JP4538184B2 - 内燃機関の吸気管構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の運転状態に応じて有効吸気管長が変化する内燃機関の吸気管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関に吸入される空気には、当該機関の吸排気行程におけるピストンの往復動作やバルブの開閉動作に伴って圧力変動が発生する。特に、吸気行程でのピストンの下降動作によってはシリンダ内に負圧波が発生し、この発生した負圧波は、吸気通路に設けられたサージタンクなどの大気開放端を節として反転して、正圧波となって吸気ポートに返ってくる。このような吸気ポート内の圧力が正圧になる時期と吸気バルブが開かれる時期とが一致すれば、当該機関の燃焼室内に導入される空気量が増し、その体積効率が向上されるようになる。この吸気の圧力変動による体積効率の増大効果は一般に、慣性過給効果といわれている。
【0003】
一方、こうした慣性過給効果が得られる機関回転速度は、有効吸気管長(吸気の負圧波が遡行するシリンダから大気開放端までの吸気通路の長さ)やその断面積に依存する。具体的には、有効吸気管長が長い、あるいはその断面積が小さいほど低回転域で慣性過給効果が得られ、有効吸気管長が短い、あるいは断面積が大きいほど高回転域で慣性過給効果が得られる。
【0004】
そこで従来より、上記有効吸気管長や断面積を機関運転中に変更することにより、幅広い機関回転速度において慣性過給効果が得られる可変吸気機構が種々提案されている。ちなみに、これらの可変吸気機構では、上記有効吸気管長や断面積を変更するために、吸気通路内を流れる吸気の流路形態を変更するようにしている。例えば、実開昭61−142127号公報に記載のものでは、サージタンク内に設けられた第1の吸気制御弁と吸気通路内に設けられた第2の吸気制御弁とをそれぞれ開閉させることにより、吸気通路内を流れる吸気の流路形態を変更するようにしている。また、実開昭64−56532号公報に記載のものでは、各気筒に接続された独立吸気通路とサージタンクとを連通する容積部を設け、この容積部内に設けられたシャッタ弁を開閉させることにより、吸気通路内を流れる吸気の流路形態を変更するようにしている。また、実開昭63−54823号公報に記載のものでは、低回転域で慣性過給効果が得られるプライマリ通路と高回転域で慣性過給効果が得られるセカンダリ通路とを備え、両通路にそれぞれ設けられたスロットル弁を開閉させることにより、吸気通路内を流れる吸気の流路形態を変更するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記各公報に記載の可変吸気機構によれば、吸気通路内を流れる吸気の流路形態を変更することで、幅広い回転速度域において上述した慣性過給効果が得られるようにはなる。しかし反面、これらの可変吸気機構では、このような慣性過給効果を得るために、吸気制御弁やシャッタ弁、あるいは複数のスロットル弁を頻繁に開閉しなければならないなど、吸気管構造や制御構造の複雑化が避けられない。このため、製造コストの増大や吸気管の重量増加といった問題も無視できないものとなっている。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気の流路形態を変更するための切替弁等を必要としない簡易な構造でありながら、可変吸気機能を好適に確保することのできる内燃機関の吸気管構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気管から分岐されて並設された第1及び第2の吸気通路を備える内燃機関の吸気管構造であって、前記吸気管が、前記第1及び第2の吸気通路の双方を通じてこれら前記第1及び第2の吸気通路の下流側に常時連通されるとともに、前記吸気管からの吸入空気が前記第1の吸気通路に優先して流入されるように、前記第1及び第2の吸気通路が分岐される前記吸気管を前記第1の吸気通路側にオフセットさせて接続し、且つ、前記吸気管の通路断面積に対する前記第1の吸気通路の通路断面積を同吸気管の通路断面積に対する前記第2の吸気通路の通路断面積よりも小さく設定したことをその要旨とする。
【0008】
同構成では、吸気管からの吸入空気が第1の吸気通路に優先して流入されるように、第1及び第2の吸気通路が分岐される吸気管を第1の吸気通路側にオフセットさせている。従って、内燃機関の低回転運転時に吸気管内を流れる吸入空気の大部分は、そのまま第1の吸気通路に流入するようになり、同第1の吸気通路の通路断面積に対応した前記慣性過給効果を確実に得ることができるようになる。一方、機関回転速度が増大していくと、吸気管内を流れる吸入空気の流量が増大するため、上記第1の吸気通路だけでは通路断面積が不足するようになる。そのため、この場合には、第1の吸気通路に加えて上記第2の吸気通路にも吸入空気が流入するようになる。従って、吸入空気が流入する通路断面積が実質的に大きくなって有効吸気管長が短くなり、この場合には、上記第1の吸気通路による慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも高い回転速度において、慣性過給効果が得られるようになる。このように上記請求項1に記載の構成によれば、吸気通路内を流れる吸気の流動態様を利用し、自ずとその流路形態が変更されるため、吸気の流路形態を変更するための切替弁等を必要としない簡易な構造でありながら、可変吸気機能を好適に確保することができるようになる。加えて、上記請求項1に記載の構成では、吸気管から分岐された上記第1の吸気通路の吸気管の通路断面積に対する通路断面積を、同じく吸気管から分岐された第2の吸気通路の同吸気管の通路断面積に対する通路断面積よりも小さく設定しているため、第1の吸気通路の前述した慣性過給効果を得る上での実質的な有効吸気管長は第2の吸気通路よりも長くなる。従って、内燃機関の低回転運転時に吸入空気が第1の吸気通路に優先して流れるようになると、この低回転運転時において、上記慣性過給効果による出力トルクの向上が確実に図られるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸気管構造において、前記並設される第1及び第2の吸気通路は、前記吸気管の内部に設けられた隔壁によって分離形成されてなることをその要旨とする。
【0010】
同構成によれば、吸気管の内部に第1及び第2の吸気通路が形成されるため、第1及び第2の吸気通路がそれぞれ独立した吸気管によって形成される場合と比較して、吸気管自体の大型化を回避することができるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の吸気管構造において、前記吸気管は湾曲形状を有しており、前記第1の吸気通路は、該湾曲形状の外側に位置するように形成されてなることをその要旨とする。
【0012】
同構成によれば、湾曲形状を有した吸気管において吸気が偏流して流れやすい湾曲形状の外側に第1の吸気通路が配設される。そのため、より確実に吸気を第1の吸気通路に流入させることができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の吸気管構造において、仕切壁によって内部が2つの空間に分割されるとともに、該分割された2つの空間の連通及び非連通が機関運転状態に応じて開閉される吸気制御弁を介して制御される可変吸気機構付きのサージタンクを更に備え、前記第1及び第2の吸気通路は、その吸気下流側が、前記隔壁が前記仕切壁に直交する角度にて前記サージタンクに接続されてなることをその要旨とする。
【0014】
同構成によれば、吸気制御弁を開閉させることによって、サージタンク内に形成された2つの空間の連通状態が切り替えられる。そして、2つの空間が連通されているときは、サージタンクと内燃機関の各気筒との間を接続する吸気管、いわゆる吸気マニホールドの長さが実質的な有効吸気管長となるため、内燃機関の高回転運転時において慣性過給効果が得られるようなる。一方、前記2つの空間が連通されていないときには、上記吸気マニホールドの吸気下流側端部からサージタンクの内部を分割する仕切壁の吸気上流側端部までの長さが実質的な有効吸気管長となる。従ってこの場合には、上述した2つの空間が連通されているときに慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも低い回転速度で慣性過給効果が得られるようになる。そして、このような可変吸気機構付きのサージタンクに上記第1及び第2の吸気通路の吸気下流側が接続されるため、可変吸気機能による機関出力の向上をさらに高めることができるようになる。また、上記請求項4に記載の構成では、第1及び第2の吸気通路を分離している隔壁が、サージタンクの内部を分割する仕切壁に直交する角度になるように、第1及び第2の吸気通路と上記サージタンクとを接続するようにしている。このため、第1及び第2の吸気通路からの吸入空気は、サージタンク内に形成された2つの空間にそれぞれ導入されるようになり、それら2つの空間に流入する吸入空気量の偏りが抑制される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の吸気管構造において、前記サージタンクの内部を分割する仕切壁は、前記吸気管の内部に設けられた隔壁の吸気上流側端部まで延設されてなることをその要旨とする。
【0016】
同構成によれば、サージタンクの内部を分割する仕切壁によって第1及び第2の吸気通路が更に分割されてその断面積が小さくされるとともに、吸気マニホールドの吸気下流側端部から仕切壁の吸気上流側端部までの全長がより長くなる。このため、実質的な有効吸気管長がさらに長くなり、内燃機関の低回転運転時における慣性過給効果についても、これをより効率よく得ることができるようになる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の吸気管構造において、前記第1の吸気通路の通路断面積は、前記内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応してその最適化が図られる通路断面積に設定されてなることをその要旨とする。
【0018】
同構成によれば、第1の吸気通路に吸入空気が流入するときには、確実に内燃機関の低速トルクを増加させることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる内燃機関の吸気管構造を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態にかかる吸気系の断面構造を示す概略構成図である。
本実施の形態にかかる吸気系は、吸気通路2及び分岐部2aから構成されて上記吸気管構造が具体化された吸気管1、サージタンク4、及び吸気マニホールド5a〜5f等により構成されている。
【0021】
サージタンク4は、吸気容積部として機能する空間をその内部に有している。そして、その吸気上流側には吸気管1が接続されている。また、このサージタンク4の吸気下流側には、吸気マニホールド5a〜5fが接続されている。この吸気マニホールド5a〜5fは、内燃機関のシリンダヘッド10に形成された各吸気ポート11a〜11fに接続されている。従って、吸気管1内に流入した吸気は、サージタンク4に導入された後、各吸気マニホールド5a〜5fを介して各吸気ポート11a〜11fにそれぞれ導入されるようになる。
【0022】
次に、上記吸気管構造が具体化された吸気管1の構造を、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。
まず、吸気通路2は、その吸気上流側にエアクリーナ(図示略)が接続されるとともに、その通路内には吸入空気量を調量するためのスロットル弁6が設けられている。また、その吸気下流側は拡径されており、この拡径部は、後述する分岐部2aとなっている。
【0023】
この分岐部2aの図1におけるA−A断面を図2に示し、図2におけるB−B断面を図3に示す。これら図2及び図3に示すように、分岐部2aは、その内部が吸気の流通方向に延設された隔壁2bによって仕切られており、吸気通路2から分岐されて並設された第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dが形成されている。この第1の吸気通路2cの吸気の流通方向に直交する通路断面積は、第2の吸気通路2dの同通路断面積よりも小さくなるように設定されている。特に、本実施の形態においては、吸気管1を備える内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応して上述した慣性過給効果が得られるように、第1の吸気通路2cの通路断面積は最適化されている。また、図3に示すように、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dが分岐される吸気通路2は、第1の吸気通路2c側にオフセットされて接続されている。
【0024】
次に、吸気管1内を吸気が流通するときの流動態様を、図4に基づいて詳細に説明する。
図4(a)は、本実施の形態にかかる吸気管構造が適用された吸気系を備える内燃機関において、その吸入空気量が少ないとき(例えば低回転運転時)の吸気の流動態様を模式的に示している。一般に、流体である吸気(空気)は、その慣性力によって吸気通路内を直進する特性がある。そして、吸気通路2は第1の吸気通路2c側にオフセットされて接続されているため、図4(a)に示されるように、吸気通路2内を流れてきた吸気の大部分はそのまま直進して第1の吸気通路2c内に導入されるようになる。
【0025】
一方、図4(b)は、本実施の形態にかかる吸気管構造が適用された吸気系を備える内燃機関において、その吸入空気量が多いとき(例えば高回転運転時)の吸気の流動態様を模式的に示している。まず、吸入空気量が多くなると、第1の吸気通路2cを流れる吸気の流量も増大する。そして、第1の吸気通路2cを流れる吸気の流量が増大すると、同第1の吸気通路2cにおける圧力損失が増大し、この第1の吸気通路2cだけでは吸気通路の断面積が不足するようになる。そのため、この場合には図4(b)に示されるように、第1の吸気通路2cに加えて第2の吸気通路2dにも吸気が流入するようになる。
【0026】
図5は、本実施の形態にかかる吸気管構造が適用された内燃機関の性能曲線を模式的に表しており、次に、この図5を併せ参照して、同吸気管構造による作用を更に詳述する。なお、同図5において、実線で示す曲線L1は、本実施の形態にかかる吸気管構造を備えた内燃機関の機関回転速度と機関出力トルクとの関係を例示している。また、同図5において、破線で示す曲線L2は、上記吸気通路2が分岐されていない一般的な吸気管構造を有する内燃機関の機関回転速度と機関出力トルクとの関係を例示している。
【0027】
まず、本実施の形態にかかる吸気管構造を備えた内燃機関では、上述のように低回転運転時において、主に吸気は第1の吸気通路2cに導入される。そして、第1の吸気通路2cの通路断面積は第2の吸気通路2dよりも小さくなるように設定されており、第1の吸気通路2cの有効吸気管長は第2の吸気通路2dよりも長くなっている。特に、本実施の形態では、内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応して上述した慣性過給効果が得られるように、第1の吸気通路2cの通路断面積は最適化されている。そのため、図5に曲線L1にて示されるように、上記低回転運転時では、吸気が第1の吸気通路2c内を流れることによる慣性過給効果が確実に得られ、内燃機関の低回転運転時における機関出力トルクが、曲線L2に示される内燃機関の機関出力トルクよりも向上するようになる。
【0028】
一方、機関回転速度が増大していくと、吸気は第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dに導入される。従って、吸気が流入する通路断面積が実質的に大きくなって有効吸気管長が短くなる。このため、図5に曲線L1にて示されるように、上述した第1の吸気通路2cによって慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも高い回転速度において、慣性過給効果による機関出力トルクの向上を図ることができる。すなわち、本実施の形態によれば、吸気通路2が分岐されていない吸気管構造を有する内燃機関の機関出力トルクと比較して、低回転運転時の機関出力トルク(低速トルク)を向上させるとともに、更に高い回転速度における機関出力トルクの落ち込みも抑制することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関の吸気管構造によれば、次のような効果が得られるようになる。
(1)吸気通路2を第1の吸気通路2cと第2の吸気通路2dとに分岐し、分岐前の吸気通路2を第1の吸気通路2c側にオフセットして接続している。そのため、吸気通路2内を流れてきた吸気は第1の吸気通路2c内に優先して導入されるようになる。さらに、第1の吸気通路2cの通路断面積を、第2の吸気通路2dの通路断面積よりも小さく設定している。そのため、慣性過給効果を得る上での有効吸気管長が長くなり、内燃機関の低回転運転時における機関出力トルクを向上させることができるようになる。特に、上記実施の形態では、内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応して上述した慣性過給効果が得られるように、第1の吸気通路2cの通路断面積を最適化している。そのため、第1の吸気通路2cに吸気が流入するときには、確実に内燃機関の低速トルクを増加させることができるようになる。
【0030】
(2)また、機関回転速度が増大して吸気通路2内を流れる吸気の流量が増大すると、第1の吸気通路2cに加えて第2の吸気通路2dにも吸気が流入するようになる。従って、吸気が流入する吸気通路の通路断面積が実質的に大きくなって有効吸気管長が短くなり、上述した第1の吸気通路2cによって慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも高い回転速度において、慣性過給効果が得られるようになる。すなわち、上述した第1の吸気通路2cによって慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも高い回転速度における出力トルクを向上させることができるようになる。
【0031】
(3)上述したように第1の吸気通路2cへの吸気の流入と、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dへの吸気の流入とは、吸気通路2内を流れる吸気の流動態様を利用して自ずとその流路形態が変更されるようにしている。そのため、吸気通路2内に吸気の流路形態を変更するための切替弁等を必要としない簡易な構造でありながら、可変吸気機能を確保することができるようになる。
【0032】
(4)吸気通路2内に隔壁2bを形成することによって、吸気管1に第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dを形成している。そのため、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dがそれぞれ独立した吸気管によって形成される場合と比較して、吸気管1自体の大型化を回避することができるようになる。
【0033】
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、先の図1や図3に示したように、直線状に形成された吸気管1に本実施の形態にかかる吸気管構造を適用したが、図6に示すように、湾曲形状を有する吸気管にも本実施の形態にかかる吸気管構造を適用することができる。そしてこの場合には、吸気が偏流して流れやすい湾曲外側に前記第1の吸気通路2cを配設すると、より確実に吸気を第1の吸気通路2cに流入させることができるようになる。
【0034】
・上記実施の形態では、吸気容積部として機能する空間をその内部に有するサージタンク4に吸気管1を接続するようにした。この他にも、内部に可変吸気機構を備えるサージタンクに上記吸気管1の吸気下流側、すなわち第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dの吸気下流側を接続するようにしてもよい。この可変吸気機構は、例えば図7に例示するように構成される。すなわち、サージタンク4’の内部を第1室4’aと第2室4’bとに分割する仕切壁31を同サージタンク4’の内部に設ける。そして、仕切壁31には、第1室4’aと第2室4’bとを連通する連通孔32を設け、同連通孔32には、機関運転状態に応じて開閉される吸気制御弁33を配設する。このように構成された可変吸気機構では、吸気制御弁33を開閉させることによって、サージタンク内に形成された第1室4’aと第2室4’bとの連通状態が切り替えられる。そして、第1室4’aと第2室4’bとが連通されているときは、各吸気マニホールド5a〜5fの長さが実質的な有効吸気管長となるため、内燃機関の高回転状態において慣性過給効果が得られるようなる。一方、第1室4’aと第2室4’bとが連通されていないときには、各吸気マニホールド5a〜5fの吸気下流側端部からサージタンク4‘内の仕切壁31の吸気上流側端部までの長さが実質的な有効吸気管長となる。従ってこの場合には、第1室4’aと第2室4’bとが連通されているときに慣性過給効果が得られる機関回転速度よりも低い回転速度で慣性過給効果が得られるようになる。
【0035】
なお、この場合には、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dを分離している隔壁2bが、サージタンク4’の内部を分割する仕切壁31に直交する角度になるように、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dを上記サージタンク4’に接続する。このように隔壁2bを仕切壁31に直交させることにより、第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dからの吸入空気は、サージタンク4’の内部に形成された第1室4’aと第2室4’bとにそれぞれ導入されるようになり、これら2つの空間に流入する吸入空気量の偏りが抑制される。
【0036】
さらに、仕切壁31を隔壁2bの吸気上流側端部まで延設すると以下のような効果が得られる。すなわち、先の図7及び図8に示すように、前記第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dが仕切壁31によって更に分割され、それぞれの断面積が小さくされる。また、各吸気マニホールド5a〜5fの吸気下流側端部から仕切壁31の吸気上流側端部までの全長がより長くなる。従って、実質的な有効吸気管長がさらに長くなり、内燃機関の低回転運転時における慣性過給効果についても、これをより効率よく得ることができるようになる。
【0037】
このような可変吸気機構を備えたサージタンク4’に、上記実施の形態における吸気管1を適用した場合の内燃機関の性能曲線を、図9に模式的に示す。なお、同図9において、実線で示す曲線L3は、先の図7及び図8に例示した吸気管構造を備えた内燃機関の機関回転速度と機関出力トルクとの関係を例示している。また、同図9において、一点鎖線で示す曲線L4は、前述した実開昭61−142127号公報に記載のものに類似した吸気管構造を備える内燃機関の機関回転速度と機関出力トルクとの関係を例示している。すなわち、曲線L4に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造は、先の図7及び図8に例示した吸気管構造において、吸気通路2が第1の吸気通路2c側にオフセットされることなく接続されている。換言すれば、吸気通路2内を流れてきた吸気が第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dにそれぞれほぼ均等に導入されるように、吸気通路2は接続されている。また、第2の吸気通路2d内には第2の吸気制御弁が配設されている。そして、この第2の吸気制御弁は、内燃機関の低回転運転時のみ閉弁され、これにより第2の吸気通路2dへの吸気の流入が阻止される。また、同図9において、破線で示す曲線L5は、前記実開昭61−142127号公報に記載の吸気管構造において、第2の吸気制御弁が配設されていないものに類似した吸気管構造を有する内燃機関の機関回転速度と機関出力トルクとの関係を例示している。すなわち、曲線L5に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造は、先の図7及び図8に例示した吸気管構造において、吸気通路2が第1の吸気通路2c側にオフセットされることなく接続されている。換言すれば、吸気通路2内を流れてきた吸気が第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dにそれぞれほぼ均等に導入されるように、吸気通路2は接続されている。
【0038】
さて、内燃機関の高回転運転時には、いずれの吸気管構造においても吸気マニホールド5a〜5fの長さが実質的な有効吸気管長となる。そのため、どの吸気管構造であっても、高回転運転時における慣性過給効果は同じように得られる。また、内燃機関の中回転運転時には、いずれの吸気管構造においても第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dに吸気が導入される。従って、どの吸気管構造であっても、実質的な有効吸気管長は同じになる。そのため、高回転運転時と同様に、いずれの吸気管構造であっても、中回転運転時における慣性過給効果は同じように得られる。すなわち、図9において各曲線L3〜L5で示されるように、各吸気管構造を備える内燃機関の機関出力トルクは、中・高回転運転時においては同程度となる。一方、低回転運転時においては、同じく各曲線L3〜L5で示されるように、機関出力トルクが異なるようになる。すなわち、曲線L4に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造では、内燃機関の低回転運転時に第2の吸気制御弁を閉じることにより、吸気通路2内を流れてきた吸気が確実に第1の吸気通路2c内に導入される。そのため、低回転運転時では、吸気が第1の吸気通路2c内を流れることによる慣性過給効果が確実に得られ、同運転時における機関出力トルクが高められる。一方、曲線L5に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造では、内燃機関の低回転運転時において、吸気通路2内を流れてきた吸気が第1の吸気通路2c及び第2の吸気通路2dにそれぞれほぼ均等に導入される。そのため、前述した有効吸気管長が短くなり、低回転運転時の慣性過給効果が低くなる。従って低回転運転時の機関出力トルクも低くなる。これらの吸気管構造に対し、図7及び図8に例示した、曲線L3に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造では、上記実施の形態にかかる吸気管構造と同様に、内燃機関の低回転運転時には、吸気通路2内を流れてきた吸気の大部分が第1の吸気通路2c内に導入される。そのため、低回転運転時では、吸気が第1の吸気通路2c内を流れることによる慣性過給効果が確実に得られ、同運転時における機関出力トルクが、曲線L5に示される内燃機関の機関出力トルクよりも向上するようになる。なお、この効果は、曲線L4に示される機関出力トルクが得られる吸気管構造を備える内燃機関にはやや及ばないものの、ほぼそれに匹敵する効果が得られていることが、この図9からも明らかである。このように、可変吸気機構を備えた上記サージタンク4’に、上記実施の形態における吸気管1を適用することにより、可変吸気機能による機関出力トルクをさらに向上させることができるようになる。
【0039】
また、図7及び図8に例示した吸気管構造において、上記サージタンク4’内の吸気制御弁33を設けず、仕切壁31で第1室4’aと第2室4’bとを完全に分離させたときの機関出力トルクは次のようになる。すなわち、先の図9において二点鎖線で示す曲線L6のように、内燃機関の高回転運転時での機関出力トルクの向上を図ることはできないが、低・中回転運転時における機関出力トルクは曲線L3に示される機関出力トルクと同様に得ることができる。
【0040】
・上記実施形態では、第1の吸気通路2cの通路断面積を第2の吸気通路2dよりも小さくなるように設定したが、各通路の通路断面積の大小関係は何らこのような関係に限られるものではない。要は、第1の吸気通路2cの通路断面積を、内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応してその最適化が図られた通路断面積にすればよい。
【0041】
・上記実施の形態では、吸気管1の断面が略四角形状であったが、何らこの形状に限られるものではなく、例えば環状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の吸気管構造の一実施の形態についてその構造を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示した吸気管のA−A断面の構造を示す断面図。
【図3】図2に示した吸気管のB−B断面の構造を示す断面図。
【図4】同実施の形態において、吸気管内を流通する吸気の流動態様を例示する模式図。
【図5】同実施の形態にかかる吸気管構造が適用された内燃機関の性能曲線を例示するグラフ。
【図6】上記実施の形態の変形例についてその概略構造を示す断面図。
【図7】上記実施の形態の変形例についてその概略構造を示す断面図。
【図8】図7に示した吸気管のC−C断面の構造を示す断面図。
【図9】上記実施の形態の変形例にかかる吸気管構造が適用された内燃機関の性能曲線を例示するグラフ。
【符号の説明】
1…吸気管、2…吸気通路、2a…分岐部、2b…隔壁、2c…第1の吸気通路、2d…第2の吸気通路、4、4’…サージタンク、4’a…第1室、4’b…第2室、5a〜5f…吸気マニホールド、6…スロットル弁、10…シリンダヘッド、11a〜11f…吸気ポート、31…仕切壁、32…連通孔、33…吸気制御弁。

Claims (6)

  1. 内燃機関の吸気管から分岐されて並設された第1及び第2の吸気通路を備える内燃機関の吸気管構造であって、
    前記吸気管が、前記第1及び第2の吸気通路の双方を通じてこれら前記第1及び第2の吸気通路の下流側に常時連通されるとともに、
    前記吸気管からの吸入空気が前記第1の吸気通路に優先して流入されるように、前記第1及び第2の吸気通路が分岐される前記吸気管を前記第1の吸気通路側にオフセットさせて接続し、且つ、前記吸気管の通路断面積に対する第1の吸気通路の通路断面積を同吸気管の通路断面積に対する前記第2の吸気通路の通路断面積よりも小さく設定したことを特徴とする内燃機関の吸気管構造。
  2. 前記並設される第1及び第2の吸気通路は、前記吸気管の内部に設けられた隔壁によって分離形成されてなる
    請求項1に記載の内燃機関の吸気管構造。
  3. 前記吸気管は湾曲形状を有しており、前記第1の吸気通路は、該湾曲形状の外側に位置するように形成されてなる
    請求項2に記載の内燃機関の吸気管構造。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関の吸気管構造において、
    仕切壁によって内部が2つの空間に分割されるとともに、該分割された2つの空間の連通及び非連通が機関運転状態に応じて開閉される吸気制御弁を介して制御される可変吸気機構付きのサージタンクを更に備え、
    前記第1及び第2の吸気通路は、その吸気下流側が、前記隔壁が前記仕切壁に直交する角度にて前記サージタンクに接続されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の吸気管構造。
  5. 前記サージタンクの内部を分割する仕切壁は、前記吸気管の内部に設けられた隔壁の吸気上流側端部まで延設されてなる
    請求項4に記載の内燃機関の吸気管構造。
  6. 前記第1の吸気通路の通路断面積は、前記内燃機関の低速トルクを増加させ得る回転速度に対応してその最適化が図られる通路断面積に設定されてなる
    請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の吸気管構造。
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