JP4552827B2 - スラスト軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機等に用いられるスラスト軸受装置に係わり、詳しくは、転動体が転動するレースを確実に位置決めすることができるスラスト軸受装置に関する。
一般に、スラスト軸受は、第1および第2レース間にローラが配置され、各レースが相対回転する第1および第2当接部材に当接してスラスト荷重を受けるようになっている。例えば、第1当接部材に段部が形成されていると、第1レースは軸受軸線方向に屈曲した屈曲部が第1当接部材の段部と嵌合して半径方向に位置決めされる。ところが、例えば第2当接部材30に段部が形成できない場合、図8に示すように、第2レース31の外周から複数の突出部32が半径方向外方に突出され、各突出部32の先端が軸受軸線方向に屈曲されて爪部33が形成されている。第2当接部材30には相対回転中心と同心のピッチ円PC上に複数の位置決め穴34が穿設されている。各爪部33が各位置決め穴34に係入さることにより、第2レース31が第2当接部材30に対して半径方向に位置決めされる。そして、第1当接部材と第2当接部材30とが相対回転すると、第2レース31上をローラが摺動を伴って転動することにより引き摺り回転トルクTが第2レース31に作用する。このため、爪部33が位置決め穴34の周壁35に接触し、周壁35から爪部33に作用する反力Fが引き摺り回転トルクTと釣り合う。
従来装置では、周壁35から爪部33に作用する反力Fが引き摺り回転トルクTと釣り合う場合、図8に示すように、爪部33の内周縁部が位置決め穴34の周壁中央位置より内側に偏寄した位置で周壁35と接触するので、周壁35に作用する反力Fは接触点の法線方向と同様に外側を向き、この反力Fの半径方向成分により爪部33には外方への曲げモーメントが作用し、爪部33の基端部である屈曲部内周面に引張応力が作用する。応力条件が厳しい屈曲部内周面に作用する引張応力を疲労限界以下にするために第2レース31の肉厚を厚くし、爪部33の強度を高くすることが考えられるが、レースの板厚を増大すると周辺部品の変更が必要であり、周辺部品の設計の自由度が制限されるとともに、装置が大型化する不具合を生じる。
本発明は、レースの外周に突設した複数の爪部を当接部材に設けた複数の位置決め穴に夫々係入してレースを半径方向に位置決めするスラスト軸受装置において、レースの板厚を厚くすることなく爪部の応力を疲労限界以下にすることである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、転動体が軸受軸線回りに公転するレースの外周に複数の突出部が突設され、該突出部の先端が前記軸受軸線方向に屈曲されて爪部が形成され、前記レースが当接する当接部材に前記軸受軸線を中心とするピッチ円上に複数の位置決め穴が穿設され、該各位置決め穴に前記各爪部が係入されて前記レースを半径方向に位置決めするスラスト軸受装置にして、前記爪部が前記位置決め穴の周壁に接触するいずれの位置決め穴においても、かつ前記当接部材が回転する場合、前記当接部材のいずれの回転位置においても前記爪部の外周縁部が前記位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で前記位置決め穴の周壁に接触するように構成され、前記爪部が前記位置決め穴の周壁と接触する接触点での法線が回転方向接線に対して0〜20度内側に傾斜しており、前記位置決め穴は略円形であることである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記爪部の外周縁部が前記位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で前記位置決め穴の周壁に接触するとともに、前記爪部の内周縁部が前記位置決め穴の周壁から離脱するように設定される前記爪部の前記軸受軸線からの距離の最小値を前記爪部の前記軸受軸線からの距離とすることである。
請求項に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記スラスト軸受装置が、自動変速機の回転部材のスラスト荷重を支持するスラスト軸受装置であることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、レースは、爪部の外周縁部が略円形である位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で位置決め穴の周壁に接触することにより半径方向に位置決めされるので、爪部の外周縁部に内側を向く反力が作用する。この反力の半径方向成分により爪部には内方への曲げモーメントが作用し、爪部の基端部である屈曲部内周面には疲労限界に対して有利な圧縮応力が作用する。これにより、レース板厚を厚くすることなく、周辺部品の設計の自由度を制約することなく、爪部の応力を疲労限界以下にすることができる。さらに、当接部材が回転する場合、当接部材のいずれの回転位置においても、レースは、爪部の外周縁部が位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で位置決め穴の周壁に接触することにより半径方向に位置決めされる。これにより、当接部材が回転する場合でも爪部の外周縁部には、内側を向く反力が作用し、爪部の応力を疲労限界以下にすることができる。そして、爪部が位置決め穴の周壁と接触する接触点での法線が回転方向接線に対して0〜20度内側に傾斜しているので、位置決め穴の周壁と接触する爪部の外周縁部に内側向きに作用する反力の半径方向成分を小さい値に制限できて、爪部の応力を疲労限界以下にすることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、爪部の外周縁部が位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で位置決め穴の周壁に接触するときにおける爪部の軸受軸線からの距離の最小値を爪部の軸受軸線からの距離に設定するので、爪部に作用する反力の半径方向成分が小さくなり、爪部の応力を疲労限界以下とすることができる。
上記のように構成した請求項に係る発明においては、本発明に係るスラスト軸受装置が自動変速機の回転部材のスラスト荷重を支持するので、軸受装置のレースを厚くすることなく爪部の応力を疲労限界以下にし、周辺部品の設計の自由度を増して自動変速機を小型軽量化することができる。


以下、図面に基づいて本発明に係るスラスト軸受装置の実施の形態を、このスラスト軸受装置が公知の自動変速機の回転部材のスラスト荷重を支持するスラスト軸受装置として使用されている場合について説明する。自動変速機は、トルクコンバータと、多段変速機構とを備えており、これらトルクコンバータ及び多段変速機構が1軸上に直列的に配置されているとともに、ケースに収納されている。多段変速機は、サンギヤと、リングギヤと、サンギヤおよびリングギヤに噛合するプラネタリギヤを支承するキャリアとを回転要素として有する複数のプラネタリギヤを備えるとともに、複数のクラッチおよび複数のブレーキを有している。
このように構成された自動変速機は、複数のクラッチを選択的に係合して複数プラネタリギヤの各回転要素を接続するとともに、トルクコンバータの出力回転を選択的に伝達し、複数のブレーキを選択的に係合してプラネタリギヤ各要素の回転を選択的に規制することにより、トルクコンバータの出力回転を前進複数段、後進1段に変速して出力軸に伝達するようになっている。
図1において、11はスラスト軸受装置2を構成するスラスト軸受で、第1および第2レース12,13間に多数のローラ14が挟持され、ローラ14は第1および第2レース12,13上を軸受軸線O1回りに公転する。第1レース12は自動変速装置の第1回転部材15の端面に当接し、第2レース13は、第2回転部材16の端面に当接しローラ14を介してスラスト荷重を受けるようになっている。第1レース12は軸受軸線方向に屈曲した屈曲部が第1回転部材15の先端外周部と嵌合して半径方向に位置決めされている。
第2回転部材16に第2レース13と嵌合してこれを半径方向に位置決めする段部を形成すると装置が大型化するので、第2回転部材16には、スラスト軸受装置2の軸受軸線O1と同心のピッチ円PC上に複数の位置決め穴18が等角度α間隔で穿設されている。位置決め穴18の個数が5個の場合、角度αは72度である。そして、第2レース13には、その外周から複数の突出部19が半径方向外方に突出され、各突出部19の先端が軸受軸線方向に屈曲されて爪部20が形成されている。各爪部20が各位置決め穴18に係入さることにより、第2レース13が第2回転部材16に対して半径方向に位置決めされる。第2回転部材16は、レースが当接し軸受軸線を中心とするピッチ円上に複数の位置決め穴が穿設された当接部材である。
第1回転部材15と第2回転部材16とは相対回転するので、第2レース13上をローラ14が摺動を伴って転動することにより引き摺り回転トルクTが第2レース13に作用する。このとき、図2に示すように、位置決め穴18の周壁23に接触している爪部20に周壁23から反力Fが作用し引き摺り回転トルクと釣り合う。この場合、第2回転部材16も回転するので、第2回転部材16のいずれの回転位置においても、爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触する位置決め穴18において、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23と接触するように構成されている。即ち、第2レース13は、いずれかの爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触して半径方向に位置決めされる。このとき、第2回転部材16のいずれの回転位置においても、爪部20が位置決め穴18の周壁と接触するいずれの位置決め穴18において、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁に接触するように構成されている。位置決め穴18の周壁中央位置22とは、軸受軸線O1と同心のピッチ円PCが位置決め穴18の周壁23と交差する位置である。
次に、第2回転部材16のいずれの回転位置においても、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23と接触するように構成するために、爪部20の軸受軸線O1からの距離および爪部20の幅を設定する方法の一例を説明する。
スラスト軸受装置2の形状として、第2レース13は、板厚tの円環状のプレートの外周から両側面が平行なN個の突出部19が等間隔に突設され、突出部19の先端が90度屈曲されて部分円筒状に成形され、爪部20が形成されている。従って、図3に示すように、爪部20は、円周方向の中心と第2レース13の中心を通る中心線に対して線対称で爪部20両側面は中心線と平行であり、爪部20の幅はb、厚みはtである。軸受軸線O1を中心とする爪部20の厚さ方向中心の爪半径はR、爪部20の内径はRi、外径はRoである。第2回転部材16にピッチ円PC上に等角度α間隔で穿設された位置決め穴18の半径はrであり、各位置決め穴18nの穴中心のX,Y座標値は、cn,dnであり、ピッチ円PCの半径はRpcである。
先ず、寸法バラツキがないと仮定した場合、爪部20の外周縁部21と内周縁部24とが、図4に示すように、位置決め穴18の周壁中央位置22より外側と内側とに等量だけ偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触したとすると、爪厚さtは爪半径Rより極めて小さいので、爪部20の外周縁部21と内周縁部24とに作用する反力Fi,Foはほぼ等しくなり、該反力Fi,Foの半径方向成分は互いに打ち消しあって爪部20に半径方向の曲げモーメンは作用しない。この理想位置における爪半径Rは、ピッチ円PCの半径Rpcと等しく、R=Rpcにより設定され、爪幅bは、位置決め穴18の直径2rに近似される。
実際には、爪部20を位置決め穴18に係入するためのクリアランスが必要であるので、爪幅bは2rより小さい適宜値bに設定される。この場合に、爪部20の軸受軸線O1からの距離である爪半径Rを微小量ΔRずつ増大させ、爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触するいずれの位置決め穴18においても、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触するか否か判定し、この条件を最初に満たした値を爪半径Rに設定する。なお、爪半径Rの増大により爪部20と位置決め穴18とのクリアランスが小さくなるので、爪半径Rの増大に伴って爪幅bを微少量Δbずつ減少させる。
次に、各部の寸法バラツキがないと仮定した場合の判定方法について説明する。判定に使用する計算の前提条件は、以下の通りである。
(1)ピッチ円PC上に等角度α間隔で穿設された一つの位置決め穴18の中心が、Y軸から角度θだけ時計方向に変位している図3の状態を初期位置とし、このY軸から角度θだけ変位した位置決め穴18を1番目の位置決め穴181、この穴181に係入された爪部20を1番目の爪部201とし、以下時計回りに2番目・・・n番目の位置決め穴18n、爪部20nとする。
(2)上記理想位置での爪部20の寸法から爪半径RをΔR増大させ、爪幅bをΔb減少させたとき、各位置決め穴18nにおいて、各爪部20nは上記理想位置から図3において自重により下方にのみ変位するとし、外周縁部21nが各位置決め穴18nの周壁23nに接触するまでの距離ΔYonを算出し、内周縁部24nが各位置決め穴18nの周壁23nに接触するまでの距離ΔYinを算出する。
(3)各位置決め穴18nにおいて、各爪部20nの外周縁部21nと内周縁部24nの中、距離ΔYon、ΔYinの小さい方が位置決め穴18nの周壁23nに接触する。各爪部20nが外周縁部21nで位置決め穴18nの周壁23nに接触させることを目的としているので、各位置決め穴18nにおいてΔYon<ΔYinが成立する必要がある。
(4)第2回転部材16は回転するので、隣接する位置決め穴18の角度間隔αを位置決め穴の個数Nと同数でない、例えばN+1で割った角度Δα(爪部20が5個の場合は12度)ずつ第2回転部材16を回転させた状態で(2),(3)の計算を繰り返す。第2回転部材16いずれの回転位置においても、各位置決め穴18nにおいて、ΔYon<ΔYinが成立する必要がある。
(5)(2)〜(4)を満足するまで爪半径RをΔRずつ増大させ、爪幅bをΔbずつ減少させる。(2)〜(4)を満足した最初の爪半径R、爪幅bを爪部20の緒元とする。
具体的には、第1ステップとして、初期位置における1番目の爪部181について計算がなされる。図5,6に示すように、軸受軸線O1を原点とするXY座標系において、爪部201の中心線とY軸とのなす角度をθ、
爪部201の内周縁部24と軸受軸線O1とを結ぶ線分と爪部201の中心線とのなす角度をθi、
爪部201の外周縁部21と軸受軸線O1とを結ぶ線分と爪部201の中心線とのなす角度をθo、
爪部20の軸受軸線O1を中心とする内周面および外周面の半径をRi,Ro、
爪部201の内周縁部24、外周縁部21のX座標値、Y座標値をXfi1,Xfo1,Yfi1,Yfo1、
内周縁部24、外周縁部21を夫々通りY軸と平行な線分が位置決め穴201と交差する点のY座標値をYhi1,Yhol、
位置決め穴201の半径をrとする。
爪部201の内周縁部24、外周縁部21と軸受軸線O1とを夫々結ぶ線分と爪部201の中心線とのなす角度θi,θoは、
θi=sin−1b/2Ri
θo=sin−1b/2Ro から求められる。
図3,5,6から明らかなように、爪部201の内周縁部24、外周縁部21のX座標値Xfi1,Xfo1,は、
Xfi1=Ri×sin(θ+θi)
Xfo1=Ro×sin(θ+θo)から求められる。
爪部201の内周縁部24、外周縁部21のY座標値Yfi1,Yfo1は、
第2レース13に関する関係式
Xfi1+Yfi1=Ri
Xfo1+Yfo1=Ro から求められる。
爪部201の内周縁部24、外周縁部21を夫々通りY軸と平行な線分が位置決め穴201と交差する点のY座標値Yhi1,Yholは、
位置決め穴18に関する関係式
(Xfi1−c1)+(Yhi1−d1)=r
(Xfo1−c1)+(Yho1−d1)=r から求められる。
第2レース13は、爪部201が位置決め穴181の周壁23に接触するまで下方に移動して停止するので、爪部201の内周縁部24と外周縁部21の中、内周縁部24のY座標値Yfi1と内周縁部24下方の周壁23のY座標値Yhi1との差ΔYi1および外周縁部21のY座標値Yfo1と外周縁部21下方の周壁23Y座標値Yho1との差ΔYo1の小さい方が先に周壁23に接触する。爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触することを目的としているので、位置決め穴181において、
ΔYo1<ΔYi1が成立する必要がある。この不等式を満足しない場合、満足するまで爪半径RをΔRずつ増大させ、爪幅bをΔbずつ減少させて演算を繰り返し、最初にΔYo1<ΔYi1が成立したときのΔYo1が第1番目の爪部201の偏心量となる。
第2ステップとして、2番目・・・N番目の爪部20について、上述の1番目の爪部201と同様の演算を繰り返し、各爪部20nにおける偏心量ΔYo2・・・ΔYonを演算する。そして、各爪部20nにおける偏心量に対応する爪半径Rの中の最小値およびそのときの爪幅bを初期位置における爪部20の緒元とする。
次に、第3ステップとして、第2回転部材16のいずれの角度位置においても、最初にΔYon<ΔYinが成立する爪緒元を設定するために、一つの位置決め穴18の中心が、Y軸から角度θだけ時計方向に変位している図3の状態を初期位置としこの角度θを、例えば隣接する位置決め穴18の中心と軸受軸線O1とがなす角度αを位置決め穴18の個数Nに1を加算した値(N+1)で割った角度α/(N+1)ずつ時計方向に回転させた状態で上記初期位置におけると同様の演算を繰り返し、各分割角度位置における偏心量ΔYo11・・・ΔYonnを演算する。具体的には、図7に示すように、初期位置における第1番目の爪部201の中心線とY軸とのなす角度θを、θ+α/(N+1),θ+2α/(N+1)・・・と順次増加させて各分割角度位置における演算を行う。第2回転部材16の初期位置および各分割角度位置において爪緒元として設定した爪半径Rの中の最小値およびそのときの爪幅bを爪部20の緒元とする。
このように、第2回転部材16を分割角度位置に回転させた状態で、各位置決め穴18において爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁23と接触することを確認しているので、第2レース13が第2回転部材16に対していかなる方向に変位しても、爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触するいずれの位置決め穴18において、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触する。
実際には、爪部内外径Ri,Ro、爪幅b、爪角度、位置決め穴18の半径r、位置決め穴18nの穴中心のX,Y座標値(cn,dn)には寸法バラツキがある。そこで、各寸法に寸法公差を加味して上記計算を行うことにより、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触するように爪部20の緒元を設定することができる。
具体的には、例えば、位置決め穴18nの穴中心のX,Y座標値(cn,dn)が公差Δc,Δd大きいことが許容され、半径rが公差Δr大きいことが許容される場合、各公差が現れる全ての組合せについて上記演算を行って爪部20の緒元を設定する。
即ち、(Xfin−cn)+(Yhin−dn)=rを例に説明すると、
{Xfin−(cn+Δc)}2+{Yhi1−dn}2=r2
{Xfin−(cn+Δc)}2+{Yhi1−(dn+Δd)}2=r2
・・・
{Xfin−(cn+Δc)}2+{Yhi1−(dn+Δd)}2=(r+Δr)2
と公差のすべての組合せについて演算を行って爪部20の緒元を設定する。
上記実施の形態では、第2回転部材16が回転するが、回転しない場合は、第3ステップを行うことなく、第1および第2ステップを行うことにより、爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触するいずれの位置決め穴18においても、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触するように爪部20の爪半径Rおよび爪幅bを設定することができる。
上記実施の形態では、爪半径Rを微小量ΔRずつ増大させ、爪部20が位置決め穴18の周壁23に接触するいずれの位置決め穴18においても、爪部20の外周縁部21が位置決め穴18の周壁中央位置22より外側に偏寄した位置で位置決め穴18の周壁23に接触するか否か判定し、この条件を最初に満たした値を爪半径Rに設定しているが、この条件を満たした値であって爪部20が位置決め穴18の周壁23と接触する接触点での法線が回転方向接線に対して0〜20度内側に傾斜するものであれば、爪部20に作用する反力Fの半径方向成分を小さい値に制限でき、爪部の応力を疲労限界以下にすることができる。従って、この条件を満たす爪半径Rであれば、最初に条件を満たした値でなくても、爪半径Rに設定してもよい。
本スラスト軸受装置の拡大断面図。 実施の形態に係る軸受装置の爪部が位置決め穴の周壁に接触する状態を示す図。 第1番目の爪部の偏心量を算出するための演算式を導き出すための図。 理想状態において爪部が位置決め穴の周壁に接触する状態を示す図。 爪部の内周縁部と軸受軸線とを結ぶ線分がX軸となす角度を示す図。 爪部の外周縁部と軸受軸線とを結ぶ線分がX軸となす角度を示す図。 第2回転部材の各分割角度位置において偏心量を算出する状態を示す図。 従来のスラスト軸受装置の爪部が位置決め穴の周壁に接触する状態を示す図。
符号の説明
2…スラスト軸受装置、11…スラスト軸受、12,13…第1、第2レース、14…ローラ、15…第1回転部材、16…第2回転部材、18…位置決め穴、19…突出部、20…爪部、21…外周縁部、22…中央位置、23…周壁、24…内周縁部、R…爪半径、b…爪幅、r…位置決め穴半径、ΔYon…偏心量。

Claims (3)

  1. 転動体が軸受軸線回りに公転するレースの外周に複数の突出部が突設され、該突出部の先端が前記軸受軸線方向に屈曲されて爪部が形成され、前記レースが当接する当接部材に前記軸受軸線を中心とするピッチ円上に複数の位置決め穴が穿設され、該各位置決め穴に前記各爪部が係入されて前記レースを半径方向に位置決めするスラスト軸受装置にして、
    前記爪部が前記位置決め穴の周壁に接触するいずれの位置決め穴においても、かつ前記当接部材が回転する場合、前記当接部材のいずれの回転位置においても前記爪部の外周縁部が前記位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で前記位置決め穴の周壁に接触するように構成され
    前記爪部が前記位置決め穴の周壁と接触する接触点での法線が回転方向接線に対して0〜20度内側に傾斜しており、
    前記位置決め穴は略円形であることを特徴とするスラスト軸受装置。
  2. 請求項1において、前記爪部の外周縁部が前記位置決め穴の周壁中央位置より外側に偏寄した位置で前記位置決め穴の周壁に接触するとともに、前記爪部の内周縁部が前記位置決め穴の周壁から離脱するように設定される前記爪部の前記軸受軸線からの距離の最小値を前記爪部の前記軸受軸線からの距離とすることを特徴とするスラスト軸受装置。
  3. 請求項1又は2において、前記スラスト軸受装置が、自動変速機の回転部材のスラスト荷重を支持するスラスト軸受装置であることを特徴とするスラスト軸受装置。
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JPH03129122A (ja) * 1989-10-14 1991-06-03 Jatco Corp スラストベアリング取付機構
JPH07332358A (ja) * 1994-06-07 1995-12-22 Jatco Corp スラストベアリングの取付構造

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