JP4547105B2 - 酢酸ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酢酸ビニル系重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、分子量分布の狭い(シャープな)酢酸ビニル系重合体、特にビニルアルコール系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のビニルアルコール系重合体は、ポリ酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系重合体をケン化することによって製造されている。
そして、かかる酢酸ビニル系重合体、特にビニルアルコール系重合体においては、その分子量分布が特性の重要な要因にもなっている。
【0003】
即ち、得られるビニルアルコール系重合体の熱安定性の向上、機械的物性の向上等の特性を要求される時などはかかる分子量分布が狭い(シャープ)方が良い。又、該重合体の製造時に低分子量の重合体が製造廃液に混入して活性汚泥処理等の廃液処理に悪影響を及ぼす恐れもあり、酢酸ビニル系重合体の製造時において、かかる分子量分布をコントロールすることが試みられている。
【0004】
一般的には、重合工程の後工程で、重合禁止剤を添加して後重合を抑制する方法が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法において、重合禁止剤を添加するだけでは後重合を充分に抑制することができず、分子量分布のよりシャープな重合体を得ることは容易ではなかった。又、重合禁止剤の種類や添加条件等により、得られる重合体に着色が生じることがあり、十分な配慮が必要であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は上記の現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニル系重合体を製造するに当たり、反応缶中で酢酸ビニル系モノマーを重合した後重合禁止剤を添加して該重合を停止させる際に、反応缶の下部から反応液中にアルコールを導入することにより、後重合の禁止効果が大きく、分子量分布がよりシャープな酢酸ビニル系重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の酢酸ビニル系重合体の製造方法は、上記の如く反応缶中で酢酸ビニル系モノマーを重合した後重合禁止剤を添加して該重合を停止させる際に、反応缶の下部から反応液中にアルコールを導入することを特徴とするものである。酢酸ビニル系モノマーを重合するに当たっては、特に限定されずに公知の方法により重合することができる。例えば、酢酸ビニル系モノマー単独或いは他の共重合性モノマー、重合触媒及び溶媒を反応缶(重合缶)等の反応系に仕込んで重合を行えばよい。
【0008】
かかる他の共重合性モノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等を挙げることができる。
【0009】
又、重合触媒としては、ラジカル重合開始剤であれば特に制限なく用いられるが、好ましくは2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーピバレ−ト等のアルキルパーエステル類、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ−ジ−カーボネート、ジ−シクロヘキシルパーオキシ−ジ−カーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパーオキシ−ジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシ−ジ−カーボネート等のパーオキシ−ジ−カーボネート類、アセチルパーオキシド、ジ−ラウロイルパーオキシド、ジ−デカノイルパーオキシド、ジ−オクタノイルパーオキシド、ジ−プロピルパーオキシド等のパーオキシド類等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0010】
かかる重合触媒の使用量は、酢酸ビニル系モノマー100重量部に対して、0.0001〜1.0重量部、更には0.001〜1.0重量部、特には0.01〜0.1重量部であることが好ましく、0.0001重量部未満では、触媒効率が悪く重合時間が長くなったり、重合が進まない場合があり、逆に1.0重量部を越えると、重合の制御が困難となったり、重合終了後も触媒が残存して後重合を起こすことがあり好ましくない。
【0011】
更に、かかる溶媒(重合溶媒)としては、炭素数4以下のアルコール又は炭素数4以下のアルコールを主とする混合溶媒が好適に用いられ、該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられるが、中でもメタノールが好適に用いられる。
該溶媒の使用量としては、特に限定されないが、酢酸ビニル系モノマー100重量部に対して、1〜100重量部、更には1〜80重量部、特には1〜50重量部であることが好ましく、かかる溶媒の量が1重量部未満では、重合液粘度が高く除熱が難しくなって重合の制御が困難となり、逆に100重量部を越えると、得られる酢酸ビニル系重合体の重合度が低く、物性的に脆くなって好ましくない。
【0012】
重合を開始するにあたっては、酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、重合触媒及び重合溶媒を反応缶(重合缶)に仕込むのであるが、かかる酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、重合触媒及び溶媒の仕込み方法としては任意の手段が採用され、代表的には、▲1▼酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、重合触媒、溶媒の全てを事前に混合した後、一括して仕込む方法、▲2▼(少量の)溶媒に溶解した重合触媒、酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、溶媒を別々に仕込む方法、▲3▼酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、重合触媒と溶媒の混合液を別々に仕込む方法、▲4▼酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマーと溶媒の混合液、重合触媒と溶媒の混合液を別々に仕込む方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
尚、かかる他の共重合性モノマーがエチレンのようなガス状物の時には、モノマーにバブリング又は密閉下に圧力調整して仕込むことが好ましい。
【0013】
かくして、反応缶内に酢酸ビニル系モノマー又は酢酸ビニル系モノマーと他の共重合性モノマー、重合触媒及び溶媒が仕込まれて重合が始まるわけである。
重合温度は特に限定されないが、通常は40〜80℃、更には55〜80℃が好ましく、かかる温度が40℃未満では重合に長時間を要し、生産性の面で問題があり、重合触媒が多く残存して後重合を起こしやすく、逆に80℃を越えると重合制御が困難となり好ましくない。又、重合終了まで一定温度で重合する必要はなく、触媒の追加仕込とともに変更してもかまわない。
【0014】
又、重合時間は、回分式の場合、4〜20時間、更には6〜12時間が好ましく、該重合時間が4時間未満では高生産性(高重合率)を得ようとすると重合制御が難しくなり、逆に20時間を越えると生産性の面で問題があり好ましくない。連続式の場合、重合缶内での平均滞留時間は2〜10時間、更には2〜8時間が好ましく、該滞留時間が2時間未満では高生産性(高重合率)を得ようとすると重合制御が難しくなり、10時間を越えると生産性の面で問題があり好ましくない。
【0015】
重合率は、特に制限されないが、生産性の面から重合制御が可能な範囲でできるだけ高く設定され、好ましくは20〜95%である。該重合率が20%未満では、生産性も面や未重合の酢酸ビニル系モノマーが多量に存在する等の問題があり、逆に95%越えると分子量分布が広くなる傾向にあり好ましくない。
【0016】
かくして重合が終了し、酢酸ビニル系重合体溶液が生成するのであるが、本発明においては、酢酸ビニル系モノマーを重合した後重合禁止剤を添加して該重合を停止させる際に、反応缶の下部から反応液中にアルコールを導入することを特徴とするもので、かかる方法について説明する。
【0017】
本発明で用いる重合禁止剤としては、特に限定されず、例えば、ハイドロキノン、アニリン、アントラセン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ベンゾフェノン、N,N−ジメチルホルムアミド、桂皮アルコール、桂皮酸、ソルビン酸等が挙げられ、反応液(モノマーを含有する酢酸ビニル系重合体液)に対して、1〜200ppm、更には5〜100ppm、特には5〜50ppm添加させることが好ましく、かかる量が1ppm未満では重合の禁止作用が十分ではなく、逆に200ppmを越えると着色の原因となったり、衛生上の問題が発生して好ましくない。
【0018】
本発明で用いるアルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられるが、中でもメタノールが最も好ましい。
かかるアルコールの導入量については、特に限定されないが、仕込みモノマー100重量部に対して、10〜300重量部であることが好ましく、特に好ましくは20〜200重量部である。導入量が10重量部未満では重合停止効果が不充分となり、300重量部を越えると次工程の脱モノマーやケン化工程で生産性が低下することとなり好ましくない。
【0019】
本発明では、重合を停止させる際に、かかるアルコールを導入するわけであるが、導入に当たっては、反応液中に直接アルコールを導入すればよく、具体的には反応液中に導入口を備えるなどすればよい。反応液中の導入口は反応缶の下部に備えれば良い。
【0020】
重合停止後は、蒸留を行うことにより、上記で得られた酢酸ビニルモノマー等のモノマーを含有する酢酸ビニル系重合体溶液からかかるモノマーが除去される。
かくして本発明の製造方法で、分子量分布がよりシャープな酢酸ビニル系重合体が得られるのである。
【0021】
本発明の製造方法で得られる酢酸ビニル系重合体としては、具体的にポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができ、これらは、接着剤、粘着剤、塗料、繊維・織物の加工剤、紙・皮革の加工剤、各種材料のバインダー、セメント・モルタルの混和液等に利用され、特にポリビニルアルコールやエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の原料としても有用であり、かかるポリビニルアルコールの製造法について以下説明する。
【0022】
ポリ酢酸ビニルからポリビニルアルコールを得るに当たっては、ポリ酢酸ビニルをケン化すれば良く、ケン化に当たっては、ポリ酢酸ビニルをアルコールに溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
【0023】
アルコール中の重合体の濃度は20〜50重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量は酢酸ビニルに対して、所望のケン化度とするために1〜100ミリモル当量にすることが必要である。
【0024】
かかる場合、ケン化温度は特に制限はないが、通常は10〜70℃、更には25〜50℃の範囲から選ぶのが好ましい。反応は通常0.5〜3時間にわたって行なわれ、好ましいケン化度は10〜100モル%で、特に好ましくは50〜100モル%、殊に好ましくは70〜100モル%の範囲から選択される。
【0025】
かくして、分子量分布のシャープなポリビニルアルコールが得られ、かかるポリビニルアルコールは、熱処理等による着色も少なく、分散剤、接着剤、糊剤、乳化剤、懸濁剤、フィルム、繊維、紙加工剤、各種コーティング用途等に用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
【0027】
実施例1
コンデンサー及び撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニルモノマー7000kg及びメタノール3000kgを仕込んだ後、撹拌しながら加熱して1時間還流させた後、重合触媒としてアセチルパーオキシド1.5%メタノール溶液180kgを添加し、還流下で6時間重合を行った。その後、冷却し還流がおさまったところで、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1%メタノール溶液100kgを反応缶の上部より添加すると同時に、メタノール3800kgを反応缶の下部より導入し、撹拌し、均一な溶液(酢酸ビニルの重合率90%、固形分濃度44.8%)を得た。
【0028】
得られた溶液を蒸留し未反応モノマーを取り除き、固形分濃度45%に調整した。かかる酢酸ビニル系重合体溶液中のポリ酢酸ビニルの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分子量)をGPCで測定したところ、Mw/Mn=2.3であった。
【0029】
更に、該酢酸ビニル系重合体溶液(固形分45%)2000kgに水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液83kgを加えて40℃でケン化し、105℃で乾燥して、ケン化度99.1モル%、重合度1100、4%水溶液とした場合の粘度13.5mPa・s(20℃)のポリビニルアルコールを得た。
又、得られたポリビニルアルコールの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)を、再酢化して、GPCで測定したところ、Mw/Mn=2.1であった。
【0030】
実施例2
コンデンサー及び撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニルモノマー8000kg及びメタノール2000kgを仕込んだ後、撹拌しながら加熱して1時間還流させた後、重合触媒としてアセチルパーオキシド1.5%メタノール溶液87kgを添加し、還流下で6時間重合を行った。その後、冷却し還流がおさまったところで、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1%メタノール溶液80kgを反応缶の上部より添加すると同時に、メタノール5200kgを反応缶の下部より導入し、撹拌し、均一な溶液(酢酸ビニルの重合率80%、固形分濃度41.7%)を得た。
【0031】
得られた溶液を蒸留し未反応モノマーを取り除き、固形分濃度45%に調整した。かかる酢酸ビニル系重合体溶液中のポリ酢酸ビニルの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分子量)をGPCで測定したところ、Mw/Mn=2.3であった。
【0032】
更に、該酢酸ビニル系重合体溶液(固形分45%)2000kgに水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液56kgを加えて35℃でケン化し、105℃で乾燥して、ケン化度87モル%、重合度1400、4%水溶液とした場合の粘度22mPa・s(20℃)のポリビニルアルコールを得た。
又、得られたポリビニルアルコールの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)を、再酢化して、GPCで測定したところ、Mw/Mn=2.1であった。
【0033】
実施例3
コンデンサー及び撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニルモノマー6000kg及びメタノール750kgを仕込んだ後、撹拌しながら加熱して1時間還流させた後、重合触媒としてアセチルパーオキシド1.5%メタノール溶液16kgを添加し、還流下で6時間重合を行った。その後、冷却し還流がおさまったところで、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1%メタノール溶液80kgを反応缶の上部より添加すると同時に、メタノール4970kgを反応缶の下部より導入し、撹拌し、均一な溶液(酢酸ビニルの重合率65%、固形分濃度33%)を得た。
【0034】
得られた溶液を蒸留し未反応モノマーを取り除き、固形分濃度32%に調整した。かかる酢酸ビニル系重合体溶液中のポリ酢酸ビニルの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)をGPCで測定したところ、Mw/Mn=2.2であった。
【0035】
更に、該酢酸ビニル系重合体溶液(固形分45%)2000kgに水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液28kgを加えて40℃でケン化し、105℃で乾燥して、ケン化度87モル%、重合度2200、4%水溶液とした場合の粘度52mPa・s(20℃)のポリビニルアルコールを得た。
又、得られたポリビニルアルコールの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分子量)を、再酢化して、GPCで測定したところ、Mw/Mn=2.1であった。
【0036】
比較例1
実施例1において、重合終了後に重合禁止剤とメタノールを共に反応缶の上部より投入した以外は同様に行った(酢酸ビニルの重合率93%、固形分濃度46.2%)。
【0037】
得られた溶液を蒸留し未反応モノマーを取り除き、固形分濃度45%に調整した。かかる酢酸ビニル系重合体溶液中のポリ酢酸ビニルの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)をGPCで測定したところ、Mw/Mn=2.6であった。
【0038】
更に、該酢酸ビニル系重合体溶液(固形分45%)2000kgに水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液83kgを加えて40℃でケン化し、105℃で乾燥して、ケン化度99.2モル%、重合度1050、4%水溶液とした場合の粘度12.2mPa・s(20℃)のポリビニルアルコールを得た。
又、得られたポリビニルアルコールの分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量,Mn:数平均分子量)を、再酢化して、GPCで測定したところ、Mw/Mn=2.5であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、酢酸ビニル系重合体を製造するに当たり、反応缶中で酢酸ビニル系モノマーを重合した後重合禁止剤を添加して該重合を停止させる際に、反応缶の下部から反応液中にアルコールを導入するため、酢酸ビニル系モノマー重合後の後重合の禁止効果が大きく、分子量分布がよりシャープな酢酸ビニル系重合体を得ることができる。

Claims (2)

  1. 酢酸ビニル系重合体を製造するに当たり、反応缶中で酢酸ビニル系モノマーを重合した後重合禁止剤を添加して該重合を停止させる際に、反応缶の下部から反応液中にアルコールを導入することを特徴とする酢酸ビニル系重合体の製造方法。
  2. アルコールが、炭素数1〜4のアルコールであることを特徴とする請求項1記載の酢酸ビニル系重合体の製造方法。
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