JP3828534B2 - 磁性塗料の製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents

磁性塗料の製造方法および磁気記録媒体 Download PDF

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本発明は、磁性塗料の製造方法と、この方法により得られた磁性塗料を用いて製造された磁気記録媒体に関するものであり、とくに、超微粒子磁性粉末を含む磁性塗料の製造方法と、この方法により得られた磁性塗料を用いて製造された、磁気特性や電磁変換特性にすぐれる磁気記録媒体に関するものである。
磁気記録媒体のひとつである磁気テープには、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピユータテープなどの種々の用途があるが、とくにデータバックアップ用のコンピュータテープの分野では、バックアップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻あたり100GB以上の記憶容量のものが商品化されており、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、バックアップテープの高容量化は不可欠である。

また、磁気記録媒体の高容量化のためには、記録波長をますます短くすること、およびトラック幅を小さくすることが必要不可欠である。
高容量コンピュータテープとしては、一般に、磁性粉末をバインダ樹脂中に分散させた磁性塗料を、可撓性支持体上に塗布して作製される、いわゆる塗布型テープが用いられている。磁気記録媒体の高密度化に対応して、使用される磁性粉末の粒子径は小さくなり、飽和磁化σsで代表される磁気エネルギーの大きな強磁性金属粉未を使用するようになってきている。ところが、磁性粉末は、微粒子化や高磁気エネルギー化するほど、個々の粒子の凝集力が強まることが知られている。
また、磁気記録媒体は、表面平滑化によるスペーシングロスの低減、磁性層の薄層化、表面欠陥によるドロップアウトの低減、磁性粉末の保磁力分布の均一化、長時間かつ多数回の使用に耐えうる高耐久性のいずれをも兼ね備えていることが求められている。これらの要件を満たすには、磁性塗料が十分に分散されていることが必要となってくる。
一般に、磁性塗料は、磁性粉末、バインダ樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分からなる塗料組成物を、分散槽内に金属、セラミックス、ガラスなどの分散用媒体を充填したボールミルやサンドミルのような媒体分散型ミルを使用して分散され、製造される。とくに、最近の高容量磁気テープ用の磁性塗料は、分散槽内に内設した攪拌装置で分散用媒体を強制攪拌するサンドミルを使用して製造されている。

しかしながら、前述したように、磁気記録媒体の高容量化に伴う磁性粉末の微粒子化と高磁気エネルギー化により、磁性粉末の凝集力が大きくなり、磁性粉末などを磁性塗料中に均一に分散させることが困難になってきた。
このような問題に対して、サンドミルの分散条件を検討して良好な磁性塗料を得る試み(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)や、サンドミルによる分散終了後、塗布工程の直前に超音波分散工程を設ける試み(たとえば、特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)がなされている。
特開平5−182194号公報 特開2001−81406号公報 特開平7−153074号公報 特開平10−251561号公報 特開2000−136328号公報
しかし、前記のサンドミルの分散条件の検討では、平均粒子径が0.1μm未満の超微粒子磁性粉末の分散には不十分であり、また、分散終了後の超音波分散工程では、分散塗料の再凝集を改善することはできても、塗料をさらに分散することはできないので、超微粒子磁性粉末の特性を十分に引き出すことができなかった。
本発明は、このような事情に照らして、超微粒子磁性粉末が良好に分散された磁性塗料の製造方法を提供すること、またこの方法で得られた磁性塗料を用いて高密度記録特性にすぐれた磁気記録媒体を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を達成するために、鋭意検討した結果、超微粒子磁性粉末を用いた磁性塗料の分散に際し、分散用媒体を使用して分散を行う工程と超音波分散を行う工程とを組み合わせ、この組み合わせ工程を2回以上繰り返す構成としたとき、塗料分散を良好に行えること、またこの方法で得られた磁性塗料を用いて製造された磁気記録媒体によると、磁気特性や電磁変換特性にすぐれて、高密度記録特性に適したのとなることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、平均粒子径が0.1μm未満の磁性粉末とバインダ樹脂とを含む磁性塗料の分散工程において、分散用媒体を使用して分散を行う工程と超音波分散を行う工程とを組み合わせ、この組み合わせ工程を2回以上繰り返すことを特徴とする磁性塗料の製造方法に係るものである。

また、本発明は、上記の製造方法で得られた磁性塗料を用いて製造された磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体に係るものである。
このように、本発明は、磁性塗料の分散に際し特定の分散工程を採用したことにより、一次分散後の粘度上昇の小さい安定な磁性塗料を提供することができ、この磁性塗料を用いることにより、粗さが平滑で磁気特性のすぐれた磁性層を形成することができ、その結果、短波長記録特性のすぐれた磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の磁性塗料の製造方法においては、塗料分散工程の前に、混合工程、混練工程および希釈工程を設けるのが望ましい。これらの工程のうち、混合工程では、混練工程の前工程として、磁性粉末の顆粒を高速攪拌混合機にて解砕し、その後、引き続き、高速攪拌混合機にてリン酸系やスルホン酸系の有機酸などやバインダ樹脂と混合して、磁性粉末の表面処理やバインダ樹脂との混合を行うものである。

上記の高速攪拌混合機としては、ホソカワミクロン社製のアグロマスタのような転動流動効果を利用したガス吹上げ式攪拌機、同社製のサイクロミックスやメカノフュージョンシステム、松山重工業社製のアキシャルミキサのような回転式混合機、三井鉱山社製のヘンシェルミキサなどを用いることができる。
つぎに、混練工程では、連続式2軸混練機により、通常、固形分濃度が80〜85重量%、磁性粉末に対するバインダ樹脂の割合が17〜30重量%となる状態で、混練を行うものである。また、希釈工程では、上記した混練工程の後工程として、連続式2軸混練機または他の希釈装置を用いて、少なくとも1回以上のバインダ樹脂溶液および/または溶媒を加えて、混練希釈するものである。

上記の連続式2軸混練機には、栗本鐵工所製のKEX−30、KEX−40、KEX−50、KEX−65、KEX−80、日本製鋼所製のTEX30αII、TEX44αII、TEX65αII、TEX77αII、TEX90αIIなどを用いることができる。
本発明においては、このような前工程を経たのち、塗料分散工程に供する。この分散工程では、通常、固形分濃度が20〜50重量%、磁性粉末に対するバインダ樹脂の割合が17〜30重量%で行うのが好ましい。また、分散前の塗料粘度としては、通常、0.5〜5.0Pa・s(500〜5,000cP)であるのが好ましい。
従来の分散工程では、図3に示すように、多数個のサンドミル(S1,S2,S3,S4)を直列に並べ、これらに供給タンクT1内の磁性塗料1を供給ポンプ2により順番に供給して分散するか、図4に示すように、供給タンクT1内の磁性塗料1を供給ポンプ2により1個のサンドミル(S1)に切り換えバルブ3を介して何回か循環させて供給して分散し、必要な分散時間を確保して、貯蔵タンクT2に貯蔵する。

本発明者らの検討によると、このような分散工程を好適に行うためには、サンドミルの分散条件(分散用媒体の粒子径、比重、分散用媒体の充填量、サンドミルの攪拌速度、塗料粘度など)の設定が重要であることはもちろんであるが、分散時の塗料の増粘現象を抑えることが重要であることがわかった。
通常、サンドミルで磁性塗料の分散を行うと、塗料の粘度が高くなる。塗料の粘度が高くなりすぎると、分散中の分散用媒体粒子の動きが悪くなり、分散効率が低下するだけではなく、塗料の温度上昇が大きくなりすぎる。

このため、最終的な塗料粘度を見越して分散前の塗料粘度を設定するか、分散後に溶剤を加えて塗料粘度を下げることが行われる。しかし、最終的な塗料粘度を見越して分散前の塗料粘度を設定すると、バインダ樹脂濃度が低くなりすぎて分散初期の塗料の分散が不安定になりやすい。また、分散後に溶剤を加えて塗料粘度を下げると、分散系の安定性がくずれて、磁性粉末の再凝集が起こりやすいという問題がある。
本発明の分散工程では、このような従来の分散工程の問題を克服するため、分散用媒体を使用して分散を行う工程であるサンドミルによる分散工程と、超音波分散を行う工程とを組み合わせたものである。

すなわち、図1に示すように、サンドミル(S1)と超音波分散機(H1)とを連結して一連の工程とし、同じく、サンドミル(S2)と超音波分散機(H2)とを、サンドミル(S3)と超音波分散機(H3)とを、サンドミル(S4)と超音波分散機(H4)とを、それぞれ連結して一連の工程とし、これら一連の工程に、供給タンクT1内の磁性塗料1を供給ポンプ2により順番に供給して分散するか、図2に示すように、サンドミル(S1)と超音波分散機(H1)とを連結して一連の工程とし、これに供給タンクT1内の磁性塗料1を供給ポンプ2により切り換えバルブ3を介して何回か循環させて供給して分散し、必要な分散時間を確保して、貯蔵タンクT2に貯蔵する。
この方法では、磁性塗料はサンドミル内を通過する際に高速攪拌されている分散用媒体にて高せん断力を受けて分散され、その後、超音波分散機内を通過する際に超音波による分散作用を受ける。さらに引き続き、サンドミルと超音波分散機を必要回数通過し、磁性塗料は所定の分散レベルになるまで塗料分散が行われる。

つまり、本発明の特徴は、所定のサンドミル分散工程中に2回以上超音波分散工程を組み込むことであり、これによりサンドミルのみによる分散工程を何回か繰り返すよりも、塗料粘度の上昇がはるかに小さくなることがわかった。
この現象のメカニズムの詳細は、今のところ不明である。推測では、分散用媒体による高せん断力を受けた磁性粉末はバインダ樹脂が表面に吸着することにより安定化するが、磁性粉末が高せん断力を立て続けに受けると、バインダ樹脂の吸着による分散系の安定化が追いつかず、粘度上昇が著しくなるものと考えられる。

これに対して、上記本発明のように、サンドミル分散工程とサンドミル分散工程の間に超音波分散工程を設けると、磁性粉末に効率良くバインダ樹脂が吸着されるようになり、その結果、粘度上昇が効果的に抑制されるものと考えられる。
本発明において、サンドミルとしては、攪拌軸にデイスク(穴開き、切り込み入り、溝付などを含む)、ピン、リングが設けられたものや、ロータが回転するものなど、従来公知のものを用いることができる。

分散用媒体は、ガラス、セラミック、金属(表面が樹脂で覆われたものも含む)など、従来公知のものを使用できるが、比重が3以上10以下のものが好ましく、3.5以上8以下のものがより好ましい。この範囲が好ましいのは、比重が3未満では、分散用媒体が軽くなりすぎて、分散エネルギーが小さくなり、10を超えると、重すぎて、ミル内での分散用媒体の動きが悪くなり、分散効率が低下するからである。
分散用媒体の粒子径は、0.1〜2.0mmが好ましく、0.2〜1.6mmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、粒子径が0.1mm未満では、塗料との分離が難しくなり、2.0mmを超えると、微粒子に対する分散能力が低下するからである。

分散用媒体のミル容器への充填量は、ミル内容量に対して見掛け容量比率で50〜90%が好ましい。この範囲が好ましいのは、50%未満では、分散効率が低下し、90%を超えると、分散用媒体の動きが悪くなるばかりか、発熱量が多くなるためである。
攪拌軸の回転速度は、回転部の外周の速度(周速)で6〜15m/sが好ましい。この範囲が好ましいのは、6m/s未満では、分散用媒体の分散エネルギーが小さく、15m/sを超えると、分散用媒体が破壊されたりするからである。

塗料分散時の滞留時間は、磁性塗料の構成成分、用途により異なるが、通常30〜90分が好ましい。2連以上のサンドミルを用いて塗料分散を行う場合に、各連の分散条件を変えてもよい。たとえば、始めに大粒径分散用媒体を使用し、最後に小粒径分散媒体を使用すると、より好ましい。
本発明において、超音波分散機としては、市販の任意のものを使用できるが、発信周波数が10〜200kHz、超音波振幅が10〜100μmのものが好ましい。超音波分散機の容量は、磁性塗料の単位時間あたりの処理量に応じて選べばよく、通常500W〜5kWが好ましい。大容量の超音波分散機がない場合は、小容量のものを連結して使用してもよい。超音波分散の滞留時間は、通常1〜80秒である。
本発明では、上記の分散用媒体を使用して分散を行う工程と超音波分散を行う工程とを組み合わせた一連の工程を二回以上繰り返す。サンドミルと超音波分散とを組み合わせた工程の単位時間あたりの塗料処理量を十分に小さくすれば、一回の処理で必要な滞留時間を塗料に与えることができるが、分散前後の塗料の粘度差が大きくなったり、塗料中の被分散物の粒度分布が大きくなったりするため、同じ滞留時間でも2回以上この工程が行われるような単位時間あたりの塗料処理量を選択するのが好ましい。こうすることにより、分散途中に数回超音波分散が行われるので、塗料の粘度上昇が抑制される。また、粒度分布の小さい高記録密度磁気記録媒体に好適な磁性塗料が得られる。
本発明においては、上記の分散工程後、他の配合成分を加えて、最終塗料としたのち、塗布直前にさらに超音波分散工程を設けてもよい。この超音波分散工程を設けることで、塗料の流動性が改善され、塗膜厚さの均一性が向上する。この超音波分散機には、前記と同様のものが用いられる。滞留時間は、0.1秒〜2秒が好ましい。
本発明において、磁性塗料の製造に使用される磁性粉末は、平均粒子径が0.1μm未満のもの、つまり100nm未満のものであり、通常は、平均粒子径が10nm以上のものが好ましく、15〜80nmの範囲のものがより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が100nm以上になると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなり、また平均粒子径が10nm未満では、保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大するため、塗料中での分散が困難になるためである。
このような磁性粉末としては、強磁性鉄系金属磁性粉、窒化鉄磁性粉,板状の六方晶フエライト磁性粉などが好ましく用いられる。

強磁性鉄系金属磁性粉には、Mn、Zn、Ni、Cu、Coなどの遷移金属を合金として含ませてもよい。その中でも、Co、Niが好ましく、とくにCoは飽和磁化を最も向上できるので、好ましい。上記の遷移金属元素の量としては、鉄に対して、5〜50原子%とするのが好ましく、10〜30原子%とするのがより好ましい。
また、強磁性鉄系金属磁性粉には、イツトリウム、セリウム、イツテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユーロピウム、ネオジム、テルビウムなどから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含ませてもよい。その中でも、セリウム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、イツトリウムを用いたとき、形状が良好に保持され、磁性粉表面に均一なセラミック層を形成できるので、好ましい。

希土類元素の量としては、鉄に対して0.2〜20原子%、好ましくは0.3〜15原子%、より好ましくは0.5〜12原子%である。
さらに、強磁性鉄系金属磁性粉には、ホウ素を含ませてもよい。ホウ素を含ませることにより、平均粒子径が50nm以下の粒状ないし楕円状の超微粒子が得られる。また、ホウ素の量としては、磁性粉末全体中、鉄に対し0.5〜30原子%、好ましくは1〜25原子%、より好ましくは2〜20原子%である。

なお、強磁性鉄系金属磁性粉における上記した各原子の原子%は、蛍光X線分析により測定される値である(特開2001−181754号公報参照)。
窒化鉄磁性粉は,公知のものを使用できる。形状は、針状のほかに球状や立方体形状などの不定形のものを用いることができる。粒子径や比表面積については、磁気記録用の磁性粉としての要求特性をクリアするためには、限定した磁性粉末の製造条件とすることが必要である(特開2000−277311号公報参照)。
上記の強磁性鉄系金属磁性粉や窒化鉄磁性粉は、Al,Si,P,Y,Zrまたはこれらの酸化物で表面処理(耐食性)して使用してもかまわない。

強磁性鉄系金属磁性粉や窒化鉄磁性粉の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、80〜200A・m2 /kg(80〜200emu/g)が好ましく、100〜180A・m2 /kg(100〜180emu/g)がより好ましい。

また、BET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。通常100m2 /g以下である。
六方晶フエライト磁性粉としては、保磁力が120〜320kA/mであるのが好ましく、また飽和磁化量が40〜70A・m2 /kg(40〜70emu/g)であるのが好ましい。さらに、粒径(板面方向の大きさ)は、10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。また、板状比(板径/板厚)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。さらに、BET比表面積は、1〜100m2 /gが好ましい。
これらの磁性粉末において、上記の磁気特性は、いずれも、試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいう。また、上記の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉では長軸径、板状粉では板径)を実測し、100個の平均値により求めたものである。
本発明において、磁性塗料の製造に使用されるバインダ樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂とを組み合わせたものなどが挙げられる。
これらの樹脂の中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。

ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂などがある。
このようなバインダ樹脂は、官能基として、−COOH、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)3 、−O−P=O(OM)2 〔これらの式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩基またはアミン塩を示す〕、−OH、−NR1 2 、−N+ 3 4 5 〔これらの式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は水素または炭化水素基を示す〕、エポキシ基などを有しているものが、好ましく用いられる。

このようなバインダ樹脂を使用すると、磁性粉末などの分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも、−SO3 M基同士の組み合わせが好ましい。
これらのバインダ樹脂は、磁性粉末100重量部に対して、通常は、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で使用するのがよい。とくに、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂を併用する場合は、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部とポリウレタン樹脂2〜20重量部とを併用するのが好ましい。

また、これらのバインダ樹脂とともに、バインダ樹脂中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが好ましい。
このような架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましく用いられる。

これらの架橋剤は、バインダ樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部の割合で用いられる。より好ましくは5〜20重量部である。
なお、磁性層の下地である下塗り層の上にウエット・オン・ウエットで磁性層を設ける場合、下塗り塗料からある程度のポリイソシアネートが拡散供給されるので、ポリイソシアネートを併用しなくても、磁性層はある程度架橋される。

また、上記した熱硬化性のバインダ樹脂に代えて、放射線硬化性樹脂を用いてもよい。放射線硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂をアクリル変性し放射線感応性二重結合を持たせたものや、アクリルモノマー、アクリルオリゴマーが用いられる。
本発明において、磁性塗料の製造に使用される有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して使用され、またトルエンなどと混合して使用される。
本発明において、磁性塗料の製造に使用される添加剤には、後述する潤滑剤や分散剤のほか、必要により、従来公知の研磨剤を使用できる。

この研磨剤としては、α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、主としてモース硬度6以上のものが単独または組み合わせて使用できる。これらの研磨剤の粒子サイズとしては、通常、平均粒子径で10〜200nmであるのが好ましい。
また、磁性塗料には、必要により、導電性と表面潤滑性の向上を目的に、従来公知のカーボンブラックを添加してもよい。カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどを使用できる。平均粒子径が10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満になると、カーボンブラックの分散が難しく、100nmを超えると、多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれも表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。また、必要により、平均粒子径の異なるカーボンブラックを2種以上用いてもよい。
本発明においては、上記した磁性粉末およびバインダ樹脂とともに、有機溶剤や上記の添加剤成分などを使用して、前記方法で分散処理して磁性塗料を製造したのち、この磁性塗料を使用して、常法に準じて、非磁性支持体上に塗布し、乾燥して、磁性層を形成し、所要の処理工程を経ることにより、磁気記録媒体を製造する。
ここで、磁性層の厚さは、0.01μm以上、0.15μm以下が好ましい。この範囲が好ましいのは、0.01μm未満では得られる出力が小さいのと、均一な磁性層を塗布するのが困難であり、0.15μmを超えると、短波長信号の解像度が悪くなるからである。短波長記録特性をさらに向上させるには、磁性層の厚さは0.01〜0.1μmであるのがより好ましく、0.02〜0.06μmが最も好ましい。

磁性層の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、100〜300kA/mがより好ましく、120〜280kA/mがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、80kA/m未満では、記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを超えると、磁気ヘッドによる記録が困難になるためである。
本発明において、上記の磁性層は、非磁性支持体上に直接形成することもできるが、通常は、下塗り層を介して形成するのが望ましい。また、この磁性層の上に、必要により、磁性層の保護などのため、トップコート層(最上層非磁性層)を設けてもよい。さらに、上記の磁性層は、磁気記録媒体の容量を大きくするために、非磁性支持体の両面側に形成してもよい。一方、非磁性支持体の片面にのみ磁性層を形成する場合は、通常は、その背面側にバックコート層を形成するのが望ましい。
以下、上記本発明の構成要素として、(1)非磁性支持体、(2)下塗り層について、説明する。また、前記の磁性層、下塗り層さらには最上層非磁性層には、(3)潤滑剤、(4)分散剤を含ませるのが普通であり、これらの添加剤についても、説明する。また、(5)バックコート層の構成についても、説明する。
(1)非磁性支持体
非磁性支持体の厚さは、用途によって異なるが、通常は、1.5〜11μmのものが使用される。非磁性支持体の厚さは、より好ましくは2〜7μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、1.5μm未満となると、製膜が難しくなり、またテープ強度が小さくなるためであり、11μmを超えると、テープ全厚が厚くなり、テープ1巻あたりの記録容量が小さくなるためである。

非磁性支持体の長手方向のヤング率としては、5.8GPa(590kg/mm2 )以上が好ましく、7.1GPa(720kg/mm2 )以上がより好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.8GPa以上がよいのは、長手方向のヤング率が5.8GPa未満では、テープ走行が不安定になるためである。
ヘリキャルスキャンタイプでは、長手方向のヤング率(MD)/幅方向のヤング率(TD)は、0.6〜0.8の範囲が好ましく、0.65〜0.75の範囲がより好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が、上記範囲がよいのは、0.6未満または0.8を超えると、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。このばらつきは、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が0.7付近で最小になる。

また、リニアレコーディングタイプでは、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は、理由は明らかではないが、0.7〜1.3が好ましい。
非磁性支持体の幅方向の温度膨張係数は、−10〜10×10-6、湿度膨張係数は、0〜10×10-6が好ましい。この範囲が好ましいのは、この範囲をはずれると、温度・湿度の変化によりオフトラックが生じエラーレートが大きくなるからである。

以上のような特性を満足する非磁性支持体としては、たとえば、二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
(2)下塗り層
下塗り層の厚さは、0.2μm以上、1.5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.8μm以下がさらに好ましい。この範囲が好ましい理由は、0.2μm未満では、磁性層の厚さむら低減効果や、耐久性の向上効果が小さくなり、また1.5μmを超えると、磁気テープの全厚が厚くなりすぎて、テープ1巻あたりの記録容量が小さくなるためである。この下塗り層に使用するバインダ樹脂(ないし架橋剤)や下塗り層形成のための塗料溶剤には、磁性層の場合と同様のものが用いられる。
下塗り層に使用する非磁性粉末には、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどがあるが、酸化鉄単独または酸化鉄と酸化アルミニウムの混合系が好ましい。非磁性粉末の粒子形状は、球状、板状、針状、紡錘状のいずれでもよいが、針状、紡錘状の場合は、通常、長軸長が20〜200nm、短軸長が5〜200nmのものが好ましい。非磁性粉末を主成分とし、これに必要により粒子径が0.01〜0.1μmのカーボンブラック、粒子径が0.05〜0.5μmの酸化アルミニウムを補助的に含有させることが多い。下塗り層を平滑にかつ厚みムラを少なく塗布するには、上記の非磁性粒子およびカーボンブラックは、とくに粒度分布がシャープなものを用いるのが好ましい。
下塗り層には、平均粒子径が10〜100nmの非磁性板状粉末を添加するのが好ましい。非磁性板状粉末の成分としては、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄などの元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。

導電性改良の目的で、平均粒子径が10〜100nmのグラファイトのような板状炭素性粉末や平均粒子径が10〜100nmの板状ITO(インジウム・スズ複合酸化物)粉末などを添加してもよい。上記の非磁性板状粉末を添加することにより、膜厚の均一性、表面平滑性、剛性、寸法安定性が改善される。
(3)潤滑剤
下塗り層には、磁性層と下塗り層に含まれる全粉体に対し、0.5〜5重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。上記範囲の高級脂肪酸の添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、5重量%を超えると、下塗り層が可塑化してしまい、強靭性が失われるおそれがあるからである。

また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3重量%を超えると、磁性層への移入量が多すぎるため、テープとヘッドが貼り付くなどの副作用を生じるおそれがあるためである。
高級脂肪酸としては、炭素数10以上の脂肪酸を用いるのが好ましい。炭素数10以上の脂肪酸は、直鎖、分岐、シス・トランスなどの異性体のいずれでもよいが、潤滑性能にすぐれる直鎖型が好ましい。この脂肪酸には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などがある。これらの中でも、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などが好ましい。

磁性層への脂肪酸の添加量は、下塗り層と磁性層の間で脂肪酸が転移するので、とくに限定されず、磁性層と下塗り層を合わせた脂肪酸の添加量を上記の量とすればよい。下塗り層に脂肪酸を添加すれば、必ずしも磁性層に脂肪酸を添加しなくてもよい。
磁性層には、通常、磁性粉末に対して、0.5〜3重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので好ましい。上記の脂肪酸アミドとしては、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数が10以上の脂肪酸アミドが使用可能である。

上記範囲の脂肪酸アミドの添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、ヘッド/磁性層界面での直接接触が起こりやすく、焼付き防止効果が小さくなり、また3重量%を超えると、ブリードアウトしてしまい、ドロップアウトなどの欠陥が発生するおそれがあるからである。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステルの添加が好ましいのは、0.2重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さくなり、また3重量%を超えると、ヘッドに貼り付くなどの副作用を生じるおそれがあるためである。
なお、磁性層の潤滑剤と下塗り層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。また、必要により、磁性層や下塗り層に用いる潤滑剤を最上層非磁性層に含ませてもよい。

さらに、本発明をディスク状の磁気記録媒体に適用する場合は、潤滑剤の総量として、磁性層の強磁性粉末または下塗り層の非磁性粉末に対して、0.1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%の範囲で、上記潤滑剤が用いられる。
(4)分散剤
下塗り層、磁性層または最上層非磁性層に含ませる非磁性粉末、カーボンブラックまたは磁性粉末は、分散剤で表面処理したり、分散剤とともに各層用塗料を製造してもよい。これらは、単独でも組み合わせて使用してもよい。分散剤は、いずれの層でも、バインダ樹脂100重量部に対し、通常0.5〜20重量部の範囲で添加される。
分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸などの炭素数12〜18個の脂肪酸〔RCOOH(Rは炭素数11〜17個のアルキル基またはアルケニル基)〕、上記脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる金属石けん、上記脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、上記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、スルホン酸塩、りん酸塩、銅フタロシアニンなどの従来公知の各種の分散剤を、いずれも使用することができる。
(5)バックコート層
本発明において、磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上などを目的として、バックコート層を設けることができる。このバックコート層に磁性があると、磁気記録層の磁気信号が乱れる場合があるため、通常、バックコート層は非磁性である。
バックコート層の厚さは、0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不十分で、0.8μmを超えると、テープ全厚が厚くなり、1巻あたりの記録容量が小さくなるためである。バックコート層の中心線平均表面粗さRaは、3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより好ましい。
バックコート層には、通常、カーボンブラックを含ませる。カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどを使用できる。通常は、小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラックを使用する。小粒子径カーボンブラックと大粒子径カーボンブラック合計の添加量は、無機粉体重量を基準にして、60〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。
小粒子径カーボンブラックには、平均粒子径5〜200nmのものが使用されるが、平均粒子径10〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、平均粒子径が10nm未満では、カーボンブラックの分散が難しくなり、平均粒子径が100nmを超えると、多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれも表面が粗くなり磁性層への裏移り(エンボス)の原因になるためである。

大粒子径カーボンブラックとして、小粒子径カーボンブラックの5〜15重量%、平均粒子径200〜400nmの大粒子径カーボンブラックを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。
バックコート層には、強度、温度・湿度寸法安定性などの向上を目的に、平均粒子径が10〜100nmの非磁性板状粉末を添加することができる。非磁性板状粉末の成分は、酸化アルミニウムのほか、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄などの元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。

導電性改良の目的で、平均粒子径が10〜100nmの板状炭素性粉末や平均粒子径が10〜100nmの板状ITO粉末などを添加してもよい。また、必要に応じて、平均粒子径が0.1〜0.6μmの粒状酸化鉄粉末を添加してもよい。添加量としては、バックコート層中の全無機粉体の重量を基準にして、2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、平均粒子径が0.1〜0.6μmのアルミナを添加すると、耐久性がさらに向上するので、好ましい。
バックコート層には、バインダ樹脂として、磁性層の場合と同様のものを使用できる。これらの中でも、摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを複合して併用するのが好ましい。

バインダ樹脂の含有量は、通常、カーボンブラックと無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して、40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは60〜110重量部、さらに好ましくは70〜110重量部である。上記範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バックコート層の強度が不十分であり、120重量部を超えると、摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用するのが好ましい。
バックコート層には、バインダ樹脂を硬化するために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いるのが好ましい。架橋剤には、磁性層の場合と同様のものを使用できる。架橋剤の量は、バインダ樹脂100重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。上記範囲が好ましいのは、10重量部未満では、バックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を超えると、SUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は、重量部である。また、実施例および比較例中の平均粒子径は、数平均粒子径である。

さらに、実施例および比較例中の塗料粘度は、ビスコテスター(リヨン社製の「VT−04E」)(1号ロータ使用)を使用し、分散後1分以内の塗料を300mlビーカに取り、測定開始30秒後の指示値から粘度を求めたものである。
<下塗り塗料成分>
(1)成分
非磁性板状酸化鉄粉末(平均粒子径:50nm) 76部

カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 24部

ステアリン酸 2.0部

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(ガラス転移温度:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)

シクロヘキサノン 25部

メチルエチルケトン 40部

トルエン 10部

(2)成分
ステアリン酸ブチル 1部

シクロヘキサノン 70部

メチルエチルケトン 50部

トルエン 20部

(3)成分
ポリイソシアネート 1.4部

シクロヘキサノン 10部

メチルエチルケトン 15部

トルエン 10部
<磁性塗料成分>
(1)混練工程成分
磁性粉末 (Co−Fe−Al−Y) 100部
〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、
Y/(Fe+Co):7.9原子%、
σs:129A・m2 /kg(129emu/g)、
Hc:196.2kA/m(2465Oe)、
平均粒子径:75nm、軸比:5〕

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)

アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 8部

カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 5部

メチルアシッドホスフェート 2部

テトラヒドロフラン 20部

メチルエチルケトン 25部

シクロヘキサノン 25部

(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド 1.5部

ステアリン酸n−ブチル 1部

メチルエチルケトン 90部

シクロヘキサノン 90部

(3)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部

メチルエチルケトン 80部

シクロヘキサノン 80部
上記の下塗り塗料成分のうち、まず、(1)成分を回分式ニーダで混練し、つぎに、(2)成分を加えて攪拌したのち、サンドミル(ジルコニアビース見掛け体積80%充填、周速8m/s)で滞留時間を60分として分散処理を行い、これにさらに(3)成分を加えて攪拌し、ろ過して、下塗り塗料(下塗り層用塗料)を調製した。
これとは別に、上記の磁性塗料成分のうち、まず、(1)混練工程成分をあらかじめ高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し、つぎに、(2)希釈工程成分を加えて連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、一次分散用塗料とした。この一次分散用塗料(温度25℃)の粘度を、ビスコテスター(リヨン社製の「VT−04E」)で測定したところ、1.1Pa・s(1,100cP)であった。
つぎに、この一次分散用塗料を、ジルコニアビーズ(粒子径0.5mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A1ラインで、分散処理した。つまり、一次分散用塗料を、上記一次分散A1ラインを2回通して、分散処理した。サンドミルの滞留時間は、合計で50分、超音波分散機の滞留時間は合計で10秒であった。

このような一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は、4.2Pa・s(4,200cP)であった。この一次分散済み塗料に、さらに(3)配合工程成分を加えて攪拌し、ろ過して、磁性塗料を調製した。
上記の下塗り塗料を、芳香族ポリアミドフィルム(厚さ3.9μm、MD=11GPa、MD/TD=0.7、東レ社製の商品名「ミクトロン」)からなる非磁性支持体上に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.9μmとなるように塗布し、この下塗り層上に、上記の磁性塗料を、磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが0.08μmとなるようにエクストルージョン型コータにてウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを作製した。
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 80部

カーボンブラック(平均粒子径:350nm) 10部

非磁性板状酸化鉄粉末(平均粒子径:50nm) 10部

ニトロセルロース 45部

ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有) 30部

シクロヘキサノン 260部

トルエン 260部

メチルエチルケトン 525部
上記バックコート層用塗料成分を、サンドミル(ジルコニアビース見掛け体積80%充填、周速8m/s)で滞留時間45分として分散したのち、ポリイソシアネート15部を加えて加えて攪拌し、ろ過して、バックコート層用塗料を調製した。

このバックコート層用塗料を、前記方法で作製した磁気シートの磁性層の反対面側に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。
このようにして得た磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに巻いた状態で70℃にて72時間エージングしたのち、1/2インチ幅に裁断した。

スリットマシン(磁気テープ原反を所定幅の磁気テープに裁断する装置)は、構成している各種要素を下記のように改良したものを用いた。巻き出し原反からスリット刃物群に至るウェブ経路中にテンションカットローラを設け、このテンションカットローラをサクションタイプとし、吸引部は多孔質金属を埋め込んだメッシュサクションとした。刃物駆動部に動力を伝達する機構を持たないモータ直結のダイレクトドライブとした。
裁断後のテープを200m/分で走行させながら磁性層表面に対しラッピングテープ研磨、ブレード研磨および表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製した。この際、ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製の商品名「トレシー」を用い、走行テンション0.294Nで処理を行った。

このようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。
磁性塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、3回通すことに変更した(サンドミルおよび超音波分散機のそれぞれの合計滞留時間は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は3.9Pa・s(3,900cP)であった。
磁性塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、4回通すことに変更した(サンドミルおよび超音波分散機のそれぞれの合計滞留時間は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は3.7Pa・s(3,700cP)であった。
実施例1において、一次分散ラインを、ジルコニアビーズ(粒子径0.5mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A1ラインから、ジルコニアビーズ(粒子径0.8mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A2ラインと、ジルコニアビーズ(粒子径0.3mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A3ラインとに、変更した。
また、塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、一次分散A2ラインを2回通し、さらに一次分散A3ラインを2回通すこと(サンドミルおよび超音波分散機のそれぞれの合計滞留時間は実施例1と同じ)に変更した。

これら以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は3.8Pa・s(3,800cP)であった。
実施例1において、磁性粉末を、磁性粉末〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、Y/(Fe+Co):7.9原子%、σs:129A・m2 /kg(129emu/g)、Hc:196.2kA/m(2,465Oe)、平均粒子径:75nm、軸比:5〕から、磁性粉末〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、Y/(Fe+Co):12.7原子%、σs:99A・m2 /kg(99emu/g)、Hc:171.1kA/m(2,150Oe)、平均粒子径:45nm、軸比:4〕に変更した。
また、一次分散ラインを、ジルコニアビーズ(粒子径0.5mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A1ラインから、一次分散A1ラインと、ジルコニアビーズ(粒子径0.1mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A4ラインとに、変更した。
さらに、塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、一次分散A1ラインを2回通し、さらに一次分散A4ラインを2回通すこと(サンドミルおよび超音波分散機のそれぞれの合計滞留時間は実施例1と同じ)に変更した。

また、塗布直前の磁性塗料に超音波分散処理を行った(滞留時間0.5秒)。

これら以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散用塗料の塗料粘度(温度25℃)は1.3Pa・s(1,300cP)で、一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は4.7Pa・s(4,700cP)であった。
比較例1
磁性塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、1回通すことに変更した(サンドミルおよび超音波分散機のそれぞれの滞留時間は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は5.6Pa・s(5,600cP)であった。
比較例2
実施例1において、一次分散ラインを、ジルコニアビーズ(粒子径0.5mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)と超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)とを配管で連結した一次分散A1ラインから、ジルコニアビーズ(粒子径0.5mm)を見掛け体積で80%充填したサンドミル(周速10m/s)単独からなる一次分散Bラインに変更した。

また、塗料の分散処理を、一次分散A1ラインを2回通すことから、一次分散Bラインを4回通すことに変更し、その後、超音波分散機(周波数20kHz、振幅50μm)を1回通した以外は、実施例1と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は5.8Pa・s(5,800cP)であった。
比較例3
磁性粉末を、磁性粉末〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、Y/(Fe+Co):7.9原子%、σs:129A・m2 /kg(129emu/g)、Hc:196.2kA/m(2,465Oe)、平均粒子径:75nm、軸比:5〕から、磁性粉末〔Co/Fe:30原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、Y/(Fe+Co):4.8原子%、σs:137A・m2 /kg(137emu/g)、Hc:188.6kA/m(2,370Oe)、平均粒子径:100nm、軸比:5〕に変更した以外は、比較例2と同様にして、コンピュータ用テープを作製した。

一次分散用塗料の塗料粘度(温度25℃)は0.9Pa・s(900cP)で、一次分散終了後の塗料粘度(温度25℃)は4.8Pa・s(4,800cP)であった。
上記の実施例1〜5および比較例1〜3の各コンピュータ用テープの作製において、磁性塗料の調製に使用した磁性粉末の粒子サイズ、塗料調製時の一次分散ラインの構成、一次分散後の塗料粘度を、表1にまとめて示した。
表1
┌────┬───────┬───────────┬────────┐
│ │ 磁性粉末の │ 一次分散ライン │ 一次分散後の │
│ │ 粒子サイズ │ の構成 │ 塗料粘度 │
│ │ (nm) │ │ (Pa・s) │
├────┼───────┼───────────┼────────┤
│実施例1│ 75 │ A1×2 │ 4.2 │
│ │ │ │ │
│実施例2│ 75 │ A1×3 │ 3.9 │
│ │ │ │ │
│実施例3│ 75 │ A1×4 │ 3.7 │
│ │ │ │ │
│実施例4│ 75 │ A2×2+A3×2 │ 3.8 │
│ │ │ │ │
│実施例5│ 45 │ A1×2+A4×2 │ 4.7 │
├────┼───────┼───────────┼────────┤
│比較例1│ 75 │ A1×1 │ 5.6 │
│ │ │ │ │
│比較例2│ 75 │ B×4(超音波なし)│ 5.8 │
│ │ │ │ │
│比較例3│ 100 │ B×4(超音波なし)│ 4.8 │
└────┴───────┴───────────┴────────┘
上記の実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各コンピュータ用テープについて、磁性層表面の粗さ、磁気特性および電磁変換特性を、下記の方法により、測定した。これらの結果は、表2に示されるとおりであった。
<磁性層表面の粗さ>
最表面の表面粗さを、AFM(DigitalInstruments社 Dimension3000)を用いて、測定した。測定条件は、タッピングモードで行い、視野は40μm×40μm角で行い、平均線中心粗さRaを求めた。
<磁気特性>
磁気特性は、試料振動型磁束計(VSM、東英工業社製)で、最高磁場0.8MA/m(10kOe)の条件下で、測定した。ヒステリシスループを書かせた上で、これから、Hc、SFDの特性値を求めた。
<電磁変換特性>
電磁変換特性の測定には、ドラムテスターを用いた。
ドラムテスターには、電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.2ミクロン)とMRヘッド(8μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録し、MRヘッドで再生を行った。両ヘッドは回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができる。磁気テープはカートリッジに巻き込んだ状態から適切な量を引き出して廃棄し、さらに60cmを切り出し、さらに4mm幅に加工して、回転ドラムの外周に巻き付けた。

出力およびノイズは、ファンクションジェネレータにより、矩形波を記録電流電流発生器に入力制御し、波長0.2μmの信号を書き込み、MRヘッドの出力をプリアンプで増幅後、スペクトラムアナライザーに読み込んだ。0.2μmのキャリア値を媒体出力Cとした。また、0.2μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.2μm以上に相当するスペクトルの成分から、出力およびシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。両者の比をとってC/Nとした。CおよびC/Nともに、比較例1のコンピュータ用テープの値との相対値を求めた。




















表2
┌────┬──────┬────────────┬───────────┐
│ │磁性層表面の│ 磁気特性 │ 電磁変換特性 │
│ │粗さ〔Ra〕├──────┬─────┼─────┬─────┤
│ │ │ Hc │ SFD │ C │ C/N │
│ │ (nm) │(kA/m)│ │ (dB)│ (dB)│
├────┼──────┼──────┼─────┼─────┼─────┤
│実施例1│ 3.4 │ 211 │ 0.49│ 0.6 │ 0.9 │
│ │ │ │ │ │ │
│実施例2│ 3.3 │ 212 │ 0.47│ 0.7 │ 1.2 │
│ │ │ │ │ │ │
│実施例3│ 3.3 │ 212 │ 0.46│ 0.9 │ 1.5 │
│ │ │ │ │ │ │
│実施例4│ 3.1 │ 213 │ 0.44│ 1.1 │ 1.8 │
│ │ │ │ │ │ │
│実施例5│ 2.9 │ 205 │ 0.67│−0.9 │ 3.3 │
├────┼──────┼──────┼─────┼─────┼─────┤
│比較例1│ 4.4 │ 210 │ 0.52│ 0 │ 0 │
│ │ │ │ │ │ │
│比較例2│ 4.1 │ 211 │ 0.51│ 0.3 │ 0.5 │
│ │ │ │ │ │ │
│比較例3│ 4.2 │ 193 │ 0.51│−0.2 │−4.5 │
└────┴──────┴──────┴─────┴─────┴─────┘
上記の表2の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜5の各コンピュータ用テープは、いずれも、比較例1〜3の各コンピュータ用テープに比べて、磁性層表面の粗さが小さく、磁気特性および電磁変換特性にすぐれていることがわかる。
本発明の分散工程の一例を示す分散系統図である。 本発明の分散工程の他の例を示す分散系統図である。 従来の分散工程の一例を示す分散系統図である。 従来の分散工程の他の例を示す分散系統図である。
符号の説明
1 磁性塗料
2 供給ポンプ
3 切替えバルブ
T1 供給タンク
T2 貯蔵タンク
S1〜S4 サンドミル
H1〜H4 超音波分散機

Claims (2)

  1. 平均粒子径が0.1μm未満の磁性粉末とバインダ樹脂とを含む磁性塗料の分散工程において、分散用媒体を使用して分散を行う工程と超音波分散を行う工程とを組み合わせ、この組み合わせ工程を2回以上繰り返すことを特徴とする磁性塗料の製造方法。

  2. 請求項1に記載の製造方法で得られた磁性塗料を用いて製造された磁気記録媒体。
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