JP4553308B2 - 温度/厚さ測定装置,温度/厚さ測定方法,温度/厚さ測定システム,制御システム,制御方法 - Google Patents

温度/厚さ測定装置,温度/厚さ測定方法,温度/厚さ測定システム,制御システム,制御方法 Download PDF

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Description

本発明は,測定対象例えば半導体ウエハや液晶基板等の温度又は厚さを正確に測定可能な温度/厚さ測定装置,温度/厚さ測定方法,温度/厚さ測定システム,制御システム,制御方法に関する。
例えば基板処理装置により処理される被処理基板例えば半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」とも称する。)の温度などを正確に測定することは,成膜やエッチングなど種々の処理の結果によりウエハ上に形成される膜やホールなどの形状,物性等を正確にコントロールする点からも極めて重要である。このため,従来より例えば抵抗温度計や,基材裏面の温度を測定する蛍光式温度計等を利用した計測法など様々な方法によってウエハの温度計測がなされている。
近年では,上述したような従来の温度計測方法では困難だったウエハの温度を直接計測することができる温度計測方法や装置も研究されている(例えば特許文献1参照)。このような温度測定装置の具体例を図32及び図33を参照しながら説明する。図32は従来の温度測定装置の原理を説明するための図であり,図33は温度測定装置により計測された干渉波形を観念的に示した図である。
図32に示す温度測定装置10は,例えばマイケルソン干渉計を基本とした低コヒーレンス干渉計を利用したものである。温度測定装置10は,例えば低コヒーレンス性を持つSLD(Super Luminescent Diode)より構成される光源12と,この光源12の光を参照ミラー20へ照射する参照光及び測定対象(例えばウエハ)30へ照射する測定光の2つに分けるビームスプリッタ14と,一方向へ駆動可能に設けられ上記参照光の光路長を可変可能な参照ミラー20と,参照ミラー20から反射する参照光と測定対象30から反射する測定光とを受光して干渉を計測する受光器16とを備える。
このような温度測定装置10においては,光源12からの光がビームスプリッタ14により参照光と測定光との2つに分けられ,測定光は測定対象30へ向けて照射されて測定対象の両端面(例えば表面と裏面)で反射され,参照光は参照ミラー20へ向けて照射されて参照ミラーの表面で反射される。そして,それぞれから反射した測定光と参照光が再びビームスプリッタ14に入射し,その際,参照光の光路長によっては測定光と参照光とが重なり合って干渉を起こして,その干渉波形が受光器16で検出される。
そこで,温度測定を行う際,参照ミラー20を一方向に駆動させて参照光の光路長を変化させる。すると,光源12の低コヒーレンス性により光源12からの光のコヒーレンス長が短いため,通常は,測定光の光路長と参照光の光路長が一致した場所で強く干渉が起こり,それ以外の場所では干渉は実質的に低減する。このように,参照ミラー20を例えば前後方向(図32における矢印方向)に駆動させ,参照光の光路長を変化させることにより,測定対象30における屈折率差(例えば空中の屈折率nと測定対象30内の屈折率n)によって測定対象30の表面,裏面からそれぞれ反射した測定光と参照ミラーから反射した参照光とが干渉し,図33(a)に示すような干渉波形が検出される。
これら干渉波形のピーク間距離は,測定対象30の厚さを構成する各面間の光路長Lに相当する。この光路長Lは,測定対象30の厚さをd,屈折率をnとすると,L=d×nで表すことができる。これらの厚さdと屈折率nは,温度変化に応じて変化するため,測定対象30の光路長(光学厚さ)Lも温度変化によって変化する。このため,測定対象30の光路長Lの変化を利用することによって,測定対象の深度方向の温度測定が可能となる。
例えば,図33においてヒータなどにより温められて測定対象30の温度が変化すると,測定対象30は一点鎖線に示すように膨張する。このとき測定対象30内の屈折率nも変化するため,図33(a),(b)に示すように温度変化の前後では干渉波形の位置がずれて,各干渉波形のピーク位置間の幅(ピーク間幅)が変化し,しかも干渉波形のピーク間幅の変化量は上記温度変化の変化量に対応する。また,干渉波形のピーク間幅は,参照ミラー20の移動距離と対応しているため,参照ミラー20の移動距離に基づいて干渉波形のピーク間幅を精度よく測定することで温度変化を精度よく測定することができる。
国際公開第03/087744号パンフレット
ところで,上述したように測定対象30の光路長(光学厚さ)Lは,厚さd×屈折率nで表され,この厚さdと屈折率nは温度変化に対して比で変化するので,光路長Lも温度変化に対して比で変化する。このため,測定対象30の厚さdが厚いほど光路長(光学厚さ)Lの温度変化に対する変化量も大きくなり,測定対象30の厚さdが薄いほど光路長(光学厚さ)Lも温度変化に対する変化量も小さくなる。
例えば厚さ10mmのシリコンウエハにおける光路長Lの変化量は2.7μm/℃であるのに対して,これよりも薄いウエハ,例えば厚さ0.75mmのシリコンウエハにおける光路長Lの変化量は0.2μm/℃とかなり小さくなる。
このように,測定対象30の温度が変化した場合,測定対象30の厚さdが薄い(小さい)ほど測定対象30の光路長Lの変化量が小さくなるので,この光路長Lに相当する各面の干渉波形のピーク間幅の変化量も小さくなる。このため,測定対象30の厚さdが薄いほど,測定対象30の各面の干渉波形のピーク間幅の変化量を精度よく測定することが困難になるため,ひいては測定対象の温度測定精度向上の妨げになるという問題がある。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,測定対象の厚さに拘らず,測定対象の温度又は厚さの測定精度を向上させることができる温度/厚さ測定装置,温度/厚さ測定方法,温度/厚さ測定システム,制御システム,制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,測定対象の両端面を透過し反射する光であって,前記測定対象の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,前記スプリッタからの測定光を前記測定対象へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段と,前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する測定手段とを備えたことを特徴とする温度/厚さ測定装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,前記測定対象の両端面を透過し反射する光を照射する光源からスプリットされた測定光を前記測定対象へ向けて照射するとともに,参照光を参照光反射手段へ向けて照射する工程と,前記参照光反射手段を一方向へ走査することによって前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させながら,前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定する工程と,前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する工程とを有することを特徴とする温度/厚さ測定方法が提供される。
このような本発明にかかる装置又は方法において,光源からスプリットされた測定光が測定対象へ向けて照射されると,例えば測定対象の両端面(例えば表面と裏面)をそのまま透過する測定光や測定対象の各端面でそれぞれ反射する測定光の干渉波形のみならず,測定対象の両端面を1回以上往復反射してから測定対象を透過又は反射する測定光の干渉波形も測定できる。
これらの測定された複数の干渉波形のうち,例えば測定対象の表面で反射する測定光の干渉波形を基準干渉波形とすれば,測定対象の裏面で反射して測定対象の両端面を1回往復した測定光の干渉波形と基準干渉波形とのピーク間幅が測定対象の両端面間における測定光の光路長に相当することから,測定対象の両端面を2回以上往復反射した測定光の干渉波形と基準干渉波形とのピーク間幅は測定対象の両端面間における測定光の光路長の2倍以上となる。
従って,測定対象の両端面を2回以上往復反射した測定光の干渉波形を選択干渉波形とすることにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅を長くとることができるので,測定対象の温度変化による上記ピーク間幅の変化量も大きくすることができる。これにより,各干渉波形のピーク間幅の測定精度を向上させることができる。
特に厚みが薄く測定対象の両端面間における測定光の光路長が短い場合(例えば厚さの薄い半導体ウエハなどを測定対象とする場合)には,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることにより,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができる。
また,上記装置又は方法において,選択干渉波形は,例えばその干渉波形を構成する波連全体を曲線近似した基準近似曲線(例えば干渉波形を構成する波連全体の基準近似曲線は正規分布曲線)と,その干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づいてその干渉波形の波連を曲線近似した近似曲線(例えば干渉波形の波連を構成する各繰返し波形に基づいて得られる包絡線)とのずれ量で指標される干渉波形の崩れ度合に基づいて選択するようにしてもよい。
上述したように測定対象の両端面間の往復反射回数が多い測定光の干渉波形を選択するほど基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることができるので,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度をより一層向上させることができる。ところがその一方でこのような往復反射回数が多い測定光の干渉波形ほど光強度も低下しその干渉波形の崩れ度合も大きくなり,例えば干渉波形の崩れ度合が所定以上になると干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させる要因となる。そこで,干渉波形の崩れ度合に基づいて選択干渉波形を選択するようにすれば,干渉波形の崩れ度合が干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させない範囲で,基準干渉波形と選択干渉波形との幅をより長くとることができる干渉波形を容易に選択することができる。
また,上記装置又は方法において,前記測定光の光路の途中に,この測定光の光路に並列して接続した迂回光路を設け,これらの光路を通る測定光を測定対象に照射することにより,測定光の干渉波形の種類(パターン)を増やすことができる。例えば測定対象の両端面で同じ回数だけ往復反射する測定光の干渉波形についても,迂回光路を介さない光路を通るものと,少なくとも一度は前記迂回光路を介する光路を通るものとを測定することができる。これらの干渉波形にはずれが生じ,そのずれ量は測定光の迂回光路の光路長を調整することにより調整可能である。
従って,上記測定光の迂回光路の光路長を調整することにより,迂回光路を介さない光路を通る測定光の干渉波形と少なくとも一度は迂回光路を介する光路を通る測定光の干渉波形のうち,いずれか一方の光路を通る測定光の干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,他方の光路を通る測定光の干渉波形から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照光反射手段(例えば参照ミラー)を移動させれば足りる。これにより,参照光反射手段(例えば参照ミラー)の移動距離を短くすることができるので,温度又は厚さ測定にかかる時間も短縮することができる。
また,上記装置又は方法において,前記参照光反射手段は,複数の反射面を設け,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ照射し前記各反射面で反射させて光路長の異なる複数の参照光を反射させることにより,参照光と測定光の干渉波形の種類(パターン)を増やすことができる。例えば測定対象の両端面で同じ回数だけ往復反射する測定光の干渉波形についても,光路長の異なる複数の参照光と測定光の干渉波形をそれぞれ測定することができる。これらの干渉波形にはずれが生じ,そのずれ量は参照光反射手段の複数の反射面の位置を調整することにより調整可能である。
従って,参照光反射手段の複数の反射面の位置を調整することにより,前記各反射面から反射する複数の参照光のうち,いずれかの反射面から反射する参照光と測定光との干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,別の反射面から反射する参照光と測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照光反射手段(例えば参照ミラー)を移動させれば足りる。これにより,参照光反射手段(例えば参照ミラー)の移動距離を短くすることができるので,温度又は厚さ測定にかかる時間も短縮することができる。
また,上記装置又は方法において,前記スプリッタからの参照光をさらに複数の参照光にスプリットするための参照光スプリッタを設け,この参照光スプリッタからの複数の参照光をそれぞれ異なる光路長で前記参照光反射手段へ照射し反射させることによって,
そのような参照光と測定光の干渉波形の種類(パターン)を増やすことができる。例えば測定対象の両端面で同じ回数だけ往復反射する測定光の干渉波形についても,光路長の異なる複数の参照光と測定光との干渉波形をそれぞれ測定することができる。これら光の干渉にはずれが生じ,そのずれ量は参照光スプリッタからの複数の参照光の光路長を調整することにより調整可能である。
従って,参照光スプリッタからの複数の参照光の光路長を調整することにより,参照光スプリッタからスプリットされた複数の参照光のうち,いずれかの参照光と測定光との干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,別の参照光と測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照光反射手段(例えば参照ミラー)を移動させれば足りる。これにより,参照光反射手段(例えば参照ミラー)の移動距離を短くすることができるので,温度又は厚さ測定にかかる時間も短縮することができる。
また,上記装置又は方法において,参照光の光路の途中に,この参照光の光路に並列して接続した迂回光路を設け,これらの光路を通る参照光を前記参照光反射手段へ照射し反射させて光路長の異なる複数の参照光を反射させることにより,測定光の干渉波形の種類(パターン)を増やすことができる。例えば測定対象の両端面で同じ回数だけ往復反射する測定光の干渉波形についても,迂回光路を介さない光路を通る参照光と測定光の干渉波形と,少なくとも一度は前記迂回光路を介する光路を通る参照光と測定光の干渉波形を測定することができる。これらの干渉波形にはずれが生じ,そのずれ量は参照光の迂回光路の光路長を調整することにより調整可能である。
従って,上記参照光の迂回光路の光路長を調整することにより,迂回光路を介さない光路を通る参照光と測定光の干渉波形と少なくとも一度は迂回光路を介する光路を通る参照光と測定光の干渉波形のうち,いずれか一方の光路を通る参照光と測定光の干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,他方の光路を通る参照光と測定光の干渉波形から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照光反射手段(例えば参照ミラー)を移動させれば足りる。これにより,参照光反射手段(例えば参照ミラー)の移動距離を短くすることができるので,温度又は厚さ測定にかかる時間も短縮することができる。
また,上記装置又は方法において,前記各光(光源からの光,測定光,参照光など)はそれぞれ,空中を介して伝送されるようにしてもよい。これによれば,光ファイバやコリメートファイバの用いずに光を伝送させることができる。これにより,光ファイバやコリメートファイバを通らない波長(例えば2.5μm以上の波長)の光であっても,光源として利用することができる。
また,上記装置又は方法において,前記測定対象は,例えばシリコン又はシリコン酸化膜により形成され,前記光源は,例えば1.0〜2.5μmの波長を有する光を照射可能なもので構成される。このような1.0〜2.5μmの波長を有する光は,測定対象を構成するシリコン又はシリコン酸化膜を透過し反射するので,測定対象の両端面を2回以上往復反射する測定光の干渉波形を測定することが可能となる。
また,上記装置又は方法において,前記測定対象は,例えば基板処理装置(例えばプラズマ処理装置など)内で処理される被処理基板(例えば半導体ウエハ,ガラス基板など)又はこの被処理基板に対向して配設される電極板(例えば上部電極の電極板,下部電極の電極板など)である。このように,本発明によれば上記のような厚さの薄い測定対象の温度又は厚さの測定精度を向上させることができる。
また,上記装置における測定光伝送手段は,前記測定対象の一方側に配置され,前記光源からの測定光を伝送して前記測定対象の一方側の端面へ向けて照射するとともに,前記測定対象の両端面で往復反射して又は往復せずに一方側の端面で反射して,戻ってくる測定光を受光して前記受光手段へ向けて伝送するようにしてもよい。また,上記装置における測定光伝送手段は,前記測定対象の一方側に配置され,前記光源からの測定光を伝送して前記測定対象の一方側の端面へ向けて照射する照射光伝送手段と,前記測定対象の他方側に配置され,前記測定対象の両端面で往復反射して又は往復せずに一方側の端面を透過して,他方側の端面を透過する測定光を受光して前記受光手段へ向けて伝送する受光伝送手段とを別個に設けるようにしてもよい。
また,上記方法において,前記測定光と前記参照光との光の干渉の測定中に前記光源の光強度を変えるようにしてもよい。例えば参照光反射手段の移動距離に応じて前記光源の光強度を徐々に大きくしたり,また測定対象の両端面を往復反射する回数が多い測定光の干渉波形ほど前記光源の光強度を大きくするようにしたり,また受光手段で受光される測定光の反射強度を予め測定し,その反射強度に応じて前記光源の光強度を変えるようにしてもよい。これにより,測定光と参照光との光の干渉の測定中に,測定光が測定対象を往復反射することによる測定光の光強度の低下を防止するができるので,そのような測定光の干渉波形についてのノイズに対する光強度(S/N比)の低下を防止してその干渉波形が崩れないようにすることができる。これにより,例えば干渉波形のピーク位置の検出精度を向上させて,干渉波形のピーク間幅に基づく温度や厚みの測定精度を向上させることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内の被処理基板に所定の処理を施す基板処理装置と,この基板処理装置に取付けられる温度/厚さ測定装置と,前記温度/厚さ測定装置を制御する制御装置とを備える温度/厚さ測定システムであって,前記温度/厚さ測定装置は,測定対象となる前記被処理基板の両端面を透過し反射する光であって,前記被処理基板の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,前記スプリッタからの測定光を前記被処理基板へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,前記被処理基板を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段とを備え,前記制御装置は,前記温度/厚さ測定装置の受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記被処理基板の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記被処理基板の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記被処理基板の温度又は厚さを測定することを特徴とする温度/厚さ測定システムが提供される。
このような本発明にかかる温度/厚さ測定システムによれば,厚みが薄く両端面間における測定光の光路長が短いような被処理基板や電極板などの測定対象でも,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることができるので,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内の被処理基板に所定のプロセス処理を施す基板処理装置と,この基板処理装置に設置される温度/厚さ測定装置と,前記温度/厚さ測定装置及び前記基板処理装置を制御するとともに,前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行う制御装置とを備える制御システムであって,前記温度/厚さ測定装置は,測定対象となる前記被処理基板の両端面を透過し反射する光であって,前記被処理基板の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,前記スプリッタからの測定光を前記被処理基板へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,前記被処理基板を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段とを備え,前記制御装置は,前記温度/厚さ測定装置の受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記被処理基板の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記被処理基板の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記被処理基板の温度又は厚さを測定し,これらの温度又は厚さに基づいて前記基板処理装置の処理室内にある前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行うことを特徴とする制御システムが提供される。
このような本発明にかかる制御システムによれば,厚みが薄く両端面間における測定光の光路長が短いような被処理基板や電極板などの測定対象でも,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることができるので,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができ,これらの温度又は厚みに基づいて被処理基板の温度制御やプロセス制御を行うことができるので,被処理基板のプロセス特性を的確に制御することができ,また基板処理装置の安定性を向上させることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内の被処理基板に所定のプロセス処理を施す基板処理装置の制御システムについて制御方法であって,前記測定対象の両端面を透過し反射する光を照射する光源からスプリットされた測定光を前記測定対象へ向けて照射するとともに,参照光を参照光反射手段へ向けて照射する工程と,前記参照光反射手段を一方向へ走査することによって前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させながら,前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定する工程と,前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する工程と,測定した前記測定対象物の温度又は厚さに基づいて,前記基板処理装置における前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行う工程とを有することを特徴とする制御方法が提供される。
このような本発明にかかる制御方法によれば,厚みが薄く両端面間における測定光の光路長が短いような被処理基板や電極板などの測定対象でも,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることができるので,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができ,これらの温度又は厚みに基づいて被処理基板の温度制御やプロセス制御を行うことができるので,被処理基板のプロセス特性を的確に制御することができ,また基板処理装置の安定性を向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば,厚みが薄く両端面間における測定光の光路長が短いような測定対象でも,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることができるので,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができる。
なお,上記測定対象には,被処理基板などのような物体としての測定対象物の他,例えば被処理基板の内部層などのような物体の一部を構成する測定対象層も含まれる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態にかかる温度測定装置)
本発明の第1実施形態にかかる温度測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は,本発明の第1実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる温度測定装置100は,上述した図32に示すような原理を基本としつつ,簡単な構成で,例えば半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」とも称する。)などのような厚みの薄い測定対象物Tの測定精度を向上することができるようにしたものである。このような温度測定装置100の具体的な構成は以下の通りである。
図1に示すように,温度測定装置100は,光源110と,この光源110からの光を測定光と参照光とにスプリット(分波)するためのスプリッタ120と,このスプリッタ120からの参照光を反射するための参照光反射手段140と,参照光反射手段140から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段とを備える。光路長変化手段は,例えば参照ミラーなどで構成される参照光反射手段140を参照光の入射方向に平行な一方向へ駆動するモータなどの駆動手段142により構成される。このように,参照ミラーを一方向へ駆動させることにより,参照ミラーから反射する参照光の光路長を変化させることができる。
また,温度測定装置100は,測定対象物Tの一方側の端面Sに上記スプリッタ120からの測定光を照射したときに,測定対象物Tから反射する測定光(例えば測定対象物Tの両端面S,Sで往復反射して又は往復せずに一方側の端面Sで反射して,戻ってくる測定光)と,参照光反射手段140に上記スプリッタ120からの参照光を照射したときに参照光反射手段140から反射する参照光との複数の干渉波形(これら複数の干渉波形を例えば光の干渉と総称する)を測定するための受光手段150とを備える。
(第1実施形態にかかる温度測定装置による測定光の種類)
ここで,図1に示すような温度測定装置において,光源110からの測定光を測定対象物Tに向けて照射した際に測定対象物Tから反射する測定光の主な種類について図面を参照しながら説明する。図2は測定光の種類を説明するための観念図であり,図2に示す矢印は測定対象物Tから反射する測定光を示している。なお,図2では測定光における測定対象物Tの両端面間での往復反射回数がわかり易いように測定光の反射位置をずらして表現しているが,実際には測定対象物Tに測定光を照射する角度に応じて反射角度も変わる。例えば測定対象物Tに対してほぼ直行するように測定光を照射すれば,各端面S,Sでの反射位置もその測定光の光軸上にほぼ重なる。
測定対象物Tから反射する測定光としては,図2(a)に示すように測定対象物T内を一度も往復反射することなく,測定対象物Tの一方側の端面(測定光が照射される側の端面である第1面)Sで1回反射して戻ってくる測定光(第1面1回反射測定光又は0回往復反射測定光)及び図2(b)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過して他方側の端面(第1面Sとは反対側の面である第2面S)で1回反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで1回往復反射する測定光(第2面1回反射測定光又は1回往復反射測定光)がある。
さらに,本発明では,上記の測定光に加えて例えば図2(c)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過し第2面Sで反射した後さらに第1面Sで反射して再び第2面Sで反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで2回往復反射する測定光(第2面2回反射測定光又は2回往復反射測定光),図2(d)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過した後,第2面Sで3回,第1面Sで2回反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで3回往復反射する測定光(第2面3回反射測定光又は3回往復反射測定光)などのように,測定対象物Tの両端面S,Sで複数回往復反射する測定光(第2面複数回反射測定光又は複数回往復反射測定光)もある。従って,受光手段150ではこれらの測定光と参照光との干渉波形がそれぞれ測定される。
従来は,図2(a)に示すような0回往復反射測定光及び図2(b)に示すような1回往復反射測定光を用いて,測定対象物T内の測定光の光路長Lを求めることによって,温度測定を行っていたが,本発明では,厚さの薄い測定対象物Tの温度測定精度を向上させるために,図2(b)に示すような1回往復反射測定光の代わりに,図2(c),(d)に示すような複数回往復反射測定光を用いて温度測定を行うものである。なお,上記のような測定光と参照光との干渉波形の具体例は後述する。
このような温度測定装置100を構成する光源110としては,測定対象物Tの両端面S,Sを透過し反射し,前記測定対象の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光であって,光源110からスプリットされる測定光と参照光との干渉が測定できる光を照射可能なものを使用する。本発明では,測定対象物Tの両端面S,Sで少なくとも2回以上往復反射する測定光と参照光の干渉波形を測定対象物Tの温度測定に用いるからである。
なお,測定対象物Tとして例えばウエハの温度測定を行う場合,光源110としては,少なくともウエハの両端面間の距離(通常は800〜1500μm程度)からの反射光が干渉を生じない程度の光が好ましい。具体的には例えば低コヒーレンス光を用いることが好ましい。低コヒーレンス光とは,コヒーレンス長の短い光をいう。低コヒーレンス光の中心波長は例えば0.3〜20μmが好ましく,更に0.5〜5μmがより好ましい。また,コヒーレンス長としては,例えば0.1〜100μmが好ましく,更に3μm以下がより好ましい。このような低コヒーレンス光を光源110として使用することにより,余計な干渉による障害を回避でき,ウエハの両端面S,Sから反射する測定光,その他ウエハ内部に屈折率の異なる層を有する場合にはその境界面から反射する測定光と参照光との干渉波形を容易に測定することができる。
上記低コヒーレンス光を使用した光源としては,例えばSLD(Super Luminescent Diode),LED,高輝度ランプ(タングステンランプ,キセノンランプなど),超広帯域波長光源などが挙げられる。これらの低コヒーレンス光源の中でも,高輝度の点に鑑みれば,SLDを光源110として用いることが好ましい。
上記スプリッタ120としては,例えば光ファイバカプラを用いる。但し,これに限定されるものではなく,参照光と測定光とにスプリットすることが可能なものであればよい。スプリッタ120としては,例えば光導波路型分波器,半透鏡(ハーフミラー)などを用いてもよい。
上記参照光反射手段140は,例えば参照ミラーにより構成される。参照ミラーとしては例えばコーナーキューブプリズム,平面ミラー等などが適用可能である。これらの中でも,反射光の入射光との平行性の点に鑑みれば,コーナーキューブプリズムを用いることが好ましい。但し,参照光を反射できれば,上記のものに限られず,例えばディレーライン(後述するピエゾチューブ型ディレーライン等の光路変化手段と同様)などで構成してもよい。
上記参照光反射手段140を駆動する駆動手段142としては,例えば参照光の入射方向と平行な方向(図1における矢印方向)に駆動させるステッピングモータにより構成することが好ましい。ステッピングモータを用いれば,モータの駆動パルスにより参照光反射手段140の移動距離を容易に検出することができる。但し,光路長変化手段としては,参照光反射手段から反射する光の光路長を変化させることができれば,上記モータに限られることはなく,例えばボイスコイルモータを用いたボイスコイルモータ型ディレーラインの他,ピエゾチューブ型ディレーライン,直動ステージ型ディレーライン,積層ピエゾ型ディレーラインなどで光路長変化手段を構成してもよい。
上記受光手段150としては,低価格性,コンパクト性を考慮すれば,例えばフォトダイオードを用いて構成することが好ましい。具体的には例えばSiフォトダイオード,InGaAsフォトダイオード,Geフォトダイオードなどを用いたPD(Photo Detector)により構成する。但し,測定対象物Tからの測定光と参照光反射手段140からの参照光との光の干渉を測定できれば,上記のものに限られず,例えばアバランシェフォトダイオード,光電子増倍管などを用いて受光手段150を構成してもよい。
上記スプリッタ120からの参照光は,参照光伝送手段(例えば光ファイバcの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバF)を介して参照光反射手段140へ照射する参照光照射位置まで伝送されるようになっている。また,上記スプリッタ120からの測定光は測定光伝送手段(例えば光ファイバbの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバF)を介して測定対象物Tへ向けて照射する測定光照射位置まで伝送されるようになっている。すなわち,図1に示すような温度測定装置100における測定光伝送手段は,測定対象物Tの一方側に配置され,光源110からの測定光を伝送して測定対象物Tの一方側の端面(第1面)Sへ向けて照射する。また,このような測定光伝送手段は測定対象物Tの両端面S,Sで往復反射して又は往復せずに一方側の端面(第1面)Sで反射して,戻ってくる測定光を受光して受光手段150へ向けて伝送するようになっている。なお,上記参照光伝送手段又は上記測定光伝送手段としては,上記コリメータ付光ファイバに限られず,コリメートファイバであってもよい。
上記スプリッタ120によりスプリットされた測定光と参照光との強度比は例えば1:1とする。これにより,測定光と参照光の強度がほぼ同じ強度になるので,例えばピーク間幅などを測定しやすい干渉波形が得られる。各光の強度はこれに限られることはない。
(第1実施形態にかかる温度測定装置の動作)
このような構成の温度測定装置100においては,図1に示すように,光源110からの光は,例えば光ファイバaを介してスプリッタ120の入力端子(入力ポート)の一方に入射され,スプリッタ120により2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち,一方の出力端子(出力ポート)からの光は測定光として,測定光伝送手段例えば光ファイバbの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFを介して測定対象物Tの一方側へ照射される。本実施形態では,このように測定光が測定対象物Tへ照射されたときに,図2に示すように測定対象物Tから反射して同じ側に戻ってくる測定光を受光手段150で受光する。
一方,スプリッタ120により2分波された他方の出力端子(出力ポート)からの光は参照光として,参照光伝送手段例えば光ファイバcの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFから照射され,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140によって反射される。そして,測定対象物Tから反射した測定光はコリメータ付光ファイバFを介してスプリッタ120へ入射するとともに,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140で反射した参照光もコリメータ付光ファイバFを介してスプリッタ120に入射し,これら測定光と参照光とが再び合波されて,例えばSiフォトダイオード,InGaAsフォトダイオード,Geフォトダイオードなどを用いたPDで構成された受光手段150へ例えば光ファイバdを介して入射し,受光手段150で測定光と参照光との干渉波形が検出される。
(測定光と参照光との干渉波形の具体例)
ここで,温度測定装置100により得られる測定光と参照光との光の干渉の具体例を図3に示す。図3は,測定対象物Tから反射する図2に示すような各測定光と,参照光反射手段140で反射する参照光との干渉波形を示したものである。図3(a)は温度変化前の干渉波形を示したものであり,図3(b)は温度変化後の干渉波形を示したものである。図3において縦軸は干渉強度,縦軸は参照ミラーの移動距離をとっている。
また,光源110としては,測定対象物Tを透過し反射可能な低コヒーレンス光源を用いる。低コヒーレンス光源によれば,光源110からの光のコヒーレンス長が短いため,通常は測定光の光路長と参照光の光路長とが一致した場所で強く干渉が起こり,それ以外の場所では干渉は実質的に低減するという特質がある。このため,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140を例えば参照光の照射方向の前後に駆動させ,参照光の光路長を変化させることにより,図2(a)〜(d)に示すような各測定光と参照光が干渉する。
図3(a),(b)によれば,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140を一方向へ走査していくと,先ず図2(a)に示すような第1面1回反射測定光(0回往復反射測定光)と参照光との干渉波形が現れ,次いで図2(b)に示すような第2面1回反射測定光(1回往復反射測定光)と参照光との干渉波形が現れる。参照光反射手段140をさらに走査していくと,図2(c)に示すような第2面2回反射測定光(2回往復反射測定光)と参照光との干渉波形が現れ,図2(d)に示すような第2面3回反射測定光(3回往復反射測定光)と参照光との干渉波形が現れる。その後も,参照光反射手段140をさらに走査すれば,図示はしないが第2面4回反射測定光(4回往復反射測定光),第2面5回反射測定光(5回往復反射測定光)…というように,各測定光の干渉波形が連続して等間隔で現れることになる。
(干渉波に基づく温度測定方法)
次に,測定光と参照光との光の干渉に基づいて温度を測定する方法について説明する。測定光と参照光の干渉波に基づく温度測定方法としては,例えば温度変化に基づく光路長変化を用いる温度換算方法がある。ここでは,温度変化に基づく干渉波形の位置ずれを利用した温度換算方法について説明する。
測定対象物Tがヒータ等によって温められると,測定対象物Tはそれぞれ膨張して厚さd,屈折率nが変化するため,温度変化前と温度変化後では,測定対象物Tの両端面S,S間(表面と裏面との間)の光路長(光学的厚さ)Lが変化するので,測定光と参照光の干渉波形の位置がずれて,干渉波形のピーク間幅が変化する。従って,このような測定対象物Tの干渉波形のピーク間幅を測定することにより温度変化を検出することができる。例えば測定対象物Tの光路長Lは,例えば図3(a)に示す第1面1回反射測定光の干渉波形と,第2面1回反射測定光の干渉波形とのピーク間幅に相当し,このピーク間幅は参照光反射手段(例えば参照ミラー)140の移動距離に対応しているため,これらの干渉波形のピーク間幅における参照ミラーの移動距離を測定することにより,温度変化前後の測定対象物Tの光路長Lを測定することができる。
以下,上記温度測定方法について,図3で測定した測定対象物Tの厚さをそれぞれdとし,屈折率をnとしてより具体的に説明する。測定対象物Tに測定光を照射して,参照ミラーを一方向へ走査していくと,図3(a)に示すように第1面1回反射測定光の干渉波形,第2面1回反射測定光の干渉波形,第2面2回反射測定光の干渉波形,第3面3回反射測定光の干渉波形がこの順に得られる。
このとき,測定対象物Tを例えばヒータなどより加熱すると,測定対象物Tの温度は上昇し,その温度変化により測定対象物Tは膨張して屈折率nも変化する。これにより,測定対象物Tの1つの干渉波形を基準として他の干渉波形についてのピーク位置がずれて,干渉波形のピーク間幅が変化する。例えば図3(b)では,測定対象物Tの第1面1回反射測定光の干渉波形を基準干渉波形として,他の干渉波形の位置,すなわち第2面1回反射,第2面2回反射,第3面3回反射測定光の干渉波形の位置が図3(a)の場合に比してそれぞれt,2t,3tだけずれている。これにより,基準干渉波形と他の干渉波形のピーク間幅はそれぞれ,図3(a)に示すW,2W,3Wから図3(b)に示すW′,2W′,3W′へ変化する。
このような干渉波形についてのピーク位置のずれは,一般に厚さdについては測定対象物の各層固有の線膨張係数αに依存し,また屈折率nの変化については主として各層固有の屈折率変化の温度係数βに依存する。なお,屈折率変化の温度係数βについては波長にも依存することが知られている。
従って,測定対象物Tにおける温度変化後の厚さd′を数式で表すと下記数式(1−1)に示すようになる。なお,下記数式(1−1)において,ΔTは測定対象物Tの温度変化を示している。αは測定対象物Tの線膨張率を示しており,βは測定対象物Tの屈折率変化の温度係数を示している。また,d,nは,それぞれ温度変化前の測定対象物Tの厚さ,屈折率を示している。
d′=d・(1+αΔT),n′=n・(1+βΔT) …(1−1)
上記数式(1−1)に示すように,温度変化によって測定対象物Tを透過して反射する測定光の光路長が変化する。光路長は一般に,厚さdと屈折率nとを積で表される。従って,温度変化前の測定対象物Tを透過して反射する測定光の光路長をLとし,測定対象物Tにおける温度がΔTだけ変化した後の光路長をL′とすると,L,L′はそれぞれ下記の数式(1−2)に示すようになる。
L=d・n , L′=d′・n′ …(1−2)
従って,測定対象物Tにおける測定光の光路長の温度変化前後の差(L′−L)は,上記数式(1−1),(1−2)により計算して整理すると,下記数式(1−3)に示すようになる。なお,下記数式(1−3)では,α・β≪α,α・β≪βを考慮して微小項を省略している。
L′−L=d′・n′−d・n=d・n・(α+β)・ΔT
=L・(α+β)・ΔT …(1−3)
ここで,測定対象物Tにおける測定光の光路長Lは,測定光と参照光との干渉波形のピーク間幅に相当する。例えば温度変化前における測定対象物Tの測定光の光路長Lは,図3(a)に示す干渉波形のピーク間幅Wに相当し,温度変化後における測定対象物Tの測定光の光路長L′は,図3(b)に示す干渉波形のピーク間幅W′に相当する。従って,測定対象物Tにおける参照光との干渉波形のピーク間幅は,図1に示すような温度測定装置100によれば,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140の移動距離により測定できる。
従って,測定対象物Tの線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておけば,測定対象物Tにおける参照光との干渉波形のピーク間幅を計測することによって,上記数式(1−3)を用いて,測定対象物Tの温度に換算することができる。
このように,干渉波から温度への換算する場合,上述したように干渉波形のピーク間で表される光路長が線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βによって変るため,これら線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておく必要がある。測定対象物Tとなり得るウエハを含めた物質の線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは一般に,温度帯によっては,温度に依存する場合もある。例えば線膨張率αについては一般に,物質の温度が0〜100℃くらいの温度範囲ではそれほど変化しないので,一定とみなしても差支えないが,100℃以上の温度範囲では物質によっては温度が高くなるほど変化率が大きくなる場合もあるので,そのような場合には温度依存性が無視できなくなる。屈折率変化の温度係数βについても同様に温度範囲によっては,温度依存性が無視できなくなる場合がある。
例えばウエハを構成するシリコン(Si)の場合は,0〜500℃の温度範囲において線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは例えば二次曲線で近似することができることが知られている。その詳細については,例えばJ.A.McCaulley,V.M.Donnellyらの論文(J.A.McCaulley,V.M.Donnelly,M.Vernon,andI.Taha,
"Temperature dependence of the near-infrared refractive index of
silicon,gallium arsenide,and indium phosphide"Phy.Rev.B49,7408,1994)などにも記載されている。
このように,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは温度に依存するので,例えば温度に応じた線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを実験などによって予め調べて,温度換算用基準データとして予めメモリ(例えば後述する制御装置400のメモリ440等)に記憶しておき,温度換算用基準データを利用して温度換算すれば,より正確な温度に換算することができる。
なお,測定光と参照光との干渉波に基づいて温度を測定する方法としては,上記の方法に限られず,測定対象物Tについての光路長と温度との関係を実験などにより予め求めて,温度換算用基準データとして予めメモリ(例えば後述する制御装置400のメモリ440等)に記憶しておき,この温度換算用基準データを利用して,測定対象物Tについての測定光と参照光との干渉波に基づいて測定された光路長(干渉波形のピーク間幅)を直接温度に換算するようにしてもよい。これによれば,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βがわからなくても,測定光と参照光との干渉波の測定結果を容易に温度に換算することができる。
具体的には例えばある測定対象物Tについて,既知の温度tでの光路長をLとし,ある温度tでの光路長をLとし,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βとすると,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βの温度依存を無視できる温度帯であれば,ある温度tは,下記(2−1)式で表すことができる。下記(2−1)式は上記(1−3)式におけるL′=L,L=L,ΔT=t−tとした場合と同様である。そして,下記(2−1)を整理すると,ある温度tは下記(2−2)式で表すことができる。下記(2−2)式において,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βの温度依存を無視できる場合は,α+βは一定と考えられるので,定数の係数をA,Bで置換えると下記(2−3)式に示すような一次式で表すことができる。
−L=L・(α+β)・(t−t) …(2−1)
t=(1/(α+β))・(L/L)−(1/(α+β)+t) …(2−2)
t=A・(L/L)+B …(2−3)
また,線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βの温度依存を無視できない場合は,下記(2−4)式に示すような2次式で表すようにしてもよい。この場合の係数をA,B,Cとする。
t=A・(L/L+B・(L/L)+C …(2−4)
上記(2−3)式における係数A,B,上記(2−4)式における係数A,B,Cはそれぞれ,実験によりいくつかの温度で実際に光路長を測定することにより求める。例えば温度と光路長との関係について図4に示すような実験結果が得られたとすれば,上記既知の温度tを40℃としそのときの光路長をL=L40として,上記(2−4)式における係数はそれぞれ,A=−1.2496×10,B=−2.6302×10,C=−1.3802×10となる。
こうして実験により得られた(2−4)式を温度換算用基準データとして予めメモリ(例えば後述する制御装置400のメモリ440等)に記憶しておき,測定光と参照光との干渉波に基づいて測定された光路長LからL/L40を求めて,(2−4)式のL/Lに当てはめることにより,光路長Lを温度tに換算することができる。
なお,測定光と参照光との干渉波に基づく温度測定方法としては上述したような方法に限られることはなく,例えば温度変化に基づく吸収強度変化を用いる方法であってもよく,上記温度変化に基づく光路長変化と温度変化に基づく吸収強度変化とを組み合わせた方法であってもよい。
上述したように,温度変化後の測定対象物T内の測定光の光路長L′は,例えば測定対象物Tの両端面S,Sで反射した測定光の干渉波形(図3(b)に示す第1面1回反射測定光の干渉波形と第2面1回反射測定光の干渉波形)のピーク間幅W′に相当するので,このピーク間幅W′を測定することにより求められた光路長L′を温度に変換することにより,測定対象物Tの温度を測定することが可能となる。
ところが,図3に示すような測定対象物T内の測定光の光路長Lの単位温度変化(例えば1℃)当りの変化量(L′−L)は,上記(1−3)式によれば,測定対象物Tの厚さdが小さいほど小さくなるので,この光路長Lに相当する第1面1回反射測定光の干渉波形と第2面1回反射測定光の干渉波形のピーク間幅Wの変化量tも小さくなる。このため,測定対象物Tの厚さdが小さいほど,測定対象物Tの干渉波形のピーク間幅Wの変化量tを精度よく測定することが困難になるため,ひいては測定対象物Tの温度測定精度向上の妨げになるという問題がある。
そこで,干渉波形のピーク間幅をより長くとるようにするため,第2面2回反射又は第2面3回反射測定光の干渉波形のように測定対象物Tの両端面S,Sで2回以上往復反射した測定光の干渉波形(複数回往復反射測定光の干渉波形)を温度測定に用いる。
例えば第2面2回反射測定光は,図2(c)に示すように測定対象物Tの両端面S,Sで2回往復反射したものであるため,この第2面2回反射測定光の干渉波形と第1面1回反射測定光の干渉波形のピーク間幅2Wは,図3(a)に示すように測定対象物T内の測定光の光路長Lの2倍である2Lに相当する。従って,温度変化前後の干渉波形のピーク間幅2W,2W′を測定して,この場合の測定光の測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数である2で,測定したピーク間幅2W,2W′を割算することにより,測定対象物Tの測定光の光路長L,L′を求めることができる。このため,第2面2回反射測定光の干渉波形を用いた場合の上記ピーク間幅の変化量(2W′−2W)は,第2面1回反射測定光の干渉波形を用いた場合の2倍の2tとなるので,測定精度を向上させることができる。
また,第2面3回反射測定光は,図2(d)に示すように測定対象物Tの両端面S,Sで3回往復反射したものであるため,この第2面3回反射測定光の干渉波形と第1面1回反射測定光の干渉波形のピーク間幅3Wは,図3(a)に示すように測定対象物Tの測定光の光路長Lの3倍である3Lに相当する。従って,温度変化前後の干渉波形のピーク間幅3W,3W′を測定して,この場合の測定光の測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数である3で,測定したピーク間幅3W,3W′を割算することにより,測定対象物T内の測定光の光路長L,L′を求めることができる。このため,第2面3回反射測定光の干渉波形を用いた場合の上記ピーク間幅の変化量(3W′−3W)は,第2面1回反射測定光の干渉波形を用いた場合の3倍の3tとなるので,第2面2回反射測定光の干渉波形を用いた場合よりもさらに測定精度を向上させることができる。
このように,例えば測定対象物Tの第1面Sを1回反射する測定光の干渉波形を基準とし,測定対象物Tの第2面Sを1回反射する測定光の干渉波形の代りに,測定対象物Tの両端面S,Sで2回以上往復反射する測定光の干渉波形を選択し,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅を測定するようにすれば,測定する各干渉波形のピーク間幅を長くとることができるので,その変化量も大きくなるため,各干渉波形のピーク間幅の測定精度を向上させることができる。しかも,測定対象物Tの各面S,Sを反射する回数が多いほど測定する各干渉波形のピーク間幅も長くとることができるので,各干渉波形のピーク間幅の測定精度も向上させることができる。ひいては測定対象物Tの温度測定精度を向上させることができる。
(第2実施形態にかかる温度測定システム)
次に,第2実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムについて図面を参照しながら説明する。第2実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムは,第1実施形態にかかる温度測定装置を基板処理装置に適用した場合の具体例である。図5は,第2実施形態にかかる温度測定システムの概略構成を示す図である。ここでは,例えばプラズマエッチング装置などの基板処理装置における温度測定対象物Tの例としてウエハTwの温度測定に適用する場合を例に挙げて説明する。
図5に示す温度測定システムは,大別すると,温度測定装置200,基板処理装置300,制御装置400から構成される。図5に示す温度測定装置200は,図1に示す光源110を低コヒーレンス光源例えば低コヒーレンス性を有する光を照射するSLD210により構成し,光源110からの光を測定光と参照光にスプリットするスプリッタ120を例えば2×2の光ファイバカプラ220により構成し,受光手段150を例えばGeフォトダイオードなどを用いたPD250により構成し,参照光反射手段140は例えば参照ミラー240により構成し,駆動手段142は例えば参照ミラー240を駆動するステッピングモータ242により構成したものである。
測定光の元になるSLD210などの光源110としては,測定対象物であるウエハTwの両端面S,Sを透過し反射する光であって,ウエハTwの両端面S,Sで少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射可能なものを使用する。例えばウエハTwはシリコンで形成されるので,シリコンやシリコン酸化膜などのシリコン材を透過可能な1.0〜2.5μmの波長を有する光を照射可能なものを光源110として使用することが好ましい。
基板処理装置300は,図5に示すように,例えばウエハTwに対してエッチング処理や成膜処理などの所定の処理を施す処理室310を備える。処理室310の内部には,上部電極350と,この上部電極350に対向する下部電極340とが配設されている。下部電極340は,ウエハTwを載置する載置台を兼ねている。下部電極340の上部には例えばウエハTwを静電吸着する静電チャック(図示しない)が設けられている。また,下部電極340には,冷却手段が設けられている。この冷却手段は,例えば下部電極340に冷媒流路は略環状に形成される冷媒流路342に冷媒を循環させて下部電極340の温度を制御することにより,ウエハTwの温度を制御するものである。ウエハTwは例えば処理室310の側面に設けられたゲートバルブ(図示しない)から処理室310内に搬入される。これら下部電極340,上部電極350にはそれぞれ所定の高周波電力を印加する高周波電源320,330が接続されている。
上部電極350は,その最下部に位置する電極板351を電極支持体352で支持するように構成されている。電極板351は例えばシリコン材(シリコン,シリコン酸化物など)で形成され,電極支持体352は例えばアルミ材で形成される。上部電極350の上部には,所定の処理ガスが導入される導入管(図示しない)が設けられている。この導入管から導入された処理ガスが下部電極340に載置されたウエハTwに向けて均一に吐出するように,電極板351には多数の吐出孔(図示しない)が穿設されている。
上部電極350は,冷却手段が設けられている。この冷却手段は,例えば上部電極350の電極支持体352内に形成される冷媒流路に冷媒を循環させることにより,上部電極350の温度を制御するものである。冷媒流路は略環状に形成されており,例えば上部電極350の面内のうち外側を冷却するための外側冷媒流路353と,内側を冷却するための内側冷媒流路354の2系統に分けて形成される。これら外側冷媒流路353及び内側冷媒流路354はそれぞれ,図5に示す矢印で示すように冷媒が供給管から供給され,各冷媒流路353,354を流通して排出管から排出されて,外部の冷凍機(図示せず)へと戻り,循環するように構成されている。これら2系統の冷媒流路には同じ冷媒を循環させてもよく,また異なる冷媒を循環させてもよい。なお,上部電極350の冷却手段としては,図5に示す2系統の冷媒流路を備えるものに限られず,例えば1系統のみの冷媒流路を備えるものであってもよく,また1系統で2分岐する冷媒流路を備えるものであってもよい。
電極支持体352は,外側冷媒流路353が設けられる外側部位と,内側冷媒流路354が設けられる内側部位との間に,低熱伝達層356が設けられている。これにより,電極支持体352の外側部位と内側部位との間は低熱伝達層356の作用により熱が伝わり難いため,外側冷媒流路353と内側冷媒流路354との冷媒制御によって,外側部位と内側部位とが異なる温度になるように制御することも可能である。こうして,上部電極350の面内温度を効率よく的確に制御することが可能となる。
このような基板処理装置300では,ウエハTwは例えば搬送アームなどによりゲートバルブを介して搬入される。処理室310に搬入されたウエハTwは,下部電極340上に載置され,上部電極350と下部電極340には高周波電力が印加されるとともに,上部電極350から処理室310内へ所定の処理ガスが導入される。これにより,上部電極350から導入された処理ガスはプラズマ化され,ウエハTwの表面に例えばエッチング処理などが施される。
上記温度測定装置200における光ファイバカプラ220からの参照光は,参照光伝送手段例えばコリメータ付光ファイバFを介して参照ミラー240へ照射する参照光照射位置まで伝送されるようになっている。また上記光ファイバカプラ220からの測定光は測定光伝送手段例えばコリメータ付光ファイバFを介して,下部電極340から測定対象物であるウエハTwへ向けて照射する測定光照射位置まで伝送されるようになっている。具体的には,コリメータ付光ファイバFは下部電極340の例えば中央部に形成された貫通孔344を介して,測定光がウエハTwへ向けて照射されるように配設される。なお,コリメータ付光ファイバFを配設するウエハTwの面内方向の位置としては,測定光がウエハTwへ照射される位置であれば,図5に示すようなウエハTwの中央部でなくてもよい。例えば測定光がウエハTwの端部へ照射されるようにコリメータ付光ファイバFを配設してもよい。
上記制御装置400は,温度測定装置200及び基板処理装置300の各部を制御するものである。制御装置400は,その本体を構成するCPU(中央処理装置)410,参照ミラー240を駆動するステッピングモータ242をモータドライバ420を介して制御するモータコントローラ430,CPU410が各部を制御するためのプログラムデータ等を記憶したROM(リード・オンリ・メモリ)やCPU410が行う各種データ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等を構成するメモリ440,バッファ450を介して入力されるPD250からの出力信号(測定光を照射して得られた光の干渉の測定結果)やモータコントローラ430から出力される制御信号(例えば駆動パルス)をアナログデジタル変換して入力するA/D変換器460,基板処理装置300の各部を制御する各種コントローラ470を備える。制御装置400は,モータコントローラ430から出力するステッピングモータ242の制御信号(例えば駆動パルス)に基づいて,参照ミラー240の移動位置や移動距離を測定してもよく,参照ミラー240にリニアエンコーダを取付けて,このリニアエンコーダからの出力信号に基づいて参照ミラー240の移動位置や移動距離を測定してもよい。また,モータ242としてはステッピングモータに限られず,ボイスコイルモータなどを用いてもよい。
制御装置400は,参照ミラー240を移動制御することによりPD250から得られる参照光と測定光と光の干渉から温度測定に用いる基準干渉波形と選択干渉波形を決定し,これら基準干渉波形と選択干渉波形に基づいてウエハTwの光路長Lを測定し,その測定結果から上述したような温度換算方法に従ってウエハTwの温度を求める。具体的には例えば予めメモリ440に記憶された上述の温度換算用基準データなどに基づいてウエハTwの測定光の光路長Lを温度に換算する。この点で,制御装置400は,測定手段を構成する。
次に,図5に示す温度測定システムにより得られる測定光と参照光との光の干渉の具体例を図6に示す。図6は,ウエハTwで反射した図2に示すような各測定光と,参照光反射手段140で反射した参照光との干渉波形を示したものである。図6において縦軸は干渉強度,縦軸は参照ミラーの移動距離をとっている。
図6によれば,参照ミラー240を一方向へ走査していくと,先ずウエハTwの裏面を構成する第1面Sで反射した測定光と参照光との干渉波形(第1面1回反射測定光又は0回往復反射測定光の干渉波形)ya0が現れ,次いでウエハTwの表面を構成する第2面Sで反射して,ウエハTwの両端面(第1面Sと第2面S)で1回往復反射した測定光と参照光との干渉波形(第2面1回反射測定光又は1回往復反射測定光の干渉波形)ya1が現れる。参照ミラー240をさらに走査していくと,ウエハTwの両端面S,Sで2回往復反射した測定光と参照光との干渉波形(第2面2回反射測定光又は2回往復反射測定光の干渉波形)ya2が現れ,次いでウエハTwの両端面S,Sで3回往復反射した測定光と参照光との干渉波形(第2面3回反射測定光又は3回往復反射測定光の干渉波形)ya3が現れる。
これらの干渉波形のうち,例えば第1面1回反射測定光の干渉波形ya0を基準とすれば,この基準干渉波形ya0と他の干渉波形ya1〜ya3とのピーク間幅Lw,2Lw,3Lwはそれぞれ,ウエハTwの厚さを構成する各面S,Sの間の測定光の光路長(ウエハTwの光路長)の1倍,2倍,3倍,すなわちL,2L,3Lに相当する。従って,他の干渉波形ya1〜ya3のどの干渉波形を選択して,その選択干渉波形と基準干渉波形ya0とのピーク間幅を測定しても,ウエハTwの光路長Lを求めることができる。ここでいう基準干渉波形とは測定対象物例えばウエハTwの光路長Lを求めるために基準とする干渉波形である。また,選択干渉波形とは基準干渉波形とのピーク間幅からウエハTwの光路長Lを求めるために選択された干渉波形をいう。
このような図6に示す干渉波形を利用して温度測定を行ってその温度測定誤差を算出した実験結果を図7に示す。具体的には,ウエハTwが40℃のときに得られた測定光と参照光との干渉波形のうち,干渉波形ya0を基準干渉波形とし,他の干渉波形ya1〜ya3をそれぞれ選択干渉波形として,基準干渉波形ya0と各選択干渉波形ya1〜ya3とのピーク間幅を測定し,測定した各ピーク間幅Lw,2Lw,3LwからそれぞれウエハTwの光路長Lを求めてこれを温度に換算する一連の温度測定処理をそれぞれ50回ずつ実行し,各選択干渉波形ya1〜ya3を用いて温度測定を行った場合の温度測定誤差の平均を求めてプロットしたものである。
図7では,横軸に各選択干渉波形ya1〜ya3についての測定光の往復反射回数をとり,横軸に温度測定誤差をとっている。また,図7に示す温度測定誤差は,各選択干渉波形ya1〜ya3を用いて得られた50回分の温度データの標準偏差をσとした場合の3σを求めた値である。従って,温度測定誤差の指標とした3σの値が大きいほど,実際の40℃からのばらつきが大きく,温度測定誤差も大きいことを示す。図7に示すPは干渉波形ya1を選択干渉波形として温度測定を行った場合の温度測定誤差であり,Pは干渉波形ya2を選択干渉波形として温度測定を行った場合の温度測定誤差であり,Pは干渉波形ya3を選択干渉波形として温度測定を行った場合の温度測定誤差である。
図7に示す実験結果によれば,干渉波形ya2を選択干渉波形とした場合(P)の方が,干渉波形ya1を選択干渉波形とした場合(P)よりも,温度測定誤差が小さくなっていることがわかる。従って,基準干渉波形ya0とのピーク間幅が長くなるように選択干渉波形を選択した方が,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅の測定精度を向上させることができる。
基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅は,ウエハTwの両端面で往復反射する回数が多い測定光の干渉波形を選択干渉波形として選択するほど,長くとることができるので,このピーク間幅の測定精度も向上させることができるものと考えられる。
ところが,実際に温度測定を行った場合の実験結果では例えば図7に示すように,干渉波形ya3を選択干渉波形とした場合(P)については,干渉波形ya2を選択干渉波形とした場合よりも基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅を長くとれるはずなのに,干渉波形ya2を選択干渉波形とした場合(P)よりも温度測定誤差が大きくなり,かえって温度測定精度が悪化していることがわかる。
これはウエハTwの両端面で往復反射する回数が多い測定光の干渉波形ほど,例えばノイズに対する光強度(S/N比)の低下などにより,その波形の形が崩れる(歪む)ため,その干渉波形のピーク位置の測定誤差が生じ易いからである。従って,このような干渉波形を選択して基準干渉波形とのピーク間幅を測定すれば,選択干渉波形のピーク位置の測定誤差の分だけ,その選択干渉波形と基準干渉波形とのピーク間幅にも測定誤差が生じてしまうという問題がある。なお,ここでいうノイズとは,例えば電子回路から発生するノイズや上部電極350に高周波電力を印加する際の周囲の電磁波環境によるノイズなどが考えられる。
(干渉波形のピーク位置の測定誤差)
ここで,上述したような干渉波形のピーク位置の測定誤差について図面を参照しながらさらに詳細に説明する。図8は,1つの干渉波形を参照ミラーの移動距離のレンジを広げて拡大して示した実測波形yと,この実測波形yに所定の加工処理を施した加工波形yとの具体例を示した図である。図8の横軸には参照ミラー移動距離をとり,縦軸の一方には実測波形のPD250からの出力電圧(V)をとり,縦軸の他方にはガウス分布(正規分布)のレンジをとっている。
図8の実測波形yに示すように,各干渉波形の実測波形はそれぞれ波連と呼ばれる大きな山により構成される。波連は複数の繰返し波形により構成されており,各干渉波形の波連は相互に独立した位相と振幅を持っている。
このような実測波形yに対してそのピーク位置を求め易くするために所定の加工処理を施す。例えば干渉波形の実測波形yの波形データからオフセットを差引き,これを2乗することによって負の部分を正の部分へ折返す処理を行う。すると,図8に示す加工波形yのようになる。
こうして得られた干渉波形の加工波形yの波連全体を曲線近似する。このような波連の近似曲線としては,ガウス分布曲線(正規分布曲線)が挙げられる。干渉波形の加工波形yの波連全体をガウス分布曲線で近似する場合には,加工波形yの波形データ全体に対して例えば最小2乗法によりガウス分布(正規分布)を求める。こうして得られたガウス分布曲線yを干渉波形の加工波形yに重ねると図8に示すようになる。なお,干渉波形の加工波形yの波連全体を近似する近似曲線は,上述したようなガウス分布曲線に限られるものではない。
このように干渉波形の加工波形yの波連全体をガウス分布曲線yに近似して,そのガウス分布曲線yの中心値(ピーク位置)を求め,これをその干渉波形のピーク位置とする。この場合,例えば干渉波形の加工波形yが崩れていると,その加工波形yとガウス分布曲線yにずれが生じるので,加工波形yとガウス分布曲線yとのピーク位置にもずれが生じ,結果として干渉波形のピーク位置の測定に誤差が生じる可能性が高い。
このような干渉波形の加工波形yとガウス分布曲線yとのずれについて,図6に示すような干渉波形を例に挙げてより具体的に説明する。図6に示す各干渉波形ya0〜ya3に対して上述したような加工処理を施した場合の加工波形yb0〜yb3を図9〜図12に示す。図9〜図12は,横軸に参照ミラー移動距離をとり,縦軸に加工波形の振幅をとっている。図9〜図12では,干渉波形の加工波形yb0〜yb3の崩れ度合が分りやすいように,干渉波形の干渉強度が低いほど横軸の振幅のレンジも大きくとっている。図9〜図12によれば,干渉波形の加工波形yb0〜yb3はガウス分布曲線yc0〜yc3と比較すると,干渉波形の加工波形yb0,yb1,yb2,yb3の順に,すなわちウエハTwの両端面S,Sで往復反射する回数が多い測定光の干渉波形ほど,その波形の形が崩れ,近似するガウス分布曲線yc0〜yc3からのずれも大きくなっていることがわかる。
(干渉波形の崩れ度合の判定方法とこれを利用した干渉波形の選択)
次に,図9〜図12に示す干渉波形の加工波形yb0〜yb3とガウス分布曲線yc0〜yc3とのずれの度合を,干渉波形の加工波形yb0〜yb3の崩れ度合として定量化し,これを判定する方法を説明する。ここでは,干渉波形の加工波形yb0〜yb3の崩れ度合を定量化するため,例えば干渉波形の加工波形の波形データからこの干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づいて干渉波形を例えば包絡線などにより曲線近似し,この包絡線と,上記ガウス分布曲線とのずれの度合を算出する。なお,干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づく干渉波形の近似曲線は,上述したような包絡線に限られるものではない。例えば干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形を積分して得られる値を滑らかに繋げた曲線を干渉波形の近似曲線としてもよい。
ここで,図9〜図12に示す各干渉波形の加工波形yb0〜yb3を近似した包絡線yd0〜yd3とガウス分布曲線yc0〜yc3とを重ねたものをそれぞれ図13〜図16に示す。図13〜図16ではそれぞれ,干渉波形の包絡線yd0〜yd3を実線で表し,近似するガウス分布曲線yc0〜yc3を点線で表している。
図13〜図16によれば,包絡線yd0,yd1,yd2,yd3の順にそのピーク部分が崩れていき,包絡線とガウス分布曲線とがずれることがよくわかる。これは,ウエハTwの両端面S,Sで往復反射する回数が多い測定光の干渉波形の包絡線ほど,その包絡線とガウス分布曲線とがずれるので,包絡線とガウス分布曲線のピーク位置もずれることを示している。
このような干渉波形の加工波形yとガウス分布曲線yとのずれの度合は,例えば次のような指標により定量化することができる。参照ミラー移動距離のある位置mにおける干渉波形の包絡線yの波形データをV(m)とし,同じ位置mにおけるガウス分布曲線yの強度をG(m)とし,ガウス分布曲線yのピーク位置における強度(ピーク強度)をGpとする。上記G(m)−V(m)の絶対値をとって,これをガウス分布曲線yのピーク強度Gpで割算して得られる値をk(m)とする。
こうして得られるk(m)を,干渉波形の加工波形yをガウス分布曲線yと近似する参照ミラー移動距離の範囲におけるすべての加工波形yの波形データについて求め,その全体の平均値KAVEを干渉波形の崩れ度合の指標Kとする。
このような干渉波形の崩れ度合の指標Kについては,その値が大きいほど干渉波形の包絡線yとガウス分布曲線yとのずれの度合が大きくなり,干渉波形の崩れ度合も大きくなる。このため,例えば図13〜図16に示す各干渉波形について上記干渉波形の崩れ度合の指標Kを求めれば,干渉波形の崩れ度合を定量的に判断することができる。
ここで,図13〜図16に示す各干渉波形ya0〜ya3の包絡線yd0〜yd3について上記崩れ度合の指標Kを求めた結果を図17に示す。図17では,横軸に温度測定に用いた干渉波形ya1〜ya3についての測定光の往復反射回数をとり,横軸に干渉波形の崩れ度合の指標Kをとっている。図17に示すK〜Kはそれぞれ,第1面1回反射測定光の干渉波形ya0,第2面1回反射測定光の干渉波形ya1,第2面2回反射測定光の干渉波形ya2,第2面3回反射測定光の干渉波形ya3の崩れ度合の指標である。
図17に示す実験結果によれば,干渉波形の崩れ度合の指標K〜Kまでは,ほぼ同様の低い値を示しており,干渉波形の崩れ度合の指標Kで大きくなる。すなわち,第1面1回反射測定光の干渉波形ya0,第2面1回反射測定光の干渉波形ya1,第2面2回反射測定光の干渉波形ya2までは,干渉波形とガウス分布とのずれも少なく,干渉波形の崩れはほとんど生じていないため,干渉波形のピーク位置の測定誤差も小さいことがわかる。これに対して,第2面3回反射測定光の干渉波形ya3については,干渉波形とガウス分布とのずれが大きく,干渉波形の崩れが生じて,干渉波形のピーク位置の測定誤差も大きいことがわかる。
このように,ウエハTwの両端面S,Sを往復反射する回数が多い測定光の干渉波形を選択干渉波形として選択するほど,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅を長くとることができる一方,そのような選択干渉波形の崩れも大きくなって選択干渉波形のピーク位置の測定誤差も大きくなってしまう。従って,基準干渉波形とのピーク間幅を測定するために選択する干渉波形は,その干渉波形の崩れ度合に応じて決定することが好ましい。
この点,上述したような干渉波形の崩れ度合の指標Kを用いれば,干渉波形の崩れ度合が温度精度に影響するほど大きくならない範囲(例えば干渉波形の崩れ度合が干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させない範囲)で,基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅をより長くとることができる干渉波形を容易に選択することができる。例えば図17に示す場合には,干渉波形の崩れ度合Kが所定値(例えば0.04)を超えない範囲で,最も往復反射回数の大きい干渉波形,すなわち干渉波形の崩れ度合の指標がKである第2面2回反射測定光の干渉波形ya2を選択干渉波形として選択する。こうして選択した選択干渉波形ya2と基準干渉波形ya0との波形をガウス分布曲線に近似してピーク位置を求め,これらのピーク位置の幅であるピーク間幅を測定することより,基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅の測定精度を的確に向上させることができる。
なお,以上説明したような干渉波形のピーク位置の算出,干渉波形のピーク間幅の測定,干渉波形の崩れ度合の指標Kの算出,温度測定に用いる干渉波形の選択などの各処理は,制御装置400のCPU410がプログラムに基づいて実行することができる。
以上説明したような第2実施形態にかかる温度測定システムによれば,ウエハTwの一方側から測定光を照射することにより,ウエハTwから反射して戻ってくる測定光と参照光との複数の干渉波形(光の干渉)をPD250で受光する。これらの干渉波形のうちの1つ例えばウエハTwの第1面Sで反射する測定光の干渉波形を基準干渉波形とし,ウエハTwの両端面S,Sで2回以上往復反射する測定光を選択干渉波形として,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅を求めることにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅を長くとることができるので,測定対象の温度変化による上記ピーク間幅の変化量も大きくすることができる。これにより,各干渉波形のピーク間幅の測定精度を向上させることができる。
特に厚みが薄く測定対象の両端面間における測定光の光路長が短い場合(例えば厚さの薄い半導体ウエハなどを測定対象とする場合)には,基準干渉波形と選択干渉波形との幅を長くとることにより,これら干渉波形のピーク間幅の測定精度を大幅に向上させることができる。これにより,測定対象の両端面間における測定光の光路長の測定精度も向上させることができるので,ひいては温度又は厚さの測定精度も向上させることができる。
また,上記選択干渉波形は,干渉波形の崩れ度合の指標Kに基づいて選択することにより,干渉波形の崩れ度合が干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させない範囲で,基準干渉波形と選択干渉波形との幅をより長くとることができる干渉波形を容易に選択することができる。
なお,上記基準干渉波形は,測定対象物例えばウエハTwの第1面Sで反射する測定光の干渉波形を基準とした場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,PD250で測定される複数の干渉波形のどれを基準としてもよい。このような場合も,基準干渉波形の測定光よりもウエハTwの両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形とすることにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅はウエハTwの両端面間における測定光の光路長の2倍以上長くとることができる。これにより,干渉波形のピーク間幅の測定精度を向上させることができるからである。
(第3実施形態にかかる温度測定装置)
次に,第3実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムについて図面を参照しながら説明する。第3実施形態にかかる温度測定システムは,第2実施形態にかかる温度測定システムを改良し,参照ミラーの移動距離をより短くできるように構成したものである。
上述したように,第2実施形態にかかる温度測定システムは,基準干渉波形の測定光よりも測定対象物Tであるウエハwの両端面を2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形とし,その選択干渉波形と基準干渉波形のピーク間幅に基づいてウエハTwの光路長Lを求めるものである。
ところが,ウエハwの両端面を2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択するほど,その選択干渉波形と基準干渉波形のピーク間幅も長くなるので,その分だけ参照ミラー240の移動距離も長くしなければならない。参照ミラー240の移動距離が長いと,その分だけ温度測定にも時間がかかるので,参照ミラー240の移動距離はできる限り短い方がよい。
第3実施形態にかかる温度測定システムは,この点を踏まえて改良したものである。改良点としては,例えば測定光伝送手段を構成する測定光の光路の途中に,この測定光の光路に並列して接続した迂回光路を設けた点である。これにより,この迂回光路を通る測定光と通らない測定光の両方が測定対象物へ向けて照射されるため,測定光と参照光との複数の干渉波形が属する光の干渉の種類(パターン)を増やすことができる。これにより,例えば測定対象物Tの両端面で同じ回数だけ往復反射する測定光の干渉波形についても,迂回光路を介さない光路を通るものと,少なくとも一度は前記迂回光路を介する光路を通るものとを測定することができる。
従って,迂回光路の光路長を調整してそれぞれの光の干渉のずれ量を調整することにより,上記のように測定される干渉波形のうち,いずれか一方の光路を通る光の干渉に属する干渉波形から選択された基準干渉波形と,他方の光路を通る光の干渉に属する干渉波形から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれら基準干渉波形と選択干渉波形とが測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば足りる。これにより,参照ミラー240の移動距離を短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
このような第3実施形態にかかる温度測定システムの具体的な構成例を図18に示す。図18に示す温度測定システムにおける測定光伝送手段は,光ファイバカプラ220からの測定光の光路の途中に,迂回光路を構成する光ファイバeを並列接続するための迂回光路接続用スプリッタ例えば2×2の光ファイバカプラ230を備える。なお,光ファイバカプラ230は光ファイバカプラ220と同様の構成である。
光ファイバカプラ230の一方の入力端子(入力ポート)には,光ファイバカプラ220からの一方の出力端子(出力ポート)が光ファイバbを介して接続されている。光ファイバカプラ230の一方の出力端子(出力ポート)には,光ファイバbの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFが接続されている。また,光ファイバカプラ230の他方の入力端子(入力ポート)と他方の出力端子(出力ポート)とは迂回光路を構成する光ファイバeを接続してループを形成する。
図18に示すような構成の測定光伝送手段によれば,光ファイバカプラ220からの一方の出力端子(出力ポート)から出射した測定光は,光ファイバカプラ230によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの測定光は光ファイバbを通ってコリメータ付光ファイバFの先端からウエハTwへ向けて照射される。
また,光ファイバカプラ230の他方の出力端子(出力ポート)からの測定光は光ファイバeを介して光ファイバカプラ230の他方の入力端子(入力ポート)へ戻され,さらに光ファイバカプラ230によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの測定光は光ファイバbを通ってコリメータ付光ファイバFの先端からウエハTwへ向けて照射される。
このように,測定光伝送手段を構成する測定光の光路の途中に,並列して接続した迂回光路を設けることにより,SLD210からスプリットされた測定光は,コリメータ付光ファイバFからウエハTwへ向けて照射される往路のみならず,ウエハTwから反射した測定光がコリメータ付光ファイバFを介して受光される復路についても,光ファイバカプラ230内の光路Uを介する経路を通ったり,光ファイバeによる迂回光路Uを介する経路を通ったりするので,測定光の光路の種類(パターン)が増える。これにより,測定光と参照光との複数の干渉波形が属する光の干渉の種類(パターン)も増える。
ここで,このような測定光の光路について図面を参照しながら説明する。図19は,測定光の光路の種類(パターン)とそのときの測定光の経路との関係を示したものである。測定光の経路としては,光ファイバカプラ220から出力されウエハTwへ照射されるまでの往路と,ウエハTwから反射して測定光が光ファイバカプラ220へ入力されるまでの復路がある。
図18に示すような迂回光路を形成した場合における測定光の光路の種類(パターン)は,上記往路と復路との組合せで,図19に示すような光路A〜光路Dまでの4通りがある。光路Aは,測定光が往路と復路ともに光路Uを介する経路を通った場合であり,光路長が最も短くなる光路である。光路Bは,測定光が往路は光路Uを介する経路を通り,復路は迂回光路Uを介する経路を通った場合である。光路Cは,測定光が往路は迂回光路Uを介する経路を通り,復路は光路Uを介する経路を通った場合であり,光路長としては光路Bと同じ長さになる。光路Dは,測定光が往路と復路ともに迂回光路Uを介する経路を通った場合であり,光路長が最も長くなる光路である。
ここで,各光路A〜Dを通った測定光と参照光との光の干渉を図20に示す。図20は,参照ミラーを一方向へ一度だけ走査した場合に得られる干渉波形を示したものである。横軸には参照ミラーの移動距離をとり,縦軸には干渉強度をとっている。なお,図20では光路A〜Dによる光の干渉が区別し易いようにそれぞれを上下にずらしているが,実際には最も下段に示すように光路A〜Dによる光の干渉の波形がすべて合成された合成波形がPD250により受光される。
図20に示すように,上記光路A〜Dによる光の干渉はともに図6に示す場合と同様に,第1面1回反射測定光の干渉波形ya0,第2面1回反射測定光の干渉波形ya1,第2面2回反射測定光の干渉波形ya2,第2面3回反射測定光の干渉波形ya3がそれぞれ等間隔で現れる。このため,実際に得られる光の干渉は各光路A〜Dによる光の干渉の合成となることから,各光の干渉の合成波形にはウエハTwの光路長Lを求めるための基準干渉波形(例えばya0)と選択干渉波形(例えばya2)についても複数現れることになる。
さらに,光路A〜Dは光路長が異なるので,光路A〜Dによる光の干渉はそれぞれ光路A〜Dの光路長に応じたずれが生じる。例えば光路Aによる光の干渉についての干渉波形ya0のピークが現れてから参照ミラー240が距離Mだけ移動したところで,光路B及び光路Cによる光の干渉についての干渉波形ya0のピークが現れる。また光路Aによる光の干渉についての干渉波形ya0のピークが現れてから参照ミラー240が距離Mだけ移動したところで光路Dについての干渉波形ya0のピークが現れる。これは光路Aの光路長は最も短いので,光路Aによる光の干渉についての最初の干渉波形ya0が現れるのが最も早いのに対して,光路B,C,Dの光路長は光路Aよりも長いので,これらの光の干渉はその光路長の長さの違いの分だけずれて最初の干渉波形ya0が現れるからである。なお,光路Bと光路Cの光路長は同じなので,これらの光の干渉についての最初の干渉波形ya0は同時に現れる。
しかも,このような光路A〜Dによる光の干渉のずれ量は,測定光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバeの長さなど)を調整して光路A〜Dの光路長を調整することにより,調整可能である。従って,測定光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバeの長さなど)を調整することにより,ある光路による光の干渉に属する基準干渉波形と,別の光路による光の干渉に属する選択干渉波形とが近傍に現れるようにすることができる。例えば干渉波形ya0を基準干渉波形とし,干渉波形ya2を選択干渉波形とした場合,図20に示す各光の干渉の合成波形において光路Aによる光の干渉に属する選択干渉波形ya2の近傍で,別の光路Bによる光の干渉に属する基準干渉波形ya0が現れるようにすることもできる。
このような異なる光の干渉にそれぞれ属する基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅(例えばM)に,各光路による光の干渉に属する基準干渉波形のずれ量(例えばM)を加えたものが,1種類の光路による光の干渉に属する基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅(例えば2Lw)に相当する。
しかも,ウエハTwの温度が変化した場合に基準干渉波形の位置が変化しなければ,各光の干渉に属する基準干渉波形のずれ量Mは各光の干渉のずれ量(例えばM)に相当し,このずれ量MはウエハTwの温度変化前後で一定となる。一方,選択干渉波形は,ウエハTwの温度が変化した場合に干渉波形の位置が変化するので,異なる光の干渉にそれぞれ属する基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅(例えばM)は温度変化前後で変化する。
従って,本実施形態おける温度測定システムによれば,予め各光の干渉に属する基準干渉波形のずれ量Mを測定しておき,実際にウエハTwの温度を測定する際には,図20に示すような各光の干渉の合成波形で最も近傍に現れる基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅Mを測定するだけで,1種類の光路による光の干渉に属する基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅(例えば2Lw)を算出することができる。そして,このピーク間幅に基づいてウエハTwの光路長Lを求めて温度に換算することによって,ウエハTwの温度を測定することができる。
このため,各光の干渉の合成波形において最も近傍に現れる基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅(例えばM)を測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば,ウエハTwの温度を測定することができる。これにより,1種類の光路による光の干渉に属する基準干渉波形と選択干渉波形のピーク間幅を測定するために参照ミラーを移動させる距離よりも短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
なお,上記各光の干渉の基準干渉波形のずれ量Mは,例えばウエハTwの温度測定を行うのに先立って測定して,例えば制御装置400のメモリ440に記憶しておき,実際にウエハTwの温度計測を行う際に取出して利用する。
また,本実施形態にかかる基準干渉波形としては,上記各光の干渉の基準干渉波形のずれ量Mが測定対象物TであるウエハTwの温度変化によってできる限り変化しない干渉波形を基準とすることが好ましい。これにより,各光の干渉の基準干渉波形のずれ量Mを測定する頻度を少なくすることができる。例えばウエハTwの裏面を構成する第1面Sは,下部電極340に載置されているのでウエハTwの温度が変化しても,ウエハTwの裏面位置はほとんど変化しない。これに対して,ウエハTwの表面を構成する第2面Sは,空間に面しているのでウエハTwの温度変化により自由にその位置が変化する。従って,干渉波形ya0のようにウエハTwの裏面を反射する測定光の干渉波形を基準とすることが好ましい。
但し,ウエハTwの裏面から反射する干渉波形ya0を基準干渉波形とした場合であっても,例えばウエハTwの周囲温度などの環境変化により基準干渉波形の位置が変化する場合もあるので,そのような場合には異なる光路による光の干渉にそれぞれ属する基準干渉波形のずれ量Mは,ウエハTwの環境が変化するごとに測定するようにしてもよい。このようにしても,基準干渉波形のずれ量Mの測定頻度は,干渉波形のピーク間幅Mの測定頻度に比べればはるかに少ないものと考えられるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間を短縮する効果がある。
また,本実施形態における基準干渉波形としては,各光の干渉の合成波形において選択干渉波形の最も近傍に現れるものであれば,その選択干渉波形の参照ミラー移動距離前後のどちら側に現れるものを用いてもよい。
例えば図20に示すように選択干渉波形ya2の参照ミラー移動距離の後側に現れる基準干渉波形ya0を用いて各干渉波形のピーク間幅2Lwを求める場合には,その選択干渉波形ya2に最も近い基準干渉波形ya0とのピーク間幅Mを正の値として,そのピーク間幅Mに各光の干渉に属する基準干渉波形ya0のずれ量Mを加えることにより,所望のピーク間幅2Lwを求めることができる。
これに対して,図示はしないが,選択干渉波形ya2の参照ミラー移動距離の前側に現れる基準干渉波形ya0を用いて各干渉波形のピーク間幅2Lwを求める場合には,その選択干渉波形ya2に最も近い基準干渉波形ya0とのピーク間幅Mを負の値として,そのピーク間幅Mに各光の干渉に属する基準干渉波形ya0のずれ量Mを加えることにより,所望のピーク間幅2Lwを求めることができる。
(第3実施形態にかかる温度測定システムの変形例)
次に,第3実施形態にかかる温度測定システムの変形例について図面を参照しながら説明する。図21は,第3実施形態にかかる温度測定システムの変形例についての概略構成を示すブロック図である。図21に示す温度測定システムは,図18に示すものとほぼ同様であるが,図18に示すものは1つの光ファイバカプラ230により,迂回光路を構成する光ファイバeを測定光の光路に並列に接続してループを形成するのに対して,図21に示すものは迂回光路接続用スプリッタとして2つのスプリッタ(例えば1×2の光ファイバカプラ232と2×1の光ファイバカプラ234)により,測定光の光路を構成する光ファイバeと迂回光路を構成する光ファイバeとを並列に接続してループを形成する。これにより,図21に示す温度測定システムについても,図18に示すものと同様に測定光伝送手段を構成する測定光の光路の途中に並列して接続した迂回光路を設けることができる。
より具体的に説明すると,図21に示す1×2の光ファイバカプラ232の入力端子(入力ポート)には,光ファイバカプラ220からの一方の出力端子(出力ポート)が光ファイバbを介して接続されている。1×2の光ファイバカプラ232の2つの出力端子(出力ポート)にはそれぞれ,経路Uを形成する短い光ファイバeの一端とこの光ファイバeよりも長い迂回光路の経路Uを形成する光ファイバeの一端とが接続されている。これら光ファイバeの他端と光ファイバeの他端とはそれぞれ,2×1の光ファイバカプラ234の2つの入力端子(入力ポート)に接続されている。2×1の光ファイバカプラ234の出力端子(出力ポート)には光ファイバbの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFが接続されている。
図21に示すような構成の測定光伝送手段によれば,光ファイバカプラ220からの一方の出力端子(出力ポート)から出射した測定光は,光ファイバカプラ232によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの測定光は短い光ファイバeを通って光ファイバカプラ234の入力端子(入力ポート)に入射する。一方,光ファイバカプラ232の他方の出力端子(出力ポート)からの測定光は迂回光路を構成する光ファイバeを通って,光ファイバカプラ234の入力端子(入力ポート)に入射する。光ファイバカプラ234では,光ファイバe及び光ファイバeからの測定光が合波されて,コリメータ付光ファイバFの先端からウエハTwへ向けて照射される。
なお,図21に示すような構成の測定光伝送手段による測定光の光路の種類(光路A〜D)とそのときの測定光の経路との関係は図19に示すものと同様であり,測定光が各光路A〜Dを通る場合の測定光と参照光との光の干渉は図20に示すものと同様である。すなわち,図21に示す構成の温度測定システムについても,各光路A〜Dを通る場合の測定光と参照光との光の干渉のずれ量は,測定光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバeや光ファイバeの長さなど)を調整して光路A〜Dの光路長を調整することにより,調整可能である。
従って,測定光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバeや光ファイバeの長さなど)を調整することにより,異なる光路による光の干渉にそれぞれ属する選択干渉波形(例えばya2)と基準干渉波形(例えばya0)が,各光の干渉の合成波形において近傍に現れるようにすることができる。このため,本実施形態の変形例によっても,光の干渉の合成波形において最も近くに現れる基準干渉波形(例えばya0)と選択干渉波形(例えばya2)のピーク間幅(例えばM)を測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば,ウエハTwの温度を測定することができる。これにより,参照ミラーの移動距離を短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
また,先に説明した図18に示す迂回光路を構成する光ファイバeは,1つの光ファイバカプラ230の他方の入力端子(入力ポート)と他方の出力端子(出力ポート)を接続してループを形成するので,光ファイバeを曲げて配設する必要があるため,光ファイバの長さや太さによっては適さない場合もある。例えば光ファイバが短い場合や太い場合は曲げにくく,配設し難い。これに対して,図21に示す迂回光路を構成する光ファイバeは,2つの光ファイバカプラ232及び234との途中に接続するので,極端に曲げる必要がないため,光ファイバの長さや太さに拘らず配設が容易となる。
しかも,図18に示すものでは,迂回光路を構成する光ファイバeの長さを調整することにより,測定光の光路長を調整するのに対して,図21に示すものでは,迂回光路を構成する光ファイバeの長さのみならず,測定光の光路自体の長さも光ファイバeの長さにより調整することができるので,測定光の光路A〜Dの光路長の微調整も容易に行うことができる。
(第4実施形態にかかる温度測定システム)
次に,第4実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムについて図面を参照しながら説明する。第4実施形態にかかる温度測定システムは,第2実施形態にかかる温度測定システムを改良し,参照ミラーの移動距離をより短くできるように構成したものである。上述した第3実施形態では測定光の光路長を調整するのに対して,第4実施形態では参照光の光路長を調整するものである。
このような第4実施形態にかかる温度測定システムの構成例を図22に示す。図22に示す温度測定システムでは,参照ミラー240を反射面の位置が異なる第1参照ミラー244及び第2参照ミラー246により構成するものである。参照光伝送手段例えばコリメータ付光ファイバFからの参照光が第1及び第2参照ミラー244,246の両方へ照射される参照光照射位置にコリメータ付光ファイバFを配置して,各参照ミラー244,246から反射した参照光を同じコリメータ付光ファイバFで受光する。
このような構成の温度測定システムによれば,第1及び第2参照ミラー244,246をステッピングモータ242により一緒に移動することによって,SLD210からスプリットされてコリメータ付光ファイバFから照射される参照光が参照ミラー240により反射される際に,第1参照ミラー244から反射される光路Eを通る第1参照光と,第1参照ミラー246から反射される光路Fを通る第2参照光とに分けられるので,2通りの測定光と参照光との光の干渉を測定できる。
ここで,各光路E,Fを通った測定光と参照光との光の干渉を図23に示す。図23は,参照ミラー240を第1及び第2参照ミラー244,246ごと一方向へ一度だけ走査した場合に得られる干渉波形を示したものである。横軸には参照ミラーの移動距離をとり,縦軸には干渉強度をとっている。なお,図23では光路E,Fによる光の干渉が区別し易いようにそれぞれを上下にずらしているが,実際には最も下段に示すようにこれら光路E,Fによる光の干渉の波形がすべて合成された合成波形がPD250により受光される。
図23に示すように,光路E,Fによる光の干渉はともに図6に示す場合と同様に,第1面1回反射測定光の干渉波形ya0,第2面1回反射測定光の干渉波形ya1,第2面2回反射測定光の干渉波形ya2,第2面3回反射測定光の干渉波形ya3がそれぞれ等間隔で現れる。このため,実際に得られる光の干渉は各光路E,Fによる光の干渉の合成となることから,各光の干渉の合成波形にはウエハTwの光路長Lを求めるための基準干渉波形(例えばya0)と選択干渉波形(例えばya2)についても複数現れることになる。
しかも,各光路E,Fによる光の干渉のずれ量Mは,例えば各参照ミラー244,246の反射面のずれ量を調整して第1,第2参照波の光路E,Fの光路長を調整することにより,調整可能である。従って,第1,第2参照光の光路E,Fの光路長を調整することにより,いずれかの反射面から反射する参照光と測定光との干渉波形から選択された基準干渉波形と,別の反射面から反射する参照光と測定光の干渉波形から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば足りる。これにより,参照ミラー240の移動距離を短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
例えば干渉波形ya0を基準干渉波形とし,干渉波形ya2を選択干渉波形とした場合,図23に示す各光の干渉の合成波形において光路Eによる光の干渉に属する選択干渉波形ya2の近傍で,別の光路Fによる光の干渉に属する基準干渉波形ya0が現れるようにすることもできる。これらの干渉波形のピーク間幅(例えばM)を測定すれば,このピーク間幅Mに各光の干渉に属する基準干渉波形のずれ量Mを加えるだけで,1種類の光路による光の干渉に属する基準干渉波形ya0と選択干渉波形ya2とのピーク間幅2Lwを求めることができる。そして,このピーク間幅2Lwに基づいてウエハTwの光路長Lを求めて温度に換算することによって,ウエハTwの温度を測定することができる。
(第4実施形態にかかる温度測定システムの変形例)
次に,第4実施形態にかかる温度測定システムの変形例について図面を参照しながら説明する。図24は,第4実施形態にかかる温度測定システムの変形例についての概略構成を示すブロック図である。図24に示す温度測定システムは,図22に示すものとほぼ同様であるが,図22に示すものは参照ミラーの反射面をずらすことにより,第1,第2参照光の光路長を調整するのに対して,図24に示すものは例えばSLD210から光源側スプリッタ例えば2×2の光ファイバカプラ220によりスプリットされた参照光を,参照光スプリッタ例えば1×2の光ファイバカプラ222によって第1参照光と第2参照光に2分波し,第1,第2参照光を参照ミラー240に照射させてその反射光を受光するように構成して,第1,第2参照光の光路長を調整する点で相違する。
より具体的に説明すると,図24に示す1×2の光ファイバカプラ222の入力端子(入力ポート)には,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)が光ファイバcを介して接続されている。1×2の光ファイバカプラ222の2つの出力端子(出力ポート)にはそれぞれ,光ファイバcZ1の先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFZ1と,光ファイバcZ2の先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFZ2とが接続されている。
図24に示すような構成の参照光伝送手段によれば,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)から出射した測定光は,光ファイバカプラ222によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの第1参照光はコリメータ付光ファイバFZ1を介する光路Gにより参照ミラー240に向けて照射され,他方の出力端子(出力ポート)からの第2参照光はコリメータ付光ファイバFZ2を介する光路Hにより参照ミラー240に向けて照射される。
なお,図24に示すような構成の参照光伝送手段による参照光と測定光の光の干渉は図23に示すものと同様である。すなわち,図24に示す構成の温度測定システムについても,各光路E,Fによる光の干渉のずれ量M1は,例えばコリメータ付光ファイバFZ1,FZ2の光ファイバcZ1,cZ2の長さを調整して第1,第2参照波の光路E,Fの光路長を調整することにより,調整可能である。
従って,第1,第2参照光の光路長(例えば光ファイバcZ1,cZ2の長さなど)を調整することにより,参照光スプリッタ222からスプリットされた複数の参照光のうち,いずれかの参照光と測定光との干渉波形から選択された基準干渉波形と,別の参照光と測定光の干渉波形から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば足りる。これにより,参照ミラー240の移動距離を短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
(第4実施形態にかかる温度測定システムの他の変形例)
次に,第4実施形態にかかる温度測定システムの他の変形例について図面を参照しながら説明する。上述した第3実施形態では測定光伝送手段を構成する測定光の光路の途中に,この測定光の光路に並列して接続した迂回光路を設けるようにしたのに対して,第4実施形態の他の変形例では参照光伝送手段を構成する参照光の光路の途中に並列して接続した迂回光路を設けるようにしたものである。
このように構成しても,上記迂回光路を通る参照光と通らない参照光の両方が参照ミラー240へ向けて照射されるため,第3実施形態の場合と同様に測定光と参照光との光の干渉のパターンを増やすことができ,迂回光路の光路長を調整してそれぞれの光の干渉のずれ量を調整することにより,ウエハTwの温度測定に用いる基準干渉波形と選択干渉波形が近傍に現れるようにすることができる。これにより,参照ミラーの移動距離をより短くすることができる。
以下,このような第4実施形態の他の変形例にかかる温度測定システムの具体的な構成を図25又は図26に示す。図25に示す温度測定システムは,図18に示す場合と同様に迂回光路を接続する例である。すなわち,図25に示す温度測定システムにおける参照光伝送手段は,光ファイバカプラ220からの参照光の光路の途中に,迂回光路を構成する光ファイバeを並列接続するための迂回光路接続用スプリッタ例えば2×2の光ファイバカプラ230を備える。
具体的には,光ファイバカプラ230の一方の入力端子(入力ポート)には,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)が光ファイバcを介して接続されている。光ファイバカプラ230の一方の出力端子(出力ポート)には,光ファイバcの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFが接続されている。また,光ファイバカプラ230の他方の入力端子(入力ポート)と他方の出力端子(出力ポート)とは迂回光路を構成する光ファイバeを接続してループを形成する。
図25に示すような構成の参照光伝送手段によれば,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)から出射した参照光は,光ファイバカプラ230によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの参照光は光ファイバcを通ってコリメータ付光ファイバFの先端から参照ミラー240へ向けて照射される。また,光ファイバカプラ230の他方の出力端子(出力ポート)からの参照光は光ファイバeを介して光ファイバカプラ230の他方の入力端子(入力ポート)へ戻され,さらに光ファイバカプラ230によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの参照光は光ファイバcを通ってコリメータ付光ファイバFの先端から参照ミラー240へ向けて照射される。
一方,図26に示す温度測定システムは,図21に示す場合と同様に迂回光路を接続する例である。すなわち,迂回光路接続用スプリッタとして2つのスプリッタ(例えば1×2の光ファイバカプラ232と2×1の光ファイバカプラ234)により,参照光の光路を構成する光ファイバeと迂回光路を構成する光ファイバeとを並列に接続してループを形成する。これにより,図26に示す温度測定システムについても,図21に示すものと同様に参照光伝送手段を構成する参照光の光路の途中に並列して接続した迂回光路を設けることができる。
より具体的に説明すると,図26に示す1×2の光ファイバカプラ232の入力端子(入力ポート)には,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)が光ファイバcを介して接続されている。1×2の光ファイバカプラ232の2つの出力端子(出力ポート)にはそれぞれ,経路Uを形成する短い光ファイバeの一端とこの光ファイバeよりも長い迂回光路の経路Uを形成する光ファイバeの一端とが接続されている。これら光ファイバeの他端と光ファイバeの他端とはそれぞれ,2×1の光ファイバカプラ234の2つの入力端子(入力ポート)に接続されている。2×1の光ファイバカプラ234の出力端子(出力ポート)には光ファイバcの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFが接続されている。
図26に示すような構成の参照光伝送手段によれば,光ファイバカプラ220からの他方の出力端子(出力ポート)から出射した参照光は,光ファイバカプラ232によって2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち一方の出力端子(出力ポート)からの参照光は短い光ファイバeを通って光ファイバカプラ234の入力端子(入力ポート)に入射する。一方,光ファイバカプラ232の他方の出力端子(出力ポート)からの参照光は迂回光路を構成する光ファイバeを通って,光ファイバカプラ234の入力端子(入力ポート)に入射する。光ファイバカプラ234では,光ファイバe及び光ファイバeからの参照光が合波されて,コリメータ付光ファイバFの先端から参照ミラー240へ向けて照射される。
上述したような図25又は図26に示す構成の参照光伝送手段による参照光の光路の種類を光路A〜Dとすれば,これら光路A〜Dとそのときの参照光の経路との関係は図19に示すものと同様であり,参照光が各光路A〜Dを通る場合の測定光と参照光との光の干渉は図20に示すものと同様である。すなわち,図25又は図26に示す構成の温度測定システムについても,各光路A〜Dを通る場合の測定光と参照光との光の干渉のずれ量は,参照光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバe又は光ファイバe,eの長さなど)を調整して光路A〜Dの光路長を調整することにより,調整可能である。
従って,参照光の迂回光路の光路長(例えば光ファイバe又は光ファイバe,eの長さなど)を調整することにより,迂回光路を介さない光路(例えば光路A)を通る参照光と測定光の干渉波形と少なくとも一度は迂回光路(例えば光路B)を介する光路を通る参照光と測定光の干渉波形のうち,いずれか一方の光路(例えば光路B)を通る参照光と測定光の干渉波形から選択された基準干渉波形(例えばya0)と,他方の光路(例えば光路A)を通る参照光と測定光の干渉波形(例えばya2)から選択された選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるようにすることができる。このため,少なくともこれらの干渉波形が測定できる範囲だけ参照ミラー240を移動させれば足りる。これにより,参照ミラー240の移動距離を短くすることができるので,ウエハTwの温度測定にかかる時間も短縮することができる。
(第5実施形態にかかる温度測定装置)
次に,第5実施形態にかかる温度測定装置について図面を参照しながら説明する。上述した第1〜第4実施形態では,測定光を測定対象物Tの一方側から照射したときに測定対象物Tから反射する測定光を同じ側から受光するように構成したのに対して,第5実施形態では測定光を測定対象物Tの一方側から照射したときに測定対象物Tを透過する測定光を測定対象物Tの他方側から受光するように構成したものである。
このような第5実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を図27に示す。温度測定装置200は図27に示すように,光源110からの光を測定対象物Tの一方側へ向けて照射する測定光と参照光とにスプリット(分波)する光源スプリッタ510と,この光源スプリッタ510からの参照光を参照光反射手段140へ中継するとともに,参照光反射手段140から反射した参照光を受光手段150側へ中継する中継スプリッタ520と,中継スプリッタ520からの参照光と測定対象物Tを透過する測定光とを合波したものを受光手段へ出力する受光スプリッタ530とを備える。
(第5実施形態にかかる温度測定装置の動作)
このような構成の温度測定装置200においては,図1に示すように,光源110からの光は,例えば光ファイバaを介して光源スプリッタ510の入力端子(入力ポート)に入射され,光源スプリッタ510により2つの出力端子(出力ポート)へ2分波される。このうち,一方の出力端子(出力ポート)からの光は測定光として,照射測定光伝送手段例えば光ファイバbの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFb1を介して測定対象物Tの一方側へ照射される。本実施形態では,このように測定光が測定対象物Tへ照射されたときに,図28に示すように測定対象物Tから透過して他方側へ抜けてくる測定光を受光手段150で受光する。
一方,光源スプリッタ510により2分波された他方の出力端子(出力ポート)からの光は参照光として,例えば光ファイバc1を介して中継スプリッタ520の2つの入力端子(入力ポート)のうちの一方に入射され,中継スプリッタ520の出力端子(出力ポート)から出射される。中継スプリッタ520からの参照光は,参照光伝送手段例えば光ファイバcの先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFから照射され,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140によって反射される。
そして,測定対象物Tを透過した測定光は,受光測定光伝送手段例えば光ファイバb2の先端にコリメータを取付けたコリメータ付光ファイバFb2を介して受光されて受光スプリッタ530への2つの入力端子(入力ポート)のうちの一方へ入射するとともに,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140で反射した参照光もコリメータ付光ファイバFを介して受光スプリッタ530の他方の入力端子(入力ポート)に入射する。これら測定光と参照光は受光スプリッタ530で合波されて出力端子(出力ポート)から出射され,例えばSiフォトダイオード,InGaAsフォトダイオード,Geフォトダイオードなどを用いたPDで構成された受光手段150へ例えば光ファイバdを介して入射し,受光手段150で測定光と参照光との干渉波形が検出される。
(第5実施形態にかかる温度測定装置による測定光の種類)
このような温度測定装置500において,光源110からの測定光を測定対象物Tに照射した際に測定対象物Tを透過する測定光の主な種類について図面を参照しながら説明する。図28は測定光の種類を説明するための観念図であり,図28に示す矢印は測定対象物Tから透過する測定光を示している。なお,図28では測定光における測定対象物Tの両端面間での往復反射回数がわかり易いように測定光の反射位置をずらして表現しているが,実際には測定対象物Tに測定光を照射する角度に応じて反射角度も変わる。例えば測定対象物Tに対してほぼ直行するように測定光を照射すれば,各端面S,Sでの反射位置もその測定光の光軸上にほぼ重なる。
測定対象物Tから反射する測定光としては,図28(a)に示すように測定対象物T内を一度も往復反射することなく,測定対象物Tの両端面(ウエハTwの表面を構成する第1面SとウエハTwの裏面を構成する第2面S)を透過し,測定対象物T内を往方向だけ透過(0.5回往復)する測定光(両端面透過測定光又は0.5回往復反射測定光)及び図28(b)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過し,第2面Sで1回反射した後さらに第1面Sで1回反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで1.5回往復反射する測定光(第2面1回反射測定光又は1.5回往復反射測定光)がある。
その他,例えば図28(c)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過した後,第2面Sと第1面Sでそれぞれ2回ずつ反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで2.5回往復反射する測定光(第2面2回反射測定光又は2.5回往復反射測定光),図28(d)に示すように測定対象物Tの第1面Sを透過した後,第2面Sと第1面Sでそれぞれ3回ずつ反射する測定光,すなわち測定対象物Tの両端面S,Sで3.5回往復反射する測定光(第2面3回反射測定光又は3.5回往復反射測定光)などのように,測定対象物Tの各面S,Sで複数回反射することによって,測定対象物T内を複数回往復する測定光(第2面複数回反射測定光又は複数回往復反射測定光)もある。従って,受光手段150ではこれらの測定光と参照光との干渉波形がそれぞれ測定できる。
(測定光と参照光との干渉波形の具体例)
ここで,温度測定装置500により得られる測定光と参照光との光の干渉の具体例を図29に示す。図29は,測定対象物Tを透過する図28に示すような各測定光と,参照光反射手段140で反射する参照光との干渉波形を示したものである。図29において縦軸は干渉強度,縦軸は参照ミラーの移動距離をとっている。また,光源110としては,測定対象物TであるウエハTwを透過し反射可能な低コヒーレンス光源を用いる。
図29によれば,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140を一方向へ走査していくと,先ず図28(a)に示すような両端面透過測定光(0.5回往復反射測定光)と参照光との干渉波形ya0が現れ,次いで図28(b)に示すような第2面1回反射測定光(1.5回往復反射測定光)と参照光との干渉波形ya1が現れる。参照光反射手段140をさらに走査していくと,図28(c)に示すような第2面2回反射測定光(2.5回往復反射測定光)と参照光との干渉波形ya2が現れ,次いで図28(d)に示すような第2面3回反射測定光(3.5回往復反射測定光)と参照光との干渉波形ya3が現れる。その後も,参照光反射手段140をさらに走査すれば,図示はしないが第2面4回反射測定光(4.5回往復反射測定光),第2面5回反射測定光(5.5回往復反射測定光)…というように,各測定光の干渉波形が連続して等間隔で現れることになる。
図29に示すような測定光と参照光との光の干渉における各干渉波形ya0〜ya3は,図6に示すような測定光と参照光との光の干渉における各干渉波形ya0〜ya3との関係と同様になる。従って,図29に示すような測定光と参照光との光の干渉においても,測定対象物Tの光路長Lを求めるための基準干渉波形と選択干渉波形を,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅ができる限り長くなるように選択することにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅の測定精度を向上させることができる。
例えば図29に示す干渉波形ya0を基準干渉波形とするとともに干渉波形ya2を選択干渉波形とすることにより,干渉波形ya0を基準干渉波形とするとともに干渉波形ya1を選択干渉波形とした場合に比して,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅が長くなるため,その測定精度も向上させることができる。こうして得られた基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅に基づいて測定対象物T例えばウエハTwの光路長Lを求めることができるので,上述したのと同様の方法で温度に換算することができる。
なお,図29に示す各干渉波形についても,上述したような干渉波形の崩れ度合の指標Kに基づいて選択干渉波形を選択することにより,干渉波形の崩れ度合が干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させない範囲で,基準干渉波形と選択干渉波形との幅をより長くとることができる干渉波形を容易に選択することができる。
(第6実施形態にかかる温度測定システム)
次に,第6実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムについて図面を参照しながら説明する。第6実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムは,第5実施形態にかかる温度測定装置を基板処理装置に適用した場合の具体例である。図30は,第6実施形態にかかる温度測定システムの概略構成を示す図である。ここでは,例えばプラズマエッチング装置などの基板処理装置における温度測定対象物Tの例としてウエハTwの温度測定に適用する場合を例に挙げて説明する。
図30に示す温度測定システムは,大別すると,温度測定装置600,基板処理装置300,制御装置400から構成される。図30に示す温度測定装置600は,図27に示す光源110を低コヒーレンス光源例えば低コヒーレンス性を有する光を照射するSLD210により構成し,受光手段150を例えばGeフォトダイオードなどを用いたPD250により構成し,参照光反射手段140は例えば参照ミラー240により構成し,駆動手段142は例えば参照ミラー240を駆動するステッピングモータ242により構成し,さらに光源スプリッタ510,中継スプリッタ520,受光スプリッタ530をそれぞれ例えば1×2の光ファイバカプラ610,2×1の光ファイバカプラ620,1×2の光ファイバカプラ630で構成したものである。
図30に示す基板処理装置300,制御装置400の構成は図5に示すものとほぼ同様であるが,図5に示す基板処理装置300ではウエハTwの裏面側へ測定光を照射して反射する光を受光するためのコリメータ付光ファイバFを下部電極340に配置するのに対して,図30に示す基板処理装置300ではウエハTwの表面を構成する第1面Sへ測定光を照射するためのコリメータ付光ファイバFb1を上部電極350に配設するとともに,ウエハTwの裏面を構成する第2面Sからの測定光を受光するためのコリメータ付光ファイバFb2をの下部電極340に配設する点で相違する。
具体的には,コリメータ付光ファイバFb1は上部電極350の電極支持体352の例えば中央部に形成された貫通孔358を介して,測定光がウエハTwへ向けて照射できるように配設され,コリメータ付光ファイバFb2は下部電極340の例えば中央部に形成された貫通孔344を介して,ウエハTwからの測定光を受光できるように配設される。なお,これらコリメータ付光ファイバFb1,Fb2を配設するウエハTwの面内方向の位置としては,コリメータ付光ファイバFb1から照射された測定光がウエハTwを介してコリメータ付光ファイバFb2で受光できる位置であれば,図30に示すようなウエハTwの中央部でなくてもよい。例えば測定光がウエハTwの端部へ照射されるようにコリメータ付光ファイバFb1,Fb2を配設してもよい。
このような構成の図30に示す温度測定システムによれば,制御装置400により参照ミラー240を一方向へ移動させることにより,図29と同様の測定光と参照光との光の干渉を得ることができる。従って,図30に示すような温度測定システムによっても,PD250で測定される複数の干渉波形から基準干渉波形と選択干渉波形をこれらのピーク間幅ができる限り長くなるように選択することにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅の測定精度を向上させることができるので,ウエハTwの温度測定精度を向上させることができる。
また,本実施形態にかかる温度測定システムにおいても,上述したような干渉波形の崩れ度合の指標Kに基づいて選択干渉波形を選択することにより,干渉波形の崩れ度合が干渉波形のピーク間幅の測定精度を低下させない範囲で,基準干渉波形と選択干渉波形との幅をより長くとることができる干渉波形を容易に選択することができる。
(光ファイバなどを使用しない温度測定システム)
なお,上述した第2〜第6実施形態に示す温度測定システムは,測定光伝送手段及び参照光伝送手段として光ファイバを利用し,温度測定で使用する測定光や参照光などの光を光ファイバにより伝送するものについて説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,温度測定で使用する測定光や参照光などの光を光ファイバやコリメートファイバを用いずに,図31に示すような原理に基づいて空中を伝送させるようにしてもよい。
図31は,光ファイバやコリメートファイバの用いずに空中を利用して光を伝送させる温度測定装置700の原理を示す。このような温度測定装置700においては,光源(例えばSLD)110からの光が空中を伝送してスプリッタ(例えばハーフミラー)710へ照射され,スプリッタ710により参照光と測定光との2つに分けられる。測定光は空中を伝送して対向配置された測定対象物Tへ向けて照射されて測定対象物Tの表面や裏面で反射される。一方,参照光は空中を伝送して参照光反射手段(例えば参照ミラー)140へ向けて照射され,参照光反射手段のミラー表面で反射される。そして,それぞれ反射された測定光と参照光が空中を伝送して再びスプリッタ710に入射して受光手段150に受光される。その際,参照光の光路長によっては重なり合って干渉を起こして,その干渉波が受光手段150で検出される。このような原理を用いることにより,光ファイバやコリメートファイバを用いずに光を伝送させることができる。これにより,光ファイバやコリメートファイバを通らない波長(例えば2.5μm以上の波長)の光であっても,測定光や参照光の光源110として利用することができる。
(基板処理装置の制御システム)
また,上述した第2〜第6実施形態に示す温度測定システムは,各種コントローラ470として例えば上部電極350の電極板351やウエハTwの温度を制御するコントローラを設けることにより,上部電極350の電極板351やウエハTwについて,温度測定装置により温度測定を行いながら,その測定結果に応じて各種コントローラ470により温度を制御する基板処理装置の制御システムとして構成することもできる。
この場合,各種コントローラ470は,上部電極350の電極板351の温度を制御するものとして,例えば内側冷媒コントローラ,外側冷媒コントローラを備えるようにしてもよい。内側冷媒コントローラは,内側冷媒流路354へ循環させる冷媒の温度や流量を制御することにより,上部電極350の内側部位の温度を制御するものである。外側冷媒コントローラは,外側冷媒流路353へ循環させる冷媒の温度や流量を制御することにより,上部電極350の外側部位の温度を制御するものである。
さらに,各種コントローラ470は,ウエハTwの温度を制御するものとして,例えばESC(electrostatic chuck:静電チャック)系コントローラ,FR(フォーカスリング)系コントローラを備えるようにしてもよい。ESC系コントローラは,下部電極340にウエハを静電吸着させるための図示しない静電チャック(ESC)へ印加する電圧,静電チャックを介してウエハTwへ供給されるバックサイドガスのガス流量やガス圧力,下部電極340内に形成される冷媒流路に循環させる冷媒の温度などを制御するものである。また,FR系コントローラは,ウエハの周囲を囲むように設けられた図示しない周辺リング例えばフォーカスリングへ印加する電圧,フォーカスリングを介してウエハTwへ供給されるバックサイドガスのガス流量やガス圧力などを制御するものである。
このように,第2〜第6実施形態に示す温度測定システムを基板処理装置の制御システムとして構成することにより,上部電極350の温度を制御したり,ウエハTwの温度を制御したりできるので,ウエハTwのプロセス特性を的確に制御することができ,また基板処理装置の安定性を向上させることができる。
(厚み測定装置及び厚み測定システム)
また,上記第1〜第6実施形態では,測定対象物の温度の測定を行う場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,測定対象物の厚さの測定を行う場合について適用してもよい。すなわち,上記第1〜第5実施形態では,例えば測定対象物Tへ照射したときに測定対象物から透過又は反射した測定光と参照光との干渉波形のピーク間幅がその測定対象物の光路長に相当することを利用して,干渉波形のピーク間幅を参照光反射手段(例えば参照ミラー)の移動距離として測定して測定対象物の光路長を求め,この光路長を測定対象物の温度に換算する場合について説明した。
ところが,この光路長Lは厚みd×屈折率nで表され,屈折率nは温度に依存するため,光路長Lを測定したときの温度での屈折率nがわかれば,測定した光路長Lを屈折率nで割り算することにより,測定対象物の厚みdを求めることができる。従って,例えば測定対象物の温度と屈折率nの関係を予め厚さ用基準換算データとして制御装置400のメモリ440などに記憶しておき,測定対象物の光路長Lを測定したときの温度を別の温度測定手段(例えば抵抗温度計や蛍光式温度計等)により測定して厚さ用基準換算データによりその温度のときの屈折率nを求め,この屈折率nで上記光路長Lを割り算することにより,測定対象物の厚みdを求めることができる。
このように,測定光と参照光との干渉波形を利用して測定対象物の厚みを求めることができるので,この原理を利用することにより,上記第1〜第5実施形態における温度測定装置,基板処理装置の温度測定システムはそれぞれ,厚さ測定装置,基板処理装置の厚さ測定システムとして構成することもできる。このような厚さ測定装置,基板処理装置の厚さ測定システムにより,例えば基板処理装置300の上部電極350の電極板351などを測定対象物Tとして消耗部品の厚さを定期的に測定することにより,電極板351などの消耗部品の消耗量を測定することができる。これにより,電極板351の交換時期などを予測することもできる。
なお,厚さの測定は,基板処理装置300の電源投入時やメンテナンス後などのように同じ温度状態のときに行うことにより,その温度での屈折率nを,制御装置400のメモリ440などに記憶しておけば,厚みを測定する度にそのときの測定対象物の温度を測定しなくても済むので,別の温度測定手段を不要とすることができ,厚み測定にかかる手間や時間も極力軽減することができる。なお,制御装置400を厚さ算出手段又は制御手段として機能させることにより,制御装置400により測定光と参照光との光の干渉測定の結果に基づいて測定対象物Tの厚さを求めることができる。
(光源の光強度)
上記第1〜第6実施形態における温度測定装置はさらに,光源例えばSLD210の光強度を調整できる光強度調整手段を設け,制御装置400により例えば各種コントローラに設けた光強度コントローラを介して光強度調整手段を制御して,測定光と参照光との光の干渉の測定中に光源110の光強度を変えるようにしてもよい。
こうすることにより,測定光と参照光との光の干渉の測定中に,測定光が測定対象物T内を透過し複数回反射することによる測定光の光強度の低下を防止することにより,その測定光と参照光との干渉波形についてのS/N比の低下を防止してその干渉波形が崩れないようにすることができる。これにより,例えば干渉波形のピーク位置の検出精度を向上させることができるので,干渉波形のピーク間幅に基づく温度や厚みの測定精度を向上させることができる。
より具体的な光源の光強度調整方法としては,例えば測定光と参照光との光の干渉の測定中に,参照光反射手段(例えば参照ミラー)140の移動距離に応じて光源の光強度を徐々に大きくすることが挙げられる。これによれば,測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数が多い測定光ほど光強度を大きくすることができるので,そのような測定光と参照光との干渉波形のS/N比の低下を防止することができる。
また,測定光と参照光との光の干渉の測定中に,測定光の測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数に応じて光源の光強度を変えるようにしてもよい。測定光の光強度は測定光の測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数が多いほど減少するので,例えば測定光の測定対象物Tの両端面S,Sでの往復反射回数が多いほど光源の光強度を大きくすることにより,測定光の光強度の低下を的確に防止することができるので,そのような測定光と参照光との干渉波形のS/N比の低下も的確に防止することができる。
また,測定光の測定対象物Tからの反射強度を予め測定しておき,測定対象物Tの測定光と参照光との光の干渉の測定する際に,予め測定した測定光の反射強度(例えば測定光と参照光との干渉波形の干渉強度)に応じて光源の光強度を変えることにより,その測定光の反射強度が小さいほど光源の光強度を大きくすることができるので,測定光と参照光との干渉波形のS/N比の低下を的確に防止することができる。
このように,光源の光強度を調整することによって,測定光と参照光との干渉波形のS/N比の低下を防止することができるので,そのような干渉波形のピーク位置の測定精度の低下を防止できる。これにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅がより長くなる干渉波形を選択干渉波形として選択することができるようになるため,温度測定精度もより向上させることができる。
なお,上述したような測定光と参照光との干渉波形の崩れ度合の指標Kに基づいて,この指標Kが所定値を越えない範囲の干渉波形を選択干渉波形として選択するという干渉波形の選択方法に,上記光源の光強度を調整する方法を組み合わせるようにしてもよい。これによれば,測定光と参照光との光の干渉の測定中に,光源の光強度を調整することにより,干渉波形のS/N比が改善された干渉波形を受光することができるので,そのような干渉波形の崩れ度合の指標Kも改善されていることになる。従って,光源の光強度を調整することにより,干渉波形の崩れ度合の指標Kが所定値を越えない範囲の干渉波形を増やすことができる。これにより,基準干渉波形と選択干渉波形とのピーク間幅がより長くなり,かつ干渉波形の崩れが最小となる干渉波形を容易に選択干渉波形として選択することができるようになる。このため,温度測定精度もより向上させることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では測定対象物となる被処理基板として,基板処理装置300の処理室310内で処理されるウエハTwを例に挙げて説明したが,これに限られるものではなく,測定対象物とする被処理基板としては例えばガラス基板などの液晶基板であってもよい。また,例えば基板処理装置300の処理室310内に配置される電極板(例えば下部電極340又は上部電極350の電極板),ウエハの周囲に配設される周辺リング(例えばフォーカスリングなど)などのように,基板処理装置内の様々な構成部品や構成部分を測定対象物Tとして温度又は厚みを測定することができる。
また,上記実施形態ではウエハTwなどの1つの測定対象物Tを測定対象とする場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,複数の測定対象物Tを測定対象とする場合や,ウエハTwなどの1つの物体内における複数の測定ポイントを測定対象としてもよい。
この場合には光源からの測定光をさらに分波して各測定対象物T又は各測定ポイントへ照射するようにしてもよい。これにより,各測定対象物又は各測定ポイントの測定光と参照光との干渉波形が一度に測定できるので,これらの温度又は厚さも一度に測定することができ,各測定対象物又は各測定ポイントの温度又は厚さを測定する時間を大幅に短縮することができる。
また,互いに対向するように配置された複数の測定対象物へ測定光を照射することにより,先に配置された測定対象物を透過した光を次に配置された測定対象物の測定光として,各測定対象物から反射した測定光を受光手段で受光するようにしてもよい。これによれば,1つの測定光によって複数の測定対象物の温度又は厚さを一度に測定することができるので,温度又は厚さの測定時間を短縮することができるとともに,測定光伝送手段例えば光ファイバの取り回しが容易となり,温度測定装置を例えば基板処理装置などに取付ける際の手間を軽減することができる。
さらに,本発明における測定対象としては,ウエハTwなどのような物体としての測定対象物Tの他,例えばウエハTwの内部層などのような物体の一部を構成する測定対象層であってもよい。
また,上記実施形態では,基板処理装置として例えばプラズマ処理装置に適用した場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,プラズマを使用しない成膜装置や熱処理装置のような膜改質装置など様々な基板処理装置に適用することができ,さらに本発明にかかる温度/厚さ測定装置は,基板処理装置に限られず,その他の様々な処理装置に適用できる。
本発明は,例えば半導体ウエハ,液晶基板などの温度を測定する温度/厚さ測定装置,温度測定方法,温度/厚さ測定システムに適用可能であり,また基板処理装置を制御する制御システム,制御方法に適用可能である。
本発明の第1実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図である。 同実施形態において測定対象物へ測定光を照射した際に受光される測定光の種類を説明するための観念図である。 同実施形態にかかる温度測定装置により得られる測定光と参照光との光の干渉波の具体例を示す図であり,同図(a)は各温度測定対象物の温度が変化する前の光の干渉波の1例を示し,同図(b)は各温度測定対象物の温度が変化した後の光の干渉波の1例を示す。 測定対象物の温度と光路長との関係の具体例を示す実験結果である。 本発明の第2実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの具体例についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる温度測定装置により得られる測定光と参照光との光の干渉波の具体例を示す図である。 図6に示す干渉波形を利用して温度測定を行ってその温度測定誤差を算出した実験結果を示す図である。 1つの干渉波形を拡大して示した実測波形と,この実測波形に対して所定の加工処理を施した加工波形との具体例を示す図である。 図6に示す干渉波形ya0についての加工波形yb0を示す図である。 図6に示す干渉波形ya1についての加工波形yb1を示す図である。 図6に示す干渉波形ya2についての加工波形yb2を示す図である。 図6に示す干渉波形ya3についての加工波形yb3を示す図である。 図6に示す干渉波形ya0についての包絡線yd0を示す図である。 図6に示す干渉波形ya1についての包絡線yd1を示す図である。 図6に示す干渉波形ya2についての包絡線yd2を示す図である。 図6に示す干渉波形ya3についての包絡線yd3を示す図である。 図13〜図16に示す各干渉波形ya0〜ya3の包絡線yd0〜yd3について崩れ度合の指標Kを求めた結果を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの具体例についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる温度測定装置による測定光の光路の種類を示す図である。 同実施形態にかかる温度測定装置により得られる測定光と参照光との光の干渉波の具体例を示す図である。 同実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの変形例についての概略構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの具体例についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる温度測定装置により得られる測定光と参照光との光の干渉波の具体例を示す図である。 同実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの変形例についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの他の変形例についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムの他の変形例についての概略構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態にかかる基板処理装置の温度測定装置についての概略構成を示すブロック図である。 同実施形態において測定対象物へ測定光を照射した際に受光される測定光の種類を説明するための観念図である。 同実施形態にかかる温度測定装置により得られる測定光と参照光との光の干渉波の具体例を示す図である。 本発明の第6実施形態にかかる基板処理装置の温度測定システムについての概略構成を示すブロック図である。 空中を利用して測定光や参照光などの光を伝送する温度測定装置の原理を説明するための図である。 従来の温度測定装置の原理を説明するための図である。 図32に示す温度測定装置により計測された干渉波形を観念的に示した図である。
符号の説明
100 温度測定装置
110 光源
120 スプリッタ
140 参照光反射手段
142 駆動手段
150 受光手段
200 温度測定装置
210 SLD
220 光ファイバカプラ(スプリッタ)
222 光ファイバカプラ(参照光スプリッタ)
230 光ファイバカプラ(迂回光路接続用スプリッタ)
232 光ファイバカプラ(迂回光路接続用スプリッタ)
234 光ファイバカプラ(迂回光路接続用スプリッタ)
240 参照ミラー
242 モータ
244 参照ミラー
246 参照ミラー
250 PD
300 基板処理装置
310 処理室
320 高周波電源
330 高周波電源
340 下部電極
342 冷媒流路
344 貫通孔
350 上部電極
351 電極板
352 電極支持体
353 外側冷媒流路
354 内側冷媒流路
356 低熱伝達層
358 貫通孔
400 制御装置
410 CPU
420 モータドライバ
430 モータコントローラ
440 メモリ
450 バッファ
460 A/D変換器
470 各種コントローラ
500 温度測定装置
510 光源スプリッタ
520 中継スプリッタ
530 受光スプリッタ
600 温度測定装置
610 光ファイバカプラ(光源スプリッタ)
620 光ファイバカプラ(中継スプリッタ)
630 光ファイバカプラ(受光スプリッタ)
700 温度測定装置
710 スプリッタ
T 測定対象物
Tw ウエハ

Claims (35)

  1. 測定対象の両端面を透過し反射する光であって,前記測定対象の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,
    前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,
    前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,
    前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,
    前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,
    前記スプリッタからの測定光を前記測定対象へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,
    前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段と,
    前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する測定手段と,
    を備えたことを特徴とする温度/厚さ測定装置。
  2. 前記測定手段は,前記受光手段で受光された測定光の干渉波形の崩れ度合に基づいて選択干渉波形を選択することを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  3. 前記干渉波形の崩れ度合は,その干渉波形を構成する波連全体を曲線近似した近似曲線と,その干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づいてその干渉波形を曲線近似した近似曲線とのずれ量であることを特徴とする請求項2に記載の温度/厚さ測定装置。
  4. 前記干渉波形を構成する波連全体の基準近似曲線は正規分布曲線であり,前記干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づく近似曲線は前記各繰返し波形に基づいて得られる包絡線であることを特徴とする請求項3に記載の温度/厚さ測定装置。
  5. 前記測定光伝送手段は,測定光の光路の途中に,この測定光の光路に並列して接続した迂回光路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  6. 前記受光手段において前記測定光の基準干渉波形と選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるように,前記測定光の迂回光路の光路長を調整したことを特徴とする請求項5に記載の温度/厚さ測定装置。
  7. 前記参照光反射手段は,複数の反射面を設け,前記スプリッタからの参照光を前記各反射面で反射させることにより,光路長の異なる複数の参照光を反射可能としたことを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  8. 前記受光手段において前記測定光の基準干渉波形と選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるように,前記参照光反射手段の複数の反射面の位置を調整したことを特徴とする請求項7に記載の温度/厚さ測定装置。
  9. 前記スプリッタからの参照光をさらに複数の参照光にスプリットするための参照光スプリッタを設け,この参照光スプリッタからの複数の参照光をそれぞれ異なる光路長で前記参照光反射手段へ照射することを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  10. 前記受光手段において前記測定光の基準干渉波形と選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるように,前記参照光スプリッタからの複数の参照光の光路長を調整したことを特徴とする請求項9に記載の温度/厚さ測定装置。
  11. 前記参照光伝送手段は,参照光の光路の途中に,この参照光の光路に並列して接続した迂回光路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  12. 前記受光手段において前記測定光の基準干渉波形と選択干渉波形とがそれぞれ近傍で測定されるように,前記参照光の迂回光路の光路長を調整したことを特徴とする請求項11に記載の温度/厚さ測定装置。
  13. 前記測定光伝送手段は,前記測定対象の一方側に配置され,前記光源からの測定光を伝送して前記測定対象の一方側の端面へ向けて照射するとともに,前記測定対象の両端面で往復反射して又は往復せずに一方側の端面で反射して,戻ってくる測定光を受光して前記受光手段へ向けて伝送することを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  14. 前記測定光伝送手段は,前記測定対象の一方側に配置され,前記光源からの測定光を伝送して前記測定対象の一方側の端面へ向けて照射する照射光伝送手段と,前記測定対象の他方側に配置され,前記測定対象の両端面で往復反射して又は往復せずに一方側の端面を透過して,他方側の端面を透過する測定光を受光して前記受光手段へ向けて伝送する受光伝送手段とを別個に設けたことを特徴とする請求項1に記載の温度/厚さ測定装置。
  15. 前記各光はそれぞれ,空中を介して伝送されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の温度/厚さ測定装置。
  16. 前記測定対象は,シリコン又はシリコン酸化膜により形成され,
    前記光源は,1.0〜2.5μmの波長を有する光を照射可能なものであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の温度/厚さ測定装置。
  17. 前記測定対象は,基板処理装置内で処理される被処理基板又は前記基板処理装置内に前記被処理基板に対向して配設される電極板であることを特徴とする請求項16に記載の温度/厚さ測定装置。
  18. 前記測定対象の両端面を透過し反射する光を照射する光源からスプリットされた測定光を前記測定対象へ向けて照射するとともに,参照光を参照光反射手段へ向けて照射する工程と,
    前記参照光反射手段を一方向へ走査することによって前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させながら,前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定する工程と,
    前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する工程と,
    を有することを特徴とする温度/厚さ測定方法。
  19. 前記測定手段は,前記受光手段で受光された測定光の干渉波形の崩れ度合に基づいて選択干渉波形を選択することを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  20. 前記干渉波形の崩れ度合は,その干渉波形を構成する波連全体を曲線近似した近似曲線と,その干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づいてその干渉波形を曲線近似した近似曲線とのずれ量であることを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  21. 前記干渉波形を構成する波連全体の基準近似曲線は正規分布曲線であり,前記干渉波形の波連を構成する個々の繰返し波形に基づく近似曲線は各繰返し波形に基づいて得られる包絡線であることを特徴とする請求項20に記載の温度/厚さ測定方法。
  22. 前記測定光の光路の途中に,この測定光の光路に並列して接続した迂回光路を設け,
    前記温度又は厚さを測定する工程は,前記迂回光路を介さない光路を通る測定光の干渉波形と少なくとも一度は前記迂回光路を介する光路を通る測定光の干渉波形のうち,いずれか一方の光路を通る測定光の干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,他方の光路を通る測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定することを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  23. 前記参照光反射手段は,複数の反射面を設け,
    前記温度又は厚さを測定する工程は,前記光源からスプリットされた参照光が前記各反射面から反射する複数の参照光のうち,いずれかの反射面から反射する参照光と測定光との干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,別の反射面から反射する参照光と測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形と基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定することを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  24. 前記スプリッタからの参照光をさらに光路長の異なる複数の参照光にスプリットするための参照光スプリッタを設け,
    前記干渉を測定する工程は,前記参照光スプリッタからスプリットされた複数の参照光のうち,いずれかの参照光と測定光との干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,別の参照光と測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形と基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定することを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  25. 前記参照光の光路の途中に,この参照光の光路に並列して接続した迂回光路を設け,
    前記温度又は厚さを測定する工程は,前記迂回光路を介さない光路を通る参照光と測定光の干渉波形と少なくとも一度は前記迂回光路を介する光路を通る参照光と測定光の干渉波形のうち,いずれか一方の光路を通る参照光と測定光の干渉波形から選択された前記基準干渉波形と,他方の光路を通る参照光と測定光の干渉波形から選択された前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定することを特徴とする請求項18に記載の温度/厚さ測定方法。
  26. 前記各光はそれぞれ,空中を介して伝送されることを特徴とする請求項18〜25のいずれかに記載の温度/厚さ測定方法。
  27. 前記測定対象は,シリコン又はシリコン酸化膜により形成され,
    前記光源は,1.0〜2.5μmの波長を有する光を照射可能なものであることを特徴とする請求項18〜26のいずれかに記載の温度/厚さ測定方法。
  28. 前記測定対象は,基板処理装置内で処理される被処理基板又は前記基板処理装置内に前記被処理基板に対向して配設される電極板であることを特徴とする請求項27に記載の温度/厚さ測定方法。
  29. 前記測定光と前記参照光と干渉波形の測定中に前記光源の光強度を変えることを特徴とする請求項18〜28のいずれかに記載の温度/厚さ測定方法。
  30. 前記参照光反射手段の移動距離に応じて前記光源の光強度を徐々に大きくすることを特徴とする請求項29に記載の温度/厚さ測定方法。
  31. 前記測定対象の両端面を往復反射する回数が多い測定光の干渉波形ほど前記光源の光強度を大きくすることを特徴とする請求項29に記載の温度/厚さ測定方法。
  32. 前記受光手段で受光される測定光の反射強度を予め測定し,その反射強度に応じて前記光源の光強度を変えることを特徴とする請求項29に記載の温度/厚さ測定方法。
  33. 処理室内の被処理基板に所定の処理を施す基板処理装置と,この基板処理装置に取付けられる温度/厚さ測定装置と,前記温度/厚さ測定装置を制御する制御装置とを備える温度/厚さ測定システムであって,
    前記温度/厚さ測定装置は,測定対象となる前記被処理基板の両端面を透過し反射する光であって,前記被処理基板の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,前記スプリッタからの測定光を前記被処理基板へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,前記被処理基板を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段とを備え,
    前記制御装置は,前記温度/厚さ測定装置の受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記被処理基板の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記被処理基板の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記被処理基板の温度又は厚さを測定することを特徴とする温度/厚さ測定システム。
  34. 処理室内の被処理基板に所定のプロセス処理を施す基板処理装置と,この基板処理装置に設置される温度/厚さ測定装置と,前記温度/厚さ測定装置及び前記基板処理装置を制御するとともに,前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行う制御装置とを備える制御システムであって,
    前記温度/厚さ測定装置は,測定対象となる前記被処理基板の両端面を透過し反射する光であって,前記被処理基板の両端面で少なくとも2回以上往復反射可能な光を照射する光源と,前記光源からの光を測定光と参照光とにスプリットするためのスプリッタと,前記スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と,前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と,前記スプリッタからの参照光を前記参照光反射手段へ向けて照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と,前記スプリッタからの測定光を前記被処理基板へ向けて照射する測定光照射位置まで伝送する測定光伝送手段と,前記被処理基板を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定するための受光手段とを備え,
    前記制御装置は,前記温度/厚さ測定装置の受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記被処理基板の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記被処理基板の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記被処理基板の温度又は厚さを測定し,これらの温度又は厚さに基づいて前記基板処理装置の処理室内にある前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行うことを特徴とする制御システム。
  35. 処理室内の被処理基板に所定のプロセス処理を施す基板処理装置の制御システムについて制御方法であって,
    前記測定対象の両端面を透過し反射する光を照射する光源からスプリットされた測定光を前記測定対象へ向けて照射するとともに,参照光を参照光反射手段へ向けて照射する工程と,
    前記参照光反射手段を一方向へ走査することによって前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させながら,前記測定対象を透過又は反射する測定光と前記参照光反射手段から反射する参照光とが干渉して得られる複数の測定光の干渉波形を測定する工程と,
    前記受光手段で測定された測定光の干渉波形のうち,ある干渉波形を基準とし,この基準干渉波形の測定光よりも前記測定対象の両端面を少なくとも2回以上多く往復反射する測定光の干渉波形を選択干渉波形として,前記基準干渉波形と前記選択干渉波形とに基づいて前記測定対象の両端面間における測定光の光路長を測定し,その光路長に基づいて前記測定対象の温度又は厚さを測定する工程と,
    測定した前記測定対象物の温度又は厚さに基づいて,前記基板処理装置における前記被処理基板の温度制御とプロセス制御のうち少なくとも一方の制御を行う工程と,
    を有することを特徴とする制御方法。
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