、電磁石電流平均値(積算値)演算に戻り、これを繰り返す。電磁石電流平均値(積算値)が、所定の範囲外[例えば、許容最低電磁石電流平均値(積算値)より小さくなった]となった場合には、制御部115は、モータ回転低下モードに移行し、モータ駆動電流を設定値(モータ駆動電流値入力部69aより入力された電流標準値よりある程度低い電流値、好ましくは、電流設定値の70〜80%)に低下させる。その後、電磁石電流平均値(積算値)を演算し、電磁石電流平均値(積算値)が、所定の範囲内[上限は、2〜3A、下限は、許容最低電磁石電流平均値(積算値)]であるかどうか所定時間毎に判断し、範囲内であれば、制御部はモータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の70〜80%もしくは前回の電流低下値の5〜10%増加させる。そして、増加後のモータ駆動電流が、モータ駆動電流設定値(初期設定値)に到達したかどうかを判断し、到達していない場合には、再び、磁石電流平均値演算、電磁石電流平均値所定の範囲内かどうかの判断、範囲内であれば、モータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値)増加を繰り返して行う。つまり、この制御方式では、一旦ある程度電流値を低下させた後、電流値をステップワイズに上げるように制御する。そして、この電流増加過程において、電磁石電流平均値が所定の範囲内でないものとなった場合には、モータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の70〜80%もしくは前回の電流低下値の5〜10%)減少させ、再び磁石電流平均値演算、電磁石電流平均値所定の範囲内かどうかの判断、範囲外であれば、モータ駆動電流のさらなる所定量の低下を行う。そして、この電流値低下は、電磁石電流平均値が所定の範囲内となるまで、繰り返され、再び、電磁石電流平均値が所定の範囲外となるまで、その電流値が維持される。もし、再び、電磁石電流平均値が所定の範囲外となった場合には、電磁石電流平均値が所定の範囲内となるまで、モータ駆動電流の低下が行われる。
【0034】
このような制御を行うことにより、脱調の発生を回避でき、かつ回避可能レベルでの最大電流値でモータを回転させることができ、ある程度の流量を確保することができる。さらに、この制御では、モータ駆動電流の所定値増加を繰り返して行った結果、モータ駆動電流設定値に到達した場合には、通常モードに復帰することもできるようになっている。
また、制御部115は、モータ回転低下モードに移行すると、警報ランプ83が点滅もしくはブザー82が鳴動し、モード移行を知らせる。また、通常モードに復帰した場合には、それらの作動が停止するようになっている。
また、上述した実施例のように、電磁石電流の平均値を直接に用いて制御してもよいが、これに限らず、遠心ポンプの作動初期の電磁石電流平均値に対する電磁石電流平均値低下度を用いて制御してもよい。この場合には、制御部は、遠心ポンプの作動初期の電磁石電流平均値演算ならびにその記憶機能と、継続して行われる電磁石電流平均値演算機能と、初期電磁石電流平均値と現在の電磁石電流平均値を用いた電磁石電流平均値低下度(1−現在の電磁石電流平均値/遠心ポンプの作動初期の電磁石電流平均値)の演算機能を備え、平均値低下度が、所定範囲(言い換えれば、許容最大電磁石電流平均値低下度)を越えた場合、モータ回転速度を低下させるように、モータドライバへの出力信号を制御するものであってもよい。許容最大電磁石電流平均値低下度(現在の電磁石電流平均値/遠心ポンプの浮上、非回転時の電流値)は、60〜80%が好適である。この場合のフローを図14に示す。
【0035】
図14のフローチャートを用いて、この実施例を説明する。
モータ34は、モータ駆動電流値入力部69aより入力されたモータ駆動電流設定値で回転を開始する。モータ回転開始直後もしくは所定時間経過後より、電磁石電流平均値が演算され、初期値が制御部に記憶される。そして、モータ34の回転中は、常時電磁石電流平均値が演算され、この平均値と平均値初期値は、比較され、電磁石電流平均値低下度(1−現在の電磁石電流平均値/遠心ポンプの作動初期の電磁石電流平均値)が演算される。そして、電磁石電流平均値低下度が、所定の範囲内(許容最大電磁石電流平均値低下度以下)であるかどうか所定時間毎に判断し、範囲内であれば、電磁石電流平均値低下度演算に戻り、これを繰り返す。電磁石電流平均値低下度が、所定の範囲外(許容最大電磁石電流平均値低下度以上)となった場合には、制御部115は、モータ回転低下モードに移行し、モータ駆動電流を設定値(モータ駆動電流値入力部69aより入力された電流設定値よりある程度低い電流値、好ましくは、電流設定値の70〜80%)に低下させる。その後、電磁石電流平均値低下度を演算し、電磁石電流平均値低下度が、所定の範囲内であるかどうか(許容最大電磁石電流平均値低下度を越えていないかどうか)所定時間毎に判断し、範囲内であれば、制御部はモータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の70〜80%もしくは前回の電流低下値の5〜10%)増加させる。そして、増加後のモータ駆動電流が、モータ駆動電流設定値(初期設定値)に到達したかどうかを判断し、到達していない場合には、再び、磁石電流平均値低下度演算、電磁石電流平均値低下度所定の範囲内かどうかの判断、範囲内であれば、モータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の70〜80%もしくは前回の電流低下値の5〜10%)増加を繰り返して行う。つまり、この制御方式では、一旦ある程度電流値を低下させた後、電流値をステップワイズに上げるように制御する。そして、この電流増加過程において、電磁石電流低下度が所定の範囲内でないもの(許容最大電磁石電流平均値低下度以上)となった場合には、モータ駆動電流を所定値(前回の低下量に比べて少ない値、好ましくは、電流設定値の70〜80%もしくは前回の電流低下値の5〜10%)減少させ、再び磁石電流平均値低下度演算、電磁石電流平均値低下度の所定の範囲内かどうかの判断、範囲外であれば、モータ駆動電流のさらなる所定量の低下を行う。そして、この電流値低下は、電磁石電流平均値低下度が所定の範囲内となるまで、繰り返され、再び、電磁石電流平均値低下度が所定の範囲外となるまで、その電流値が維持される。もし、再び、電磁石電流平均値低下度が所定の範囲外となった場合には、電磁石電流平均値低下度が所定の範囲内となるまで、モータ駆動電流の低下がさらに行われる。
【0036】
このような制御を行うことにより、脱調の発生を回避でき、かつ回避可能レベルでの最大電流値でモータを回転させることができ、ある程度の流量を確保することができる。さらに、この制御では、モータ駆動電流の所定値増加を繰り返して行った結果、モータ駆動電流設定値に到達した場合には、通常モードに復帰することもできるようになっている。
また、制御部115は、モータ回転低下モードに移行すると、警報ランプ83が点滅もしくはブザー82が鳴動し、モード移行を知らせる。また、通常モードに復帰した場合には、それらの作動が停止するようになっている。
【0037】
【発明の効果】
本発明の遠心式血液ポンプ装置は、血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、前記インペラを吸引するための電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部と、該遠心式血液ポンプ装置本体部のための制御装置とを備える遠心式血液ポンプ装置である。
そして、前記制御装置、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記電流モニタリング機能により検知された所定時間の電磁石電流平均値が所定値以下となったときに、モータ回転速度を低下させるように制御するモータ制御機能を備えているものであれば、インペラとロータ間の脱調を防止することができる。
また、前記制御装置、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記電流モニタリング機能により検知された所定時間の電磁石電流平均値の遠心ポンプの作動初期の電磁石電流平均値に対する電磁石電流平均値低下度が所定範囲を越えたときに、モータ回転速度を低下させるように制御するモータ制御機能を備えているものであれば、インペラとロータ間の脱調を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。
【図2】 図2は、本発明の遠心式血液ポンプ装置に使用される遠心式血液ポンプ装置本体部の一例の正面図である。
【図3】 図3は、図2の遠心式血液ポンプ装置本体部をインペラ部分にて切断した断面図である。
【図4】 図4は、図2に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置の縦断面図である。
【図5】 図5は、図2に示した遠心式血液ポンプ装置本体部の平面図である。
【図6】 図6は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。
【図7】 図7は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。
【図8】 図8は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。
【図9】 図9は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の一実施例のブロック図である。
【図10】 図10は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。
【図11】 図11は、図10に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置制御システムを説明するためのフローチャートである。
【図12】 図12は、本発明の遠心式血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。
【図13】 図13は、図12に示した実施例の遠心式血液ポンプ装置制御システムを説明するためのフローチャートである。
【図14】 図14は、他の実施例の遠心式血液ポンプ装置制御システムを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 遠心式血液ポンプ装置
2 遠心式血液ポンプ部
3 インペラ回転トルク発生部
4 インペラ位置制御部
5 遠心式血液ポンプ装置本体部
6 制御装置
21 インペラ
25 磁性体
31 ロータ
34 モータ
41 電磁石
20 ハウジング
61 制御装置本体部
62 モータドライバ
63 インペラ位置制御用コントロール部
64 記憶部
65 制御部
66 表示部
67 入力部

Claims (5)

  1. 血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、前記インペラを吸引するための電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部と、該遠心式血液ポンプ装置本体部のための制御装置とを備える遠心式血液ポンプ装置であって、該制御装置は、前記インペラと前記ロータ間の脱調を防止するために、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記電流モニタリング機能により検知された電磁石電流振幅が記憶する許容最大電磁石電流振幅以上となったときに、モータ電流値もしくはモータ回転数を一旦低下させた後、モータ電流値もしくはモータ回転数をステップワイズに上げるように制御するモータ制御機能を備えていることを特徴とする遠心式血液ポンプ装置。
  2. 血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、前記インペラを吸引するための電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転する遠心式血液ポンプ装置本体部と、該遠心式血液ポンプ装置本体部のための制御装置とを備える遠心式血液ポンプ装置であって、該制御装置は、前記インペラと前記ロータ間の脱調を防止するために、前記電磁石の電流モニタリング機能と、前記遠心式血液ポンプ装置の作動初期の電磁石電流平均値演算ならびにその記憶機能と、継続して行われる電磁石電流平均値演算機能と、初期電磁石電流平均値と現在の電磁石電流平均値を用いた電磁石電流平均値低下度演算機能と、電磁石電流平均値低下度が、記憶する許容最大電磁石電流平均値低下度を越えた場合、モータ電流値を一旦低下させた後、モーター電流値をステップワイズに上げるように制御するモータ制御機能を備えていることを特徴とする遠心式血液ポンプ装置。
  3. 前記制御装置は、前記モータ制御機能によるモータ回転低下時を知らせる警報手段を備えている請求項1または2に記載の遠心式血液ポンプ装置。
  4. 前記インペラ位置制御部は、前記インペラの磁性部材を吸引するための固定された複数の電磁石と、該インペラの磁性部材の位置を検出するための位置センサーを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の遠心式血液ポンプ装置。
  5. 前記インペラ位置制御部は、前記電磁石に流れる電流波型より前記インペラの磁性部材の位置を検出するための演算回路を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の遠心式血液ポンプ装置。
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