JP4546067B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
特に、[特許文献1]の第4図に示されているように、室内空気を導く風路(ダクト)中に、熱源水を導くファンコイル(水対空気熱交換器)および冷凍サイクルの室内熱交換器に相当する空気熱交換器(冷媒対空気熱交換器)が配置される。冷凍サイクルは、圧縮機、四方弁、減圧装置、上記空気熱交換器の他に、室外熱交換器に相当する水対冷媒熱交換器を備えている。そして、蓄熱源から導かれる熱源水をファンコイルもしくは水対冷媒熱交換器、もしくはその両方に切換え案内する三方弁を備えた回路を備えている。
冷凍サイクルによる冷暖房運転時に、さらに冷暖房能力の性能アップが要求されると、三方弁は熱源水をファンコイルおよび水対冷媒熱交換器の両方に同時に流すよう制御される。ファンコイルと空気熱交換器を併用することになり、より大きな熱負荷に対処できる、とある。
(1) 蓄熱源から供給される熱源水(冷水)の温度が所定温度以下のときにヒートポンプ式の冷凍サイクルによる冷房運転を行った場合、低温の熱源水と熱交換する水対冷媒熱交換器で凝縮液冷媒の温度が低くなり過ぎ、ヒートポンプ式の冷凍サイクルにおいて正常な運転を行うことができず、故障を招く虞れがあった。
また、蓄熱源から供給される熱源水(温水)の温度が所定温度以下のときにヒートポンプ式の冷凍サイクルによる暖房運転を行った場合、低温の熱源水が冷媒蒸発器となる水対冷媒熱交換器で熱交換することによりさらに冷やされて熱源水が凍結する虞れがある。
上記熱源水凍結防止制御手段は、さらに圧縮機から吐出される冷媒の温度を検出する第5の温度センサを有し、圧縮機の起動時に第5の温度センサの検出温度が所定温度以下のとき、圧縮機を起動してから所定時間経過後に第3の温度センサもしくは第4の温度センサによる熱源水凍結防止制御を行う。
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係る空気調和装置について説明する。
図1は、空気調和装置の概略構成と配管系統図である。
図中1は、被空調室に連通する通風路(ダクト)であり、この通風路1内における風上側に熱源水の導通路を備えたファンコイル2が配置されていて、熱源水と通風路1に導かれる空気とを熱交換できる。上記通風路1内のファンコイル2風下側には、冷凍サイクルRの室内熱交換器に相当する空気熱交換器3が配置され、冷媒と通風路1に導かれる空気とを熱交換できる。さらに、ファンコイル2および空気熱交換器3の風下側には被空調室内へ送風する送風機4が設置される。
上記電子膨張弁11は、上記水/冷媒熱交換器9と空気熱交換器3との間に配置され、適度な絞りを与えて冷媒の過熱度を制御する。上記水/冷媒熱交換器9は冷媒を導く導通路と、熱源水を導く導通路を備えていて、冷媒と熱源水との熱交換ができる。
熱源水循環回路Nとして、蓄熱源から熱源水入口部5に供給される熱源水を、後述する水/水熱交換器6を介して上記ファンコイル2に導き、このファンコイル2から導出される熱源水を三方弁7の切換え動作にもとづいて、図中破線矢印に示すように再び上記水/水熱交換器6へ導き、さらに上記水/冷媒熱交換器9に導いてから熱源水出口部10を介して蓄熱源へ戻す第1の流路Aを備えている。
上記水/水熱交換器6には、上記熱源水入口部5と上記ファンコイル2に連通する熱源水導通路と、三方弁7と水/冷媒熱交換器9導入側とを連通する熱源水導通路の、2本の熱源水導通路が互いに交差して備えられていて、これら熱源水導通路を導かれる間に互いの熱源水は熱交換されるようになっている。
温度センサSとして、熱源水入口部5近傍部位に、蓄熱源から導かれ熱源水入口部5を通過した直後の熱源水の温度を検知する第1の温度センサS1が設けられている。熱源水循環回路Nを構成する水/冷媒熱交換器9と熱源水出口部10とを連通する配管に第2の温度センサS2が取付けられていて、水/冷媒熱交換器9から導出される熱源水の温度を検知するようになっている。
圧縮機13の冷媒吸込み部a近傍部位には第4の温度センサS4が取付けられていて、圧縮機13に吸込まれる冷媒の温度を検知するようになっている。圧縮機13の冷媒吐出部bの近傍部位には第5の温度センサS5が取付けられていて、圧縮機13から吐出される冷媒の温度を検知できるようになっている。
つぎに、このようにして構成される空気調和装置の作用を説明する。
必要とする冷暖房能力がそれほど大きくなく、かつ冷房時に25℃未満の冷水が供給され、暖房時に25℃以上の温水が供給されている場合は、制御部15は圧縮機13の運転停止を指示していて空気熱交換器3での熱交換作用はなく、ファンコイル2のみ機能するよう制御する。
このとき制御部15は三方弁7を切換えて第2の流路Bに熱源水を循環させ、第1の流路Aには熱源水が流れないように制御する。蓄熱源の熱源水は熱源水入口部5から水/水熱交換器6を介してファンコイル2へ導かれ、さらに三方弁7から水/冷媒熱交換器9を介して熱源水出口部10から排出され蓄熱源に戻される。
結局、ファンコイル2において通風路1に導かれる空気と熱交換するのみであり、熱源水循環回路Nに冷水が導かれていれば室内の冷房作用をなし、熱源水循環回路Nに温水が導かれていれば室内の暖房作用をなす。
設定温度と現在室温の差が大きくなりファンコイル機能のみでは能力不足になった場合は、冷凍サイクル運転をなして能力を増加させる高能力冷暖房運転を行う。
このとき、熱源水循環回路Nにおける三方弁7の切換え方向に変化がなく先に説明した通常の冷暖房運転と同様であるが、制御部15は冷凍サイクルRを構成する圧縮機13の駆動を開始するとともに、四方弁12の切換え制御をなす。
ファンコイル2で吸熱した冷水は三方弁7から第2の流路Bを経由して水/冷媒熱交換器9に導かれる。この水/冷媒熱交換器9では冷媒の凝縮作用が行われているので、冷水は冷媒と熱交換して凝縮熱を吸収する。水/冷媒熱交換器9は水熱交換器として用いられることになり、ここでの吸熱が冷凍サイクルRにおける冷房熱量として利用され、ファンコイル機能のみと比べて利用温度差が取れ効率のよい冷房となる。
同時に冷凍サイクル運転が行われ、空気熱交換器3で冷媒が凝縮してファンコイル2から導かれる暖気へ凝縮熱を放出する。暖気はさらに温度上昇した暖気に変わり、室内へ送風される。したがって、高能力暖房が得られる。
ファンコイル2で放熱を終了した温水は三方弁7から第2の流路Bを経由して水/冷媒熱交換器9に導かれる。冷媒は水/冷媒熱交換器9で蒸発して熱を吸収する。ファンコイル2で温度低下した温水は水/冷媒熱交換器9でさらに熱を奪われ、ここでの放熱が冷凍サイクルを介して暖房熱量として利用されるので、ファンコイル機能のみと比べて利用温度差が取れ効率のよい暖房となる。
蓄熱源から25℃以上の温水が供給されているが、被空調室における何らかの事情により冷房運転を強調したい要求がある。また、蓄熱源から25℃未満の冷水が供給されているが、被空調室における何らかの事情により暖房運転を強調したい要求がある。これらの要求があると制御部15は、三方弁7に対して熱源水の導通方向を第2の流路Bから第1の流路Aに切換え制御したうえで、冷凍サイクル運転を開始する。
ファンコイル2での暖房能力が無効化し、その一方で冷凍サイクルRに対する運転が開始される。水/冷媒熱交換器9で冷媒は凝縮し冷やされて温度低下した温水と熱交換し、そのあと冷媒は空気熱交換器3に導かれて蒸発する冷房運転が行われる。空気熱交換器3では、ファンコイル2を流通したあとの空気から熱を奪って冷気に変える、いわゆる“逆冷房”作用を得る。
ファンコイル2での冷房能力が無効化し、その一方で冷凍サイクルRに対する運転が開始される。圧縮機13から吐出される冷媒は空気熱交換器3に導かれ、ここで凝縮する暖房運転が行われる。そして冷媒は水/冷媒熱交換器9に導かれて、温められて温度上昇した冷水と熱交換し冷媒は蒸発する。上記空気熱交換器3では、ファンコイル2を流通したあとの空気へ凝縮熱を付与し暖気に変える、いわゆる“逆暖房”作用を得る。
上記制御部15は、常時、熱源水入口部5と水/水熱交換器6の熱源水導入部との間に取付けられる第1の温度センサS1から送られる熱源水(冷水)の検知温度信号と、水/冷媒熱交換器9の熱源水導出部と熱源水出口部10との間に取付けられる第2の温度センサS2から送られる熱源水の検知温度信号を、記憶回路に記憶している基準温度と比較している。
熱源水は自然凍結寸前の水温となっているうえに冷凍サイクル運転をなせば冷媒の蒸発作用をなす水/冷媒熱交換器9において熱源水が熱を奪われて凍結するところであるが、圧縮機13の運転を停止するので熱源水循環回路Nを循環する熱源水の凍結を確実に防止できる。そして、熱源水循環回路Nを構成する構成機器、特に水/冷媒熱交換器9の熱源水導通路で熱源水が凍結することがなくパンク事故の防止を図れる。
なお、第1の温度センサS1と第2の温度センサS2が何らかの理由によって故障し、異常温度の検知信号を送るようなことがあれば、制御部15はセンサ異常と判定して圧縮機13の運転を停止する。
いわゆる逆暖房運転時において、蓄熱源から熱源水を送る供給設備が何らかの理由で故障し、それが原因で給水が行われなかったときに、制御部15は熱源水循環回路Nにおける熱源水の凍結防止を図るよう制御する。
すなわち、ポンプが故障するなどの理由により熱源水循環回路Nに冷水が導かれず循環しない場合、冷凍サイクルRによるヒートポンプ暖房運転を実行すると短時間(約30分以内)で冷水が凍結することが確認された。特に、水/冷媒熱交換器9において冷媒が蒸発し熱を奪うので、水の移動がない水導通路側の冷水が早急に凍結する。
そこで制御部15は、水/冷媒熱交換器9の冷媒導入側に設けられる第3の温度センサS3と、圧縮機13の吸込み部に設けられる第4の温度センサS4からの検知信号を受けて記憶回路に記憶している基準値と比較し、所定の条件下で熱源水の供給設備が何らかの理由で故障し、それが原因で給水が行われなかったことと判断して、熱源水循環回路Nにおける熱源水の凍結防止を図る。
先の[実施例1]と同様に、第3の温度センサS3と第4の温度センサS4が何らかの理由によって故障し、異常温度の検知信号を送るようなことがあれば、制御部15はセンサ異常と判定して圧縮機13の運転を停止する。
具体的には、第5の温度センサS5の検知温度TDが25℃未満であることの検知信号を受けると、制御部15は圧縮機13の起動後の経過時間(3分)を前記凍結防止判定条件に加える。
また、リモコン(リモートコントローラ)操作による運転停止やサーモコントロールなど他の要因による圧縮機13の停止によっても、熱源水凍結防止制御の圧縮機13の起動/停止カウントをクリアする。
勿論、カウントをクリアするだけで熱源水凍結防止制御は逆暖房運転時に随時有効であることには変わりがない。構成機器における凍結パンクを確実に回避しつつ、無駄な圧縮機13の運転停止(すなわち、空気調和装置の運転停止)と、「給水異常」判定による異常コード表示というような自体を極力避けることができる。
つぎに、本発明の実施例3を図面にもとづいて説明する。
図2は、空気調和装置の概略構成と配管系統図である。
送風機4の位置が通風路1内の先に説明した実施例1での位置とは異なるが、通風路1内に配置されるファンコイル2と空気熱交換器3に対して送風して熱交換させ、熱交換後の空気を室内へ導くようにしていることは変りがない。
温度センサSとして、熱源水入口部5と三方弁7との間の配管に第1の温度センサS1が取付けられ、熱源水循環回路Naに導入された直後の熱源水温度を検知する。熱源水循環回路Naを構成する水/冷媒熱交換器9と熱源水出口部10とを連通する配管に第2の温度センサS2が取付けられ、水/冷媒熱交換器9から導出される熱源水の温度を検知する。
ファンコイル2から導出される温度上昇した冷水は水/冷媒熱交換器9へ導かれるが、ここでの熱交換作用はないから、その温度のままで熱源水出口部10から導出される。通常暖房の場合は、熱源水として温水が供給されることが相違するだけで、温水の循環径路は変りがなく、冷凍サイクル運転が停止されることも変りがない。
熱源水として温水が導かれるときの逆冷房運転の場合は、三方弁7を図中破線矢印に示す方向に切換える。熱源水入口部5から導入される温水は上記三方弁7の切換え方向に沿って水/冷媒熱交換器9へ導かれ、そのまま熱源水出口部10から排出される。
熱源水として冷水が導かれるときの逆暖房運転の場合も、三方弁7を図中破線矢印に示す方向に切換える。熱源水入口部5から導入される冷水は上記三方弁7の切換え方向に沿って水/冷媒熱交換器9へ導かれ、そのまま熱源水出口部10から排出される。
制御部15は、常時、熱源水入口部5と水/水熱交換器6の熱源水導入部との間に取付けられる第1の温度センサS1から送られる熱源水の検知温度信号と、水/冷媒熱交換器9の熱源水導出部と熱源水出口部10との間に取付けられる第2の温度センサS2から送られる熱源水の検知温度信号を記憶した基準温度と比較する。
さらに制御部15は、水/冷媒熱交換器9と電子膨張弁11との間に設けられる第3の温度センサS3と、圧縮機13の吸込み部に取付けられる第4の温度センサS4の検知温度から、熱源水の供給設備が何らかの理由で故障し、それが原因で給水が行われなかったことと判断して、熱源水循環回路Nにおける熱源水の凍結防止を図る。熱源水凍結防止制御条件の具体的な数値は、先に実施例2で説明した条件と全く同様でよいので、ここでは同実施例を適用して新たな説明は省略する。
そして制御部15は、圧縮機13が起動後所定時間運転を継続した場合、つまり熱源水凍結防止制御の圧縮機13の起動/停止のカウントをクリアすることも同様であり、またリモコン操作による運転停止や、サーモコントロールなどの他の要因による圧縮機13の停止によっても、熱源水凍結防止制御の圧縮機13の起動/停止のカウントをクリアすることも同様である。
また、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を越えない範囲内でさらに種々変形実施が可能であり、本願発明はこれらの全てを完全に包含するものである。
Claims (1)
- 室内空気の通風路に配置され、熱源水の導通路を備えたファンコイルおよび、冷媒の導通路を備えた空気熱交換器と、
圧縮機、四方弁、上記空気熱交換器、減圧装置、熱源水と冷媒の導通路を備えた水/冷媒熱交換器が順次冷媒管を介して連通されるヒートポンプ式の冷凍サイクルと、
要求される運転モードに応じて、熱源から供給された熱源水を上記ファンコイルと上記水/冷媒熱交換器へ導く水循環手段と、
冷凍サイクルによる暖房運転時に、上記水/冷媒熱交換器に導入される冷媒の温度を検出する第3の温度センサと、
上記冷凍サイクルを構成する上記圧縮機に吸込まれる冷媒の温度を検出する第4の温度センサと、
上記第3の温度センサの検出温度が第1の所定温度以下になったとき、もしくは第4の温度センサの検出温度が第2の所定温度以下になったとき、上記圧縮機の運転を停止する熱源水凍結防止制御手段とを具備し、
上記熱源水凍結防止制御手段は、さらに圧縮機から吐出される冷媒の温度を検出する第5の温度センサを有し、圧縮機の起動時に上記第5の温度センサの検出温度が所定温度以下のとき、圧縮機を起動してから所定時間経過後に上記第3の温度センサもしくは上記第4の温度センサによる熱源水凍結防止制御を行うことを特徴とする空気調和装置。
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