JP4548967B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収性物品に所定の機能を付与する非白色系の機能性材料の粉粒体が保持された吸収性物品において、該機能性材料の隠蔽効果に優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
吸収性物品に種々の機能を付与することを目的として、吸収性物品における吸収体に各種機能性粉粒体を含有させることが知られている。例えば、***された体液から発生する悪臭を抑えるために、消臭剤や芳香剤を含有させることが知られている。
【0003】
しかし、斯かる機能性粉粒体は、白色以外の色、特に黒色ないし茶褐色を呈しているものが多く、これらの色が使用者に視認され易いことから、吸収性物品の外観を低下させる原因となる。また、機能性粉粒体は吸収体内部や表面に配合されることが多いことから、吸収体の表面近傍に体液が残っている場合、該機能性粉粒体の機能が十分に発揮されにくくなり、また液の吸収性が阻害されて液漏れが発生し易い。
【0004】
従って、本発明は、機能性粉粒体の色に起因する吸収性物品の外観の低下が防止され且つ機能性粉粒体本来の機能を発現させ得ると共に液漏れの発生が防止された吸収性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維材料を主体とする液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品において、
前記吸収性物品に所定の機能を付与する非白色系の機能性材料の粉粒体が、繊維材料に保持されて前記吸収性物品の所定箇所に配されていると共に、前記トップシートと前記粉粒体が配されている箇所との間に、繊維材料を主体とし且つ該繊維材料に顔料が含有されているサブレイヤーシートが配されており、
前記サブレイヤーシートは、その構成繊維の繊維間距離が、前記トップシートの構成繊維の繊維間距離よりも小さく且つ前記粉粒体を保持する繊維材料の繊維間距離よりも大きい吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には本発明の吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドの斜視図が示されており、図2には図1におけるII−II線断面図が示されている。
【0007】
図1及び図2に示すように、本実施形態の失禁パッド1は、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を有する本体部5と、本体部5の左右両側にそれぞれ配されたサイドフラップ6,6とを具備している。
【0008】
トップシート2は、吸収体4の上面全域を被覆しており、且つ吸収体4の両側部を被覆して吸収体4の下面側へ巻き込まれている。一方、バックシート3は、吸収体4の下面側のみに配されている。バックシート3の外面には、本体部5の幅方向に粘着剤(図示せず)がストライプ状の形状で複数箇所塗布されている。
該粘着剤によって、失禁パッド1が着用者の着衣に接着固定される。トップシート2としては、繊維材料を主体とするものが用いられ、その例としては各種不織布や、不織布とフィルムとのラミネートからなり多数の開孔が形成されている複合シートが用いられる。バックシート3としては、熱可塑性樹脂製のフィルムなどを用いることができる。該熱可塑性樹脂製のフィルムは透湿性を有していてもよい。
【0009】
吸収体4は、吸液性の繊維材料、例えばパルプを主体とし、これに高吸収性ポリマーの粒子が混合されて構成されている。
【0010】
吸収体4は、機能性シート8によって取り巻かれている。機能性シート8は、失禁パッドに所定の機能を付与する非白色系の機能性材料の粉粒体が繊維材料に保持されて構成されているものであり、その詳細については後述する。機能性シート8は、吸収体4の長手方向中央領域における上下面及び両側面を被覆している。その結果、吸収体4は、機能性シート8の前端8a及び後端8bから本体部5の前端部及び後端部方向へそれぞれ延出している。また、図示していないが、機能性シート8に取り巻かれた状態の吸収体4は、その全面(上下面及び両側面)がパルプを主体とするカバーシートによって取り巻かれている。即ち、吸収体4は、その中央領域が、機能性シート8及びカバーシート(図示せず)の2枚のシートに取り巻かれており、また機能性シート8の前端8a及び後端8bからそれぞれ延出している領域が、カバーシート(図示せず)に取り巻かれている。
【0011】
機能性シート8を本体部5の中央領域にのみ配する理由は、機能性シート8の前後端8a,8bから機能性材料の粉粒体が漏れ出る(脱落する)ことを前記カバーシートで防止するためである。機能性シート8を本体部5の全域に配すると、たとえその上をカバーシートで覆ったとしても機能性材料の粉粒体の脱落を防止することはできない。
【0012】
本体部5の上面には、本体部5の縦中心線に向かって湾曲した一対の圧縮溝9,9が形成されている。圧縮溝9は、トップシート2と吸収体4とを、熱を伴うか又は伴わないエンボス等の圧縮手段によって圧縮することによって形成されている。圧縮溝9は、失禁パッド1が変形するための可撓軸として作用する。その結果、失禁パッド1の着用時に、失禁パッド1は圧縮溝に沿って折曲して着用者の体型に沿った形状に変形し易くなる。
【0013】
サイドフラップ6は、起立壁部10と防漏面部11とから構成されている。起立壁部10は、その一側が吸収体4とバックシート3との間に配置されて、吸収体4とバックシート3とによって挟持固定されている。固定手段としてはホットメルト粘着剤等の接着剤による接着が用いられる。起立壁部10が吸収体4とバックシート3とによって挟持固定されている部位は、起立壁部10の基端部12となる。起立壁部10によって本体部5とサイドフラップ6との間にはポケットPが形成されて、***された液がトップシート2の表面を伝って流れ出ても、該ポケットPに捕捉されて、それ以上の流出が阻止される。
【0014】
起立壁部10の他側は防漏面部11に連設している。防漏面部11は、本体部5の幅方向外方にほぼ水平に張り出しており、トップシート2とほぼ平行になった平坦な面を形成している。また、防漏面部11は、トップシート2よりも高い位置に形成されている。これによって、失禁パッド1の着用時に、防漏面部11が着用者の肌に面で密着当接し、横漏れが効果的に防止される。更に、面で密着当接していることによって、着用者の動作によって失禁パッド1がよれても、着用者の身体との間に空隙が発生し、やはり横漏れが効果的に防止される。
【0015】
起立壁部10及び防漏面部11は、シート材を縦に二つ折りしたものから一体的に構成されている。具体的には、二つ折りにされたシート材の側縁を吸収体4とバックシート3とによって挟持固定して、前述した基端部12を形成する。二つ折りにされたシート材の折曲部は自由端部13とする。そして基端部12と自由端部13との間の折り返し部14の位置で、二つ折りにされたシート材を本体部5の幅方向外方に折り返す。これによって、基端部12と折り返し部14との間が起立壁部10となり、折り返し部14と自由端部13との間が防漏面部11となる。
【0016】
自由端部13の内部には、該自由縁部13に沿って平ゴムからなる第1の弾性部材15aが伸張状態で固定されている。また、折り返し部14の位置には、該折り返し部14に沿って糸ゴムからなる第2の弾性部材15bがやはり伸張状態で固定されている。これら弾性部材によって防漏面部11の平坦な形状が良好に形成及び維持される。また、これら弾性部材の収縮によって、サイドフラップ6にはギャザーが形成されている。
【0017】
サイドフラップ6の長手方向前後端部は、固定位置16,17で、本体部5におけるトップシート2上に固定されている。そして、固定位置16,17間においては、サイドフラップ8は、トップシート2上に固定されていない。斯かる固定によってサイドフラップ8における起立壁部10が基端部12から立ち上がると共に防漏面部11が水平方向外方に平坦に張り出す。更に、弾性部材15a,15bの収縮によって、本体部5における前方部及び後方部がトップシート2側に引き起こされる。その結果、失禁パッド1は側面視して略船形形状を呈する。
【0018】
略船形形状を呈している失禁パッド1は、着用者の形態に沿った形状となり、フィット性が極めて良好になる。また、起立壁部10及び防漏面部11と、前記船形形状との相乗効果によって、失禁パッド1の前後方向及び横方向の漏れが効果的に防止される。
【0019】
更に、本実施形態においては、サイドフラップ6の長手方向前後端部の固定位置は、吸収体4の側縁よりも幅方向内方寄りの位置になっている。斯かる固定によって、弾性部材15a,15bの収縮力が一層効果的に本体部5における前方部及び後方部に作用して、該前方部及び該後方部の引き起こしが一層良好になる。
【0020】
而して、本実施形態の失禁パッド1においては、トップシート2と機能性シート8との間にサブレイヤーシート7が配されている。サブレイヤーシート7は、吸収体4の上面全域を覆っている。サブレイヤーシート7は、トップシート2を透過してきた液の横方向への拡散、吸収体4への透過及び/又はそれ自身での保持のために用いられるものである。
【0021】
サブレイヤーシート7は、繊維材料を主体として構成されており、その例としては、不織布や、不織布とフィルムとのラミネートからなり多数の開孔が形成されている複合シートなどが挙げられる。
【0022】
サブレイヤーシート7を構成する繊維材料には顔料が含有されている。これによって、サブレイヤーシート7よりも下側に位置する機能性シート8に含まれる機能性材料の色が、トップシート2側からみて減殺されて隠蔽効果が発現する。
また、トップシート2には顔料が含有されていないことから、***された液のトップシート2の透過が阻害されることはない。その結果、本実施形態の失禁パッド1においては、機能性材料の色に起因する外観の低下が防止され且つ液漏れの発生が防止される。顔料は、繊維材料中に練り込まれていてもよく(内添)、或いは繊維材料の表面に付着されていてもよい(外添)。顔料の詳細については後述する。
【0023】
更に、サブレイヤーシート7は、その構成繊維の繊維間距離(以下、DSという)が、トップシート2の構成繊維の繊維間距離(以下、DTという)よりも小さくなっている。且つサブレイヤーシート7は、そのDSが、機能性材料の粉粒体を保持する繊維材料、即ち本実施形態における機能性シート8を構成する繊維の繊維間距離(以下、DFという)よりも大きくなっている。即ち、DS、DT及びDFの間には、DF<DS<DTなる大小関係がある。このような大小関係によって、トップシート2、サブレイヤーシート7及び機能性シート8間に密度勾配が形成される。これによって、***された液の吸収体4への引き込みが促進され、トップシート表面での液残りが少なくなると共に液が吸収体4に引き込まれる過程で、機能性材料と有効に接触し易くなり、機能性材料の有する機能が更に増幅される。
【0024】
このように、本実施形態の失禁パッド1においては、機能性材料の色に起因する外観の低下が防止され且つ液漏れの発生が防止されるのみならず、液の吸収力も向上し、機能性材料が本来有する機能が有効に活用される。
【0025】
S、DT及びDF間の大小関係は前述の通りであるが、この大小関係が、DF/DS<1.0で且つDS/DT>1.0、特にDF/DS<0.7で且つDS/DT>0.7であると、液の引き込みが一層促進されるので好ましい。
【0026】
S、DT及びDFそのものの値は次の通りであることが、液の引き込み効果の一層の向上の点から好ましい。即ち、DSに関しては20〜150μm、特に30〜100μmであることが好ましく、DTに関しては30〜300μm、特に40〜200μmであることが好ましく、DFに関しては25〜100μm、特に30〜70μmであることが好ましい。繊維間距離は、繊維の平行配置モデルを作り、次式から算出される。
【0027】
【数1】
Figure 0004548967
【0028】
前記式中、厚みAは、次の方法で測定される。平滑な測定台上に測定するシートのサンプルを載せ、更にその上に50mm×50mm、厚さ5mm、重さ15gの白色アクリル板を載せた時と、シートなしの時のアクリル板上面位置の変位量をレーザー変位計(キーエンス(株)製、LK−080)で測定し、その値をシートの厚みとする。
【0029】
サブレイヤーシート7としては、前述した液の拡散、透過及び/又は保持の機能を発揮し得るものが用いられる。これらの点を勘案すると、サブレイヤーシート7として不織布や嵩高のパルプシートを用いることが好ましい。不織布の具体例としては、サクションヒートボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布などが挙げられる。特に、繊維間距離を調整する目的で厚みをコントロールし易い点から、サクションヒートボンド不織布を用いることが好ましい。これらの不織布が、疎水性の繊維から構成されている場合には、親水化剤を用いて親水化させることが好ましい。
【0030】
サブレイヤーシートの坪量は、10〜200g/m2、特に15〜100g/m2であることが、液の拡散、透過及び/又は保持の機能と吸収性物品の装着感とを両立させると共に、サブレイヤーシートへの液残りを少なくさせ、悪臭の発生源を機能性材料よりもトップシート側に残さないようにする点から好ましい。
【0031】
次に、本実施形態の失禁パッド1に用いられている機能性シート8について説明する。機能性シート8は、失禁パッド1に所定の機能を付与する機能性材料の粉粒体を含有するシートである。機能性材料の有する機能としては、所定の悪臭に対する消臭機能、所定の細菌に対する抗菌機能、芳香機能、発熱機能などがある。機能性材料の例としては、消臭剤(脱臭剤を含む)、抗菌剤、芳香剤、温熱発熱剤等があり、失禁パッド1の要求性能等に応じて適切なものが用いられる。
機能性材料は、非白色系のものである。一般に黒色、褐色、黄色を呈している場合が多い。
【0032】
図3に示すように、機能性シート8は、同一の又は異なる材料からなり且つ同サイズの長方形形状の2枚のパルプシート18,19間に、該パルプシートよりも幅方向の長さが短い長方形形状であり且つ機能性材料の粉粒体を含有する機能性材料含有シート20を介在させてなる積層シートである。そして、機能性シート8の側部8c、8cには、その長さ方向全体に亘って機能性材料含有シート20が介在していない。このような機能性材料含有シート20を用いることで、機能性材料が漏れ出すことを確実に防止でき、また、色の遮蔽効果が一層向上する。
【0033】
図3に示すように、側部8c,8cには、その長さ方向全体に亘って機能性材料含有シート20が介在されておらず、2枚のパルプシート18,19が積層されてなる2層構造部分である。側部8c,8cにおけるパルプシート18,19同士がそれぞれ接合されることにより、機能性シート8の両側端部が封止されて、側端部からの機能性材料の脱落が防止される。側部8cの幅は、好ましくは0.1〜20cm、更に好ましくは1〜6cmであることが、機能性材料の脱落防止、及び機能性材料の機能を十分に発現させる点から好ましい。
【0034】
機能性材料含有シート20は機能性材料の粉粒体の混抄紙であり、2枚のパルプシート18,19間に幅方向中央で挟持されている。機能性材料含有シート20とパルプシート18,19とは、抄き合わせ又は接着剤等を用いた貼り合わせにより、前述のように積層される。
【0035】
機能性材料含有シート20は、機能性材料の粉粒体及び繊維材料を主体として構成されている。機能性材料としては前述したもののうち、消臭剤を用いることが好ましい。消臭剤としては、例えば活性炭、ケイソウ土、セピライト、ベントナイト、フタロシアニン化合物等の有色消臭剤単体か又はこれらと活性アルミナ、活性白土等との複合物が用いられる。消臭剤は、一種又は二種以上を用いることができる。機能性材料含有シート20における消臭剤の含有率は、該シート20の重量に対して1〜50重量%、特に3〜30重量%であることが、十分な消臭効果を発現させる点、及び十分なシート強度及び柔軟性を確保する点から好ましい。繊維原料としては、NBKP、LBKP等の木材パルプの他、藁、綿等の非木材パルプ等の公知の天然繊維が使用できる。また、シート強度を向上させる目的で、ポリエチレン繊維等の合成繊維を適宜混合してもよい。機能性材料含有シート20における繊維原料の含有率は、該シート20の重量に対して50〜99重量%、特に70〜97重量%であることが、十分な消臭効果を発現させる点、及び十分なシート強度及び柔軟性を確保する点から好ましい。
【0036】
機能性材料含有シート20は、その坪量が、15〜70g/m2、特に20〜50g/m2であることが、十分な柔軟性が確保でき、また機能性材料を、その機能が十分に発現する量保持させられる点から好ましい。また、機能性材料含有シート20は、その厚みが0.1〜10mm、特に0.2〜0.5mmであることが、機能性材料の確実な保持とシート20自身の通気性確保との両立の点から好ましい。
【0037】
両パルプシート18,19は、パルプを主体として構成されたシートであり、同一のものでもよく、或いは異なるものでも良く、それぞれ湿式抄紙法及び乾式抄紙法の何れの方法で形成されたものであっても良い。パルプシート18,19は、その坪量がそれぞれ12〜30g/m2 、特に15〜20g/m2 であることが、シートの風合いや液吸収性を損なわずに機能性材料含有シート20外への機能性材料の漏れ出しや、漏れ出した機能性材料による外観の悪化を防止する観点から好ましい。同様の理由から、両パルプシート18,19は、その厚みがそれぞれ0.1〜10mm、特に0.2〜0.5mmであることが好ましい。
【0038】
機能性シート8は、その一側部8cと他側部8dとが重ね合わされるように、吸収コア7を取り巻いている。その結果、***された液から発生する臭いが、機能性シート8に含まれている機能性材料である消臭剤の消臭効果によって除去される。
【0039】
次に、サブレイヤーシート7に含有される顔料について説明する。顔料としては、機能性シート8に保持されている機能性材料の色を隠蔽又は緩和し得るものであればその種類に特に制限はない。顔料の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、ゼオライト、活性白土、酸性白土、活性アルミナ、クンクリナイトが挙げられる。
【0040】
顔料は、失禁パッド1に所定の機能を付与し得るものであることが、失禁パッド1の多機能化の点から好ましい。特に多機能化の点からは、顔料が機能性材料の機能とは異なる機能を有していることが好ましい。例えば、機能性材料が所定の悪臭に対する消臭機能を有している場合には、顔料の機能が該悪臭とは異なる種類の悪臭に対する消臭機能であることが好ましい。具体的には機能性材料として活性炭を用い、顔料として酸性白土やゼオライトなどの粘土鉱物を用いると、***物に含まれるメルカプタン類やアンモニアなどの悪臭物質のうち、メルカプタン類が活性炭に吸着され、活性炭に吸着されにくいアンモニアが粘土鉱物に吸着される。
【0041】
顔料の粒径は、0.01〜20μm、特に0.1〜5μmであることが、顔料の分散性を上げ、色の隠蔽効果を上げると共に、表面積を増大させて顔料が有する機能を向上させ得る点から好ましい。
【0042】
顔料は、サブレイヤーシート7全体の重量の0.5〜10重量%、特に2〜5重量%を占めるように配合されていることが、十分な色の隠蔽効果が発現される点から好ましい。
【0043】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては機能性シート8は本体部5の中央領域5cにおける吸収体4の上下面を被覆していたが、これに代えて吸収体4の下上面の何れか一方を被覆するだけでもよい。即ち、機能性シート8が吸収体4とトップシート2との間、又は吸収体4とバックシート3との間に配されてもよい。
【0044】
また、機能性材料は繊維材料に保持されていればよく、その保持の手段としては機能性シートに限定されず、例えば吸収体4を構成する繊維材料であるパルプと混合させて、吸収体4の表面(特にトップシート側の表面)又はその近傍に保持させてもよい。
【0045】
また、トップシート2の液透過性を阻害しない限度において、トップシート2を構成する繊維に顔料を含有させてもよい。更に、バックシート3に顔料を含有させてバックシート3側からも隠蔽効果を発現させてもよい。
【0046】
また、前記実施形態においては、防漏面部11を平坦に形成するために、第1の弾性部材14及び第2の弾性部材15をそれぞれ配したが、両弾性部材のうち、折り返し部14に配される第2の弾性部材については、吸収性物品の具体的な用途や要求される性能等に応じ、用いなくてもよい。
【0047】
本発明の吸収性物品の実施形態は前述した失禁パッドに限られず、他の吸収性物品、例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつにも同様に適用できる。
【0048】
【実施例】
〔実施例1〕
図1〜図3に示す構成の失禁パッドを製造した。失禁パッドにおけるトップシートは3.3dtexのポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維のサクションヒートボンド不織布(坪量25g/m2)であった。機能性シートには、粒径30μmの活性炭が配合されていた。また、サブレイヤーシートは2.2dtexのポリエチレン/ポリエステル複合繊維のサクションヒートボンド不織布(坪量26g/m2)であり、顔料として粒径0.2μmの酸化チタンが内添されていた。顔料の配合量はサブレイヤーシートの重量の3%であった。
【0049】
〔実施例2〕
サブレイヤーシートの坪量を35g/m2にする以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0050】
〔実施例3〕
サブレイヤーシートの厚みを0.55mmにする以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0051】
〔実施例4〕
機能性シートにおけるパルプとして4.3dtexのものを用いる以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0052】
〔実施例5〕
サブレイヤーシートに含有される顔料として、酸化チタンに代えて酸化亜鉛を用いる以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0053】
〔比較例1〕
サブレイヤーシートを用いず、顔料として粒径0.2μmの酸化チタンをトップシートに内添する以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。トップシートにおける顔料の配合量はトップシートの重量の3%であった。
【0054】
〔比較例2〕
サブレイヤーシートとして、顔料を含まない6.7dtexのポリエチレン/ポリエステル複合繊維のサクションヒートボンド不織布(坪量20g/m2)を用いる以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0055】
〔比較例3〕
実施例1においてサブレイヤーシートと機能性シートの配置を上下逆にする以外は実施例1と同様にして失禁パッドを得た。
【0056】
実施例及び比較例で得られた失禁パッドについて、トップシート、サブレイヤーシート及び機能性シートの繊維間距離を以下の表1に示す。また、得られた失禁パッドについて、トップシート側からみた外観の印象、消臭機能及び液漏れ防止性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0057】
〔外観の印象〕
6名のモニターによる以下の5段階の基準で評価した。数値が小さいほど印象が良いことを意味する。
5:あまりもとの色と変わらない。
4:少し色が緩和しているが、印象は変わらない。
3:色が緩和されており、良くなったと判る。
2:色が大幅に緩和されており、元の色が判らない程である。
1:完全に色が隠蔽されている。
【0058】
〔消臭機能〕
失禁パッドに25gの人工尿を注入し、10分静置した後に失禁パッドから発生する臭いを6人のモニターにより、以下の6段階の基準で評価した。数値が小さいほど印象が良いことを意味する。
5:元の臭い(尿注入前)よりも非常に強くなったと感じた。
4:元の臭いより強くなったと感じた。
3:元の臭いと変わらない。
2:元の臭いより弱くなったと感じる。
1:元の臭いより非常に弱くなったと感じる。
0:無臭である。
【0059】
〔液漏れ防止性〕
動的歩行モデルに失禁パッドを失禁用下着と共に装着させ、毎分100歩の歩行動作をさせ、同時に人工尿を5g/secの速度で失禁パッドに注入する。失禁パッドから人工尿が漏れ始める迄に失禁パッドが吸収した人工尿の量を、液漏れまでの吸収量として液漏れ防止性の基準とした。
【0060】
【表1】
Figure 0004548967
【0061】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の失禁パッド(本発明品)は、良好な外観を呈し且つ液漏れが防止されていることが判る。また、機能性材料本来の機能が十分に発現されていることが判る。
【0062】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品によれば、機能性粉粒体の色に起因する吸収性物品の外観の低下が防止され且つ液漏れの発生が防止される。
また本発明の吸収性物品によれば、液の吸収力が向上し、機能性材料が有する本来の機能が有効に活用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明に用いられる機能性シートを示す模式図である。
【符号の説明】
1 失禁パッド(吸収性物品)
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 本体部
6 サイドフラップ
7 サブレイヤーシート
8 機能性シート
9 圧縮溝
10 起立壁部
11 防漏面部
12 基端部
13 自由端部
14 折り返し部
15a 第1の弾性部材
15b 第2の弾性部材
16,17 固定位置
18,19 パルプシート
20 機能性材料含有シート
P ポケット

Claims (4)

  1. 繊維材料を主体とする液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品において、
    消臭機能、抗菌機能、芳香機能又は発熱機能を有する黒色、褐色又は黄色の機能性材料の粉粒体が、繊維材料に保持されて機能性シートを構成しており、
    前記機能性シートが前記吸収体と前記トップシートとの間に配されており、
    前記トップシートと前記機能性シートとの間に、繊維材料を主体とし且つ該繊維材料に顔料が含有されているサブレイヤーシートが配されており、
    前記サブレイヤーシートは、その構成繊維の繊維間距離が、前記トップシートの構成繊維の繊維間距離よりも小さく且つ前記粉粒体を保持する繊維材料の繊維間距離よりも大きくなっており、該サブレイヤーシートの繊維間距離D S が30〜100μmであり、該トップシートの繊維間距離D T が40〜200μmであり、該機能性シートの繊維間距離D F が30〜70μmである吸収性物品。
  2. 前記機能性シートを前記吸収体の長手方向中央部にのみ配するとともに前記サブレイヤシートを前記吸収体の上面全域を覆うように配する請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記機能性材料の機能が所定の悪臭に対する消臭機能であり、前記顔料が該悪臭とは異なる種類の悪臭に対する消臭機能有している請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記トップシート及び/又は前記バックシートに顔料が含有されている請求項1〜の何れかに記載の吸収性物品。
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