JP4537179B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気テープや磁気ディスクなどに代表される磁気記録媒体、特に高記録密度の塗布型磁気記録媒体を得るのに適した製造技術に関する。
磁気記録媒体のひとつである磁気テープには、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープなど種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり200GB以上の記録容量を持つ磁気記録媒体が商品化されている。また、今後1TBを超える大容量バックアップテープが提案されており、その高記録密度化は不可欠である。
磁気記録媒体の高記録密度化を達成するための手段としては、例えば、磁気テープでは、磁性粉末の微粒子化や磁性層の薄層化による記録波長の短波長化、記録トラック幅の狭幅化によるテープ幅方向の記録密度の向上などが挙げられる。しかし、磁性粉末の微粒子化や磁性層の薄層化さらには記録波長の短波長化を行おうとすると、次のような問題が生じる。
すなわち、磁性粉末を微粒子化すると、磁性粉末の結合剤中での均一な分散が困難となる問題が生じる。また、磁性層の厚さを極めて薄くすると、均一な厚さの塗膜を形成することが困難となったり耐久性が劣化したりするなどの問題が生じる。さらに、記録波長を短くすると、磁性層と磁気ヘッドとのスペーシングの影響が大きくなるので、磁性層の表面をより平滑化しない限り、スペーシングロスによる出力低下が大きくなってエラーレートが高くなるなどの問題が生じやすくなる。
そこで、従来においては、磁性粉末の表面性状を結合剤に適したものにすることで磁性塗料の分散安定性の向上を図る技術(特許文献1)や、磁性塗料の有機溶剤として高沸点の有機溶剤を多量に用いたり(特許文献2)、適量の水やアルコールを用いたり(特許文献3)することで、磁性層の表面平滑性を良好にする技術などが提案されている。
特開平10−334456号公報 特許第3136215号公報 特開2003−151118号公報
しかしながら、今後、磁気記録媒体のさらなる高記録密度化を達成するためにはより小さな磁性粉末を用いることが必須となり、このことにより磁性粉末の凝集エネルギーがより大きくなるため、磁性塗料の分散安定性を良好にするには、先の特許文献1記載の技術のように磁性粉末の表面性状を調整するだけでは不十分となってきた。また、特許文献2記載の技術のように磁性塗料に沸点の高い有機溶剤を多量に使用すると、より長い乾燥時間が必要となり塗布速度が制限されて生産性が低下する、より巨大な乾燥設備が必要になるなどで、生産コストが高くなるなどの問題がある。加えて、沸点の高い有機溶剤を多量に用いると、沸点の高い有機溶剤の塗膜中への残留量が多くなるため、磁性層の物理的特性が低下して脆弱になり、耐久性が悪化するという問題が発生する。
一般に、分散安定性が悪い塗料(例えば、ある程度大きなチキソトロピー性を有する塗料のように、時間がたつにつれて分散状態が比較的大きく変化してしまう塗料)を用いて塗膜を形成すると、塗膜の表面平滑性が悪くなる。したがって、磁気記録媒体の高記録密度化を達成するには、より薄く平滑で均一な厚さに磁性層を形成することが重要であり、そのためには分散安定性の良好な塗料を調整することが必要である。
磁性塗料の分散性安定性を向上させるためには、磁性粉末表面への結合剤の吸着が重要であり、その吸着には結合剤が有する極性官能基が大きな役割を果たしている。このため、例えば特許文献3に記載されているように、結合剤に磁性粉末表面への吸着力の強い極性官能基が導入されている。
しかし、導入した極性官能基の量が多すぎる場合、その全てが磁性粉末表面へ吸着するわけではなく、一部は磁性粉末表面に吸着しない余剰の極性官能基となり、これらが他の極性官能基と会合する。その結果、結合剤分子が有機溶剤中で広がらず、また結合剤分子間の相互作用が大きくなって、磁性塗料の分散安定性が低下してしまう。
この場合、例えば、極性官能基量の比較的少ない結合剤を用いて極性官能基同士の会合を防ぐことで、分散安定性が向上することが多い。ところが、極性官能基が比較的少ない結合剤を用いた場合であっても磁性粉末同士が凝集する現象が起こることがある。すなわち、有機溶剤と結合剤との相溶性が悪く、有機溶剤中で結合剤が広がりにくくなる場合である。
一般に、有機溶剤と結合剤との相溶性を良くして、塗料の分散安定性を改善するためには、塗料に用いる有機溶剤の混合比を調整するなどして塗料中の有機溶剤(混合有機溶剤)の溶解性パラメータ(SP値)を同塗料中の結合剤のSP値に近づければよい。溶解性パラメータ、すなわちSP値とは、物質の極性を数値化したものであり、この値を比較することにより、物質同士の相溶性を知ることができるからである。物質同士間でSP値の差が小さいものは相溶しやすく、SP値の差が大きいものは相溶し難いといえる。
ところで、磁性塗料は、磁性粉末を結合剤や有機溶剤などと混合および分散して得られる。磁性塗料に用いられる代表的な有機溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。また、磁性塗料に用いられる代表的な結合剤として、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。表1および表2に、磁性塗料に用いられる代表的な有機溶剤および結合剤の各SP値の例をそれぞれ示す。
Figure 0004537179
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表1および表2に示されているように、上記した有機溶剤のSP値は9(cal/cm31/2 程度であり、結合剤のSP値は10(cal/cm31/2 よりも大きい。一般に混合溶剤のSP値はその組成比率による平均値で表されるが、磁性塗料に用いられる有機溶剤を、同塗料に用いられる結合剤のSP値に近づけるには、比較的大きなSP値を有する有機溶剤、例えばSP値が10(cal/cm31/2 以上であるものを、しかも多量に用いなくてはならない。
しかしながら、SP値の比較的大きな有機溶剤は、一般に磁性塗料に用いられている有機溶剤と比べて高価である上に、沸点が高く乾燥しにくいため、生産性の低下や、有機溶剤が塗膜に多く残留するために塗膜物性の低下などの問題を引き起こし、磁気記録媒体に用いる磁性塗料には不向きである。
本発明は、以上のような問題に対処するもので、磁性塗料の分散安定性を向上させることができ、しかも耐久性に優れた塗膜を形成できる磁気記録媒体の製造方法を提供するとともに、この方法を適用して高記録密度化に対応した磁気記録媒体を実現することを目的とする。
本発明者らは、先に述べた磁性塗料成分のSP値に注目し、磁性塗料中に、特定範囲のSP値を有した物質を、磁性塗料調整時に用いる全有機溶剤量に対して特定量含ませることで、磁性塗料の分散安定性を高めることができ、しかもこれを非磁性支持体上に直接または他の層を介して塗布することで塗膜物性が良好な磁気記録媒体を得ることができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、非磁性支持体上に、磁性粉末と、極性官能基を有しかつ溶解性パラメータ(SP値)が10(cal/cm31/2 以上である結合剤と、SP値が10(cal/cm31/2 未満の有機溶剤とを含む磁性塗料を塗布して、少なくとも一層の磁性層を形成した磁気記録媒体を製造する方法において、前記磁性塗料中に、前記有機溶剤に対して、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満でありかつ非プロトン性である物質を、0.1重量%以上5.0重量%未満含ませることを特徴とするものである。
また、本発明の磁気記録媒体は上記の方法を適用することにより得られるもので、非磁性支持体体上に、磁性粉末と、極性官能基を有しかつ溶解性パラメータ(SP値)が10(cal/cm31/2 以上である結合剤と、SP値が10(cal/cm31/2 未満の有機溶剤と、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満でありかつ含有量が前記有機溶剤に対して0.1重量%以上5.0重量%未満の範囲に設定された非プロトン性の物質とを含んだ磁性塗料を塗布して、少なくとも一層の磁性層を形成した構成としたものである。
本発明において、極性官能基を有する結合剤を用いるのは、極性官能基により磁性粉末表面への結合剤の吸着力を高め、ひいては磁性塗料の分散性安定性を向上させるためである。SP値が10(cal/cm31/2 以上である結合剤を用いるのは、本発明の適用対象である塗布型の磁気記録媒体では、10(cal/cm31/2 以上のSP値を有する結合剤が一般に使用されるからである。なお、ここでいう結合剤とは、塗料作成時に用いられる混合結合剤を指し、混合結合剤のそれとは組成比率により算出できる。また、SP値が10(cal/cm31/2 未満の有機溶剤を用いるのも、同様の理由からである。すなわち、本発明は、磁性塗料成分として不可欠な結合剤や有機溶剤については一般に用いられているものを使用することを前提としたものである。
上記の条件を満たす非プロトン性の物質を磁性塗料作製時に当該塗料中に含ませることによって、磁性塗料の分散安定性を向上させることができる。そのメカニズムの詳細は今のところ定かではないが、本発明者らは、上記条件を満たす物質が結合剤の極性官能基部分に局所的に働き、極性官能基同士の会合が抑制されるため、塗料物性の悪化や生産性の低下という問題を起こすことなく、磁性塗料の分散安定性の向上が図られるのではないかと推測している。
本発明方法によれば、磁性塗料中に、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満である非プロトン性の物質を、磁性塗料調整時に用いる全有機溶剤量に対して0.1重量%以上5.0重量%未満含ませたことにより、比較的大きなSP値を有する有機溶剤を多量に使用しなくても、磁性塗料の分散安定性を向上させることができる。言い換えれば、塗料物性の悪化や生産性の低下という問題を起こすことなく、磁性塗料の分散安定性を向上させることができる。そして、このような磁性塗料を用いることで、より薄くて平滑な、しかも均一な厚さの塗膜強度に優れた磁性層、すなわち塗膜特性に優れた磁性層を形成することができる。このようにして、高記録密度化に好適な塗膜特性に優れた磁性層を有する塗布型の磁気記録媒体を実現できる。
本発明は、磁気テープや磁気ディスクなどに代表される磁気記録媒体全般に関するものであるが、以下、磁気テープを例にとって詳述する。
磁性塗料中に含ませる非プロトン性の物質(以下、単に「非プロトン性物質」ともいう)は、液体であっても溶解性の固体であってもよいが、液体であることがより好ましい。液体の非プロトン性物質としては、有機溶剤として一般に使用されているものの中から上記の条件を満たすものを適宜選択して使用することができる。非プロトン性物質の「非プロトン性」を条件としたのは、プロトン性であると、硬化剤として磁性塗料中に用いるイソシアネートと不要な反応をすることで結合剤の硬化性を低下させてしまう恐れがあるからである。なお、非プロトン性物質とは、H+ として解離する水素をもつプロトン性物質以外の物質をいう。
非プロトン性物質としては、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満であるものを使用する。非プロトン物質のSP値が10.0(cal/cm31/2 よりも小さいと、塗料の分散安定性改善効果が認められず、SP値が15.0(cal/cm31/2 以上であると、塗布後の塗膜が乾燥しにくくなり、生産性の低下や塗膜に混合有機溶剤が残留してしまう問題や、物質が結晶性が高くなることで混合有機溶剤と均一に混ざりにくくなる問題などを引き起こすおそれがあるからである。より好ましくはSP値が10.5(cal/cm31/2 以上14.5(cal/cm31/2 以下であり、最も好ましくは11.0(cal/cm31/2 以上13.0(cal/cm31/2 以下である。
非プロトン性物質の含有量は、磁性塗料に用いられる全有機溶剤に対して0.1重量%以上5.0重量%未満である。非プロトン物質の含有量が、これよりも少ないと、絶対量が少ないため塗料の分散安定性改善効果が認められず、これよりも多いと塗布後の塗膜が乾燥しにくくなり、生産性の低下や塗膜に有機溶剤が多く残留してしまうなどの問題を引き起こすからである。より好ましくは0.1重量%以上3.0重量%未満、最も好ましくは0.1重量%以上2.0重量%未満である。
なお、ここでいう重量%とは、磁性塗料に用いられている全有機溶剤量(重量部)に対する、非プロトン性物質の含有量(重量部)の百分率をいい、前記全有機溶剤には、非プロトン性物質が見方を変えれば有機溶剤として把握できるものであっても、これを含まないものとする。
本発明で用いることのできる非プロトン性物質としては、例えば、アセトアルデヒド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、クロロアセトニトリル、アセトフェノン、シクロペンタノン、エチレングリコールジアセテート、プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−ピロリドン、N−メチルピロリドン(NMP)、N−アセチルピロリドン、N−,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−エチルホルムアミド、N−,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−エチルアセトアミド、ジフェニルエーテル、N−ホルミルモルホリン、ヨウ化ベンゼン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジブロモエチレン、o−ジクロロベンゼン、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、ジプロピルスルホン、テトラメチレンスルホン、メチルテトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホンなどが挙げられる。これらは、単独でまたは複数を組み合わせて使用することができる。なお、これらの他にも、本発明で規定する条件を満足するものであれば、そのような物質も使用できることは言うまでもない。
磁性塗料に用いられる有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して使用され、またトルエンなどと混合して使用される。
磁性塗料の主な製造方法としては、次に示すような方法が挙げられるが、これらに限られるものではない。まず、混練工程として、少量の有機溶剤、磁性粉末、結合剤ならびに適量の分散剤および添加剤を混合し、双腕型ニーダや連続式2軸混練機(エクストルーダ)などを代表とする混練機を用いて混練する。更に有機溶剤を加えて固形分濃度35〜45%(重量基準、以下同じ)に調整し、これを攪拌してペースト状のミルベースを得る。なお、混練工程の前工程として、高速攪拌混合機などによる粉末などの解砕および混合工程を設けてもよい。
次に、サンドミルなどによる分散工程によって磁性塗料の分散状態を向上させる。分散用媒体を予め所定充填量投入した媒体分散型ミルの円筒状の容器(べッセル)内に、上記ペースト状の磁性塗料を供給し、ベッセルに内設した多数の攪拌用ディスク、翼状攪拌体または攪拌用ピン等の撹拌装置が所定の周速で回転しながら、混合および分散処理を行う。
その後、磁性粉末が分散された分散液に必要に応じ有機溶剤を加えて最終調整としての希釈および配合工程を経て、フィルタによりろ過し磁性塗料を得ることができる。フィルタを通した磁性塗料を塗布する前に、凝集した磁性塗料を再分散させる工程を設けてもよい。再分散にはホモジナイザー、超音波分散装置などを用いることが好ましい。この再分散工程を設けることで、塗料の流動性がより改善され、塗膜厚さの均一性が向上する。また、ホモジナイザー、超音波分散、サンドミル分散などを任意に組み合わせることができる。
なお、本発明で使用する非プロトン性物質は、有機溶剤を添加する工程にて添加することが好ましいが、どの工程においても添加することが可能である。その中でも、混練工程もしくは分散工程にて添加することが好ましい。
以上のように作製した磁性塗料を非磁性支持体に塗布し、流動性が残っている状態で磁場中を通過させて磁性粉末の方向をそろえる磁場配向処理を行い、その後有機溶剤を蒸発させ磁性層を形成するための乾燥処理を行う。磁性層を平均乾燥厚み1〜100nmの範囲内の任意の厚みで精度よく生産性よく塗布形成するには、前記磁性層の直下に下塗層を設け、この下塗層が湿潤状態のうちに前記磁性層を重畳して塗布する、いわゆるウエット・オン・ウエット同時重層塗布方式を用いればよい。塗布には塗布液通液スリットを二つ内蔵する一体のエクストルージョン型ダイ塗布ヘッドにより、下塗層と磁性層をほぼ同時に塗布する方式が最も適している。ただし、下塗層の塗布・乾燥後に磁性層を塗布する、いわゆるウエット・オン・ドライ方式などの他の塗布方式を排除するものではない。
磁性層を塗布した後に、表面性を改善し磁性粉末の充填性を向上させるカレンダ表面処理を行うことで、本発明の効果を引き上げることができる。カレンダ表面処理は、上記磁気記録媒体を、交互に配置された金属ロール−弾性ロール間や金属ロール−金属ロール間を、所定の温度と圧力を加えた状態で通過させることにより行うことができる。これらのカレンダロールのうちの弾性ロールには、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミドなどの、耐熱性のあるプラスチックロールを使用することもできる。処理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。線圧力は好ましくは98kN/m、さらに好ましくは196kN/m以上、その速度は20m/分〜700m/分の範囲である。本発明の効果は80℃以上の温度でかつ147kN/m以上の線圧でより一層効果を上げることができる。
次に、本発明で採用しうる好ましい態様等について、さらに詳述する。
〈非磁性支持体〉
非磁性支持体の厚さは、用途によって異なるが、通常は、1.5〜11μmのものが使用される。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、1.5μm未満となると、製膜が難しくなり、またテープ強度が小さくなるためであり、11μmを超えると、テープ全厚が厚くなり、テープ1巻あたりの記録容量が小さくなるためである。非磁性支持体の厚さは、より好ましくは2〜7μmである。
非磁性支持体の長手方向のヤング率としては、5.8GPa(590kg/mm2 )以上が好ましく、7.1GPa(720kg/mm2 )以上がより好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.8GPa以上がよいのは、長手方向のヤング率が5.8GPa未満では、テープ走行が不安定になるためである。
ヘリキャルスキャンタイプでは、長手方向のヤング率(MD)/幅方向のヤング率(TD)は、0.6〜0.8の範囲が好ましく、0.65〜0.75の範囲がより好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が前記0.6〜0.8の範囲から外れると、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。このばらつきは、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が0.7付近で最小になる。また、リニアレコーディングタイプでは、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は、理由は明らかではないが、0.7〜1.3が好ましい。
非磁性支持体の幅方向の温度膨張係数は、(−10)×10-6〜10×10-6、湿度膨張係数は、0〜10×10-6が好ましい。これらの範囲をはずれると、温度・湿度の変化によりオフトラックが生じエラーレートが大きくなるからである。
以上のような特性を満足する非磁性支持体としては、たとえば、二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
〈下塗層〉
非磁性支持体と磁性層との間には、例えば耐久性の向上や磁性層の厚さむらの低減等を図るため、少なくとも一層の下塗層を設けることが好ましい。磁性層における記録・再生信号に磁気的ノイズが入ることを避けるため、通常、下塗層は非磁性である。このため、下塗層は、非磁性層あるいは非磁性下塗層と言われることもある。ただし、例えば、特別な目的で下塗層に磁気信号を記録する場合、あるいは磁性層に対する磁気的影響が無視できるほど小さい場合等は、その限りで下塗層に磁性を付与することも可能である。
下塗層の厚さは、0.2μm以上、1.5μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.8μm以下がさらに好ましい。下塗層の厚さが0.2μm未満では、磁性層の厚さむら低減効果や、耐久性の向上効果が小さくなり、また1.5μmを超えると、磁気テープの全厚が厚くなりすぎて、テープ1巻あたりの記録容量が小さくなる。下塗層に使用する結合剤(ないし架橋剤)や下塗層形成のための有機溶剤には、磁性層の場合と同様のものが用いられる。
本発明の基本思想は、磁性層形成用の磁性塗料の分散安定性を高めるために、磁性塗料に所定の非プロトン性物質を所定量添加するというものであるが、これと同様の思想は下塗層形成用塗料あるいは下塗層に対しても適用できる。すなわち、磁性塗料と同様、下塗層用塗料にも、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満であり、かつ非プロトン性の物質を添加することができ、磁性塗料にて得られる同様の効果を下塗層用塗料においても得ることができる。
下塗層に使用する非磁性粉末には、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどがあるが、酸化鉄単独または酸化鉄と酸化アルミニウムの混合系が好ましい。非磁性粉末の粒子形状は、球状、板状、針状、紡錘状のいずれでもよいが、針状、紡錘状の場合は、通常、長軸長が20〜200nm、短軸長が5〜200nmのものが好ましい。非磁性粉末を主成分とし、これに必要により平均粒子径が0.01〜0.1μmのカーボンブラック、平均粒子径が0.05〜0.5μmの酸化アルミニウムを補助的に含有させることが多い。下塗層を平滑にかつ厚みムラを少なく塗布するには、上記の非磁性粒子およびカーボンブラックは、とくに粒度分布がシャープなものを用いるのが好ましい。板状の場合は、平均粒子径が10〜100nmであることが好ましい。非磁性板状粉末の成分としては、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄などの元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。
また、導電性改良の目的で、平均粒子径が10〜100nmのグラファイトのような板状炭素性粉末や平均粒子径が10〜100nmの板状ITO(インジウム・スズ複合酸化物)粉末などを添加してもよい。上記の非磁性板状粉末を添加することにより、膜厚の均一性、表面平滑性、剛性、寸法安定性が改善される。
〈潤滑剤〉
下塗層には、磁性層と下塗層に含まれる全粉末に対し、0.5〜5重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、磁気ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。上記範囲の高級脂肪酸の添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、5重量%を超えると、下塗層が可塑化してしまい、強靭性が失われるおそれがあるからである。
上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3重量%を超えると、磁性層への移入量が多すぎるため、テープとヘッドが貼り付くなどの副作用を生じる恐れがあるためである。
高級脂肪酸としては、炭素数10以上の脂肪酸を用いるのが好ましい。炭素数10以上の脂肪酸は、直鎖、分岐、シス・トランスなどの異性体のいずれでもよいが、潤滑性能に優れる直鎖型が好ましい。この脂肪酸には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などがある。これらの中でも、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などが好ましい。
磁性層への脂肪酸の添加量は、下塗層と磁性層との間で脂肪酸が転移するので、特に限定されず、磁性層と下塗層を合わせた脂肪酸の添加量を上記の量とすればよい。下塗層に脂肪酸を添加すれば、必ずしも磁性層に脂肪酸を添加しなくてもよい。
磁性層には、通常、磁性粉末に対して、0.5〜5重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので好ましい。上記の脂肪酸アミドとしては、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数が10以上の脂肪酸アミドが使用可能である。
上記範囲の脂肪酸アミドの添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、ヘッド/磁性層界面での直接接触が起こりやすく、焼付き防止効果が小さくなり、また5重量%を超えると、ブリードアウトしてしまい、ドロップアウトなどの欠陥が発生するおそれがあるからである。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステルを添加することが好ましいのは、0.2重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さくなり、また3重量%を超えると、ヘッドへの貼り付きなどの副作用を生じる恐れがあるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
さらに、本発明をディスク状の磁気記録媒体に適用する場合は、潤滑剤の総量として、磁性層の強磁性粉末または下塗層の非磁性粉末に対して、0.1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%の範囲で、上記潤滑剤が用いられる。
〈分散剤〉
下塗層、磁性層に含ませる非磁性粉末、カーボンブラックまたは磁性粉末は、分散剤で表面処理をしてもよいし、分散剤とともに各層用塗料を製造してもよい。これらは、単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。分散剤は、いずれの層でも、結合剤100重量部に対し、通常0.5〜20重量部の範囲で添加することが好ましい。
分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸などの炭素数12〜18個の脂肪酸〔RCOOH(Rは炭素数11〜17個のアルキル基またはアルケニル基)〕、上記脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる金属石けん、上記脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、上記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、銅フタロシアニンなどの従来公知の各種の分散剤をいずれも使用することができる。
〈磁性層〉
本発明で用いられる磁性粉末は、平均粒子径が100nm以下であり、通常は平均粒子径が10nm以上のものが好ましく、15〜80nmの範囲のものがより好ましい。磁性粉末の平均粒子径が100nmより大きくなると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなり、10nm未満では、保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大したりするため、塗料中での分散が困難となるおそれがある。
このような磁性粉末としては、強磁性鉄系金属磁性粉末、窒化鉄磁性粉末,板状の六方晶フェライト磁性粉末などが好ましく用いられる。強磁性鉄系金属磁性粉末には、Mn、Zn、Ni、Cu、Coなどの遷移金属を合金として含ませてもよい。その中でも、Co、Niが好ましく、とくにCoは飽和磁化を最も向上できるので、好ましい。上記の遷移金属元素の量としては、鉄に対して、5〜50原子%とするのが好ましく、10〜30原子%とするのがより好ましい。
強磁性鉄系金属磁性粉末には、イットリウム、セリウム、イッテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユーロピウム、ネオジム、テルビウムなどから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含ませてもよい。その中でも、セリウム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、イットリウムを用いたとき、形状が良好に保持され、磁性粉末表面に均一なセラミック層を形成できるので好ましい。希土類元素の量としては、鉄に対して0.2〜20原子%、好ましくは0.3〜15原子%、より好ましくは0.5〜12原子%である。
なお、強磁性鉄系金属磁性粉末における上記した各原子の原子%は、蛍光X線分析により測定される値である(特開2001−181754号公報参照)。
窒化鉄磁性粉末は,公知のものを使用できる。形状は、針状のほかに球状や立方体形状などの不定形のものを用いることができる。粒子径や比表面積については、磁気記録用の磁性粉末としての要求特性をクリアするためには、限定した磁性粉末の製造条件とすることが必要である(特開2000−277311号公報参照)。
上記の強磁性鉄系金属磁性粉末や窒化鉄磁性粉末は、Al,Si,P,Y,Zrまたはこれらの酸化物で表面処理をしてもよい。
強磁性鉄系金属磁性粉末や窒化鉄磁性粉末の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、80〜200A・m2 /kg(80〜200emu/g)が好ましく、100〜180A・m2 /kg(100〜180emu/g)がより好ましい。
また、BET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。通常100m2 /g以下である。
六方晶フェライト磁性粉末としては、保磁力が120〜320kA/mであるのが好ましく、また飽和磁化量が40〜70A・m2 /kg(40〜70emu/g)であるのが好ましい。六方晶フェライト磁性粉末の粒子径(板面方向の大きさ)は、10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。六方晶フェライト磁性粉末粒子の板状比(板径/板厚)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。六方晶フェライト磁性粉末のBET比表面積は、1〜100m2 /gが好ましい。
これらの磁性粉末において、上記の磁気特性は、いずれも、試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいう。また、上記の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉末では長軸径、板状粉末では板径)を実測し、100個の平均値により求めたものである。
本発明において、磁性塗料の製造に使用される結合剤としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂とを組み合わせたものなどが挙げられる。
これらの樹脂の中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂などがある。
このような結合剤は、官能基として、−COOH、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)3 、−O−P=O(OM)2 〔これらの式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩基またはアミン塩を示す〕、−OH、−NR1 R2 、−N+ R3 R4 R5 〔これらの式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は水素または炭化水素基を示す〕、エポキシ基などを有しているものが、好ましく用いられる。
このような結合剤を使用すると、磁性粉末などの分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基同士の組み合わせが好ましい。
これらの結合剤は、磁性粉末100重量部に対して、通常は、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で使用するのがよい。とくに、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂を併用する場合は、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部とポリウレタン樹脂2〜20重量部とを併用するのが好ましい。
これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが好ましい。このような架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましく用いられる。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対して、通常1〜30重量部の割合で用いられる。より好ましくは5〜20重量部である。
本発明において、磁性塗料の製造に使用される添加剤には、後述する潤滑剤や分散剤のほか、必要により、従来公知の研磨剤を使用できる。この研磨剤としては、α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、主としてモース硬度6以上のものが単独または組み合わせて使用できる。これらの研磨剤の粒子サイズとしては、通常、平均粒子径が10〜200nmであるのが好ましい。
磁性塗料には、必要により、導電性と表面潤滑性の向上を目的に、従来公知のカーボンブラックを添加してもよい。カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどを使用できる。平均粒子径が10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満になると、カーボンブラックの分散が難しく、100nmを超えると、多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれも表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。また、必要により、平均粒子径の異なるカーボンブラックを2種以上用いてもよい。
本発明においては、上記した磁性粉末および結合剤とともに、有機溶剤や上記の添加剤成分などを使用して、前記方法で分散処理して磁性塗料を製造したのち、この磁性塗料を使用して、常法に準じて、非磁性支持体上に塗布し、乾燥して、磁性層を形成し、所要の処理工程を経ることにより、磁気記録媒体を製造する。
磁性層の厚さは、0.01μm以上、0.15μm以下が好ましい。磁性層の厚さが0.01μm未満では得られる出力が小さく、また均一な磁性層を塗布するのが困難になる。磁性層の厚さが0.15μmを超えると、短波長信号の解像度が悪くなるおそれがある。短波長記録特性をさらに向上させるには、磁性層の厚さは0.01〜0.1μmがより好ましく、0.02〜0.06μmが最も好ましい。
磁性層の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、100〜300kA/mがより好ましく、120〜280kA/mがさらに好ましい。磁性層の保磁力が80kA/m未満では、記録波長を短くしたときに反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを超えると、磁気ヘッドによる記録が困難になる。磁性層の中心線平均表面粗さRaは、1〜6nmが好ましく、1〜5nmがより好ましい。
〈バックコート層〉
本発明において、磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、バックコート層を設けることができる。このバックコート層に磁性があると、磁気記録層の磁気信号が乱れる場合があるため、通常、バックコート層は非磁性である。
バックコート層の厚さは、0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不十分で、0.8μmを超えると、テープ全厚が厚くなり、1巻あたりの記録容量が小さくなるためである。バックコート層の中心線平均表面粗さRaは、3〜15nmが好ましく、4〜12nmがより好ましい。
バックコート層には、通常、カーボンブラックを含ませる。カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどを使用できる。通常は、小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラックを使用する。小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラック合計の添加量は、無機粉末重量を基準にして、60〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。
小粒子径カーボンブラックには、平均粒子径5〜200nmのものが使用されるが、平均粒子径10〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、平均粒子径が10nm未満では、カーボンブラックの分散が難しくなり、平均粒子径が100nmを超えると、多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれも表面が粗くなり磁性層への裏移り(エンボス)の原因になるためである。
大粒子径カーボンブラックとして、小粒子径カーボンブラックの5〜15重量%、平均粒子径200〜400nmの大粒子径カーボンブラックを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。
バックコート層には、強度、温度・湿度寸法安定性などの向上を目的に、平均粒子径が10〜100nmの非磁性板状粉末を添加することができる。非磁性板状粉末の成分は、酸化アルミニウムのほか、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄などの元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。
導電性改良の目的で、平均粒子径が10〜100nmの板状炭素性粉末や平均粒子径が10〜100nmの板状ITO粉末などを添加してもよい。また、必要に応じて、平均粒子径が0.1〜0.6μmの粒状酸化鉄粉末を添加してもよい。添加量としては、バックコート層中の全無機粉末の重量を基準にして、2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。平均粒子径が0.1〜0.6μmのアルミナを添加すると、耐久性がさらに向上するので、好ましい。
バックコート層には、結合剤として、磁性層の場合と同様のものを使用できる。中でも、摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂との併用が好ましい。
結合剤の含有量は、通常、カーボンブラックと無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して、通常40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは60〜110重量部、さらに好ましくは70〜110重量部である。前記結合剤の含有量が40重量部未満では、バックコート層の強度が不十分となるおそれがあり、150重量部を超えると、摩擦係数が高くなりやすくなる。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用するのが好ましい。
バックコート層には、結合剤を硬化させるために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いるのが好ましい。架橋剤には、磁性層の場合と同様のものを使用できる。架橋剤の量は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。前記架橋剤の量が10重量部未満では、バックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、50重量部を超えると、磁気ヘッドの構成材であるSUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
[実施例]
以下、本発明の実施例について説明する。なお、特に断らない限り、下記実施例および比較例中の「部」は「重量部」を意味し、「平均粒子径」は「数平均粒子径」を意味する。
《下塗層用塗料成分》
(1)
・酸化鉄粉末(平均粒子径:0.11μm) 68部
・アルミナ粉末(平均粒子径:70nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 24部
・ステアリン酸 2部
・塩化ビニル共重合体 10部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
・シクロヘキサノン 25部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 10部
(2)
・ステアリン酸ブチル 1部
・シクロヘキサノン 70部
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 20部
(3)
・ポリイソシアネート 4.5部
・シクロヘキサノン 10部
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 10部
上記の下塗層用塗料成分において(1)を回分式ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌後、サンドミル(ジルコニアビーズ見掛け体積80%充填、周速8m/s)で滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・ろ過した後、下塗層用塗料(下塗塗料)を調整した。
《磁性層用塗料成分》
(1)混練工程成分
・磁性粉末 (Co−Fe−Al−Y) 100部
〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、
Y/(Fe+Co):7.9原子%、
σs:131A・m2 /kg(131emu/g)、
Hc:197.4kA/m(2480Oe)、
平均粒子径:60nm、軸比:5〕
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
・アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 5部
・メチルアシッドホスフェート 2部
・テトラヒドロフラン 20部
・メチルエチルケトン 5部
・トルエン 5部
・ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12) 5部
(2)希釈工程成分
・パルミチン酸アミド 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル 1部
・テトラヒドロフラン 40部
・メチルエチルケトン 70部
・トルエン 40部
・シクロヘキサノン 70部
(3)配合工程成分
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン 80部
・シクロヘキサノン 80部
上記の磁性層用塗料成分(1)をオープンニーダで混練したのち、サンドミルでビーズ径0.1mm、比重6mg/ccのジルコニアビーズを用いて、撹拌周速10m/s、滞留時間を45分として分散した。これに磁性層用塗料成分(2)を加え希釈し、一次分散用塗料とした。この一次分散塗料にさらに磁性層用塗料成分(3)を加え攪拌・ろ過し、磁性塗料を調整した。
上記の下塗塗料を、芳香族ポリアミドフィルム(厚さ3.9μm、MD=11GPa、MD/TD=0.7、商品名:ミクトロン、東レ社製)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、乾燥、カレンダ後の厚さが1.0μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが0.10μmとなるようにエクストルージョン型コータにてウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得た。
《バックコート層用塗料成分》
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部
・カーボンブラック(平均粒子径:370nm) 10部
・酸化鉄(平均粒子径:400nm) 10部
・ニトロセルロ−ス 45部
・ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部
・シクロヘキサノン 260部
・トルエン 260部
・メチルエチルケトン 525部
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整しろ過後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダーで、温度100℃、線圧147kN/mの条件でカレンダ処理し、磁気シ−トをコアに巻いた状態で70℃にて72時間エージングしたのち、1/2インチ幅に裁断し、磁気テ−プを作製した。上記のようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、試験用磁気テープを作製した。
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)の添加量を5重量%から0.5重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の試験用磁気テープを作製した。
実施例1中の《磁性層用塗料成分》を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の試験用磁気テープを作製した。
《磁性層用塗料成分》
(1)混練工程成分
・磁性粉末 (Co−Fe−Al−Y) 100部
〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、
Y/(Fe+Co):7.9原子%、
σs:131A・m2 /kg(131emu/g)、
Hc:197.4kA/m(2480Oe)、
平均粒子径:60nm、軸比:5〕
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
・アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 5部
・メチルアシッドホスフェート 2部
・テトラヒドロフラン 10部
・メチルエチルケトン 5部
・トルエン 5部
・ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12) 18部
(2)希釈工程成分
・パルミチン酸アミド 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル 1部
・テトラヒドロフラン 40部
・メチルエチルケトン 70部
・トルエン 40部
・シクロヘキサノン 70部
(3)配合工程成分
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン 80部
・シクロヘキサノン 80部
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)5重量%を、カプロラクトン(SP値:10.1)10重量%に変更した以外に変更した以外は、実施例1と同様に実施例4の試験用磁気テープを作製した。
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)5重量%を、N−エチルホルミアミド(非プロトン性物質、SP値:13.9)1重量%に変更した以外は、実施例1と同様に実施例5の試験用磁気テープを作製した。
[比較例1]
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)の添加量を5重量%から0重量%(添加しなかった)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の試験用磁気テープを作製した。
[比較例2]
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)5重量%を、N,N−ジホルミルピペラジン(SP値:15.4)5重量%に変更した以外は、実施例1と同様に比較例2の試験用磁気テープを作製した。
[比較例3]
実施例1中の《磁性層用塗料成分》を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3の試験用磁気テープを作製した。
《磁性層用塗料成分》
(1)混練工程成分
・磁性粉末 (Co−Fe−Al−Y) 100部
〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、
Y/(Fe+Co):7.9原子%、
σs:131A・m2 /kg(131emu/g)、
Hc:197.4kA/m(2480Oe)、
平均粒子径:60nm、軸比:5〕
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
・アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 5部
・メチルアシッドホスフェート 2部
・テトラヒドロフラン 5部
・メチルエチルケトン 5部
・ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12) 30部
(2)希釈工程成分
・パルミチン酸アミド 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル 1部
・テトラヒドロフラン 30部
・メチルエチルケトン 70部
・トルエン 40部
・シクロヘキサノン 70部
(3)配合工程成分
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン 80部
・シクロヘキサノン 80部
[比較例4]
実施例1中の《磁性層用塗料成分》において、ジメチルスルホキシド(非プロトン性物質、SP値:12)5重量%を、メタノール (SP値:14.5、プロトン性)10重量%に変更した以外は、実施例1と同様に比較例4の試験用磁気テープを作製した。
〔評価〕
各実施例および比較例で調整した磁性塗料と、これを用いて作製した試験用磁気テープについて、それぞれ以下のようにして特性を評価した。
《分散安定性》
磁性塗料の分散安定性の指標として、塗料のチキソトロピー性を評価した。チキソトピー性は、HAAKE社製コーンプレート型回転粘度計RS100により、傾きが35分のコーンプレートを用いて、ズリ速度を増しながら粘度を測定し、ずり速度が10-2-1での粘度(ηa)および10s-1(ηb)での粘度を読み取り、それらの比(ηc=ηa/ηb)で評価した。この値が小さいほうが、チキソトロピー性が小さく、分散安定性が良好といえる。なお、測定は25℃で行った。
《中心線平均表面粗さ》
ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5000による走査型白色光干渉法にて、測定視野を350μm×260μm、Z軸方向の走査長を5μmとして、磁気テープの表面を測定し、磁性層の中心線平均表面粗さをRaとして求めた。
《残留量》
バックコート層を溶剤にて除去した試験用磁気テープを100cm2 切り出し、ヒューレットパッカード製HP6890SeriesGCSystemを用い、200℃まで加熱して、磁気記録媒体中に残留しているSP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満である非プロトン性物質の量(残留量)を測定した。残留量が1.0mg/m2 以上の場合を「残留量あり」、1.0mg/m2 未満の場合を「残留量なし」と評価した。
《架橋性》
磁性層を形成している結合剤の架橋性を評価するため、ドラムテスターを用いたスチル耐久性の測定を行った。ドラムテスターには電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.2μm)とMRヘッド(トラック幅8μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MRヘッドで再生を行った。両ヘッドは回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができる。各試験用磁気テープを60cm切り出し、更に4mm幅に加工して回転ドラムの外周に巻き付けた。ファンクションジェネレータにより矩形波を記録電流電流発生器に入力制御し、0.9μmのキャリア信号を書き込み、両ヘッドを当てたまま出力を測定し続け、初期の出力値から80%にまで落ち込んだ時間(分)をもって、スチル寿命と定義した。スチル寿命が、15分を超える場合を○、10〜15分の場合を△、10分未満の場合を×とした。スチル寿命が長いほど架橋性が高く、磁性層の塗膜強度ないし耐久性が優れていることを示す。
表3および表4に各実施例および比較例の評価結果を示す。なお、表3および表4中の全有機溶剤量、結合剤および含有物質は磁性層について示したものであり、これらの表中の各実施例における「含有物質」は上述した非プロトン性物質を示し、分散安定性は磁性塗料についてのものである。
Figure 0004537179
Figure 0004537179
表3および表4から明らかなように、実施例1〜5では、磁性塗料を作製する際に、磁性塗料中の有機溶剤量に対して溶解性パラメータ(SP値)が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満でありかつ非プロトン性である物質を0.1重量%以上5.0重量%未満含ませたことによって、比較例1〜4と比べて、分散安定性に優れた磁性塗料が得られている。また、得られた試験用磁気テープにおいても、実施例1〜5に係るものは、比較例1〜4に係るものに比べて表面平滑性に優れており、かつ塗膜中に溶剤が残留しないため架橋性に優れているといえる。このように、本発明によれば、塗料の分散安定性、しかも塗膜の架橋性にも優れた磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 非磁性支持体上に、
    磁性粉末と、
    極性官能基を有しかつ溶解性パラメータ(SP値)が10(cal/cm31/2 以上であってポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタンから選ばれる少なくとも1種の結合剤と、
    SP値が10(cal/cm31/2 未満であってトルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤と
    を含む磁性塗料を塗布して、少なくとも一層の磁性層を形成した磁気記録媒体を製造する方法において、
    前記磁性塗料中に、前記有機溶剤に対して、SP値が10.0(cal/cm31/2 以上15.0(cal/cm31/2 未満でありかつ非プロトン性である物質を、0.1重量%以上5.0重量%未満含ませることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
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