JP4539439B2 - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、排気系の触媒コンバータの早期昇温(早期活性化)が要求される冷間始動時などにおける噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、筒内直接噴射式火花点火内燃機関の触媒暖機方法として、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態のときに、吸気行程から点火時期にかけての期間内で、部分的な空燃比の濃淡を有する混合気を燃焼室内に形成する後期噴射と、この後期噴射より前に燃料を噴射して、後期噴射の燃料と後期噴射の燃焼とで延焼可能な、理論空燃比よりもリーンな空燃比の混合気を燃焼室内に生成する早期噴射と、の少なくとも2回の分割噴射を行い、かつ点火時期をMBT点より所定量リタードさせるとともに、機関の無負荷領域では点火時期を圧縮上死点よりも前に設定し、無負荷領域を除く低速低負荷領域では点火時期を圧縮上死点以降までリタードさせる技術が記載されている。上記後期噴射は、圧縮行程の中期以降、例えば120°BTDC〜45°BTDCに行われる。
特許第3325230号公報
内燃機関の冷機時における触媒の早期活性化および後燃えによるHC低減のためには、点火時期の遅角が有効であり、より大きな効果を得るためには、圧縮上死点以降の点火(ATDC点火)が望ましい。ATDC点火で安定した燃焼を行わせるためには、燃焼期間を短縮する必要があり、そのために、筒内の乱れを強化して、燃焼速度(火炎伝播速度)を上昇させることが必要である。
このような乱れの強化のために、筒内に高圧で噴射される燃料噴霧のエネルギにより筒内に乱れを生成することが考えられる。
しかしながら、特許文献1では、主に、1回目の燃料噴射(早期噴射)を吸気行程中に行い、2回目の燃料噴射(後期噴射)を圧縮行程中の120°BTDC〜45°BTDCに行っている。このように最後の燃料噴射が圧縮上死点よりも前では、その噴霧により筒内に乱れを生成しても、圧縮上死点以降はその乱れが減衰してしまい、ATDC点火での火炎伝播速度上昇には寄与しない。
例えば、図8は、吸気ポート内に設けたガス流動制御弁(例えばタンブル制御弁)を作動させた場合とこのようなガス流動制御弁を具備しない場合とについて、筒内の乱れの大きさを示したものであるが、ガス流動制御弁を作動させることで吸気行程中に生成した乱れ(符号Aの部分)は、圧縮行程の進行とともに減衰し、圧縮行程後期のタンブル流の崩壊に伴い一時的に乱れが大きくなる(符号Bの部分)ものの、圧縮上死点以降は符号Cで示すように急速に減衰してしまい、その乱れを用いた燃焼改善(火炎伝播向上)はあまり期待できない。燃料噴霧による乱れについても同様であり、圧縮上死点より前の燃料噴射により乱れが生成されたとしても、圧縮上死点以降の点火燃焼には寄与しない。
このため、ATDC点火の方が排温上昇やHC低減に有利であるが、燃焼安定性が成立しないため、特許文献1では、無負荷領域では点火時期を圧縮上死点前(BTDC点火)としている。
本発明は、このような実状を踏まえて、触媒の早期活性化およびHC低減などのためのATDC点火での燃焼安定性を改善することを目的としている。
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のとき、例えば触媒コンバータの冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行うことを特徴としている。なお、NOxを吸着するNOxトラップ触媒においては、硫黄成分(SOx)が触媒に付着することによりNOx吸着性能が低下するので、触媒を強制的に高温化してSOxを放出するSOx放出処理(硫黄被毒解除)を行う必要があるが、このSOx放出処理の際の排気ガス温度の昇温を、上記の超リタード燃焼を利用して行うことも可能である。そして、本発明では、特に、この超リタード燃焼での運転中に負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時に、一部の燃料を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射するようにしている。
すなわち、圧縮上死点以降では、吸気行程や圧縮行程で生成された乱れは減衰してしまうが、圧縮上死点以降の膨張行程中になされる燃料噴射によって、筒内の乱れを生成・強化することができ、ATDC点火での火炎伝播が促進される。従って、点火時期を圧縮上死点後とした超リタード燃焼が安定的に成立する。
ここで、上記のような超リタード燃焼においては、アクセル開度の急増や補機負荷の入力等により負荷が急激に増加したときに、上記のような膨張行程中の燃料噴射の噴射量を増加しても、トルクの立ち上がりは比較的遅く、トルク応答性の点では好ましくない。また、膨張行程噴射の燃料噴射量があるレベル以上になると、過濃な混合気の塊が生じ、スモークの悪化の要因となる。
そこで、本発明では、超リタード燃焼での運転中に負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時に、一部の燃料を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射する。
例えば、上記超リタード燃焼が膨張行程中の1回の燃料噴射のみによって実現される場合には、上記の過渡時に、吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射を追加する。
このように吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射された燃料のエネルギは、膨張行程中の燃料噴射に比較してより高い効率でトルクに変換される。従って、過渡時のトルク応答性が向上する。そして、吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射された燃料は、膨張行程噴射の噴射時期前に筒内に拡散し、ここに膨張行程噴射による燃料が噴射されるので、過濃な混合気の塊ひいてはスモークの発生が抑制される。
本発明の一つの態様では、上記超リタード燃焼が、膨張行程中の主噴射に先だって吸気行程中もしくは圧縮行程前半に行われる早期噴射を含む場合があり、この場合には、上記の過渡時に、この早期噴射の噴射量を増加する。
また本発明の一つの態様では、上記超リタード燃焼が、膨張行程中の主噴射に先だって圧縮行程後半に行われる早期噴射を含む場合があり、この場合には、上記の過渡時に、この早期噴射を圧縮行程前半に行うとともに、その噴射量を増加する。
望ましくは、上記の過渡時に、同時に点火時期を進角補正する。これにより、負荷上昇に伴う燃焼悪化を回避するとともに、トルク応答性がより向上する。
また望ましくは、負荷の増加速度が大きいほど吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射の噴射量を大とする。
なお、負荷の増加に伴い、負荷に見合う総燃料噴射量自体が増加することになるが、膨張行程噴射の噴射量は、吸気行程中もしくは圧縮行程中の噴射量の増加あるいは噴射の追加を行う間、総燃料噴射量の増加に伴って増加させてもよく、あるいは変化させずに一定に維持するようにしてもよく、あるいは吸気行程噴射もしくは圧縮行程噴射の噴射量を考慮して逆に減少させるようにしてもよい。
また、吸気行程噴射もしくは圧縮行程噴射の追加や噴射量の増加は、過渡の初期に行えばよく、過渡変化後、時間経過に伴って吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射の噴射量を徐々に減少させるようにしてもよい。なお、この減少に伴って、膨張行程噴射の噴射量は徐々に増加させることになる。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼の燃焼安定性を十分に確保することができ、例えば冷間始動の際に、触媒の早期活性化および後燃えによるHC低減を達成することができる。そして、負荷が急激に増加したときに、燃料の一部を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射することにより、トルク応答性を高めることができ、かつスモークの悪化を回避できる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関のシステム構成を示す構成説明図である。
この内燃機関1のピストン2により形成される燃焼室3には、吸気弁(図示せず)を介して吸気通路4が接続され、かつ排気弁(図示せず)を介して排気通路5が接続されている。上記吸気通路4には、吸入空気量を検出するエアフロメータ6が配設されているとともに、制御信号によりアクチュエータ8を介して開度制御される電子制御スロットル弁7が配設されている。排気通路5には、排気浄化用の触媒コンバータ10が配設されているとともに、その上流側および下流側にそれぞれ空燃比センサ11,12が設けられており、さらに、上流側の空燃比センサ11と並んで、触媒コンバータ10入口側での排気温度を検出する排気温度センサ13が設けられている。
燃焼室3の中央頂上部には、点火プラグ14が配置されている。また、燃焼室3の吸気通路4側の側部に、該燃焼室3内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。この燃料噴射弁15には、高圧燃料ポンプ16およびプレッシャレギュレータ17によって所定圧力に調圧された燃料が、高圧燃料通路18を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。なお、19は、燃圧を検出する燃圧センサ、20は、上記高圧燃料ポンプ16へ燃料を送る低圧燃料ポンプである。
また内燃機関1には、機関冷却水温を検出する水温センサ21が設けられているとともに、クランク角を検出するクランク角センサ22が設けられている。さらに、運転者によるアクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ23が設けられている。
上記内燃機関1の燃料噴射量や噴射時期、点火時期、等は、コントロールユニット25によって制御される。このコントロールユニット25には、上述した各種のセンサ類の検出信号が入力されている。コントロールユニット25は、これらの入力信号により検出される機関運転条件に応じて、燃焼方式つまり均質燃焼とするか成層燃焼とするかを決定するとともに、これに合わせて、電子制御スロットル弁7の開度、燃料噴射弁15の燃料噴射時期および燃料噴射量、点火プラグ14の点火時期、等を制御する。なお、暖機完了後においては、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転として、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。燃料噴霧は点火プラグ14近傍に層状に集められ、これにより、空燃比を30〜40程度とした極リーンの成層燃焼が実現される。また、高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転として、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点近傍において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となる。この均質燃焼運転としては、運転条件に応じて、空燃比を理論空燃比とした均質ストイキ燃焼と、空燃比を20〜30程度のリーンとした均質リーン燃焼と、がある。
本発明は、触媒コンバータ10の早期昇温が要求される内燃機関1の冷間始動時において、排気温度を高温とするように、超リタード燃焼を行うものであり、以下、この超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を図2に基づいて説明する。
図2は、超リタード燃焼の第1実施例を示しており、この実施例では、同図の(a)に示すように、点火時期を15°〜30°ATDC(例えば20°ATDC)とし、燃料噴射時期(詳しくは燃料噴射開始時期)を、圧縮上死点以降でかつ点火時期前に設定する。なお、このとき、空燃比は、理論空燃比ないしはこれよりも若干リーン(16〜17程度)に設定される。
すなわち、触媒暖機促進ならびにHC低減のためには、点火時期遅角が有効であり、上死点以降の点火(ATDC点火)が望ましいが、ATDC点火で安定した燃焼を行わせるためには、燃焼期間を短縮する必要があり、そのためには、乱れによる火炎伝播を促進しなければならない。前述したように、圧縮上死点以降では、吸気行程や圧縮行程で生成された乱れは減衰してしまうが、本発明では、圧縮上死点以降の膨張行程中になされる高圧の燃料噴射によって、ガス流動が生じ、これにより筒内の乱れを生成・強化することができる。従って、ATDC点火での火炎伝播が促進され、安定した燃焼が可能となる。
特に、点火時期を15°〜30°ATDCまで遅角させることにより、触媒の早期活性化およびHC低減のための十分な後燃え効果を得ることができる。換言すれば、このように点火時期を大きく遅らせても、その直前まで燃料噴射を遅らせて、乱れの生成時期も遅らせることで、火炎伝播向上による燃焼改善を達成できるのである。
ここで、負荷が急激に増加した場合、詳しくは負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時には、図2の(b)に示すように、膨張行程中の主噴射I1に先だって、吸気行程中に、燃料の一部が早期噴射I2として噴射される。この早期噴射I2の噴射量は、負荷の増加速度によって変化し、図5に示すように、負荷増加速度、例えばスロットル弁開度TVOの変化速度ΔTVOが大きいほど早期噴射I2の噴射量が大きく与えられる。なお、変化速度ΔTVOが小さい領域では、燃料噴射弁15の応答性や制御精度等の点で定まる所定の最小噴射時間に制限され、それ以上、早期噴射I2の噴射量が少なくなることはない。
また、この早期噴射I2を行っているときの主噴射I1の噴射量は、必要なトルクに見合った総燃料噴射量から早期噴射I2の噴射量を差し引いたものとなる。
負荷の急増の一つとして、オン・オフ的に加わる補機負荷に対処する場合には、早期噴射I2の噴射量を、補機毎に定めた一定値として与えるようにしてもよい。つまり、ある補機がオンとなったときに、その切換直後の僅かな間、所定量の早期噴射I2が行われる。
また、点火時期は、燃焼悪化を回避するために、負荷上昇に伴って進角補正される。最終的な内燃機関のトルクは、点火時期の補正によって応答性よく微調整することが可能である。
このように、負荷が急激に増加したときに、点火時期を進角補正するとともに、吸気行程中に早期噴射I2を追加的に行うことで、過渡時のトルク応答性が向上する。そして、早期噴射I2による燃料は、膨張行程中の主噴射I1の噴射時期前に筒内に拡散し、ここに主噴射I1による燃料が噴射されるので、過濃な混合気の塊ひいてはスモークの発生が抑制される。
なお、図6は冷機時の運転モードを示しているが、この図6に示すように、冷機時であっても、高負荷域および高速域においては、超リタード燃焼は解除され、通常の成層燃焼運転ないしは均質燃焼運転が行われる。
図7は、この実施例の制御の概略を示すフローチャートであって、まずステップ1で、超リタード燃焼の禁止条件が成立しているか否かの判定を行う。例えば、冷却水温が80℃を越えている場合や、図7に示す高負荷域あるいは高速域では、超リタード燃焼が禁止されるので、ステップ2へ進み、通常モードとして通常の成層燃焼運転ないしは均質燃焼運転を行う。超リタード燃焼が禁止されていない場合は、ステップ3へ進み、負荷の急増後、所定期間内であるか否か判定する。ここでNOであれば、ステップ4へ進み、超リタード燃焼、特に膨張行程中の主噴射I1のみによる運転を行う。
一方、ステップ3でYESであれば、ステップ5へ進み、早期噴射I2と主噴射I1とによる運転を行う。具体的には、初回は、スロットル弁開度TVOの変化速度ΔTVO等に基づいて、早期噴射I2の噴射量を決定し、この早期噴射I2の噴射量を考慮して、主噴射I1の噴射量を決定する。そして、吸気行程中に早期噴射I2を行い、圧縮上死点後の膨張行程中に主噴射I1を行う。2回目以降は、早期噴射I2の噴射量を初期値から徐々に減少させ、これに対応して主噴射I1の噴射量を徐々に増加させ、同様に、所定の時期にそれぞれの噴射を行う。
次に、図3は、超リタード燃焼の第2実施例を示している。これは、同図(a)に示すように、定常時の超リタード燃焼における燃料噴射を2回に分割した例であり、1回目の燃料噴射を吸気行程中に行い、2回目の燃料噴射を圧縮上死点以降に行う。なお、点火時期および空燃比(2回の噴射を合わせた空燃比)は第1実施例と同様である。
このように、圧縮上死点後の膨張行程中の燃料噴射(主噴射I1)に先立ち、吸気行程中に燃料噴射(早期噴射I2)を行うと、早期噴射I2の燃料噴霧による乱れは圧縮行程後半で減衰してしまい、圧縮上死点後におけるガス流動強化には殆ど影響を与えないが、噴射燃料が燃焼室全体に拡散していて、ATDC点火によるHCの後燃えの促進に寄与するので、HC低減および排温上昇には有効である。
そして、この第2実施例の場合、負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時には、図3の(b)に示すように、膨張行程中の主噴射I1の噴射量は基本的に変化させずに、吸気行程中の早期噴射I2の噴射量を増加する。点火時期は、燃焼悪化を回避するために、同様に、負荷上昇に伴って進角補正される。なお、第1実施例と同様に、早期噴射I2の噴射量の増加量を、負荷の増加速度によって変化させるようにしてもよい。
次に、図4は、超リタード燃焼の第3実施例を示している。これは、同図(a)に示すように、第2実施例と同じく定常時の超リタード燃焼における燃料噴射を2回に分割した例であり、1回目の燃料噴射を圧縮行程後半にて行い、2回目の燃料噴射を圧縮上死点以降の膨張行程中に行う。なお、点火時期および空燃比(2回の噴射を合わせた空燃比)は第1,第2実施例と同様である。このように、圧縮上死点後の膨張行程中の燃料噴射(主噴射I1)に先立ち、圧縮行程後半に燃料噴射(早期噴射I2)を行うと、第2実施例の吸気行程噴射(早期噴射I2)に比べれば、圧縮行程噴射の方が、その燃料噴霧による乱れの減衰が遅くなるため、この1回目の燃料噴射(早期噴射I2)による乱れが残り、圧縮上死点以降に2回目の燃料噴射(主噴射I1)を行うことで、1回目の燃料噴射で生成した乱れを助長するように乱れを強化でき、圧縮上死点付近における更なるガス流動強化が図れる。
この第3実施例の場合に、早期噴射I2は、圧縮行程後半(90°BTDC以降)とすることで上死点付近での乱れを高めることができ、特に、45°BTDC以降、より望ましくは20°BTDC以降とすると、圧縮上死点以降のガス流動をより強化することができる。
そして、この第3実施例の場合、負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時には、図4の(b)に示すように、膨張行程中の主噴射I1の噴射量は基本的に変化させずに、圧縮行程中の早期噴射I2の噴射量を増加する。そして、同時に、この早期噴射I2の噴射時期を、圧縮行程前半に早める。あるいは、図4の(c)に示すように、早期噴射I2の噴射時期を吸気行程中にまで早める。点火時期は、燃焼悪化を回避するために、第1,第2実施例と同様に、負荷上昇に伴って進角補正される。なお、第1実施例と同様に、早期噴射I2の噴射量の増加量を、負荷の増加速度によって変化させるようにしてもよい。
また、本発明の超リタード燃焼は、排気系の触媒コンバータ10としてNOxトラップ触媒を用いた場合の硫黄被毒解除のためにも利用することができる。NOxトラップ触媒は、流入する排気の排気空燃比がリーンであるときにNOxを吸着し、流入する排気の排気空燃比がリッチであると、吸着していたNOxを放出して触媒作用により浄化処理するものであるが、燃料中の硫黄成分(SOx)が触媒に結合するとNOx吸着性能が低下する。そのため、適当な時期に、触媒を強制的に高温化してSOxを放出除去する処理(いわゆる硫黄被毒解除)が必要である。本発明の超リタード燃焼は、非常に高い排気温度を得られるので、このNOxトラップ触媒の硫黄被毒解除処理に適したものとなる。
本発明に係る内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 第1実施例の超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を示す特性図。 第2実施例の超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を示す特性図。 第3実施例の超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を示す特性図。 早期噴射I2の噴射量とスロットル弁開度TVOの変化速度ΔTVOとの関係を示す特性図。 機関運転条件に対する冷機時の運転モードを示す特性図。 制御の概略を示すフローチャート。 従来技術における筒内の乱れの変化を示す説明図。
符号の説明
3…燃焼室
10…触媒コンバータ
14…点火プラグ
15…燃料噴射弁
25…コントロールユニット

Claims (13)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行う一方、この超リタード燃焼での運転中に負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時に、一部の燃料を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射し、この吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射の噴射量は、過渡変化後、時間経過に伴って徐々に減少することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  2. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のときに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行う一方、この超リタード燃焼での運転中に負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時に、一部の燃料を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置であって、
    上記超リタード燃焼が膨張行程中の1回の燃料噴射によって行われ、上記の過渡時には、吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射を追加することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  3. 上記超リタード燃焼が、膨張行程中の主噴射に先だって吸気行程中もしくは圧縮行程前半に行われる早期噴射を含み、上記の過渡時には、この早期噴射の噴射量を増加することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  4. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のときに、点火時期を圧縮上死点後に設定するとともに、この点火時期前でかつ圧縮上死点後に燃料を噴射する超リタード燃焼を行う一方、この超リタード燃焼での運転中に負荷が所定の変化速度以上の速度で増加する過渡時に、一部の燃料を吸気行程中もしくは圧縮行程前半に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置であって、
    上記超リタード燃焼が、膨張行程中の主噴射に先だって圧縮行程後半に行われる早期噴射を含み、上記の過渡時には、この早期噴射を圧縮行程前半に行うとともに、その噴射量を増加することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  5. 超リタード燃焼における点火時期は、圧縮上死点後15°〜30°CAであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  6. 上記の過渡時に、同時に点火時期を進角補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  7. 負荷の増加速度が大きいほど吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射の噴射量を大とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  8. 過渡変化後、時間経過に伴って吸気行程中もしくは圧縮行程前半の燃料噴射の噴射量を徐々に減少させることを特徴とする請求項2または4に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  9. 過渡時として、補機負荷の入力時に上記の燃料噴射の態様の変更を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  10. 超リタード燃焼における空燃比は、理論空燃比もしくは若干リーンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  11. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記超リタード燃焼を実行することを特徴とする請求項2または4に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  12. 排気系の触媒コンバータの早期昇温が要求される内燃機関の冷間始動時に、上記の排気ガス温度の昇温が要求されることを特徴とする請求項1または11に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  13. 排気系の触媒コンバータのSOx放出処理を行うときに、上記の排気ガス温度の昇温が要求されることを特徴とする請求項1または11に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
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