JP4542318B2 - ギヤセットの高温作動中における摩耗及び金属疲労を低減させる方法 - Google Patents

ギヤセットの高温作動中における摩耗及び金属疲労を低減させる方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一部では、ギヤセット(ギヤ組体)の高温作動中の摩耗および金属疲労を低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のトランスミッションおよび差動装置、空気動力工具、ガス圧縮機、遠心機、高圧油圧装置、金属作動機および同様の装置に使用されるようなギヤセット(ギヤ組体)、並びに多種類のベアリングにおいては、往々にして高負荷状態が生じている。そのような環境で使用するときには、従来より潤滑剤組成物に極圧(EP)剤が添加され、これに関しては、そのような組成物用の極圧剤としてアルカリ金属ホウ酸塩がよく知られている(特許文献1〜11、13)。
【0003】
EP剤は、可動表面の潤滑の際に破壊的な金属対金属の接触を避けるために、潤滑剤に添加される。「流体力学的」と言われる正常状態下にある限りは、潤滑剤の膜は、相対的に動く表面の間に保持されて潤滑剤パラメータ、主に粘度に支配される。しかしながら、負荷が増加して表面間の隙間が減少すると、あるいは可動表面の速度が油膜を保持できないような速度になって「境界潤滑」の状態に達すると、接触表面のパラメータに大きく支配されることになる。そして、更にもっと苛酷な状態では、重大な破壊的接触が、リッジング(うねり)やピッチング(孔食)として測定されるような摩耗および金属疲労など様々な形で現れる。
【0004】
これが発生するのを防ぐことがEP剤の役割である。EP剤の大体は、油溶性であるか、あるいは安定な分散体として油中に容易に分散し、そして大部分は化学反応した有機化合物であって、境界潤滑状態で金属表面と反応する硫黄、ハロゲン(主に塩素)、リン、カルボキシル基、またはカルボキシレート塩基を含んでいる。水和金属ホウ酸塩の安定な分散液も有効なEP剤であることが分かっている。
【0005】
ギヤセットについては、高温、例えば135℃以上、好ましくは少なくとも163℃で満足できる性能が要求され、それを含めて更に要望が増している。次いで、このことは、そのようなギヤセットに使用されるEP潤滑剤組成物は、そのような高温で評価したときに、ギヤセットのリッジングやピッチングに関する要求により判断される摩耗や金属疲労を満足できる程度に与えることを求める要求が増大している。
【0006】
さらに、水和アルカリ金属ホウ酸塩は潤滑油媒体に不溶性であるので、ホウ酸塩を分散液として油に導入する必要があり、また均質な分散液であることが特に望ましい。均質な分散液の形成の程度は、水和アルカリ金属ホウ酸塩添加後の油の濁り度と相互に関連していて、分散液の均質性が低いほど、それに相関して濁り度が高くなる。そのような均質な分散液の形成を促進するために、従来よりそのような組成物には分散剤を含有させている。分散剤の例としては、アルケニルコハク酸イミドなどの親油性界面活性剤、または他の窒素含有分散剤、並びにアルケニルスクシネートを挙げることができる(特許文献1〜4、12)。均質な分散液の形成を促進するために、粒径が1ミクロン以下のアルカリ金属ホウ酸塩を用いることも従来より行われている(特許文献11)。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第3313727号明細書、ピーラー、「アルカリ金属ホウ酸塩EP潤滑剤」、1967年4月11日発行
【特許文献2】
米国特許第3912643号明細書、アダムス、「中和アルカリ金属ホウ酸塩を含む潤滑剤」、1975年10月14日発行
【特許文献3】
米国特許第3819521号明細書、シムズ、「分散状のホウ酸塩とポリオールを含む潤滑剤」、1974年6月25日発行
【特許文献4】
米国特許第3853772号明細書、アダムス、「分散剤の混合物で分散させたアルカリ金属ホウ酸塩を含む潤滑剤」、1974年12月10日発行
【特許文献5】
米国特許第3997454号明細書、アダムス、「ホウ酸ナトリウムを含む潤滑剤」、1976年12月14日発行
【特許文献6】
米国特許第4089790号明細書、アダムス、「水和ホウ酸カリウム、耐摩耗剤及び有機スルフィド酸化防止剤の相乗的組合せ」、1978年5月16日発行
【特許文献7】
米国特許第4163729号明細書、アダムス、「水和ホウ酸カリウム、耐摩耗剤及び有機スルフィド酸化防止剤の相乗的組合せ」、1979年8月7日発行
【特許文献8】
米国特許第4263155号明細書、フロスト、「アルカリ金属ホウ酸塩と油溶性の安定化酸を含む潤滑剤組成物」、1981年4月21日発行
【特許文献9】
米国特許第4401580号明細書、フロスト、「アルカリ金属ホウ酸塩とエステル−ポリオール化合物を含む潤滑剤組成物」、1983年8月30日発行
【特許文献10】
米国特許第4472288号明細書、フロスト、「アルカリ金属ホウ酸塩とリン化合物の油溶性アミン塩を含む潤滑剤組成物」、1984年9月18日発行
【特許文献11】
米国特許第4584873号明細書、クラーク、「自動車用摩擦低減組成物」、1985年8月13日発行
【特許文献12】
米国特許第3489619号明細書、ブリュスター、「熱媒急冷油」、1970年1月13日発行
【特許文献13】
米国特許第4717490号明細書、サレンタイン、「アルカリ金属ホウ酸塩、硫黄化合物、亜リン酸塩及び中和リン酸塩の相乗的組合せ」、1988年1月5日発行
【0008】
上記の特許は全て、各特許を特定してかつ独立して全て記載内容とするように指示したのと同じ程度にまで、本明細書の記載とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した観点から、水和アルカリ金属ホウ酸塩を含み、低い濁り度を有し、そしてピッチングやリッジングから判断される摩耗および疲労特性が許容範囲にある潤滑剤組成物は、特にギヤセットを高温で作動させたときに、とりわけ有益なものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ギヤセットのリッジングやピッチングから判断される摩耗および疲労の低減が、分散状の水和ホウ酸ナトリウムを含む潤滑剤組成物の使用によって達成できるという、新規な予期し得ない発見に関するものである。
【0011】
さらに、本発明は、これら組成物が300ntu以下の濁り度によって証明されるような許容範囲内の濁り度を示すという、新規な予期し得ない発見に関するものである。
【0012】
従って、本発明は、ギヤセットを少なくとも163℃の温度で作動させる間の、リッジングおよびピッチングをもたらす摩耗および金属疲労の低減から計測されるギヤ損傷の防止を行なう方法であって、下記成分からなる分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物:
水和ホウ酸ナトリウム、
分散剤、および
潤滑粘度の油、
[ただし、水和ホウ酸ナトリウムのナトリウムとホウ素との比が1:2.9乃至1:3.1であって、ヒドロキシル基とホウ素との比が0.5:1乃至1.8:1であり、濁り度が300ntu以下である]を用いて、該ギヤセットを作動させることからなる方法を提供する。
【0013】
ギヤセットを例えば163℃の温度で少なくとも8時間に渡って作動させたときに、ギヤ摩耗およびピッチングから判断されるようなギヤ損傷が低減していることが観察される。
【0014】
分散状の水和ホウ酸ナトリウムはさらに、ヒドロキシル基とホウ素との比が約0.5:1乃至1.6:1であることによって特徴付けられることが好ましく、また好ましくは約0.7:1乃至1.8:1であり、そしてさらに好ましくは約0.8:1乃至1.6:1である。
【0015】
別の好ましい態様では、上記分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物の濁り度は好ましくは約75ntu以下であり、より好ましくは約60ntu以下であり、そしてさらに好ましくは約40ntu以下である。
【0016】
また別の好ましい態様では、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物のナトリウムとホウ素との比は約1:3である。
【0017】
更に別の好ましい態様では、分散状の水和ホウ酸ナトリウムの平均粒径は、約0.6ミクロン以下であり、より好ましくは約0.10乃至約0.30ミクロンである。
【0018】
分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は任意に、少量の水溶性オキソアニオンを含有する。水溶性オキソアニオンは、ホウ素原子モル当り0.001モル乃至0.11モルだけ存在すべきである。この水溶性オキソアニオンとしては、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩、スズ酸塩、亜鉛酸塩、鉛酸塩、チタン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、ウラン酸塩を挙げることができ、あるいはイソポリモリブデン酸塩およびイソポリタングステン酸塩、またはヘテロポリモリブデン酸塩およびヘテロポリタングステン酸塩、またはそれらの混合物を挙げることができる。
【0019】
該ホウ酸ナトリウム組成物中の分散剤は、ポリアルキレンコハク酸イミド、ポリアルキレンコハク酸無水物、ポリアルキレンコハク酸、ポリアルキレンコハク酸の一又は二塩、およびそれらの混合物からなる群より選ばれるものであることが好ましい。分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は、金属スルホネートなどの清浄剤、好ましくは、これら組成物中で均質な分散液にするのを助けるように作用するアルキル芳香族又はポリイソブテニルカルシウムスルホネート、または他のII族金属スルホネートを含有することが好ましい。
【0020】
分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物を含有する完成潤滑剤組成物は、一般に一連の希釈により誘導される。最初に、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物を希釈して、約10乃至80重量%の分散状の水和ホウ酸カリウム組成物と、約90乃至20重量%の下記物質からなる群より選ばれる一種以上の従来の添加剤とからなる添加剤パッケージを形成する:無灰分散剤(0〜10%)、清浄剤(0〜5%)、硫化炭化水素(0〜40%)、リン酸水素ジアルキル(0〜15%)、ジチオリン酸亜鉛(0〜20%)、リン酸及び/又はチオ−ジチオリン酸アルキルアンモニウム(0〜20%)、亜リン酸塩(0〜10%)、ペンタエリトリトールモノオレエートなどの多価アルコールの脂肪酸エステル(0〜10%)、2,5−ジメルカプトチアジアゾール(0〜5%)、ベンゾトリアゾール(0〜5%)、分散性二硫化モリブデン(0〜5%)、消泡剤(0〜2%)、およびイミダゾリン(0〜10%)等、ただし、各重量%は組成物の全重量に基づく。
【0021】
次に、添加剤パッケージを潤滑粘度の油に有効量で添加して、調合済み潤滑剤組成物を形成することができる。従って、本発明の調合済み潤滑剤組成物は、潤滑粘度の油と更にブレンドした上記のような添加剤パッケージを含有する。好ましくは、上記の添加剤パッケージを約2乃至15重量%の量で、約85乃至98重量%の量の潤滑粘度の油に添加して、調合済みギヤ潤滑剤組成物とする、ただし、各成分の重量%は組成物の全重量に基づく。より好ましくは、潤滑粘度の油と一緒に、粘度指数向上剤を0〜12%のレベルで、および/または流動点降下剤を0〜1%のレベルで加えて、調合済み油を形成する、ただし、粘度指数向上剤および流動点降下剤の各重量%は組成物の全重量に基づく。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、ギヤセットを高温で作動させる間、リッジングおよびピッチングにつながる摩耗および金属疲労の低減から判断されるように、ギヤ損傷を防止する方法に関する。そのような方法は、下記成分からなる分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物であって:
水和ホウ酸ナトリウム、
分散剤、および
潤滑粘度の油、
水和ホウ酸ナトリウムのナトリウムとホウ素との比が1:2.9乃至1:3.1であって、ヒドロキシル基とホウ素との比が0.5:1乃至1.8:1であり、濁り度が300ntu以下である]を用いて、該ギヤセットを作動させることからなる。
【0023】
以下に、本発明の方法に用いられるこれらの成分それぞれについて詳細に説明する。しかしながら、そのような説明に先立って、まず下記の用語について定義する。
【0024】
「ヒドロキシル基:ホウ素比」、または「OH:B」は、例えば後述する構造式Iにより例示するように、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物中でホウ素に結合したヒドロキシル基の数の比(ホウ素モル当りのヒドロキシル基のモル数)を意味する。「ヒドロキシル基:ホウ素比」の別の定義の仕方は、下記式を考慮することにある。
【0025】
【化1】
Na2O・xB23・yH2
【0026】
ただし、xは2.75と3.25の間にあり、yは1.375と6.50の間にあり、そしてyとxの比は約0.5:1乃至1.8:1であることが好ましく、より好ましくは約0.7:1乃至1.8:1であり、更に好ましくは約0.8:1乃至1.6:1であり、このyとxの比が「ヒドロキシル基:ホウ素比」である。
【0027】
本出願の目的では、水和ホウ酸ナトリウムのOH:B比は、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物の5.000%潤滑粘度の油溶液の、0.215mm透過度セル中での、3800と3250cm-1間の最大赤外(IR)吸光度(基線を3900cm-1の吸光度であるとして差し引くことによって補正したもの)から、算出される。なお、その他の化合物または不純物による妨害吸光度は全て差し引かれる。この範囲の残りの吸光度が分散状ホウ酸ナトリウムのヒドロキシル基に相当し、次いで以下のようにしてOH:Bに変換される。
【0028】
OH:B = 21.0Amax/%B
【0029】
ただし、Amaxは、3800〜3250cm-1領域における基線補正した最大IR吸光度(ピーク高さ)であり、そして
%Bは、最初の(希釈していない)分散状ホウ酸ナトリウム試料のパーセントホウ素である。
【0030】
この3800−3250cm-1範囲の吸光度は、ホウ酸ナトリウム複合体のヒドロキシル基に相当する。その他の添加剤が添加されてこの好ましい範囲内の吸光度を隠すかあるいは妨害するならば、そのような基はOH:B比算出の初期算出においてIRスペクトルから差し引かれることになる。
【0031】
後述の実施例において、この吸光度は、DTGS検出器とCsIビームスプリッタが取り付けられたニコレット5DXB FTIR分光器を用いて測定した。分光器は、0.215mmテフロン(商品名)スペーサと切り出し小部分があるCaF2窓、および適当なセルホルダを有する。試料のスペクトルは4cm-1の分解能を用いて得られた。
【0032】
製造したとき、および(前述した)添加剤パッケージまたは完成潤滑剤組成物を形成するための希釈に先立って、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物としては、約10乃至75重量%の水和ホウ酸ナトリウム、約5乃至20重量%の分散剤、および約30乃至70重量%の潤滑粘度の油から構成される組成物を好ましく挙げることができ、いずれも組成物の全重量に基づく。より好ましくは、組成物は更に約1乃至5重量%の清浄剤を含有しているが、これも組成物の全重量に基づいている。
【0033】
[水和ホウ酸ナトリウム]
分散状の水和ナトリウム金属ホウ酸塩は当該分野ではよく知られている。好適なホウ酸塩および製造方法が開示されている代表的な特許としては下記のものが挙げられる:米国特許第3313727号、第3819521号、第3853772号、第3912643号、第3997454号及び第4089790号(特許文献1〜6)。
【0034】
これらのナトリウム金属ホウ酸塩は一般に、下記理論構造式Iで表すことができる。ただし、nは、好ましくは1.0〜約10の数である。
【0035】
【化2】
Figure 0004542318
【0036】
本発明の組成物において、ナトリウムとホウ素との特定の比は約1:2.75乃至1:3.25の範囲に限定される。
【0037】
水和ナトリウム金属ホウ酸塩を含む分散状のアルカリ金属ホウ酸塩組成物は一般に、脱イオン水中で、任意に少量の炭酸ナトリウムを存在させて、水酸化ナトリウムとホウ酸の溶液を形成することにより製造する。次に、溶液を、潤滑粘度の油、分散剤、および含有すべき任意の添加剤(例えば、清浄剤、2,2’−チオジエタノール等の硫黄含有化合物、およびその他任意の添加剤)からなる潤滑剤組成物に加えて、乳化液を形成し、次いで脱水する。脱水は、100℃を僅かに越える温度で開始する水分除去の第一段階を含む三段階で進行する。この第一段階に続いて温度をゆっくり上昇させると、乳化液は濁った状態から透明に変化する。最終段階で温度を急激に上げると、液体はもう一度濁った状態になる。
【0038】
上記分散状の水和ホウ酸ナトリウムの生成は、得られた生成物のナトリウムとホウ素との比が約1:2.9乃至1:3.1の範囲で、濁り度が300ntu以下であり、そしてヒドロキシル基とホウ素との比が好ましくは約0.5:1乃至1.8:1、より好ましくは約0.7:1乃至1.8:1、更に好ましくは約0.8:1乃至1.6:1となるように、水酸化ナトリウムとホウ酸の適量を化学量論的に選択すること、および脱水の程度を制御することによって達成される。
【0039】
ホウ酸塩複合体におけるヒドロキシル基の保持ゆえに、これら複合体は「水和ホウ酸ナトリウム」と呼ばれ、そしてこれら水和ホウ酸ナトリウムの油/水乳化液を含む組成物は、「分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物」と呼ばれる。
【0040】
上述したように、反応混合物の脱水状態をモニタして、反応混合物を最終的に約0℃乃至約50℃、より好ましくは約20℃乃至45℃の温度に戻したときに、得られた分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物のヒドロキシル基とホウ素の比が、最良の0.8:1乃至1.6:1であることを確実にする。このようなヒドロキシル基とホウ素の比を示す分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は、比がこの範囲外にある同様の組成物と比較して改善された水分許容度を有する。例えば、米国特許出願第09/967050号、2001年9月28日出願、代理人番号005950−699(T−5928)、題名「潤滑油組成物中で特性の改善された分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物」を参照されたい。この出願内容も全て本明細書の記載とする。
【0041】
さらに、本発明の方法の観点に関連して、反応室の壁での水分の濃縮を避けるために、脱水操作を注意深く制御する(すなわち、緩やかな脱水速度を用いる、洗い流し用ガスを使用するなど)。濃縮は、結果として潤滑剤組成物中に水滴をもたらすことになり、次いで、望まない沈殿物の生成を招くことになる。そのような沈殿物の生成は一般に、組成物から濾過しなければならない大粒子をもたらす。従って、本発明の好ましい態様では、脱水は約1乃至10時間、より好ましくは3乃至8時間かけて行う。時間、温度および大気流の速度の最適化によって好ましい反応設計が得られる。
【0042】
分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物のナトリウムとホウ素との比は、約1:2.9乃至1:3.1であり、そして好ましくは約1:3である。別の好ましい態様では、水和ホウ酸ナトリウム粒子の平均粒径は一般に1ミクロン以下である。これに関しては、本発明の分散状のホウ酸ナトリウム組成物は、粒子の90%かそれ以上が0.6ミクロン以下であるような粒径を有するのが好ましいことが分かっている。
【0043】
分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物において、水和ホウ酸ナトリウムは一般に、組成物の約10乃至75重量%、好ましくは25乃至50重量%、より好ましくは約35乃至40重量%を占める。(特に断らない限りは、百分率は全て重量%である。)
【0044】
分散状のホウ酸ナトリウム組成物は任意に、少量の水溶性オキソアニオンを含有する。水溶性オキソアニオンは、ホウ素原子モル当り0.001モル乃至0.11モルだけ存在すべきである。この水溶性オキソアニオンとしては、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩、スズ酸塩、亜鉛酸塩、鉛酸塩、チタン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、ウラン酸塩を挙げることができ、あるいはイソポリモリブデン酸塩およびイソポリタングステン酸塩、またはヘテロポリモリブデン酸塩およびヘテロポリタングステン酸塩、またはそれらの混合物を挙げることができる。
【0045】
ホウ酸ナトリウム潤滑剤における少量の水溶性オキソアニオンの存在が、加水分解物の結晶構造を破壊することによって、ホウ酸ナトリウムの水分許容度を向上させると考えられる。このことは結果として、結晶を形成する傾向を低減したり、あるいは結晶化速度を遅くする。
【0046】
本発明の潤滑剤組成物にはさらに、例えばアルキル芳香族又はポリイソブテニルスルホネートを含めて、後述するような、また当該分野の熟練者には公知である界面活性剤、清浄剤、その他の分散剤およびその他の条件を用いることができる。
【0047】
本発明の分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は一般に、以下に詳しく記載する分散剤、清浄剤および潤滑粘度の油から構成される。
【0048】
[分散剤]
本発明の組成物に用いられる分散剤は、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸無水物、アルケニルコハク酸エステル等の無灰分散剤、またはこのような分散剤の混合物であってもよい。
【0049】
無灰分散剤は、大まかには数個のグループに分類される。そのようなグループの一つは、アミン、アミド、イミン、イミド、ヒドロキシルカルボキシル等を含む一以上の余分な極性機能を持つカルボキシレートエステルを含む共重合体に関する。これらの生成物は、長鎖のアルキルアクリレート又はメタクリレートと上記機能の単量体とを共重合させることにより合成することができる。このようなグループとしては、アルキルメタクリレート−ビニルピロリジノン共重合体、アルキルメタクリレート−ジアルキルアミノエチルメタクリレート共重合体等を挙げることができる。さらに、高分子量アミドおよびポリアミド、またはエステルおよびポリエステル、例えばテトラエチレンペンタアミン、ポリビニルポリステアレート、および他のポリステアラミドも用いることができる。好ましい分散剤は、N−置換長鎖アルケニルコハク酸イミドである。
【0050】
アルケニルコハク酸イミドは通常、アルケニルコハク酸又は無水物とアルキレンポリアミンの反応から誘導される。これらの化合物は一般に、下記式を有すると考えられる。
【0051】
【化3】
Figure 0004542318
【0052】
但し、R1は、実質的に分子量が約400乃至3000の炭化水素基、すなわちR1は、約30〜約200個の炭素原子を含む炭化水素基、好ましくはアルケニル基であり;Alkは、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜6のアルキレン基であり;R2、R3およびR4は、C1〜C4のアルキル又はアルコキシまたは水素、好ましくは水素であって;そしてxは、0〜10、好ましくは0〜3の整数である。アルキレンコハク酸又は無水物とアルキレンポリアミンの実際の反応生成物は、コハク酸およびコハク酸イミドを含む化合物の混合物からなる。しかしながら、この反応生成物を上記式のコハク酸イミドとして表すことは慣例である、というのは、これは混合物の主成分だからである。例えば、米国特許第3202678号、第3024237号及び第3172892号を参照されたい。
【0053】
これらのN−置換アルケニルコハク酸イミドは、無水マレイン酸とオレフィン炭化水素を反応させた後、得られたアルケニルコハク酸無水物とアルキレンポリアミンを反応させることにより合成することができる。上記式のR1基、すなわちアルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含むオレフィン単量体から合成した重合体から誘導することが好ましい。よって、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含むオレフィンを重合して、分子量が約400乃至3000の範囲の炭化水素を生成させることにより得られる。そのようなオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、およびそれらの混合物が例示される。
【0054】
コハク酸イミドを合成するのに使用される好ましいポリアルキレンアミンは、下記式を有するものである。
【0055】
【化4】
Figure 0004542318
【0056】
ただし、zは、0〜10の整数であり、Alk、R2、R3及びR4は、前に定義した通りである。
【0057】
アルキレンアミンとしては主に、メチレンアミン、エチレンアミン、ブチレンアミン、プロピレンアミン、ペンチレンアミン、ヘキシレンアミン、ヘプチレンアミン、オクチレンアミン、その他のポリメチレンアミン、またピペラジンおよびアミノアルキル置換ピペラジンなどのアミンの環状物及び高次類似物を挙げることができる。それらの例示としては特に、エチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、プロピレンジアミン、デカメチルジアミン、オクタメチレンジアミン、ジヘプタメチレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、トリメチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、ジトリメチレントリアミン、2−ヘプチル−3−(2−アミノプロピル)−イミダゾリン、4−メチルイミダゾリン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ビス(2−アミノエチル)イミダゾリン、1−(2−アミノプロピル)−ピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、および2−メチル−1−(2−アミノブチル)ピペラジンがある。このような高次類似物は、二以上の上記アルキレンアミンを縮合することにより得ることができ、同様に有用である。
【0058】
エチレンアミンは特に有用である。それらは、化学技術大辞典(Encyclopedia of Chemical Technology)、カーク・オスマー(Kirk-Othmer)著、第5巻、p.898−905の「エチレンアミン」の項目(インターサイエンス出版、ニューヨーク、1950年)に詳細に記載されている。
【0059】
「エチレンアミン」は、包括的な観念で使用され、その大部分が下記構造に当てはまるポリアミンのグループを示すものである。ただし、aは1〜10の整数である。
【0060】
【化5】
2N(CH2CH2NH)a
【0061】
従って、その例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン等を挙げることができる。
【0062】
「アルケニルコハク酸イミド」としては、例えば、米国特許第4612132号(ウォレンベルグ、外)、第4746446号(ウォレンベルグ、外)等に開示のエチレンカーボネートを含む後処理法、並びにその他の後処理法で後処理したコハク酸イミドが挙げられ、そしてその各開示内容も全て本明細書の記載とする。
【0063】
ポリアルキレンコハク酸イミド成分は、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物の重量の2乃至40重量%を占めることが好ましく、より好ましくは5乃至20重量%、そして更に好ましくは10乃至15重量%を占める。
【0064】
ポリアルキレンコハク酸無水物、またはポリアルキレンコハク酸無水物の窒素非含有誘導体(例えば、コハク酸、コハク酸のI族及び/又はII族一又は二金属塩、ポリアルキレンコハク酸無水物、酸塩化物又は他の誘導体とアルコールとの反応により生成したコハク酸エステル等)も、本発明の組成物での使用に適した分散剤である。
【0065】
ポリアルキレンコハク酸無水物としては、ポリイソブテニルコハク酸無水物が好ましい。好ましい態様では、ポリアルキレンコハク酸無水物は、数平均分子量が少なくとも500、より好ましくは少なくとも900乃至約3000、そして更に好ましくは少なくとも約900乃至約2300のポリイソブテニルコハク酸無水物である。
【0066】
別の好ましい態様においては、ポリアルキレンコハク酸無水物の混合物が用いられる。この態様では、混合物は低分子量のポリアルキレンコハク酸無水物成分と、高分子量のポリアルキレンコハク酸無水物成分とからなることが好ましい。
より好ましくは、低分子量成分の数平均分子量は約500乃至1000未満であり、高分子量成分の数平均分子量は1000乃至約3000である。更に好ましくは、低分子量成分と高分子量成分の両方がポリイソブテニルコハク酸無水物である。あるいは、様々な分子量のポリアルキレンコハク酸無水物成分を、上記に明らかにした他の上記分散剤の混合物と同様に、分散剤として組み合わせることができる。
【0067】
上述したように、ポリアルキレンコハク酸無水物は、ポリアルキレン(好ましくはポリイソブテン)と無水マレイン酸との反応生成物である。このようなポリアルキレンコハク酸無水物の合成には、従来のポリイソブテン、または高メチルビニリデンポリイソブテンを用いることができる。この合成では、熱的方法、塩素化法、遊離基法、酸触媒法、あるいはその他の任意の方法を用いることができる。好適なポリアルキレンコハク酸無水物の例としては、米国特許第3361673号に記載の熱的PIBSA(ポリイソブテニルコハク酸無水物)、米国特許第3172892号に記載の塩素化PIBSA、米国特許第3912764号に記載の熱的及び塩素化PIBSAの混合物、米国特許第4234435号に記載の高コハク酸比PIBSA、米国特許第5112507号及び第5175225号に記載のポリPIBSA、米国特許第5565528号及び第5616668号に記載の高コハク酸比ポリPIBSA、米国特許第5286799号、第5319030号及び第5625004号に記載の遊離基PIBSA、米国特許第4152499号、第5137978号及び第5137980号に記載の高メチルビニリデンポリブテンから合成したPIBSA、欧州特許出願公開第EP355895号に記載の高メチルビニリデンポリブテンから合成した高コハク酸比PIBSA、米国特許第5792729号に記載の三元共重合体PIBSA、米国特許第5777025号及び欧州特許出願公開第EP542380号に記載のスルホン酸PIBSA、および米国特許第5523417号及び欧州特許出願公開第EP602863号に記載の精製PIBSAがある。これら各文書の開示内容も全て本明細書の記載とする。
【0068】
ポリアルキレンコハク酸無水物成分は、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物の重量の2乃至40重量%を占めることが好ましく、より好ましくは5乃至20重量%、そして更に好ましくは10乃至15重量%を占める。
【0069】
一般に、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物において、水和ホウ酸ナトリウムは、ポリアルキレンコハク酸無水物分散剤について、少なくとも2:1の比であり、好ましくは2:1乃至10:1の範囲にある。より好ましい態様では、その比は少なくとも5:2である。別の好ましい態様では、ポリアルキレンコハク酸無水物の上記混合物が用いられる。
【0070】
分散剤の特に好ましい組合せとしては、ポリアルキレンコハク酸無水物と、カルシウムポリイソブテニルスルホネート、特に高反応性ポリイソブテンから合成したものとの混合物が挙げられる。そのような混合物は、例えば、米国特許出願第09/967049号、2001年9月28日出願、代理人番号005950−697(T−5926)、題名「ポリアルキレンコハク酸無水物とポリイソブテニルスルホネートに分散したアルカリ金属ホウ酸塩を含む潤滑剤組成物」に開示されていて、その出願内容も全て本明細書の記載とする。
【0071】
[清浄剤]
本発明の組成物は任意に、清浄剤を含有していてもよい。本発明の目的に適した清浄剤には多数の物質がある。これらの物質としては、フェネート(高過塩基性または低過塩基性)、高過塩基性フェネートステアレート、フェノラート、サリチレート、ホスホネート、チオホスホネート、スルホネート、およびそれらの混合物を挙げることができる。上記に関して、過塩基性のフェネート、サリチレートおよびスルホネートには当該分野で公知の非ホウ酸塩およびホウ酸塩誘導体も含まれる。好ましくは、高過塩基性スルホネート、低過塩基性スルホネート、またはフェノキシスルホネートなどのスルホネートが用いられる。さらに、スルホン酸自体も用いることができる。
【0072】
スルホネート清浄剤は、炭素数15〜200の炭化水素スルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩であることが好ましい。「スルホネート」は、石油製品から誘導されたスルホン酸の塩を包含することが好ましい。そのような酸は当該分野ではよく知られている。石油製品を硫酸または三酸化硫黄で処理することにより得ることができる。こうして得られた酸は石油スルホン酸として、またその塩は石油スルホネートとして知られる。スルホネート化される石油製品の大部分は、油溶化炭化水素基を含んでいる。「スルホネート」の意味にはまた、合成アルキルアリール化合物のスルホン酸の塩も包含される。これらの酸もまた、アルキルアリール化合物を硫酸または三酸化硫黄で処理することにより合成される。
アリール環の少なくとも1個のアルキル置換基は、上記したように油溶化基である。こうして得られた酸はアルキルアリールスルホン酸として、またその塩はアルキルアリールスルホネートとして知られる。アルキルが直鎖であるスルホネートは、公知の線状アルキルアリールスルホネートである。
【0073】
スルホン化により得られた酸を、塩基性で反応性のアルカリ又はアルカリ土類金属化合物で中和することにより金属塩に変えて、I族又はII族金属スルホネートを生成させる。一般に、酸はアルカリ金属塩基で中和する。アルカリ土類金属塩はアルカリ金属塩から複分解により得られる。あるいは、スルホン酸をアルカリ土類金属塩基で直接に中和することもできる。よって、本発明の目的にはスルホネートは過塩基性であってもよいが、過塩基性は必然ではない。過塩基性物質およびそのような物質の合成方法は、当該分野の熟練者にはよく知られている。
例えば、1970年2月17日発行の米国特許第3496105号(ルスール)の特に第3、4欄を参照されたい。
【0074】
スルホネートは、潤滑油組成物中にアルカリ及び/又はアルカリ土類金属塩またはそれらの混合物の形で存在する。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムが挙げられる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムおよびバリウムが挙げられ、そのうちでも後者の二つが好ましい。
【0075】
しかしながら、特に好ましいのは、その広い入手可能性ゆえに、石油スルホン酸の塩、特には、潤滑油留分などの各種の炭化水素留分、および炭化水素油を選択した溶媒で抽出して得られた芳香族に富んだ抽出物をスルホン化して得られた石油スルホン酸の塩であり、その抽出物は所望により、スルホン化前にアルキル化触媒を用いてオレフィンまたは塩化アルキルと反応させてアルキル化してもよい。また、ベンゼンジスルホン酸などの有機ポリスルホン酸の塩等であり、これはアルキル化してあってもしてなくてもよい。
【0076】
本発明で使用するのに好ましい塩は、アルキル基(類)が炭素原子を少なくとも約8個、例えば炭素原子約8〜22個を含むアルキル化芳香族スルホン酸の塩である。スルホネートの出発物質として別の好ましいグループは、脂肪族置換基(類)が全部で炭素原子を少なくとも12個含む脂肪族置換環状スルホン酸であり、例えばアルキルアリールスルホン酸、アルキル脂環式スルホン酸、アルキル複素環式スルホン酸、および脂肪族基(類)が全部で炭素原子を少なくとも12個含む脂肪族スルホン酸である。これら油溶性スルホン酸の特定の例としては、石油スルホン酸、ペトロラタムスルホン酸、モノ及びポリワックス置換ナフタレンスルホン酸、置換スルホン酸、例えばセチルベンゼンスルホン酸、セチルフェニルスルホン酸等、脂肪族スルホン酸、例えばパラフィンワックススルホン酸、ヒドロキシ置換パラフィンワックススルホン酸等、脂環式スルホン酸、石油ナフタレンスルホン酸、セチルシクロペンチルスルホン酸、モノ及びポリワックス置換シクロヘキシルスルホン酸等を挙げることができる。「石油スルホン酸」は、石油製品から直接誘導されるスルホン酸全てを包含することを意味する。
【0077】
この組成物に使用するのに適した代表的なII族金属スルホネートとしては、以下に例示する金属スルホネートを挙げることができる:カルシウムホワイトオイルベンゼンスルホネート、バリウムホワイトオイルベンゼンスルホネート、マグネシウムホワイトオイルベンゼンスルホネート、カルシウムジポリプロペンベンゼンスルホネート、バリウムジポリプロペンベンゼンスルホネート、マグネシウムジポリプロペンベンゼンスルホネート、カルシウムマホガニー石油スルホネート、バリウムマホガニー石油スルホネート、マグネシウムマホガニー石油スルホネート、カルシウムトリアコンチルスルホネート、マグネシウムトリアコンチルスルホネート、カルシウムラウリルスルホネート、バリウムラウリルスルホネート、マグネシウムラウリルスルホネート等。使用できる金属スルホネートの濃度は、ホウ酸ナトリウム粒子の濃度に依存して広範囲にわたって変えることができる。しかしながら、濃度は、一般には0.2乃至約10重量%の範囲にあり、好ましくは3乃至7重量%の範囲にある。さらに、本発明の組成物は、前述したように金属スルホネートと無灰分散剤両方の混合物を含有していてもよく、その比は水和分散状ホウ酸塩組成物の適正な安定度を達成する因子である。
【0078】
[潤滑粘度の油]
水和ホウ酸ナトリウムおよび分散剤が添加される潤滑油は、任意の炭化水素ベースの潤滑油であってもよいし、あるいは合成の基油原料であってもよい。また、これらの潤滑油は、前述したように分散状のホウ酸ナトリウム組成物およびそれを含む添加剤パッケージに添加して、完成油組成物を形成することができる。
炭化水素ベースの潤滑油は、合成もしくは天然の原料から誘導してもよく、またパラフィン基、ナフテン基またはアスファルテン基、あるいはそれらの混合物であってもよい。希釈油は天然でもあるいは合成でもよく、また種々の粘度グレードであってもよい。
【0079】
潤滑油は、分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物の全重量に基づいて、30乃至70重量%、より好ましくは45乃至55重量%を占める。
【0080】
[配合物]
上述した分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は、一般にはブレンドして、そのような分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物を含む添加剤パッケージを形成する。これらの添加剤パッケージは通常、約10乃至80重量%の上記分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物と、約90乃至20重量%の一種以上の従来の添加剤とからなり、そして添加剤は、無灰分散剤(0〜10%)、清浄剤(0〜5%)、硫化炭化水素(0〜40%)、リン酸水素ジアルキル(0〜15%)、ジチオリン酸亜鉛(0〜20%)、リン酸及び/又はチオ−ジチオリン酸アルキルアンモニウム(0〜20%)、亜リン酸塩(0〜10%)、ペンタエリトリトールモノオレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステル(0〜10%)、2,5−ジメルカプトチアジアゾール(0〜5%)、ベンゾトリアゾール(0〜5%)、分散性二硫化モリブデン(0〜5%)、消泡剤(0〜2%)、およびイミダゾリン(0〜10%)等からなる群より選ばれる。ここで、各重量%は組成物の全重量に基づく。
【0081】
本発明の方法に用いられる完全に配合された調合済み潤滑油組成物は、これらの添加剤パッケージから、更に潤滑粘度の油とブレンドすることによって配合することができる。好ましくは、上記添加剤パッケージを潤滑粘度の油に、約2乃至15重量%の量で添加して調合済み潤滑油組成物とする。ここで、添加剤パッケージの重量%は組成物の全重量に基づく。より好ましくは、潤滑粘度の油と一緒に、粘度指数向上剤を0〜12%のレベルで、および/または流動点降下剤を0〜1%のレベルで加えて、調合済み油を得る。ここで、粘度指数向上剤と流動点降下剤の各重量%は組成物の全重量に基づく。
【0082】
本発明の潤滑油には、その他各種の添加剤が存在していてもよい。それらの添加剤としては、酸化防止剤、錆止め剤、腐食防止剤、極圧剤、消泡剤、他の粘度指数向上剤、他の耐摩耗剤、およびその他当該分野で公知の各種の添加剤を挙げることができる。
【0083】
【実施例】
本発明について、以下の実施例により更に説明するが、これらの実施例は特に有利な方法の態様を示すものである。なお、実施例は本発明を説明するためのものであって、それによって本発明が限定されるものではない。
【0084】
下記の略語は、本明細書で使用するとき以下の意味である。定義されていない場合には、略語は当該分野で認知されている意味である。
g = グラム
IR = 赤外
Mg = ミリグラム
mm = ミリメータ
NTU又はntu = 比濁濁り度単位
TBN = 全塩基価
【0085】
さらに、特に断わらない限りは、以下に列挙する百分率は全て、記載した組成物の全重量に基づく重量%である。
【0086】
[実施例1]
本発明の方法に用いられる分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物は一般に、水酸化ナトリウムとホウ酸の水溶液の油中水型乳化液を脱水することにより製造することができる。ホウ素とナトリウムとの比が3:1の溶液を調製することが好ましい。この水溶液を、ニュートラル油、分散剤および/または清浄剤の組合せに添加し混合して、乳化液を生成させる。得られた乳化液を加熱して一部脱水する。減圧を用いることもできるし、また温度を適宜設定することができる。乳化液の脱水過程では、乳化液から水分が一定温度、例えば約102℃で、急速に除去される第一の期間がある。この期間後には殆ど全てのプロセス水が除去されていて、この段階の後に除去される水分は水和ホウ酸ナトリウムの脱水によるものである。次いで、温度を緩やかに上昇させて乳化液を濁った状態から透明に変化させる。脱水率および温度が上がり続けるにつれて、得られた液体は再び濁ってくる。下記の装置は、これらの実施例で使用したとき実験データを測定するために用いた。
【0087】
濁り度:ハック比濁り度計18900型を用いて、完成油の濁り度をそのままで20℃で測定した。濁り度計は、18および180ntuのホルマジン第一標準を用いて調整した。
全塩基価(TBN):ASTM法D2896により、ブリンクマン682滴定処理機を用いてTBNを測定した。
粒径分布(PSD):ホリバLA-920粒径分析器を用い、ホリバLA-920ソフトウェアを稼動させ、相対屈折率を「126A000I」に設定して、粒径分布を測定した。分散剤液としてGCグレードのn−ヘプタンを用いた。
【0088】
(分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物)
ホウ酸ナトリウム水溶液と清浄分散剤油溶液の水中油型乳化液を、250°Fで約1.5時間、そして270°Fで約3.25時間かけて加熱することにより脱水して、四種類の分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物(1A−1D、表1参照)を製造した。水溶液は、2リットルのガラスビーカー中で、脱イオン水136.4g、99.5%のホウ酸(EMサイエンス)109.8g、50%の水酸化ナトリウム水(VWR)46.8g、および99.5%の炭酸ナトリウム(EMサイエンス)0.30gの混合物を、ホウ酸が完全に溶解するまで撹拌しながら加熱することにより調製した。水中油型乳化液は、I種基油であるエクソン150ニュートラル油136.15g、分子量約1100amuのアルケニルコハク酸塩30.25g、およびTBNが約5mgKOH/gの中性カルシウムスルホネート13.25gを含有する油相に、この水性相を激しく混合しながら徐々に添加して作った。乳化液またはミクロ乳化液を形成するには、高剪断混合機が好ましい。
次に、機械撹拌器、加熱マントル、温度調節器および窒素流ラインを備えた1リットルのステンレス鋼反応がま中で、乳化液を脱水した。四つのバッチを時間を違えて約250°Fまたは270°Fに加熱し、これにより複数の異なる脱水条件を決定した。
【0089】
表1は、四種類のホウ酸ナトリウム分散液生成物についてのOH:B比および濁り度データを含む。これらの生成物は、異なった加熱速度と最終脱水温度で製造した。データが示すように、約3時間かけて250°Fで脱水した試料と約1.75時間かけて270°Fで脱水した試料は、1.5時間かけて250°Fで脱水した試料と3.5時間かけて270°Fで脱水した試料よりも、濁り度が低い。濁り度及び得られたOH:B比は、脱水中に実施した作業条件の関数である。
【0090】
【表1】
Figure 0004542318
【0091】
(現場赤外(IR)測定でモニタした脱水)
実施例1A−Dと同様にして製造した乳化液の脱水の間、現場プローブを用いてIRデータを収集した。反応がまには、アプライド・システムズ(株)により製作された現場反応IR MPモバイルIRプローブが備えられていて、プローブは六方反射ダイヤモンド被覆ZnSe ATR素子であった。同じくアプライド・システムズ(株)により製作された反応IRソフトウェアを用いて、IRスペクトルを1分毎に集めたので、反応過程の間中ピーク高さ/面積を探知することができた。次いで、これらのピーク高さ/面積を時間でプロットした。脱水の間、様々な時間に試料を採取した。前述したようにして、濁り度を測定し、またOH:B比を算出した。試料の粒径分布、濁り度、OH:B比およびTBNについて分析した。濁り度とOH:B比を表2に表示する。
【0092】
【表2】
表 2 濁り度及びOH:B比データ
──────────────────────
試料 濁り度 OH:B比
(ntu)
──────────────────────
1E 200 2.18:1(比較例である)
1F 77 1.57:1
1G 24 1.38:1
1H 14.6 1.28:1
1I 11.5 1.21:1
1J 14.6 1.10:1
1K 20 1.02:1
1L 34 0.91:1
1M 51 0.84:1
1N 62 0.72:1
──────────────────────
【0093】
濁り度は脱水反応過程で減少し、次いで最小値を通過したのち増加することが明らかである。高い脱水温度でこの低濁り度点後の脱水終点を調節して製造した生成物は、OH:B比を約0.8:1と1.6:1の間に維持したときに最小濁り度に近づくことが分かる。濁り度は、特定のOH:B範囲で低く、そしてOH:B比が約1:1〜約1.3:1で最小となる。この最小値変曲は、OH:B比の範囲と関係があり、結果として得られた混合物に均質な分散をもたらす。分散剤の種類および添加剤がこの曲線の形状、または最小濁り度をもたらす特定のOH:B比値に影響を与えると予測されるが、その一方で所望の範囲は上記の方法により求めることができる。
【0094】
低濁り度点は高い脱水温度で観察されるが、一方、このことと所望の周囲温度0〜50℃での分散状水和ホウ酸ナトリウム組成物の低濁り度点とは相互関係にない。この温度または周囲温度での分散状水和ホウ酸ナトリウム組成物の濁り度の改善を達成するためには、乳化液が再び濁った状態になるまで更に脱水を続けなければならない。この更なる脱水の追加量は遡って算出され、関心温度の乳化液で所望の結果を達成する。
【0095】
低濁り度点後の継続した脱水は、結果として高い濁り度をもたらす。継続した脱水は実際に、ホウ酸塩の沈殿および沈降をもたらすことになる。
【0096】
[実施例2]
実施例1と同様にして、六種類の異なる分散状水和ホウ酸ナトリウム組成物を製造した。ただし、使用したカルシウムスルホネートはTBNが約17mgKOH/gの低過塩基性カルシウムスルホネートであった。これらの組成物のOH:B比は以下の通りであった:
実施例2A: OH:B比が1.0:1
実施例2B: OH:B比が1.24:1
実施例2C: OH:B比が1.13:1
実施例2D: OH:B比が0.91:1
実施例2E: OH:B比が0.86:1
実施例2F: OH:B比が0.68:1
【0097】
これらの各組成物を下記成分からなる潤滑剤組成物に配合した:
従来の添加剤を更に含有する600N/透明原料油の約87:13混合物97g。例えば、米国特許第4717490号(サレンタイン、特許文献13)を参照されたい。
実施例2A−2Fの各分散状水和ホウ酸ナトリウム組成物3g。
上記の組成物をそれぞれ、「実施例2A、2B、2C、2D、2E及び2Fの組成物」と呼ぶことにする。
【0098】
市販の分散状水和ホウ酸カリウム(OH:B比約0.8:1、K:B比約1:3)を同じ添加剤と基油原料を用いて配合して、比較のための潤滑剤組成物とした。
この組成物を「比較組成物」と呼ぶことにする。
【0099】
上記の組成物を同様のギヤセットに使用し、次いでこれらのギヤセットについて、高温L−37試験(シェルマン、外、SAE テクニカル・ペーパ・シリーズ831732に記載)にて同一の条件下で評価した。この試験の低速、高トルク運転を163℃で約16時間行った。この試験は、運転後におけるギヤセットの摩耗、並びにギヤセットのリッジングとピッチングで例示される表面疲労の程度を測定するものであり、ギヤセットの摩耗および疲労防止における潤滑剤組成物の性能を評価する厳密な試験であると理解されている。この試験の結果を0から10の尺度で評価する。ここで、数字が低いほどギヤセットの摩耗および疲労が大きい、または重大であることを表し、そして数字が高いほど摩耗または疲労が僅かである、または全く無いことを表す。
この評価の結果を下記に示す。
【0100】
【表3】
Figure 0004542318
【0101】
上記のデータは、本発明に用いられる分散状水和ホウ酸ナトリウム組成物が、高温で作動させたギヤセットの摩耗および疲労を顕著に防止して、比較のための分散状の水和ホウ酸カリウム組成物を越える著しい改善を示すことを実証している。
【0102】
以上の記述から、上述した本発明における様々な修正や変更は当該分野の熟練者にとって起こりうることである。添付した特許請求の範囲内となるそのような変更は全て、請求の範囲に包含されるものである。
【0103】
【発明の効果】
本発明は、ギヤセットのリッジングやピッチングから判断される摩耗および疲労の低減が、分散状の水和ホウ酸ナトリウムを含む潤滑剤組成物の使用によって達成できるという、新規な予期し得ない発見に関する。

Claims (10)

  1. ギヤセットを少なくとも163℃の温度で作動させる間の、リッジングおよびピッチングをもたらす摩耗および金属疲労の低減から計測されるギヤ損傷の防止を行なう方法であって、下記成分からなる分散状の水和ホウ酸ナトリウム組成物:
    (a)水和ホウ酸ナトリウム、
    (b)分散剤、および
    (c)潤滑粘度の油、
    [ただし、水和ホウ酸ナトリウムのナトリウムとホウ素との比が1:2.9乃至1:3.1であって、ヒドロキシル基とホウ素との比が0.5:1乃至1.8:1であり、濁り度が300ntu以下である]を用いて、該ギヤセットを作動させることからなる方法。
  2. 分散状の水和ホウ酸ナトリウムのナトリウムとホウ素との比が1:3である請求項1に記載の方法。
  3. 分散状の水和ホウ酸ナトリウムのヒドロキシル基とホウ素との比が0.5:1乃至1.6:1である請求項1に記載の方法。
  4. 分散状の水和ホウ酸ナトリウムのヒドロキシル基とホウ素との比が0.7:1乃至1.6:1である請求項3に記載の方法。
  5. 分散状の水和ホウ酸ナトリウムのヒドロキシル基とホウ素との比が0.8:1乃至1.6:1である請求項4に記載の方法。
  6. 該組成物が更に、ホウ素原子1モル当り水溶性オキソアニオン0.001モル乃至0.11モルを含有する請求項1に記載の方法。
  7. 該水溶性オキソアニオンが、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩、スズ酸塩、亜鉛酸塩、鉛酸塩、チタン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、ウラン酸塩、イソポリモリブデン酸塩、イソポリタングステン酸塩、ヘテロポリモリブデン酸塩、ヘテロポリタングステン酸塩、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項6に記載の方法。
  8. 該分散剤が、ポリアルキレンコハク酸イミド、ポリアルキレンコハク酸無水物、ポリアルキレンコハク酸、ポリアルキレンコハク酸の一又は二塩、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項1に記載の方法。
  9. 該組成物が該分散剤を、組成物の全重量に基づいて2乃至40重量%含有する請求項1に記載の方法。
  10. 該組成物がさらに、組成物の全重量に基づいて0.2乃至10重量%の清浄剤を含有する請求項1に記載の方法。
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