JP4544083B2 - フレキシブル光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は、折り曲げやねじりに追従性を持った軟質性のフレキシブル光導波路に関する。
従来、高分子光導波路の製造方法としては、(1)フィルムにモノマーを含浸させてコア部を選択的に露光して屈折率を変化させフィルムを張り合わせる方法(選択重合法)、(2)コア層及びクラッド層を塗布後、反応性イオンエチングを用いてクラッド部を形成する方法(RIE法)、(3)高分子材料中に感光性の材料を添加した紫外線硬化樹脂を用いて、露光・現像するフォトリソグラフィー法を用いる方法(直接露光法)、(4)射出成形を利用する方法、(5)コア層及びクラッド層を塗布後、コア部を露光してコア部の屈折率を変化させる方法(フォトブリーチング法)等が提案されている。
しかし、(1)の選択重合法はフィルムの張り合わせに問題があり、(2)や(3)の方法は、フォトリソグラフィー法を使うためコスト高になり、(4)の方法は、得られるコア径の精度に課題がある。また、(5)の方法はコア層とクラッド層との十分な屈折率差がとれないという問題がある。
性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子光導波路を形成するのに適用しうるものではない。
これに対し、本発明者等は、前記のような従来の高分子光導波路の製造方法とは全く異なる方法として、マイクロモールド法と称する鋳型を用いた高分子光導波路の製造方法を発明し出願した(以下の特許文献1から3までを参照)。この方法によれば、極めて簡便に低コストで高分子光導波路を量産することが可能である。また、簡便な方法であるにもかかわらず、導波損失が小さい高分子光導波路を作製することが可能で、鋳型作製が可能であればどのようなパターン形状を有するものでも簡易に作製可能である。更に、従来作製が困難であったフレキシブルなプラスチック基材の上にも光導波路を作製することが可能となった。
ところで、近年においてコンピュータの処理能力の向上に伴い、コンピュータや各種装置間の電気配線がシステム全体の性能を制限する「配線ボトルネック」という問題が生じている。そこで、光インターコネクション(光配線)は、電気配線のようにインピーダンスによる信号遅延がないことや、配線間干渉が生じないことから、この配線ボトルネックを解消する有力な手段として注目されている。
光配線では、光送受信モジュールが重要な構成要素となる。光送受信モジュールは、発光素子から射出された光を光導波路を介して伝搬し、光導波路を伝搬してきた光を受光素子で検出することで、光信号の送受信を行うモジュールである。
この光送受信モジュールに用いられる光導波路として、高分子材料で形成された高分子光導波路においては、アレイ化された受発光素子と整合した光配線を形成することで、複数の受発光素子とそれに対応する高分子光導波路のコア部とを一括して光結合することができる。また、ダイシングソー等により、45度マイクロミラー面を容易に作製することができるので、コンパクトな90度の光路変換(導光方向をフィルム面に垂直な方向に変換すること)が可能となる。これにより、表面実装された面型受発光素子に接続された光路を、実装面に平行に変換できることから、低コストの光送受信モジュールが実現できる。
一方で、ノート型パソコンや折り畳み型携帯電話のヒンジに代表される稼働部に、光配線を適応することも検討されており、電気配線に用いられるフレキシブルプリント基板のような、ねじれや折り曲げに対する追従性を有するフレキシブルタイプの高分子光導波路が検討されている(特許文献4参照)。このフレキシブルタイプの高分子光導波路(フレキシブル光導波路)は、光が伝播されるコアと、このコアの周囲に設けられるクラッドが、共にゲル状材などの曲げ弾性率が低い材料で作製されており、全体的に柔軟性を有している。
しかし、高分子光導波路全体に高い柔軟性を持たせた場合、実装工程のピックアップやボンディング等の外力により、容易に変形を起こしてしまう。このため、発光素子及び受光素子と光結合させる際にコア間の距離が保持されず、十分な精度で実装することが困難となる。また、柔軟性を有することでダイシングソーによる45°マイクロミラー面を作製する工程においても、高い精度で平坦な面を加工することが困難となる。
特開2004−29507号公報 特開2004−86144号公報 特開2004−109927号公報 特開2003−207659号公報
本発明は上記事実を考慮し、フレキシブル性能を確保しつつ、高精度で実装でき、且つ、端部の45°面等の加工が容易に行うことができるフレキシブル光導波路を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、光が伝播するコアと、前記コアが載置され、該コアより屈折率の小さい、脂環式アクリル樹脂フィルム、脂環式オレフィン樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム、含フッ素樹脂フィルムから選択される材料からなるクラッド用フィルム基材と、前記クラッド用フィルム基材上の前記光の伝播方向における少なくとも一方の端部を除く部位に、該クラッド用フィルム基材とで前記コアの周囲を取り囲むように設けられ、該コアより屈折率の小さい軟質のクラッド材料で構成された第1クラッド部と、前記クラッド用フィルム基材上の前記端部に、該クラッド用フィルム基材とで前記コアの周囲を取り囲むように設けられ、前記第1クラッド部を構成するクラッド材料よりも高い曲げ弾性率を有し、かつ前記コアより屈折率の小さい硬質のクラッド材料で構成された第2クラッド部と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、クラッド用フィルム基材上に載置されたコアを取り囲むクラッド部が、光の伝播方向における少なくとも一方の端部を除くクラッド用フィルム基材上に設けられた軟質のクラッド材料で形成された第1クラッド部と、クラッド用フィルム基材上の上記端部に設けられ、第1クラッド部を形成するクラッド材料の曲げ弾性率よりも高い曲げ弾性率を有する硬質のクラッド材料で形成された第2クラッド部と、で構成されている。したがって、フレキシブル光導波路の製造工程が複雑にならない。また、コアを包囲するクラッド部が、曲げ弾性率異なる(軟質と硬質の)2種類のクラッド部で構成されているため、硬質の第2クラッド部を実装対象物に実装する工程において、ピックアップする際の変形や、接合時における加圧によって、クラッド部が変形することがない。したがって、第2クラッド部に設けられたアライメントマークがずれたり、第2クラッド部に包囲されたコア間の位置関係がずれたりするのを防止できるので、発光素子及び受光素子等の実装対象物と光結合させる際に、高精度で実装することができる。
また、このフレキシブル光導波路を実装対象物に突き当てながら実装する際に、第2クラッド部に包囲されているコアが変形する恐れがない。これにより、フレキシブル光導波路を実装対象物に突き当てて位置合わせを行う、いわゆるセルフアライメント実装が可能となる。
さらに、例えばダイシングソー等によって加工を施す必要があるとき、第2クラッド部側に加工を施せば、精度が高い加工面を得ることができる。したがって、光路変換のための45°ミラー面を、先端部分に精度良く加工することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフレキシブル光導波路において、前記第2クラッド部は、断面積の70%以上が前記高い曲げ弾性率の硬質材料で形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、第2クラッド部の断面積の70%以上を、高い曲げ弾性率を有する硬質材料で構成することで、ピックアップする際や接合時の加圧によって変形しない強度を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル光導波路において、前記第2クラッド部は、前記クラッド用フィルム基材上の前記光の伝播方向における両端に設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、クラッド用フィルム基材上の第1クラッド部の両に第2クラッド部を設けることで、実装対象物をフレキシブル光導波路の両側に高精度で実装できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路において、前記第2クラッド部は、曲げ弾性率が0.5GPa以上であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、第2クラッド部の曲げ弾性率を0.5GPa以上とすることで、実装対象物に実装する際に第2クラッド部が加圧されても、第2クラッド部が変形する恐れがない。したがって、フレキシブル光導波路の実装精度が安定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路において、前記第1クラッド部は、許容曲げ半径が10mm以下の可撓性を有することを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、第1クラッド部を、許容曲げ半径を10mm以下の可撓性を有する部材で形成することで、第1クラッド部を折り曲げたりねじったりした際に、これらの変形に対して第1クラッド部が追従するので、第1クラッド部に包囲されたコアが破損する恐れがない。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路において、前記第1クラッド部及び前記第2クラッド部の厚み方向のサイズが、50μm〜500μmとされていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、第1クラッド部及び第2クラッド部の厚み方向のサイズを50μmより小さくすると、第2クラッド部に十分な強度を得ることができず、第1クラッド部及び第2クラッド部の厚み方向のサイズを500μmより大きくすると、第1クラッド部の柔軟性が得られないので、第1クラッド部及び第2クラッド部の厚み方向のサイズを50μm〜500μmとすることで、第1クラッド部の柔軟性を確保し、且つ、第2クラッド部に十分な強度を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路において、前記クラッド用フィルム基材の厚さが、0.05mm〜0.5mmであることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、フレキシブル光導波路の取り扱いが容易となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路において、前記第2クラッド部の端部には、光進行方向を90°折り曲げる45°ミラー面が設けられていることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、第2クラッド部に45°ミラー面を設けることで、第2クラッド部に取り囲まれたコアを進行する光の進行方向を90°折り曲げることが可能となる。つまり、90°の光路変換を行うことができる。
本発明は上記構成としたので、フレキシブル性能を確保しつつ、高精度で実装でき、且つ、端部の45°面等の加工が容易に行うことができる。
次に、本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルム10(高分子光導波路)について説明する。
<高分子光導波路>
まず、高分子光導波路フィルム10の構造について説明する。
図1には、高分子光導波路フィルム10の概略図が示されている。図1(A)に示すように、高分子光導波路フィルム10は、長尺状のクラッド用フィルム基材18を有しており、このクラッド用フィルム基材18の上には、2本のコア16が、クラッド用フィルム基材18の幅方向に並列に配置されている。なお、クラッド用フィルム基材18は、曲げ弾性率が2.9GPaのクラッド材料で形成されている。
また、クラッド用フィルム基材18上には、コア16を包囲するようにして、クラッド部11が設けられている。クラッド部11は、軟質クラッド部12と、軟質クラッド部12の光の伝播方向の両側に設けられた硬質クラッド部14とで構成されている。なお、高分子光導波路フィルム10の断面積の70%以上が、軟質クラッド部12又は硬質クラッド部14で構成されている。
軟質クラッド部12は、曲げ弾性率が0.3GPaのクラッド材料で形成されており、曲率半径10mm以下の可撓性を有している。これにより、軟質クラッド部12の部分を、図2(A)に示すように折り曲げたり、図2(B)に示すようにねじったりした場合に、これらの変形に対して高分子光導波路フィルム10が追従するようになっている。したがって、図2に示すように、高分子光導波路フィルム10が変形した状態でも、高分子光導波路フィルム10に接続された光送信部(図示省略)から送信された光信号が、高分子光導波路フィルム10に形成された光導波路を導波して、光受信部に受信される。なお、曲率半径は、フィルムを折り曲げたときにフィルムの内側に形成される曲線の微小な部分を円と近似したとき、その円の半径の長さを表す値であり、MIT耐折試験(ASTM D2176)に従いその許容値が測定される。また、曲げ弾性率は、ASTM D790に従って測定される。
一方、硬質クラッド部14は、軟質クラッド部12を形成するクラッド材料よりも曲げ弾性率が大きいクラッド材料で形成されている。このとき、硬質クラッド部14の曲げ弾性率は、0.5GPa以上であることが好ましい。より好ましくは、1.0GPa以上である。
これにより、図3に示すように、高分子光導波路フィルム10を光送受信部70のサブマウント72に実装する際に、高分子光導波路フィルム10の端部をピックアップしたり、サブマウント72に向けて加圧しても、高分子光導波路フィルム10の端部が変形しない。したがって、高分子光導波路フィルム10の端部に形成されたアライメントマークがずれたり、端部のコア16間の位置関係がずれたりするのを防止できる。また、高分子光導波路フィルム10をサブマウント72に形成した突当面72Aに突き当てて位置合わせを行う、いわゆるセルフアライメント実装が可能となる。
図4には、曲げ弾性率の異なる試験片(長さ3mm、幅3mm、厚さ0.5mm)を、高精度ダイボンダ(無負荷時実装精度±1μm)を使用してシリコン基板上に実装したときの、コアと実装対象物に設けられた光素子の位置ずれを測定した結果をグラフにしたものが示されている。
ところで、コア径が50μm程度のマルチモード光導波路のコアを、光素子と接続する場合には、±10μm程度の実装精度が必要となる。このため、図4のグラフから、±10μmの実装精度を満たす条件として、硬質クラッド部14の曲げ弾性率が0.5GPa以上である必要があることがわかる。つまり、±10μm程度の実装精度を満たすための硬質クラッド部14の曲げ弾性率としては、0.5Gpa以上であることが好ましく、実装精度の安定性を考慮すると1.0GPa以上であることがより好ましい。
なお、高分子光導波路フィルム10に用いる樹脂材料については後述する。
ところで、高分子光導波路フィルム10の厚さを50μmより小さくすると、硬質クラッド部14に十分な強度を得ることができず、500μmより大きくすると、軟質クラッド部12の柔軟性が得られない。そこで、高分子光導波路フィルム10の厚さを50μm〜500μmとすることで、軟質クラッド部12の柔軟性を確保し、且つ、硬質クラッド部14に十分な強度を得ることができる。また、高分子光導波路フィルム10の幅は、0.5mm〜10mmの範囲とされている。これにより、高分子光導波路フィルム10は、変形に対する追従性が高まる。なお、高分子光導波路フィルム10の厚さを100μm〜200μmの範囲とし、幅を1mm〜5mmの範囲とすることがより好ましい。
なお、本実施形態では、図1に示すように、クラッド用フィルム基材18上に、クラッド用フィルム基材18を構成するクラッド材料とは異なる曲げ弾性率を有する軟質クラッド部12及び硬質クラッド部14を設ける構成としたが、図9の参考例で示すように、軟質のクラッド材料で構成された軟質クラッド部74の両側に、硬質のクラッド材料で構成された硬質クラッド部72を設ける構成としてもよい。つまり、軟質のクラッド材料で構成された軟質クラッド部74aの光伝播方向の両側に、軟質クラッド部74を構成するクラッド材料よりも高い曲げ弾性率を有するクラッド材料で構成された硬質クラッド部72aを設け、この軟質クラッド部74aと硬質クラッド部72aの上にコア16を設けて、コア16を包囲するようにして、軟質クラッド部74aの上に、軟質クラッド部74aを構成するクラッド材料と同じ曲げ弾性率を有するクラッド材料で構成された軟質クラッド部74bを設け、硬質クラッド部72aの上に、硬質クラッド部72aを構成するクラッド材料と同じ曲げ弾性率を有するクラッド材料で構成された硬質クラッド部72bを設け、高分子光導波路フィルム70を構成する。
次に、図5を用いて本発明の高分子光導波路フィルム10(フレキシブル光導波路)の製造工程について、工程順に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、コア凸部に対応する凹部と、この凹部の一端及び他端にそれぞれ連通する貫通孔を有する鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、光導波路コア(以下「コア」とする)に対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
コアに対応する凸部22を形成した原盤20(図5(A)に示す)の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法やRIE法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤20を作製するのに適用できる。
原盤20に形成されるコア16に対応する凸部22の大きさは、一般的に5〜500μm角程度、好ましくは40〜200μm角程度であり、高分子光導波路フィルム10の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の高分子光導波路フィルムの場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の高分子光導波路フィルムの場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm角程度と更に大きなコアを持つ高分子光導波路フィルムも利用される。
<鋳型の作製>
次に、鋳型30の作製の工程について説明する。
上記のようにして作製した原盤20のコア16に対応する凸部22が形成された面に、図5(B)に示すように、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型して硬化性樹脂層30aを形成し、必要に応じ乾燥処理をして硬化性樹脂層30aを硬化させる。そして、この硬化した硬化性樹脂層30aを原盤20から剥離することで、凸部22に対応する凹部32が形成された鋳型30が作製される。
次に、図5(C)に示すように、鋳型30に、凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口36、及び凹部32から樹脂を排出させるための排出口38を、打ち抜きによって形成する。このように、排出口38を打ち抜きによって形成した場合でも、鋳型30と後述するクラッド用フィルム基材18とは密着性がよいため、鋳型30とクラッド用フィルム基材18の間には凹部32以外の空隙が形成されない。これにより、凹部32以外の部分に、コア形成用硬化性樹脂が浸透する恐れがない。
なお、進入口36及び排出口38は、鋳型30に打ち抜きによって予め設ける構成以外にも、種々の方法を用いることができる。その他の方法として、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後、硬化性樹脂層を原盤から剥離して鋳型を作製し、その後、鋳型の両端を凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。このように、進入口36及び排出口38の形成方法は特に制限されない。
鋳型30の凹部32に連通する進入口36及び排出口38を、凹部32の両端に設けることによって、進入口36は液(樹脂)溜まりとして利用でき、排出口38は減圧吸引管をその中に挿入して凹部32内部を減圧吸引装置に接続することができる。また、進入口36に注入管を連結して、進入口36から樹脂を凹部32に加圧注入することも可能である。進入口36の形状や大きさは凹部32に連通し、且つ、液溜まりとしての機能を有していれば特に制限はない。また、排出口38の形状や大きさは、凹部32に連通し、且つ、減圧吸引用に用いることができれば特に制限はない。
さらに、進入口36は液溜まりの機能を有しているため、その断面積が、鋳型30を後述するクラッド用フィルム基材18に密着させたときに、クラッド用フィルム基材18に接する側を大きくし、クラッド用フィルム基材18から離れるにしたがって小さくなるようにする。つまり、進入口36に抜きテーパーを設ける。これにより、進入口36から凹部32に充填させたコア形成用硬化性樹脂を硬化させた後、このコア形成用硬化性樹脂を鋳型30から剥離しやすくなる。
コア形成用硬化樹脂層の厚さは、鋳型30の取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。また、原盤20にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行うことで、コア形成用硬化樹脂層が原盤20から剥離しやすくなり、原盤20と鋳型30の剥離が促進される。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤20から容易に剥離できること、鋳型30(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部32の形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、後述するクラッド用フィルム基材18との密着性が良好であることが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤20の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤20に形成された個々のコア16に対応する凸部22を正確に転写しなければならない。従って、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に鋳型形成用硬化性樹脂に加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用フィルム基材との密着性の点から、硬化後、シリコンゴム(シリコンエラストマー)又はシリコン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコンゴムとなるものが好ましい。硬化後シリコンゴムとなるものには、通常液状シリコンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられている。液状シリコンゴムは、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましい。中でも付加型の液状シリコンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際、副生成物が無く、あるいは少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましく用いられる。
液状シリコンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の制御性の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いため、これを用いて形成された鋳型は、クラッド用フィルム基材18から剥離させずに、そのままクラッド部11として利用することができる。この場合には、鋳型30と、充填したコア形成用硬化性樹脂及びクラッド用フィルム基材18とが剥がれないような工夫が必要になる。
液状シリコンゴムの粘度は、コア16に対応する凸部22を正確に転写し、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型を形成する点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
さらに、鋳型30の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、特に、15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、クラッド用フィルム基材18との密着性とコア形成用硬化性樹脂の浸透速度の点からみて好ましい。
鋳型30のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80であればよく、特に20〜60であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。なお、シェアゴム硬度は、デュロメータを用いてJIS K 6253にしたがって測定することができる。
鋳型30の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下にすることで、型取り性能の点から見て好ましい。なお、算術平均粗さRaはJIS B 0601に従い測定することができる。
また、鋳型30は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型30が可視領域において光透過性であることによって、後述する2)の工程において鋳型30をクラッド用フィルム基材18(図5(D)参照)に密着させる際、位置決めが容易に行える。また、後述する3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型30の凹部32に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認することができる。
さらに、鋳型30が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型30を透して紫外線硬化を行うためである。従って、鋳型30の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコンゴムとなる液状シリコンゴムは、クラッド用フィルム基材18との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を転写する能力を持ち、シリコンゴムとクラッド用フィルム基材18とを密着させたとき、液体の進入を防ぐことができる。このようなシリコンゴムを用いた鋳型30は高精度に原盤20の形状を転写し、クラッド用フィルム基材18にしっかりと密着する。このため、鋳型30とクラッド用フィルム基材18の間の凹部32のみに、コア形成用硬化性樹脂を効率良く充填することが可能となる。また、クラッド用フィルム基材18と鋳型30の剥離も容易である。従って、この鋳型30からは高精度に形状を維持した高分子光導波路フィルム10を、極めて簡便に作製することができる。
さらに、硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層がゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤20の凸部22を転写する部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型30のハンドリング性が向上する。
なお、鋳型の作製の他の例として、原盤にコアに対応する凸部だけでなく、貫通孔(進入口及び排出口)を形成するための凸部を設け、貫通孔を形成するための凸部が突き抜けるようにして、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を塗布して、この鋳型形成用硬化性樹脂を硬化させた後、硬化樹脂層を原盤から剥離する方法などがある。このとき、凸部の高さは、鋳型形成用硬化性樹脂の厚さよりも高くする必要がある。
2)鋳型30にクラッド用フィルム基材18を密着させる工程
鋳型30にクラッド用フィルム基材18を密着させる。なお、高分子光導波路フィルムは種々の階層における光配線に用いられるので、クラッド用フィルム基材18としての材料は、屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー等を考慮して選択される。
そこで、クラッド用フィルム基材18として用いられる材料は、脂環式アクリル樹脂フィルム、脂環式オレフィン樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム、含フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。
また、クラッド用フィルム基材18としては、鋳型30との密着性に優れ、両者を密着させた場合、鋳型30の凹部32以外に空隙が生じないものが好ましい。
脂環式アクリル樹脂フィルムとしてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100、また、脂環式オレフィン樹脂フィルムとしては、主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有し、且つ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア16、クラッド用フィルム基材18の屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有するので、鋳型30との密着性に優れ、また耐熱性に優れているので特に本発明の高分子光導波路フィルム10の作製に適している。
クラッド用フィルム基材18の屈折率は、コア16との屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
また、クラッド用フィルム基材18の厚さは、フレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.05mm〜0.5mm程度が好ましい。
3)クラッド用フィルム基材18を密着させた鋳型30の凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
図5(D)に示すように、凹部32の一端に形成された進入口36にコア形成用硬化性樹脂を注入し、凹部32の他端に形成された排出口38から減圧吸引して、凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填する。このように、減圧吸引することで、鋳型30とクラッド用フィルム基材18との密着性が向上し、気泡の混合を避けることができる。減圧吸引は、例えば、吸引管を排出口38に挿入し、吸引管をポンプに繋げて行われる。
なお、凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法は、上記方法に限定されない。例えば、進入口36にコア形成用硬化性樹脂を少量垂らし毛細管現象を利用して充填したり、進入口36から凹部32にコア形成用硬化性樹脂を加圧充填したり、排出口38から凹部32内を減圧吸引したり、あるいは加圧充填と減圧吸引の両方を行うなどにより、凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填する方法がある。加圧充填と減圧吸引を併用する場合はこれらを同期して行うことが好ましい。これにより、鋳型30が安定して固定された状態で、加圧充填において圧力を段階的に増加させ、減圧吸引において圧力を段階的に減少させることで、コア形成用硬化性樹脂をより高速に注入する相反則を両立させることができる。また、毛細管現象を利用して、凹部32にコア形成用硬化性樹脂を充填する場合には、充填を促進するために凹部32内を0.1〜100kPa程度に減圧することが好ましい。さらに、充填を促進するために、凹部32内の減圧に加えて、鋳型30の進入口36から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することで、より低粘度化することも有効な手段である。
コア形成用硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。このように、コアをシリコン基板やガラス基板等で形成せずに高分子化合物で形成することで、材料費を低く抑えることができ、製造コスト削減に繋がる。また、コアを紫外線硬化性、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂などの高分子化合物で成形することで、任意の形状を得ることが容易となる。
コア形成用硬化性樹脂は、鋳型30とクラッド用フィルム基材18との間に形成された空隙(凹部32)に充填させるため、低粘度であることが必要である。コア形成用硬化性樹脂の粘度は、10〜2000mPa・s好ましくは20〜1000mPa・s、更に好ましくは30〜500mPa・sにすることで、充填速度が速くなり、精度の良い形状のコア16が得られ、光損失を少なくすることができる。
このほかに、原盤20に形成されたコア16に対応する凸部22が有する元の形状を高精度に再現するため、硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。従って、硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、体積変化が10%以下のものが用いられる。好ましくは体積変化が6%以下のものが用いられる。溶剤を用いて硬化性樹脂を低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。体積収縮が0.01%以下の材料や体積膨張する材料では、鋳型30からの剥離効率が下がり、鋳型30からの剥離時に表面の破断等の表面劣化が生じるため、形成されるコア16の表面の平滑性が低下して光導波損失が上昇するので好ましくない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、樹脂にポリマーを添加することができる。ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッド用フィルム基材18となるフィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド部11を含む)より大きいことが必要であり、1.50以上、好ましくは1.53以上である。コアとクラッド(クラッド用フィルム基材及びクラッド部11)との屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.03以上である。
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させ、鋳型30をクラッド用フィルム基材18から剥離する工程
前記3)の工程において、凹部32に充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられ、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
この後、鋳型30をクラッド用フィルム基材18から剥離する。図5(E)に示すように、剥離したクラッド用フィルム基材18の上には、コア16と進入口36及び排出口38内において硬化した樹脂部分36a、38aが形成される。
また、前記1)〜3)の工程で用いる鋳型30は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド部(硬質クラッド部14)に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド部として利用する。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
5)コア16が形成されたクラッド用フィルム基材18の上に硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12からなるクラッド部11を形成する工程
図5(I)に示すように、コア16が形成されたクラッド用フィルム基材18の上に硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12からなるクラッド部11を形成する。クラッド部11としては、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
また、クラッド形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、樹脂と相溶性を有し、また樹脂の屈折率、曲げ弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を、クラッド用硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂)に添加することができる。
硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12の形成は、それぞれのクラッド材料を塗布し、硬化することによって行われる。2種のクラッド材料は、コア16が形成されたクラッド用フィルム基材18の上に同時に塗布され硬化されてもよい。また、1種ずつ塗布と硬化を行ってもよい。
硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12を1種ずつ形成する場合には、例えば、図5(F)〜図5(I)に示すように行われる。まず、図5(F)に示すように、軟質クラッド部12を形成する部分に保護用マスク44を設置する。保護用マスク44は、コア16が形成されたクラッド用フィルム基材18に密着し、形成されたコア16に接触した際にコア16にダメージを与えないものであれば特に指定はなく、たとえば、鋳型形成用硬化性樹脂として用いるシリコンゴムを使用することができる。ここでのコア16へのダメージとは、コア16の側面の損傷や荒れ等によって光導波損失が0.2dB以上増加することである。
次に、図5(G)に示すように、硬質クラッド部14用の紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化させる。これにより、硬質クラッド部14が形成される。そして、図5(H)に示すように、保護用マスク44を剥離して、保護用マスク44が設置されていた部分に軟質クラッド部12用の紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化させる。これにより、図5(I)に示すように、保護用マスク44が設置されていた部分に軟質クラッド部12が形成される。そして、図5(J)に示すように、進入口36及び排出口38内において硬化した樹脂部分36a、38aを、研削等によって除去する。
クラッド部11(硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12)の屈折率は、コア16との屈折率差を確保するため、1.55以下、好ましくは1.53以下にすることが望ましい。また、硬質クラッド部14及び軟質クラッド部12の屈折率をクラッド用フィルム基材18の屈折率と同じにすることが、光の閉じ込めの点からみて好ましい。
このような高分子光導波路フィルム10の製造方法は、鋳型30に鋳型30との密着性が良好なクラッド用フィルム基材40を密着させることで、両者を特別な手段を用いて固着させなくても、鋳型30に形成された凹部32構造以外には、鋳型30とクラッド用フィルム基材40の間に空隙が生ずることなくコア形成用硬化性樹脂を凹部32のみに進入させることができることを見出したことに基づくものである。これにより、製造工程が極めて単純化され、容易に高分子光導波路フィルム10を作製することができる。したがって、従来の高分子光導波路フィルムの製造方法と比較し、極めて低コストで高分子光導波路フィルム10を作製することが可能となる。
また、この製造方法では、鋳型30に貫通孔(進入口36及び排出口38)を設け、進入口36から凹部32にコア形成用硬化性樹脂を排出側を充填して、排出口38から減圧吸引するので、鋳型30とクラッド用フィルム基材40との密着性が更に向上し、気泡の混合を避けることができる。さらに、簡便な方法でありながら、得られる高分子光導波路フィルム10は、導波損失が少なく高精度であり、かつ、各種機器への自由な装填が可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<原盤の作製>
シリコン基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像した。これにより、断面が正方形の2本のコア用の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:80mm)が形成された。なお、2本の凸部の間の間隔は、250μmとした。これを120℃でポストベークして、コア作製用の原盤を作製した。
<鋳型の作製>
次に、原盤に離形材を塗布した後、鋳型の材料として熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウ・コウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa・s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた。そして、原盤から鋳型材を剥離して、コア用の凹部(コア用の凸部に対応する凹部)が形成された鋳型(型の厚さ5mm)を作製した。次に、平面視において円形で、断面形状がテーパー状とされた紫外線硬化性樹脂を充填するための進入口及び、この樹脂(紫外線硬化性樹脂)を排出させるための排出口を、凹部の両端に凹部と連通するようにして打ち抜きにより形成した。
<クラッド用フィルム基材及びコアの作製>
鋳型より一回り大きい膜厚100μmのクラッド用フィルム基材(アートンフィルム、JSR(株)社製、曲げ弾性率2.9GPa、屈折率1.510)を、鋳型に密着させた。
次に、鋳型の一端にある進入口に、粘度500mPa・sの紫外線硬化樹脂を数滴落とし、排出口から減圧吸引したところ、10分で凹部に紫外線硬化樹脂が充填された。そして、50mW/cm2のUV光を鋳型の上部から5分間照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、鋳型をクラッド用フィルム基材から剥離した。
これにより、クラッド用フィルム基材上に原盤の凸部と同じ形状のコアが形成された。
<硬質クラッド部及び軟質クラッド部の作製>
次に、クラッド用フィルム基材のコアが形成された面に、鋳型と同じ材質で作製した保護用マスクを密着させ、コアが形成された面が露出した領域(光導波路の導波方向両端)に、硬化後の屈折率がクラッド用フィルム基材64と同じ1.510であり、曲げ弾性率が2.1GPaである硬質クラッド部用の紫外線硬化性樹脂を塗布した。そして、50mW/cm2のUV光を5分間照射して紫外線硬化させた。
次に、保護マスクを剥離して、コアが形成された面が露出した領域に、硬化後の屈折率がクラッド用フィルム基材と同じ1.510であり、曲げ弾性率が0.3GPaである軟質クラッド部用の紫外線硬化性樹脂を塗布した。そして、50mW/cm2のUV光を5分間照射して紫外線硬化させた。
次に、ダイシングソーを用いて、長さ70mm、幅1.5mm、厚さ300μmに成形し、長手方向両端に硬質クラッド部をもったベルト状の高分子光導波路フィルムを作製した。
ここで、幅5μmの十字型アライメントマークが形成された長さ5mm、幅5mmのシリコン基板を用意し、作製した高分子光導波路フィルムの実装精度確認を行った。無負荷状態での実装精度が±1μmであるダイボンダを用い、画像認識によるパッシブアライメントにて高分子光導波路フィルムをシリコン基板上に実装した。ボンディング荷重は6Nとし、予め塗布しておいた紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させ、高分子光導波路フィルムをシリコン基板上に接着した。
上記の実装精度確認を10回行ったところ、コアの理想的な実装位置からのずれは5μm以内であった。また、高分子光導波路フィルムの接合面の端部のコアの位置、及びコア間距離は、実装前後で変化はみられなかった。
まず、実施例1と同様にして、高分子光導波路フィルムを作製した。
次に、45°角度付きSi用のブレードを備えたダイシングソーを用いて、この高分子光導波路フィルムの両端を、光軸に対し45°の角度で切断し、45°ミラー面を持ったコアを露出させた。
このとき、45°ミラー面のコア形状は平坦であり、Raはλ/10以下であった。850μmのLEDを光源として測定した45°ミラー面の過剰損失は0.8dBであった。
このように、高分子光導波路フィルムの両端に硬質クラッド部を設けることで、精度の良い45°ミラー面を形成することができる。
まず、実施例1と同様に、クラッド用フィルム基材52上に硬質クラッド部54と軟質クラッド部56を設けた高分子光導波路フィルム50を作製し、実施例2と同様にして、硬質クラッド部54の端部に、45°ミラー面56Aを形成した。次に、クラッド用フィルム基材52と硬質クラッド部52を、先端から50μmの位置で光軸に対し垂直に切断し、図6に示すように、両端部に45°ミラー面56Aと垂直切断面52Aとを備えた高分子光導波路フィルム50を得た。
また、厚さ625μmSiウェハをRIE法により形成し、図7のようなシリコンサブマウント60を作製した。シリコンサブマウント60には受光素子と発光素子を収容する開口部62と、高分子光導波路フィルムを位置決め実装するための突当面64が形成されている。
このシリコンサブマウント60に受光素子と発光素子を実装し電気配線を施した後、マニュアル式のボンディングマシンンを用いて、図8に示すように、高分子光導波路フィルム50の垂直切断面52Aをシリコンサブマウント60の突当面64に突き当てて、シリコンサブマウント60に高分子光導波路フィルム50を位置合わせした。そして、予め塗布しておいた紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させ、高分子光導波路フィルム50をシリコンサブマウント60に固定した。
このとき、コアの理想的な実装位置からのずれは5μm以内であった。また、高分子光導波路フィルム50の接合面の端部のコアの位置、及びコア間距離は、実装前後で変化はみられなかった。
本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムを示す三面図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムを光送受信部に実装した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムの曲げ弾性率と実装精度を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムの製造工程を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムを示す部分斜視図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムが実装されるサブマウント示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る高分子光導波路フィルムが、サブマウントに実装された状態を示す斜視図である。 参考例の高分子光導波路フィルムを示す三面図である。
符号の説明
10 高分子光導波路フィルム(フレキシブル光導波路)
11 クラッド部
12 軟質クラッド部(第1クラッド部)
14 硬質クラッド部(第2クラッド部)
16 コア
70 高分子光導波路フィルム(フレキシブル光導波路)
72 硬質クラッド部(クラッド部、第2クラッド部)
74 軟質クラッド部(クラッド部、第1クラッド部)

Claims (8)

  1. 光が伝播するコアと、
    前記コアが載置され、該コアより屈折率の小さい、脂環式アクリル樹脂フィルム、脂環式オレフィン樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム、含フッ素樹脂フィルムから選択される材料からなるクラッド用フィルム基材と、
    前記クラッド用フィルム基材上の前記光の伝播方向における少なくとも一方の端部を除く部位に、該クラッド用フィルム基材とで前記コアの周囲を取り囲むように設けられ、該コアより屈折率の小さい軟質のクラッド材料で構成された第1クラッド部と、
    前記クラッド用フィルム基材上の前記端部に、該クラッド用フィルム基材とで前記コアの周囲を取り囲むように設けられ、前記第1クラッド部を構成するクラッド材料よりも高い曲げ弾性率を有し、かつ前記コアより屈折率の小さい硬質のクラッド材料で構成された第2クラッド部と、
    を備えたことを特徴とするフレキシブル光導波路。
  2. 前記第2クラッド部は、断面積の70%以上が前記高い曲げ弾性率の硬質材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル光導波路。
  3. 前記第2クラッド部は、前記クラッド用フィルム基材上の前記光の伝播方向における両端に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル光導波路。
  4. 前記第2クラッド部は、曲げ弾性率が0.5GPa以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路。
  5. 前記第1クラッド部は、許容曲げ半径が10mm以下の可撓性を有することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路。
  6. 前記第1クラッド部及び前記第2クラッド部の厚み方向のサイズが、50μm〜500μmとされていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路。
  7. 前記クラッド用フィルム基材の厚さが、0.05mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路。
  8. 前記第2クラッド部の端部には、光進行方向を90°折り曲げる45°ミラー面が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のフレキシブル光導波路。
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