JP4537597B2 - 視差量測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオ画像の視差量を測定する視差量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステレオ画像の視差量を測定する技術は様々な応用分野がある。例えば、特開平7−120255号公報に記載されているように、複数のカメラで前方視野を撮影し、その視差量から奥行き情報を得るステレオ距離計測が古くから知られている。このステレオ距離計測では、特定場所の奥行きを測定する場合もあれば、視差全体を細かく分割し、その各々について奥行きを測定する場合もある。
【0003】
また、娯楽用あるいは業務用の立体映像表示の分野では、測定した視差情報を片方の映像に付加して伝送することで伝送量を減らすという使い方もある。さらに、例えば特開平9−322199号公報や特開平4−360394号公報に記載されているように、映像の視差量を監視しておいて、それが観察者にとって良好な視差になるように映像やカメラ設定を補正したり、特開平11−355808号公報に記載されているように表示条件を切り替えたりする使い方もある。このような使い方の場合、画面内の詳細な視差分布を測定することもあるが、特定箇所の視差量や、視差の最頻値や最大値などの統計量を用いることもある。
【0004】
上記の視差量を測定する方法としては、従来からブロックマッチング方法がよく利用されている。この方法では、例えば左右(LR)の2枚の画像の視差を測定する場合には、例えば図15に示すようにL画像の画面をM×N画素のいくつかの測定ブロックに分割、またはL画像の画面上で何箇所かの測定ブロックを指定して、各測定ブロックに対してR画像の画面上から対応する場所すなわち最も類似した場所を探し出し、その両者の位置ずれ量に基づいて視差量を測定している。
【0005】
ここで、対応する場所を探索するにあたっては、例えば図16に示すように、L画像上の測定ブロックの座標を(XL,YL)として、まずR画像上にL画像と同じ座標でM×N画素のブロックBを設定し、ブロックAとブロックBとの間で下記の式に従って画素同士の輝度差(絶対値)の総和(以後、差分絶対値和と呼ぶ)を演算する。
【0006】
【数1】
Figure 0004537597
【0007】
上記のブロックA,B間の差分絶対値和Sは、ブロックBがブロックAに対応する場所で最小となるので、ブロックBをずらしながら、つまりΔX,ΔYの値を適度な範囲内で変えながら差分絶対値和Sを演算して、それが最小となる場所を探し出す。このようにして、差分絶対値和Sが最小となるブロックBの場所を探したら、そのブロックBの場所とブロックAの場所とのずれ量ΔX,ΔYをブロックAに対応する視差量として演算する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、通常のブロックマッチング方法では、例えばブロック内に明確な輝度変化が十分にない場合には、至る所に類似箇所が存在して、わずかなノイズや画像の違いで正しくマッチングできなくなる場合がある。また、画像にノイズが多い場合や、オクルージョンや視差の大きく異なるオブジェクトがブロック内に含まれている場合には、ブロックの一部にしか対応場所が存在しなかったり、逆に対応する場所が複数存在したり、といった現象が起こってマッチングエラーとなり易い。このようなマッチングエラーが発生すると、測定結果に異常値が含まれることになり、前述の距離測定に大きな誤差がでたり、表示条件の補正や変更が不適切なものになる。
【0009】
上記のマッチングエラーの発生を避けるために、異常な情報を除外したり何らかの補間処理を施して、悪影響を及ぼさないようにする方法も知られている。例えば、ブロック内に明確な輝度変化が十分にない場合の対策として、例えば特開平7−120255号公報には、エッジの有無つまり明確な輝度変化の有無をチェックしてエラーマッチングの可能性が高いか否かを判定し、可能性が高い場所を予め除外することが開示されている。
【0010】
しかし、画像にノイズが多い場合や、オクルージョンや視差の大きく異なるオブジェクトがブロック内に含まれている場合には、エラーマッチングを検出するのは困難である。例えば、特開平7−120255号公報や特開平4−203908号公報には、マッチング結果の差分絶対値和を利用してエラーマッチングを検出する方法が開示されているが、差分絶対値和は、輝度、コントラスト、エッジの多少、ノイズなど画像の性質に左右されるうえ、正しくても最小値が十分小さくならないことも多く、エラーマッチングと正しいマッチングとの切り分けを必ずしも明確にできない。
【0011】
例えば、ブロック内に前景オブジェクトと背景オブジェクトとがある場合には、一般には前景と背景との画像情報が邪魔しあって差分絶対値和の最小値は大きくなるが、前景か背景のどちらかが優位になって正しくマッチングすることもある。逆に、エラーマッチングであっても差分絶対値和の最小値がさほど大きくならないこともある。
【0012】
このため、最適な閾値を決めるのは難しく、例えば閾値を低くすればエラーマッチングの検出精度は上がるが、測定データの多くが無駄になったり、再測定の手間が増えたりする。特に、視差の統計量や全体の傾向を短時間に得たいような用途では、測定データは有効に利用して、再測定は避けたい。そのためには、エラーマッチングと正しいマッチングとを明確に切り分ける必要がある。
【0013】
したがって、係る点に鑑みてなされた本発明の目的は、視差測定に際してのエラーマッチングと正しいマッチングとを明確に切り分けて検出でき、視差の統計量などを計算する際に、エラーマッチングの影響を減らすことができる視差量測定装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る視差量測定装置の発明は、第1の画像および第2の画像からなるステレオ画像の上記第1の画像上に所定の測定ブロックを設定する測定ブロック設定手段と、
上記第2の画像上で上記測定ブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記測定ブロックの視差量を測定する上層マッチング手段と、
上記測定ブロックを複数のサブブロックに分割し、上記第2の画像上で上記各サブブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記各サブブロックの視差量を測定する下層マッチング手段と、
該下層マッチング手段で得られた上記各サブブロックの視差量と上記上層マッチング手段で得られた上記測定ブロックの視差量とを比較する視差量比較手段と、
該視差量比較手段での比較結果に基づいて上記上層マッチング手段でのマッチングがエラーか否かを判定するエラー判定手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0015】
請求項1に係る視差量測定装置によると、下層マッチング手段で得られた各サブブロックの視差量と上層マッチング手段で得られた測定ブロックの視差量とを比較して、上層マッチング手段でのマッチングがエラーか否かを判定するようにしたので、視差の統計量などを計算する際に、エラーマッチングの測定ブロックを除外することができ、エラーマッチングの影響を減らすことができる。
【0016】
請求項2に係る発明は、第1の画像および第2の画像からなるステレオ画像の上記第1の画像上に所定の測定ブロックを設定する測定ブロック設定手段と、
上記第2の画像上で上記測定ブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記測定ブロックの視差量を測定する上層マッチング手段と、
上記測定ブロックを複数のサブブロックに分割し、上記第2の画像上で上記各サブブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記各サブブロックの視差量を測定する下層マッチング手段と、
該下層マッチング手段で得られた上記各サブブロックの視差量と上記上層マッチング手段で得られた上記測定ブロックの視差量とを比較する視差量比較手段と、
該視差量比較手段での比較結果に基づいて上記下層マッチング手段での各サブブロックのマッチングがエラーか否かを判定するエラー判定手段と、
を有することを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に係る視差量測定装置によると、下層マッチング手段で得られた視差量と上層マッチング手段で得られた視差量とを比較して、下層マッチング手段での各サブブロックのマッチングがエラーか否かを判定するようにしたので、結果的に上層マッチング手段での測定ブロックのマッチングに信頼性に応じた重み付けを行うことができ、視差の統計量などを計算する際にエラーマッチングの影響を減らすことができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の視差量測定装置において、上記下層マッチング手段は、上記第1の画像上のサブブロックと対応する上記第2の画像上の領域との類似性を演算するサブブロック類似性演算手段と、上記第1の画像上の各サブブロックについて、上記サブブロック類似性演算手段での演算結果に基づいて類似性がもっとも高くなる上記第2の画像上の領域の位置および類似性を示す値を検出する手段とを含み、
上記上層マッチング手段は、上記サブブロック類似性演算手段での各サブブロックの類似性の演算結果を加算する加算手段と、該加算手段での加算結果に基づいて上記測定ブロックと対応する上記第2の画像上の領域との類似性がもっとも高くなる上記第2の画像上の領域の位置および類似性を示す値を検出する手段とを含むことを特徴とするものである。
【0019】
請求項3に係る視差量測定装置によると、サブブロック類似性演算手段での各サブブロックの類似性の演算結果を加算手段で加算して、第2の画像上で測定ブロックと対応する領域の類似性を示す値を求めるようにしたので、上層マッチング手段の回路規模を縮小でき、処理時間も短縮することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による視差量測定装置の実施の形態について、図1〜図13を参照して説明する。
【0021】
(第1実施の形態)
図1〜図5は第1実施の形態を示すもので、図1は全体の要部の回路構成を示すブロック図、図2は図1に示す視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図、図3(a)および(b)はエラーマッチング判定の原理を説明するための図、図4は視差量測定動作の概要を示すフローチャート、図5(a)および(b)はマッチング演算処理の変形例を説明するための図である。
【0022】
本実施の形態の視差量測定装置は、図1に示すように、ステレオ画像を構成する左右(LR)の画像1,2の一方、ここではL画像1を測定ブロック設定部3に、他方のR画像2を探索範囲/参照ブロック設定部4にそれぞれ供給する。測定ブロック設定部3では、予め設定した座標に基づいてL画像1上に所定数の測定ブロックを設定し、各測定ブロックの画像データをメモリに読み込むなどして基準データ5として順次出力する。また、探索範囲/参照ブロック設定部4では、R画像2上に測定ブロックと同じ座標(X,Y)を中心とする探索範囲と、その探索範囲内で測定ブロックと同じ大きさの参照ブロックとを設定し、各参照ブロック内の画像データをメモリに読み込むなどして参照データ6として順次出力する。
【0023】
基準データ5および参照データ6は、視差測定部9にそれぞれ供給し、ここでマッチング演算処理を行って各測定ブロックの視差量7を測定して出力すると共に、その視差量7を測定した際のマッチングがエラーマッチングであったか否かを判定して、その判定結果を表わすエラーコード8を出力する。
【0024】
視差測定部9は、図2に示すように、上層マッチング部9A、下層マッチング部9B、階層間比較回路916、およびエラー判定回路917を有している。
【0025】
上層マッチング部9Aは、従来と同様に測定ブロックのマッチング演算処理を行うもので、第1差分絶対値和演算回路901と第1最小値検出回路902とを有しており、第1差分絶対値和演算回路901において従来のブロックマッチングと同様に基準データ5と参照データ6との差分絶対値和を演算して最小値検出回路902に供給し、最小値検出回路902において差分絶対値和の演算結果をそれまでの最小値と比較して、大きければその値を捨て、小さければ最小値を入れ替えて、視差量ΔX1,ΔY1に現在のシフト量(参照データを切り出した座標X+ΔX,Y+ΔYと、探索範囲の中心座標X,Yとの差)を代入する。
【0026】
また、下層マッチング部9Bは、測定ブロックをn個(本実施の形態では、n=4)に分割したサブブロックを設定し、その各々のサブブロックについてマッチング演算処理を行うもので、第1〜第4サブブロックの各々に対応する第2−1〜2−4差分絶対値和演算回路903〜906と、第2−1〜2−4最小値検出回路907〜910とを有しており、各サブブロックについて対応する第2−n差分絶対値和演算回路および第2−n最小値検出回路により、上述した上層マッチング部9Aでのマッチング演算処理と同様のマッチング演算処理を行って視差量を測定する。
【0027】
各測定ブロックについて、上記の一連の作業を参照ブロックのシフト量、つまり参照データを切り出す位置を変えて繰り返すことで、当該測定ブロックおよびその各サブブロックに対応する領域を探索して、測定ブロックに対する第1視差量911(ΔX1,ΔY1)、第1サブブロックに対する第2−1視差量912(ΔX21,ΔY21)、第2サブブロックに対する第2−2視差量913(ΔX22,ΔY22)、第3サブブロックに対する第2−3視差量914(ΔX23,ΔY23)、および第4サブブロックに対する第2−4視差量915(ΔX24,ΔY24)を決定し、第1視差量911を測定ブロックの視差量7(DisX,DisY)として出力すると共に、階層間比較回路916に供給し、第2−1〜2−4視差量912〜915を階層間比較回路916に供給する。
【0028】
階層間比較回路916では、測定ブロック(上層マッチング部9A)に対する第1視差量911と第1〜第4サブブロック(下層マッチング部9B)に対する第2−1〜2−4視差量912〜915とをそれぞれ比較して、それらの比較結果をエラー判定回路917に供給する。
【0029】
エラー判定回路917では、階層間比較回路916での比較結果に基づいて、第2−1〜2−4視差量912〜915の少なくとも一つが、第1視差量911とほぼ等しい(差が規定値以内)ときは、OKを意味するエラーコード8を出力し、第2−1〜2−4視差量912〜915のいずれもが第1視差量911と大きく異なるときは、NGを意味するエラーコード8を出力する。これにより、エラーコード8がNGのときは、当該測定ブロックの視差量を無効として使用しないようにする。
【0030】
次に、図3(a)および(b)を参照してエラー判定の原理について説明する。図3(a)は、測定ブロックMB内に異なる視差を持つ二つのオブジェクトOB1,OB2が在る様子を示している。このような場合、オブジェクトOB1に対応する領域とオブジェクトOB2に対応する領域は異なるため、うまく対応場所を見つけられずにマッチングエラーとなることもあるが、どちらかのオブジェクトの情報が優位に働いてマッチングに成功することもある。
【0031】
ここで、図3(b)に示すように測定ブロックMBを縦横各々2分してなる第1〜第4サブブロックSB1〜SB4を考えると、サブブロックSB1とSB3にはオブジェクトOB1の情報が多く含まれ、サブブロックSB2とSB4にはオブジェクトOB2の情報が多く含まれることになる。もし、サブブロックSB1のマッチング結果と測定ブロックMBのマッチング結果とが等しければ、オブジェクトOB1に対応する正しいマッチング結果を示していると考えられる。
【0032】
図4は、上述した本実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。先ず、ステレオ画像の一方の画像に対して測定ブロックを設定して(ステップS1)、他方の画像の探索範囲で測定ブロックのマッチング演算を行って第1視差量ΔX1,ΔY1を測定する(ステップS2)と共に、その測定ブロックに対して4個のサブブロックを設定して(ステップS3)、同様のマッチング演算を行って各サブブロックに対する第2−n視差量ΔX2n,ΔY2n(n=1〜4)を測定する(ステップS4)。
【0033】
その後、測定ブロックに対する視差量と各サブブロックに対する視差量とをそれぞれ比較する階層間比較を行って、|ΔX2n−ΔX1|≦axおよび|ΔY2n−ΔY1|≦ay(ax,ayは規定値)であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、判定結果がYESの場合には上層すなわち測定ブロックの第1視差量ΔX1,ΔY1についてOKと判定し(ステップS6)、NOの場合には第1視差量ΔX1,ΔY1についてNGと判定して(ステップS7)、第1視差量ΔX1,ΔY1とエラーの判定結果とを出力する(ステップS8)。
【0034】
なお、本実施の形態において、上層マッチング部9Aでの第1差分絶対値和の演算処理は、測定ブロックMBの全ての画素を対象とすることもできるが、例えば図5(a)に示すように、基準データや参照データを1画素ずつ間引いて行い、下層マッチング部9Bでの第2差分絶対値和の演算処理では、図5(b)に示すように間引かないようにすることもできる。このようにすれば、第1および第2差分絶対値和演算回路での計算量を等しくできるので、回路規模を同じにすることができる。
【0035】
また、サブブロックの数は、4つに限らず、2つ以上の任意の数とすることができる。さらに、測定ブロックのサイズ(画素数)は、例えば図5では12×12の偶数としたが、奇数とすることもできる。なお、測定ブロックサイズを奇数とする場合には、サブブロックは隣接するサブブロック同士が1ラインずつ重なるように設定すればよい。さらに、マッチング演算処理では、対応領域を1画素または複数画素ずつ飛び越して探索することもできる。このようにすれば、視差測定の分解能は落ちるが、回路規模の縮小や計算時間の短縮を図ることができる。また、入力する画像に対して解像度(画素数)削減やスムージングなどの前処理を行って、測定時間や回路規模を縮小したり、ノイズの影響を減らしたりすることもできる。さらに、下層マッチング部9Bを一対の差分絶対値和演算回路と最小値検出回路とで構成し、これを各サブブロックで順次使用してそれぞれの視差量を演算したり、あるいは上層マッチング部9Aの一対の差分絶対値和演算回路と最小値検出回路とを共用して、各サブブロックの視差量を演算するよう構成することもできる。さらにまた、マッチングは、差分絶対値和に限らず、左右ブロックの類似性を示すものであれば、例えば相互相関のような他の演算量を用いることもできる。上記の各変形例は、後述の実施の形態にも適宜適用することができる。
【0036】
(第2実施の形態)
図6および図7は第2実施の形態を示すもので、図6は視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図、図7は視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。本実施の形態は、視差測定部9の構成が第1実施の形態と異なるものである。すなわち、第1実施の形態では上層マッチング部9Aに第1差分絶対値和演算回路901を設けて測定ブロックの差分絶対値和を演算するようにしたが、本実施の形態では、図6に示すように第1差分絶対値和演算回路901に代えて加算回路920を設け、この加算回路920において下層マッチング部9Bの第2−1〜2−4差分絶対値和演算回路903〜906の出力を加算して、測定ブロックの差分絶対値和を演算するようにしたものである。
【0037】
図6において、下層マッチング部9Bでは、第1実施の形態と同様に、第2−1〜2−4差分絶対値和演算回路903〜906でサブブロックの差分絶対値和を演算し、それらを対応する第2−1〜2−4最小値検出回路907〜910に供給してそれまでの最小値と比較し、小さければ最小値と視差量ΔX2n,ΔY2nとを更新する。本実施の形態では、第2−1〜2−4差分絶対値和演算回路903〜906でそれぞれ演算される差分絶対値和を上層マッチング部9Aの加算回路920にも供給する。
【0038】
加算回路920では、入力される差分絶対値和の和を演算し、これを測定ブロックに対する第1差分絶対値和とする。この第1差分絶対値和は、第1実施の形態と同様に第1最小値検出回路902に供給して、それまでの最小値と比較し、小さければ最小値と視差量ΔX1,ΔY1とを更新する。
【0039】
各測定ブロックについて、上記の一連の作業を参照データを切り出す位置を変えて繰り返し、当該測定ブロックおよびその各サブブロックに対するマッチング演算処理が終了したら、第1実施の形態と同様に、上層マッチング部9Aでの第1視差量911(ΔX1,ΔY1)を測定ブロックの視差量7(DisX,DisY)として出力すると共に、階層間比較回路916において、測定ブロック(上層マッチング部9A)に対する第1視差量911と第1〜第4サブブロック(下層マッチング部9B)に対する第2−1〜2−4視差量912〜915とをそれぞれ比較して、第2−1〜2−4視差量912〜915の少なくとも一つが、第1視差量911とほぼ等しい(差が規定値以内)ときは、エラー判定回路917からOKを意味するエラーコード8を出力し、第2−1〜2−4視差量912〜915のいずれもが第1視差量911と大きく異なるときは、エラー判定回路917からNGを意味するエラーコード8を出力する。
【0040】
図7は、第2実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。先ず、ステレオ画像の一方の画像に対する測定ブロックの設定(ステップS11)およびサブブロックの設定(ステップS12)が終了したら、サブブロックに対する参照データを設定して(ステップS13)、サブブロックのマッチング演算処理を行い、各サブブロックの差分絶対値和を算出する(ステップS14)と共に、その最小値を検出して各サブブロックに対する第2−n視差量ΔX2n,ΔY2n(n=1〜4)を更新する(ステップS15)。
【0041】
ステップS14で算出される各サブブロックの差分絶対値和は、加算することで測定ブロックの差分絶対値和を算出し(ステップS16)、その差分絶対値和の最小値を検出して測定ブロックに対する第1視差量ΔX1,ΔY1を更新する(ステップS17)。
【0042】
上記のステップS13からステップS17までの処理は、ステップS18においてサブブロックのマッチング演算が終了するまで繰り返し、マッチング演算が終了したら、測定ブロックに対する第1視差量ΔX1,ΔY1と各サブブロックに対する第2−n視差量ΔX2n,ΔY2nとをそれぞれ比較する階層間比較を行って、|ΔX2n−ΔX1|≦axおよび|ΔY2n−ΔY1|≦ay(ax,ayは規定値)であるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、判定結果がYESの場合には上層すなわち測定ブロックの第1視差量ΔX1,ΔY1についてOKと判定し(ステップS20)、NOの場合には第1視差量ΔX1,ΔY1についてNGと判定して(ステップS21)、第1視差量ΔX1,ΔY1とエラーの判定結果とを出力する(ステップS22)。
【0043】
本実施の形態によれば、第1差分絶対値和演算回路を用いることなく、第2−1〜2−4差分絶対値和演算回路903〜906から出力される各サブブロックの差分絶対値和を加算回路920で加算して測定ブロックに対する第1差分絶対値和を得るようにしたので、第1実施の形態に比べ回路規模を縮小できると共に、処理時間も短くできる。
【0044】
なお、本実施の形態において、ブロック内の画素や探索範囲を間引く場合には、上層および下層の間引きが等しくなる。
【0045】
(第3実施の形態)
図8〜図10は第3実施の形態を示すもので、図8は全体の要部の回路構成を示すブロック図、図9は図8に示す視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図、図10は視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。
【0046】
本実施の形態の視差量測定装置は、図8に示すように、測定ブロック設定部3からの基準データ5および探索範囲/参照ブロック設定部4からの参照データ6に基づいて、視差測定部9から4つのサブブロックの視差量701〜704と、その各々のエラーコード801〜804とを出力するようにしたものである。
【0047】
視差測定部9は、図9に示すように、上層マッチング部9A、下層マッチング部9B、および第2−1〜2−4階層間比較/エラー判定回路921〜924を有している。
【0048】
本実施の形態では、上層マッチング部9Aおよび下層マッチング部9Bを第2実施の形態と同様に構成して、上層マッチング部9Aで測定ブロックに対する第1視差量911を演算し、下層マッチング部9Bで各サブブロックに対する第2−1〜2−4視差量912〜915を演算する。第1視差量911は第2−1〜2−4階層間比較/エラー判定回路921〜924に供給し、第2−1〜2−4視差量912〜915は視差量701〜704として出力すると共に、対応する第2−1〜2−4階層間比較/エラー判定回路921〜924に供給する。
【0049】
第2−1〜2−4階層間比較/エラー判定回路921〜924では、第2−1〜2−4視差量912〜915(下層マッチング部9Aの結果)と第1視差量911(上層マッチング部9Bの結果)とをそれぞれ比較し、両者の差が規定範囲内であればOKを、両者の差が規定範囲外であればNGを意味するエラーコード801〜804を出力する。
【0050】
図10は、第3実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。本実施の形態では、ステップS11〜S18で図7で説明したと同様の処理を行って、測定ブロックに対する第1視差量ΔX1,ΔY1と各サブブロックに対する第2−n視差量ΔX2n,ΔY2n(n=1〜4)とを求めたら、第1視差量ΔX1,ΔY1と第2−n視差量ΔX2n,ΔY2n(n=1〜4)とをそれぞれ階層間比較して、|ΔX2n−ΔX1|≦axおよび|ΔY2n−ΔY1|≦ay(ax,ayは規定値)であるか否かを判定する(ステップS23)。ここで、判定結果がYESの第2−n視差量ΔX2n,ΔY2nについては対応するエラーコードの内容をOKとし(ステップS24)、NOの第2−n視差量ΔX2n,ΔY2nについては対応するエラーコードの内容をNGとして(ステップS25)、4つのサブブロックの視差量701〜704と、その各々のエラーコード801〜804とを出力する(ステップS26)。
【0051】
本実施の形態によれば、画像全体について視差の統計量を求める場合、各測定ブロックが全体に及ぼす影響の大きさを第1,第2実施の形態の場合よりも小さくできる。すなわち、第1,第2実施の形態の場合には、各測定ブロックの影響度は1か0となるが、本実施の形態では4,3,2,1,0の影響度を取り得ることになる。したがって、例えば4個のサブブロックが同じ視差を持っている場合には測定ブロックの影響度は4になるが、前景と背景との境界上にあるような測定ブロックでは、どちらにマッチングしても影響度は小さくなる。このような境界上の測定ブロックの視差測定結果は、測定ブロック内の一部に対しては正解だが、他の部分に対してはエラーである。
【0052】
また、第1,第2実施の形態の場合、全くのエラーマッチングであっても、一つのサブブロックの結果が測定ブロックの視差結果とたまたま一致してしまうと、測定ブロック全体のマッチングがOKと判定されてエラーを検出し損ね、影響度が大きくなることが懸念されるが、本実施の形態では一致したサブブロックのみがマッチングOKと判定されるので、測定ブロックの影響度は低くなる。このように、本実施の形態では、サブブロックの信頼性によって各測定ブロックを重み付けすることができるので、一カ所のエラーが全体に及ぼす影響を軽減することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、上層マッチング部9Aを第2実施の形態と同様に加算回路920を用いて構成したが、第1実施の形態と同様に第1差分絶対値和演算回路を用いて構成することもできる。
【0054】
(第4実施の形態)
図11および図12は第4実施の形態を示すもので、図11は視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図、図12は図11に示す特徴チェック部の構成を示すブロック図である。
【0055】
図11に示すように、本実施の形態では、第1実施の形態において、視差測定部9の上層マッチング部9Aに測定ブロック内の特徴(明確な輝度変化)の有無をチェックする特徴チェック部10を設けると共に、下層マッチング部9Bにも各サブブロックに対応して当該サブブロック内の特徴の有無をチャックする特徴チェック部10を設ける。
【0056】
各特徴チェック部10は、図12に示すように、エッジ抽出フィルタ1001、二値化回路1002、合計回路1003および比較判定回路1004を有し、基準データ5をエッジ抽出フィルタ1001にかけてエッジを抽出し、その出力を二値化回路1002で適正な閾値で二値化して、合計回路1003で対応するブロックにおける二値化画像のエッジの画素数を合計し、その合計値を比較判定回路1004において規定値と比較して、合計値が規定値よりも小さいときは当該ブロック内に特徴がないとしてNGを意味するエラーコードを出力し、合計値が規定値よりも大きいときは当該ブロック内に特徴があるとしてOKを意味するエラーコードを出力するように構成する。
【0057】
上層マッチング部9Aの特徴チェック部10から出力される第1エラーコードおよび下層マッチング部9Bの各サブブロックに対応する特徴チェック部10から出力される第2−1〜2−4エラーコードは階層間比較回路916に供給し、ここで例えば第2−1〜2−4エラーコードがNGのときは、当該NGのサブブロックに対応する視差量と測定ブロックに対する第1視差量との比較を省略あるいはその比較結果を無視し、第1エラーコードがNGのときは、第2−1〜2−4エラーコードに拘わらず、エラー判定回路917でNGと判定される比較結果をエラー判定回路917に出力する。
【0058】
このように構成すれば、測定ブロックに対する第1視差量と、各サブブロックに対する第2−1〜2−4視差量との階層間比較に基づいてエラーマッチングを判定する場合に比べて、より確実にエラーマッチングを減らすことができる。
【0059】
このような特徴チェック部10は、上記の第2実施の形態や第3実施の形態、あるいは後述する第5実施の形態において、マッチングを行って所定ブロックの視差量を求めるマッチング演算処理部にも有効に適用することができる。
【0060】
なお、図11では、特徴チェック部10を対応するマッチング演算処理部に対して並列的に設けたが、マッチング処理の前に特徴チェックを行い、その結果がNGのときは対応するマッチング処理を省略するように構成することもできる。このように構成すれば、特徴の少ない画像を扱う場合に、演算時間を短縮することができる。
【0061】
(第5実施の形態)
図13は、第5実施の形態における視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。本実施の形態は、第2実施の形態の4つのサブブロックから成る一つの測定ブロックを第3実施の形態のサブブロックの一つとする3層構成として、第2層の4ブロックの視差量をそれぞれ測定し、その各視差量に対応するブロックでのマッチングエラーを、当該ブロックの視差量とその上下層のブロックの視差量との階層間比較に基づいて判定するようにしたものである。
【0062】
図13では、図面を簡略化するため、第1層マッチング部9Cと、第1層ブロックの4個の第2層ブロックのうちの1個に対応する第2層マッチング部9D−1と、16個の第3層ブロックのうちの1個の第2層ブロックに対応する4個の第3層ブロックからなる第3層マッチング部9E−1と、第2層マッチング部9D−1に対応する第2−1上位階層間比較/エラー判定回路930と、第3層マッチング部9E−1に対応する第2−1下位階層間比較回路931と、第2−1下位階層間比較回路931に対応するエラー判定回路932と、第2−1上位階層間比較/エラー判定回路930およびエラー判定回路932に対応する最終エラー判定回路933とを図示している。
【0063】
第3層マッチング部9E−1は、4個の第3層ブロックの各々に対応する第3−1−1〜3−1−4差分絶対値和演算回路935〜938と、その各々の最小値を検出する第3−1−1〜3−1−4最小値検出回路939〜942とを有している。第2層マッチング部9D−1は、対応する第3層マッチング部9E−1の第3−1−1〜3−1−4差分絶対値和演算回路935〜938からの出力を加算する第2−1加算回路944と、その最小値を検出する第2−1最小値検出回路945とを有している。第1層マッチング部9Cは、第2層マッチング部9D−1を含む4個の第2層マッチング部の第2−1〜2−4加算回路からの出力を加算する第1加算回路946と、その最小値を検出する第1最小値検出回路947とを有している。
【0064】
本実施の形態では、先ず、第2実施の形態と同様に、第3−1−1〜3−1−4差分絶対値和演算回路935〜938で第3層の対応する各ブロックの差分絶対値和を演算し、第3−1−1〜3−1−4最小値検出回路939〜942で差分絶対値和の演算結果をそれまでの最小値とそれぞれ比較して、小さければ対応する最小値と第3−1−1〜3−1−4視差量951〜954(ΔX311,ΔY311〜ΔX314,ΔY314)とを更新する。
【0065】
また、第2−1加算回路944で第3−1−1〜3−1−4差分絶対値和演算回路935〜938の出力を加算して第2層の1個のブロックの差分絶対値和を得、第2−1最小値検出回路945でそれまでの最小値と比較して、小さければ最小値と第2−1視差量955(ΔX21,ΔY21)とを更新し、この第2−1最小値検出回路945での第2−1視差量955を第2層の当該ブロックにおける視差量701(DisX1,DisY1)として出力する。
【0066】
さらに、第1加算回路946で第2−1加算回路944の出力、図示しない第2−2〜2−4加算回路の出力とを加算して第1層ブロックの差分絶対値和を得、第1最小値検出回路931でそれまでの最小値と比較して、小さければ最小値と第1視差量956(ΔX1,ΔY1)とを更新する。
【0067】
第2−1下位階層間比較回路931では、第2層の第2−1視差量955と第3層の第3−1−1〜3−1−4視差量951〜954とをそれぞれ比較し、第3−1−1〜3−1−4視差量951〜954のいずれか一つが第2−1視差量955とほぼ等しい(差が規定値以内)ときは、エラー判定回路932からOKを意味するエラーコード811を出力する。これに対し、第3−1−1〜3−1−4視差量951〜954のいずれもが第2−1視差量955と大きく異なるときは、エラー判定回路932からNGを意味するエラーコード811を出力する。
【0068】
一方、第2−1上位階層間比較/エラー判定回路930では、第2層の第2−1視差量955と第1層の第1視差量956とを比較して、両者がほぼ等しい(差が規定値以内)のときは、OKを意味するエラーコード812を出力する。これに対し、両者が大きく異なるときは、NGを意味するエラーコード812を出力する。最終エラー判定回路933では、エラーコード811およびエラーコード812のどちらかがOKのときは、OKを意味するエラーコード801を出力する。
【0069】
本実施の形態によれば、ブロックを3層構造として、下位の第2層と第3層との階層間比較に基づいてエラーマッチングを判定すると共に、上位の第1層と第2層との階層間比較に基づてエラーマッチングを判定して、いずれかがOKならOKと判定するようにしたので、画像の特徴が少ないときや下位のブロックサイズをかなり小さくした場合に、下層のブロックでは特徴チェックでエラーと判定されたり、上位との比較がうまくいかない場合があっても、上位の層との比較によってエラー判定を確実に行うことができる。したがって、視差が複雑であったり、種々の空間周波数が存在する場合にも、エラーマッチングを確実に判定することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、ブロックを3階層としたが、さらに多くの階層を設定することもできる。
【0071】
図14は、本発明に係る視差量測定装置の応用例を示すもので、頭部装着型表示装置(HMD)に適用した場合を示している。このHMDは、映像表示コントローラ13、HMDユニット14、前処理部15、評価量演算部16、評価部17、および制御信号出力部18と、上記実施の形態で説明した測定ブロック設定部3、探索範囲/参照ブロック設定部4および視差測定部9からなる視差量測定装置とを有している。
【0072】
図14において、ステレオ映像信号は映像表示コントローラ13に入力し、該映像表示コントローラ13による制御のもとにHMDユニット14に表示する。ここで、ステレオ映像信号は、例えばゲーム機やビデオあるいはコンピュータなどの映像信号で、左右映像がフィールド毎に交互に伝送されるものであっても良いし、左右映像が1フィールド内に含まれているものであってもよい。
【0073】
HMDユニット14は、ユーザーの左右の目に対応する2つの表示部を含み、左目用の表示部には左映像を、右目用の表示部には右映像をそれぞれ表示することにより、ユーザーは立体的なステレオ映像を見ることができるようになっている。また、映像表示コントローラ13により左右どちらかの映像のみを左右両方の表示部に表示するように制御することにより、ユーザーは通常の2D映像を見ることができるようになっている。なお、入力映像がステレオ映像でなく通常の2D映像の場合には、入力映像信号をそのまま左右両方の表示部に表示することにより、ユーザーは通常の2D映像を見ることができるようになっている。このような表示の切替は、映像表示コントローラ13に切替スイッチを設けてユーザーが手動で切り替える場合もあれば、自動的に映像信号の種類を検出して切り替える場合もある。
【0074】
ステレオ映像信号は前処理部15にも入力し、ここで特定のタイミングで左右画像を各々のメモリに格納して、解像度変換、スムージングなど視差測定のための前処理を施す。その後、上記実施の形態で説明したと同様に、左画像上に複数の測定ブロックを設定し、各ブロックに対して右画像上から対応する部分を探索して視差測定部9で画像の視差を測定する。
【0075】
視差測定部9から出力される視差量7およびエラーコード8は評価量演算部16に入力し、ここで1画面分の測定ブロックに対する視差測定の結果を統合して、評価量を算出する。例えば、画面内の視差量の統計量(最大値や最頻値、あるいは平均値など)を演算した後、所定の規則に従って当該画像に対する評価値を与え、その評価値をそれまでの評価値に加算する。ここで、画像の評価値は、例えば視差の最大値に係数をかけて二乗したり、統計量に応じたランク付けを行う表を参照する等の所定の規則に従って求める。なお、統計量を演算する際には、エラーコード8を参照して、NGを示すコードであればそのときの視差量は無視する。
【0076】
評価量演算部16で累積された評価値は、評価部17で規定値と比較し、規定値を超えた場合には、制御信号出力部18から映像表示コントローラ13へ表示切替の指示信号を送出して、映像表示コントローラ13において強制的に画像表示をステレオ映像表示から2D映像表示に切り替える。
【0077】
このような制御を行うHMDの利点について説明する。一般に、ステレオ映像は、視差量が大きすぎると見づらくなったり、立体感が損なわれたりするので、表示装置にあった適切な視差で見ることが望ましいが、特定の表示装置に最適化して作られた映像の視差は、別の表示装置では不適切になることがある。また、近年2D映像やゲーム映像をステレオ映像に変換する装置がいくつかあるが、設定が不適切だと大きな視差量の映像が連続して表示される場合もある。そこで、映像に含まれる視差量を監視し、大きな視差量が続く場合には、映像の設定が不適切である可能性が高いため、例えばステレオ表示を2D表示に切り替えることにより、ユーザーが気づかないまま不適切に表示された映像を見続けるのを避けることができる。
【0078】
なお、上記の応用例では、累積された評価値が規定値を超えた場合に、制御信号出力部18から映像表示コントローラ13へ表示切替の指示信号を送出するようにしたが、表示の切替指示に換えて視差設定を確認するようユーザーに促すメッセージを表示させる信号を出力することもできる。また、例えば視差量の最頻値が適度な値になるように映像表示を制御することもできる。この場合には、映像信号の読み出し位置を左右でずらし、左右の映像表示を互いに逆方向にシフトさせればよい。また、評価量演算の際、エラー箇所の視差は無視するようにしたが、エラー箇所が多数の場合には評価量に特定の値を充てるようにすることもできる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1の画像に設定した測定ブロックを複数のサブブロックに分割し、測定ブロックおよび各サブブロックの各々について第2の画像上でマッチングを行ってそれぞれ視差量を求め、測定ブロックの視差量と各サブブロックの視差量との比較に基づいて、測定ブロックのマッチングがエラーか否か、あるいは各サブブロックのマッチングがエラーか否かを判定するようにしたので、視差測定に際してのエラーマッチングと正しいマッチングとを明確に切り分けて検出でき、視差の統計量などを計算する際に、エラーマッチングの影響を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による視差量測定装置の第1実施の形態の全体の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図3】 第1実施の形態によるエラーマッチング判定の原理を説明するための図である。
【図4】 第1実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。
【図5】 第1実施の形態におけるマッチング演算処理の変形例を説明するための図である。
【図6】 本発明による視差量測定装置の第2実施の形態における視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図7】 第2実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。
【図8】 本発明による視差量測定装置の第3実施の形態の全体の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図9】 図8に示す視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図10】 第3実施の形態による視差量測定動作の概要を示すフローチャートである。
【図11】 本発明による視差量測定装置の第4実施の形態における視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図12】 図11に示す特徴チェック部の構成を示すブロック図である。
【図13】 本発明による視差量測定装置の第5実施の形態における視差測定部の要部の回路構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明に係る視差量測定装置を頭部装着型表示装置に適用した例を示すブロック図である。
【図15】 ブロックマッチングによる視差量測定方法を説明するための図である。
【図16】 同じく、ブロックマッチングによる視差量測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
3 測定ブロック設定部
4 探索範囲/参照ブロック設定部
9 視差測定部
9A 上層マッチング部
9B 下層マッチング部
9C 第1層マッチング部
9D−1 第2層マッチング部
9E−1 第3層マッチング部
10 特徴チェック部
901,903〜906,935〜938 差分絶対値和演算回路
902,907〜910,939〜942,945,947 最小値検出回路
916 階層間比較回路
917 エラー判定回路
920,944,946 加算回路
921〜924 階層間比較/エラー判定回路
930 上位階層間比較/エラー判定回路
931 下位階層間比較回路
932 エラー判定回路
933 最終エラー判定回路

Claims (3)

  1. 第1の画像および第2の画像からなるステレオ画像の上記第1の画像上に所定の測定ブロックを設定する測定ブロック設定手段と、
    上記第2の画像上で上記測定ブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記測定ブロックの視差量を測定する上層マッチング手段と、
    上記測定ブロックを複数のサブブロックに分割し、上記第2の画像上で上記各サブブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記各サブブロックの視差量を測定する下層マッチング手段と、
    該下層マッチング手段で得られた上記各サブブロックの視差量と上記上層マッチング手段で得られた上記測定ブロックの視差量とを比較する視差量比較手段と、
    該視差量比較手段での比較結果に基づいて上記上層マッチング手段でのマッチングがエラーか否かを判定するエラー判定手段と、
    を有することを特徴とする視差量測定装置。
  2. 第1の画像および第2の画像からなるステレオ画像の上記第1の画像上に所定の測定ブロックを設定する測定ブロック設定手段と、
    上記第2の画像上で上記測定ブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記測定ブロックの視差量を測定する上層マッチング手段と、
    上記測定ブロックを複数のサブブロックに分割し、上記第2の画像上で上記各サブブロックと対応する領域とのマッチングを行って、両画像の座標の違いから上記各サブブロックの視差量を測定する下層マッチング手段と、
    該下層マッチング手段で得られた上記各サブブロックの視差量と上記上層マッチング手段で得られた上記測定ブロックの視差量とを比較する視差量比較手段と、
    該視差量比較手段での比較結果に基づいて上記下層マッチング手段での各サブブロックのマッチングがエラーか否かを判定するエラー判定手段と、
    を有することを特徴とする視差量測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の視差量測定装置において、
    上記下層マッチング手段は、上記第1の画像上のサブブロックと対応する上記第2の画像上の領域との類似性を演算するサブブロック類似性演算手段と、上記第1の画像上の各サブブロックについて、上記サブブロック類似性演算手段での演算結果に基づいて類似性がもっとも高くなる上記第2の画像上の領域の位置および類似性を示す値を検出する手段とを含み、
    上記上層マッチング手段は、上記サブブロック類似性演算手段での各サブブロックの類似性の演算結果を加算する加算手段と、該加算手段での加算結果に基づいて上記測定ブロックと対応する上記第2の画像上の領域との類似性がもっとも高くなる上記第2の画像上の領域の位置および類似性を示す値を検出する手段とを含むことを特徴とする視差量測定装置。
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