JP4538892B2 - Co2冷媒を用いた空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、CO2冷媒を用いた空気調和機に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来より、CO2冷媒を用いた遷臨界冷凍サイクルの空気調和機が提案されているが、かかる空気調和機においては、CO2冷媒の特性としてフロン系冷媒を用いた空気調和機に比べて効率(成績係数:COP)が悪いという欠点があり、これを改善する一つの技術として、例えば特開平11−173687号公報に開示されるように、冷媒回路中にガスインジェクション機構を組み込みことが提案されている。即ち、超臨界領域で冷却されたCO2冷媒を一次膨張させた後、これを気液分離し、この分離されたガス冷媒を圧縮機の圧縮行程にある圧縮室にインジエクションする一方、分離された液冷媒を二次膨張させた後、蒸発器において蒸発させるものである。
【0004】
このようなガスインジェクション機構を組み込んだ遷臨界冷凍サイクルにおける主たる利点として以下の二つがある。第1の利点は、インジエクションされたガス冷媒による圧縮室内のガス冷媒に対する冷却作用及び高密度化作用によって圧縮機吐出側の冷媒温度、即ち、圧縮機吐出温度が低下し圧縮機の信頼性が向上するという点である。第2の利点は、気液分離後のガス冷媒の圧縮機側へのインジェクションガス量だけ、蒸発器側の冷媒循環量が冷却器側の冷媒循環量よりも少なくなり、蒸発器側においては単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなり、冷凍能力が向上し、空気調和機全体としての効率が高められるという点である。しかし、上記第1の利点は、その見方を変えれば、暖房時における室内への吹出空気の温度を高くできないという欠点ともなる。
【0005】
一方、ガスインジェクション機構組込方式と同様に、効率改善を図るための技術として、冷媒回路に内部熱交換器を組込む方式が知られている。この内部熱交換器組込方式は、冷媒回路に付設した内部熱交換器によって低圧側のガス冷媒と高圧側の液冷媒との間で熱交換を行わせて熱回収を行うことで効率を高めるものであるが、かかる効率改善という利点がある反面、圧縮機の吐出温度が上昇して圧縮機の信頼性に悪影響を与えるという欠点もある。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、空気調和機においては、冷房運転時及び暖房運転時の双方において高い運転効率を得るという普遍的要求とともに、暖房運転の起動時のように室内温度が低い時には高温の空気を室内へ吹き出して室内温度を適正温度まで迅速に高めたいという個別的要求もある。
【0007】
ところが、上述のような従来のガスインジェクション機構とか内部熱交換器を組み込んだ空気調和機は、専ら効率改善という空気調和機に対する普遍的要求のみを追求したものであり、従って、例えば暖房起動時における暖房特性の改善という空気調和機に対する個別的要求に関しては不満の残るものであった。
【0008】
そこで本願発明は、CO2冷媒を用いた空気調和機において、運転効率の改善と暖房運転時における暖房特性の改善とを両立させることを目的としてなされたものである。
【発明の技術的背景】
【0009】
ところで、図8には、ガスインジェクション機構を備えた場合のインジェクションガス量と効率(成績係数:COP)との関係を示している。この図8からも解るように、インジェクションガス量が多いと効率が高くなる傾向があり、従って、高い効率を確保するためにはインジェクションガス量を運転状態に応じて調整すれば良い。
【0010】
ところが、インジェクションガス量が多くなると、それに伴ってインジエクションされるガス冷媒による冷却作用が高まり、圧縮機吐出温度の低下幅が大きくなるという特徴がある。この圧縮機吐出温度の低下は、例えば内部熱交換器を組込んだ場合の欠点である圧縮機吐出温度の上昇を抑制するという点においては有効である。
【0011】
また、図9には、遷臨界冷凍サイクルにおける「T−S線図」上に、冷却器において熱交換される空気の風量変化に対する温度特性を示している。この図9からは、例えば、冷却器における冷媒の流れ方向と空気の流れ方向とを対向させた場合には、空気温度(即ち、吹出風温度)を圧縮機吐出温度近くまで上げることが可能であり、しかもその吹出風温度は吹出風量に応じて変化し、小風量であるほど高温となることが解る。そして、特に、CO2冷媒は、その属性として、気液二相領域のみならず、気相領域、液相領域及び超臨界領域の全ての作動領域を通してほぼ一定した高い熱伝達をもつことから、吹出風温度を圧縮機吐出温度近くまで高めても、効率という点においては何ら問題は生じない。
【0012】
本願発明者らは、ガスインジェクション機構を組み込んだ遷臨界冷凍サイクルの空気調和機において、上記各知見事項を考慮することで、上記目的、即ち、効率の改善と暖房特性の改善とを両立し得る手段を想到するに至ったものである。
【課題を解決するための機構】
【0013】
本願発明では、上記課題を解決するための具体的機構として次のような構成を採用している。
【0014】
本願の第1の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機では、CO2冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷房運転時には超臨界領域で作動する冷却器として機能し暖房運転時には蒸発器として機能する室外熱交換器2と、冷房運転時には蒸発器として機能し暖房運転時には超臨界領域で作動する冷却器として機能する室内熱交換器3と、超臨界領域で冷却されたCO2冷媒を一次膨張させる一次膨張弁11又は12と、一次膨張したCO2冷媒を気液分離するレシーバ7と、上記レシーバ7で分離された液冷媒を二次膨張させる二次膨張弁12又は11と、上記レシーバ7で分離されたガス冷媒を上記圧縮機1の圧縮室にインジエクションするガスインジェクション機構15とを備えたCO2冷媒を用いた空気調和機において、上記ガスインジェクション機構15に、インジェクションガス量を運転状態に応じて変更する制御弁17を備えるとともに、該制御弁17が、暖房運転の起動時にはインジェクションガス量を少量側に設定し、暖房運転の定常時及び冷房運転時にはインジェクションガス量を多量側に設定することを特徴としている。
【0015】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機において、室内への吹出風量を、暖房運転の起動時には、暖房運転の定常時及び冷房運転時よりも小風量側に設定することを特徴としている。
【0016】
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機において、低圧側冷媒と高圧側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器8を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0018】
(1) 本願の第1の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機によれば、気液分離されたガス冷媒を圧縮機1の圧縮室にインジエクションするガスインジェクション機構15に、インジェクションガス量を運転状態に応じて変更する制御弁17を備えているので、例えば、該制御弁17の開度制御によってインジェクションガス量を適宜変更することで運転状態に適した効率での運転が可能となり、例えば、インジェクションガス量を多量側に設定した場合には高効率運転を比較的低い圧縮機吐出温度の下で実現でき、逆に、例えば暖房運転においてインジェクションガス量を少量側に設定した場合には比較的効率は低いものの、高温吹出により暖房特性の改善が図られることになる。
【0019】
また、上記制御弁17によって、暖房運転の起動時にはインジェクションガス量が少量側に設定され、暖房運転の定常時及び冷房運転時にはインジェクションガス量が多量側に設定されることから、暖房運転の起動時には、効率は比較的低いものの、室内熱交換器3での熱交換により得られる吹出風温度が高められることから、高温風の室内への吹き出しによって室内温度を適正温度まで迅速に高めることができ、暖房特性の改善が図られる一方、暖房運転の定常時(即ち、室内温度が適正温度まで高められた後の状態)及び冷房運転時には、比較的低い圧縮機吐出温度の下で、高効率運転が実現され、これらの結果、高効率運転の実現と暖房特性の改善とが両立されることになる。
【0020】
(2) 本願の第2の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機によれば、上記第1の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機において、室内への吹出風量を、暖房運転の起動時には、暖房運転の定常時及び冷房運転時よりも小風量側に設定するようにしているので、暖房運転の起動時には、吹出風温度が圧縮機吐出温度近くまで高められることで、吹出空気による室内温度の上昇がより一層迅速となり、暖房特性がさらに良好となる。
【0021】
(3) 本願の第3の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機によれば、上記第1又は第2の発明にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機において、低圧側冷媒と高圧側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器8を備えているので、該内部熱交換器8での熱交換に基づく効率向上分が、ガスインジェクションに基づく効率向上分に加算され、より一層高効率での運転が実現されるとともに、該内部熱交換器8での熱交換に起因する圧縮機吐出温度の上昇が、ガスインジェクションによる冷却作用によって相殺され、圧縮機1の信頼性が確保されるものである。即ち、より高効率の運転の実現と圧縮機1の信頼性の確保とが両立されるものである。
【発明の実施の形態】
【0022】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0023】
第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和機の冷媒回路を示している。この冷媒回路は、冷媒としてCO2冷媒を用い、遷臨界冷凍サイクルで運転されるものであって、同図において符号1は圧縮機、2は室外熱交換器、3は室内熱交換器、4はアキュームレータ、5は上記室外熱交換器2と室内熱交換器3とを上記圧縮機1の吐出口と吸入口とに択一的に接続する四方切換弁である。尚、図1においては、上記四方切換弁5の弁位置を、冷房運転時には実線で、暖房運転時には破線で、それぞれ示している。
【0024】
また、符号7は、上記室外熱交換器2と室内熱交換器3とを接続する冷媒路21に介設されたレシーバであり、該レシーバ7よりも上記室外熱交換器2寄りには第1の膨張弁11が、上記室内熱交換器3寄りには第2の膨張弁12がそれぞれ介設されている。また、上記レシーバ7の気室は制御弁17を備えたインジェクション路16を介して上記圧縮機1の圧縮室に接続されている。尚、この実施形態では、上記インジェクション路16と制御弁17とで特許請求の範囲の「ガスインジェクション機構15」を構成している。
【0025】
さらに、符号9は、上記室内熱交換器3に付設されたファンであり、このファン9と上記制御弁17とは、空気調和機の運転状態に対応してそれぞれ作動制御される。即ち、図7に示すように、この実施形態においては空気調和機の運転状態として、暖房運転の起動時(即ち、室内温度が所定温度よりも大きく低いとき(例えば、所定温度から10℃以上低いとき))と定常時(即ち、室内温度が所定温度に近いとき(例えば、所定温度から5℃以内のとき))、及び冷房運転の三つの運転状態を設定している。そして、暖房運転起動時においては、高温吹出を実現して暖房特性の改善を図るべく、上記制御弁17を「閉(全閉)」としてガス冷媒のインジェクションを停止させるとともに、上記ファン9を小風量(即ち、低回転数)で運転するようにしている。これに対して、暖房運転安定時及び冷房運転時においては、高効率運転を実現すべく、上記制御弁17を「開(全開)」としてガス冷媒のインジェクションを行わせるとともに、上記ファン9を標準風量(即ち、標準回転数)で運転するようにしている。
【0026】
尚、この実施形態では、上記のように、制御弁17の開度を「全閉」と「全開」の二段階に択一的に設定するようにしているが、他の実施形態においては、空気調和機の運転状態に対応して「全閉」と「全開」の範囲で、段階的に、又は連続的に開度設定することもできる。また、上記ファン9の風量設定も、この実施形態のように「標準風量」と「小風量」の二段階に択一的に設定するのに代えて、例えば「標準風量」と「小風量」との範囲で段階的に、又は連続的に変更設定することもできる。
【0027】
続いて、図2及び図3に示す「p−h線図」を参照しつつ、この実施形態にかかる空気調和機の遷臨界冷凍サイクルを説明する。
【0028】
A:冷房運転時(図1及び図2参照)
冷房運転時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)を冷却器として機能する上記室外熱交換器2に導入し、その入口(図2の点D)から出口(図2の点E)の間において超臨界領域で冷却させる。室外熱交換器2から出た超臨界状態のCO2冷媒を、第1の膨張弁11(特許請求の範囲の「一次第1の膨張弁」に該当する)において一次膨張させてこれを気液二相のCO2冷媒とする(図2の点E〜点F)とともに、この気液二相のCO2冷媒をレシーバ7に導入してここで気液分離する(点G及び点H)。
【0029】
レシーバ7で分離された液冷媒は、さらに第2の膨張弁12(特許請求の範囲の「二次膨張弁」に該当する)に導入され、ここで二次膨張された後(図2の点H〜点I)、蒸発器として機能する室内熱交換器3に送られ、その入口(図2の点I)から出口(図2の点A)に至る間に蒸発され、その蒸発熱によってファン9から送風され該室内熱交換器3を貫流する空気流と熱交換しこれを冷風とする。この冷風が室内へ吹き出されることで冷房が行われる。また、室内熱交換器3から出たCO2冷媒(ガス冷媒)は、圧縮機1に導入されここで圧縮される(図2の点A〜点D)。
【0030】
一方、レシーバ7で分離されたガス冷媒は、制御弁17が「開」とされているので、インジェクション路16を通って圧縮機1の圧縮行程にある圧縮室へインジェクションされる(図2の点G)。このように、ガス冷媒が圧縮行程にある圧縮室にインジェクションされると、このインジェクションされたガス冷媒、即ち、インジェクションガスは、圧縮室内において圧縮途中にあるガス冷媒と混合しこれを冷却する。このため、圧縮室内におけるガス冷媒の温度は、ガスインジェクション時点において、ガスインジェクション前の温度(図2の点B)から一旦低下する(図2の点C)。従って、圧縮機吐出温度は、ガスインジェクションが行われなかった場合の圧縮機吐出温度(図2の点D0)よりも低い温度(図2の点D)となる。
【0031】
また、レシーバ7において気液分離されたガス冷媒を圧縮機1側にインジェクションすることで、室内内熱交換器3側の冷媒循環量は、このインジェクションガス量の分だけ、室外熱交換器2側の冷媒循環量よりも少なくなるが、該室内熱交換器3側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなるため冷凍能力は変わらない(図2のエンタルピー量「c1」参照)。そのとき、圧縮機入力が小さくなり、それだけ空気調和機全体としての効率が高くなり、その高効率運転が実現されるものである。一方、上述のように、圧縮機吐出温度が低下することで、圧縮機1の信頼性(例えば、圧縮機1に用いられている樹脂製部材の信頼性)が確保されるものである。
【0032】
B:暖房運転時
暖房運転は、上述のように、起動時と定常時とで若干作動が異なるので、これらをそれぞれ個別に説明する。
【0033】
B−a:暖房運転起動時(図1及び図3参照)
暖房運転起動時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)は、冷却器として機能する室内熱交換器3に導入され、その入口(図3の点D0)から出口(図3の点E)の間において超臨界領域で冷却される。この室内熱交換器3における冷却熱によって該室内熱交換器3を貫流する空気流が加熱され、これが温風として室内へ吹き出されることで暖房が行われる。
【0034】
室内熱交換器3から出た超臨界状態のCO2冷媒は、第2の膨張弁12において一時膨張され(図3の点E〜点F)、気液二相のCO2冷媒としてレシーバ7に導入され、ここで該CO2冷媒の気液分離が行われる。
【0035】
ところが、上述のように、暖房運転起動時には上記制御弁17が全閉とされているので、該制御弁17において気液分離が行われても、分離されたガス冷媒の圧縮機1側へのガスインジェクションは行われず、気液分離されたCO2冷媒は気液二相状態のまま第1の膨張弁11に送られ、ここで二次膨張され(図3の点F〜点I0)、蒸発器として機能する室外熱交換器2側へ送られる。そして、この室外熱交換器2に送られたCO2冷媒(液冷媒)は、その入口(図3の点I0)から出口(図3の点A)に至る間に蒸発し、その蒸発熱によって該室外熱交換器2を貫流する空気流と熱交換した後、圧縮機1に導入されここで圧縮される(図3の点A〜点B〜点D0)。
【0036】
この場合、上述のようにガスインジェクションが行われないので、圧縮行程での冷媒の冷却作用はなく、従って、圧縮機吐出温度は、上述の冷房時における圧縮機吐出温度(即ち、図3の点Dに対応する温度)よりも高い温度となる。また、この場合、上述のように、暖房運転起動時には上記室内熱交換器3に付設したファン9が小風量運転されることから、該室内熱交換器3での熱交換によって得られる温風の温度は圧縮機吐出温度近くまで上昇される。この結果、室内熱交換器3から室内へ高温風が吹き出され、室内温度が迅速に所定温度まで上昇し、暖房運転起動後の早期に快適な暖房が実現されることになる。
【0037】
尚、この暖房運転起動時においては、圧縮機吐出温度が高くなることに対応して圧縮機入力が増大することから、空気調和機全体としての効率は、次述の暖房安定運転時に比して低下することとなる。即ち、この暖房運転起動時は暖房の立ち上がり特性を重視した運転となる。
【0038】
B−b:暖房運転安定時(図1及び図2参照)
暖房運転安定時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)は、冷却器として機能する室内熱交換器3に導入され、その入口(図2の点D)から出口(図2の点E)の間において超臨界領域で冷却される。この室内熱交換器3における冷却熱によって該室内熱交換器3を貫流する空気流が加熱され、これが温風として室内へ吹き出されることで暖房が行われる。
【0039】
室内熱交換器3から出た超臨界状態のCO2冷媒は、これを第2の膨張弁12(特許請求の範囲の「一次第1の膨張弁」に該当する)において一次膨張させて気液二相のCO2冷媒とする(図2の点E〜点F)とともに、この気液二相のCO2冷媒をレシーバ7に導入してここで気液分離する(点G及び点H)。
【0040】
レシーバ7で分離された液冷媒は、さらに第1の膨張弁11(特許請求の範囲の「二次膨張弁」に該当する)に導入され、ここで二次膨張された後(図2の点H〜点I)、蒸発器として機能する室外熱交換器2に送られ、その入口(図2の点I)から出口(図2の点A)に至る間に蒸発される。室外熱交換器2から出たCO2冷媒(ガス冷媒)は、圧縮機1に導入されここで圧縮される(図2の点A〜点D)。
【0041】
一方、レシーバ7で分離されたガス冷媒は、制御弁17が「開」とされているので、インジェクション路16を通って圧縮機1の圧縮行程にある圧縮室へインジェクションされる(図2の点G)。このように、ガス冷媒が圧縮行程にある圧縮室にインジェクションされると、このインジェクションされたガス冷媒、即ち、インジェクションガスは、圧縮室内において圧縮途中にあるガス冷媒と混合しこれを冷却する。このため、圧縮室内におけるガス冷媒の温度は、ガスインジェクション時点において、ガスインジェクション前の温度(図2の点B)から一旦低下する(図2の点C)。従って、圧縮機吐出温度は、ガスインジェクションが行われなかった場合の圧縮機吐出温度(図2の点D0)よりも低い温度(図2の点D)となる。
【0042】
このようにレシーバ7において気液分離されたガス冷媒を圧縮機1側にインジェクションすることで、室外熱交換器2側の冷媒循環量は、このインジェクションガス量の分だけ、室内熱交換器3側の冷媒循環量よりも少なくなるが、該室外熱交換器2側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなるため冷凍能力は変わらない(図2のエンタルピー量「c1」参照)。そのとき、圧縮機入力が小さくなり、それだけ空気調和機全体としての効率が高くなり、その高効率運転が実現されるものである。また一方、上述のように、圧縮機吐出温度が低下することで、圧縮機1の信頼性(例えば、圧縮機1に用いられている樹脂製部材の信頼性)が確保されるものである。
【0043】
第2の実施形態
図4には、本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和機の冷媒回路を示しており、同図において符号1は圧縮機、2は室外熱交換器、3は室内熱交換器、4は上記圧縮機1の吸入口に接続される冷媒路25に設けられたアキュームレータ、5は上記室外熱交換器2と室内熱交換器3とを上記圧縮機1と冷媒路24に択一的に接続する第1の四方切換弁、6は上記室外熱交換器2と室内熱交換器3とを冷媒路24と冷媒路25に択一的に接続する第2の四方切換弁である。尚、図1においては、上記各四方切換弁5,6の弁位置を、冷房運転時には実線で、暖房運転時には破線で、それぞれ示している。
【0044】
また、符号7は、第1の膨張弁11と第2の膨張弁12とを直列に設けた冷媒路24の該各膨張弁11,12の中間位置に設けられた気液分離用のレシーバであり、該レシーバ7の気室は制御弁17を備えたインジェクション路16を介して上記圧縮機1の圧縮室に接続されている。尚、このインジェクション路16と制御弁17によって特許請求の範囲の「ガスインジェクション機構15」が構成されている。
【0045】
さらに、符号8は、高圧側伝熱部8aと低圧側伝熱部8bを備えた内部熱交換器であり、該高圧側伝熱部8aは上記冷媒路24の上記レシーバ7と第2の膨張弁12の中間位置に介設され、また低圧側伝熱部8bは上記冷媒路25に介設されている。
【0046】
さらに、符号9は、上記室内熱交換器3に付設されたファンであり、このファン9と上記制御弁17とは、空気調和機の運転状態に対応してそれぞれ作動制御される。尚、このファン9と上記制御弁17の作動制御の形態は上記第1の実施形態の場合と同様であるので、該第1の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0047】
続いて、図5及び図6に示す「p−h線図」を参照しつつ、この実施形態にかかる空気調和機の遷臨界冷凍サイクルを説明する。
【0048】
A:冷房運転時(図4及び図5参照)
冷房運転時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)は、第1の四方切換弁5を介して室外熱交換器2に導入され、該室外熱交換器2において超臨界領域で冷却される(図5の点D〜点E)。室外熱交換器2から出た超臨界状態のCO2冷媒は、第2の四方切換弁6から第1の膨張弁11(特許請求の範囲の「一次膨張弁」に該当する)に至り、該第1の膨張弁11において一次膨張され(図5の点E〜点F)、気液二相状態でレシーバ7に導入されてここで気液分離される(図5の点G及び点H)。
【0049】
そして、レシーバ7で分離された液冷媒は、内部熱交換器8の高圧側伝熱部8aに流入し、その入口(図5の点H)から出口(図5の点I)へ向かって流れる間に、その低圧側伝熱部8bをその入口(図5の点K)から出口(図5の点A)へ向かって流れるガス冷媒との間で内部熱交換を行った後、第2の膨張弁12(特許請求の範囲の「二次膨張弁」に該当する)に流入し、ここで二次膨張(図5の点I〜点J)された後、室内熱交換器3に送られる。この室内熱交換器3においては、CO2冷媒(液冷媒)はその入口(図5の点J)から出口(図5の点K)を流れる間に蒸発し、その蒸発熱によってファン9から送られて該室内熱交換器3を貫流する空気流と熱交換しこれを冷風とする。この冷風が室内へ吹き出されることで冷房が行われる。また、室内熱交換器3から出たCO2冷媒(ガス冷媒)は、圧縮機1に導入され、ここで圧縮される(図5の点A〜点D)。
【0050】
一方、レシーバ7で分離されたガス冷媒は、制御弁17が「開」とされているので、インジェクション路16を通って圧縮機1の圧縮行程にある圧縮室へインジェクションされる(図5の点G)。このように、ガス冷媒が圧縮行程にある圧縮室にインジェクションされると、このインジェクションされたガス冷媒、即ち、インジェクションガスは、圧縮室内において圧縮途中にあるガス冷媒と混合しこれを冷却する。このため、圧縮室内におけるガス冷媒の温度は、ガスインジェクション時点において、ガスインジェクション前の温度(図5の点B)から一旦低下する(図5の点C)。従って、圧縮機吐出温度は、ガスインジェクションが行われなかった場合の圧縮機吐出温度(図5の点D0)よりも低い温度(図5の点D)となる。
【0051】
また、レシーバ7において気液分離されたガス冷媒を圧縮機1側にインジェクションすることで、室内内熱交換器3側の冷媒循環量は、このインジェクションガス量の分だけ、室外熱交換器2側の冷媒循環量よりも少なくなるが、該室内熱交換器3側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなるため冷凍能力は変わらない(図5のエンタルピー量「c1」参照)。そのとき、圧縮機入力が小さくなり、それだけ空気調和機全体としての効率が高くなる。さらに、これに加えて、内部熱交換器8における内部熱交換によって室内熱交換器3側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなり冷凍能力が増加する(図5のエンタルピー量「c2」参照)。これら両者の効果の結果として、空気調和機全体としての効率が高くなり、その高効率運転が実現されるものである。
【0052】
一方、上述のように、圧縮機吐出温度が低下することで、圧縮機1の信頼性(例えば、圧縮機1に用いられている樹脂製部材の信頼性)が確保されるものである。
【0053】
B:暖房運転時
暖房運転は、上述のように、起動時と定常時とで若干作動が異なるので、これらをそれぞれ個別に説明する。
【0054】
B−a:暖房運転起動時(図4及び図6参照)
暖房運転起動時(図4及び図6参照)
暖房運転起動時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)は、冷却器として機能する室内熱交換器3に導入され、その入口(図6の点D0)から出口(図6の点E)の間において超臨界領域で冷却される。この室内熱交換器3における冷却熱によって該室内熱交換器3を貫流する空気流が加熱され、これが温風として室内へ吹き出されることで暖房が行われる。
【0055】
室内熱交換器3から出た超臨界状態のCO2冷媒は、第1の膨張弁11において一時膨張され(図6の点E〜点F)、気液二相のCO2冷媒としてレシーバ7に導入され、ここで該CO2冷媒の気液分離が行われる。
【0056】
ところが、上述のように、暖房運転起動時には上記制御弁17が全閉とされているので、該制御弁17において気液分離が行われても、分離されたガス冷媒の圧縮機1側へのガスインジェクションは行われず、気液分離されたCO2冷媒は気液二相状態のまま内部熱交換器8の高圧側伝熱部8aに導入され、その入口(図6の点F)から出口(図6の点I0)に至る間に、低圧側伝熱部8bをその入口(図6の点K)から出口(図6の点A)に流れるガス冷媒との間で熱交換を行った後、第2の膨張弁12に導入され、ここで二次膨張され(図6の点I0〜点J0)、さらに室外熱交換器2へ導入される。この室外熱交換器2に送られたCO2冷媒(液冷媒)は、その入口(図6の点J0)から出口(図6の点K)に至る間に蒸発し、その蒸発熱によって該室外熱交換器2を貫流する空気流と熱交換した後、圧縮機1に導入されここで圧縮される(図6の点A〜点B〜点D0)。
【0057】
この場合、上述のようにガスインジェクションが行われないので、圧縮行程での冷媒の冷却作用はなく、従って、圧縮機吐出温度は、上述の冷房時における圧縮機吐出温度(即ち、図6の点Dに対応する温度)よりも高い温度となる。また、この場合、上述のように、暖房運転起動時には上記室内熱交換器3に付設したファン9が小風量運転されることから、該室内熱交換器3での熱交換によって得られる温風の温度は圧縮機吐出温度近くまで上昇される。この結果、室内熱交換器3から室内へ高温風が吹き出され、室内温度が迅速に所定温度まで上昇し、暖房運転起動後の早期に快適な暖房が実現されることになる。
【0058】
尚、この暖房運転起動時においては、圧縮機吐出温度が高くなることに対応して圧縮機入力が増大するが、内部熱交換器8における内部熱交換によって室内熱交換器3側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなり冷凍能力が増加する(図6のエンタルピー量「c2」参照)ことから、空気調和機全体としての効率は、内部熱交換を行わない上記第1の実施形態における暖房運転起動時よりも高く維持される。従って、この暖房運転起動時は、暖房の立ち上がり特性を重視しつつ、効率にも配慮した運転となる。
【0059】
B−b:暖房運転安定時(図4及び図5参照)
暖房運転安定時には、圧縮機1から吐出されたCO2冷媒(ガス冷媒)は、第1の四方切換弁5を介して室内熱交換器3に導入され、該室内熱交換器3において超臨界領域で冷却される(図5の点D〜点E)。この室内熱交換器3における冷却熱によって該室内熱交換器3を貫流する空気流が加熱され、これが温風として室内へ吹き出されることで暖房が行われる。
【0060】
室内熱交換器3から出た超臨界状態のCO2冷媒は、第2の四方切換弁6から第1の膨張弁11(特許請求の範囲の「一次膨張弁」に該当する)に至り、該第1の膨張弁11において一次膨張され(図5の点E〜点F)、気液二相状態でレシーバ7に導入されてここで気液分離される(図5の点G及び点H)。
【0061】
そして、レシーバ7で分離された液冷媒は、内部熱交換器8の高圧側伝熱部8aに流入し、その入口(図5の点H)から出口(図5の点I)へ向かって流れる間に、その低圧側伝熱部8bをその入口(図5の点K)から出口(図5の点A)へ向かって流れるガス冷媒との間で内部熱交換を行った後、第2の膨張弁12(特許請求の範囲の「二次膨張弁」に該当する)に流入し、ここで二次膨張(図5の点I〜点J)された後、室外熱交換器2に送られ、その入口(図5の点J)から出口(図5の点K)を流れる間に蒸発し、ガス冷媒とされる。室外熱交換器2から出たガス冷媒は、圧縮機1に導入され、ここで圧縮される(図5の点A〜点D)。
【0062】
一方、レシーバ7で分離されたガス冷媒は、制御弁17が「開」とされているので、インジェクション路16を通って圧縮機1の圧縮行程にある圧縮室へインジェクションされる(図5の点G)。このように、ガス冷媒が圧縮行程にある圧縮室にインジェクションされると、このインジェクションガスは、圧縮室内において圧縮途中にあるガス冷媒と混合しこれを冷却する。このため、圧縮室内におけるガス冷媒の温度は、ガスインジェクション時点において、ガスインジェクション前の温度(図5の点B)から一旦低下する(図5の点C)。従って、圧縮機吐出温度は、ガスインジェクションが行われなかった場合の圧縮機吐出温度(図5の点D0)よりも低い温度(図5の点D)となる。
【0063】
また、レシーバ7において気液分離されたガス冷媒を圧縮機1側にインジェクションすることで、室外熱交換器2側の冷媒循環量は、このインジェクションガス量の分だけ、室内熱交換器3側の冷媒循環量よりも少なくなるが、該室外熱交換器2側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなるため冷凍能力は変わらない(図5のエンタルピー量「c1」参照)。そのとき、圧縮機入力が小さくなり、それだけ空気調和機全体としての効率が高くなる。さらに、これに加えて、内部熱交換器8における内部熱交換によって室内熱交換器3側における単位重量当たりの蒸発エンタルピーが大きくなり冷凍能力が増加する(図5のエンタルピー量「c2」参照)。これら両者の効果の結果として、空気調和機全体としての効率が高くなり、その高効率運転が実現されるものである。
【0064】
一方、上述のように、圧縮機吐出温度が低下することで、圧縮機1の信頼性(例えば、圧縮機1に用いられている樹脂製部材の信頼性)が確保されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機の冷媒回路図である。
【図2】 図1に示した冷媒回路における「p−h線図」である。
【図3】 図1に示した冷媒回路における「p−h線図」である。
【図4】 本願発明の第2の実施形態にかかるCO2冷媒を用いた空気調和機の冷媒回路図である。
【図5】 図4に示した冷媒回路における「p−h線図」である。
【図6】 図4に示した冷媒回路における「p−h線図」である。
【図7】 ガスインジェクション機構に設けた制御弁の制御テーブルである。
【図8】 インジェクションガス量と成績係数との相関図である。
【図9】 遷臨界冷凍サイクルの「T−S線図」である。
【符号の説明】
1は圧縮機、2は室外熱交換器、3は室内熱交換器、4はアキュームレータ、5及び6は四方切換弁、7はレシーバ、8は内部熱交換器、9はファン、11及び12は膨張弁、15はガスインジェクション機構、16はインジェクション路、17は制御弁、21〜25は冷媒路である。
Claims (3)
- CO2冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、冷房運転時には超臨界領域で作動する冷却器として機能し暖房運転時には蒸発器として機能する室外熱交換器(2)と、冷房運転時には蒸発器として機能し暖房運転時には超臨界領域で作動する冷却器として機能する室内熱交換器(3)と、超臨界領域で冷却されたCO2冷媒を一次膨張させる一次膨張弁(11又は12)と、一次膨張したCO2冷媒を気液分離するレシーバ(7)と、上記レシーバ(7)で分離された液冷媒を二次膨張させる二次膨張弁(12又は11)と、上記レシーバ(7)で分離されたガス冷媒を上記圧縮機(1)の圧縮室にインジエクションするガスインジェクション機構(15)を備えたCO2冷媒を用いた空気調和機であって、
上記ガスインジェクション機構(15)が、インジェクションガス量を運転状態に応じて変更する制御弁(17)を備えるとともに、該制御弁(17)は、暖房運転の起動時にはインジェクションガス量を少量側に設定し、暖房運転の定常時及び冷房運転時にはインジェクションガス量を多量側に設定することを特徴とするCO2冷媒を用いた空気調和機。 - 請求項1において、
室内への吹出風量を、暖房運転の起動時には、暖房運転の定常時及び冷房運転時よりも小風量側に設定するようにしたことを特徴とするCO2冷媒を用いた空気調和機。 - 請求項1又は2において、
低圧側冷媒と高圧側冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(8)を備えたことを特徴とするCO2冷媒を用いた空気調和機。
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