JP4552709B2 - 点火コイル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関において、スパークプラグからスパークを発生させるための点火コイル及びその製造方法に関する。
車両等の内燃機関における各気筒に配設して使用する点火コイルは、エンジンケースにおけるプラグホール内に挿入配置し、これに取り付けたスパークプラグからスパークを発生させることにより、各気筒における燃焼の着火を行っている。
上記点火コイルは、同心円状に巻回した一次コイルと二次コイルとを備えており、一次コイルは、円筒状樹脂からなる一次スプールの外周面に、絶縁被覆した一次電線を複数回巻回してなり、二次コイルは、円筒状樹脂からなる二次スプールの外周面に、絶縁被覆した二次電線を複数回巻回してなる。そして、点火コイルにおいては、一次コイルに瞬間的に通電を行って発生させた磁界に伴って誘導磁界を発生させ、2次コイルに生ずる誘導起電力によってスパークプラグからスパークを発生させている。
ところで、例えば、CDI方式(キャパシター・ディスチャージド・イグニッション・システム)等の点火コイルにおいては、コンデンサに蓄積した電荷を一次コイルに供給するため、一次コイルのインダクタンスを比較的小さくしている。そして、一次コイルによる性能を維持したまま、そのインダクタンスを小さくするために、一次電線を、その外径よりも大きな巻きピッチで巻回し、一次電線同士の間に所定の隙間をあけて、疎巻状態の一次巻線を形成している。
しかしながら、図10に示すごとく、点火コイルの組付時等において、上記疎巻状態の一次巻線94を備えた一次コイル92を円筒断面形状を有する円筒状部品99内に挿入配置するときには、一次巻線94が円筒状部品99に接触するおそれがある。
このとき、一次巻線94が円筒状部品99によって引っ張られたときには、この一次巻線94における端部が一次スプール93の軸方向Dに位置ずれを行ってしまうおそれがある。そして、この位置ずれが生じたときには、一次コイル92における一次巻線94の軸方向Dにおける巻き幅Wが小さくなってしまう。
また、特許文献1においては、1次コイルの単位長さ当たりの巻数を変化させた内燃機関用点火コイルが開示されている。この1次コイルは、磁気エネルギの蓄積量を増大させるために、一次コイル内に挿通させた鉄心における永久磁石に近い部分の上記巻数を、遠い部分の上記巻数よりも多くしたものである。
しかしながら、特許文献1においては、一層目の巻線が、各巻回電線同士が密着した密巻状態に形成されており、巻線が位置ずれを行うことがない。そのため、巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持するための工夫は何らなされていない。
特許第2830367号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、一次コイルにおける一次巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持することができる点火コイル及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、筒断面形状を有する一次スプールと、絶縁被膜を有する一次電線を上記一次スプールの外周面に複数回巻回してなる一次巻線とを備えた一次コイルを、円筒状部品の内周側に挿入配置してなる点火コイルにおいて、
上記一次巻線は、上記一次スプールの軸方向一方側から軸方向他方側に向けて上記一次電線を複数回巻回してなる一層目巻線部と、該一層目巻線部の外周側において上記軸方向他方側から上記軸方向一方側に向けて上記一次電線を複数回巻回してなる二層目巻線部とを形成してなり、該二層目巻線部及び上記一層目巻線部、上記一次電線の外径よりも該一次電線の巻きピッチが大きい疎巻状態にあり
上記一次巻線における両端部から引き出した引出線は、上記一次スプールの上記軸方向一方側の端部に設けた係止部に係止してあり、
上記一層目巻線部のうち上記軸方向他方側に位置する上記一次電線の部分である巻終端部、上記一次スプールの外周面から突出形成した外周突起部に係止してあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルにおける一次コイルは、一次電線を所定の間隔をあけて巻回してなる疎巻状態の一次巻線において、この一次巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持するための工夫を行っている。
具体的には、本発明の一次コイルは、一層目巻線部の外周側に二層目巻線部を形成してなる一次巻線を備えており、一層目巻線部と二層目巻線部とは、一次電線の外径(一次電線自体の外径のことをいう。)よりも巻きピッチを大きくして巻回されていることにより、一次電線同士の間に所定の間隔が形成された疎巻状態に形成されている。
また、一次スプールの外周面には、上記外周突起部が形成されており、この外周突起部に、一層目巻線部における上記巻終端部が係止されている。
そのため、一次スプールの外周面に巻回した一次巻線は、一次スプールの軸方向一方側に向けて引っ張られたときでも、一層目巻線部における巻終端部が、一次スプールの軸方向に位置ずれを行うことが防止される。そして、例えば、点火コイルの組付時において、上記一次コイルを円筒断面形状を有する円筒状部品内に挿入配置するときに、一次巻線が円筒状部品によって軸方向一方側に向けて引っ張られたときでも、一層目巻線部における巻終端部が一次スプールの軸方向に位置ずれを行うことを防止することができる。
これにより、一層目巻線部及び二層目巻線部を備えた一次巻線の軸方向における巻き幅が小さくなることを防止することができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、一次コイルにおける一次巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持することができる。
第2の発明は、円筒断面形状を有する一次スプールと、絶縁被膜を有する一次電線を上記一次スプールの外周面に複数回巻回してなる一次巻線とを備えた一次コイルを、円筒状部品の内周側に挿入配置してなる点火コイルの製造方法において、
上記一次スプールの軸方向一方側から軸方向他方側に向けて、上記一次電線を複数回巻回して、一層目巻線部を形成し、次いで、該一層目巻線部の外周側において、上記一次スプールの上記軸方向他方側から上記軸方向一方側に向けて、上記一次電線を複数回巻回して、二層目巻線部を形成し、かつ、上記一次巻線における両端部から引き出した引出線を、上記一次スプールの上記軸方向一方側の端部に設けた係止部に係止して、上記一次コイルを作製するに当たり、
上記一層目巻線部及び上記二層目巻線部は、上記一次電線の巻きピッチを該一次電線の外径よりも大きくした状態で形成し、上記一層目巻線部のうち上記軸方向他方側に位置する上記一次電線の部分である巻終端部を、上記一次スプールの外周面から突出形成した外周突起部に係止させた後、上記二層目巻線部を形成して、上記一次コイルを作製し、その後、該一次コイルをその上記軸方向他方側から上記円筒状部品の内周側へ挿入配置することを特徴とする点火コイルの製造方法にある(請求項5)。
本発明の点火コイルの製造方法においては、一次巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持できる一次コイルを作製することができる。
具体的には、本発明において、上記一層目巻線部及び二層目巻線部は、一次電線の外径よりも巻きピッチを大きくして巻回することにより、一次電線同士の間に所定の間隔を形成して疎巻状態に形成する。そして、二層目巻線部は、一層目巻線部における上記巻終端部を、上記一次スプールに形成した外周突起部に係止させた状態で形成している。
こうして作製した一次コイルにおいては、一次スプールの外周面に巻回した一次巻線は、一次スプールの軸方向一方側に向けて引っ張られたときでも、一層目巻線部における巻終端部が、一次スプールの軸方向に位置ずれを行うことが防止される。
それ故、本発明の点火コイルの製造方法によれば、一次コイルにおける一次巻線の軸方向における巻き幅を安定して維持することができる一次コイルを容易に作製することができる。
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1、第2の発明において、上記外周突起部は、上記一次スプールと一体成形することが好ましい。この場合には、一次スプールを成形すると同時に外周突起部を成形することができ、外周突起部の形成が容易である。
また、第1の発明においては、外周突起部は、一次スプールを成形した後に、この一次スプールに対して設けることもできる。また、外周突起部は、一次スプールに一次巻線を巻回した後に、一次巻線の一層目巻線部における巻終端部を係止するように一次スプールに対して設けることもできる。
上記第1の発明においては、上記二層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチは、上記一層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチよりも大きいことが好ましい(請求項2)。また、上記第2の発明においては、上記二層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチは、上記一層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチよりも大きくすることが好ましい(請求項6)。
この場合には、二層目巻線部における一次電線同士の間の間隔が、一層目巻線部における一次電線同士の間の間隔よりも大きくなり、一層目巻線部及び二層目巻線部による一次巻線の巻き崩れが起こりにくくすることができる。そのため、一次巻線の巻き状態を安定させることができる。
また、上記第1の発明において、上記外周突起部は、上記一次スプールの外周面における周方向の一部に形成してあり、上記一次スプールの軸方向に直交する方向に向けて長い細長形状を有していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、一層目巻線部における巻終端部を外周突起部に係止させることが容易である。また、外周突起部に対する巻終端部の係止状態を安定して維持することができる。
また、上記外周突起部は、上記一次スプールの外周面における周方向に向けて複数並べて形成してあることが好ましい(請求項4)。
この場合には、一層目巻線部における巻終端部を、複数の外周突起部のうちいずれかの外周突起部に係止させることができ、この係止を一層容易に行うことができる。
以下に、本発明の点火コイル及びその製造方法にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1〜図3に示すごとく、同心円状に配設した一次コイル2及び二次コイル5を備えており、エンジンケース8におけるプラグホール81内に挿入配置して使用するスティックタイプものである。そして、本例の点火コイル1においては、一次コイル2における一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wを安定して維持するための工夫を行っている。
図1、図2に示すごとく、上記一次コイル2は、円筒断面形状を有する一次スプール3と、絶縁被膜を有する一次電線40を一次スプール3の外周面31に複数回巻回してなる一次巻線4とを備えている。この一次巻線4は、一次スプール3の軸方向一方側D1から軸方向他方側D2に向けて一次電線40を複数回巻回してなる一層目巻線部41と、一層目巻線部41の外周側において、軸方向他方側D2から軸方向一方側D1に向けて一次電線40を複数回巻回してなる二層目巻線部42とを備えている。
また、一層目巻線部41と二層目巻線部42とは、一次電線40の外径Aよりも一次電線40の巻きピッチP1、P2が大きい疎巻状態となっている。そして、一層目巻線部41は、その軸方向他方側D2に位置する巻終端部411が、一次スプール3の外周面31から突出形成した外周突起部32に係止してある。
ここで、巻きピッチP1、P2とは、一次スプール3の外周面31に巻回した一次電線40の中心軸線同士の間の間隔のことをいい、一次電線40の外径Aよりも巻きピッチP1、P2が大きいことにより、一次電線40同士の間に所定の隙間45が形成されている。
以下に、本例の点火コイル1につき、図1〜図9と共に詳説する。
本例の点火コイル1は、CDI方式(キャパシター・ディスチャージド・イグニッション・システム)の点火コイル1であり、イグナイタ712の電力供給回路内に配置されたコンデンサに蓄積した電荷を一次コイル2に供給して、スパークを発生させるものである。そして、一次コイル2は、そのインダクタンスをあまり大きくする必要がなく、上記疎巻状態の一次巻線4を形成してなる。
図1、図2に示すごとく、上記一次スプール3は、合成樹脂材料から成形されている。
一次スプール3は、その軸方向一方側D1の端部に、一次巻線4における両端部から引き出した引出線43を係止するための係止部33を有している。
一次巻線4は、一次スプール3の軸方向一方側D1の端部においては、係止部33により一対の引出線43が係止されており、一次スプール3の軸方向他方側D2の端部においては、外周突起部32により一層目巻線部41における巻終端部411が係止されている。また、本例の外周突起部32は、一次スプール3と一体成形してある。
図1に示すごとく、上記一次巻線4において、二層目巻線部42の巻きピッチP2は、一層目巻線部41の巻きピッチP1よりも大きくなっている。これにより、二層目巻線部42における一次電線40同士の間の隙間45が、一層目巻線部41における一次電線40同士の間の隙間45よりも大きくなっており、一層目巻線部41及び二層目巻線部42による一次巻線4の巻き崩れが起こりにくくなっている。
また、本例の一層目巻線部41における一次電線40の巻きピッチP1は、一次電線40の外径Aの2〜4倍の大きさとなっている。そして、一層目巻線部41における一次電線40同士の間には、一次電線40の外径Aの大きさよりも大きな隙間45が形成されている。また、本例の二層目巻線部42における一次電線40の巻きピッチP2は、一層目巻線部41における一次電線40の巻きピッチP1の2倍以上の大きさとなっている。
また、図1、図2に示すごとく、本例の一次スプール3における外周突起部32は、一次スプール3の外周面31から径方向外方に向けて突出形成されている。この外周突起部32は、一次スプール3の外周面31における周方向Rの一部に形成してあり、一次スプール3の軸方向Dに直交する方向に向けて長い細長形状を有している。また、本例の外周突起部32は、一次スプール3の1箇所に形成されている。
また、外周突起部32は、一層目巻線部41における一次電線40の巻終設計位置に形成してある。
また、外周突起部32の上記軸方向Dに直交する方向における形成長さは、適宜変更することができる。例えば、外周突起部32は、図2に示すごとく、一次スプール3の外周面31において、半周未満の部分(例えば、約45°、90°等)に外周面31からの突出高さを一定にして形成することができる。なお、本例の外周突起部32は、一次スプール3の外周面31の周方向Rにおける約90°の範囲に形成した。
また、外周突起部32は、図4に示すごとく、一次スプール3の外周面31において、半周以上の部分(例えば、約180°、270°等)に外周面31からの突出高さを一定にして形成することもできる。
また、外周突起部32は、図5に示すごとく、一次スプール3の外周面31から周方向Rの一方に向けて突出形成することもできる。
また、外周突起部32は、一次スプール3の外周面31における周方向Rに向けて複数個並べて形成することもできる。例えば、外周突起部32は、図6に示すごとく、一次スプール3の外周面31の周方向Rにおいて、2箇所に等間隔に並べて形成することができる。また、例えば、外周突起部32は、図7に示すごとく、一次スプール3の外周面31の周方向Rにおいて、4箇所に等間隔に並べて形成することもできる。
このように、外周突起部32を周方向Rに向けて複数個形成した場合には、一層目巻線部41における巻終端部411を、複数の外周突起部32のうちいずれかの外周突起部32に係止させることができ、この係止を容易に行うことができる。
また、図3に示すごとく、本例の二次コイル5は、円筒断面形状を有する二次スプール51と、絶縁被膜を有する二次電線を二次スプール51の外周面31に複数回巻回してなる二次巻線52とを備えている。二次巻線52を構成する二次電線は一次巻線4を構成する一次電線40よりも外径が細く、二次巻線52は、一次巻線4における一次電線40の巻回数よりも多い巻回数で二次電線を巻回してなる。
上記点火コイル1は、一次コイル2及び二次コイル5を備えた円筒部11と、この円筒部11の軸方向一方側D1の端部に配設したイグナイタ頭部71と、円筒部11の軸方向他方側D2の端部に配設したプラグ取付部72とを有している。そして、円筒部11内及びイグナイタ頭部71内は、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂によって充填されている。
図3に示すごとく、一次コイル2及び二次コイル5は、樹脂製のコイルケース63内に配設されている。また、一次コイル2及び二次コイル5の内周側には、軟磁性体からなる中心コア61が配設されており、一次コイル2及び二次コイル5の外周側には、軟磁性体からなる外周コア62が配設されている。
また、二次コイル5は、一次コイル2の内周側に挿通されており、中心コア61は、二次コイル5の内周側に挿通されている。また、一次コイル2は、コイルケース63の内周側に挿通されており、コイルケース63は、外周コア62の内周側に挿通されている。
同図に示すごとく、イグナイタ頭部71は、一次コイル2の一次巻線4に通電を行うための電力供給回路を備えたイグナイタ712と、このイグナイタ712を配設してなる樹脂製のイグナイタケース部711とを有している。
また、プラグ取付部72は、スパークプラグ75を取り付けるためのゴム製のプラグキャップ721を有している。このプラグキャップ721は、コイルケース63の軸方向他方側D2から延長形成されたキャップ保持部631に保持されている。また、キャップ保持部631内には、スパークプラグ75の頭部と接触するコイルバネ723が配設されており、このコイルバネ723は、高圧端子722を介して二次コイル5における二次巻線52の高電圧側端部と電気的に接続されている。
そして、エンジン制御装置(ECU)からパルス状のスパーク発生信号がイグナイタ712の電力供給回路に送信されると、この電力供給回路におけるスイッチング素子等が動作し、一次コイル2の一次巻線4に瞬間的に電流が流れて、中心コア61及び外周コア62を通過する磁界が形成される。この磁界の形成、消滅に伴い、この磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア61及び外周コア62を通過する誘導磁界が形成される。そして、この誘導磁界の形成により、二次コイル5の二次巻線52に誘導起電力(逆起電力)が発生し、点火コイル1に取り付けたスパークプラグ75からスパークを発生させることができる。
次に、上記一次コイル2を備えた点火コイル1を製造する方法につき説明する。
本例の点火コイル1の製造方法においては、上記一次コイル2を作製する際の工夫を行っている。
すなわち、上記一次コイル2を作製するに当たっては、まず、一次スプール3を成形する。この成形の際には、一次スプール3の外周面31には、上記外周突起部32を形成すると共に、一次スプール3の軸方向一方側D1の端部には、上記一次巻線4における一対の引出線43を係止するための係止部33も形成する。
次いで、図9に示すごとく、一次スプール3を回転装置(図示略)にセットし、この一次スプール3の外周面31に電線供給装置における電線供給部(図示略)から一次電線40を供給すると共に、回転装置により一次スプール3を回転させて、一次電線40の巻回を行う。
このとき、電線供給部を、所定の送り速度で一次スプール3の軸方向他方側D2に向けて移動させる。そして、一次スプール3の軸方向一方側D1から軸方向他方側D2に向けて一次電線40の巻回が行われ、一層目巻線部41が形成される。
また、疎巻状態の一層目巻線部41を形成するために、電線供給部の送り速度を、一次電線40の巻きピッチP1が一次電線40の外径Aよりも大きくなるように設定する。
次いで、一次電線40を一次スプール3における外周突起部32の軸方向形成位置を通過して巻回したときには、電線供給部の移動方向を逆転させ、電線供給部を一次スプール3の軸方向一方側D1に向けて移動させる。このとき、電線供給部から一次スプール3に供給された一次電線40は、一層目巻線部41における巻終端部411となって、外周突起部32に係止される。
また、このとき、電線供給部の送り速度は、一層目巻線部41を形成する際の送り速度よりも速く設定する。
そして、一次スプール3の軸方向他方側D2から軸方向一方側D1に向けて一次電線40の巻回が行われ、二層目巻線部42が形成される。また、この二層目巻線部42における一次電線40は、その巻きピッチP2が一層目巻線部41における一次電線40の巻きピッチP1よりも大きな状態で形成される。
こうして、一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wを安定して維持することができる一次コイル2を作製することができる。
なお、点火コイル1における一次コイル2以外の部品(二次コイル5等)は、従来と同様の方法により作製することができる。
また、上記一次電線40の巻回は、上記回転装置によって一次スプール3を回転させる代わりに、上記電線供給装置における電線供給部を、一次スプール3の外周を回転させながら軸方向Dに移動させることにより行うこともできる。
上記のごとく、コイルケース63の軸方向他方側D2には上記キャップ保持部631が形成されている。そして、図1に示すごとく、点火コイル1の組付を行う際には、一次コイル2は、コイルケース63の軸方向一方側D1からこのコイルケース63内に挿入配置する。このとき、一次コイル2における一次巻線4は、円筒状部品としてのコイルケース63に接触したときには、軸方向一方側D1に向けて引っ張られることになる。
これに対し、本例の一次コイル2においては、一層目巻線部41における巻終端部411が一次スプール3における外周突起部32に係止されていることにより、この巻終端部411が一次スプール3の軸方向Dに位置ずれを行ってしまうことを防止することができる。
これにより、一層目巻線部41及び二層目巻線部42を備えた一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wが小さくなることを防止することができる。
また、本例の点火コイル1は、円筒部11の外径がφ16〜24mmである細径のものである。そして、点火コイル1を細径化させるときには、一次コイル2とその外周側に配設した円筒状部品(本例ではコイルケース63)との間の間隙を狭くしている。そのため、点火コイル1の組付時において、一次コイル2における一次巻線4と円筒状部品とが接触して一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wが小さくなりやすい状況にあるものの、上記外周突起部32の形成により、一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wを安定して維持することができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、一次コイル2における一次巻線4の軸方向Dにおける巻き幅Wを安定して維持することができる。
また、上記点火コイル1は、上記実施例1に示した構造以外にも、種々の構造とすることができる。
例えば、一次コイル2は、二次コイル5内に挿通配置することもできる。この場合には、一次コイル2を上記円筒状部品としての二次コイル5内に挿入配置する際に、上記一層目巻線部41における巻終端部411の位置ずれを防止できる。
また、一次コイル2は、外周コア62内に挿通配置することもできる。この場合には、一次コイル2を上記円筒状部品としての外周コア62内に挿入配置する際に、上記一層目巻線部41における巻終端部411の位置ずれを防止できる。
また、一次コイル2は、外周コア62の内周側に配置した合成樹脂からなる絶縁筒内に挿通配置することもできる。この場合には、一次コイル2を上記円筒状部品としての絶縁筒内に挿入配置する際に、上記一層目巻線部41における巻終端部411の位置ずれを防止できる。
また、図9に示すごとく、上記一次スプール3においては、上記外周突起部32と上記係止部33との間に、当該一次スプール3の外周面31から突出させた補助外周突起部34を形成することもできる。この場合には、一層目巻線部41が、その軸方向Dにおける中間位置において、一次スプール3の軸方向Dに位置ずれを行うことを抑制することができる。
実施例における、一次コイルを示す説明図。 実施例における、一次コイルを示す断面説明図。 実施例における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の一次コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の一次コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の一次コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の一次コイルを示す断面説明図。 実施例における、一次スプールの外周面に一次電線を巻回している状態を示す説明図。 実施例における、他の一次コイルを示す説明図。 従来例における、一次コイルを示す説明図。
符号の説明
1 点火コイル
2 一次コイル
3 一次スプール
31 外周面
32 外周突起部
4 一次巻線
40 一次電線
41 一層目巻線部
411 巻終端部
42 二層目巻線部
5 二次コイル
D1 軸方向一方側
D2 軸方向他方側
R 周方向
A 外径
P1、P2 巻きピッチ
W 巻き幅

Claims (6)

  1. 筒断面形状を有する一次スプールと、絶縁被膜を有する一次電線を上記一次スプールの外周面に複数回巻回してなる一次巻線とを備えた一次コイルを、円筒状部品の内周側に挿入配置してなる点火コイルにおいて、
    上記一次巻線は、上記一次スプールの軸方向一方側から軸方向他方側に向けて上記一次電線を複数回巻回してなる一層目巻線部と、該一層目巻線部の外周側において上記軸方向他方側から上記軸方向一方側に向けて上記一次電線を複数回巻回してなる二層目巻線部とを形成してなり、該二層目巻線部及び上記一層目巻線部、上記一次電線の外径よりも該一次電線の巻きピッチが大きい疎巻状態にあり
    上記一次巻線における両端部から引き出した引出線は、上記一次スプールの上記軸方向一方側の端部に設けた係止部に係止してあり、
    上記一層目巻線部のうち上記軸方向他方側に位置する上記一次電線の部分である巻終端部、上記一次スプールの外周面から突出形成した外周突起部に係止してあることを特徴とする点火コイル。
  2. 請求項1において、上記二層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチは、上記一層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチよりも大きいことを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項1又は2において、上記外周突起部は、上記一次スプールの外周面における周方向の一部に形成してあり、上記一次スプールの軸方向に直交する方向に向けて長い細長形状を有していることを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項3において、上記外周突起部は、上記一次スプールの外周面における周方向に向けて複数並べて形成してあることを特徴とする点火コイル。
  5. 円筒断面形状を有する一次スプールと、絶縁被膜を有する一次電線を上記一次スプールの外周面に複数回巻回してなる一次巻線とを備えた一次コイルを、円筒状部品の内周側に挿入配置してなる点火コイルの製造方法において、
    上記一次スプールの軸方向一方側から軸方向他方側に向けて、上記一次電線を複数回巻回して、一層目巻線部を形成し、次いで、該一層目巻線部の外周側において、上記一次スプールの上記軸方向他方側から上記軸方向一方側に向けて、上記一次電線を複数回巻回して、二層目巻線部を形成し、かつ、上記一次巻線における両端部から引き出した引出線を、上記一次スプールの上記軸方向一方側の端部に設けた係止部に係止して、上記一次コイルを作製するに当たり、
    上記一層目巻線部及び上記二層目巻線部は、上記一次電線の巻きピッチを該一次電線の外径よりも大きくした状態で形成し、上記一層目巻線部のうち上記軸方向他方側に位置する上記一次電線の部分である巻終端部を、上記一次スプールの外周面から突出形成した外周突起部に係止させた後、上記二層目巻線部を形成して、上記一次コイルを作製し、その後、該一次コイルをその上記軸方向他方側から上記円筒状部品の内周側へ挿入配置することを特徴とする点火コイルの製造方法。
  6. 請求項5において、上記二層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチは、上記一層目巻線部における上記一次電線の巻きピッチよりも大きくすることを特徴とする点火コイルの製造方法。
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