JP4550831B2 - 動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、プログラム、記録媒体、振動シミュレータ - Google Patents

動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、プログラム、記録媒体、振動シミュレータ Download PDF

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Description

本発明は、動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、シミュレーションプログラムを記憶した記録媒体及び動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータに係り、特に、ナノテクノロジーにおける有力な計測手法である走査プローブ顕微鏡のシミュレータ技術のうち、ナノスケール非線形振動解析を支援するための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法・プログラム、そのプログラムを記憶した記録媒体及び動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータに関する。
動的モード原子間力顕微鏡(動的AFM、動的Atomic Force Microscopy)は、探針を先端に取り付けたカンチレバーと呼ばれる板バネを機械的に共振させて、表面の構造をナノ〜マイクロスケールで観察するプローブ顕微鏡である。しかし、探針と表面との間に働く相互作用力は非線形であるため、測定量である振幅の変化や周波数シフトの物理的意味を理解するのは困難であることが多い。この傾向は探針が表面と衝突する場合に顕著となる。
従来、動的AFMの探針(又はカンチレバー)のダイナミクスのシミュレーションは、各実験グループが行ったAFM測定の結果を説明するために行われてきた。基本的には、探針の運動方程式を数値的に解いて振幅aのスペクトロスコピーや、位相空間内のトラジェクトリーと比較してその理論的解釈を行うというものである(例えば、非特許文献1及び2参照)。例えば、非特許文献1のFig.2には、振幅aのスペクトロスコピーが示されている。また、非特許文献2のFig.2には、変位u−時間微分du/dτ関係が示されている。
B.Anczykowski、D.Kruger and H.Fuchs、 Phys.Rev.B53、15485―15488、1996. N.Sasaki et al.、 Appl. Phys.A66、S287―291、1998.
なお、本発明では探針のダイナミクスを考えるが、後に述べるように探針はカンチレバーの先端に付いているので、探針のダイナミクスとカンチレバーのダイナミクスは本質的に等価である。そこで、本明細書では「探針」のダイナミクス、という呼び方をする。
探針のダイナミクスは限られたパラメータの範囲内で議論されてきたが、パラメータの微小な変化によって、カンチレバーのダイナミクスに極めて顕著な変化が生じて動作が不安定になる可能性がある。これは、探針と表面との間に働く相互作用力の非線形性に由来して、ヒステリシスのような履歴構造が出現するためである。なお、ここで言うパラメータとは、例えば、カンチレバーの振動振幅a、探針の初期位置u0、カンチレバー基底部の励起振動数Ω、及び励起振幅l、Q値、バネ定数k、探針の曲率半径R、探針−表面間相互作用力などを指す。
そのため、動的AFMを安定に制御したり、最適な分解能を得るためのパラメータ領域(例えば、カンチレバーの振動振幅a、探針の初期位置u0、カンチレバー基底部の励起振動数Ω、及び励起振幅l、Q値、バネ定数k、探針の曲率半径R、探針−表面間相互作用力など)を探索する事が必要であるが、膨大なパラメータ群のデータを系統的かつ効率的にまとめるのは困難な作業である。
本発明は以上の点に鑑み、任意の動作パラメータに対する動的AFM探針の振動特性をシミュレートして、特定のパラメータの組に対する振動特性の解析を行うことを目的とする。特に、本発明は、動作パラメータとしての探針の初期位置u0、カンチレバーのバネ定数k、探針の曲率半径Rに対する動的AFM探針の振動特性をシミュレートし、解析することを目的のひとつとする。また、本発明の他の目的のひとつは、広範囲なパラメータ領域に対する振動特性の解析を系統的かつ効率的に行う手段を提供することにもある。また、本発明は、衝突の際現れる非線形性振動をシミュレートし、効率的に解析するためのナノスケール非線形振動解析支援ソフトウェアを提供することを目的とする。
本発明は、動的モードAFMのレバー振動において、探針先端の突起効果が重要である事に発明者は初めて着目し、このアイディアを基にしたシミュレータを提供することを目的とする。
探針先端の突起効果とは以下のようなものである。すなわち、
[a] 探針の先端形状はナノサイズで凹凸(おうとつ)がある。本発明は、その凹凸効果を突起で理想化して議論する事を可能とすることを目的のひとつとする。
[b] 探針が試料表面と衝突する時、表面の原子が探針先端に付着する事がある。また、元々探針先端に付着している原子・分子が存在する事がある。本発明は、その付着原子・分子を突起として理想化して議論する事が可能とすることを目的のひとつとする。
本発明は、上記[a][b]の探針先端の突起のサイズ効果を議論すると同時に、探針自体のサイズ効果を議論出来るシミュレータを提供することを目的とする。
また、本発明は、表示部に例えば、左:カンチレバー+探針+表面の全体図、中央:探針+表面の拡大図、右上:レバーの振動波形、右下:探針振動のトラジェクトリーをそれぞれ表示した (後述の図11〜図13等参照)。ユーザーが非線形振動を分かり易く、見易いような、結果を解釈する支援ツールを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、以下を目的とする。
(1)動的AFM探針のナノサイズの非線形運動の解析に特化したシミュレータを提供する。具体的には、実験のカンチレバー動作に対応するシミュレーションから振動特性の解析まで、動的AFMの探針の振動解析をパソコン上で系統的にそして効率的に行う。その意味でナノサイズのAFM非線形振動のシミュレータ&解析支援ソフトウェア提供する。
(2)動的AFMの探針サイズ、及び、探針先端の突起構造のサイズ効果を、曲率半径R1、R2を与える事で解析する。
(3)任意のパラメータ領域から、欲しい探針振動(u−tの関係)のデータの組を自由に取り出し、アニメーションで可視化可能なため、非線形振動の特徴を視覚的に理解させる事を目的とする。特に、探針先端が試料表面から受ける相互作用力(引力又は斥力)を図示することにより、探針と表面の「非接触」と「接触」をビジュアルで区別する事を目的とする。つまり、「衝突」現象をナノサイズで可視化することを目的とする。
(4)任意のパラメータ領域のAFMの非線形特性のデータを効率的にまとめ、解析する事を目的とする。このため、理論の側から動的AFMを稼動するのに最適なパラメータセットを提示する事を目的のひとつとする。振幅a−探針位置u0、エネルギーE−探針位置u0など、種々のスペクトル情報を図示する事を目的とする。
(5)任意のパラメータを計算に組み込む事が出来、拡張性があるシミュレータを提供する。
(6)描画は任意のフリーウェア、シェアウェアのソフトを使って容易に行えるシミュレータを提供する。
このように、本発明は、従来は解析が困難であったナノサイズの非線形振動及びそのナノ構造との関係をシミュレートしかつ解析する研究が推進出来、今後、力学的プローブ法の解析法の基礎として重要な技術となることが期待されるシミュレータを提供することを目的とする。
本発明は、任意の動作パラメータ(u0、k、R)に対してシミュレーションを行った後、探針の初期位置u0毎の定常状態の振動情報を記録した(変位u−時刻τ)ファイルをGUI(グラフィックユーザーインターフェース)で表示されたファイルリストから選んで実行することにより、特定のパラメータ(u0、k、R)に対する探針の運動を可視化する。これにより、表示を見て、振動特性を瞬時に理解させ、解析させる事が出来る。一方、AFMで得られる主要なスペクトロスコピー(例えば、振幅a−探針初期位置u0関係や、相互作用力F−探針初期位置u0関係)を探針(カンチレバー)の表面への接近および引き離し運動に対応させてグラフ化する。
本発明の第1の解決手段によると、
突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、これら各処理をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数と入力部からを入力するステップと、
処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
[ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
を含む前記動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、これら各処理をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、これら各処理をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
[ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
を含む前記動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法、これら各処理をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータであって、
パラメータを入力するための入力装置と、
前記入力装置から入力されたパラメータに基づき、動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートする処理部と、
前記処理部により求められたデータを記憶又は表示するための記憶又は出力装置と
を備え、
前記処理部は、
カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを前記入力装置から入力する手段と、
探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定する手段と、
探針の初期位置を入力された出発位置に設定する手段と、
設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求める手段と、
[ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶する手段と、
次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求める手段において求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段と、
設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求める手段乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段を実行することと、を繰り返す手段と
を有する前記動的モード原子間顕微鏡探針の振動シミュレータが提供される。
本発明の第4の解決手段によると、
探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータであって、
パラメータを入力するための入力装置と、
前記入力装置から入力されたパラメータに基づき、動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートする処理部と、
前記処理部により求められたデータを記憶又は表示するための記憶又は出力装置と
を備え、
前記処理部は、
カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを前記入力装置から入力する手段と、
探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定する手段と、
探針の初期位置を入力された出発位置に設定する手段と、
設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求める手段と、
[ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶する手段と、
次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求める手段において求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段と、
設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求める手段乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段を実行することと、を繰り返す手段と
を有する前記動的モード原子間顕微鏡探針の振動シミュレータが提供される。
本発明によると、任意の動作パラメータに対する動的AFMの振動特性をシミュレートして、特定のパラメータの組に対する振動特性の解析を行うことができる。特に、本発明によると、動作パラメータとしての探針の初期位置u0、カンチレバーのバネ定数k、探針の曲率半径Rに対する動的AFMの振動特性をシミュレートし、解析することができる。また、本発明によると、広範囲なパラメータ領域に対する振動特性の解析を系統的かつ効率的に行う手段を提供することができる。また、本発明によると、衝突の際現れる非線形性振動をシミュレートし、効率的に解析するためのナノスケール非線形振動解析支援ソフトウェアを提供することができる。
動的モードAFMのレバー振動において、探針先端の突起効果が重要である事に発明者は初めて着目し、本発明によると、このアイディアを基にしたシミュレータを提供することができる。
探針先端の突起効果とは以下のようなものである。すなわち、
[a] 探針の先端形状はナノサイズで凹凸(おうとつ)がある。本発明は、その凹凸効果を突起で理想化して議論する事が可能である。
[b] 探針が試料表面と衝突する時、表面の原子が探針先端に付着する事がある。また、元々探針先端に付着している原子・分子が存在する事がある。本発明は、その付着原子・分子を突起として理想化して議論する事が可能である。
本発明は、上記[a][b]の探針先端の突起のサイズ効果を議論すると同時に、探針自体のサイズ効果を議論出来るシミュレータを提供できる。
また、本発明によると、表示部に例えば、左:カンチレバー+探針+表面の全体図、中央:探針+表面の拡大図、右上:レバーの振動波形、右下:探針振動のトラジェクトリーをそれぞれ表示でき(後述の図11〜図13等参照)、分かり易く、見易く、結果を解釈する支援ツールを提供できる。
さらに、本発明は、以下の効果を奏する。
(1)動的AFM探針のナノサイズの非線形運動の解析に特化したシミュレータである。具体的には、実験のカンチレバー動作に対応するシミュレーションから振動特性の解析まで、動的AFMの探針の振動解析をパソコン上で系統的にそして効率的に行う事が出来る。その意味でナノサイズのAFM非線形振動のシミュレータ&解析支援ソフトウェアである。
(2)動的AFMの探針サイズ、及び探針先端の突起構造のサイズ効果を、曲率半径R1、R2を与える事で解析出来る。
(3)任意のパラメータ領域から、欲しい探針振動(u−tの関係)のデータの組を自由に取り出し、アニメーションで可視化可能なため、非線形振動の特徴を視覚的に理解させる事が出来る。特に、探針先端が試料表面から受ける相互作用力(引力又は斥力)を図示することにより、探針と表面の「非接触」と「接触」をビジュアルで区別する事が出来る。つまり、「衝突」現象をナノサイズで可視化出来る。
(4)任意のパラメータ領域のAFMの非線形特性のデータを効率的にまとめ、解析する事が可能である。このため、理論の側から動的AFMを稼動するのに最適なパラメータセットを提示する事が可能である。振幅a−探針位置u0、エネルギーE−探針位置u0など、種々のスペクトル情報を図示する事が出来る。
(5)任意のパラメータを計算に組み込む事が出来、拡張性がある。
(6)描画は任意のフリーウェア、シェアウェアのソフトを使って容易に行える。
このように本発明によって、従来は解析が困難であったナノサイズの非線形振動及びそのナノ構造との関係をシミュレートしかつ解析する研究が推進出来、今後、力学的プローブ法の解析法の基礎として重要な技術となることが期待される。
動的AFMシミュレータのハードウェア構成図。 動的AFMのシステム構成図。 動的AFMシステムの方程式中に含まれる変数、定数をまとめた図。 出力データファイルの構成図。 動的AFMシミュレータの処理フロー(1)。 動的AFMシミュレータの処理フロー(2)。 ステップS104の詳細フロー。 ステップS209の詳細フロー。 表示されるメニュー項目の例。 パラメータの設定画面の例。 探針運動のアニメーションの例(1)。 探針運動のアニメーションの例(2)。 探針運動のアニメーションの例(3)。 データファイルリストの表示例。 振幅aを探針位置u0の関数として描画した振幅のスペクトロスコピーの例。 突起のない動的AFMのシステム構成図である。 突起がない場合と突起がある場合の数値計算例。 ステップS307の詳細フロー。
1.第1の実施の形態

(ハードウェア構成)
図1は、本実施の形態のシミュレータ環境を実現するハードウェア構成図である。
動的AFMシミュレータは、例えば、主制御部(CPU)1と、実行ファイルプログラムが記憶されるメモリ2と、入出力制御部3と、入力装置(入力部)4と、表示装置(表示部)5と、出力装置(記憶部、記憶又は出力装置)6とを備える。
主制御部(CPU)1は、メモリに記憶された実行ファイルプログラムに従い、処理を実行する。なお、実行ファイルプログラムは、例えば、Fortran等の言語で書かれることができるが、これに限らず、C、Visual Basic(以下、VBと記す)等適宜の言語であってもよい。入出力制御部3は、画像処理を行う。例えば、GUI(VB)によりファイルリストの表示、ファイルの選択、実行などを行う。なお、GUIは、VB以外にも、適宜のGUIを用いることができる。
入力装置4は、例えば、キーボード、マウス、ポインティングデバイスなど適宜の入力手段を用いることができる。また、表示装置5は、例えば、ディスプレイを用いることができる。出力装置6は、例えば、ハードディスク等の記憶装置や、外部装置とのインタフェース等を用いることができる。なお、入力装置4、表示装置5、出力装置6は、これ以外にも適宜の手段を用いることができる。
この図に示されているように、この動的AFMシミュレータでは、主制御部(CPU)1とFortran実行ファイルプログラム2が、AFM探針位置別の振動波形ファイル61及びスペクトロスコピーファイル62を、テキスト形式の出力ファイルとしてハードディスク6上に作成する。
上記ファイル61、62のリストは、VBのGUI環境3を用いて表示される。任意の探針位置u0に対応する振動波形ファイル61をGUIで選択・実行すれば、探針の振動運動のアニメーションがディスプレイ5上に表示される。探針の非線形振動の解析を行う場合はスペクトロスコピーファイル62を選択・実行すれば、GUIを通して任意の描画ソフトが起動しスペクトロスコピーのグラフがディスプレイ5上に表示される。
(動的AFMシステムの運動方程式、及び、使用するパラメータ)
次に、本シミュレータが対象とする動的AFMのシステム及び探針の運動方程式の導出について説明する。
図2は、動的AFMのシステム構成図である。図2(a)には、カンチレバー−探針−表面系の位置関係及び探針の位置u0の定義の説明図を示す。図2(b)は、探針の変位uの定義と探針−表面間相互作用力の説明図である。図2(c)は、動的AFMの駆動モードを示す。動的AFMは、振幅lで強制振動させながらカンチレバー基底部をy01+2R1とy02+2R1の間で一往復させる。
図2(a)に示すように、カンチレバーと呼ばれる、先端に探針を付着させた板状のバネと、試料表面とからなるシステムを考える。探針の形状としては、例えば、球体又は球体を模擬した形状を考え、サイズのパラメータとして曲率半径R1を与える。更に探針の先端に球体又は球体を模擬した形状の突起がついた場合を取り扱えるようにし、突起の曲率半径R2を仮定する。この突起を仮定することが、本実施の形態の特徴のひとつである。この突起は、動的AFMにおいて、例えば探針表面の凹凸により作られるものであってもよいし、試料表面から供給される原子であってもよい。曲率半径R2は探針先端の凹凸の程度、吸着原子の大きさの目安を与えるものである。
ここで、カンチレバーが伸びたり縮んだりしていない時の探針先端の初期位置をu0とおくと、カンチレバーの基底部はu0+2R1と書ける。この基底部を中心に振幅lでカンチレバーを機械的に共振させると、探針の運動方程式は、以下のように時刻τに関する二階の非線形常微分方程式として書ける。
ここで、uは図2(b)に示すように、カンチレバーが伸びたり縮んだりしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位u=z−u0である。なお、図2(b)は、探針が初期位置u0から変位uだけ移動した場合の図である。zは、時刻τでの探針位置z(τ)である。またF(R、z)は、曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力を表す。ここでは図2(b)に示すように探針先端に働く力F(R1、z)(=F(R1、u+u0))と突起先端に働く力F(R2、z−2R2)(=F(R2、u+u0−2R2))の和を考える。またQ、k、lは、それぞれカンチレバーのQ値、バネ定数、励起振幅を表す。ρは探針と表面の原子の数密度、σは原子半径に関わるパラメータ、εは原子の結合エネルギーに関わるパラメータを表している。
式(1)で表される動的AFMシステムを図2(c)に示すように動作させる場合を考える。これは、実験で振幅aのスペクトロスコピーを測定する場合に対応する。すなわち、カンチレバー基底部を励起振幅lで機械的に共振させながら、出発点y02+2R1と折り返し点y01+2R1との間で一往復させる。
この時、探針の振幅aを数値計算して探針の初期位置u0(y01<u0<y02)の関数としてプロットすれば、探針位置u0の関数としての振幅aのグラフ、すなわち振幅のスペクトロスコピーが得られる。また、振幅aの代わりに、振動のエネルギーEや相互作用力Fや相互作用エネルギーVをプロットすればこれらのスペクトロスコピーが得られる。
一方、一定の探針位置u0に対して、探針の振動変位uを時刻τの関数としてプロットすれば運動の波形が得られるし、uとその時間微分をプロットすれば位相平面内でのトラジェクトリーが得られる。
図3は、本実施の形態における動的AFMシステムの方程式中に含まれる変数、定数をまとめた図である。本図に示してある通り、上述のパラメータのうちu、τは計算の過程で決まる変数である。
また、Q、l、ρ、σ、εは定数として与えられる。ここでは一例として、Q=5、l=0.5を想定しており、これらは溶液中の大振幅モードに対応する。また、一例としてε=0.01としており、これは化学的に不活性な相互作用(原子間で強い結合が生じないレベル)を想定している。
一方、入力が必要なパラメータとして、u0=y02(探針のスタート位置)、u0=y01(探針の折り返し位置)、k(カンチレバーのバネ定数[N/m])、R1(探針の曲率半径[nm])、R2(探針先端に付着した突起の曲率半径[nm])、定常状態をサンプルする開始時刻が挙げられる。入力に関しての詳細は後述する。
(出力データファイルの構成)
図4は、本実施の形態の出力データファイルの構成を示す。出力フォルダには、データファイルがテキスト形式で出力される。大きく分類すると振動波形ファイル61とスペクトロスコピーファイル62に分かれている。
振動波形ファイル61は、更に各探針位置(y01<u0<y02)に対するデータファイルを含む。すなわち出発位置y02と折り返し位置y01の間を例えば移動刻み幅Δ=0.01[nm]刻みで動かす場合を想定し、各々のu0に対して、探針変位u−時刻τ関係を記録する。このファイルには同時に変位の時間微分du/dτも時刻τに対応して記録されている。また、相互作用力Fと時刻τが対応して記憶されることもできる。図4に示す振動波形ファイルは、探針がy02からy01へ動く場合のデータファイルを示しているが、探針位置を下げていく場合と上げていく場合の双方又は一方のファイルを含むことができる。これらのひとつを選択し、アニメーション実行すると、探針運動のアニメーションが見られる。
スペクトロスコピーファイル62は、探針の初期位置u0の関数として、例えば、各u0に対応した、振幅a、相互作用力F1(探針が受ける力)、F2(突起が受ける力)、探針の振動エネルギーE、相互作用エネルギーVなどを格納したデータファイルである。これらは、動的AFMの非線形特性を解析するには重要なデータ群である。
(動的AFMシミュレータの動作)
図5及び図6は、動的AFMシミュレータの処理フロー(1)及び(2)である。また、図9乃至図15に、動的AFMシミュレータの表示例を示す。動的AFMシミュレータの処理フロー(1)及び(2)に従って、本シミュレータの具体的な動作について説明する。まず、CPU1は、GUIを通して「パラメータを設定して計算出力」、「シミュレートする」、「解析する(グラフソフト起動)」などのメニュー項目を表示装置5に表示する(S101)。図9に、表示されるメニュー項目の例を示す。この中から操作者により適宜の項目が選択され、CPU1は、入力装置4から選択指示を入力する。
アニメーションや解析の対象となる計算データが無い場合、データを作成する必要がある。操作者により、例えば図9の「パラメータを設定して計算出力」が選択されると(S102)、CPU1は、ステップS103の処理へ移る。一方、それ以外が選択された場合(S101)、CPU1は、ステップS106の処理へ移る。なお、ステップS102、S106、S110は、ステップS101の下に、操作者の選択により、パラレルに処理されるフローとしてもよい。
ステップS103では、CPU1は、計算に必要なパラメータ値の入力を求めるための設定画面を表示する(S103)。図10(a)に、表示されるパラメータの設定画面の例を示す。CPU1は、(a)探針の出発位置y02と折り返し位置y01、(b)探針の曲率半径R1と突起の曲率半径R2、(c)カンチレバーのバネ定数k、定常状態をサンプルする開始時刻を入力装置4から入力する。なお、CPU1は、カンチレバーの根元の出発位置及び折り返し位置を入力し、入力した各位置から探針の直径2R1を引いて、探針の出発位置y02と折り返し位置y01を設定してもよい。なお、初期位置u0、変位u、速度du/dτを突起の先端におけるものと定義して、適宜運動方程式を修正してもよい。
更に、CPU1はデータを出力するフォルダ名を入力装置4から入力すると(S103)、例えば図10(b)に示すようにDOSプロンプトを表示して計算を始める(S104)。なお、フォルダ名は、入力装置4から入力する以外にも、通し番号、日付とするなどの予め定められた規則に従いCPU1が適宜の名前をつけてもよい。計算は、上述の式(1)の探針の運動方程式を、例えば4次のRunge−Kutta(ルンゲクッタ)法と呼ばれる数値積分法で解いて行う。なお、CPU1は、DOSプロンプト以外にも計算中であることや計算経過を示す適宜に表示をしてもよく、また、何の表示をしなくてもよい。また、運動方程式の解法としては、4次のルンゲクッタ法以外にも、6次のルンゲクッタ法、オイラー法等適宜の方法を用いることができる。
図7は、ステップS104の詳細フローである。
まず、CPU1は、初期設定を行う(S201)。例えば、CPU1は、探針の変位の初期値をu=0、探針の速度の初期値をdu/dτ=0、i=0、j=0とする。ここで、i、jは、繰り返し計算のためのパラメータである。また、CPU1は、例えば、u0の移動刻み幅ΔをΔ=0.01とする。なお、刻み幅Δの値は、適宜の値を設定することができる。
次に、CPU1は、探針の初期位置u0を設定する(S203)。例えば、CPU1は、u0=y02−iΔと設定する。計算開始時には、i=0であるので、探針の初期位置u0=入力された出発位置y02となる。
CPU1は、入力された各パラメータ及び設定された探針の初期位置u0及び初期値に基づき、上述の式(1)を例えばルンゲクッタ法により解き、時刻τ毎の探針の変位uと探針の速度du/dτを求める(S205)。CPU1は、求められた探針の変位uと時刻τ(u−τ関係)を対応させて振動波形ファイル61に出力(記憶)し、探針の速度du/dτと時刻τ(du/dτ−τ関係)を対応させて振動波形ファイル61に出力(記憶)する(S207)。なお、u−τ関係、du/dτ−τ関係は、探針の初期位置u0毎に振動波形ファイル61に記憶される。また、CPU1は、入力された、定常状態をサンプルする開始時刻より大きい時刻τについて、振動波形ファイル61に探針の変位u、探針の速度du/dτ、時刻τを出力してもよい。また、求められた変位u、速度du/dτから定常状態を判断し、定常状態以降の時刻について、振動波形ファイル61にu、du/dτ、τを出力してもよい。
次に、CPU1は、転回点を求めて、対応する変位uから振幅aと、探針の相互作用エネルギーVと、相互作用力Fとを求める(S209)。なお、CPU1は、振幅a、相互作用エネルギーV、相互作用力Fの全てを求めてもよいし、ひとつ又は複数の所望の値を求めてもよい。例えば、CPU1は、求められたuの極大値(上方転回点での変位に相当)umaxと極小値(下方転回点での変位に相当)uminを求め、極大値umaxと極小値uminの差に基づいて振幅aを求める。また、CPU1は、下方転回点(又は衝突時)の探針の相互作用エネルギーVと相互作用力Fを求める。転回点での探針−表面間相互作用エネルギーVは、例えば次式に従い求められることができる。
ただし、V(R、z)は、探針−表面間相互作用力であり、次式で表される。
また、探針と表面間の相互作用力Fは、次式に従い求められることができる。
F=F(R1、u+u0)+F(R2、u+u0−2R2)
ここで、F(R、z)は、上述の式(2)により求めることができる。
また、CPU1は、uの上方転回点と下方転回点を、例えば近似的にdu/dτ=0となる点(τとuの組)を探すことにより求めることができる。ステップS209の処理は、後に詳細に述べる。
次に、CPU1は、探針の一周期の平均力学的エネルギーEを求める(S211)。例えば、CPU1は、次式に従い平均力学的エネルギーEを求める。
ここで、E:一周期平均の探針の力学的エネルギー(nJ)、T:一周期の長さ(無次元時間)、u:時間τでの探針の変位(nm)、τ:計算の時間の刻み幅(無次元時間 )、m:規格化したカンチレバーと探針の質量1(kg)、k:カンチレバーのバネ定数(N/m)である。なお、一周期の長さTは、例えば、T=2×|τmax−τmin|で求めることができる。ここで、τmaxは、uの上方転回点に対応する時刻であり、τminは、uの下方転回点に対応する時刻である。
CPU1は、振幅aと探針の初期位置u0(a−u0)、平均力学的エネルギーEと探針の初期位置u0(E−u0)、相互作用エネルギーVと探針の初期位置u0(V−u0)をスペクトロスコピーファイルの、対応するファイルに出力する(S213)。例えば、CPU1は、求められた振幅aと設定されたu0を対応させて、スペクトロスコピーファイル62のa−u0関係を記憶するためのファイルに、追記する。繰り返し処理において、設定される各探針の初期位置u0と振幅aを、順に記憶していくことにより、振幅aと探針の初期位置u0の関係のスペクトロスコピーファイルが得られる。また、平均力学的エネルギーE、相互作用エネルギーVについても同様である。
CPU1は、探針の変位u、探針の速度du/dτの最後の出力を、i=i+1のループにおける処理のために、探針の変位u、探針の速度du/dτの初期値に返す(S215)。つまり、このループ(i)の最終値(例えば、最終時刻の値)を次のループ(i+1)の初期値とする。この設定が、カンチレバーを連続的にダウン及びアップさせる手順に対応する。なお、ループ(i)の最終値以外にも、予め定められた時刻における変位u、速度du/dτの値を用いてもよい。
CPU1は、設定された探針の初期位置u0が入力された折り返し位置y01以下(u0≦y01)であるか判断する(S217)。なお、探針の初期位置u0が折り返し位置y01未満(u0<y01)であるかを判断してもよい。CPU1は、設定された探針の初期位置u0が折り返し位置y01以下(又は未満)であれば(S217)、ステップS221へ移り、一方、設定された探針の初期位置u0が折り返し位置y01以下(又は未満)でなければ(S217)、パラメータiを例えばひとつ増加し(i=i+1)(S219)、ステップS203の処理へ戻る。
以上の処理により、カンチレバーがy02+2R1からy01+2R1へ下がる場合のシミュレーション結果が得られる。なお、本実施の形態では、カンチレバーを上下動させているが、上がる場合、又は、上がる場合のみをシミュレートすることもできる。次に、CPU1は、カンチレバーがy01+2R1からy02+2R1へ上がる場合について、シミュレートする。
まず、CPU1は、探針の初期位置u0を設定する(S221)。ここでは、CPU1は、例えば、u0=y01+jΔと設定する。なお、繰り返し処理の最初では、j=0であるのでu0=y01となる。また、これ以外にも例えばCPU1は、設定された探針の初期位置u0に、移動刻み幅Δを加えて、新たな探針の初期位置としてもよい。次に、CPU1は、ステップS223〜S233の処理を実行する。なお、ステップS223〜S233の各処理は、上述のステップS205〜S215の各処理と同様であるので説明を省略する。
CPU1は、設定された探針の初期位置u0が入力された出発位置y02以上(u0≧y02)であるか判断する(S235)。なお、探針の初期位置u0が出発位置y02より大きいか(u0>y01)を判断してもよい。CPU1は、設定された探針の初期位置u0が出発位置y02以上の場合(又は出発位置y02より大きい場合)(S235)、処理を終了して図5のステップS105へ移り、一方、設定された探針の初期位置u0が出発位置y02以上でない場合(又は出発位置y02より大きくない場合)(S217)、パラメータjを例えばひとつ増加し(j=j+1)(S237)、ステップS221の処理へ戻る。
なお、CPU1は、転回点を求めて、対応する変位uから振幅aと、探針の相互作用エネルギーVと、相互作用力Fとを求めるステップ(S209、S227)、及び、探針の一周期の平均力学的エネルギーEを求めるステップ(S211、S229)等を実行する際、使用するデータを出力装置(記憶部)6から読み出してもよいし、CPU1内に保持しておきそれを用いてもよい。その他、必要に応じて、CPU1は、出力装置(記憶部)6を参照して、処理に必要なデータを読み出して用いることができる。
図8は、ステップS209の詳細フローである。ここで、ステップS209の処理の詳細について説明する。
まず、CPU1は、振動波形ファイルを読み込む(S301)。次に、CPU1は、読み込まれた振動波形ファイルを参照し、探針の速度が負(du/dτ<0)から探針の速度が正(du/dτ>0)へ移る時刻τの組を探す(S303)。CPU1は、このときの、du/dτ<0に対応するτを第1の時刻τ1、du/dτ>0に対応するτを第2の時刻τ2とする。ここでτ2−τ1は時刻τの刻み幅(S104)に対応する。u−τの関係をグラフに表した場合、τ1とτ2は、下方転回点の両側に位置する。また、CPU1は、読み込まれた振動波形ファイルを参照し、探針の速度が正(du/dτ>0)から探針の速度が負(du/dτ<0)へ移る時刻τの組を探す(S305)。CPU1は、このときの、du/dτ>0に対応するτを第3の時刻τ3、du/dτ<0に対応するτを第4の時刻τ4とする。u−τの関係をグラフに表した場合、τ3とτ4は、上方転回点の両側に位置する。なお、CPU1は、上方転回点及び下方転回点を、少なくともそれぞれひとつ求められる。また、上方及び下方転回点は、一周期内の各点を求めることができる。
CPU1は、τ1<τ<τ2の間で、例えば探針の速度の絶対値が予め定められた閾値以下又は未満(例えば、|du/dτ|<10−5)になるまで時間刻みを細かくして、速度du/dτ=0が近似的に成り立つ下方転回点の時刻τminを探す(S307)。また、CPU1は、τ3<τ<τ4の間で、例えば探針の速度の絶対値が予め定められた閾値以下又は未満(例えば、|du/dτ|<10−5)になるまで時間刻みを細かくして、速度du/dτ=0が近似的に成り立つ上方転回点での時刻τmaxを探す(S309)。
ここで、図18に、ステップS307の詳細フローを示す。具体的には、図8のステップS307では、図18のようにCPU1は、刻み幅Δτを例えば10分の1にして、もう一度τ1<τ<τ2で数値計算(ルンゲクッタ法)を行う(S401〜407)。CPU1は、このときの振動波形ファイルを読み込み、du/dτ<0(τ1)、du/dτ>0(τ2)の組を探す(S409、S411)。CPU1は、この処理を、du/dτ(τ1)<10−5となるまで繰り返し、τmin=τ1を求める(S413、S415)。ステップS309でも同様にしてτmax=τ3を求める。
なお、10−5以外にも適宜の値に基づき近似的に速度du/dτ=0が成り立つτmin及びτmaxを探すことができる。ここで、速度du/dτ=0が近似的に成り立つ時刻とは、例えば、探針の速度の絶対値が予め定められた閾値以下又は未満(例えば、|du/dτ|<10−5)になる時刻、又は、探針の速度の絶対値が最小になる時刻とすることができる。
例えば、CPU1は、ステップS303及びS305では、ステップS205のルンゲクッタ法で用いられた計算刻み幅よりもおおきな時間刻み幅で大局的にτ1〜τ4を探し、τ1〜τ2間、τ3〜τ4間については、より小さな時間刻み幅で振動波形ファイル61を参照して、速度du/dτ=0が近似的に成り立つ時刻τmin及びτmaxを求めてもよい。
CPU1は、振動波形ファイルを参照して、求められた下方転回点の時刻τminに対応する第1の探針の変位uminと、求められた上方転回点の時刻τmaxに対応する第2の探針の変位umaxを取得し、振幅aを求める(S311)。振幅aは、例えば、次式により求めることができる。
a=(umax−umin)/2
また、CPU1は、下方転回点での(衝突時の)探針の相互作用エネルギーVと、相互作用力Fを次式に従い求める(S313)。
V=V(R1、umin+u0)+V(R2、umin+u0−2R2)
F=F(R1、umin+u0)+F(R2、umin+u0−2R2)
ここで、V(R、z)は、上述の式(6)で求めることができ、F(R、z)は、上述の式(2)で求めることができる
図5に戻り、CPU1は、計算が終わると、DOSプロンプトを消失する(S105)。この時点で出力フォルダに全てのデータファイルがテキスト形式で出力されている。
次に、CPU1は、メニューを表示し(又は表示されたメニューにより)、探針運動のアニメーションを見るか否かの選択を指示する。図9のメニューから「シミュレートする」が選択されると(S107)、CPU1は、ステップS108へ移る。それ以外の場合、例えば、ステップS110へ移る。ステップS108では、CPU1は、出力フォルダのファイルリストをGUIを通して表示する。操作者により、例えば、任意の探針位置u0(ただしy01<u0<y02)に対する波形データ(例えば、探針位置u−時刻τ関係)が選択されると(S108)、CPU1は、入出力制御部3により、選択された波形データに基づき探針運動のアニメーションを実行する(S109)。例えば、CPU1は、選択された波形データ又は表示するための適宜のデータを出力装置(記憶部)6から読み出し、読み出された波形データに基づき表示部にアニメーション表示することができる。図11、図12及び図13は、探針位置u0=2.64の時の探針運動のアニメーションの例(1)〜(3)を示す。図11は探針が表面から非常に遠い場所にあるとき、図12は表面に少し近付いたとき、図13は表面と接触(衝突)しているときの画面を表している。いずれの場合も、一番左の図(a)が動的AFMシステム全体のアニメーション、中央の図(b)が表面付近を拡大したアニメーションである。
中央の図(b)で鉛直下方の矢印(図12)は探針と試料表面との間に働く引力を示し、鉛直上方の矢印(図13)は斥力を示している。CPU1は、この矢印を、求められた相互作用力Fの大きさに応じた長さで、かつ、相互作用力Fの符号に応じた向きで表示することができる。従って、探針と表面がナノサイズで接触(衝突)しているか、又は、接触していないのかがすぐに分かるのが本シミュレータの大きなメリットのひとつである。なお、図11は非接触状態なので一番左の図(a)で下向きの矢印になっており(引力を受けており)、中央の図(b)で表面付近に探針が近付いていない事が確認出来る。一方、図13は接触状態なので、一番左の図(a)で上向きの矢印になっており(斥力を受けており)、中央の図(b)で表面付近に探針が近付いている事が分かる。このように原子レベルで衝突の特徴を把握できるのもこのシミュレータの特徴のひとつである。
CPU1はアニメーションと同期させて、一番右の図の上半分(c)に探針振動の波形(変位u−時刻τ関係)、下半分(d)に位相空間内でのトラジェクトリー(変位u−速度du/dτ関係)を描画することができる。これにより。振動の特性を一目で把握する事が出来る。なお、図9〜図12は、複数の図(a)〜(d)を一画面に表示しているが、ひとつ又は適宜の複数の図を表示するようにしてもよい。
次に、計算したデータの非線形解析を行うため、図9のメニューから「解析する(グラフソフトを起動)」が選択されると(S110)、CPU1は、ステップS111の処理へ移る。一方、これ以外の場合、例えば、処理を終了する。ステップS111では、図14に示すようにGUIでデータファイルリストが表示される。操作者によりスペクトロスコピーのデータ(例えば、aとu0の関係を示すデータ)が選択されると(S111)、CPU1は、任意のグラフソフトによって選択されたデータに従いy01<u0<y02の領域の各種スペクトロスコピーを描画する(S112)。例えば、CPU1は、選択されたデータ又は表示するための適宜のデータを出力装置(記憶部)6から読み出し、読み出されたデータに基づき表示部にスペクトロスコピーを表示することができる。図15に、振幅aを探針位置u0の関数として描画した振幅のスペクトロスコピーの例を示す。

2.第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、探針に突起がついている場合について説明したが、探針に突起はついてなくてもよい。以下、探針に突起がない場合について説明する。
ハードウェア構成、使用するパラメータ及び出力データファイルの構成は第1の実施の形態と同様とすることができる。
図16は、突起のない動的AFMのシステム構成図である。図16(a)には、カンチレバー−探針−表面系の位置関係及び探針の位置u0の定義の説明図を示す。図16(b)は、探針の変位uの定義と探針−表面間相互作用力の説明図である。図16(c)は、動的AFMの駆動モードを示す。図16のそれぞれの図は、図2から突起がなくなったものである。
ここで、カンチレバーが伸びたり縮んだりしていない時の探針先端の初期位置をu0とおくと、カンチレバーの基底部はu0+2R1と書ける。この基底部を中心に振幅lでカンチレバーを機械的に共振させると、探針の運動方程式は、以下のように時刻τに関する二階の非線形常微分方程式として書ける。
ここで、uは図16(b)に示すように、カンチレバーが伸びたり縮んだりしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位u=z−u0である。なお、図16(b)は、探針が初期位置u0から変位uだけ移動した場合の図である。zは、時刻τでの探針位置z(τ)である。またF(R、z)は、曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力を表す。またQ、k、lは、それぞれカンチレバーのQ値、バネ定数、励起振幅を表す。ρは探針と表面の原子の数密度、σは原子半径に関わるパラメータ、εは原子の結合エネルギーに関わるパラメータを表している。
次に、本シミュレータの具体的な動作について説明する。
本シミュレータのフローチャートは、第1の実施の形態と同様とすることができる。例えば、曲率半径R2の入力を省略し、また、R2についての項を0として計算することができる。以下、第1の実施の形態におけるフローチャートを参照し、本シミュレータの具体的な動作について説明する。
上述の図5において、ステップS101及びS102は第1の実施の形態と同様である。ステップS103では、CPU1は、計算に必要なパラメータ値の入力を求めるための設定画面を表示する(S103’)。ここで、表示されるパラメータの設定画面は、図10(a)と同様とすることができるが、突起の曲率半径R2については省略できる。CPU1は、(a)探針の出発位置y02と折り返し位置y01、(b)探針の曲率半径R1、(c)カンチレバーのバネ定数k、定常状態をサンプルする開始時刻を入力装置4から入力する。更に、CPU1はデータを出力するフォルダ名を入力装置4から入力すると(S103)、ステップS104の処理を実行する。
図7の示すステップS104の詳細フローにおいて、ステップS201及びS203は第1の実施の形態と同様である。CPU1は、入力された各パラメータ及び設定された探針の初期位置u0に基づき、上述の式(11)を例えばルンゲクッタ法により解き、時刻τ毎の探針の変位uと探針の速度du/dτを求める(S205’)。また、ステップS207は、第1の実施の形態と同様である。
次に、CPU1は、転回点を求めて、対応する変位uから振幅aと、探針の相互作用エネルギーVと、相互作用力Fとを求める(S209’)。なお、CPU1は、振幅a、相互作用エネルギーV、相互作用力Fの全てを求めてもよいし、ひとつ又は複数の所望の値を求めてもよい。例えば、CPU1は、求められたuの極大値umaxと極小値uminを求め、極大値umaxと極小値uminの差に基づいて振幅aを求める。また、CPU1は、下方転回点(又は衝突時)の探針の相互作用エネルギーVと相互作用力Fを求める。転回点での探針−表面間相互作用エネルギーVは、例えば次式に従い求められることができる。
ただし、V(R、z)は、探針−表面間相互作用力であり、次式で表される。
また、相互作用力Fは、次式に従い求められることができる。
F=F(R1、u+u0)
ここで、F(R、z)は、第1の実施の形態の式(2)により求めることができる。また、CPU1は、探針の変位uの極大値と極小値を、例えば近似的に探針の速度du/dτ=0となる点(τとuの組)を探すことにより求めることができる。ステップS209’の処理は、後に詳細に述べる。ステップS211〜S237は、第1の実施の形態と同様である。
図8に示す、ステップS209の詳細フローにおいて、ステップS301〜S311は上述と同様である。また、CPU1は、下方転回点での(衝突時の)探針の相互作用エネルギーVと、相互作用力Fを次式に従い求める(S313’)。
V=V(R1、umin+u0)
ここで、V(R、z)は、上述の式(6)により求められる。
F=F(R1、umin+u0)
ここで、F(R、z)は、上述の式(2)により求められる。
図5に戻り、ステップS105以降は、第1の実施の形態と同様である。
3.データの解析及び考察
図17は、突起がない場合と突起がある場合の数値計算例である。
探針位置u0を変えて、定常状態の探針の振動振幅aを計算した。突起が無い場合と(図17(a))、ある場合の(図17(b))関係を求めた。図では、探針の位置を下げて表面に近づけていく場合をdown(実線)、上げて表面から遠ざけていく場合をup(破線)としている。非接触状態から接触状態の境目付近でヒステリシスが出現し、突起がある場合はヒステリシスが小さくなることがわかる。このように、本シミュレータによると、例えば、動的AFMにおける突起の効果を調べることができる。突起によってヒステリシスが小さくなることを見出した。ヒステリシスが小さくなることにより動的AFMの動作が安定し、分解能が向上すると考えられる。
4.付記
本発明の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法は、その各手順をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム、動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、そのプログラムを含みコンピュータの内部メモリーにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
本発明は、例えば、ナノテクノロジーにおける走査プローブ顕微鏡に関する産業に利用可能である。

Claims (21)

  1. 突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡探針の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法であって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    を含む前記動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  2. 探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡探針の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法であって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    を含む前記動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  3. 処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された出発位置の値以上になるまで又は出発位置の値より大きくなるまで、(c)入力された折り返し位置に移動刻み幅を順次加えて、又は、設定された探針の初期位置に移動刻み幅を加えて、新たな探針の初期位置を設定することと、(d)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップ
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  4. 処理部は、求められた探針の変位に基づき、探針の変位の振幅、探針と試料表面間の相互作用エネルギー、探針と試料表面間の相互作用力及び探針の平均的力学的エネルギーのいずれか又は複数を求めるステップと、
    処理部は、求められた振幅、相互作用エネルギー、相互作用力及び探針の平均的力学的エネルギーのいずれか又は複数を、設定された探針の初期位置に対応させて記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  5. 処理部は、求められた探針の速度又は変位に基づき探針の変位の上方転回点及び下方転回点をそれぞれ少なくともひとつ求めるステップと、
    求められた上方及び下方転回点に対応する探針の変位の差をとり、探針の変位の振幅を求めるステップと、
    処理部は、求められた振幅を設定された探針の初期位置に対応させて記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  6. 処理部は、次式に従い、探針及び突起と試料表面との間の相互作用エネルギーVを求めるステップと、
    処理部は、求められた相互作用エネルギーVを設定された探針の初期位置に対応させて記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
    ここで、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置
  7. 処理部は、次式に従い、探針及び突起と試料表面との間の相互作用力Fを求めるステップと、
    処理部は、求められた相互作用力Fを設定された探針の初期位置に対応させて記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
    ここで、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置
  8. 処理部は、次式に従い、探針の一周期の平均力学的エネルギーEを求めるステップと、
    処理部は、求められた平均力学的エネルギーEを設定された探針の初期位置に対応させて記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
    ここで、E:一周期平均の探針の力学的エネルギー(nJ)、T:一周期の長さ(無次元時間)、u:時間τでの探針の変位(nm)、τ:計算の時間の刻み幅(無次元時間)、m:規格化したカンチレバーと探針の質量1(kg)、k:カンチレバーのバネ定数(N/m)
  9. 処理部は、求められた探針の速度が負から正へ移るときの、該負の速度に対応する第1の時刻と、該正の速度に対応する第2の時刻の組を求めるステップと、
    処理部は、求められた探針の速度が正から負へ移るときの、該正の速度に対応する第3の時刻と、該負の速度に対応する第4の時刻の組を求めるステップと、
    処理部は、求められた第1の時刻と第2の時刻の間で、探針の速度の絶対値が予め定められた閾値以下になるまで時間刻みを細かくして、速度の絶対値が予め定められた閾値以下になる又は最小になる下方転回点での時刻を求めるステップと、
    処理部は、求められた第3の時刻と第4の時刻の間で、探針の速度の絶対値が予め定められた閾値以下になるまで時間刻みを細かくして、速度の絶対値が予め定められた閾値以下になる又は最小になる上方転回点での時刻を求めるステップと、
    処理部は、対応して記憶部に記憶された探針の変位と時刻を参照して、求められた下方転回点での時刻に対応する第1の探針の変位と、求められた上方転回点での時刻に対応する第2の探針の変位を読み出すステップと、
    処理部は、読み出された第1及び第2の探針の変位の差をとり、探針の変位の振幅を求めることと、第1の探針の変位に基づき下方転回点での探針と試料表面間の相互作用エネルギーを求めることと、及び、第1の探針の変位に基づき下方転回点での探針の相互作用力を求めることのいずれか又は複数を求めるステップと、
    処理部は、求められた振幅、相互作用エネルギー及び相互作用力のいずれか又は複数を記憶部に記憶するステップと
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  10. 処理部は、取得された第1及び/又は第2の探針の変位に基づいて、次式に従い、探針の変位の振幅a、下方転回点での探針と試料表面間の相互作用エネルギーV、及び、下方転回点での探針の相互作用力Fのいずれか又は複数を求めること
    を含む請求項9に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
    ここで、umin:第1の探針の変位、umax:第2の探針の変位、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置
  11. 処理部は、記憶部を参照し、記憶された時刻と、該時刻に対応する探針の変位と、該時刻に対応する探針の速度とを読み出すステップと、
    読み出された探針の変位と探針の速度とに基づき、探針の運動又は試料表面付近の探針の運動を表示部にアニメーション表示するステップ
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  12. 処理部は、記憶部を参照し、運動方程式を解く際に求められ記憶された相互作用力Fを読み出すステップと、
    読み出された相互作用力Fの大きさに応じた長さで、かつ、相互作用力Fの符号に応じた向きの矢印を、表示部にアニメーション表示された探針表面に表示するステップ
    をさらに含む請求項11に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  13. 処理部は、記憶部を参照し、記憶された時刻と探針の変位を読み出すステップと、
    読み出された時刻と探針の変位を表示部にグラフ表示するステップ
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  14. 処理部は、記憶部を参照し、記憶された探針の速度と、対応する探針の変位とを読み出すステップと、
    読み出された探針の速度と、対応する探針の変位とをプロットすることで、位相平面内でのトラジェクトリーを表示部に表示するステップ
    をさらに含む請求項1又は2に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  15. 処理部は、記憶部を参照し、記憶された探針の変位の振幅と探針の初期位置、記憶された相互作用エネルギーと探針の初期位置、記憶された相互作用力と探針の初期位置、及び、記憶された平均力学的エネルギーと探針の初期位置の組み合わせのいずれか又は複数を読み出すステップと、
    読み出された前記組み合わせについて、スペクトロスコピーを表示部に表示するステップ
    をさらに含む請求項4に記載の動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーション方法。
  16. 突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムであって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム。
  17. 探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムであって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラム。
  18. 突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    処理部は、カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを入力部から入力するステップと、
    処理部は、探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定するステップと、
    処理部は、探針の初期位置を入力された出発位置に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求めるステップと、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    処理部は、求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に記憶部に記憶するステップと、
    処理部は、次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップにおいて求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップと、
    処理部は、設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求めるステップ乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定するステップを実行することと、を繰り返すステップと
    をコンピュータに実行させるための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  20. 突起のついた探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータであって、
    パラメータを入力するための入力装置と、
    前記入力装置から入力されたパラメータに基づき、動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートする処理部と、
    前記処理部により求められたデータを記憶又は表示するための記憶又は出力装置と
    を備え、
    前記処理部は、
    カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、探針についている突起の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを前記入力装置から入力する手段と、
    探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定する手段と、
    探針の初期位置を入力された出発位置に設定する手段と、
    設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径、突起の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求める手段と、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針の初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端及び突起に働くファンデルワールス力又は相互作用力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、R2:突起の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶する手段と、
    次の繰り返し処理における探針の変位の初期値及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求める手段において求められた探針の変位及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段と、
    設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求める手段乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段を実行することと、を繰り返す手段と
    を有する前記動的モード原子間顕微鏡探針の振動シミュレータ。
  21. 探針が先端に取り付けられたカンチレバーを、機械的に共振させながら試料表面に接近させ及び/又は引き離させて、試料表面の構造を観察する動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートするための動的モード原子間力顕微鏡探針の振動シミュレータであって、
    パラメータを入力するための入力装置と、
    前記入力装置から入力されたパラメータに基づき、動的モード原子間力顕微鏡の振動特性をシミュレートする処理部と、
    前記処理部により求められたデータを記憶又は表示するための記憶又は出力装置と
    を備え、
    前記処理部は、
    カンチレバーの接近及び/又は引き離しの出発位置及び折り返し位置と、探針の曲率半径と、カンチレバーのバネ定数とを前記入力装置から入力する手段と、
    探針の初期位置に対する変位の初期値と、探針の速度の初期値とをそれぞれ設定する手段と、
    探針の初期位置を入力された出発位置に設定する手段と、
    設定された探針の初期位置と、設定された探針の変位及び速度の初期値と、入力された探針の曲率半径及びカンチレバーのバネ定数とに基づき、カンチレバーの探針の取り付けられていない側を振動させた場合の探針の次式で表す運動方程式を解くことで、時刻毎の、探針の変位と探針の速度を求める手段と、
    [ここで、u:カンチレバーが伸び縮みしていない時の探針初期位置u0からの探針の変位、τ:時刻、z:時刻τでの探針位置z(τ)、F(R、z):曲率半径Rの球形探針先端に働くファンデルワールス力、Q:カンチレバーのQ値、k:バネ定数、l:励起振幅、ρ:探針と表面の原子の数密度、σ:原子半径に関わるパラメータ、ε:原子の結合エネルギーに関わるパラメータ、R1:探針の曲率半径、u0:探針の初期位置]
    求められた探針の変位と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶し、及び、探針の速度と時刻を対応させて探針の初期位置毎に前記記憶又は出力装置に記憶する手段と、
    次の繰り返し処理における探針の変位及び探針の速度の初期値をそれぞれ、前記探針の変位と探針の速度を求める手段において求められた探針の変位の初期値及び探針の速度の最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段と、
    設定された探針の初期位置の値が、入力された折り返し位置の値以下になるまで又は折り返し位置の値より小さくなるまで、(a)入力された出発位置から予め定められたカンチレバーの移動刻み幅を順次差し引いて、又は、設定された探針の初期位置から移動刻み幅を差し引いて、新たな探針の初期位置を設定することと、(b)設定された新たな探針の初期位置について、前記探針の変位と探針の速度を求める手段乃至前記最終時刻での値、又は、予め定められた時刻での値に設定する手段を実行することと、を繰り返す手段と
    を有する前記動的モード原子間顕微鏡探針の振動シミュレータ。
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