JP4547606B2 - マイクロリアクターの複合反応方法及びマイクロリアクター - Google Patents

マイクロリアクターの複合反応方法及びマイクロリアクター Download PDF

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Description

本発明はマイクロリアクターの複合反応方法及びマイクロリアクターに係り、特に複合反応において目的生成物を高い収率で得ることのできるマイクロリアクターの複合反応方法及びマイクロリアクターに関する。
近年、化学工業、或いは医薬品、試薬等の製造に係る医薬品工業では、マイクロミキサー又はマイクロリアクターと呼ばれる微小容器を用いた新しい製造プロセスの開発が進められている。マイクロミキサー又はマイクロリアクターには、複数本のマイクロチャンネル(流体導入路)と繋がる微小空間(マイクロ流路)が設けられており、マイクロチャンネルを通して複数の流体(例えば反応原料を溶解した溶液)を微小空間に合流することで、複数の流体を混合し、又は混合と共に化学反応を生じさせる。マイクロミキサーとマイクロリアクターとは基本的な構造は共通とされているが、特に、複数の流体を混合するものをマイクロミキサーと言い、複数の溶液を混合する際に化学反応を伴うものをマイクロリアクターと言う場合がある。従って、本発明のマイクロリアクターはマイクロミキサーも含むものとする。
次に、上記のようなマイクロリアクターによる反応が攪拌タンク等を用いたバッチ式の混合や反応と異なる点を説明する。即ち、液相の化学反応は、一般に反応液の界面において分子同士が出会うことによって起こるので、微小空間内で反応を行うと相対的に界面の面積が大きくなり、反応効率は著しく増大する。また、分子の拡散そのものも拡散時間は距離の二乗に比例する。このことは、微小空間のスケールを小さくするに従って反応液を能動的に混合しなくても、分子の拡散によって混合が進み、反応が起こり易くなることを意味する。また、微小空間においては、スケールが小さいために層流支配の流れとなり、溶液同士が層流状態となって流れながら流れに直交する方向に拡散し反応されていく。
また、このようなマイクロリアクターを用いれば、例えば、反応の場として大容積のタンク等を用いた従来のバッチ方式と比較し、溶液同士の反応時間及び混合温度や反応温度の高精度な制御が可能になる。
従って、複合反応をマイクロリアクターを用いて行えば、溶液が微小空間内で殆ど滞留することなく連続的に流通するので、不均一な反応生成物が生成されにくく、比較的純粋な一次生成物をも取り出すことが可能となる。
このようなマイクロリアクターとしては、例えば特許文献1、特許文献2、或いは特許文献3に開示されているものがある。これらのマイクロリアクターは何れも2種類の溶液をそれぞれマイクロチャンネルを通し、極めて薄い薄片状の層流として微小空間内に導入するもので、この微小空間内で2種類の溶液同士を混合及び反応させるものである。
PCT国際公開公報WO 00/62913号 特表2003−502144号公報 特開2002−282682号公報
しかしながら、色々な反応の種類の中で複合反応は何を目的生成物にするかによって、一次生成物の収率を上げたり、或いは一次生成物の収率を下げて二次生成物の収率を上げたりする必要があるが、複合反応における目的生成物、特に反応中間体である一次生成物に対する収率、即ち選択率の制御に関しては未だ十分に技術が確立されていなのが実情である。
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、複合反応における目的生成物に対する収率や選択率を制御することができるので、特に反応中間体である一次生成物の収率を上げることができるマイクロリアクターの複合反応方法及び、その複合反応方法を行うのに好適なマイクロリアクターを提供することを目的とする。
発明者は、マイクロ流路に合流した複数の流体は層流として流れるというマイクロリアクターの特性から、マイクロ流路入口の径方向断面における流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ(流体セグメントを配列方向の厚み)、及び濃度等の因子を任意に制御できることに着目し、これらの因子を制御することにより、複合反応における目的生成物の収率や選択率を制御するようにしたものである。
ここで、複数種の流体とは例えば2種類の場合には流体Aと流体Bであり、流体セグメントとは流体A及び流体Bをマイクロ流路の径方向断面で分割して所望のセグメント数、配列、断面形状、幅サイズ、及び濃度等を備えた流体として再構成した流体区分をいう。また、流体同士の拡散距離とは、マイクロ流路の径方向断面における流体セグメントの形状における重心間の距離を言い、比表面積とは流体セグメントの単位長さ当たり、隣接する流体セグメント同士の界面における接触面積の比をいう。以下同様である。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、複数種の流体をマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して複合反応を行わせる際に、前記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士を接触させるマイクロリアクターの複合反応方法において、前記複数種の流体を供給する手段に連通されると共に、流体導入部を構成する多数の流体導入流路の一つ一つに細管を介して連通し、前記多数の流体導入流路に導入される流体を切り換えることにより、前記複数種の流体を前記多数の流体導入流路を分配して導入口から前記マイクロ流路に導入することにより、前記マイクロ流路入口の径方向断面において前記流体が分割された複数の流体セグメントを形成する分配手段によって、流体セグメントの数、流体セグメントの形状、流体セグメントの配列、流体セグメントのアスペクト比の少なくとも1つを変えることにより、前記マイクロ流路に合流する複数種の流体同士の拡散距離及び/又は比表面積を変えることを特徴とするマイクロリアクターの複合反応方法を提供する。
請求項1によれば、例えば流体Aと流体Bとで下記の反応式の複合反応を行う場合、
A+B→R(一次反応)
B+R→S(二次反応)
流体Aと流体Bとの拡散距離を小さくし、比表面積を大きくするに従って、流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。逆に、流体Aと流体Bとの拡散距離を大きくし、比表面積を小さくするに従って、流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は低くなる。即ち、二次生成物の収率が大きくなる。従って、マイクロ流路に合流する複数種の流体同士の拡散距離及び/又は比表面積を変えることにより、複合反応の目的生成物の収率や選択率を制御することができる。
請求項1の態様によれば、複数種の流体のそれぞれについて、マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割することによって、流体セグメントのセグメント数を変えるようにした。これにより、流体セグメントの数が多くなれば、拡散距離が小さくなり比表面積が大きくなる。逆に、流体セグメントの数が少なくなれば、拡散距離が大きくなり比表面積が小さくなる。
請求項1の態様によれば、複数種の流体のそれぞれについて、マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割することによって、マイクロ流路入口の径方向断面における流体セグメントの断面形状を変えるようにした。形状としては、例えば、正方形や長方形の四角形、平行四辺形、三角形、同心円形状があり、四角形、平行四辺形、三角形、同心円形状の順に、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。これは実質的に、この形状の順で拡散距離が短くなるためである。また、形状としてジグザグ形状や凸形状にした場合には、ジグザグ数や突起している部分の数、即ち形状の繰り返し数が増えるほど比表面積が大きくなるため、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。従って、流体セグメントのマイクロ流路入口の径方向断面における形状を変えることにより、拡散距離や比表面積を変えることができ、これにより複合反応の目的生成物の収率や選択率を制御することができる。尚、流体セグメントのセグメント数と断面形状の両方を変えるようにしてもよい。
請求項1の態様によれば、複数種の流体のそれぞれについて、マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割することによって、マイクロ流路入口の径方向断面において種類の異なる流体セグメント同士の配列を変えるようにした。配列の方法としては、マイクロ流路入口の径方向断面に、例えば上記した流体Aを分割した流体セグメントAと流体Bを分割した流体セグメントBとを交互に横一列に配列させた一列配列、この一列配列を2段重ねると共に上下に隣接する流体セグメント同士が違う種類になるようにした2列配列、マイクロ流路入口の径方向断面の横方向と縦方向に、流体セグメントAと流体セグメントBとが市松模様のように配列された市松模様配列等があり、一列配列、2列配列、市松模様配列の順に、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。これは実質的に、この配列の順で比表面積が大きくなるためである。尚、流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列の因子を組み合わせて変えるようにしてもよい。
請求項1の態様によれば、複数種の流体のそれぞれについて、マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割することによって、マイクロ流路入口の径方向断面において断面形状が四角形な複数の流体セグメントを形成すると共に、該流体セグメントのアスペクト比(幅サイズに対する深さサイズ)を変えるようにした。
ここでアスペクト比とは、四角形な流体セグメントの幅(流体セグメントの配列方向の厚み)に対する深さの比である。このアスペクト比の変え方としては、流体セグメントの幅を一定にして深さを変える場合、四角形の面積を一定にして深さを変える場合がある。流体セグメントの幅を一定にして深さを変える場合には、アスペクト比が小さくなるほど、即ち深さが浅くなるほど、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は低くなる。換言すると、アスペクト比が大きくなるほど、即ち深さが深くなるほど、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。これは、層流による幅方向の速度分布によって、層流下ではplug-flow より逐次並列反応中間体の収率や選択率が低くなるのと同様に、深さ方向にも勾配の大きな速度分布が発達するためと考えられる。また、四角形の面積を一定にして深さを変える場合には、アスペクト比が大きくなるほど、即ち幅が薄くなるほど、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率は高くなる。これはアスペクト比が大きくなるほど、拡散距離が短くなるためである。いずれにしても、アスペクト比を変えることで、複合反応における目的生成物の収率・選択率を変えることができる。尚、流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比の因子を組み合わせて変えるようにしてもよい。
また、上記請求項は、マイクロ流路入口の径方向断面における流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比をそれぞれ変えるようにしたものであるが、これらの因子に加えて種類の同じ流体セグメントの原料濃度を変えるようにしてもよい。
本発明の請求項2は請求項1において、前記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において断面形状が四角形な複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士が交互に接触するように配列させると共に、前記配列させる流体セグメントの配列方向の幅サイズを変えることを特徴とする。
これは、四角形な流体セグメントの幅サイズが大きいものと小さいものとの配列の仕方によって、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率が変わるとの知見に基づいて成されたものである。例えば上記した流体セグメントAと流体セグメントBの2種類のセグメント幅の配列の組み合わせとしては、流体セグメントAと流体セグメントBとの幅サイズを同じにして交互に配列した同幅配列、配列方向の両側位置に幅の小さな流体セグメントAB同士を配列すると共に中央位置に幅サイズの大きな流体セグメントAB同士を配列する中央幅大配列、逆に配列方向の両側位置に幅サイズの大きな流体セグメントAB同士を配列すると共に中央位置に幅サイズの小さな流体セグメントAB同士を配列する中央幅小配列、配列方向の一方端側位置に幅サイズの小さな流体セグメントAB同士を配列すると共に他端側に幅サイズの大きな流体セグメントAB同士を配列する偏り配列等がある。そして、このように異なるセグメント幅の配列の組み合わせによって、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率を変えることができるので、複合反応の目的生成物の収率や選択率を制御することができる。
本発明の請求項は前記目的を達成するために、複数種の流体をそれぞれの流体導入路を通して1本のマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して複合反応を行わせるマイクロリアクターの複合反応方法において、前記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において断面形状が四角形な複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士が一定の幅サイズで交互に接触するように配列させると共に、前記配列させる種類の同じ流体セグメント同士の間で濃度を変えることを特徴とする。
これは、四角形な流体セグメントの幅サイズを一定にして配列し、この状態で種類の同じ流体セグメント同士の濃度を変えることにより、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率が変わるとの知見に基づいて成されたものである。
例えば上記した流体セグメントAと流体セグメントBの濃度の組み合わせとしては、同じ濃度の複数の流体セグメントAと、同じ濃度の複数の流体セグメントB(但し、流体セグメントAの濃度とは異なってもよい)とを交互に配列する同濃度配列、配列方向の中央位置に濃度の高い流体セグメントAB同士を配列する中央高濃度配列、配列方向の中央位置に濃度の低い流体セグメントAB同士を配列する中央低濃度配列、配列方向の一方端側位置に濃度の高い流体セグメントAB同士を配列すると共に他方端側に濃度の低い流体セグメントAB同士を配列する偏り濃度配列等がある。そして、このように異なるセグメント濃度の配列の組み合わせによって、上記した流体Aの反応率に対する一次生成物Rの収率を変えることができるので、複合反応の目的生成物の収率や選択率を制御することができる。
尚、請求項は異なるセグメント幅の配列の組み合わせで、請求項は異なるセグメント濃度の配列の組み合わせであるが、異なるセグメント幅の配列の組み合わせと異なるセグメント濃度の配列の組み合わせの両方を行うようにしてもよい。
本発明の請求項は前記目的を達成するために、複数種の流体をマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して反応を行わせるマイクロリアクターにおいて、前記マイクロ流路入口の径方向断面に格子状に分割された多数の微細な導入口を有し、該導入口に連通する多数の流体導入路が集積された流体導入部と、前記複数種の流体を前記多数の流体導入路に分配して前記導入口からマイクロ流路に導入することにより、前記マイクロ流路入口の径方向断面において前記流体が分割された複数の流体セグメントを形成する分配手段と、種類の同じ流体セグメントの原料濃度を変える濃度調整手段と、を備えたことを特徴とするマイクロリアクターを提供する。
本発明の請求項は、マイクロ流路入口の径方向断面において、流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ(流体セグメントの配列方向の厚み)の因子を任意に制御できるマイクロリアクターを構成したものであり、マイクロ流路入口の径方向断面が格子状の微細な導入口に分割された多数の流体導入路を形成する。そして、複数種の流体をそれぞれ多数の流体導入路に分配手段で分配することにより、該それぞれの流体について、マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントを形成する。即ち、本発明は、マイクロ流路入口の径方向断面に形成される格子状の導入口を幾つか集めた集合体の形状を四角形や平行四辺形や三角形等にすることで上記した四角形、平行四辺形、三角形等の流体セグメントの断面形状を形成することができる。同心円形状の場合には、マイクロ流路の径方向断面が円形状であることが好ましい。同様の考えで、上記した一列配列、2列配列、市松模様配列を形成することができ、アスペクト比、幅サイズ、及び流体セグメントの数も変えることができる。この場合、1つの導入口の大きさは小さいほど、所望の形状を精度良く形成することができるが、マイクロ流路の径が等価直径で2000μm以下の微細流路であることが好ましいことから、一つの導入口の径は等価直径で数μmから100μmの範囲が好ましい。
請求項は分配手段で多数の流体導入路に前記複数種の流体を分配することにより、流体セグメントのセグメント数を変えるようにしたものであり、請求項は断面形状を変えるようにしたものであり、請求項は配列を変えるようにしたものであり、請求項はアスペクト比を変えるようにしたものである。
請求項はマイクロ流路を合流した複数の流体が層流として流れるためのマイクロ流路の好ましい等価直径を示したものであり、流体の粘度等にもよるが等価直径は2000μm以下が好ましく、更に好ましくは1000μm以下である。尚、マイクロ流路を流れる流体のレイノルズ数で規定した場合にはRe200以下であることが好ましい。
従って、本発明のマイクロリアクターは、マイクロ流路入口の径方向断面における流体セグメントの数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度等の因子を任意に変えることができるので、複合反応のためのマイクロリアクターとして極めて有効である。しかし、本発明のマイクロリアクターは複合反応に限定するものではなく、各種の反応系に適用できる。
以上説明したように、本発明のマイクロリアクターの複合反応方法及びマイクロリアクターによれば、複合反応における目的生成物に対する収率や選択率を制御することができるので、特に反応中間体である一次生成物の収率を上げることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係るマイクロリアクターの複合混合方法及びマイクロリアクターの好ましい実施態様について説明する。
図1は本発明のマイクロリアクター10の全体構成図である。また、図2はマイクロ流路12へ流体を導入する流体導入部14を説明する概念図であり、図3〜図6はマイクロ流路12の径方向断面における流体セグメントの断面形状、配列、アスペクト比、幅サイドを変化させた場合の一例を示したものである。尚、本実施の形態では、2種類の流体A、流体Bをマイクロ流路12で反応させる例で説明するが、2種類以上の流体であってもよい。
マイクロリアクター10は、主として、マイクロリアクター本体16と、マイクロリアクター本体16に流体A,Bを供給する流体供給手段18とで構成される。流体供給手段18としては、流体A、Bを連続的に一定の圧力でマイクロリアクター本体16に微量供給できるものが好ましく、シリンジポンプ18A,18Bの例で以下に説明する。尚、マイクロリアクター本体16に流体A、Bを供給する手段は、シリンジポンプ18A,18Bに限定されるものではなく、流体A、Bを一定圧力で微量供給可能なものであればよい。
マイクロリアクター本体16は、主として、複数の流体A、Bを層流として流通させつつ分子拡散により混合して反応を行わせるマイクロ流路12と、マイクロ流路12に流体A、Bを導入する流体導入部14とで構成される。
マイクロ流路12は、径方向断面が一般的に四角形状に形成されたチャンネル状の微小空間である。このマイクロ流路12は、流体セグメントA,Bを層流として流通させる必要があることから、流体A、Bの粘度等にもよるが等価直径は2000μm以下が好ましく、更に好ましくは1000μm以下であり、最も好ましくは500μm以下である。マイクロ流路12を流れる流体のレイノルズ数で規定した場合にはRe200以下であることが好ましい。また、マイクロ流路12入口の径方向断面の形状が四角形状に限定されるものではなく円形状等であってもよい。
流体導入部14は、図2に示すように、マイクロ流路12入口の径方向断面に格子状に細かく分割された多数の微細な導入口20、20…が形成されると共にその導入口20に流体A、Bを導く多数の流体導入路22、22…と、流体A、Bをそれぞれ多数の流体導入路22に分配することにより、流体A、Bのそれぞれについて、マイクロ流路12入口の径方向断面において複数の流体セグメントA、Bを形成する分配手段24(図1参照)とで構成される。流体セグメントとは流体A及び流体Bをマイクロ流路12入口の径方向断面で分割して所望のセグメント数、配列、断面形状、幅サイズ、及び濃度等を備えた流体として再構成した流体区分をいう。
分配手段24はチューブ26、26を介してシリンジポンプ18A,18Bに接続されると共に、この分配手段24は流体導入部14を構成する多数の流体導入路22の一つ一つに細管29、29…を介して連通している。そして、分配手段24は多数の流体導入路22の一つごとに流体A、Bのどちらを導入するかを切り換えることができるように構成されている。これにより、流体A、Bを流体導入部14からマイクロ流路12に合流させる際に、マイクロ流路12入口の径方向断面において流体A、Bを複数の流体セグメントA,Bに分割して合流させ、これらの流体セグメントA,Bを層流として流通させつつ分子拡散により混合して複合反応を行わせる。複合反応により生成した反応生成物は排出口17から排出される。また、分配手段24により、流体A、Bをどの流体導入路22に分配するかは、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントA,Bのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度等をどのように設定するかによって決められる。即ち、マイクロ流路12に合流した多数の流体セグメントA、Bは、マイクロ流路12の特性から層流として流れるため、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度等の因子を任意に制御することが可能となる。
例えば、図3に示すように、流体導入部14は、横方向(X軸方向)に配列された導入口20の数が26個で、縦方向(Y軸方向)に配列された導入口20の数が18個で、合計468個の導入口20に分割された多数の流体導入路22で構成されているとする。このように構成された流体導入部14を有するマイクロリアクター10を使用すれば、流体A、Bを最大468個の流体セグメント(流体セグメントA、Bを各234個)に分割することができる。従って、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントA、Bの断面形状を三角形にしたい場合には、図3の濃色で示した導入口20から流体Aをマイクロ流路12に導入し、薄色で示した導入口20から流体Bをマイクロ流路12に導入すれば、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントA,Bの断面形状は三角形になる。図示しないが、同様に色々な断面形状の流体セグメントA,Bを形成することができ、断面形状としては、例えば正方形や長方形の四角形、平行四辺形、三角形、同心円形状、ジグザグ形状、凸形状等を形成することができる。同心円形状を形成する場合には、マイクロ流路12入口の径方向断面は四角形ではなく円形であることが好ましい。このように流体セグメントA,Bの断面形状を変える場合、1つの導入口20の大きさは小さいほど、所望の形状を精度良く形成することができるが、マイクロ流路12入口の径が等価直径で2000μm以下の微細流路であることが好ましいことから、一つの導入口20の径は等価直径で数μmから100μmの範囲が好ましい。
また、図4に示すように、マイクロ流路12入口の径方向断面において流体セグメントA、B同士の配列を市松模様配列にしたい場合には、図4に濃色で示した導入口20からマイクロ流路12に流体Aを導入し、薄色で示した導入口20からマイクロ流路12に流体Bを導入すれば、マイクロ流路12入口のおける径方向断面における流体セグメントA、B同士の配列は市松模様配列になる。図示しないが、同様に色々な配列を形成することができ、例えば流体セグメントAと流体セグメントBとを交互に横一列に配列させた一列配列、この一列配列を2段重ねると共に上下に隣接する流体セグメントA、B同士が違う種類になるようにした2列配列等を形成することができる。
また、図5に示すように、交互に配列した断面形状が四角形な流体セグメントAと流体セグメントBのアスペクト比を変えたい場合には、図5(A)及び(B)に濃色で示した導入口20からマイクロ流路12に流体Aを導入し、薄色で示した導入口20からマイクロ流路12に流体Bを導入すれば、図5(A)で示すアスペクト比の大きな流体セグメントA,Bから、図5(B)で示すアスペクト比の小さな流体セグメントA,Bに変えることができる。ここでアスペクト比とは、四角形な流体セグメントA,Bの幅サイズに対する深さサイズの比である。
また、図6に示すように、流体セグメントA,Bの幅サイズ(流体セグメントA,Bの配列方向の厚み)を変えて、例えば配列方向の両側位置に幅サイズの小さな流体セグメントA、Bを配列すると共に中央位置に幅サイズの大きな流体セグメントA、Bを配列する中央幅大配列にしたい場合には、図6に濃色で示した導入口20からマイクロ流路12に流体Aを導入し、薄色で示した導入口22からマイクロ流路12に流体Bを導入すれば、中央幅大配列になる。図示しないが、同様に色々な幅サイズにすることができ、流体セグメントAと流体セグメントBとの幅サイズを同じにして交互に配列した同幅配列、配列方向の両側位置に幅サイズの大きな流体セグメントA、Bを配列すると共に中央位置に幅サイズの小さな流体セグメントA,Bを配列する中央幅小配列、配列方向の一方端側位置に幅サイズの小さな流体セグメントA,Bを配列すると共に他端側に幅サイズの大きな流体セグメントA,Bを配列する偏り配列等を形成できる。
また、図7は、図1のマイクロリアクター10に流体A、Bのそれぞれについての濃度を変えることのできる濃度調整手段28、28を設けた場合であり、図7は流体Aについて2種類の濃度(A1,A2)を変えることができ、流体Bについても2種類の濃度(B1,B2)を変えることができるように構成した一例である。
図7に示すように、流体A、Bについて、濃度の異なる流体A、Bを供給するためのシリンジポンプ18A1,18A2 ,18B1,18B2 がそれぞれ2本ずつ設けられ、4本のシリンジポンプ18A1,18A2 ,18B1,18B2 がそれぞれのチューブ26を介して分配手段24に接続される。分配手段24では、前述した流体A、Bごとの流体導入路22への切り換えの他に、同じ流体Aの濃度(A1,A2)又は流体Bの濃度(B1,B2)によっても切り換えができるように構成される。
上記の如く構成されたマイクロリアクター10によれば、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントA,Bのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比を制御することができ、流体A、Bの拡散距離や比表面積を任意に設定することができるだけでなく、幅サイズや濃度の異なる流体セグメントA,Bの配列を制御することができ、マイクロ流路12の幅方向の濃度分布までも任意に設定することができる。
従って、本発明のマイクロリアクター10は、流体A、Bの複合反応を実施するのに好適である。これは、マイクロ流路12に合流する複数種の流体同士の拡散距離及び比表面積を変えたり、マイクロ流路12の幅方向の濃度分布を変えることにより、複合反応の目的生成物の収率や選択率を制御することができるからである。但し、本発明のマイクロリアクター10は、複合反応を実施することに限らず、流体同士の拡散距離及び比表面積を変えたり、マイクロ流路12の幅方向の濃度分布を変える必要のある他の反応系にも適用することができる。
また、本発明のマイクロリアクター10は、色々な反応系に最適な条件を見つけ出すための最適条件検討用のマイクロリアクターとしても活用することができる。そして、本発明のマイクロリアクター10で、流体セグメントA,Bのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度等の因子を変えて、その反応系に最適な条件を見つけたら、その最適条件に固定したマイクロリアクター本体16を別途作成してもよい。例えば、マイクロ流路12入口の径方向断面における流体セグメントの断面形状が、正方形や長方形の四角形、平行四辺形、三角形、同心円形状、ジグザグ形状、凸形状の何れか1つに固定したマイクロリアクター10を別途製作して使用してもよい。同様に、流体セグメントA,Bのセグメント数、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度等についても同様であり、最適な流体セグメントの数、配列、アスペクト比、幅サイズ、及び濃度に固定されたマイクロリアクター10を別途製作して使用してもよい。
かかるマイクロリアクター10は微細加工技術によって製作されるが、マイクロリアクターに適した微細加工技術としては次のようなものがある。
(1) X線リソグラフィと電気メッキを組み合わせたLIGA技術
(2) EPON SU8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法
(3) 機械的マイクロ切削加工(ドリル径がマイクロオーダのドリルを高速回転するマイクロドリル加工等)
(4) Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法
(5) Hot Emboss加工法
(6) 光造形法
(7) レーザー加工法
(8) イオンビーム法
マイクロリアクター10の製作のための材料としては、耐熱、耐圧及び耐溶剤性、加工容易性等の要求に応じて、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック、シリコン、及びテフロン等を好適に使用できる。
(実施例1)実施例1では、流体A,Bについて下記に示す複合反応を行った場合、流体セグメントのセグメント数、断面形状、配列、アスペクト比を変更した場合に、目的生成物の収率や選択率にどのように影響するかを、CFDシミュレーションを使用して確認した。尚、流体Aは反応原料Aを溶解した溶液であり、流体Bは反応原料Bを溶解した溶液とする。また、流体セグメントA,Bの断面形状とは、流体セグメントA,Bにおけるマイクロ流路入口の径方向断面の形状を言う。
この確認を行う上で共通とした条件を説明しておく。
まず、次のような反応式・反応速度式で表される複合反応がマイクロ流路内で等温で起こるものとし、Rを目的生成物、Sを副生成物とした。
A+B→R,r1 =k1 A B …(式1)
B+R→S,r2 =k2 B R …(式2)
ここで、ri はi段目の反応速度[kmol・m-3・S-1],ki はi段目の反応速度定数でとくにことわらない限り両方とも1m3 ・kmol-1・S-1、Cj は成分jのモル濃度[kmol・m-3],反応次数は、1段目・2段目の反応ともに各成分について1次,全体で2次である。マイクロ流路入口で流体Aと流体Bはモル比1:2で供給され,初期濃度はCA0=13.85kmol・m-3,CB0=27.70kmol・m-3とした。また、マイクロ流路内の流れは層流であり、各流体導入路から流体A、Bが同一の流速0.0005m/s(秒)で流入してくるものとし、マイクロ流路の流路長は1cm、流体A、Bのマイクロ流路内の平均滞留時間は20sとした。マイクロ流路の軸方向の拡散の影響を示す無次元数(vessl dispersion nummber) D/uL=2×10-4であり、軸方向拡散による混合の影響は非常に小さい。なお、反応による物性の変化は考慮しておらず、すべての成分の物性は同一とし、密度:998.2kg・m-3、粘度0.001Pa・s、分子拡散係数:10-92 ・s-1とした。運動量保存式・各成分の保存式は2次精度風上差分法、圧力と速度のカップリング方程式はSINPLE法を用いて解いている。
(1)流体セグメントA,Bのセグメント数による複合反応進行への影響
図8に示すように、マイクロ流路の流路壁の両端の流体セグメントA,Bは、マイクロ流路の片側からしか流体セグメントA,B中の反応原料が拡散してこないため壁側半分が反応せずに残ったままになる。この残った反応原料は、両端から拡散してきて混合・反応するため、他の部分の反応原料に比べて大幅に遅れて反応する。従って、マイクロ流路の両端の流体セグメントA,Bがマイクロ流路全体の反応の進行に及ぼす影響はセグメント数が少ないときほど大きい。このため、反応の進行は流体セグメントの数に依存する。今後、形状による影響を検討する際に、この影響が小さい状況のほうが形状による効果を検討しやすい。両端の流体セグメントA,Bによる影響を回避するには、流体セグメントA,Bを多数並べるか、周期境界を用いて流体セグメントA,Bを無数に並べたのと同じ状況にすればよいと考えられる。後者のほうが計算機負荷を考えると効率的である。但し、周期境界を用いた場合、マイクロ流路の壁がなくなり幅方向速度分布が平坦になるため、マイクロ流路内での複合反応の進行が異なる可能性がある。そこで、ここでは2次元シミュレーションによって二つのことを検討した。まず、流体セグメントA,Bを並べた数に複合反応の進行が依存しなくなる最小限のセグメント数を探索した。また、周期境界を用いて流体セグメントA,Bを無数に並べたときのマイクロ流路内での複合反応進行への影響を流体セグメントA,Bを多数並べたときと比較した。
図9(a)に示すように2次元シミュレーションで、マイクロ流路としての平行平板間に薄層の流体セグメントA,Bが交互に多数流れ込んできて並列な層流を形成するものとする。1つの流体セグメントの幅は100μm、流体セグメントA,Bの数は2(A・Bのセグメント1組)、4(A・Bのセグメント2組)、12(A・Bのセグメント6組)、20(A・Bのセグメント10組)、40(A・Bのセグメント20組)とした。また、流体セグメントA,Bを無限個並べた場合として、図9(b)のように周期境界を用いた場合についても計算を行った。流路幅はセグメント数に100μmを掛けたものである。計算領域は、1セグメント当たり2000の長方形メッシュで離散化してあり、総メッシュ数はセグメント数の2000倍である。例えばセグメント数40の場合の総メッシュ数は80,000であり,周期境界を用いた場合はセグメント2つ分の領域に相当するので総メッシュ数は4,000である。
図10は、マイクロ流路内におけるAの反応率xA に対するRの収率YR をセグメント数ごとにプロットしたものである。xA ・YR ともに長さ方向に垂直な断面の質量平均から求めている。また、図11は、マイクロ流路内における目的生成物Rのモル分率yR の分布を示したものである。各図の左側がマイクロ流路入口である。セグメント数20の場合と周期境界を用いた場合について代表して示した。マイクロ流路内におけるyR の最大値yR ,maxも合わせて図12に示した。これは全ての場合について示している。
図10から分かるように、並列する流体セグメントA,Bの並列数が増えるほどRの収率(YR )が高くなっていく。これは、セグメント数が大きくなればそれだけ流体セグメントA,B同士の拡散距離が小さくなると共に比表面積が大きくなるので、両端の流体セグメントA,Bの混合の遅れによる影響が並列数が増えるほど小さくなるためである。また、反応率(xA )が1.0に到達していないのは両端の流体セグメントA,Bが20sの滞留時間で両端から拡散して反応するところまで進行しないためである。セグメント数が4のときは両端による影響が顕著である。このとき、YR −xA 曲線がxA =0.8付近で折れ曲がっているが、これは中央の流体セグメントA,Bが先に反応してしまい、あとから両端の流体セグメントA,Bが遅れて反応するためである。更に、セグメント数が4のときにyR ,maxが最も高くなっている。並列数20をこえるとほとんどYR とxA の関係は変化せず、周期境界を用いたときとほぼ同様のYR −xA 曲線となっている。図12からyR ,maxの差もセグメント数20以上と周期境界ではほとんどない。流体セグメントA,Bを実際に並べた場合は幅方向に放物型の速度分布が形成され、周期境界を用いた場合は実際の計算でも速度分布は幅方向に平坦になり、両者の速度分布は異なる。さらに、図11に示したyR の分布をみると、マイクロ流路の壁付近が減速して中央部は加速するため、壁付近のセグメント幅は大きくなり、中央のセグメント幅は小さくなる。一方、周期境界を用いた場合は速度分布が変化しないため軸方向と平行な濃度分布が形成される。両者は速度分布・濃度分布ともに異なるが、この違いによるYR −xA 曲線への影響はほとんどないといえる。以上から、流体セグメントA,Bのセグメント数を20程度(A・Bのセグメントを10組)並列すれば両端の影響が小さくなり、速度分布の差による濃度分布の影響も小さいので、周期境界条件を用いて計算を行っても収率・選択率の幅方向の平均や目的生成物の最大モル分率については同様の結果が得られることになる。
このように、流体セグメントA,Bのセグメント数は、目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、流体セグメントA,Bのセグメント数を変えることにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。
(2)流体セグメントA,Bの配列方法による複合反応進行への影響
(2-1)配列方法による複合反応進行への影響
図13に示すように、流体セグメントA,Bのセグメント数を20(A・Bのセグメント10組)を1列に並べた場合を配列1(a)、横一列に周期的に配置した場合を配列2(b)、10個ずつ2列に並べた場合を配列3(c)、5個ずつ4列並べて市松模様状に配置した場合を配列4(d)、上下方向に周期的に配置した場合を配列5(e)の5通りについて、一辺が100μmの正方形セグメントを配列したときのマイクロ流路内における複合反応の進行を計算した。周期的に配置した場合については点線部が周期境界に対応している。また図13中には示していないが、図13(a)、(b)は深さ方向の中央を対称境界として計算領域を半分にしている。計算領域の離散化は直方体メッシュで行っており、総メッシュ数は、(a)は160,000、(b)は40,000、(c)と(d)は256,000、(e)は80,000である。図14は、それぞれのセグメント配列におけるYR とxA の関係を示したものである。図14から分かるように、セグメント配列の仕方によって流体セグメントA,B同士の比表面積が変化するため同じxA に対するYR は異なり、配列1→配列2→配列3→配列4→配列5の順にRの収率は高くなっていく。配列1と配列2の間にほとんど差がないことから、3次元になってもセグメント数20(A・B10組)以上では、流体セグメントA,Bセグメントを多数配列した場合と周期境界を用いて計算したときの結果がよく一致することが分かる。比界面積は、配列1が9500m-1、配列2が10000m-1、配列3が14000m-1、配列4が15500m-1、配列5が20000m-1と順に比界面積は増加していく。マイクロ流路の入口全体が正方形に近くなるようにセグメントを配列したほうが比表面積は大きくなる。
(2-2)上下周期配列と横一列周期配列間の対応関係
配列間にどのような対応があるかを定量的に検討するため、図13の配列2(横一列周期配列)と配列5(上下周期配列)の対応関係を求めた。ここでは、配列5と目的生成物Rの収率の最大値yR ,maxを同じにするには、配列2の正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さをどれだけにすればよいかを対応させていった。配列5の正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さW5 を25μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μmと変え、それぞれのyR ,maxと同一のyR ,maxになる配列2の正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さW2 を求めた。図15はその結果を示したものである。W5 が小さいときは、W5 を0.65倍すると同じyR ,maxのW2 となっている。しかし、W5 が大きくなるにつれて、W2 /W5 は小さくなっていく傾向がある。また、この結果から、配列による反応が重心距離や比表面積で対応しているのではなく、yR が対応する比表面積の差は拡散律速になるほど大きくなることも分かる。図16(a)は一辺の長さが25μmの正方形な流体セグメントA,Bを配列5で配列したときに、それと同じyR ,maxになる一辺の長さが16μmの正方形な流体セグメントA,Bを配列2で並べたときのYR −xA 曲線を示したものである。また、図16(b)は一辺の長さが500μmの正方形な流体セグメントA,Bを配列5で配列したときに、それと同じyR ,maxになる一辺の長さが185μmの正方形な流体セグメントA,Bを配列2で並べたときのYR −xA 曲線を示したものである。その結果、正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さが大きくなって拡散律速に近づくと、yR ,maxが一致してもYR −xA 曲線は一致しなくなってくる。これは、配列2では横方向にしか反応原料が拡散しない一方で、配列5では上下方向にも反応原料が拡散するので、拡散律速になると、両者の拡散方向の違いによる差が明確に現れてくるためであると考えられる。
上記結果から、流体セグメントA,Bの配列方法は、目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、流体セグメントA,Bの配列方法を変えることにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。また、配列を変えることで比表面積が大きくなるとRの収率(yR )は高くなるが、比表面積が同じでも配列する流体セグメントA,Bの一辺の長さが大きくなると、即ち拡散律速に近づくとRの収率が異なる。このことは、Rの収率(yR )を制御したい場合、単に比表面積を大きくすれば良いだけでなく、配列する流体セグメントA,Bの一辺の長さも考慮する必要があることを意味する。
(3)流体セグメントA,Bのアスペクト比の複合反応進行への影響
アスペクト比の変え方として、流体セグメントA,Bの幅サイズ(流体セグメントA,Bの配列方向の厚み)を一定にしてセグメントの深さサイズのみを変化させた場合、つまり拡散距離が一定のときの深さの影響を見た場合(3-1) と、流体セグメントA,Bの径方向断面の面積が一定になるようにアスペクト比を変えた場合(3-2) について検討した。更には、図13の配列5においてアスペクト比を変更した長方形な流体セグメントA,Bと目的生成物Rの収率の最大値が対応する正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さを求めることで、方向によって拡散距離が違う場合は、拡散距離が等方的な場合とどのように対応しているのかを検討した。
(3-1) 幅サイズを一定にして深さサイズを変えた場合
ここでは、形状が長方形の流体セグメントA,Bについて幅100μmで一定とし、図17は流体セグメントA,Bが2個(A・B1組)について、深さを50μm(アスペクト比0.5)とした場合(a)、深さを100μm(アスペクト比1)とした場合(b)、深さを200μm(アスペクト比2)とした場合(c)を示したものである。図示しないが、他に、流体セグメントA,Bが20個(A・B10組)の場合、深さが400μm(アスペクト比4)とした場合、深さが1000μm(アスペクト比10)とした場合についても行った。
CFDシミュレーションを行った計算領域は、深さ方向には対称性があるので図17中の点線部で示した平面を対称境界とすることで半分にできる。計算領域は、セグメント2個の場合20,000、セグメント20個の場合160,000、1列に周期的に並べた場合40,000の直方体メッシュで離散化した。
図18はそれぞれのセグメント数・セグメント深さに対してマイクロ流路内におけるYR とxA の関係をプロットしたものである。比較のために2次元平行平板間流路に薄層幅100μmの流体セグメントA,Bを供給したときのものも示している。また、図19はセグメント深さが100μmのときのマイクロ流路の出口断面での流速分布を示したものであり、出口断面での最大流速は図20に示した。流体セグメントA,Bのセグメント数2個(図18の(a))または20個(図18の(b))のときは、アスペクト比が小さくなるほど(即ちセグメントの深さが浅くなるほど)同じxA に対するYR は低くなる。これは、層流による幅方向の速度分布によって、層流下ではplug−flowよりも逐次並列反応中間体の収率・選択率が低くなるのと同様に、深さ方向にも勾配の大きい速度分布が発達するためと考えられる。セグメント数2のときはアスペクト比が4以上で、セグメント数20のときはアスペクト比が10以上で、2次元平行平板間流路の場合とほぼ同じ結果となる。また、セグメント数20のときはアスペクト比によるYR とxA の関係の差が、セグメント数2のときよりも小さい。これはセグメント数が多いときのほうが各セグメント内の幅方向の速度勾配が小さくなり、アスペクト比を変えても幅方向の速度勾配の変化が小さいままであるためと考えられる。一列に周期的並べた(図18の(c))ときは、アスペクト比が変化しても幅方向の速度分布は平坦なままであり、深さ方向の速度分布は平行平板間の速度分布に一致して一定なため、YR −xA 曲線がアスペクト比に依存しない。
(3-2) セグメントの面積を一定にして深さを変えた場合
(3-1) では、セグメント幅を一定にして深さサイズを変えたために各セグメントの面積が深さとともに変化していたが、今度は面積が一定になるようにセグメント深さ・幅を変更してみる。流体セグメントA,Bの幅サイズを幅200μm・深さを50μm(アスペクト比0.25)、幅サイズを100μm・深さを100μm(アスペクト比1)、幅サイズを50μm・深さを200μm(アスペクト比4)の3通りに変化させた。また、流体セグメントA,Bのセグメント数が2個(A・B1組)の場合(離散化メッシュ数20,000)、一列周期配列(離散化メッシュ数40,000)の場合、上下周期配列(離散化メッシュ数80,000)した場合について計算を行った。図21は、それぞれのセグメント配列でアスペクト比を変化させたときのYR に対するxA をプロットしたものである。いずれの配列方法でも流体セグメントA,Bの幅サイズが狭くなるほどYR が高くなった。A・B1組及び一列周期並列の場合は拡散距離が短くなるので当然の結果といえる。しかし、上下周期配列の場合(図21の(c))、幅方向の拡散距離は短くなるが、深さ方向の拡散距離は長くなるにもかかわらずYR は増加している。拡散距離の短いほうの影響が強く現れていることがこの結果から分かる。
(3-3) 長方形なセグメントと正方形なセグメントとの対応関係
上下周期配列(図13の配列5)の場合、セグメントの面積を一定にしてアスペクト比を変更し、形状が正方形から長方形になった場合、方向による拡散距離が変わり、さらに比表面積も変化する。アスペクト比の変化による複合反応進行への影響を定量的に整理するために、上下周期配列の長方形な流体セグメントA,Bと同じ反応の進行を示す同配列の正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さを求めた。図22にその結果を示す。図22には比表面積の対応とRの収率の最大値yR ,maxも示してある。図22から分かるように、アスペクト比が1に近い場合を除いて、長方形な流体セグメントA,Bの短い辺(W1 )の長さの1.4から1.5倍の長さの正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さW2 と対応している。ここでも、比表面積に対応していないことが分かる。また、図23に示すように、yR ,maxが対応してもYR −xA 曲線が完全に重なるとは限らない。このようなズレは拡散律速に近づくほど大きくなる。これは上述した結果と同じ傾向である。
上記結果から、形状が長方形(四角形の一つ)な流体セグメントA,Bのアスペクト比は、目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、流体セグメントA,Bのアスペクト比を変えることにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。
(4)流体セグメントA,Bの断面形状の複合反応進行への影響
ここでは、流体セグメントA,Bのマイクロ流路の径方向断面における断面形状が正方形や長方形以外の形状にした場合の複合反応進行への影響やマイクロ流路内の濃度分布への影響を調べた。また、各形状において同じ目的生成物の最大収率を示す正方形な流体セグメントA,Bの一辺の長さを求めた。更には、各形状で反応速度定数を変更したときの反応進行への影響を検討した。
(4-1) 流体セグメントA,Bの断面形状の違いによる複合反応進行への影響
図24〜図26に示すように、マイクロ流路の径方向断面における流体セグメントA,Bの形状を、正方形、平行四辺形、三角形、ジグザグ形状、凸形状、同心円になるように流体セグメントA,Bの断面形状を変えてシミュレーションを行い、複合反応進行への影響を調べた。
正方形・平行四辺形・三角形については横一列に周期的に並んでいる場合と、上下方向に周期的に並んでいる場合について計算を行った。ジグザグ形状、凸形状のセグメントについては横一列に周期的に並んでいる場合についてのみ計算を行った。図25中の太線部で示すように、ジグザグ形状では深さ方向の中央に対称境界を用いている。図26の同心円については,各セグメント面積は正方形と同じになるように10組の流体セグメントA,Bを並べた。図27に各同心円セグメントの半径を示す。CFDシミュレーションでは,図26に示すように、同心円の流体セグメントA,Bが形成されるマイクロ流路では、同心円の中央を回転対称軸とすることで、2次元シミュレーションによってマイクロ流路全体を計算できる。正方形以外の形状の流体セグメントA,Bについては,各流体セグメントA,Bの面積は幅W・高さHが100μmの正方形セグメントと同じになるようにした.計算領域の離散化方法は図28に示すとおりである。
図29は、流体セグメントA,Bの各断面形状におけるマイクロ流路内でのYR とxA の関係であり、図29(a)は正方形、平行四辺形、三角形の結果で、図29(b)はジグザグ形状、凸形状、同心円形状の結果である。流体セグメントA,Bの幅サイズが同一の場合、正方形→平行四辺形→三角形→同心円の順に同じxA に対するYR は高くなる。これは実質の拡散距離がこの順に短くなるためである。流体セグメントA,Bの形状が同心円の場合については、幅サイズを水力相当直径から求められる半径に相当しているとすると、内側から9つ目以降(r9 )のセグメント幅は10μm以下であり、非常に速く混合が進むためにRの収率(YR )が高くなっていると考えられる。ジグザグ形状・凸形状では、形状の繰り返し数が増えるほど流体セグメントA,Bの比表面積が増えるために、混合が速くなりRの収率YR が向上する。
(4-2) 流体セグメントA,Bの各形状間の対応関係
同じ面積の流体セグメントA,Bでも、形状が異なると反応の進行が異なることが(4-1) の結果から分かったが、ここでは、流体セグメントA,Bの各形状間にどのような対応関係があるかを調べてみた。図30は、変更した各断面形状の流体セグメントA,Bのサイズ幅、比表面積、Rの収率の最大値yR ,maxが一致する長方形の幅(W)とその比表面積及びyR ,maxを示したものである。流体セグメントA,Bの形状とその略称の対応は図24〜図26、及び図28と同様である。横一列周期配列した流体セグメントA,Bについては、セグメントの高さ(H)を100μmに固定した図24の正方形1の幅(W)を変化させてyR ,maxを一致させた。上下周期配列した流体セグメントA,Bについては、図24の正方形2のW=HのWを変化させてyR ,maxを一致させた。この結果から、比表面積が大きくなるほどyR ,maxが大きくなる傾向が見られるが、やはりここでもyR ,maxが一致しても比表面積が一致していないことが分かる。図31(a),(b)は、図25(k)における凸2のWが25μm・Hが100μmの場合、凸2のWが400μm・Hが100μmの場合である。また、図31(c),(d)は、図24(f)における三角形2のWが25μm・Hが25μmの場合、三角形2のWが400μm・Hが400μmの場合とそれぞれのyR ,maxが一致するサイズの長方形形状の流体セグメントA,Bをマイクロ流路に導入した場合のYR −xA の関係を調べたものである。その結果、Wが大きく拡散律速に近い場合は、yR ,maxが一致してもYR −xA が一致していないことが分かる。
(4-3) 各形状の拡散・反応速度の無次元数による整理
これまでは反応速度定数を一定にして、断面形状が異なる流体セグメントA,B間における反応の進行の対応や各形状の幅サイズによる反応進行への影響をセグメント面積・マイクロ流路体積あたりのセグメント間の比表面積に着目して検討してきた。ここでは各断面形状において、流体セグメントA,Bの幅サイズと反応速度定数の反応進行に対する影響を検討した。ここでは、反応速度定数を4倍とし、流体セグメントA,Bの大きさを相似な形状のまま2分の1にしたときに元のサイズ・反応速度定数の場合と反応進行が対応するかを調べた。具体的には、各断面形状でWが200μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合と、Wが400μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合、Wが25μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合、Wが50μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合の反応の進行が対応するかを調べた。W・Hは図24及び図25中に示した長さに対応しており、kは上記反応式の反応速度定数k1 =k2 =kである。
図32は、平行四辺形2とジグザグ1(図25参照)において、Wが200μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合と、Wが400μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合と、Wが25μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合と、Wが50μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合のそれぞれについて、YR とxA の関係の対応を示したものである。形状の大きさを相似に変化させる限りは、YR −xA 曲線は対応していることがわかる。但し、Wが大きい場合はkも小さく、反応・拡散ともに遅いため、Wが小さくkが大きい場合よりも最終反応率は低くなる。これは特にWが200μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合と、Wが400μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合との対応については顕著である。また、Wが25μm・Hが50μm・反応速度定数kが4の場合と、Wが50μm・Hが100μm・反応速度定数kがlの場合とではわずかにYR −xA 曲線に差があるが、これは非常に反応が速く進むため速度助走区間内で反応が進み、反応が進行する空間の速度分布の差による影響であると考えられる。他の形状についても同じような傾向がみられた。以上の結果から、同じ形状であれば、Lを形状の代表長さとして、上記反応式における反応の進行は、
Figure 0004547606
で整理できることが分かる。断面形状ごとの代表長さ(断面形状ごとに決まる長さの次元をもつ量)を表現する方法がわかれば断面形状によらず無次元数だけで反応の進行を整理できると考えられる。但し、断面形状によって濃度分布が大きく異なるため、このような無次元数ですべての形状の反応進行を整理するのは困難であると推測できる。
上記結果から、流体セグメントA,Bのマイクロ流路の径方向断面における形状は、目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、流体セグメントA,Bの形状を変えることにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。また、形状を変えることで比表面積が大きくなるとRの収率(yR )は高くなるが、比表面積が同じでも形状が異なるとRの収率が異なる。このことは、Rの収率(yR )を制御したい場合、単に比表面積を大きくすれば良いだけでなく、形状も適切に制御する必要があることを意味する。
(実施例2)
(5)実施例2では、流体A、Bについて下記に示す複合反応を行った場合、異なる幅サイズの流体セグメントA,Bの配列方法を変えた場合、及び異なる原料濃度の流体セグメントA,Bの配列方法を変えた場合に、目的生成物の収率や選択率にどのように影響するかを、CFDシミュレーションを使用して確認した結果を説明する。
シミュレーションの共通の設定として、マイクロ流路内では次式3及び4に示した反応式で反応がが進むものとし、k1 =k2 =1m3 /(kmol・s)とする。
A+B→R,r1 =k1 A B …(式3)
B+R→S,r2 =k2 B R …(式4)
マイクロ流路の流路長さは1cm、入口流速は0.0005m/s(秒)でマイクロ流路内の平均滞留時間は20sとしている。反応流体の物性は、密度:998.2kg・m-3,分子拡散係数D:10-92 ・S-1、分子量:1.802×10-2kg/mol、粘度:0.001Pasである。
(5-1) 流体セグメントA,Bの幅サイズに差がある場合
先ず、流体セグメントA,Bによって同じ種類のセグメントであっても幅サイズが異なる場合について考えてみる。図34に示すように、マイクロ流路としての平行平板間に均等な幅サイズの流体セグメントA,Bを配置する配置1の場合(a)、中央に大きな幅サイズの流体セグメントA,Bを配置する配置2の場合(b)、中央に小さな幅サイズの流体セグメントA,Bを配置する配置3の場合(c)、上部に幅サイズの小さな流体セグメントA,Bを配置すると共に下部に幅サイズの大きな流体セグメントA,Bを配置する配置4の場合(d)について計算してYR −xA の関係を調べた。流体セグメントBの原料導入濃度CB0=27.7kmol/m3 で、CB0/CA0=2としている。離散化は長方形メッシュで行い、総メッシュ数は図33に示すとおりである。配列1のセグメント幅は4つとも50μm、配列2から配列4については、小さいセグメントの幅サイズをW1 、大きいセグメントの幅サイズをW2 として、W1 =25μm、W2 =75μmまたはW1 =10μmの薄層幅のセグメントを組み合わせた、平均のセグメント幅はすべての場合で50μmである。
離散化は長方形メッシュで行い、層メッシュ数は、配置1は8,000、配置2と配置3は12,000,配置4は10,000である。配置1のサイズ幅は50μmである。配列2〜配列4における大きな幅サイズW2 は75μm又は90μm、小さな幅サイズW1 は25μm又は10μmである。この4種類の配置に対するマイクロ流路内のxA に対するYR の関係を図35に示す。比較のために、流体セグメントA,Bを完全混合してからマイクロ流路に導入した場合(Mixdとよぶ)と、幅25μmのセグメントを8個(A・B4組)並べた場合(25μm×8とよぶ)についても図35中に示した。
先ず、W1 =25μm,W2 =75μmの場合(図35の(a))、配置1と配置2では似たようなYR −xA 曲線になっているが、配置2のほうが両端の流体セグメントA,Bのサイズが小さいため、配置1のxA =0.8でみられる曲線の折れ曲がりがない。配置3でRの収率(YR )が最も低くなるのは、中央の流体セグメントA,Bで生成したRは流体セグメントBと反応してしまい、さらに,流体セグメントA,Bは上下に分断されているためにRの生成が進みにくいためである。また、配置4のRの収率(YR )が最も高くなるのは流路の上二つの流体セグメントA,Bの間で迅速に混合が進みRが生成しやすく、これらの流体セグメントA,Bの直近には流体セグメントAが主に存在するために、上述した(式4)の反応によるRの消費が起こりにくいためである。
次に、W1 =10μm,W2 =90μmの場合(図35の(b))、配列4→配列2→配列3の順にRの収率(YR )が低下していくのは、W1 =25μm,W2 =75μmの場合と同様である。但し、大きい幅サイズの流体セグメントA,Bが幅方向に与える影響が強くなり、実質の拡散距離が大きくなってしまうため、配列2〜配列4のいずれも配列1よりもRの収率(YR )が低くなった。
このように、流体セグメントA,Bにおいて、同じ種類の流体セグメントの幅サイズの異なるものを形成し、これらをどのように配置するかは目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、幅サイズの異なる流体セグメントA,Bの配列方法を適切に設定することにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。
また、図35(a)に示されるように、幅方向の質量平均で比べるとMixedがもっともYR は高くなる。しかし、図36のMixed、25μm×8、配列2、配列4に対するマイクロ流路内におけるRのモル分率yR の分布と図37における流体セグメントA,Bの各幅サイズのセグメント配置に対するマイクロ流路内でのyR の最大値yR ,maxをみると、局所的には25μm×8、配置1から配置4のほうがMixedよりもRのモル分率が高くなる。これは、流体セグメントA,B同士の界面で生成したRのうち流体セグメントB側に拡散したものはすぐに2段目(上記式4)の反応で消費されてしまうのに対して、流体セグメントA側に拡散したRはそのまま保たれるため、局所的にRの濃度が高くなるためと考えられる。このようにして生じる幅方向の濃度分布に対応してマイクロ流路の出口形状や出口位置を決めれば、より高濃度な状態で目的生成物を回収することが可能となる。例えば、配置4では出口をyR が最大になる位置にして、出口を2つに分岐して上部からRを取り出せばよい。
(5-2) 流体セグメントA,Bの原料濃度に差がある場合
次に、流体セグメントA,Bによって同じ種類のセグメントであっても原料濃度が異なる場合について考えてみる。図38に示すように、マイクロ流路としての平行平板間に均等な幅50mmの流体セグメントA,Bを2つずつ4つ配置し、各流体セグメントA,Bの2つのセグメントの原料濃度が同じ場合(a)、中央に濃度が高い流体セグメントA,Bを配置すると共に両端に濃度の低い流体セグメントA,Bを配置する場合(b)、中央に濃度が低い流体セグメントA,Bを配置すると共に両端に濃度の高い流体セグメントA,Bを配置する場合(c)、上部に濃度の低い流体セグメントA,Bを配置すると共に下部に濃度の高い流体セグメントA,Bを配置する場合(d)について計算してYR −xA の関係を調べた。
離散化は長方形メッシュで行い、どの配置においても層メッシュ数は8,000である。配置1の原料濃度は、流体セグメントAはCA0=6.92kmol/m3 、流体セグメントBはCB0=13.85kmol/m3 である。配列2から配列4については、原料濃度の低い流体セグメントA,Bの原料濃度をCj0,1、原料濃度の高い流体セグメントA,Bの原料濃度をCj0,1(j=A,B)としてCj0,1=0.5Cj0,Cj0,2=1.5Cj0,またはCj0,1=0.2Cj0,Cj0,2=1.8Cj0の原料濃度のセグメントを組み合わせた。平均の原料濃度はすべての場合でCA0・CB0に一致する。
この4種類の配置に対するマイクロ流路内のxA に対するYR の関係を図39に示す。
先ず、流体セグメントA,BがCj0,1=0.5Cj0,Cj0,2=1.5Cj0の原料濃度の組み合わせについて考えていく。図39(a)から配置2が最もYR が高くなっている。この原因は2つあると考えられる。一つ目は、マイクロ流路中央の流体セグメントA,Bが両側から反応する相手の成分の拡散により速く混合・反応が進む−方で,上下にある流体セグメントA,Bは片側からしか反応する相手が拡散してこないので混合・反応が遅れる。しかし、上下の流体セグメントA,Bの原料濃度が低く、上下の流体セグメントA,Bから供給される原料の割合が少ないので上下にある流体セグメントA,Bの混合の遅れによる影響が小さいためである。2つ目は、濃度が高い流体セグメントAと、濃度が低い流体セグメントBが接触するので、この接触面付近では上記反応式の1段目(上記式3)が有利に進むためである。これは配置4にも当てはまるので、この配置4もYR が高くなっている。配置3でYR が最も低くなるのは、中央の流体セグメントA,Bで生成したRはBと反応してしまい、さらに、原料濃度の高い流体セグメントA,Bは上下に分断されているためにRの生成が進みにくいためである。また、配置4のRの収率が最も高くなるのはマイクロ流路の上二つの原料濃度の高い流体セグメントA,B間で迅速に混合が進みRが生成しやすく、これらのセグメントの直近にはAが主に存在するために上記反応式の2段目の反応(上記式4)によるRの消費が起こりにくいためである。Cj0,1=0.2Cj0、Cj0,2=1.8Cj0の原料濃度の流体セグメントA,Bの組み合わせになると、配置2から配置4の相対的なYR の大きさは変わらないが、すべての配置(配置1〜4)についてYR が少し下がっている。これは濃度の高い流体セグメントA,Bから原料のほとんどが供給されるようになるため濃度の高い流体セグメントA,B間による反応が反応器全体の反応に支配的となり、濃度の上昇によって濃度が高いセグメント間の反応速度が上がり拡散律速に近づくためであると考えられる。
次にマイクロ流路内の濃度分布について着目して見てみる。図40は、配列1から配列4に対するマイクロ流路内におけるRのモル分率yR の分布を示したものである。また、図41は、各流体セグメントA,Bの配列に対するマイクロ流路内でのYR の最大値yR,max である。局所的には、均等な濃度で原料を供給するよりもyR が高くなる。ここでも、流体セグメントA,Bの界面で生成したRのうち流体セグメントB側に拡散したものはすぐに2段目(式4)の反応で消費されてしまうのに対して、流体セグメントA側に拡散したRはそのまま保たれるため、局所的にRの濃度が高くなる。とくに配置2と配置4では濃度が高い流体セグメントAと濃度が低い流体セグメントBの接触面付近はyR が高くなっている。
このように、流体セグメントA,Bにおいて、同じ種類の流体セグメントの濃度の異なるものを形成し、それらをどのように配列するかは目的生成物Rの収率(yR )に影響する。換言すると、濃度の異なる流体セグメントA,Bの配置を適切に選ぶことにより、Rの収率を高くすることも低くすることもできる。このことは、本実施例のように目的生成物をRとした場合にRの収率を高くすることができ、仮に二次生成物Sを目的生成物とする場合にはSの収率を高くすることもできる。
本発明のマイクロリアクターの概念的に示した全体構成図 マイクロリアクター本体の流体導入部の構造を説明する概念図 流体セグメントの断面形状を三角形にした場合の説明図 流体セグメントの配列方法を市松模様にした場合の説明図 流体セグメントのアスペクト比を変えた場合の説明図 流体セグメントの幅サイズを変えた場合の説明図 濃度調整手段を備えたマイクロリアクターの全体構成図 マイクロ流路の両端における流体セグメントの反応を説明する説明図 流体セグメントの数を変えてマイクロ流路に導入する場合の説明図 流体セグメントのセグメント数とYR −xA との関係図 流体セグメントのセグメント数による目的生成物のモル分率の分布の違いを説明する説明図 流体セグメントのセグメント数による最大収率の変化を説明する表図 流体セグメントの色々な配列方法を説明する説明図 流体セグメントの配列方法とYR −xA との関係図 横一列周期配列と上下周期配列との対応関係を説明する表図 横一列周期配列と上下周期配列とが一致するときのYR −xA の関係図 アスペクト比の異なる流体セグメントの説明図 流体セグメントのアスペクト比とYR −xA との関係図 マイクロ流路出口断面での流速分布の説明図 流体セグメントのアスペクト比による最大流速の変化を説明する表図 流体セグメントのアスペクト比とYR −xA の関係図 長方形の流体セグメントとが対応する正方形の流体セグメントの比表面積の対応関係を説明する説明図 長方形の流体セグメントと正方形の流体セグメントの最大収率が一致するときのYR −xA の関係図 正方形、平行四辺形、三角形の断面形状の流体セグメントを説明する説明図 ジグザグ形状、凸形状の断面形状の流体セグメントを説明する説明図 同心円の断面形状の流体セグメントを説明する説明図 同心円の断面形状の流体セグメントの半径を説明する表図 各断面形状のシミュレーションでの離散化方法を説明する表図 流体セグメントの断面形状とYR −xA の関係図 最大収率が一致する各断面形状の流体セグメントと長方形の流体セグメントとにおけるサイズの対応関係を説明する表図 各断面形状間のYR −xA の対応図 流体セグメントのサイズと反応速度定数の反応進行への影響を説明する説明図 流体セグメントのサイズ分布によるマイクロ流路内の最大収率の変化を説明する表図 幅サイズの異なる流体セグメントの色々な配列方法を説明する説明図 幅サイズの異なる流体セグメントの配列の違いとYR −xA の関係図 幅サイズの異なる流体セグメントの配列の違いによるマイクロ流路内の収率の分布の違いを説明する説明図 幅サイズの異なる流体セグメントの配列の違いによる最大収率の変化を説明する表図 原料濃度の異なる流体セグメントの色々な配列方法を説明する説明図 原料濃度の異なる流体セグメントの配列の違いによるYR −xA の関係図 原料濃度の異なる流体セグメントの配列の違いによる最大収率の変化を説明する説明図 濃度の異なる流体セグメントの配列の違いによる最大収率の変化を説明する表図
符号の説明
10…マイクロリアクター、12…マイクロ流路、14…流体導入部、16…マイクロリアクター本体、17…反応生成物の排出口、18…流体供給手段、20…導入口、22…流体導入路、24…分配手段、26…チューブ、28…濃度調整手段、29…細管

Claims (9)

  1. 複数種の流体をマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して複合反応を行わせる際に、前記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士を接触させるマイクロリアクターの複合反応方法において、
    前記複数種の流体を供給する手段に連通されると共に、流体導入部を構成する多数の流体導入流路の一つ一つに細管を介して連通し、前記多数の流体導入流路に導入される流体を切り換えることにより、前記複数種の流体を前記多数の流体導入流路を分配して導入口から前記マイクロ流路に導入することにより、前記マイクロ流路入口の径方向断面において前記流体が分割された複数の流体セグメントを形成する分配手段によって、
    流体セグメントの数、流体セグメントの形状、流体セグメントの配列、流体セグメントのアスペクト比の少なくとも1つを変えることにより、前記マイクロ流路に合流する複数種の流体同士の拡散距離及び/又は比表面積を変えることを特徴とするマイクロリアクターの複合反応方法。
  2. 記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において断面形状が四角形な複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士が交互に接触するように配列させると共に、前記配列させる流体セグメントの配列方向の幅サイズを変えることを特徴とする請求項1のマイクロリアクターの複合反応方法。
  3. 複数種の流体をそれぞれの流体導入路を通して1本のマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して複合反応を行わせるマイクロリアクターの複合反応方法において、
    前記複数種の流体のそれぞれについて、前記マイクロ流路入口の径方向断面において断面形状が四角形な複数の流体セグメントに分割して種類の異なる流体セグメント同士が一定の幅サイズで交互に接触するように配列させると共に、前記配列させる種類の同じ流体セグメント同士の間で濃度を変えることを特徴とするマイクロリアクターの複合反応方法。
  4. 複数種の流体をマイクロ流路に合流させ、これらの流体を層流として流通させつつ分子拡散により混合して反応を行わせるマイクロリアクターにおいて、
    前記マイクロ流路入口の径方向断面に格子状に分割された多数の微細な導入口を有し、該導入口に連通する多数の流体導入路が集積された流体導入部と、
    前記複数種の流体を前記多数の流体導入路に分配して前記導入口からマイクロ流路に導入することにより、前記マイクロ流路入口の径方向断面において前記流体が分割された複数の流体セグメントを形成する分配手段と、
    種類の同じ流体セグメントの原料濃度を変える濃度調整手段と、を備えたことを特徴とするマイクロリアクター。
  5. 前記分配手段で前記多数の流体導入路に前記複数種の流体を分配することにより、前記流体セグメントの数を変えることを特徴とする請求項のマイクロリアクター。
  6. 前記分配手段で前記多数の流体導入路に前記複数種の流体を分配することにより、前記流体セグメントの前記径方向断面における断面形状を変えることを特徴とする請求項のマイクロリアクター。
  7. 前記分配手段で前記多数の流体導入路に前記複数種の流体を分配することにより、前記径方向断面において種類の異なる流体セグメント同士の配列を変えることを特徴とする請求項のマイクロリアクター。
  8. 前記分配手段で前記多数の流体導入路に前記複数種の流体を分配することにより、前記径方向断面における形状を四角形にすると共に、該四角形のアスペクト比を変えることを特徴とする請求項のマイクロリアクター。
  9. 前記マイクロ流路の等価直径は2000μm以下であることを特徴とする請求項4〜8の何れか1のマイクロリアクター。
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