JP4554416B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ Download PDF

Info

Publication number
JP4554416B2
JP4554416B2 JP2005098052A JP2005098052A JP4554416B2 JP 4554416 B2 JP4554416 B2 JP 4554416B2 JP 2005098052 A JP2005098052 A JP 2005098052A JP 2005098052 A JP2005098052 A JP 2005098052A JP 4554416 B2 JP4554416 B2 JP 4554416B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
back plate
brake
brake pad
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005098052A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006275225A (ja
Inventor
幸利 志村
知司 佐藤
健男 雨宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2005098052A priority Critical patent/JP4554416B2/ja
Publication of JP2006275225A publication Critical patent/JP2006275225A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4554416B2 publication Critical patent/JP4554416B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D2055/0004Parts or details of disc brakes
    • F16D2055/0016Brake calipers
    • F16D2055/002Brake calipers assembled from a plurality of parts

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Description

本発明は、車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関する。
従来のディスクブレーキとして、ディスクを挟みディスクパス部を介して対向配置された一対のピストンを有するキャリパ本体を備え、ディスクを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドを、ディスク軸線方向に延ばしてキャリパ本体に橋架された二本のパッドピンに摺動可能に支持させる構造のものがある(例えば特許文献1参照)。このディスクブレーキにおいては、ピストンとブレーキパッドとの間に介装されるシムに開口を形成することでピストンとブレーキパッドとの間に非当接部を形成し、あるいはブレーキパッドの裏板を切り欠くことでピストンとブレーキパッドとの間に非当接部を形成している。このようにピストンとブレーキパッドとの間に非当接部を形成し、意図的にブレーキパッドとディスクとの当接面圧を変化させることで、制動中のブレーキパッドの姿勢をより安定化させてブレーキ鳴きを防止することが可能となる。
特公昭39−22441号公報
上記のように、ピストンとブレーキパッドとの間に非当接部を形成するためにシムを設けると部品点数が増大し、組み付け作業が繁雑になってしまうという問題が生じる。また、ブレーキパッドの裏板を切り欠く場合、部品点数の増大は防げるものの、切欠がブレーキパッドの側面側の肉厚を薄くすることになり、この側面においてキャリパ本体に当接して制動トルクを伝達する際にブレーキパッドの挙動が不安定となり、ブレーキ鳴きを十分に防止できなくなってしまう。また、上記特許文献1に示されているような切り欠きを設けたブレーキパッドを製作する際、切り欠き側を下にして置いた場合、裏板が傾くなど姿勢が不安定になる。そのため、ライニング材成形加圧時の加圧力が一定となるような特別な治具等が必要になり、製作性がよくないといった問題が生じる。
したがって、本発明は、部品点数の増大を抑制し、ブレーキパッドの製作性を確保しつつ、かつブレーキ鳴きを十分に防止することができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ディスクを挟みディスクパス部を介して対向配置された一対の押圧手段を有するキャリパ本体を備え、ディスクを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドを有し該ブレーキパッドが、摩擦材と裏板とからなって前記キャリパ本体にディスク軸線方向に延びて橋架された少なくとも一つのパッドピン摺動可能に挿通させて支持さ、前記ブレーキパッドの裏板の側面を前記キャリパ本体に当接させて制動トルクを伝達するディスクブレーキにおいて、前記裏板には、該裏板における前記押圧手段との対向面に前記押圧手段に対し位置が重なりかつ当接しない円弧状の非当接部形成され、該非当接面は前記押圧手段の中心位置を中心とした円弧状をなし全体として前記裏板の内側に形成された内側円弧部(55,87)と、該内側円弧部より大径の円弧状をなす外側円弧部(53,85)とを有する凹溝からなり、かつ前記裏板の前記非当接部が形成された側における前記側面(22a,71b)側の少なくともディスク径方向両端側が、前記押圧手段と当接する当接部(62,94)の肉厚と同様の肉厚を有していることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記非当接部は、前記裏板に該非当接部以外の部分の肉厚をセラミック溶射によって厚くすることで形成されてなることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、ブレーキパッドの裏板における前記押圧手段との対向面に前記押圧手段に対し位置が重なりかつ当接しない円弧状の非当接部形成され、該非当接面は前記押圧手段の中心位置を中心とした円弧状をなし全体として前記裏板の内側に形成された内側円弧部(55,87)と該内側円弧部より大径の円弧状をなす外側円弧部(56,88)とを有する凹溝(53,85)からなっているため、シムを設けることなく、ブレーキパッドとディスクとの当接面圧を変化させて、制動中のブレーキパッドの姿勢をより安定化させてブレーキ鳴きを防止することができる。しかも、裏板の非当接部が形成された側における側面(22a,71b)側の少なくともディスク径方向両端側が、押圧手段との当接部(62,94)の肉厚と同様の肉厚を有しているため、非当接部が形成されることで肉厚が薄くなっても、薄くなった側における側面側の少なくともディスク径方向両端側の肉厚を確保できる。よって、この側面においてキャリパ本体に当接して制動トルクを伝達する際にブレーキパッドの挙動が安定することになって、ブレーキ鳴きを十分に防止することができる。また、ブレーキパッドの製作時においても、切り欠き面を下にして裏板を置いた場合でも、裏板の姿勢は安定するため、特別な治具を用いることなく、ライニング材全体に加圧力を一定にかけることができ、製作性が確保される。したがって、部品点数の増大を抑制し、ブレーキパッドの製作性を確保しつつ、かつブレーキ鳴きを十分に防止することができる。また、シムを廃止できるため、熱によるシムの反りの問題がなくなり、引き摺りトルクを低減でき、ブレーキ操作のフィーリングを向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、非当接部が、裏板に該非当接部以外の部分の肉厚をセラミック溶射によって厚くすることで形成されるため、ブレーキパッドの裏板にプレス加工や切削加工による切り欠きを設けることなく、容易に押圧手段との間に非当接部を形成することができ、ブレーキ鳴きに対して請求項1と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態のディスクブレーキを図面を参照して以下に説明する。
第1実施形態のディスクブレーキは、キャリパCが車体側に固定されるタイプの対向ピストン型ディスクブレーキであり、その構造は、図1〜図3に示すようになっている。これらの図において、1はキャリパ本体で、このキャリパ本体1は、ディスクDの制動面に対しその軸線方向における内側(車両内側)に配置されるインナ側キャリパ半割体2Aと、ディスクDに対しその軸線方向における外側(車両外側)に配置されるアウタ側キャリパ半割体2Bとを突き合わせて一体に連結して構成されている。なお、ディスクDの車両前進時における回転方向を矢印Fで示しており、この車両前進時におけるディスクDの回転方向入口側をディスク回入側とし、車両前進時におけるディスクDの回転方向出口側をディスク回出側とする。
インナ側キャリパ半割体2Aは、ディスク円周方向(図1〜図3の左右方向)に沿う方向における両側部と中央部との三カ所にディスクDの方向に向けて突出する突出部3A,4A,5Aを有しており、アウタ側キャリパ半割体2Bも、ディスク円周方向に沿う方向における両側部と中央部との三カ所にディスクDの方向に向けて突出する突出部3B,4B,5Bを有している。そして、これらキャリパ半割体2A,2Bは、突出部3A,3B同士、突出部4A,4B同士および突出部5A,5B同士をそれぞれ突き合わせた状態で3本のタイボルト6により互いに連結されている。
キャリパ本体1は、そのアウタ側キャリパ半割体2Bに設けられた二つの取付孔7を通したボルト(図示略)により車体の非回転部、例えば自動二輪車のフロントフォークに取り付けられるようになっており、この取付状態で、突出部3A,3B,4A,4B,5A,5BがディスクDの半径方向外方を跨ぐ位置に配置される。これにより、突出部3A,3BがディスクDの半径方向外方を跨ぐディスクパス部8を、突出部4A,4BがディスクDの半径方向外方を跨ぐディスクパス部9を、突出部5A,5BがディスクDの半径方向外方を跨ぐディスクパス部10を、それぞれ形成することになり、これら三つのディスクパス部8,9,10がディスク円周方向に間隔をあけて配置される。そして、ディスクパス部8,10の間およびディスクパス部9,10の間は、それぞれディスク半径方向に貫通する開口部11とされ、各開口部11内にカバースプリング12がそれぞれ配置されている。
なお、図3に示すように、ディスクパス部8,10の間にあるディスク回入側の開口部11において、それぞれがディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って延在し互いに対向する部分がトルク受部11aおよびトルク受部11bとされている。これらのディスク回出側のトルク受部11aおよびディスク回入側のトルク受部11bが、ディスク半径方向の外側において、ディスク回入側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつこのブレーキパッド22からの制動時のトルクを受ける。
同様に、ディスクパス部9,10の間にあるディスク回出側の開口部11において、それぞれがディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って延在ししかも互いに対向する部分がトルク受部11aおよびトルク受部11bとされている。これらのディスク回出側のトルク受部11aおよびディスク回入側のトルク受部11bが、ディスク半径方向の外側において、ディスク回出側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつこのブレーキパッド22からの制動時のトルクを受ける。
また、インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bのそれぞれには、ディスクDの回転方向に配列して二つのボア13が形成されており、各ボア13には、押圧手段としての有底円筒状のピストン15が摺動可能に納められている。なお、図3においては、断面とした関係上、これらボア13およびピストン15については、アウタ側のみが図示されているが、インナ側およびアウタ側のディスク回入側のボア13同士およびピストン15同士はそれぞれが相互に対向するように同軸上に配置されており、インナ側およびアウタ側のディスク回出側のボア13同士およびピストン15同士もそれぞれが相互に対向するように同軸上に配置されている。したがって、キャリパCは、ここでは、ディスクDを挟んで二対のピストン15を備えた4ピストン対向タイプとなっている。
以上によりキャリパ本体1は、ディスクDを挟みディスクパス部8,9,10を介して対向配置された二対のピストン15を有している。
各ボア13には、給液口19から導入されたブレーキ液が供給されるようになっており、このブレーキ液の供給に応じて二対のピストン15が同期して突出するようになる。なお、18はエア抜き用のブリーダである。
インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bのそれぞれには、上記した2つの開口部11にそれぞれ臨んでピンボス20,21がディスク半径方向外側に突設されている。同じ開口部11に配設されるインナ側キャリパ半割体2A側のピンボス20とアウタ側キャリパ半割体2B側のピンボス21とは、ディスク軸線方向において相対向して配置されており、相対向する2つのピンボス20,21同士には、図3に示すディスク軸線方向に沿って延びるパッドピン24が橋架されている。その結果、各開口部11にそれぞれ一本ずつパッドピン24が設けられる。
各パッドピン24は、それぞれ、ディスクDを挟んでディスク軸線方向における両側に配置される一対のブレーキパッド22を摺動可能に挿通させて吊下支持することになり、キャリパCには、ピストン15と同様、ブレーキパッド22が二対設けられる。なお、図3においては、断面とした関係上、アウタ側のブレーキパッド22のみが図示されている。
各ブレーキパッド22は、図4および図5にも示すように、それぞれ、略矩形の金属製の裏板25とこの裏板25に接合された摩擦材26とからなっており、その裏板25のディスク円周方向の中央部からディスク半径方向外側に突出するように一体に形成された被吊り部27にディスク軸線方向に挿通孔28が形成されている。各ブレーキパッド22は、摩擦材26をディスクD側に向けた状態で、それぞれの挿通孔28にパッドピン24が挿通されることで、パッドピン24に吊下支持される。
各挿通孔28は、ディスクDの円周方向に若干延びる長穴となっており、その結果、ディスク回出側のブレーキパッド22は、ディスク円周方向に若干移動して、ディスク回出側の側面22aにおいてディスクパス部9のディスク半径方向における外側のトルク受部11aに対し当接可能となっており、ディスク回入側の側面22bにおいてディスクパス部10のディスク半径方向における外側のトルク受部11bに対し当接可能となっている。同様に、ディスク回入側のブレーキパッド22は、ディスク円周方向に若干移動して、ディスク回出側の側面22aにおいてディスクパス部10のディスク半径方向における外側のトルク受部11aに対し当接可能となっており、ディスク回入側の側面22bにおいてディスクパス部8のディスク半径方向における外側のトルク受部11bに対し当接可能となっている。
各ブレーキパッド22のそれぞれの裏板25には、その被吊り部27側のディスク円周方向における両端部に、カバースプリング12に当接するディスク回入側の肩部29とディスク回出側の肩部30とが形成されており、これら肩部29,30は半径方向外方に突出する形状をなしている。さらに、裏板25には、摩擦材26の位置に図5に示す複数の貫通孔35が形成されている。
各ブレーキパッド22には、摩擦材26の裏板25とは反対側におけるディスク回出側に、スリット51が形成されている。
また、各ブレーキパッド22には、裏板25の摩擦材26とは反対側つまりピストン15との対向面52に、ディスク回出側に偏って凹溝(非当接部)53が例えばプレス成形や切削加工で形成されている。つまり、凹溝53はブレーキパッド22におけるディスク回転方向同側であるディスク回出側に形成されている。
凹溝53は、ブレーキパッド22がパッドピン24に挿通孔28の中心位置において吊り下げられた状態にあるときに裏板25に当接するピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなしており、挿通孔28側は裏板25の端部に抜けず、挿通孔28とは反対側は裏板25の端部に抜ける形状をなしている。
つまり、凹溝53は、ピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなし全体として裏板25の内側に形成された内側円弧部55と、内側円弧部55より大径でピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなすとともに挿通孔28側の端部が裏板25の内側にあり、かつ挿通孔28とは反対側の端部が裏板25の端部に抜ける形状の外側円弧部56と、これら内側円弧部55および外側円弧部56の挿通孔28側を直線状に結ぶ、側面22aと平行な第1直線部57と、内側円弧部55の挿通孔28とは反対側から裏金25の端部に抜ける、側面22aと平行な第2直線部58とを有している。そして、ピストン15の軸線方向から見た場合に、ピストン15の円周方向の一部が凹溝53の内側範囲に配置される形状をなしている。つまり、ブレーキパッド22の対向面52にピストン15に対し軸線方向から見て位置が重なりかつ当接しない円弧状の凹溝53が形成されている。
ここで、各ブレーキパッド22の凹溝53の形成角度αは、ブレーキパッド22のパッドピン24の挿入孔28の中心位置とピストン15の中心位置Oとを結ぶ線分を0°として、ピストン15の投影部分の−90°から90の間に40°分以上がかかる120°から180°の連続した円弧状に形成されている。
なお、挿通孔28が長穴形状であることによってパッドピン24に対しブレーキパッド22が移動しても、ピストン15の円周方向の一部が常に凹溝53の内側範囲に位置するように凹溝53の半径方向の幅が設定されている。
裏板25は、凹溝53が形成されることで薄肉とされた薄板部60を除く他の部分が、凹溝53が形成されていない分、薄板部60よりも厚い一定厚の厚板部61とされている。そして、ピストン15は、ブレーキパッド22の裏板25にこの厚板部61においてのみ当接することになり、ブレーキパッド22の厚板部61におけるピストン15との当接部分を当接部62とすると、ブレーキパッド22の裏板25は、ディスク円周方向の凹溝53が形成された側における側面22a側のディスク径方向両端側(図5における上下両端側)が、当接部62の肉厚と同様の肉厚を有している。なお、裏板25の凹溝53が形成された側における側面22a側を全長にわたって当接部62の肉厚と同様の肉厚としても良い。
インナ側キャリパ半割体2Aおよびアウタ側キャリパ半割体2Bには、各一対のブレーキパッド22をディスク軸線方向にガイドし、かつ各一対のブレーキパッド22に生じるトルクをディスク半径方向における内側で受けるための三つの突起であるガイド突起部31,32,33が、ディスク円周方向に沿う方向における両側部と中央部とにディスクDの方向に向けて突出するように設けられている。なお、図3においては、断面とした関係上、これらガイド突起部31,32,33についてはアウタ側のみが図示されている。
ディスク回出側において隣り合うガイド突起部31,33の、それぞれがディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って延在ししかも互いに対向する部分がトルク受部34a,34bとされている。これらのディスク回出側のトルク受部34aおよびディスク回入側のトルク受部34bが、ディスク半径方向の内側において、ディスク回出側のブレーキパッド22の側面22a,22bをディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつこのブレーキパッド22からの制動時のトルクを受ける。
同様に、ディスク回入側において隣り合うガイド突起部32,33の、それぞれがディスク半径方向に沿いかつディスク軸線方向に沿って延在ししかも互いに対向する部分がトルク受部34a,34bとされている。これらのディスク回出側のトルク受部34aおよびディスク回入側のトルク受部34bが、ディスク半径方向の内側において、ディスク回入側のブレーキパッド22をディスク軸線方向に沿ってガイドし、かつこのブレーキパッド22からの制動時のトルクを受ける。
つまり、各ブレーキパッド22は、前進制動時には、主としてディスク回出側の側面22aがディスク回出側のトルク受部11a,34aに当接して制動トルクをキャリパ本体1に伝達することになり、後進制動時には、主としてディスク回入側の側面22bがディスク回入側のトルク受部11b,34bに当接して制動トルクをキャリパ本体1に伝達する。各ブレーキパッド22の側面22a側の凹溝53を除く肉厚が確保された部分は、ディスク回出側のトルク受部11a,34aに当接する。
ここで、ディスク回入側およびディスク回出側のいずれの開口部11側においても、ディスク回出側にある、ディスク半径方向内側のトルク受部34aと前述の外側のトルク部11aとは同一平面上に配置され、ディスク回入側にあるトルク受面34bとトルク受面11bとが同一平面上に配置されている。
なお、冷却等の理由により、ディスクパス部8とガイド突起部31との間は凹部40とされ、ディスクパス部9とガイド突起部32との間は凹部41とされ、ディスクパス部10とガイド突起部33との間は凹部42とされているが、これら凹部40,41,42をなくし、ディスク回入側およびディスク回出側のいずれの開口部11側においても、同一平面に配置されるトルク受部11aとトルク受部34aとを連続する一のトルク受部とし、同一平面に配置されるトルク受部11bとトルク受部34bとを連続する一のトルク受部とすることが可能である。
ディスクパス部8,10の間およびディスクパス部9,10の間の各開口部11内に配置される各カバースプリング12は、ディスク回入側に配置されるものが同側に配置されるパッドピン24に係止されて同側に配置される一対のブレーキパッド22を押圧することになり、ディスク回出側に配置されるものが同側に配置されるパッドピン24に係止されて同側に配置される一対のブレーキパッド22を押圧することになる。
以上のような構成の第1実施形態のディスクブレーキによれば、ブレーキパッド22の裏板25におけるピストン15との対向面52に、ピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状の凹溝53を形成しているため、シムを設けることなく、ブレーキパッド22とディスクDとの当接面圧を変化させて、制動中のブレーキパッド22の姿勢をより安定化させてブレーキ鳴きを防止することができる。しかも、裏板25において、凹溝53が形成された側の側面22a側のディスク径方向両端側が、ピストン15と当接する当接部62の肉厚と同様の肉厚を有しているため、凹溝53が形成されることで肉厚が薄くなっても、薄くなった側における側面22a側のディスク径方向両端側の肉厚を確保できる。具体的にはトルク受部11a,34aと当接する部分の肉厚を確保する。よって、この側面22aにおいてキャリパ本体1に当接して制動トルクを伝達する前進制動時にブレーキパッド22の挙動が安定することになって、ブレーキ鳴きを十分に防止することができる。また、ブレーキパッド22の製作時においても、凹溝53の形成された面を下にして裏板25を置いた場合でも、裏板25の姿勢は安定するため、特別な治具を用いることなく、ライニング材26の全体に加圧力を一定にかけることができ、製作性が確保される。したがって、部品点数の増大を抑制し、ブレーキパッド22の製作性を確保しつつ、かつブレーキ鳴きを十分に防止することができる。また、シムを廃止できるため、熱によるシムの反りの問題がなくなり、引き摺りトルクを低減でき、ブレーキ操作のフィーリングを向上させることができる。
また、各ブレーキパッド22の凹溝53を、パッドピン24の挿入孔28の中心位置とピストン15の中心位置Oとを結ぶ線分を0°として、ピストン15の投影部分の−90°から90の間に40°分以上がかかる120°から180°の連続した円弧状に形成していることから、全音圧域でブレーキ鳴きを防止することができる。つまり、−90°から90°の間に40°分以上がかからないと、中音圧域でのブレーキ鳴きが発生する可能性があり、120°以下であると、当接面圧を十分に抜くことができず、高音圧域でブレーキ鳴きが発生する可能性があって、180°以上であると、ピストン15が凹溝53に入り込み、ブレーキパッド22に対して傾きが生じてしまうことになる。
なお、以上においては、金属製の裏板25に凹溝53を形成する場合を例にとり説明したが、金属製の一定厚の裏板に、凹溝53以外の部分の肉厚をセラミック溶射で厚くすることで、凹溝53を形成しても良い。このように構成すれば、凹溝53が、裏板25へのセラミック溶射によって形成されるため、ブレーキパッド22の裏板25にプレス加工や切削加工による切り欠きを設けることなく、容易にピストン15との間に非当接部を形成することができ、ブレーキ鳴きに対して上記と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態のディスクブレーキを主に図6〜図8を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第1実施形態においては、各パッドピン24が個別の一対のブレーキパッド22をそれぞれ支持する構造であったが、第2実施形態のディスクブレーキにおいては、ディスク円周方向に離間する複数具体的には二本のパッドピン24で一対のブレーキパッド71を支持する構造となっている。なお、図6においては断面とした関係上、アウタ側のブレーキパッド71のみが図示されている。
第2実施形態のディスクブレーキにおいては、ディスク円周方向中央かつディスク半径方向内側のガイド突起部が形成されておらず、また、キャリパ本体1のディスク回出側のボア13およびピストン15が、ディスク回入側のボア13およびピストン15よりも大径となっている。
ブレーキパッド71は、図7および図8にも示すように、ディスク円周方向に離間する二つのピストン15を略覆う長さを有する略矩形の金属製の裏板73と、この裏板73にディスク円周方向に離間して接合された二つの摩擦材74,75とからなっている。裏板73には、ディスク円周方向に離間してディスク半径方向外側に突出するように形成された二カ所の被吊り部77にそれぞれディスク軸線方向に挿通孔78が形成されている。ブレーキパッド71は、摩擦材74,75をディスクD側に向けた状態で、両挿通孔78に両パッドピン24が挿通されることで、両パッドピン24に吊下支持される。なお、裏板73には、摩擦材74,75の位置に図8に示す複数の貫通孔79が形成されている。
各挿通孔78は、ディスクDの円周方向に若干延びる長穴となっており、その結果、ブレーキパッド71は、ディスク円周方向に若干移動して、側面71a,71bにおいてディスクパス部8,9のトルク受部11a,11b,34a,34bに対し当接することができるようになっている。なお、第2実施形態のブレーキパッド71はディスクパス部10には当接しない。ここで、各ブレーキパッド71は、前進制動時には、主としてディスク回出側の側面71aがディスク回出側のトルク受部11a,34aに当接して制動トルクをキャリパ本体1に伝達することになり、後進制動時には、主としてディスク回入側の側面71bがディスク回入側のトルク受部11b,34bに当接して制動トルクをキャリパ本体1に伝達することになる。
ディスク回出側の摩擦材74には、ロータ回転方向のほぼ中心にスリット80が形成されている。ディスク回入側の摩擦材75には、裏板73とは反対側におけるディスク回出側にスリット81が形成され、さらに裏板73とは反対側におけるディスク回入側にもスリット82が形成されている。これらスリット80,81,82は、摩擦材74,75の面圧分布に応じて、ブレーキ鳴きを低減するために配置されている。
そして、この第2実施形態においては、裏板73のピストン15との対向面84に、ディスク回入側に偏って凹溝(非当接部)85が形成されている。この凹溝85はディスク回入側の摩擦材75のディスク回入側とディスク円周方向の位置を合わせて形成されている。
凹溝85は、ブレーキパッド71が両パッドピン24に両挿通孔78の中心位置において吊り下げられた状態にあるときに裏板73に当接するディスク回入側のピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなしており、全体にわたって裏板73の端部に抜けない形状をなしている。つまり、凹溝85は、ピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなす内側円弧部87と、内側円弧部87より大径でピストン15の中心位置Oを中心とした円弧状をなす外側円弧部88と、これら内側円弧部87および外側円弧部88の挿通孔78側を直線状に結ぶ形状の第1直線部89と、内側円弧部87および外側円弧部88の挿通孔78とは反対側を直線状に結ぶ、第1直線部89と同一直線上に配置される第2直線部90とを有している。そして、ピストン15の軸線方向から見た場合に、ディスク回入側のピストン15の円周方向のディスク回入側の一部が凹溝85の内側範囲に配置される形状をなしている。つまり、ブレーキパッド71の対向面84に、ピストン15に対し軸線方向から見て位置が重なりかつ当接しない円弧状の凹溝85が形成されている。
また、第2実施形態においても、凹溝85は、ブレーキパッド22のパッドピン24のディスク回入側の挿通孔78の中心位置とピストン15の中心位置Oとを結ぶ線分を0°として、ピストン15の投影部分の−90°から90の間に40°分以上がかかる120°から180°の連続した円弧状に形成されている。
さらに、第2実施形態においても、長穴の挿通孔78によってパッドピン24に対しブレーキパッド71が移動しても、ピストン15の円周方向の一部が常に凹溝85の内側範囲に位置するように凹溝85の半径方向の幅が設定されている。
加えて、第2実施形態においても、裏板73は、凹溝85が形成されることで薄肉とされた薄板部92を除く他の部分が、凹溝85が形成されていない分、薄板部92よりも厚い一定厚の厚板部93とされている。そして、ピストン15はこの厚板部93においてのみブレーキパッド71の裏板73に当接することになり、この当接部分94と、裏板73のディスク円周方向の凹溝85が形成された側における側面71b側のディスク径方向両端側を含む全範囲とが、当接部分94の肉厚と同様の肉厚となっている。
このような第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第2実施形態においても、金属製の一定厚の裏板に、凹溝85以外の部分の肉厚をセラミック溶射で厚くすることで、凹溝85を形成しても良い。
本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す正面図である。 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す図2におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態のディスクブレーキのブレーキパッドを示す正面図である。 本発明の第1実施形態のディスクブレーキのブレーキパッドを示す背面図である。 本発明の第2実施形態のディスクブレーキを示す断面図である。 本発明の第2実施形態のディスクブレーキのブレーキパッドを示す正面図である。 本発明の第2実施形態のディスクブレーキのブレーキパッドを示す背面図である。
符号の説明
1 キャリパ本体
8,9,10 ディスクパス部
15 ピストン(押圧手段)
22 ブレーキパッド
22a 側面
24 パッドピン
52 対向面
53 凹溝(非当接部)
D ディスク

Claims (2)

  1. ディスクを挟みディスクパス部を介して対向配置された一対の押圧手段を有するキャリパ本体を備え、ディスクを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドを有し該ブレーキパッドが、摩擦材と裏板とからなって前記キャリパ本体にディスク軸線方向に延びて橋架された少なくとも一つのパッドピン摺動可能に挿通させて支持さ、前記ブレーキパッドの裏板の側面を前記キャリパ本体に当接させて制動トルクを伝達するディスクブレーキにおいて、
    前記裏板には、該裏板における前記押圧手段との対向面に前記押圧手段に対し位置が重なりかつ当接しない円弧状の非当接部形成され、該非当接面は前記押圧手段の中心位置を中心とした円弧状をなし全体として前記裏板の内側に形成された内側円弧部(55,87)と該内側円弧部より大径の円弧状をなす外側円弧部(56,88)とを有する凹溝(53,85)からなり、かつ前記裏板の前記非当接部が形成された側における前記側面(22a,71b)側の少なくともディスク径方向両端側が、前記押圧手段と当接する当接部(62,94)の肉厚と同様の肉厚を有していることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記非当接部は、前記裏板に該非当接部以外の部分の肉厚をセラミック溶射によって厚くすることで形成されてなることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
JP2005098052A 2005-03-30 2005-03-30 ディスクブレーキ Expired - Fee Related JP4554416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098052A JP4554416B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ディスクブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098052A JP4554416B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ディスクブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006275225A JP2006275225A (ja) 2006-10-12
JP4554416B2 true JP4554416B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=37210181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005098052A Expired - Fee Related JP4554416B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ディスクブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4554416B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5806872B2 (ja) * 2011-07-28 2015-11-10 日立オートモティブシステムズ株式会社 ディスクブレーキ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52154588U (ja) * 1976-05-19 1977-11-24
JPH0351239U (ja) * 1989-09-26 1991-05-17

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52154588U (ja) * 1976-05-19 1977-11-24
JPH0351239U (ja) * 1989-09-26 1991-05-17

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006275225A (ja) 2006-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4713417B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4818584B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP3934095B2 (ja) ラジアルマウント型ディスクブレーキ
JP4554416B2 (ja) ディスクブレーキ
JP3792805B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4249065B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4286349B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4857203B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4802172B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4028347B2 (ja) ディスクブレーキ
JP3964180B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2004144281A (ja) ディスクブレーキ
JP5544263B2 (ja) ブレーキパッド
JP4503449B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4928478B2 (ja) ディスクブレーキ
KR102642274B1 (ko) 유동형 캘리퍼 디스크 브레이크
JP4552173B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2012167739A (ja) ディスクブレーキ
JP2013113420A (ja) ディスクブレーキ
JP2587547Y2 (ja) ディスクブレーキ
JP7356939B2 (ja) ディスクブレーキ
JP6253190B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2005140227A (ja) ディスクブレーキ及びブレーキパッド
WO2021039413A1 (ja) ディスクブレーキ
JPH09296836A (ja) ディスクブレーキキャリパ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071031

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090901

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4554416

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140723

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees