JP4537704B2 - カルシウム流入阻害因子およびその単離方法 - Google Patents

カルシウム流入阻害因子およびその単離方法 Download PDF

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Description

背景
多形核白赤球すなわち顆粒球は、好中球、好酸球、および好塩基球を含む広範囲の白血球のクラスであり、これらは骨髄で産生され、感染生物または外来物質から身体を防御する。好中球は急性炎症の最も重要な細胞成分である。罹患部位への好中球の移動は炎症応答の特徴を示している。好中球は炎症性疾患においても役割を果たすことが示されており、「不適切」な好中球活性化およびそれに続く抑制は、ある特定の疾患における好中球の役割を説明することが提案されている。例えば、不適切な活性化、不活化、および起こり得る自動酸化損傷は、外傷における好中球運動欠陥のメカニズムとして関与してきた。不適切な好中球活性化はまた様々な疾患にも関与してきた。
多形核白血球(「PMN」)が免疫応答間にアゴニストで刺激されると、PMNは一過性の細胞内遊離カルシウム濃度の上昇を示し、この上昇は内部貯蔵器官(例えば、小胞体内の内部貯蔵器官)からのカルシウム放出に起因している。好中球は、例えば、化学誘引物質、分泌促進物質、または活性化アゴニストに曝露した後、細胞内遊離カルシウム濃度の上昇を示す。この細胞内遊離カルシウム濃度の上昇は、免疫応答における後のPMN活性に重要である。現在のモデルでは、この一過性の細胞内遊離カルシウム濃度上昇の後、好中球はホメオスタシスの状態に戻り、細胞内遊離カルシウム濃度は、細胞内貯蔵器官へのCa++再移行(resequestration)、細胞外からのCa++流入、および外部環境へのCa++流出を伴うプロセスにより正常状態に戻ることが示されている。
ヒト乳汁は、ヒトおよび動物モデル(例えば、化学的に誘導された大腸炎モデルおよびラット皮下空気嚢炎症モデル)において抗炎症活性を含むことが示されている。以前の研究から、好中球の多くの炎症誘発機能が初乳および/またはヒト乳汁曝露により低下することが分かっている。例えば、ヒト乳汁中の成分はDC11b発現を増加し、L-セレクチン発現を減少し、活性化好中球を産生することができる。好中球内の細胞内遊離カルシウム濃度は好中球活性と関連しており、細胞内のCa++平衡は多くの正常な好中球機能に重要である。
(Ca++チャネルブロッカーまたは好中球のCa++遊離緩衝液への懸濁による)Ca++流入の阻害が、生理学的刺激後の多くの好中球炎症誘発機能を低下できることが研究から分かっている(例えば、トルフェナム酸によるヒト好中球機能阻害はCa++流入の阻害を伴う)。N-アセチルスフィンゴシン(C2-セラミド)は好中球のスーパーオキシド形成およびカルシウム流入を阻害することが報告されている。カルシウムチャネルをブロックする薬物はヒト好中球の殺菌機能に影響を及ぼすことが知られており、カルシウムチャネルブロッカーは多形核白赤球および単球の殺菌活性および殺真菌活性に影響を及ぼすことが報告されている。治療のために炎症による組織損傷を最小限にしようと、PMN機能の選択的抑制が、骨髄によるPMN産生の抑制が可能な細胞傷害剤を用いて試みられている。しかしながら、この骨髄抑制はPMN特異的でなく、他の血液成分の産生抑制とそれに伴う副作用をもたらした。PMN機能を抑制するのに副腎皮質ステロイド治療が用いられているが、このような治療にも多くの望ましくない副作用がある。インビボでのPMN機能の選択的抑制が、PMNインテグリンに対するモノクローナル抗体を用いて実験的に達成されることが報告されている。この最後の研究は、PMN機能の抑制が心筋梗塞拡大の予防/最小化および虚血/再潅流傷害の改善に応用できることを示唆している。
ヒト乳汁はカルシウム貯蔵を減らすことによって(少なくとも部分的には、アゴニスト刺激後のPMNへの細胞外カルシウム流入の阻害によって)PMNを阻害することが以前に報告されている。ヒト乳汁曝露はまた細胞内Ca++平衡を変え、細胞活性化を引き起こし、多形核白血球の機能を抑制することも報告されている。さらに最近の研究により、PMNへの細胞外カルシウム流入を阻害するヒト乳汁の能力が著しい特異性を有する作用であり得ることが報告されている。ヒト乳汁曝露には、ウサギ平滑筋細胞または横紋筋細胞、未熟ヒト骨髄系細胞または未熟ラット腸細胞における細胞外カルシウム流入に対して阻害作用がないことが報告されている。
概要
本願は、細胞外カルシウム流入阻害因子およびそれをヒト乳汁から精製する方法に関する。ヒト乳汁は広範囲の抗炎症性を有し、PMNまたは好中球などの細胞炎症メディエーターを阻害することが示されている。PMNおよび好中球の活性は細胞内遊離カルシウム濃度と相関している。ヒト乳汁は、PMNまたは好中球がアゴニストで刺激された後、ホメオスタシスの状態に戻る時に、外部供給源から細胞へのカルシウム流入を阻害することによってPMNまたは好中球の機能を抑制することができる。他の研究から、ヒト乳汁はまた、細胞内貯蔵器官へのCa++再移行および外部環境へのCa++流出を改善できることも示唆されている。細胞内カルシウム平衡は多くの正常なPMN機能に重要であるように思われるので、細胞内カルシウム貯蔵を枯渇させることによって、広範囲のPMN機能抑制による抗炎症作用を達成する手段が得られるかもしれない。
本願は、PMNにおいて細胞外カルシウム流入を阻害することができる、ヒト乳汁由来精製因子を提供する。本明細書で使用する「精製された」および「精製」という用語は組成物(および関連する方法)を意味し、ここで、1つまたは複数の指定された成分(例えば、CaII因子)の相対量が、組成物からの1つまたは複数の不純物の少なくとも一部の除去によって増加している。これらの用語は、90重量%またはそれ以上の1つまたは複数の所望の成分を含む組成物を生成するプロセスを意味することもあるが、「精製された」および「精製」という用語は、組成物から他の物質をこのように高度に除去することを必要としない、またはそれを意味しない。
Ca++代謝が好中球機能に対して重要な価値があるので、本出願人らは、乳汁曝露が一連のアゴニストに対する好中球のCa++応答を変えるかどうか、およびこの作用がどのように達成されるのかを調べた。本願は、アゴニスト(例えば、ホルミル-メチオニル-ロイシル-フェニルアラニン(「fMLP」))による刺激後にPMNにおけるカルシウム流入を測定するアッセイ法を用いることによって、PMNへの細胞外カルシウム流入を阻害することができる因子(本明細書では「CaII因子」と呼ぶ)をヒト乳汁から単離できるはずだという考えに基づいている。
本願は、PMNにおいて細胞外カルシウム流入を少なくとも部分的に阻害することができる(本明細書では「カルシウム流入阻害活性」と呼ぶ)、ヒト乳汁由来精製因子を生成する方法を提供する。好ましくは、CaII因子は実質的に精製されている。すなわち、CaII因子は、精製組成物に存在する1kDaまたはそれ以上の見かけの分子量を有する成分の少なくとも約50重量%を占めている。PMNが精製CaII因子で処理されると、PMNへの外部カルシウムの流入が阻害される。従って、アゴニストでさらに刺激し、内部貯蔵器官からカルシウムをさらに放出させると、PMNのカルシウム含有量は正味枯渇し、従って、PMNの1つまたは複数の機能が抑制される。
1つの態様は、清澄化ヒト乳汁由来CaII因子を精製する方法を提供する。清澄化ヒト乳汁は細胞破片および脂肪球が実質的に取り除かれている。これは、遠心分離および/または濾過などの標準的な方法を用いて達成することができる。CaII因子は、低分子量画分が1kDaまたはそれ以上および10kDaまたはそれ以下の見かけの分子量を有する成分を含むように、清澄化乳汁から低分子量画分を単離することによって精製することができる。例えば、清澄化乳汁は、10kDaを超える見かけの分子量を有する成分を除去するように処理し、その後、1kDa未満の見かけの分子量を有する成分を除去するように処理することができる。好ましい態様において、清澄化乳汁は、3.5kDa以下および1kDa以上の見かけの分子量を有する成分を含む低分子量画分を得るように処理することができる。その後、低分子量画分は、脂溶性成分を除去して、カルシウム流入阻害活性を示す成分を含む水溶性の第2の画分を得るように処理することができる。これは、例えば、有機溶媒(例えば、クロロホルム/メタノール混合物)で第1の画分を抽出し、水相を保存することによって達成することができる。
例えば、精製CaII因子は、以下の段階を含む方法によって清澄化ヒト乳汁から生成することができる:(i)清澄化ヒト乳汁を10kDaカットオフ膜で透析して、透析液を第1の画分として集める段階;(ii)第1の画分を1kDaカットオフ膜で透析して、保持液(retentate)を第2の画分として単離する段階;および(iii)第2の画分を、脂溶性成分を溶解することができる有機溶媒(例えば、クロロホルム/メタノール混合物)で抽出して、カルシウム流入阻害活性を示す成分を含む水溶液である第3の画分を得る段階。
本願はまた、ヒト乳汁由来精製CaII因子を提供する。CaII因子は、PMNへの細胞外カルシウム流入を阻害することができる。精製CaII因子は、一般的に、清澄化ヒト乳汁から生成される。CaII因子は、一般的に、約1kda以上および約10kda以下の見かけの分子量を有する。より適切には、CaII因子は、一般的に、約1kda以上および約3.5kda以下の見かけの分子量を有すると考えられる。CaII因子は水溶液に可溶性であり、好ましくは、脂溶性物質を実質的に含まないように精製される。この因子は、10分間、100℃に加熱された後、その細胞外カルシウム流入阻害活性(「CaII活性」)を保持できることが発見されている。CaII因子はまた、60℃で10分間、pH2に酸性化または25℃で10分間、pH12にアルカリ化された後、そのCaII活性を保持することができる。CaII因子はローリー(Lowry)法において陽性反応を生じず、37℃で10分間、1μg/mlプロテイナーゼKで処理された後、そのCaII活性を保持することができる。本明細書で使用する「〜に対して耐性」という用語は、所定の条件に供された後に、少なくともある程度のカルシウム流入阻害活性を示し続ける因子を意味する。CaII因子はまた凍結融解処理に対して安定である。すなわち、CaII因子は、凍結融解処理に供された後、カルシウム流入阻害活性を示す。
本願はまた、CaII因子を白血球に投与する段階を含む、多形核白血球へのカルシウム流入を阻害する方法を提供する。
詳細な説明
本願は、PMNへのカルシウム流入を阻害することができるヒト乳汁由来因子の単離および/または精製に関する。
本明細書で使用する「清澄化ヒト乳汁」という用語は、例えば、遠心分離および/または濾過により細胞破片および脂肪球が実質的に取り除かれたヒト乳汁を意味する。
本明細書で使用する「炎症」という用語は、有害な薬剤および/または損傷組織を破壊、希釈、または遮断するように働き、急性の形で疼痛、熱、赤み、腫脹、および機能喪失の古典的な順序により特徴付けられる、組織の損傷および/または破壊により誘発された局所的な防御反応を意味する。炎症は、組織学的には、透過性および血流の増大を伴う細動脈、毛細血管、および細静脈の拡張、血漿タンパク質を含む液体の滲出、ならびに炎症病巣への白血球の移動を含む複雑な一連の事象を伴う。
本明細書で使用する「多形核白血球」(または「PMN」)という用語は、好中球、好酸球、および好塩基球を含む代表的なクラスの白血球(または顆粒球と呼ばれる)を意味する。
本明細書で使用する「HBSSw」という用語は、10mM MgCl2および10mM CaCl2を添加したハンクス液を意味する。
本明細書で使用する「HBSSw/o」という用語は、10mM MgCl2および10mM CaCl2を含まないハンクス液を意味する。
本明細書で使用する「fMLP」という用語は、配列ホルミル-メチオニル-ロイシル-フェニルアラニンのペプチドを意味する。
本明細書で使用する「カルシウム流入」という用語は、カルシウムが外部培地から細胞に移動することを意味する。
本明細書で使用する「遊離カルシウム」という用語は、サイトゾルに存在し、小胞体などの細胞内小胞中に保持されていない細胞内カルシウムを意味する。
清澄化ヒト乳汁から因子を単離および精製するための1つの適切な方法は、以下の段階を含む:
1.清澄化ヒト乳汁を10kDa透析膜で透析し、透析液(「濾液」)を第1の画分として集める段階(例えば、清澄化ヒト乳汁を10kDa透析膜でリン酸緩衝食塩水(「PBS」)に対して一晩透析する);
2.第1の画分を1kDa透析膜で透析して、保持液(「濃縮液」)を第2の画分として集める段階(例えば、第1の画分を1kDaカットオフ膜で吸収透析/濃縮する);
3.第2の画分を有機溶媒(例えば、クロロホルムおよびメタノールの混合物)で抽出し、結果として生じる水相(「水溶性濃縮液」)を集める段階。
ある特定の画分におけるCaII因子の存在および相対量は、カルシウム流入アッセイ法を行うことによって決定することができる。細胞中の遊離カルシウム(「遊離Ca++」)の濃度は、fura2プローブ(モレキュラープローブス(Molecular Probes)、Eugene、OR)を使用することによって測定することができる。PMN(例えば、好中球)は、Boyum,A.、「Isolation of mononuclear cells and granulocytes from human blood」Scand.J.Clin.Invest.、97:77-89(1968)に記載のように単離することができる。PMNまたは好中球(HBSSw/o中に5×106のPMN)は、暗闇下(total darkness darkness)で37℃、5%CO2で45分間、2μM fura-2AM(fura2のメチルエステル型)に曝露することによってfura-2で標識することができる。標識後、細胞をペレット化し、細胞を15ml体積のHBSSw/oに再懸濁することによって、細胞は2回洗浄することができる。次いで、細胞濃度は、HBSSw(10mM Ca++および10mM Mg++を含む)で10×106/mlに再調整することができ、細胞内のfura2プローブの蛍光は、励起波長340nmおよび380nmならびに蛍光波長510nmでLS50B分光蛍光計(パーキンエルマーセタス(Perkin Elmer Cetus)、Norwalk、CT)で調べることができる。fura2プローブは細胞内遊離Ca++に結合すると、340nmで励起された時に380nmより強い強度の光を発する。プローブが細胞内遊離Ca++に結合した時の、この蛍光の差によって、研究者は以下の式を用いて遊離Ca++量を計算することができる:
遊離Ca++濃度=Kd((R-Rmin)/(Rmax-R))Q
式中、Rは、特定の試験条件下での340/380nm蛍光の比であり、Rmaxは、0.1% トライトン(Triton)X-100で処理された細胞の340/380nm蛍光の比であり、Rminは、0.1% トライトン X-100および20mM EGTAで処理された細胞の340/380nm蛍光の比であり、「Q」は、Ca++遊離条件/Ca++飽和条件下での380nm蛍光の比であり、Kdは、fura2へのCa++結合の解離定数である(校正曲線に基づいてKd =145nM)。アゴニスト刺激後(例えば、PMNを1μM fMLPで処理した後)、遊離Ca++の計算値を用いて遊離Ca++対時間の曲線を作成することができ、この曲線下の面積はアゴニストに対する遊離Ca++応答を示す。
ある特定の画分における「CaII活性」は、(1)PMNをヒト乳汁由来精製画分で処理し;(2)PMNをアゴニスト(例えば、fMLP)で刺激し;(3)fMLP刺激の約30秒後、10mM CaCl2を細胞培地に添加し;(4)外部10mM CaCl2添加後の未処理細胞と比較した細胞内遊離Ca++対時間の上昇またはその欠如を測定することによって測定することができる。CaII活性は、外部培地への10mM CaCl2添加後の未処理細胞と比較した細胞内遊離Ca++対時間曲線下の面積を減らす活性として定義される。アゴニスト刺激後、PMNは細胞内遊離Ca++濃度の一過的な上昇を示し、次いで、細胞内遊離Ca++濃度は徐々に減少する(図1)。外部Ca++添加後、細胞内遊離Ca++濃度は、画分がCaII活性を示す成分を含む場合を除いて再び上昇する(図1)。
因子の精製
ヒト乳汁から精製CaII因子を生成する本方法は、以下の説明を参照することによって例示される。この説明は、本明細書に示された発明の範囲を例示することを目的とし、本発明の範囲を限定しない。
ヒト成乳試料を、分娩後4日以降の母親から手で搾るか、または電気搾乳器で搾乳することによって集めた。収集後、各試料を冷蔵庫温度で保存し、3時間以内に実験室に運んだ。実験室に到着したら、乳汁試料を遠心分離(380×g、10分、4℃)にかけ、乳脂を含む無細胞上清および水相を集め、再度混ぜ合わせ、使用するまで-70℃で保存した。実験に使用する前に、ヒト乳汁試料を融解し、卓上型遠心分離器を用いて遠心分離(14,000×g、25分、室温)にかけて、水相(「清澄化ヒト乳汁」)を再度得た。
次いで、清澄化ヒト乳汁を、10kDaカットオフ膜または3.5kDaカットオフ膜のいずれかでPBSに対して透析した。透析液(「濾液」)を集め、1kDaカットオフ膜でPBSに対して再度透析し、保持液(「濃縮液」)を集めることで「濃縮」した。次いで、濃縮液をクロロホルム/メタノール混合物で抽出し、水溶性画分を集めることができる(「水溶性濃縮液」)。抽出後、このような水溶性画分(「水溶性濃縮液」)はCaII活性を保持している(図1を参照のこと)。結果として得られた精製因子には(ローリー法で検出可能な)タンパク質含有物が本質的になく、そのCaII活性はプロテイナーゼK耐性である。抽出段階間の有機溶媒への曝露は、因子のCaII活性に実質的な影響を及ぼすように見られない。例えば、CaII活性を有する水溶性濃縮液成分は、有機溶媒への曝露から生じる変性によって活性を失うように見えない。
図2に示したスコポレチンアッセイ結果により証明されるように、「濾液」に曝露されたPMNは、スコポレチン蛍光消失により示されるようにfMLP刺激後に過酸化水素(「H2O2」)を生成する。対照的に、fMLPで刺激されたPMNの「濃縮液」(「Conc.」)または「水溶性濃縮液」への曝露はスコポレチン蛍光消失を生じさせない。このことから、これらの画分に曝露されたPMNによる実質的なH2O2生成が無いことが分かる。
因子の特徴付け
精製CaII因子は、1回目の透析段階で用いられた膜に応じて、1〜10kDa(すなわち、因子は10kDa透析膜で保持されないが、1kDa膜では保持される)または1〜3.5kDa(すなわち、因子は3.5kDa透析膜で保持されないが、1kDa膜では保持される)の見かけの分子量を有する。因子は、クロロホルム/メタノール混合物などの有機溶媒で抽出されると水相に分配される。因子は陽イオン樹脂にも陰イオン樹脂にも強く結合しない(例えば、本発明のCaII因子はヘパリンセファロースにもダウェックス(Dowex)樹脂にも結合しない)。
未処理細胞と比較した処理細胞の細胞内遊離Ca++濃度対時間曲線下の面積減少により測定されるように、CaII因子は、PMNがアゴニストで刺激された後、PMNにおけるカルシウム流入を阻害する(例えば、図1を参照のこと)。図3および4にそれぞれ示した結果により証明されるように、CaII因子はまた、fMLPに曝露されたPMNの凝集およびfMLPまたは活性化血清で刺激されたPMNの移動運動を阻害することもできる。未分画ヒト乳汁が組織培養プレート表面へのPMN接着を低下させることが報告されているのに対して、本発明のCaII因子はPMN接着に影響を及ぼさなかった(結果は示さず)。
下記に示した以下の手順は、(a)PMNにおける細胞内カルシウム濃度の決定;(b)PMNによる表面受容体シェディング(shedding)に及ぼす乳汁画分の影響の決定;(c)fMLPに曝露されたPMNの形状に及ぼす乳汁画分の影響の試験;(d)組織培養プレートウェルへのPMN接着に及ぼす乳汁画分の影響の試験;および(e)fMLPに曝露されたPMNの凝集に及ぼす乳汁画分の影響の決定に用いることができる。
PMNの精製および調製:
ハイパック-フィコール(Hypaque-ficoll)/デキストラン沈降法を用いて、成人ボランティアドナーから得たヘパリン添加血液からPMNを精製した。結果として得られた細胞調製物(一般的に>95%PMN)をCa++およびMg++含有ハンクス液(HBSSw)で107細胞/mlに調整し、記載のように実験に使用した。
血清および血漿対照の調製:
血清標本は、室温で30分間凝固させ、縁をつけ(rim)、血餅収縮するように30〜60分間氷上におき、沈殿させた(500×g、10分、4℃)、6個の新鮮な血液試料から調製した。血清を取り出し、使用するまで-20℃で凍結した。血漿試料は、沈殿させ(500×g、10分、4℃)、結果として得られた血小板を多く含む血漿を0.4μフィルターで濾過して含有血小板を除去し、次いで、使用するまで-20℃で凍結することによって6個の異なるヘパリン添加血液試料から調製した。
PMNにおける細胞内Ca ++ 測定:
精製PMNをCa++およびMg++を含まないハンクス液(HBSSw/o)に移し、5×106細胞/mlに調整し、前述のように(8)、37℃、5%CO2で45分間、2μM fura2-AM(モレキュラープローブス、Eugene、OR)と混ぜ合わせた。fura2標識後、細胞を2回洗浄し(15ml HBSSw/o)、HBSSwで107/mlに調整し、励起波長340nmおよび380nmならびに蛍光波長510nmでLS-50B蛍光分光光度計(パーキンエルマーセタス、Norwalk、CT)に入れた。蛍光測定値が安定した後、0〜9%乳汁を細胞に添加し、その反応を記録した。その後、1μM fMLPを添加し、結果として生じた蛍光変化を連続的に記録した。10%、50%、および100%乳汁曝露を調べる実験の場合、適切に希釈した乳汁にfura2標識細胞を再懸濁し、10分間、37℃に保ち、2回洗浄し、HBSSwで107/mlに再調整し、蛍光分光光度計に入れた。安定なベースラインまで平衡に達した後、1μM fMLPを細胞に添加し、その蛍光を、ある期間にわたって連続的に記録した。細胞内遊離Ca++濃度を前述のように計算した。各実験条件のRmaxおよびRminは、Rmaxを計算するために0.1%トライトン X-100による細胞溶解後に観察された蛍光およびRminを計算するために20mM EGTAによるCa++キレート化後に観察された蛍光に基づいている。ホルミルペプチドまたは乳汁曝露後に生じた細胞内遊離Ca++濃度の急な上昇およびゆっくりとした低下(Ca++トランジエント(transient))は、細胞内遊離Ca++濃度のベースラインレベルと、fMLP添加後に達した最大の高さとの差を測定することによって定量した。fMLPで動員された細胞内Ca++貯蔵に及ぼす複数回の乳汁添加の影響を調べる実験では、3%乳汁を蛍光光度計キュベットに0〜4回連続添加した後にfMLPを添加し、fMLPで誘導されたCa++トランジエントの高さを前述のように測定し、対照(先行する乳汁添加なし)のパーセントとして、fMLPで誘導されたトランジエントの高さを表した。
表面受容体シェディングアッセイ法:
精製PMN(107)を乳汁/HBSSw希釈液の0.5mlアリコートに再懸濁し、10分間、37℃に保った。乳汁対照は、希釈した乳汁(添加細胞なし)の同じアリコートを含み、血漿対照は、血漿希釈液±添加細胞であった。インキュベーション後、細胞を沈殿させ(5分、14,000×g、室温)、これらの上清およびその対応する対照乳汁希釈液を取り出し、試験するまで-70℃で凍結した。受容体シェディングを定量するために、試料(細胞ありおよび細胞なし)のsTNFRIおよびsTNFRII含有量をEASIA(メドジェニクス(Medgenix Inc)、Fleures、Belgium)で調べ、sIL-1RII含有量をELISA(アールアンドディーシステムズ(R&D Systems)、Minneapolis、MN)で調べた。添加細胞のある試料と添加細胞のない試料との可溶性サイトカイン受容体含有量の差を、乳汁、精製因子、または血漿の曝露中にシェディングされたサイトカイン受容体の量とした。実験は、2種類の異なる試料と各PMN調製物を用いて、または1種類の異なるPMN調製物と各試料を用いて行うことができる。
形状変化アッセイ法:
精製PMNを2×107細胞/mlに調整し、HBSSw、1μM fMLP、乳汁、乳汁画分、または血清希釈液に曝露し、5分間、37℃に保った。インキュベーション後、細胞を固定し(ホルマリン10%v/v、25℃、30分)、沈殿させ、ホルマリンから取り出し、107細胞/mlで冷HBSSwに再懸濁した。5μlの細胞懸濁液を、水に溶解した0.1%クリスタルバイオレットと1:1で混ぜ合わせ、カバーガラスの下に入れ、オリンパス(Olympus) BH2倒立顕微鏡を用いて調べた。細胞の顕微鏡画像をデジタル形式で取り込み(400×、Connectix Color QuickCam、コネティックス(Connectix)、San Mateo、CA)、グレースケールファイルとして保存し、デジタル画像に取り込まれた全細胞の長軸および短軸の長さ(ピクセル)を測定するために画像解析ソフトウェア(SigmaScan Pro、ジャンデルサイエンティフィック(Jandel Scientific)、San Rafael、CA)にインポートした。これらの測定値から、各細胞の長軸:短軸比を計算した(丸い細胞の場合、長軸:短軸=1)。各実験条件から少なくとも25の画像(54〜120の個々の細胞)を集め、測定し、データをプールし、各試料の細胞形状の尺度として平均軸比を調べた。同じ希釈の各試料のこれらの平均値を平均し、結果として得られた値を、それぞれの試料希釈条件における細胞形状の尺度とした。
PMN接着アッセイ法:
1mlアリコート中の精製PMN(HBSSwで5×106/ml)を、2mlで0%〜50%の最終試料濃度となるように乳汁または乳汁画分と混ぜ合わせた。0.5ミリリットル体積のこの細胞懸濁液を、24ウェル組織培養プレートの2通りのウェルに入れ、20ng/ml(最終)ホルボールミリステートアセテート(PMA)を2通りのウェルの一方に添加した。培養プレートを15分間、37℃、5%CO2に保ち、次いで、非接着細胞を除去するために各ウェルをHBSSwで穏やかに2回洗浄し、水切りし、接着細胞を可溶化するためにHTAB緩衝液(50mMリン酸カリウム(pH6.0)に溶解した0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)0.5mlを各ウェルに添加した(25℃、15分)。インキュベーション後、HTAB緩衝液を除去し、ペルオキシダーゼ活性をアッセイするまで-70℃で凍結した。アッセイ法を校正するために、2.5×106PMNのアリコートを沈殿させ、細胞ペレットをHTAB緩衝液で可溶化し、この試料のペルオキシダーゼ活性を2.5×106細胞に存在する活性とした。ペルオキシダーゼ活性を測定するために、HTAB緩衝液上清を融解し、0.1mlをアッセイ緩衝液(0.167mg O-ジアニソジンHCl/mlおよび50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に溶解した0.0005% H2O2)2.9mlと混ぜ合わせ、茶色の発色を、ラムダ-6分光光度計(パーキンエルマーセタス、Norwalk CT)を用いてOD460で追跡した。色強度の測定値を90秒間10秒毎に記録し、最後の60秒間のΔOD460を試料のペルオキシダーゼ活性の尺度とした。データを、各条件におけるプラスチックに接着した細胞のパーセントに換算するために、各実験試料について観察されたΔOD460を、2.5×106細胞に相当する標準で観察されたΔOD460で割った。
PMN凝集アッセイ法:
新鮮に精製されたPMN(HBSSw中で2×107/ml)を、所望の最終試料濃度になるように乳汁または乳汁画分と1:1で混ぜ合わせ、500rpmで連続攪拌しながら37℃でクロノログ(Chrono-Log)モデル560血小板凝集計に入れた。各実験間の細胞老化による系統だった人為結果を避けるために、異なる試料濃度を調べる順序を実験ごとに反対にした。温度が平衡状態に達する間、光透過の上限および下限を、それぞれ、8×106細胞/mlおよび10×108細胞/mlに設定し、凝集を誘導するためにfMLP(1μM最終)を細胞懸濁液に添加した。凝集細胞の光透過をfMLP添加後3分間記録した。紙の形の凝集曲線記録を、フラットベットスキャナーを用いてデジタル画像に変換した。各条件での凝集反応の尺度として凝集曲線下の3分間の面積(ピクセル2)を定量するために、結果として得られた画像を解析した(SigmaScan Pro、Jandel Scientific、San Rafael、CA)。1μM fMLPに対するPMN凝集反応に及ぼす1%、4%、10%、25%、および50%血清の影響を調べた対照実験から、これらの血清濃度はどれもPMN凝集を抑制する作用がないことが分かった。
本発明は、様々な特定のかつ例示的な態様および技法を参照して説明された。しかしながら、本発明の精神および範囲内のままで多くの変化および変更を加えることが可能なことが理解されるべきである。
他の出願の相互参照
本願は、2001年9月12日に出願された米国特許仮出願第60/322,057号の優先権を主張し、この開示内容は参照として本明細書に組み入れられる。
fMLPで刺激し、遊離Ca++を培地に添加した後のCa++流入の阻害を図示するグラフを示す。10kDaカットオフ膜を通過した精製乳汁画分は「濾液」と呼ぶ。1kDaダルトンカットオフ膜により保持された「濾液」画分は「濃縮液」(「Conc.」)と呼ぶ。「水溶性濃縮液(Aqu.Conc.)」(または本明細書では「mkII」と呼ぶ)は、「濃縮液」画分をクロロホルム/メタノール混合物で抽出し、水相を集めることによって作成された。 fMLP刺激後のスコポレチンアッセイ法の結果を図示するグラフを示す。「濾液」、「濃縮液」(「Conc.」)、および「水溶性濃縮液(Aqu.Conc.)」は、図1の説明で言及された同じ精製乳汁成分である。このアッセイ法において、スコポレチン蛍光消失はPMNによるH2O2産生の指標である。 fMLP刺激後のPMN凝集反応に及ぼすヒト乳汁および「濃縮液」(「Conc.」)の影響を図示するグラフを示す。「濃縮液」は図1の説明で言及された同じ精製乳汁成分である。 (未刺激またはfMLPもしくは活性化血清での刺激後の)PMN移動運動に及ぼす「濾液」および「濃縮液」(「Conc.」)の影響を図示するグラフを示す。「濾液」および「濃縮液」は図1の説明で言及された同じ精製乳汁成分である。

Claims (14)

  1. 清澄化ヒト乳汁由来因子を精製する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (i)清澄化ヒト乳汁から第1の画分を単離する段階であり、ここで、第1の画分が、約1kDa以上および約10kDa以下の見かけの分子量を有する成分を含む段階;及び
    (ii)該第1の画分から脂溶性成分を除去して、カルシウム流入阻害活性を示す成分を含む第2の画分を得る段階であって、脂溶性成分の除去が有機溶媒での第1の画分の抽出および水相の保存を含む段階。
  2. 請求項1記載の方法により生成されたヒト乳汁由来精製因子。
  3. ヒト乳汁由来因子を精製する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (i)清澄化ヒト乳汁を10kDaカットオフ膜で透析して、透析液を第1の画分として得る段階;
    (ii)第1の画分を1kDaカットオフ膜で透析して、保持液を第2の画分として単離する段階;
    (iii)脂溶性成分を溶解することができる溶媒で第2の画分を抽出して、カルシウム流入阻害活性を示す成分を含む第3の画分を得る段階。
  4. 請求項3記載の方法により生成されたヒト乳汁由来精製因子。
  5. 約1kda以上および約10kda以下の見かけの分子量を有し、水溶液に可溶性であり、脂溶性物質を実質的に含まず、カルシウム流入阻害活性を示し、且つローリー法において陽性反応を生じない、ヒト乳汁由来精製因子。
  6. 100℃、10分間の熱処理に対して耐性である、請求項5記載の因子。
  7. 60℃、10分間のpH2への酸性化に対して耐性である、請求項5記載の因子。
  8. 25℃、10分間のpH12へのアルカリ化に対して耐性である、請求項5記載の因子。
  9. 37℃、10分間の1μg/mlプロテイナーゼK処理に対して耐性である、請求項5記載の因子。
  10. 凍結融解処理に対して安定である、請求項5記載の因子。
  11. 約3.5kda以下の見かけの分子量を有する、請求項5記載の因子。
  12. 多形核白血球へのカルシウム流入を阻害するための薬剤の製造における、請求項1記載の方法により精製された因子の使用
  13. 多形核白血球へのカルシウム流入を阻害するための薬剤の製造における、請求項3記載の方法により精製された因子の使用
  14. 多形核白血球へのカルシウム流入を阻害するための薬剤の製造における、請求項5記載の精製因子の使用
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