JP4551853B2 - 往復動ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば半導体製造装置におけるICや、液晶などの表面洗浄処理に用いら
れる薬液や超純水などの定量移送に好適な往復動ポンプに関するものである。
この種の往復動ポンプは、従来では、ポンプシリンダ内において移動体を駆動往復移動
させることで生じるポンプ作用により、弁を介して流体の吸入及び排出が自在に構成され
るとともに、移動体の往路移動と復路移動との切換えを、移動体の位置を光センサで検出
することに基づいて行う切換手段が装備されて構成されている。このような従来技術とし
ては、特許文献1や特許文献2等において開示されたものが知られている。
上記往復動ポンプにおいては、いずれの特許文献のものでも、移動体の位置を検出する
近接センサを2個用いて切換手段が構成されている。まず、特許文献1に示される往復動
ポンプでは、ベローズ(符号7)に連設される閉鎖端部材(符号7b)に連結軸を介して
一体的に連設されるピストン体(符号11)とポンプケーシングの底壁部(符号6a)と
の間隔を検出する第1近接センサ(符号35a)と、閉鎖端部材(符号7b)と前記底壁
部(符号6a)との間隔を検出する第2近接センサ(符号35b)とを設けている。この
構造では閉鎖端部材(符号7b)が「移動体」に相当している。これら2個の近接センサ
を用いて閉鎖端部材(符号7b)の移動方向を切換える制御は次のように行われる。
即ち、第1近接センサ(符号35a)は、底壁部(符号6a)と対を為すものであり、
底壁部(符号6a)が第1近接センサ(符号35a)に近付いてくることの検出情報によ
り、ピストン体(符号11)が閉鎖端部材(符号7b)に当接する寸前となる往路移動(
矢印y方向の移動)の終端位置が検知され、閉鎖端部材(符号7b)の移動方向が復路移
動(矢印x方向の移動)に切換るようにエアシリンダ部(符号14)が制御される。第2
近接センサ(符号35b)は、閉鎖端部材(符号7b)と対を為すものであり、閉鎖端部
材(符号7b)が第2近接センサ(符号35b)に近付いてくることの検出情報により、
閉鎖端部材(符号7b)が底壁部(符号6a)に当接する寸前となる復路移動の終端位置
が検知され、閉鎖端部材(符号7b)の移動方向が往路移動に切換るようにエアシリンダ
部(符号14)が制御される。この繰り返しにより、往復動ポンプとして連続駆動される
次に、特許文献2に示される往復動ポンプは、基本的には特許文献1のものと同様のベ
ローズを用いた構造のものであり、その切換手段から説明すると、ピストン(符号11)
の端部にはセンサ感知板(符号26)が取り付けられており、このセンサ感知板(符号2
6)を跨ぐ状態に一対の近接センサ(符号25a,25b)が配置されている。つまり、
切換手段は、いずれかの近接センサ(符号25a,25b)とセンサ感知板(符号26)
とが近付くことの検出情報により、ピストン(符号11)の、即ち移動体である閉鎖端部
材(符号7b)の移動方向を往路移動と復路移動とに切換えるようにエアシリンダ(符号
14)を制御するものであり、この機能も特許文献1のものと同様なものである。
しかしながら、切換手段として近接センサを用いるものとする手段では、センサ感知板
等の対を為す相手部材が金属製のものに限定される制約があるとともに、検出距離が短い
性質があることから、往復動ポンプでは必ず2個の近接センサが必要となる。加えて、電
位的な変化を検出するものであることから、防爆雰囲気での使用が不可であり、ポンプに
使用される流体の種類に制約を受ける等、使い難い面もあった。そこで、センサと対を為
す相手部材が金属以外でも良く、検出距離が近接センサより長くても可能であり、防爆雰
囲気でも使用できて前述の制約が回避可能となる利点を得るべく、近接センサに代えて光
センサを用いることで切換手段を構成することが考えられた。例えば、2個の光センサを
用いる手段として、図11に示すように、矢印イ方向と矢印ロ方向とに往復移動する反射
体19の外周面19Aに、その外周が平坦面100aとなる径の大きい環状突起100を
形成し、その環状突起100と径方向で近接した位置で、かつ、反射体19の移動方向で
互いに離れる2箇所に一対の光センサ101,102を配置して成る構成を有する切換手
段Aが考えられる。
一般的な光センサでは、受光量と検出距離との間には「受光量は距離の二乗に反比例す
る」という関係があることから、図11に示す光センサ101,102では、これと対を
為す反射体19が光センサ101,102に近付けば近付くほど受光量が増大することに
なる。この受光量と距離との関係をグラフに表すと図12に示すラインaのようになる。
図12のラインaから分かるように、各センサ101,102に反射体19が寸前まで近
付くと急激に受光量が増大し、ある程度以上離れると受光量は低いレベルで殆ど一定の値
を示すことが理解できる。従って、例えば図12のラインaにおいて、光センサの受光量
が「2000」のときの出力信号をもって移動体の移動方向を切換えるように設定すると
、有効となる実際の移動ストロークStJは、StJ=9.5−0.5=9.0mmが確保できるものとなり、全移動ストロークStZが10mmであるから、ストローク率StJ/StZ=9.0/10=90%になる。ポンピング動作に必要となる実移動ストロークStJを、無駄な移動ストローク(図12のラインaでは10%が無駄であって、余剰ストロークは1mm)を少なくした状態、即ちコンパクトに切換手段(往復動ポンプ)を構成できる利点が得られることが予測できる。
加えて、反射体が光センサの受光面近傍において移動する際の急激な受光量変化を用い
るものであるから、例えば、光センサの発光部の経時変化に伴う発光強度の低下、汚れ付
着等によって光量が若干低下するといった具合に、受光量が初期値から変化するようなこ
とがあっても、それによる移動ストローク量は殆ど変化しないものと考えられる。従って
、移動体がほぼ一定の値でもって移動ストロークすることによる安定したポンプ作用が長
期に亘って発揮される、という好ましい利点も得られることが予測される。
特開平10−196521号公報 特開2001−293836号公報
しかしながら、2個の光センサを用いる構造ではファイバ、アンプも2個ずつ必要とな
ってコストが高く付くとともに、配線が複雑になるとか断線や誤配線の可能性も増大する
という不利を伴うものであるため、1個の光センサで必要な機能を発揮可能となる比較例
1による切換手段が考えられた。それは、図7に示す比較例1の切換手段Aのように、単
一の光センサ34を、移動体の移動方向に沿う方向にセンシング作用する状態に、即ち、
ピストン19が外嵌される連結軸22(図2において、ベローズ7の可動板部9と一体移
動するポンプシャフト)の端面73からの反射光を受光する状態に配備する構成である。
このような構造にすれば、光センサ34の受光量変化でもって連結軸22の位置を随時検
出可能になるから、受光量のしきい値を大小二箇所に適宜に設定することにより、往路移
動と復路移動との切換えが可能な切換手段を構成可能になると思われる。
上述の図7に示す構成の比較例1の切換手段による可動板部9の移動ストロークと光セ
ンサ34の受光量との関係グラフは図8に示されるようになる。即ち、前述したように、
受光量は光センサ34と反射体22との距離の二乗に反比例するものであるから、図11
に示す2個の光センサ101,102を用いる切換手段Aの場合のグラフ(図12のライ
ンa参照)に比べて、全体的に受光量変化が緩やかな関係グラフになる。この場合、反射
体である連結軸22の端面73aが光センサ34近傍の位置にて距離変化する状況では、
図8のグラフ左側(移動距離が0の側)に示されるように、まだ比較的受光量がやや明確
な傾斜角度でもって変化するが、連結軸22と光センサ34との距離が離れる状況では、
図8のグラフ右側(移動距離が10mmの側)に示されるように、受光量の変化具合は非
常に緩慢なものになる。
つまり、受光量の変化割合が緩慢で、かつ、変化量も小さいものであるから、前述した
無駄な移動ストローク代が大きくなり、切換手段が肥大化し易いとか、効率の芳しくない
切換手段となる不利があるとともに、受光量が10%未満の変化量の範囲内に前記しきい
値を設定せざるを得ない状況となる。しかして、10%未満の変化量では光センサはヒス
テリシスの影響を受け易く、アンプ中の発光ダイオード(光センサの発光部)の経時変化
による発光強度の低下や、反射体(連結軸の端面)や光センサの表面に塵埃、磨耗粉等の
付着による受光量の低下が生じた場合、ポンプ切換タイミング(移動体の移動ストローク
)が大きく変化し、ポンプ性能が大きく変動する不都合が生じ易い。そのため、切換手段
の切換タイミングの調整を頻繁に行う必要となる不利があるとともに、受光量が大きく低
下すると、移動体の移動方向の切換作動自体が不能になること、即ちポンプが停止してし
まうという問題も考えられる。従って、単一の光センサのみで2個の光センサを用いる場
合と同等の機能を発揮させる切換手段の実現には、さらなる改善の余地が残されているも
のであった。
本発明の目的は、センシング構造の工夫により、光センサを1個しか用いないものとし
ながらも、2個の光センサを用いる場合の切換手段と同等の機能が発揮可能な切換手段を
有する改善された往復動ポンプを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、ポンプシリンダ14が、フッ素樹脂製のベローズ7とそのベローズ7の軸線上に対向配置されて設けられたシリンダヘッド部15と、前記シリンダヘッド部15からベローズ7の外周側に突出して設けられた第1シリンダ部16と、前記シリンダヘッド部15から第1シリンダ部16とは反対側に突出して設けられた第2シリンダ部17とを有しており、前記第1シリンダ部内に、前記ベローズ7が伸縮自在に収容され、前記シリンダヘッド部16の中央部に孔21が形成され、この孔21に、前記ベローズ7を伸縮させるポンプシャフト22が摺動自在に挿通され、前記第2シリンダ部内に、前記ポンプシャフト22を介して連結された反射体よりなるピストン19が軸方向に移動自在に設けられ、前記第1シリンダ部内において前記ベローズ7の可動側部材9を往復駆動させることで生じるポンプ作用により、弁を介して流体の吸入及び排出が自在に構成されるとともに、前記可動側部材9の往路移動と復路移動との切換えを、光センサ34を用いて行う切換手段Aが装備されている往復動ポンプであって、
前記切換手段Aは、前記可動側部材9の移動方向を横切る方向にセンシング作用する状態に前記第2シリンダ部17に配備される単一の前記光センサ34と、この光センサ34の受光面近傍の位置において前記ポンプシャフト22を介して可動側部材9と一体で動くピストン19と、前記光センサ34への反射光量を急変させる状態で前記可動側部材9の移動方向に互いに間隔を隔てて前記ピストン19に形成される二箇所の変極部h1,h2と、を有して構成され
前記ベローズ7はこのベローズ7の可動側部材9を底部で構成した底部付円筒状であって、前記ベローズ7の開口側端部8がこの開口側端部8と対向配置されたフッ素樹脂製のポンプボディ4に接合するように配置され、この底部中心部から前記ポンプボディ側に向けて前記ベローズ内に底付円筒状の軸体ネジ込み部70が突出形成され、
前記ポンプシャフト22はそのベローズ側外面に雄ネジ69が形成され、前記軸体ネジ込み部70はその内面に前記ポンプシャフト22の雄ネジと螺合する雌ネジ71が形成され、
前記ポンプボディ4はその中心部に前記ベローズ7の軸体ネジ込み部70の外径より大きい直径を有し、かつ、前記ベローズ7の伸長ストロークより長い深さを有する凹部72が設けられ、前記軸体ネジ込み部70はその先端側が前記ポンプボディ4の凹部72に常時嵌り込む長さに形成され、前記ベローズ7の前記軸体ネジ込み部70の先端側が前記ポンプボディ4の凹部72に常時嵌め込まれていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、ポンプシリンダ14が、フッ素樹脂製のベローズ7とそのベローズ7の軸線上に対向配置されて設けられたシリンダヘッド部15と、前記シリンダヘッド部15からベローズ7の外周側に突出して設けられた第1シリンダ部16と、前記シリンダヘッド部15から第1シリンダ部16とは反対側に突出して設けられた第2シリンダ部17とを有しており、 前記第1シリンダ部内に、前記ベローズ7が伸縮自在に収容され、前記シリンダヘッド部16の中央部に孔21が形成され、この孔21に、前記ベローズ7を伸縮させるポンプシャフト22が摺動自在に挿通され、前記第2シリンダ部内に、前記ポンプシャフト22を介して連結された反射体よりなるピストン19が軸方向に移動自在に設けられ、前記ベローズ7の可動側部材9を前記ポンプシリンダ14内で往復動させることで前記ベローズ7を伸縮させるエアシリンダ部Cと、前記第1シリンダ15と前記ベローズ7によって形成されるポンプ室11に連通する流体の吸入通路2a及び流体の途出通路3aと、流体が前記吸入通路2aから前記ポンプ室11に向う方向にのみ流れることを許容するフッ素樹脂製の吸入側逆止弁24と、流体が前記ポンプ室11から前記途出通路3aに向う方向にのみ流れることを許容するフッ素樹脂製の吐出側逆止弁26とを有するとともに、
前記可動側部材9の往路移動と復路移動との切換えを、光センサ34を用いて行う切換手段Aが装備されている往復動ポンプであって、
前記切換手段Aは、前記可動側部材9の移動方向を横切る方向にセンシング作用する状態に前記第2シリンダ部17に配備される単一の前記光センサ34と、この光センサ34の受光面近傍の位置において前記ポンプシャフト22を介して可動側部材9と一体で動くピストン19と、前記光センサ34への反射光量を急変させる状態で前記可動側部材9の移動方向に互いに間隔を隔てて前記ピストン19に形成される二箇所の変極部h1,h2と、を有して構成されて
前記ベローズ7はこのベローズ7の可動側部材9を底部で構成した底部付円筒状であって、前記ベローズ7の開口側端部8がこの開口側端部8と対向配置されたフッ素樹脂製のポンプボディ4に接合するように配置され、この底部中心部から前記ポンプボディ側に向けて前記ベローズ内に底付円筒状の軸体ネジ込み部70が突出形成され、
前記ポンプシャフト22はそのベローズ側外面に雄ネジ69が形成され、前記軸体ネジ込み部70はその内面に前記ポンプシャフト22の雄ネジと螺合する雌ネジ71が形成され、
前記ポンプボディ4はその中心部に前記ベローズ7の軸体ネジ込み部70の外径より大きい直径を有し、かつ、前記ベローズ7の伸長ストロークより長い深さを有する凹部72が設けられ、前記軸体ネジ込み部70はその先端側が前記ポンプボディ4の凹部72に常時嵌り込む長さに形成され、前記ベローズ7の前記軸体ネジ込み部70の先端側が前記ポンプボディ4の凹部72に常時嵌め込まれていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の往復動ポンプにおいて、前記変極部h
1,h2は、前記ピストン19に段差19Cを設けて、前記光センサ34からの距離が互いに異なる光反射面19A,19Bどうしを前記移動方向で隣合せて形成することで構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の往復動ポンプにおいて、前記変極部h
1,h2は、光の反射率が互いに異なる光反射面91,92どうしを前記移動方向で隣合
せて前記ピストン19に形成して構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の往復動ポンプにおいて、前記光の反射率が互
いに異なる光反射面91,92どうしは、前記ピストン19に色の濃淡を付けることで形成されていることを特徴とするものである。
請求項1,2の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、可動側部材の移動方向を横切る方向にセンシング作用させることと、ピストンに二箇所の変極部を設けることとにより、1個のみの光センサを用いながら、2個の光センサを用いる従来の切換手段による場合と同等のセンシング性能(可動側部材の移動ストロークの両端部における前記可動側部材の移動に伴う光センサの受光量が急激に変化することに因る移動ストローク量の高効率化、及び安定化、即ちコンパクトな切換手段で安定したポンプ性能が得られること)を得ながら、誤配線、断線のおそれが減るとともに、光センサ、ファイバ、アンプ等の部品が一組で済み、切換手段のコストを従来の半分にすることが可能になった。また、経時変化による光センサの発光素子の発光強度の低下や、塵埃、磨耗粉等による汚れ付着による受光量低下が生じても、ポンプ性能の低下や停止するといった不都合が解消又は軽減され、安定したポンプ性能を維持可能になる。その結果、光センサを1個しか用いないものとしながらも、2個の光センサを用いる場合の切換手段と同等の機能が発揮可能で、かつ、更なるコンパクト化も可能となる切換手段を有する改善された往復動ポンプを提供することができる
請求項1,2の発明によれば、前記作用、効果を、ベローズ型の往復動ポンプにおいて奏することができるようになる。
請求項3の発明によれば、光センサとピストンとの距離によって受光量が異なることに着目して為された手段であり、ピストンに段差を設ける程度の簡単で廉価な構造によって変極部を形成できる利点がある。
請求項4の発明によれば、ピストンの反射率を異ならせることで光センサの受光量が異なるように為された手段であり、材質、色、表面仕上げ精度(粗度)、表面処理等の一般的な要素に差を付ける簡易な手段によって反射率を異ならせることが可能となる利点がある。この場合、請求項5のように濃淡を付けて反射率を異ならせる手段も可能である。
以下に、本発明による往復動ポンプの実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1
はベローズ型の往復動ポンプの内部構造を示す断面図、図2は図1のポンプ部の拡大図、
図3は、ピストンが復路側端に移動した状態を示す要部の拡大断面図、図4は実施例1の
切換手段による光センサ受光量とピストン移動ストロークとの関係グラフである。図5,
6は実施例2による切換手段及びグラフ、図7,8は比較例1による切換手段及びグラフ
、図9,10は比較例2,3による切換手段、図11は2個の光センサを用いる従来の切
換手段をそれぞれ示す。図12は各構造による光センサ受光量とピストン移動ストローク
との関係を一堂に会したグラフ、図13は別構造の切換手段を示す要部の断面図である。
〔実施例1〕
実施例1による往復動ポンプ1は、例えば半導体製造工場において化学薬液、溶剤、純
水等の液体移送用として使用されるベローズ型往復動ポンプであって、移送液の吸入口2
及び吐出口3が形成されている略正方形の板状のポンプヘッドであるポンプボディ4と、
ポンプボディ4の一側(図1において右側)に配置されるポンプ部5と、ポンプボディ4
の他側(図1において左側)に配置されるアキュムレータ部6とを有して構成されている
。ポンプ部5は、後述のベローズ7を伸縮させるエアシリンダ部Cを有している。
ポンプボディ4の一側部(図1において左側部)には、軸方向(図1において左右方向
)に伸縮可能なベローズ7が配置されている。このベローズ7は、開口側端縁にフランジ
部を有する底付円筒状であって、フランジ部が開口側端部に環状の接合部8を形成してポンプボディ4に接合し、底部が円板状の可動板部(可動側部材の一例である)9を構成し、これら接合部8と可動板部9が円筒状で蛇腹構造の伸縮胴部10を介して一体的に連結されたもので、このベローズ7とポンプボディ4とで、密閉された可変容量の円筒状のポンプ室(ポンプ液室)11を形成している。
ベローズ7の接合部8には、ポンプボディ4との接合面に円形の凹部12がベローズ7
と同芯状に形成され、ポンプボディ4には、ベローズ7の接合部8との接合面に凹部12
と嵌合する円形の凸部13がポンプボディ4と同芯状に形成されている。これら互いに嵌
合する凹凸部12,13によりベローズ7とポンプボディ4の接合面間が気密にシールさ
れると共に、ベローズ7が径方向に位置決めされてポンプボディ4と同一軸線X上に配置
されている。
ポンプボディ4の一側部(図1において右側部)にはまた、ベローズ7と同一軸線X上
にポンプハウジングであるポンプシリンダ14が配置されている。このポンプシリンダ1
4は、ベローズ7の軸方向外側(図1において右外側)にポンプボディ4と対向状に配置
されるポンプボディ4と略同じ形状のシリンダヘッド部15と、ベローズ7を内部に収容
するようにシリンダヘッド部15からポンプボディ4側(図1において左側)に向けてベ
ローズ7と同一軸線X上に突出形成される円筒状の第1シリンダ部16と、シリンダヘッ
ド部15から第1シリンダ部16と反対側(図1において右側)にベローズ7と同一軸線
X上に突出形成される円筒状の第2シリンダ部17とからなるもので、第1シリンダ部1
6が、その開口側端部でポンプボディ4との間にベローズ7の開口側端部(接合部8)を
挟み、可動板部9を矢印イ方向に往路移動させるべく、ベローズ7の外側にシリンダヘッ
ド部15とで密閉される往路空気室18が形成されている。
そして、第2シリンダ部17には、軸方向(図1において左右方向)に摺動自在にピス
トン19が嵌め込まれ、この第2シリンダ部17の開口側端部は、ボルト締めにより着脱
自在に取り付けられるカバー蓋20により閉じられている。さらに、シリンダヘッド部1
5には、円形の中心孔21が形成されており、この中心孔21には、ベローズ7と同一軸
線X上に配置される断面円形の連結軸であるポンプシャフト22が軸方向(図1において
左右方向)に摺動自在に挿通され、このポンプシャフト22によりベローズ7とピストン
19とが連結されている。また、第2シリンダ17の内部には、高圧エア供給によってピ
ストン19を矢印ロ方向に復路移動させるための復路空気室35が形成されている。
ポンプボディ4には、移送液の吸入口2に連通する吸入ポート23を開閉する吸入側逆
止弁24と、移送液の吐出口3に連通する吐出ポート25を開閉する吐出側逆止弁26が
ポンプ室11内で装着されている。また、ポンプシリンダ14のベローズ7の開口側端部
(接合部8)との接合部、すなわち第1シリンダ部16の開口側端部には、これらの間を
気密にシールするOリング27が装着され、ポンプシリンダ14のポンプシャフト22と
の摺動部、すなわちシリンダヘッド部15の中心孔21の周囲には、これらの隙間をシー
ルするためにスリッパーリング28を介してOリング29が装着され、ポンプシリンダ1
4のピストン19との摺動部、すなわち第2シリンダ部17の内面にも、これらの隙間を
シールするためにスリッパーリング30を介してOリング31が装着されている。
さらに、ポンプシリンダ14のシリンダヘッド部15には、ベローズ7を往復駆動する
ために、往路空気室18に高圧エアを供給するベローズ収縮用のエア供給口32と、第2
シリンダ17のOリング31の装着位置よりシリンダヘッド15側の内部である復路空気
室35に高圧エアを供給するベローズ伸長用のエア供給口33が形成されている。なお、
ポンプシリンダ14の第2シリンダ部17には、ピストン19の往復動作により可動板部
9の即ちベローズ7の伸縮ストローク終端位置を検出するための単一の光センサ34が取
付けられている。詳しくは後述するが、光センサ34の出力信号(検出情報)に基づいて
エアポンプ82から各エア供給口32,33へのエア供給を切換え、往路空気室18と復
路空気室35とへのエア供給を交互に行うように構成されており、往復動ポンプ1におけ
る移送液の吸入工程と吐出工程の切換え制御が行われる。以上の各構成要素により、ポン
プボディ4の一側部(図1において左側部)にポンプ部5が構成されている。
一方、ポンプボディ4の他側部(図1において左側部)には、軸方向(図1において左
右方向)に伸縮可能なアキュムレータベローズ36が配置されている。このアキュムレー
タベローズ36は、開口側端縁にフランジ部を有する底付円筒状であって、フランジ部が開口側端部に環状の接合部37を形成してポンプボディ4に接合し、底部が円板状の可動板部38を構成し、これら接合部37と可動板部38が円筒状で蛇腹構造の伸縮胴部39を介して一体的に連結されたもので、このアキュムレータベローズ36とポンプボディ4とで、密閉された可変容量の円筒状のアキュムレータ室(アキュムレータ液室)40を形成している。
このアキュムレータ室40は、ポンプ室11に吐出側逆止弁26とポンプボディ4に形
成されている連通路41を介して連通接続され、かつ、ポンプボディ4に形成されている
吐出口3とも連通して、ポンプ室11から吐出側逆止弁26を通して吐出される移送液を
一時的に貯留する。アキュムレータベローズ36の接合部37には、ポンプボディ4との
接合面に円形の凹部42がアキュムレータベローズ36と同芯状に形成され、ポンプボデ
ィ4には、アキュムレータベローズ36の接合部37との接合面に凹部42と嵌合する円
形の凸部43がポンプボディ4と同芯状に形成されている。これら互いに嵌合する凹凸部
42,33によりアキュムレータベローズ36とポンプボディ4の接合面間が気密にシー
ルされると共に、アキュムレータベローズ7が径方向に位置決めされてポンプボディ4と
同一軸線X上に配置されて、ベローズ7と同一軸線Xに配置されている。
ポンプボディ4の一側部(図1において左側部)にはまた、アキュムレータベローズ3
6と同一軸線X上にアキュムレータハウジングであるアキュムレータシリンダ44が配置
されている。このアキュムレータシリンダ44は、底付円筒状であって、底部が、アキュムレータベローズ36の軸方向外側(図1において左外側)にポンプボディ4と対向状に配置されるポンプボディ4と略同じ形状のシリンダヘッド部45を構成し、胴部が、アキュムレータベローズ36を内部に収容するようにシリンダヘッド部45からポンプボディ4側(図1において右側)に向けてアキュムレータベローズ36と同一軸線X上に突出形成される円筒状のシリンダ部46を構成しており、シリンダ部46が、その開口側端部でポンプボディ4との間にアキュムレータベローズ36の開口側端部(接合部37)を挟み、アキュムレータベローズ36の外側にシリンダヘッド部45とで、脈動低減用のエアが封入される密閉されたアキュムレータ空気室47を形成している。
アキュムレータシリンダ44のアキュムレータベローズ36の開口側端部(接合部37
)との接合部、すなわちシリンダ部46の開口側端部には、これらの間を気密にシールす
るOリング57が装着されている。なお、アキュムレータシリンダ44の内面には、アキ
ュムレータベローズ36の過剰な伸び変形を規制し、その破損を防止するためのストッパ
ー48が突出形成されている。また、アキュムレータシリンダ44には、アキュムレータ
空気室47内のエア圧をポンプ部5の吐出圧とこの変動に応じてバランスさせるための自
動給気弁機構及び自動排気弁機構よりなる圧力自動調整機構49が取り付けられている。
以上の各構成要素によりアキュムレータ部6が、ポンプボディ4の他側部(図1において
左側部)にポンプ部5と同一軸線X上で構成されている。
そして、ポンプボディ4両側のシリンダヘッド部15,45を軸線Xと平行な複数本の
金属タイロッド50を用いて締付けることで、ポンプボディ4、ポンプ部5、アキュムレ
ータ部6が一体化してなる往復動ポンプ1を構成している。この場合、各タイロッド50
(両端の金属ナット51等も含む)は、ポンプボディ4、ポンプシリンダ14、アキュム
レータシリンダ44の外面に形成されて直列に接合されるフランジ部52,53,54の
中で挿通収容され、かつ、その収容部の両端開口も着脱可能なキャップ55,56により
閉じられており、各タイロッド50及びその両端のナット51等、金属部品の被液による
腐食を防止している。なお、ポンプボディ4を円形の板状に形成し、その外周面両側部に
雄ネジを形成すると共に、その雄ネジと螺合する雌ネジを内面に有するナット部を各シリ
ンダ部16,46の開口側端部に一体に形成し、ポンプボディ4の両側にポンプシリンダ
14及びアキュムレータシリンダ44をそれぞれ直接ネジ結合により連結し、ポンプボデ
ィ4、ポンプ部5、アキュムレータ部6が一体化してなる往復動ポンプ1を構成してもよ
い。
往復動ポンプ1におけるベローズ7とポンプシャフト22との連結構造について説明す
る。図1及び図2に示すように、ポンプシャフト22には、その一端側外面(ポンプベロ
ーズ7側外面)に雄ネジ69が形成され、ポンプシャフト22はボルト構造になっている
。対して底付円筒状のベローズ7には、その底部中心部からベローズ7内に同一軸線X上に底付円筒状の軸体ネジ込み部70が突出形成され、この軸体ネジ込み部70の内面には、ポンプシャフト22の雄ネジ69と螺合する雌ネジ71が形成されており、ベローズ7はその中心部に軸継手を一体化したものになっている。これにより、ポンプシャフト22の一端側をベローズ7の中心部に直接ネジ結合により連結自在に構成されている。
また、ポンプボディ4には、その中心部にベローズ7の軸体ネジ込み部70の外径より
若干大きい直径を有し、かつ、ベローズ7の伸長ストロークより長い深さを有する円形の
凹部72が同芯状に設けられている。軸体ネジ込み部70は、その先端側がポンプボディ
4の凹部72に常時(ベローズ7が収縮したときは無論、伸長したときも)嵌り込む長さ
に形成され、ベローズ7の軸体ネジ込み部70は、その先端側がポンプボディ4の凹部7
2に常時嵌め込まれている。
次に、往復動ポンプ1のポンプシャフト22とピストン19との連結構造について説明
する。図1及び図2に示すように、ポンプシャフト22には、その他端(ピストン19側
端)にその直径よりも大きい直径を有する円形の係合頭部73が一体に形成されている。
対してピストン19には、ポンプシャフト22の他端を係合頭部73も含めて嵌め込み可
能な段付の中心孔74が形成されている。この中心孔74は、段差面75より一側(シリ
ンダヘッド部15側)の孔径を他側(シリンダヘッド部15側と反対側)より大とした断
面円形の段付孔であって、小径孔部76の孔径がポンプシャフト22の胴部外径と略同径
に形成され、大径孔部77の孔径がポンプシャフト22の係合頭部73の外径と略同径に
形成されている。また、ポンプシャフト22には、中心孔74との隙間を埋めるための弾
性材料よりなる環状シール部材、例えばフッ素樹脂製のOリング78が装着されている。
このOリング78は、ポンプシャフト22の小径孔部76に嵌り込む部分に装着されてい
る。これにより、ポンプシャフト22の他端側をピストン19の中心部に嵌合により連結
可能に構成している。
次に、上記のように構成された往復動ポンプ1の基本動作は以下のようになる。ポンプ
ボディ4の吸入口2が、吸入通路2a及び吸入側逆止弁24を通じてポンプ室11に通じ
、ポンプ室11が、吐出側逆止弁26及び連通路41を通じてアキュムレータ室40に通
じ、アキュムレータ室40が、吐出通路3aを通じてポンプボディ4の吐出口3に通じて
いる。そして、ポンプ部5は、エアポンプ82からエア供給口33を通じて復路空気室3
5に高圧エアが供給されると(このとき、エア供給口32は大気に開放される)、復路空
気室35側の圧力が高まるので、ピストン19が矢印ロ方向(図1において右方向)に移
動し、これと一体的にポンプシャフト22及びベローズ7の可動板部9も矢印ロ方向に移
動する。すなわちベローズ7が伸長される。
このベローズ7の伸長動作により吸入側逆止弁24が開、吐出側逆止弁26が閉になる
ので、移送液がポンプボディ4の吸入口2から吸入通路2a及び吸入側逆止弁24を通じ
てポンプ室11に吸入される(吸入工程)。続いて、エアポンプ82からエア供給口32
を通じて往路空気室18に高圧エアが供給されると(このとき、エア供給口32は大気に
開放される。)、この往路空気室18の圧力が高まるので、可動板部9が矢印イ方向に押
され、ベローズ7が収縮する。
このベローズ7の収縮動作により吸入側逆止弁24が閉、吐出側逆止弁26が開になる
ので、ポンプ室11の移送液が吐出側逆止弁26を通じて吐出される。また、ベローズ7
の収縮時には、これと一体的にポンプシャフト22及びピストン19が矢印イ方向に移動
する(吐出工程)。以上の動作が、切換手段A(後述)による移送液の吸入工程と吐出工
程の切換え制御により繰り返えされ、ポンプ作用が行われる。
一方、アキュムレータ部6では、ポンプ室11から吐出された移送液を、連通路41を
通じてアキュムレータ室40に受け入れ、このアキュムレータ室40に一時的に貯留した
後、吐出通路3aを通じてポンプボディ4の吐出口3から吐出する。このとき、アキュム
レータベローズ36は、ポンプ部5の吐出圧の脈動により、吐出圧曲線の山部にある場合
には、アキュムレータ室40の容積を増大するように伸長する。この伸長動作によりアキ
ュムレータ室40から流出する移送液の流量は流入する流量よりも少なくなる。
また、吐出圧曲線の谷部にさしかかると、アキュムレータベローズ36の伸長に伴って
圧縮されたアキュムレータ空気室47のエア封入圧よりも吐出圧が低くなるので、アキュ
ムレータベローズ36は、アキュムレータ室40の容積を減少するように収縮する。この
収縮動作によりアキュムレータ室40から流出する移送液の流量は流入する流量よりも多
くなくなる。以上の動作をポンプ部5の移送液の吸入工程と吐出工程に応じて繰り返し、
ダンパー作用を行う。
以上、ポンプ部5のポンプ作用とアキュムレータ部6のダンパー作用により往復動ポン
プ1は、移送液をポンプボディ4の吸入口2から吸入し、脈動が吸収減衰されて略平滑化
された吐出圧で吐出口3から略一定流量で連続的に吐出し、液体移送を行うことができる
ように構成されている。
つまり、復動ポンプ1は、図1〜図3に示すように、移送液の吸入口2及び吐出口3が形成されているポンプボディ4と、ポンプボディ4の一側に配置されるポンプ部5及び他側に配置されるアキュムレータ部6とを備え、ポンプ部5は、ポンプボディの4一側部に開口側端部8がポンプボディ4に接合するように配置して内部にポンプ室11を形成する軸方向に伸縮可能な底付円筒状のベローズ7と、ベローズ7の軸方向外側にポンプボディ4と対向状に配置するシリンダヘッド部15、ベローズ7を内部に収容するようにシリンダヘッド部15からポンプボディ4側に向けてベローズ7と同一軸線X上に突出形成され開口側端部でポンプボディ4との間にベローズ7の開口側端部8を挟みベローズ7の外側にシリンダヘッド部15とで往路空気室18を形成する第1シリンダ部16、シリンダヘッド部15から第1シリンダ部16と反対側にベローズ7と同一軸線X上に突出形成してピストン19が軸方向に摺動自在に嵌め込まれる第2シリンダ部17とからなるポンプシリンダ14と、シリンダヘッド部15の中心部を軸方向に摺動自在に貫通してベローズ7とピストン19を連結するポンプシャフト22と、ポンプ室11内でポンプボディ4に装着する吸入側逆止弁24及び吐出側逆止弁26とを備え、往路空気室18と第2シリンダ部17内に交互に供給する高圧エアによりベローズ7、ポンプシャフト22、ピストン19が一体的に往復動し、ベローズ7が伸縮を繰り返し、移送液をベローズ7の伸長時に吸入側逆止弁24を通してポンプボディ4の吸入口2からポンプ室11に吸入し、収縮時に吐出側逆止弁26を通してポンプボディ4の吐出口3から吐出するように構成する一方、
アキュムレータ部6は、ポンプボディ4の他側部に開口側端部37がポンプボディ4に接
合するように配置して内部にポンプ室11から吐出側逆止弁26を通して吐出される移送
液を一時的に貯留するアキュムレータ室40を形成する軸方向に伸縮可能な底付円筒状のアキュムレータベローズ36と、アキュムレータベローズ36の外側に配置して開口側端部でポンプボディ4との間にアキュムレータベローズ36の開口側端部37を挟みアキュムレータベローズ36の外側にエアを封入するアキュムレータ空気室40を形成する底付円筒状のアキュムレータシリンダ44とを備え、ポンプ部5の吐出圧の脈動をアキュムレータベローズ36の伸縮により吸収するように構成されている。
また、この往復動ポンプ1の構成要素のうち、ポンプ部5及びアキュムレータ部6の接
液部品であるポンプボディ4、ベローズ7、吸入側逆止弁(弁ケース及びスプリングを含
む)24及び吐出側逆止弁(弁ケース及びスプリングを含む)26、アキュムレータベロ
ーズ36に加え、非接液部品であるポンプシリンダ14、ピストン19、ポンプシャフト
22、アキュムレータシリンダ44も樹脂材料よりなる樹脂製とし、往復動ポンプ1は樹
脂化されたものになっている。
樹脂化材料は次の通りである。ポンプボディ4、ベローズ7はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂製である。スリッパーリング28,30、アキュムレータベローズ36はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が好ましい。吸入側逆止弁24及び吐出側逆止弁26の弁ケースについては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂製である。吸入側逆止弁24及び吐出側逆止弁26の弁本体とスプリングについても、PFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂製である。ポンプシリンダ14、カバー蓋20、アキュムレータシリンダ44、圧力自動調整機構49のボディ49aについては、PP(ポリプロピレン)等の樹脂が好ましい。ポンプシャフト22、ピストン19については、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂が好ましい。キャップ55,56については、PE(ポリエチレン)等の樹脂が好ましい。なお、Oリング27,29,31,57の他、この往復動ポンプ1に使用されるOリングは全てフッ素ゴム製である。
エアシリンダ部Cの駆動部Kについて説明する。図2に示すように、駆動部Kは、エア
ポンプ82、バルブ83、電磁切換弁81、光センサ34、及び制御装置80等から構成
されており、前述したように往路空気室18と復路空気室35とに交互に高圧エアを供給
することにより、可動板部9を矢印イ方向と矢印ロ方向とに連続往復移動させることがで
きる。この駆動部Kにおける電磁切換弁81の切換えは、単一の光センサ34、制御装置
80等から成る切換手段Aによって行われる。制御装置80には、光センサ34の発光用
配線r1及び受光用配線r2が接続されるとともに、電磁切換弁81の電磁駆動部81a
,81aが接続される。
切換手段Aは、可動板部9の往路移動と復路移動との切換え、即ち電磁切換弁81の切換えを、可動板部9の位置を光センサ34で検出することに基づいて行うものであり、可動板部9の移動方向を横切る方向にセンシング作用する状態に配備される単一の光センサ34と、この光センサ34の受光面34a近傍の位置において可動板部9と一体で動くピストン(反射体)19と、光センサ34への反射光量を急変させる状態で可動板部9の移動方向に互いに間隔を隔ててピストン19に形成される二箇所の変極部h1,h2と、を有して構成されている。
第1変極部h1は、ピストン19の外周面19Aに段差19Cを設けて、光センサ34
からの距離が互いに異なる光反射面19A,19Bどうしを可動板部9の移動方向で隣合
せて形成することで構成されている。つまり、基も径の大きい外周面19Aが第1光反射
面19Aであり、それより若干(例:半径で2mm)小さい径を有する外周面19Bが第
2光反射面19Bである。そして、第2変極部h2は、ピストン19が往路移動(矢印イ
方向への移動)するに従って光センサ34の反射体である第2光反射面19Bが無くなる
こと、即ち図2に実線で示す状態においては、ピストン19の端面19tが受光軸心Pを
少し通り過ぎるように設定されるピストン19の前記端面19tで構成されている。尚、
受光面34aと第2光反射面19Bとの間隔L(図2参照)は、概ね5mm以下に設定す
ることが望ましい(例:4mm)。
反射型フォトセンサである光センサ34は、図2,3に示すように、ポンプシリンダ1
4の端面14tに取付けられるカバー蓋20の外周部20aに、発光及び受光方向が軸線
Xに直交する状態で螺着されており、その受光面34aがピストン19の外周面19Aの
近傍位置(例:外周面19aから外径方向に2mm離れた位置)となるように設定されて
いる。ピストン19の端面19tとカバー蓋20の内面20bとの軸線X方向の間隔は、
可動板部9の全移動ストロークStZと同量の10mmに設定されており、可動板部9が
全移動ストロークStZ中の往路方向の限界に寄った状態(図2に実線で示す状態)では
、端面19tが受光軸心Pを若干通り過ぎる位置となるように構成されている。また、図
3に示すように、可動板部9が全移動ストローク中の復路方向の限界に寄った状態では、
受光軸心Pが段差19Cの少しポンプシリンダ側(図2の左側)に寄った位置となるよう
構成されている。尚、全移動ストロークStZ(10mm:図4参照)は設計上の値であ
り、実際にピストン19が(可動板部9が)動く実移動ストロークStJ(9.5mm:
図4参照)は全移動ストロークStZよりもやや小さい値となっている。
上述のように構成された切換手段Aにおける光センサ34のピストン19からの反射光
による受光量が可動板部9のストローク量によって変化する関係グラフを図4に示す。図
4における「移動ストローク量」とは、ピストン19の(可動板9の)設計上の最復路移
動側位置(カバー蓋20の内面20bの位置)を0として、そこから設計上で最往路移動
側端までの移動ストローク、即ち全移動ストロークStZ(10mm)を示してある。ま
た、図4における「受光量」は、光センサ34の受光量が最大となる最も復路移動側(図
3の状態)にピストン19が(可動板9が)寄った状態のときの値が4000(単位:d
igit)となる場合のものである。つまり、最大10mmの移動ストロークにより、受
光量は、主に第1反射面19Aで反射されることによる最大値(4000)から、反射体
がほぼ消滅することによる最小値(100)の間で変化するものとなっている。
さて、図4のグラフにおいて、ピストン19が設計上の最復路移動側位置(移動ストロ
ーク0の位置)から往路移動側に動くと、第1反射面19Aが遠ざかって第2反射面19
Bが近付いてくること(段差19C、即ち第1変極部h1が往路移動側に移動すること)
によって受光量が急減し、約0.5mmの移動ストロークでほぼ第2反射面19Bのみの
反射による受光量(500)に変化する。それから第2変極部h2が受光軸心Pに近付く
こととなる移動ストローク量が約9.3mmまでは受光量がほぼ500一定に保たれ、そ
れ以降10mmまでは受光量が再び急減するようになることが理解できる。尚、図4のグ
ラフにおける実線のラインdは光センサ34が本来の照射量が発揮されている状態、即ち
受光量が初期値(100%)であるときの値を示し、破線のラインd’は、経時変化や汚
れ等によって受光量が初期値から50%低下した時の値を示している。
ここで、制御装置80により、光センサ34の検出情報(受光量)の第1しきい値s1
を1600に、そして、第2しきい値s2を200に夫々設定すれば、受光量が1600
と200との間で変化する範囲の移動ストロークが可動板部9の実移動ストローク(有効
移動ストローク)StJとなり、それはグラフを読み取れば0.3mmから9.8mmの
間の9.5mmとなる。尚、第1しきい値s1は、可動板部9を復路移動から往路移動に
切換える(電磁切換弁81をH位置からO位置に切換える)ための制御上のゲインであり
、第2しきい値s2は、可動板部9を往路移動から復路移動に切換える(電磁切換弁81
をO位置からH位置に切換える)ための制御上のゲインである。これらゲインは予め制御
装置80に記憶させておく。
つまり、光センサ34を1個しか用いない切換手段Aでありながら、95%のストロー
ク効率(シフト効率)が発揮できるという優れた性能を得ることができる。受光量が50
%低下したラインd’では、受光量が1600のときの移動ストローク量は0.1mmで
、かつ、受光量が200のときの移動ストローク量は09.6であることが読み取れるか
ら、この場合でも実移動ストロークは9.5mmであり、受光量が変化しても実移動スト
ロークが変わらず、従ってポンプ性能が一定レベルに維持されるという利点が得られるも
のとなる。尚、ストローク効率とは、可動板部9の設計上の全移動ストローク
StZに対する切換手段Aによる実移動ストロークStJの割合のこと(実施例1ではS
tJ/StZ=9.5mm/10mm=95%)であり、これが高いほど、必要とする移
動ストロークStJを確保するための見かけの余剰ストローク(StZ−StJ)が少な
くて済み、往復動ポンプのコンパクト化が推進される利点がある。
ところで、光センサ34の検出感度は、受光量の絶対値の差よりも、受光量の変化率の
差の方により敏感に反応する特性を有している。そこで、第1変極部h1によって受光量
が4000から1600に変化する場合の変化率(減少率)は60%であり、第2変極部
h2によって受光量が500から200に変化する場合の変化率(減少率)も同様に60
%となるから、これらいずれの場合でも互いに等しい検出感度でもって検知作動すること
ができていて好都合である。尚、第1変極部h1によって受光量が1600から4000
に変化する場合の変化率(増加率)と、第2変極部h2によって受光量が200から50
0に変化する場合の変化率(増加率)とも、当然ながら互いに同じ250%である。
次に、実施例1の往復動ポンプの動作を、その駆動制御部も含めて詳述する。図2示す
ように、ベローズ7の可動板部9がポンプボディ4に近い側である前死点DP1にあって
、ポンプボディ4とベローズ7とで囲まれた密閉空間であるポンプ室11の容積が縮小さ
れ、かつ、電磁切換弁81が中立位置Nに保持されたポンプの停止状態において、制御装
置80に付設された押ボタン等の操作手段(図示省略)の手動操作によって、電磁切換弁
81を復路位置Hに切換えると、エアポンプ82から供給される高圧エアは、エア供給管
84→電磁切換弁81→復路側路33a→復路用エア供給口33の経路で復路空気室35
に流入する。それと同時に、ポンプシリンダ14内に封入されて可動板部9を前死点DP
1方向に付勢している高圧エアは、往路用エア供給口32→往路側路32a→電磁切換弁
81の経路で大気中に排出される。このため、ピストン19は第2シリンダ部17内で矢
印ロ方向に移動して終端位置まで後退し、この後退に伴ってベローズ7の可動板部9がポ
ンプボディ4から離れた後死点DP2まで後退してポンプ室11の容積を拡大する。
ポンプ室11の容積拡大に伴って、ポンプ室11の負圧が漸次高くなるので、移送液が
ポンプボディ4の吸入口2→吸入通路2a→吸入側逆止弁24の経路でポンプ室11内に
吸込まれる(吸入工程)。つまり、吸込通路2aに吸い込まれる移送液の吸込圧が吸入側
逆止弁24の巻きバネ24Aのばね力に打ち勝って吸入側逆止弁24を押し広げて(詳し
くは、吸入側逆止弁24の弁体24Bを後退させて)、ポンプ室11内に吸込まれる。
ピストン19が終端位置まで後退し、かつ、ベローズ7の可動板部9が後死点DP2ま
で後退した吸込行程の終了時に吸入側逆止弁24の弁体24Bは巻きバネ24Aのばね力
によって閉じ始める。このとき光センサ34の受光軸心Pは、相対的に段差19Cを通り
過ぎてピストン19の第1反射面19Aに向く状態にあり、そのときの検出受光量(検出
情報)が制御装置80に入力される。制御装置80は、光センサ34から入力される検出
受光量が第1しきい値s1(1600)を越えたことの認識によって電磁切換弁81に切
換信号を出力し、電磁切換弁81を往路位置Oに切換える。これにより、エアポンプ82
から供給される高圧エアは、エア供給管84→電磁切換弁81→往路側路32a→往路用
エア供給口32の経路で往路空気室18に流入するとともに、復路空気室35の高圧エア
は、復路用エア供給口33→復路側路33a→電磁切換弁81の経路で大気中に排出され
る。このため、ベローズ7の可動板部9を前死点DP1まで前進させて、ポンプ室11の
容積を縮小するとともに、ピストン19を第2シリンダ部17内で始端位置まで前進させ
る。
ポンプ室11の容積が縮小されることによって、ポンプ室11内の移送液が吐出側逆止
弁26の巻きバネ26Aのばね力に打ち勝って吐出側逆止弁26を押し広げて(詳しくは
、吐出側逆止弁26の弁体26Bを後退させて)、連通路41からアキュムレータ室40
に受け入れられ、このアキュムレータ室40に一時的に貯留した後、吐出通路3aを通じ
てポンプボディ4の吐出口3から吐出される。このとき、アキュムレータベローズ36は
、ポンプ部5の吐出圧の脈動により、吐出圧曲線の山部にある場合には、アキュムレータ
室40の容積を増大するように伸長する。この伸長動作によりアキュムレータ室40から
流出する移送液の流量は流入する流量よりも少なくなる。また、吐出圧曲線の谷部にさし
かかると、アキュムレータベローズ36の伸長に伴って圧縮されたアキュムレータ空気室
47のエア封入圧よりも吐出圧が低くなるので、アキュムレータベローズ36は、アキュ
ムレータ室40の容積を減少するように収縮する。この収縮動作によりアキュムレータ室
40から流出する移送液の流量は流入する流量よりも多くなくなる。以上の動作をポンプ
部5の移送液の吸入工程と吐出工程に応じて繰り返され、ダンパー作用が行われる。
ピストン19が始端位置まで前進し、かつ、ベローズ7の可動板部9が前死点DP1ま
で前進した吐出行程の終了時点で吐出側逆止弁26は閉鎖される。このとき光センサ34
の受光軸心Pは、相対的にピストン19の端面19tを通り過ごす位置にあって、ピスト
ン19の第2反射面19Bからの弱い反射光を受光する状態から無反射状態(ピストン1
9からの反射光が得られ無い状態)に切換るので、制御装置80は、光センサ34から入
力される検出受光量が第2しきい値s2(200)を下回ることの認識によって電磁切換
弁81に切換信号を出力し、電磁切換弁81を復路位置Hに切換える。以下は、制御装置
80に付設された操作手段の手動操作によって、電磁切換弁81を中立位置Nに切換える
までは前述の作動反復により、移送液をポンプボディ4の吸入口2から吸入し、脈動が吸
収減衰されて略平滑化された吐出圧で吐出口3から略一定流量で連続的に吐出する液体移
送が行われる。
〔実施例2〕
実施例2による往復動ポンプは、実施例1の往復動ポンプの駆動部Kにおける切換手段
Aのみが異なるものであり、その異なる切換手段Aの要部について説明する。実施例2に
よる切換手段Aは、図5に示すように、実施例1による切換手段Aと変極部h1,h2の
具体構造が異なるものであり、その異なる第1変極部h1は、光の反射率が互いに異なる
光反射面どうしを可動板部9の移動方向で隣合せてピストン(反射体)19に形成して構成されている。そして、第2変極部h2は、実施例1の第2変極部h2と同じであって、ピストン19の端面19tで構成されている。この場合でも、ピストン19の外周面19Aと受光面34aとの間隔Lは5mm以下、好ましくは3mm以下に設定する。
具体的には、第1光反射面91は、ピストン19の素材そのままの色、即ち光の反射率
の高い淡色(ライトグレー、シルバー或いはそれらに近い淡い色)の外周面19Aによっ
て構成されるとともに、第2光反射面92は、濃紺、濃緑、黒(又はダークグレー)等の
光の反射率の低い濃色塗料を、ピストン19の外周面における端面19tから所定間隔の
幅の部分に塗布することで構成されている。従って、第1変極部h1は、第1光反射面9
1と第2光反射面92との境目部分で構成されており、この境目部分で成る第1変極部h
1が光センサ34の受光中心P上を通過することによって受光量が急激に変化する検出信
号が制御装置80に入力されることにより、電磁切換弁81の切換操作が行われる。
第2変極部H2は、ピストン19が往路移動(矢印イ方向への移動)するに従って濃色
の第2光反射面92が無くなるように設定される構成のことである。即ち、図4に実線で
示す状態(可動板9が前死点DP1にある状態)においては、ピストン19の端面19t
が、受光軸心Pを少しポンプボディ4側に通り過ぎるように設定されるピストン19の前
記端面19tによって第2変極部h2が構成されている。
実施例2による切換手段Aによるピストン19の移動ストロークと光センサ34の受光
量との関係グラフを図6に示す。図4のグラフとの違いは、第2反射面92のみの反射に
よる受光量一定部分の受光量が初期値(100%)のもの(実線)が600で、かつ、5
0%低下時のもの(破線)では300になる点であり、それ以外はほぼ同じと見て差し支
えないと思われる。この場合には、第1しきい値s1は第1実施例と同じ1600に設定
し、かつ、第2しきい値s2は240に設定すると好都合である。
すると、受光量が初期値であるときには、第1しきい値s1の移動ストロークは0.3
mmで、第2しきい値s2の移動ストロークは9.8mmであって、実移動ストロークS
tJは9.8−0.3=9.5mmとなり、第1実施例による切換手段Aの場合と同じに
なる。また、受光量の50%低下時では、第1しきい値s1の移動ストロークは0.1m
mで、第2しきい値s2の移動ストロークは9.6mmとなり、実移動ストロークは9.
6−0.1=9.5mmとなって、受光量が変化しても実移動ストロークが変わらず、従
ってポンプ性能が一定の好ましいレベルに維持されるという利点が得られるものとなる。
〔比較例2〕
参考に、図2に示す実施例1による切換手段Aにおける光センサ34の位置を、ピスト
ン19の径方向で外径側に大きくずらして配置した比較例2の場合の構成図を図9に、そ
して、その場合の受光量と移動ストロークとの関係グラフを図12のラインeに示す。こ
の比較例2による構成では、反射体であるピストン19の外周面である第1光反射面19
A及び第2光反射面19Bと受光面34aとの間隔Lが、実施例1による場合に比べて大
きくなるため、光の拡散によって受光量が全体的に明確に減少するとともに、段差19C
による第1変極部h1、並びに端面19tによる第2変極部h2による受光量の変化勾配
も緩慢なものとなる。その結果、図12のラインeに示されるように、急激な変化箇所が
成立し難いものとなり、第1及び第2しきい値s1、s2を設定し難くく、かつ、設定し
ても僅かな受光量の増減によってそのときの移動ストローク値が大きく変動し易く、ポン
プ性能が安定し難い、という傾向がある。
〔比較例3〕
参考に、図2に示す実施例1による切換手段Aにおける第2反射面19Bの径を大きく
小径化した比較例3の場合の構成図を図10に、そして、その場合の受光量と移動ストロ
ークとの関係グラフを図12のラインcに示す。この比較例3による構成では、反射体で
あるピストン19の第1反射面19Aと受光面34aとの間隔の絶対値は実施例1による
場合とおなじであるが、段差19Cの径方向寸法が大きくなることによって、第2反射面
19Bと受光面34aとの間隔Lは実施例1による場合に比べて明確に大きくなる。故に
、グラフ前半部分における受光量の急減部分は、実施例1の関係グラフ(ラインd)と同
様な状態となるが、グラフ後半部分では光の拡散が起こり易い構成であることから受光量
の減少率が緩慢になる。加えて、第2変極部h2による(端面19tによる)受光量の変
化勾配は、上述の比較例2の場合と同様に緩慢なものとなる。
その結果、図12のラインcに示されるように、移動ストローク初期の変化挙動につい
ては比較例1のものよりも若干好ましいものとなってはいるが、やはり急激な変化箇所が
成立し難いものとなって、第1及び第2しきい値s1、s2を設定し難くく、かつ、設定
しても僅かな受光量の増減によって移動ストロークが大きく変動し、ポンプ性能が安定し
難いものとなり易い面がある。
参考として図12に、2個の光センサを用いる従来例、比較例1、比較例3、実施例1
、及び比較例2における、受光量と移動ストロークとの関係グラフをこの順にラインa〜
ラインeとして一挙に記載する。これらの関係グラフのうち単一の光センサ34を用いた
構造によるものはラインb〜eの四つであるが、本発明の実施例1によるラインdのみが
、移動ストロークの両端近くのいずれにおいても急激に受光量が変化する理想的なグラフ
を呈するという好ましいものとなっている。加えて、寧ろ2個のセンサを用いる場合より
も受光量変化が急激で、かつ、その急変箇所がよりストローク端に寄った箇所に存在する
から、有効移動ストロークが大きく取れるとともに、汚れ等による受光量変化があっても
その移動ストロークの変化が無い又は少なくなり、すぐれたポンプ性能を安定して発揮で
きるという利点がある。
〔別実施例〕
図13に示すように、ピストン19の外周面に、平坦面となる外周面100aを有する
径の大きい環状突起100を移動方向(軸線X方向)に間隔を隔てて一対形成し、外周面
100aに近接して受光面34aが位置する状態に単一の光センサ34を配置する構成の
切換手段Aでも良い。この場合は各環状突起100,100における互いに向き合う側の
環状端面100b、100bが変極部h1,h2に相当し、受光中心Pが相対的に各変極
部h1,h2を若干やり過ごす程度の移動ストロークが設定される。この場合の受光量と
移動ストロークとの関係グラフは、ほぼ図11のラインaのようになり、やはり2個の光
センサを用いる場合と同等のセンシング性能を得ることが可能なものとなっている。
図2におけるピストン19の段差19Cをもう少し小さくすることにより、受光量と移
動ストロークとの関係グラフが、図11のラインfのように、移動ストロークの両端部に
おいて急激に受光量が変化する特性を呈するセンシング特性を有する切換手段Aでも良い
上述のベローズ型の往復動ポンプでは可動板部9が請求項1の「可動側部材」に相当している。
ベローズ型往復動ポンプの構造を示す断面図 ポンプ部及び光センサによるセンシング部分を示す断面図(実施例1) ピストンが復路側端に位置する状態での光センサ部分の断面図 ベローズ移動ストロークと図2の光センサ受光量との関係グラフを示す図 センシング部分の第1別構造を示す断面図(実施例2) ベローズ移動ストロークと図4の光センサ受光量との関係グラフを示す図 比較例1によるセンシング部の構造を示す要部の断面図 ベローズ移動ストロークと図4の光センサ受光量との関係グラフを示す図 比較例2によるセンシング部の構造を示す要部の断面図 比較例3によるセンシング部の構造を示す要部の断面図 光センサを2個用いる場合のセンシング部の構造例を示す要部の断面図 ベローズ移動ストロークと光センサ受光量との各種の関係グラフを示す図 センシング部のその他の別構造を示す要部の断面図
2a 吸入通路
3a 吐出通路
ポンプボディ
7 ベローズ
開口側端部
9 可動側部材
11 ポンプ室
14 ポンプシリンダ
15 シリンダヘッド部
16 第1シリンダ部
17 第2シリンダ部
19 反射体よりなるピストン
19A,19B 光反射面
19C 段差
21 孔(中心孔)
22 ポンプシャフト
24 弁、吸入側逆止弁
26 弁、吐出側逆止弁
34 光センサ
34a 受光面
69 雄ネジ
70 軸体ネジ込み部
71 雌ネジ
72 凹部
91,92 光反射面
A 切換手段
C エアシリンダ部
h1,h2 第2変極部

Claims (5)

  1. ポンプシリンダが、フッ素樹脂製のベローズとそのベローズの軸線上に対向配置されて設けられたシリンダヘッド部と、前記シリンダヘッド部からベローズの外周側に突出して設けられた第1シリンダ部と、前記シリンダヘッド部から第1シリンダ部とは反対側に突出して設けられた第2シリンダ部とを有しており、
    前記第1シリンダ部内に、前記ベローズが伸縮自在に収容され、
    前記シリンダヘッド部の中央部に孔が形成され、この孔に、前記ベローズを伸縮させるポンプシャフトが摺動自在に挿通され、
    前記第2シリンダ部内に、前記ポンプシャフトを介して連結された反射体よりなるピストンが軸方向に移動自在に設けられ、
    前記第1シリンダ部内において前記ベローズの可動側部材を往復駆動させることで生じるポンプ作用により、弁を介して流体の吸入及び排出が自在に構成されるとともに、前記可動側部材の往路移動と復路移動との切換えを、光センサを用いて行う切換手段が装備されている往復動ポンプであって、
    前記切換手段は、前記可動側部材の移動方向を横切る方向にセンシング作用する状態に前記第2シリンダ部に配備される単一の前記光センサと、この光センサの受光面近傍の位置において前記ポンプシャフトを介して可動側部材と一体で動くピストンと、前記光センサへの反射光量を急変させる状態で前記可動側部材の移動方向に互いに間隔を隔てて前記ピストンに形成される二箇所の変極部と、を有して構成され
    前記ベローズはこのベローズの可動側部材を底部で構成した底部付円筒状であって、前記ベローズの開口側端部がこの開口側端部と対向配置されたフッ素樹脂製のポンプボディに接合するように配置され、この底部中心部から前記ポンプボディ側に向けて前記ベローズ内に底付円筒状の軸体ネジ込み部が突出形成され、
    前記ポンプシャフトはそのベローズ側外面に雄ネジが形成され、前記軸体ネジ込み部はその内面に前記ポンプシャフトの雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、
    前記ポンプボディはその中心部に前記ベローズの軸体ネジ込み部の外径より大きい直径を有し、かつ、前記ベローズの伸長ストロークより長い深さを有する凹部が設けられ、前記軸体ネジ込み部はその先端側が前記ポンプボディの凹部に常時嵌り込む長さに形成され、前記ベローズの前記軸体ネジ込み部の先端側が前記ポンプボディの凹部に常時嵌め込まれている往復動ポンプ。
  2. ポンプシリンダが、フッ素樹脂製のベローズとそのベローズの軸線上に対向配置されて設けられたシリンダヘッド部と、前記シリンダヘッド部からベローズの外周側に突出して設けられた第1シリンダ部と、前記シリンダヘッド部から第1シリンダ部とは反対側に突出して設けられた第2シリンダ部とを有しており、
    前記第1シリンダ部内に、前記ベローズが伸縮自在に収容され、
    前記シリンダヘッド部の中央部に孔が形成され、この孔に、前記ベローズを伸縮させるポンプシャフトが摺動自在に挿通され、
    前記第2シリンダ部内に、前記ポンプシャフトを介して連結された反射体よりなるピストンが軸方向に移動自在に設けられ、
    前記ベローズの可動側部材を前記第1シリンダ部内で往復動させることで前記ベローズを伸縮させるエアシリンダ部と、前記第1シリンダ部及び前記シリンダヘッドと前記ベローズによって形成されるポンプ室に連通する流体の吸入通路及び流体の吐出通路と、流体が前記吸入通路から前記ポンプ室に向う方向にのみ流れることを許容するフッ素樹脂製の吸入側逆止弁と、流体が前記ポンプ室から前記吐出通路に向う方向にのみ流れることを許容するフッ素樹脂製の吐出側逆止弁とを有するとともに、
    前記可動側部材の往路移動と復路移動との切換えを、光センサを用いて行う切換手段が装備されている往復動ポンプであって、
    前記切換手段は、前記可動側部材の移動方向を横切る方向にセンシング作用する状態に前記第2シリンダ部に配備される単一の前記光センサと、この光センサの受光面近傍の位置において前記ポンプシャフトを介して前記可動側部材と一体で動くピストンと、前記光センサへの反射光量を急変させる状態で前記可動側部材の移動方向に互いに間隔を隔てて前記ピストンに形成される二箇所の変極部と、を有して構成され
    前記ベローズはこのベローズの可動側部材を底部で構成した底部付円筒状であって、前記ベローズの開口側端部がこの開口側端部と対向配置されたフッ素樹脂製のポンプボディに接合するように配置され、この底部中心部から前記ポンプボディ側に向けて前記ベローズ内に底付円筒状の軸体ネジ込み部が突出形成され、
    前記ポンプシャフトはそのベローズ側外面に雄ネジが形成され、前記軸体ネジ込み部はその内面に前記ポンプシャフトの雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、
    前記ポンプボディはその中心部に前記ベローズの軸体ネジ込み部の外径より大きい直径を有し、かつ、前記ベローズの伸長ストロークより長い深さを有する凹部が設けられ、前記軸体ネジ込み部はその先端側が前記ポンプボディの凹部に常時嵌り込む長さに形成され、前記ベローズの前記軸体ネジ込み部の先端側が前記ポンプボディの凹部に常時嵌め込まれている往復動ポンプ。
  3. 前記変極部は、前記ピストンに段差を設けて、前記光センサからの距離が互いに異なる光反射面どうしを前記移動方向で隣合せて形成することで構成されている請求項1又は2に記載の往復動ポンプ。
  4. 前記変極部は、光の反射率が互いに異なる光反射面どうしを前記移動方向で隣合せて前
    記ピストンに形成して構成されている請求項1又は2に記載の往復動ポンプ。
  5. 前記光の反射率が互いに異なる光反射面どうしは、前記ピストンに色の濃淡を付けることで形成されている請求項4に記載の往復動ポンプ。
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