JP4537037B2 - X線検査装置及びその管電圧・管電流調整方法 - Google Patents

X線検査装置及びその管電圧・管電流調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、非破壊検査装置の内のX線検査装置に係り、特に被検体の透過データから被検体の透過画像を作成するX線検査装置若しくはX線透視装置又は被検体の透過データから被検体の断面像あるいは3次元画像を作成するX線検査装置若しくはX線断層撮影装置及びその管電圧・管電流調整方法に関する。
X線透視検査装置により、電子部品やアルミ鋳物等の工業製品の内部を検査することが行われている。このようなX線透視検査装置では、X線管の管電圧Vと管電流Iを手動等で変更でき、透過画像を観察しながら被検体にあわせた設定を行なって最適画像を得るようにしている。
管電圧を変えた場合、X線フォトンの1つ1つのエネルギーEが大きくなるとともにフォトン数Nが増大する。管電流を変えた場合、Eは変わらずNが増大する。
検出器は2次元の分解能でX線を検出し、各検出素子の出力は各素子が受けるX線エネルギー総量(E×N)に比例する。各検出素子の出力に応じて明暗を割り当てることで透過画像が作られる。他方、X線の透過能力はEが高くなるほど大きくなる。
管電圧及び管電流の変更を例えば手動で行う場合、まず被検体を透過できる管電圧(すなわちE)を選ぶが、Eが高すぎると画像のコントラストが低下して最良画像とならない。そこで、管電圧を下げ、管電流を増やして出力を補う。管電圧を下げすぎるとコントラストが大きすぎ白飛びや黒つぶれ画像となってしまう。
このように、被検体の交換や観察視野変更の度に、手動で管電圧と管電流を交互に設定することは面倒で、また、操作者の技量に依存してしまう問題があるため、特許文献1や特許文献2では透過画像を取り込み画像処理してフィードバックして、管電圧と管電流を自動設定することを行なっている。
他方、コンピュータ断層撮影装置(CT)の場合は、透過不足にならない管電圧を経験的に選択しているだけで、最適な条件設定は行なわれていなかった。
特許文献1や特許文献2では未知の被検体に対しても、その透過画像に基づいて最適なX線条件(管電圧、管電流)を自動設定するものである。その最適な条件とは、透過画像の観察しようとする明るさ範囲が目視に適した明るさ範囲になる管電圧、管電流が最適X線条件であるとして、この条件に自動設定している。
特開2002−14059号公報 特開2003−173895号公報
上述した諧調調整としての最適X線条件は、物理的な最適X線条件とは異なる。物理的な最適X線条件は観察部分の構造に対して最大のSN比(信号/ノイズ)をあたえる条件であり、透過画像の見易さ(諧調の調整)とは無関係である。
本発明は前記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、未知の被検体に対しても、その透過データに基づいて物理的に最適なX線条件を求めることが可能なX線検査装置及びその管電圧・管電流調整方法を提供することにある。
以上の課題を解決するために請求項1記載の発明は、X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置において、
前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する手段と、前記最大減衰経路の透過率を測定する手段と、前記測定した透過率が15%ないし30%になるように前記X線制御部における管電圧と管電流をイソワットで調整する手段とを具備することを特徴とする。
上述した課題を解決するために請求項2記載の発明は、X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置の管電圧・管電流調整方法において、
前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する段階と、前記最大減衰経路の透過率を測定する段階と、前記測定した透過率が15%ないし30%になるように前記X線制御部における管電圧と管電流をイソワットで調整する段階とを具備することを特徴とする。
かかる請求項1,2の構成において、断面像あるいは3次元画像を作成するX線検査装置では、複数方向の透過データの内、最大減衰経路での減衰指数τとそのノイズとの比が最大となるX線条件が最適であることを示すことができる(後述)。
そこで、被検体の形状を見て、最大減衰経路を推定して透過方向を設定し、また、仮条件で透過データを見ながら透過方向を調整し、最大減衰経路(を与える透過方向)を設定する。
管電圧、管電流を変えたときに最大減衰経路に対する減衰指数τ(e−τの透過を与える)およびその(X線量子)ノイズはそれぞれ変化するが、この減衰指数τとそのノイズとの比が最大となる条件は管電圧と管電流の積が一定の場合、透過率が約20%(+10%−5%)であることが証明できる(後述)。
他方、X線制御部では最大管電流が管電流と管電圧の積が一定になるように制限されることが一般的である。
そこで、未知の被検体に対しても、最大減衰経路の透過率が所定値(約20%(+10%−5%))になるよう管電圧を調整し、管電流はその管電圧に対する最大値とすることにより、最大減衰経路の減衰指数τとそのノイズとの比が最大となる管電圧と管電流を設定できる。前述したように、このX線条件での透過データから最良の断面像あるいは3次元画像が作成できる。
以上の課題を解決するために請求項3記載の発明は、X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置において、
前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する手段と、前記最大減衰経路での透過データを収集する手段と、前記収集した最大減衰経路での透過データから所定の吸収係数を用いて前記最大減衰経路での透過長を求め、この求めた透過長から前記最大減衰経路での減衰指数τとこの減衰指数τに波及するノイズとの比が最も大きくなる管電圧と管電流を計算する手段と、この計算された値を参照して前記X線制御部における管電圧と管電流とを設定する手段とを具備することを特徴とする。
以上の課題を解決するために請求項5記載の発明は、X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置の管電圧・管電流調整方法において、
前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する段階と、前記最大減衰経路での透過データを収集する段階と、前記収集した最大減衰経路での透過データから所定の吸収係数を用いて前記最大減衰経路での透過長を求め、この求めた透過長から前記最大減衰経路での減衰指数τとこの減衰指数τに波及するノイズとの比が最も大きくなる管電圧と管電流を計算する段階と、この計算された値を参照して前記X線制御部における管電圧と管電流とを設定する段階とを具備することを特徴とする。
かかる請求項3,5の構成において、断面像あるいは3次元画像を作成するX線検査装置では、複数透過方向の透過データの内、最大減衰経路での減衰指数τとそのノイズとの比が最大となるX線条件が最良であることを示すことができる(後述)。
そこで、被検体の形状を見て、最大減衰経路を推定して透過方向を設定し、また、仮条件で透過データを見ながら透過方向を調整し、最大減衰経路(を与える透過方向)を設定する。
管電圧、管電流を変えたときに最大減衰経路に対する減衰指数τ(e−τの減衰を与える)およびそのノイズはそれぞれ変化するが、未知の被検体に対しても、その透過データに基づき、その最大減衰経路での減衰指数τとそのノイズとの比が最大となる管電圧と管電流を計算することができる(後述)。前述したように、このX線条件での透過データから最良の断面像あるいは3次元画像が作成できる。
以上の課題を解決するために請求項4,6記載の発明は、請求項3,5において、前記計算は1つの管電圧とその管電圧に対して設定した最大の管電流の組み合わせの複数について前記比を計算し、この比が最も大きくなる管電圧と管電流を計算することを要旨とする。
かかる請求項4,6の構成においては、設定した最大の管電流が(管電圧に対する)どんな関数の場合でも精度よく最適条件が計算できる。
本発明によれば、未知の被検体に対しても、その透過画像に基づいて物理的に最適なX線条件を求めることが可能なX線検査装置及びその管電圧・管電流調整方法を提供できる。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態における概略構成図である。この構成は一般的なX線透視検査装置と同じである。
X線発生器1はX線管と高電圧発生器より成り、X線焦点FからX線ビーム2を発生する。X線検出器3は被検体4を透過したX線を2次元分解能で検出し、透過データをビデオ信号で出力する。コンピュータ5はこのビデオ信号を内部のキャプチャーボードでデジタル変換して取り込み、透過画像として表示する。
X線制御部6はX線発生器の管電圧と管電流を設定した値になるよう制御する。操作者はX線制御部6のパネルで(あるいはコンピュータ5を介して)管電圧と管電流を任意に設定できるが、X線制御部6は、許容最大管電流を超えて設定された場合は自動的に許容最大管電流で制御する。通常、許容最大管電流は管電圧の逆数に比例して制御され、管電圧と管電流の積が一定なのでこれをイソワット制御という。
次に本実施形態の作用について説明する。まず、操作者は被検体4を設定して、X線をONすると、コンピュータ5は被検体4の透過画像を表示する。次に、透過画像の観察したい部分の透過率が約20%(+10%−5%)になるように管電圧を調整する(透過率は管電流には依存しない)。管電流はこの管電圧に対する最大管電流とする。これにより、観察したい部分が最良画像となる。
透過率の合わせ方は、透過画像上に観察部分を横切るよう直線ROIを設定し、この部分のプロファイル表示を行い(コンピュータ5のプログラムで行なう)、観察部分の明るさとエアー部分の明るさを比較して行なう。透過画像にエアー部分がない場合は被検体をX線ビーム2に出し入れして比較する。
次に、管電圧・管電流を設定して得られた最良画像に対し、諧調変換して見やすい画像にして(コンピュータ5のプログラムで行なう)、観察を行なう。
なぜ透過率が約20%(+10%−5%)のとき最良画像となるかを順を追って説明する。
まず、最適V,Iの原理は、「最適V,Iは、τを減衰指数、στを減衰指数のノイズとして、τ/στを最大にするV,Iである。」である。ここで、減衰指数τはX線経路に沿った被検体の吸収係数の線積分に相当し、減衰がe−τの時のτのことである。
透過画像はτ/στが最大の時、物理的に観察部分の構造を最大限に細部まで見分けられる画像となる。例えば、この画像B(リニアスケール)を減衰指数τ(≡ln(B0/B))の画像に変換したとすると、これはネガ写真の濃淡画像に相当し、濃淡幅(コントラスト)/濃淡ノイズが最大で最良の画像である。
τ/στが最大になるのはV,I可動域の上限ライン上である(これは同じVならτが同じで、Iが大きいほどστが小さくなるからである。)。したがって、最適条件は最大出力(Watt)のイソワットライン(V・I=一定)上にある。
次にイソワット制御のとき、透過率が約20%(+10%−5%)のときτ/στが最大になることを示す。一般論から始め、次にイソワットに移る。
管電圧Vを変えたときの管電流Iの変化させ方を一般に
I∝Vk ……(1)
とする。次に、1画素あたりが受けるX線フォトン数を被検体有りでN、無しでN0とする。N0は、概略、I・Vk1に比例するので、ここに式(1)を代入して、
N0∝I・Vk1∝V(k+k1) ……(2)
となる。X線データによればk1は約1.2の数値である。減衰指数τは、
τ≡ln(B0/B)≒ln(N0・V/(N・V))なので、
τ=ln(N0/N) ……(3)
で計算でき、そのノイズστは、
στ=√((∂τ/∂N)2 )・σN =1/N・√(N)=1/√(N) ……(4)
で計算できる。ここで、このノイズはX線量子ノイズである。式(3)、(4)を用いるとστ/τは、
στ/τ=1/√(N0・e−τ)・1/τ ……(5)
と、N0とτのみで表される。次に、微分d(στ/τ)/dVをτ,N0の偏微分を使って展開すると、
d(στ/τ)/dV
=∂(στ/τ)/∂τ・dτ/dV+∂(στ/τ)/∂N0・dN0/dV……(6)
となる。右辺に式(5)を代入して偏微分を実行すると、
d(στ/τ)/dV=1/√(N0)
・eτ/2/τ・{(1/2−1/τ)・dτ/dV−1/(2・N0)・dN0/dV}……(7)
となる。στ/τが最小となるのは、式(7)の右辺が0の時であり、最適Vを与える方程式は、
(1/2−1/τ)・dτ/dV−1/(2・N0)・dN0/dV=0 ……(8)
となる。ここでdN0/dVは式(2)より、
dN0/dV=(k+k1)・N0/V ……(9)
で表せる。また、dτ/dVは、透過長固定であるので、吸収係数μの微分dμ/dVに比例する。μのV依存性を
μ∝Vk2 ……(10)
とすると、
dτ/dV=k2・τ/V ……(11)
で表せる。式(9)、(11)を方程式(8)に代入して、τについて解くと、
(1/2−1/τ)・k2・τ−1/(2・N0)・(k+k1)・N0=0
τ=2+(k+k1)/k2 ……(12)
となる。このτを与えるVが最適Vである。
次に、式(12)で、具体的数値を考察する。kはイソワット制御の場合、−1、k1は約1.2の定数である。k2はVの緩やかな関数である。図2に典型的なlnμ−ln(V)曲線とその傾きであるk2を示す。k2は概略、元素によらずV減少で約−3に収束し、V増大で約−0.5に収束する。移行領域は元素により異なるが、通常の軽元素では60kV以下では約−3、100kV以上では約−0.5となる。
図3に最適Vを与えるτ(最適τ)とこのτに対応する透過率(=e−τ)を示す。最適τは(若干Vに依存するが概略)1.9ないし1.6となり、対応する透過率(最適透過率)は15ないし20%である。k1の誤差±0.2を考慮して範囲を広げると最適τは2ないし1.2で、最適透過率は14ないし30%である。従って、数値をまるめて、透過率約20%(+10%−5%)になるように管電圧Vを調整(管電流は最大)すれば観察したい部分のτ/στが概略最大になり、物理的に最良の画像となる。
前記の最適透過率20%はイソワット制御を前提にしている。X線焦点が数μmのマイクロフォーカスX線発生器の場合は、X線制御部6は、使用できる管電圧の全域で最大管電流のイソワット制御を行なっているが、X線焦点が大きな(X線出力も大きい)X線発生器の場合は小さな管電圧でイソワット制御ができなくなる場合が多い。しかし、実際は最適τに与える影響は小さい。例えば、低電圧では、最大管電流が一定値に頭打ちされている場合が多く、この場合、k=0、k2=−3(Vが小さいので)を用いて最適透過率は20%となり、イソワットと変わらない結果となる。従って、透過率約20%(+10%−5%)にする管電圧調整法が使える。
V,I調整が終わって、物理的に最良の透過画像となるが、通常、視覚的には見やすい状態にはなっていない(すなわち通常、暗すぎる)。操作者は、次に、諧調変換して(表示プログラムのウィンドー幅ウィンドーレベルあるいはキャプチャーボードのオフセットとゲインを手動変更し)、視覚的に見やすい画面に調整して、被検体の検査を行なう。
上述した本実施形態によれば次のような効果を奏する。
管電圧V、管電流Iを変えたときに被検体のある定まった観察部分に対する減衰指数τおよびそのノイズはそれぞれ変化する。第1実施形態によれば、イソワット制御でV,Iを変えて観察部分の透過率を約20%(+10%−5%)に合わせることで、観察部分に対して減衰指数τとそのノイズとの比を略最大にできるので、この条件での透過画像は物理的に観察部分の構造を最大限に細部まで見分けられる画像となる。例えば、この画像Bを減衰指数τ(≡ln(B0/B))の画像に変換したとすると、これはネガ写真の濃淡画像に相当し、濃淡幅(コントラスト)/濃淡ノイズが最大で最良の画像である。別の例として、被検体が均質材質で厚さtが一定の場合を例にすると、厚さの差異Δtが最も細かく識別できる。これは、JIS規格による線状透過度計(線状ペネトラメータ)を用いた識別度が最高に良くなることを示す。
その結果、操作者の技量に依存せずに、未知の被検体に対しても、簡便に物理的に最良の透過画像が得られる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態で、管電流Iは最大を選んでいるが(X線焦点サイズ、画像飽和、被検体の被爆等の理由で、)、X線量を下げて使いたい場合、小さな値にしてもよい。この場合は、設定したV,Iは自動的に、小さな出力(Watt)での(イソワット制御の場合の)最適V,Iとなる。
また、第1実施形態で、透過率を約20%(+10%−5%)に調整するとき、図3に示すようにVに依存して透過率を変えてVを調整してもよい。また許容管電流の非イソワットの領域に対しては、電流制限曲線のkに従い式(12)でτを計算し、このτから計算した(Vに依存する)透過率を用いるようにしてもよい。
(第2実施形態)
図4は第2実施形態における概略構成図である。図1と同一構成は同一番号を付し説明は省略する。この構成は一般的なコンピュータ断層撮影装置(CT)の内、2次元X線検出器を持つものと同じである。図1の構成に対し、被検体4を載置し回転させる回転テーブル7とこれを制御する機構制御部8が追加されている。また、コンピュータ5には、被検体4を回転させて方向を変えた多数の透過画像を収集するCTスキャン機能と、この多数の透過画像から断面像あるいは3次元画像を作成する再構成機能が追加されている。
次に本実施形態の作用について説明する。まず、操作者は被検体4を回転テーブル7に載置する。この時、被検体の形状を見て、長手方向(最大減衰方向)がX線方向になるように載置する。次に、X線をONすると、コンピュータ5は被検体4の透過画像を表示する。操作者は、仮X線条件で透過画像を見ながら透過方向(回転)を調整し、最大減衰経路(を与える透過方向)を設定する。正確に言えば、透過画像上の断面像(作成に用いる)データ領域内での最小透過率が最小となる回転位置に合わせる。合わせた時の最小透過率を与えるX線経路を最大減衰経路と定義する。
次に、透過画像の最大減衰経路の透過率が約20%(+10%−5%)になるように管電圧を調整する(透過率は管電流には依存しない)。管電流はこの管電圧に対する最大管電流とする。透過率の合わせ方は、透過画像上に最大減衰経路を横切るよう直線ROIを設定し、この部分のプロファイル表示を行い(コンピュータ5のプログラムで行なう)、最大減衰経路の明るさとエアー部分の明るさを比較して行なう。
これにより、第1実施形態の場合と同様に、最大減衰経路のτ/στが概略最大になり、最大減衰経路が物理的に最良の透過画像となるV,Iが設定される。
操作者は次に、CTスキャン指令をだすと、コンピュータ5は被検体4を回転させて方向を変えた多数の透過画像を収集して、この多数の透過画像から断面像あるいは3次元画像を再構成する。断面像の再構成はまず、透過画像を対数変換して減衰指数τの画像を作り、τの画像にフィルター処理を加えたあと断面像マトリックス上に逆投影することで行われる。3次元画像は複数断面像を基に作られる。
次に、断面像が最良となるのは、透過画像上の断面像(作成に用いる)データ領域内の最大減衰経路でのτ/στが最大になるV,Iの時であることを以下に示す。まず、1画素あたりが受けるX線フォトン数を被検体有りでN(i)、無しでN0とする。ここで、iはデータ位置を示す。(N0は概略iによらない。)すると、次のように推論できる。
1.式(3)より、データ上で、Nが最小の位置でτが最大である。
2.式(4)より、データ上で、Nが最小の位置でστが最大である。
3.τを逆投影して断面像を得るので、断面像値は最大τに略比例する。すなわち、Vを変えたとき最大τが変化し、それに比例して断面像値が変わる。
4.τを逆投影して断面像を得るので、断面像中の1点PのノイズσPは
σP∝√{(P点を通る経路のστ)2 の全逆投影方向平均} ……(13)
となる。だから(二乗平均なので)、全逆投影方向の内、最大στが支配的となる。
これより、断面像中の最大ノイズは最大στに略比例することが言える。すなわち、V,Iを変えたとき最大στが変化しそれに略比例して最大ノイズが変わる。
5.3,4より、断面像のSN比{断面像値/断面像中の最大ノイズ}は、(V,Iを変えたとき)、{最大τ/最大στ}に略比例して変化する。
6.5,1,2より、断面像のSN比{断面像値/断面像中の最大ノイズ}は最大減衰経路でのτ/στに略比例する。
7.だから、断面像が最良となるのは、この断面像を再構成するとき使用する透過データ内の最大減衰経路でのτ/στが最大になるV,Iの時である。
以上のように、最大減衰経路での透過率が約20%(+10%−5%)になるようにすることで、最良の断面像が得られる。3次元画像はこの断面像を基に得るものであるので、同様に最良の3次元画像が得られる。
上述した本実施形態によれば次のような効果を奏する。すなわち、第2実施形態によれば、イソワット制御でV,Iを変えて被検体の最大減衰経路での透過率が約20%(+10%−5%)にすることで、最大減衰経路での減衰指数τとそのノイズとの比を最大とすることができる。減衰指数τを逆投影して得られる断面像のSN比{断面像値/断面像中の最大ノイズ}は最大減衰経路でのτ/στに略比例するので、このV,Iで、最良の断面像が得られる。また、この断面像を基に最良の3次元画像が得られる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態で、X線検出器3は2次元分解能であったが、回転面に沿った1次元分解能の場合にも本発明を同様に適用することができる。
そのほか、第2実施形態で、第1実施形態の変形と同様に、管電流Iは最大ではなく、小さな値にしてもよい。この場合は、設定したV,Iは自動的に、小さな出力(Watt)での最適V,Iとなる。また、第1実施形態の変形と同様に、Vに依存して透過率を変えてVを調整してもよい。
第2実施形態で、必ずしも求めた最適V,IでCTスキャンを行なう必要はなく、それを参考にして(数値をまるめたりして)V,Iを設定してもよい。CTでは、X線条件V,Iを被検体ごとに細かく調整しないほうがよい場合が多い。それは、条件が変わるたびに補正用のデータを取り直す必要があること(Vが変わるとコントラストバランスが変化してしまうので)、一群の試料を同一条件で撮影する場合が多いこと、画像評価するとき煩雑になるのをさけることなどによる。このため撮影条件V,I(Vとそれに対する最大I)を予め何点か定めておき(例えば10kVステップ)、求めた最適Vを超える条件を選択して、CTスキャンを行なうようにする。ここで、Vは最適Vを超えて選ぶほうが安全である。それは、τ/στは管電圧Vを最適Vから下げると急速に低下するのに対し、上げる側では緩やかに低下するからである。図5はτ/στの計算例である。これは、被検体がある厚さのアルミニウムで、Vの全域でイソワット制御でIを変化させた場合である。
(第3実施形態)
第3実施形態の構成は図4の第2実施形態と同じである。第3実施形態は第2実施形態にコンピュータ5の機能としてV,I自動調整機能を追加したものである。
図4で、FDDは検出距離(Focus to Detector Distance)である。図示省略されているが、回転テーブル7とX線検出器3はFDD方向に移動でき、撮影倍率が変更できるようになっている。
コンピュータ5は、CPU、メモリ、ディスク、表示器、キーボードなどより成る。コンピュータ5は検出距離FDDなどの装置ステータスを読み取り、表示したり、操作者の指令入力によりFDDを移動したり、また、X線検出器3からの透過画像を内部のキャプチャーボードによりデジタルデータに変換して取り込む。
コンピュータ5は取り込んだ画像から最適X線条件計算により最適の管電圧V、管電流Iを計算しX線制御部6に送り、X線制御部6はX線発生器1のV,Iを計算値に合わせる。これがフィードバックの1ループとなる。実際には計算誤差があるのでこれを繰り返すことで高速に最適値に合わせることができる。この最適V,Iの計算はコンピュータ5のソフトウエアプログラムによって行なわれる。
なお、管電圧と管電流には、X線制御部10により制限された範囲がある。これは、ターゲットの熱制限や高圧発生部の容量などできめられたものである。また、この範囲内で最適制御としての制限範囲を別に設定することもできる(例えば、マイクロフォーカスX線管の場合、電流をとりすぎると焦点が大きくなる場合があるので管電流を小さ目に制限する。)。
次に本実施形態の作用について説明する。本発明の作用のポイントはコンピュータ5内のV,I自動調整機能(以下、オートV,Iと記す)である。以下順をおって説明する。
操作者は被検体4を回転テーブル7に載置する。この時、被検体の形状を見て、長手方向(最大減衰方向)がX線方向になるように載置する。次に、X線をONすると、コンピュータ5は被検体4の透過画像を表示する。操作者は、仮X線条件で透過画像を見ながら透過方向(回転)を調整し、最大減衰経路(を与える透過方向)を設定する。正確に言えば、透過画像上の断面像(作成に用いる)データ領域内での最小透過率が最小となる回転位置に合わせる。合わせた時の最小透過率を与えるX線経路を最大減衰経路と定義する。
次に、操作者はオートV,Iを指令する(コンピュータへの入力)。オートV,Iソフトは最大減衰経路に対してτ/στを最大にするVとIを自動設定する。
ここで、オートV,Iの作用説明の前にその定式化と原理を説明する。まず、透過画像(リニアスケール)の明るさB(brightness)は、例えば0〜255の画素値で表されるが、BはX線エネルギー総量/画素/サンプルに略比例し(線質硬化を無視すると)、基本式、
B=B0(n)・m・nake ・(FDD0/FDD)2
・exp{−uv(v0・n)・t}+Bof ……(14)
n=V/v0 ……(15)
m=I/ai0 ……(16)
で表される。ここで、v0とai0をVとIそれぞれの最小設定単位として、VとIのかわりに自然数n,mを用いる。akeは約2.2の定数、uv(v)は被検体の吸収係数、tは被検体透過長、BofはX線OFF時の明るさである。uv(v)は被検体自身の正確な値は未知であるので類似した関数を用いる。基本式(14)のnake はnの広域では誤差が生じるため、B0(n)で誤差を吸収させる。B0(n)は較正により予め求められた値である(後述)。次に、BN(フォトン数/画素/サンプル)は(線質硬化を無視すると)B/Vに比例し、基本式、
BN=a0・(B−Bof)/n ……(17)
で表される。ここでは、相対BNが求まればよいので、a0は任意の定数でよい。
次に、オートV,Iの原理は、
「最適V,Iはτを減衰指数、στを減衰指数のノイズとして、τ/στを最大にするV,Iである。」
である。ここで、減衰指数τはX線経路に沿った被検体の吸収係数の線積分に相当し、減衰がe−τの時のτのことである。減衰を受けて、フォトン数BN0 がBN(明るさB0 がB)になったとすると、減衰指数τは、
τ≡ln((B0 −Bof)/(B−Bof))≒ln(BN0・V/(BN・V))なので、
τ=ln(BN0 /BN) ……(18)
で計算される。BN、BN0 のノイズσBN,σBN0(二乗平均誤差)は、ほとんどフォトンノイズであり、
σBN=√(BN) ……(19)
σBN0 =√(BN0 /k) ……(20)
で計算される。ここで、kはエアーデータを求めるときの積分倍数である。τのノイズすなわちτへ波及するノイズστは、
στ=√{((∂τ/∂BN)・σBN2 +((∂τ/∂BN0 )・σBN0 2
=√{((1/BN)・√(BN))2 +((1/BN0 )・√(BN0 /k))2
=√{(1/√(BN))2 +(1/√(k・BN0 ))2 } ……(21)
となり、ここでBN≪k・BN0 なので、στは、
στ=1/√(BN) ……(22)
で計算される。
次に、図6は最適V,Iの探索原理である。n,mはX線装置制限(ABCDEF)内で可動である。これは管電流上限mmax(n)と管電流下限mmin(n)にはさまれた領域である。また最明部(AIR部)が飽和しない条件を入れると、mair(n)をAIR部=飽和直前のラインとして、n<mair(n)であることが必要であるのでV,I可動域は図の斜線の領域(ABCGHF)となる。
τ/στが最大になるのはV,I可動域の上限ライン(ABCGH)上である。これは同じnならτが同じで、mが大きいほどστが小さくなることでわかる。これより、探索原理は、
「V,I可動域の上限ラインに沿って、n,mを変化させて、τ/στを計算し、最大になる点を探す。」
となる(ここで、V,I可動域全体を計算してもかまわないが、計算に無駄があるだけで、結果は変わらない。)。
<オートV,I>
図7はオートV,Iのフローチャートである。図7を参照してオートV,Iの作用を説明する。
S1:FDD値読み取り。
検出距離FDDを読み取る。
S2:初期位置nA ,mA 計算。
初期位置nA ,mA は、AIR部=飽和直前のラインmair(n)と、X線装置制限の対角線FDとの交点とする。これにより最初の画像は常に飽和しない。mair(n)は式(14)から、
mair(n)=int{(Bh−Bof)/B0(n)・n-ake・(FDD0/FDD)-2}……(23)
となることがわかる。ここでBhは飽和直前の明るさで、定数である。nをかえてこの式を計算し直線を横切る点を求める。交点が点Dの外になるときはD点を初期位置とする。
初期位置を決めるとき対角線FDでなく、例えばD点を通る水平線等を用いてもよい。
S3:iを1からilmtまで繰り返す。
ilmtは収束しない場合のフィードバック制限回数で、例えば8とする。
S4:nA ,mA でX線照射開始する。
S5:現在位置(nA ,mA )での最大減衰経路の明るさBmeasを求める。
透過画像を取り込み、最大減衰経路の明るさBmeasを求める。
最大減衰経路は操作者が予め画面上でROI指定しておくか、コンピュータが自動的に求める。すなわち、画面上の断面像のスライス面上で最も暗い部分を最大減衰経路とする。一度に多数断面を同時に撮影する場合は画面上の断面像(作成に用いる)データ領域内で最も暗い部分を最大減衰経路とする。
S6:透過長tmeas計算。
ここでは、S5のBmeasを用いて、被検体の最大減衰経路での透過長tmeasを求める。まず、AIR部明るさBairは式(14)より導出した式、
Bair =B0(nA )・mA ・nA ake・(FDD0/FDD)2 +Bof ……(24)
で計算される。これを用いて、tmeasは式(14)より導出した式、
tmeas=ln{(Bair −Bof)/(Bmeas−Bof)}/uv(v0・nA ) ……(25)
で計算される。
S7:最適位置nB ,mB 計算。
n=nminないしnmaxで次の計算をする。
AIR部=飽和直前のライン、mair(n)は式(23)より計算できるので、上限ラインm(n)は
m(n)=mmax(n)とmair(n)の小さい方 ……(26)
で計算できる。次に、tmeasが既知であるので減衰指数τが式、
τ=uv(v0・n)・tmeas ……(27)
で計算でき、BとBNが式(14)(17)を用いた式、
B=B0(n)・m(n)・nake ・(FDD0/FDD)2 ・exp(−τ)+Bof…(28)
BN=a0・(B−Bof)/n ……(29)
で計算できる。更にτのノイズστが式(22)
στ=1/√(BN) ……(22)
で計算でき、τ/στが求められる。
すべてのn,m(n)(ただしm(n)<mmin(n)の点は除く)でτ/στを計算して、最大のτ/στを与える点をnB ,mB とする。
S8:収束判定。
A ,mA からnB ,mB への変化が規定値より小さいとき収束と判定し、iループをぬけてS11に進む。大きいときはS9に進む。
S9:nA =nB ,mA =mB の代入計算。
最適位置を現在位置に設定する。以上S4ないしS9がV,I制御の1フィードバックである。
S10:iについてS4ないしS9を繰り返す。
通常、吸収係数uv(v)が被検体と異なるため1回のフィードバックでは誤差を伴う。そこで、フィードバックを繰り返し収束させる。ilmt回でも収束しない場合は打ち切ってS11に進む。
S11:最適V,I設定。
最適V(=v0・nB )、I(=ai0・mB )を設定する。
<>終了。
オートV,Iが終わって、最大減衰経路での最適V,Iが設定される。
操作者は次に、CTスキャン指令をだすと、第2実施形態と同様に、コンピュータ5は被検体4を回転させて方向を変えた多数の透過画像を収集して、この多数の透過画像から断面像あるいは3次元画像を作成する。
これにより、第2実施形態と同様に、最良の断面像あるいは3次元画像が得られる。
<較正>
次に、B0(n)の較正時の作用を説明する。
まず、被検体4なしとし、FDDを一定値FDD0に固定する。次に、管電圧vcal(i)を設定し、透過画像が中間の明るさ(Bcal(i))になるように、管電流Ical(i)を設定する。vcal(i)を変えて繰り返し、測定値、
imax,vcal(i),Ical(i),Bcal(i),FDD0
をパソコンにインプットする。パソコンの較正プログラムは、式、
ncal(i)=vcal(i)/v0 ……(30)
mcal(i)=Ical(i)/ai0 ……(31)
でncal(i),mcal(i)を計算し、さらに、較正点でのB0(n)を、式(14)から導出した式、
B0(ncal(i))=(Bcal(i)−Bof)/mcal(i)・ncal(i)-ake ……(32)
で計算する。このB0(ncal(i))は飛び飛びなので、補間計算(内挿あるいは外挿)で、n=nmin〜nmaxでB0(n)を求め、記憶する。またFDD0を記憶する。
<>終了。
上述した本実施形態によれば次のような効果を奏する。すなわち、管電圧V、管電流Iを変えたときに被検体のある定まった観察部分に対する減衰指数τおよびそのノイズはそれぞれ変化する。第3実施形態によれば、透過データを基に最大減衰経路での減衰指数τとそのノイズとの比が最大となるV,Iを自動的に計算し設定することができ、減衰指数τを逆投影して得られる断面像のSN比{断面像値/断面像中の最大ノイズ}は最大減衰経路でのτ/στに略比例するので、最良の断面像が得られる。また、この断面像を基に最良の3次元画像が得られる。
第3実施形態によれば、V,I可動域の上限ラインに沿って、n,mを変化させて、τ/στを計算し、最大になる点を探しているので、許容される最大/最小の管電流が(管電圧に対する)どんな関数の場合でも精度よく容易に最適条件が計算できる。すなわち、図6のように曲線や角があっても、記憶している配列mmax(n),mmin(n)を変えるだけでどのようなX線制御部にも対応できる。また、厳密には、最小設定単位があるため、V,I可動域は階段状であるが、本形態によれば、この階段の凸凹まで考慮して最適条件が計算でき、正確な計算となる。特に最小設定単位がおおきなX線制御部の場合この効果が大きい。また、V,I可動域全体でなく上限ライン上だけでよいので計算が簡易である。
第3実施形態によれば、被検体の透過データをフィードバックして自動的に最適X線条件設定を行ない、さらにフィードバックの1ループにおけるV,Iの修正が1回でほぼ最適値に合わせるような修正であるので収束を早くすることができる。
図4に示すような構成のCTでは、透過画像を処理するコンピュータ5と独自のCPUで動作しているX線制御部6との通信時間と、X線制御部からのX線管制御の応答時間が長いためフィードバックの1ループの時間が短くできない。このような場合であっても、本発明によれば、1回の修正が1回でほぼ最適値に合わせるような修正であるので高速で収束できる。
その結果、操作者の技量に依存せずに、未知の被検体に対しても、簡便に、最大減衰経路に対する最適透過画像が得られることで、最適断面像あるいは最適3次元画像を得ることができる。
(第3実施形態の変形例)
(1)変形1:第3実施形態では、オートV,IはX線制御部へ最適V,I値を送ってフィードバックしているが、求めた最適V,I値を表示するだけにすることもできる。この場合は、操作者は表示を読み取ってX線制御部へインプットする。このようにすると、X線制御部とパソコンが通信で接続されていないようなX線透視検査装置の場合に有効に用いることができる。
(2)変形2:第3実施形態では、最大減衰経路を手動で設定しているが自動設定にすることもできる。
この場合はオートV,Iの指令があったとき、コンピュータ5はV(通常最大Vを選ぶ)とIを仮設定して、仮CTスキャンを行なう。被検体4を回転させて方向を変えた多数の透過画像を収集するが、本格的なCTスキャンより収集方向数は少なくする。この多数の透過画像から、断面像(作成に用いる)データ領域内での最小透過率が最小となる透過画像を選び、この透過画像に対応する回転位置に設定し、画像上の最小透過率位置を最大減衰経路として設定する。次にオートV,Iを行なう。これにより全自動で最適V,I設定ができる。
(3)変形3:第3実施形態では、吸収係数uv(v)を1種記憶しているが、多種記憶して切換えるようにすることができる。この場合、操作者は被検体に応じ、例えば、アルミ鋳物用、基板用、コンデンサ用、電池用、鉄用等を入力して選択するようにする。これにより収束を早く正確にすることができる。また、オートV,Iの中で、1つの被検体での実測Bmeasの履歴から最適uv(v)を自動選択することも可能である。
(4)変形4:第3実施形態で、X線検出器3は2次元分解能であったが、回転面に沿った1次元分解能の場合にも本発明を同様に適用することができる。
(5)変形5:第3実施形態では、τへ波及するノイズστはフォトンノイズだけを考慮したが、これに限られず、他のノイズを考慮することもできる。一例として、例えばX線検出器に(明るさBの目盛りで)一定のノイズσB があるとすると、στは、式、
στ=√{1/BN+(σB /(B−Bof))2 } ……(33)
となる。√内の第1項がフォトンノイズ成分、第2項がX線検出器ノイズ成分である。この式で、σB はX線検出器のノイズでなくキャプチャーボードのデジタル化ノイズ等であってもよい。なお、他のノイズを考慮する場合はBNを相対値でなく絶対値で求める必要があるので、式(16)の係数a0を予め較正して正しく求めておく。
(6)変形6:第3実施形態で、第2実施形態の変形例で述べたのと同様に、必ずしも求めた最適V,IでCTスキャンを行なう必要はなく、それを参考にして(数値をまるめたりして)V,Iを設定してもよい。
(7)変形7:第3実施形態で、管電流上限mmax(n)は、X線焦点サイズを考慮して設定してもよい。すなわち、マイクロフォーカスX線管の場合、電流をとりすぎると焦点が大きくなる場合があるのでこの場合は、管電流を小さ目に制限するのが好ましい。
(8)変形8:第2及び第3実施形態は、断面像(または3次元画像)を作成する装置として、被検体を回転させる第三世代CTを用いた例であるが、断面像作成の方式に関係なく本発明によるV,I調整方法が使用でき、同様の効果をあげることができる。すなわち、被検体固定で、X線発生器とX線検出器が回転する方式でもよく、また、第二、第四、第五世代方式であってもよい。また、ラミノグラフ(またはトモシンセシス)等の断層撮影装置であってもX線を用いたものであれば対応できる。
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明に係る管電圧・管電流調整方法の第1実施形態が実施されるX線検査装置の概略構成図。 同実施形態における典型的なln(μ)−ln(V)曲線とその傾きk2を示す図。 同実施形態における最適Vを与えるτとこのτに対応する透過率を示す図。 本発明に係る管電圧・管電流調整方法の第2実施形態が実施されるX線検査装置の概略構成図。 同実施形態におけるτ/στの計算例を示す図。 同実施形態における最適V,Iの探索原理を示す図。 同実施形態におけるオートV,Iのフローチャート。
符号の説明
1…X線発生器、2…X線ビーム、3…X線検出器、4…被検体、5…コンピュータ、6…X線制御部、7…回転テーブル、8…機構制御部。

Claims (6)

  1. X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置において、
    前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する手段と、
    前記最大減衰経路の透過率を測定する手段と、
    前記測定した透過率が15%ないし30%になるように前記X線制御部における管電圧と管電流をイソワットで調整する手段と
    を具備することを特徴とするX線検査装置。
  2. X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置の管電圧・管電流調整方法において、
    前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する段階と、
    前記最大減衰経路の透過率を測定する段階と、
    前記測定した透過率が15%ないし30%になるように前記X線制御部における管電圧と管電流をイソワットで調整する段階と
    を具備することを特徴とするX線検査装置の管電圧・管電流調整方法。
  3. X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置において、
    前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する手段と、
    前記最大減衰経路での透過データを収集する手段と、
    前記収集した最大減衰経路での透過データから所定の吸収係数を用いて前記最大減衰経路での透過長を求め、この求めた透過長から前記最大減衰経路での減衰指数τとこの減衰指数τに波及するノイズとの比が最も大きくなる管電圧と管電流を計算する手段と、
    この計算された値を参照して前記X線制御部における管電圧と管電流とを設定する手段と
    を具備することを特徴とするX線検査装置。
  4. 前記計算する手段は、1つの管電圧とその管電圧に対して設定した最大の管電流の組み合わせの複数について前記比を計算し、この比が最も大きくなる管電圧と管電流とを計算するものであることを特徴とする請求項3記載のX線検査装置。
  5. X線管に与える管電圧と管電流を制御するX線制御部と、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、回転テーブルに載置した前記被検体を回転させて透過方向を複数方向に走査する走査手段と、この走査中に前記X線検出器で得られた前記被検体の複数方向の透過データから前記被検体の断面像又は3次元画像を作成する手段とを有するX線検査装置の管電圧・管電流調整方法において、
    前記被検体を回転させたときの回転位置ごとの透過データ上の最小透過率が最小となる回転位置での透過データの上で、透過が略最も小さな位置である最大減衰経路を設定する段階と、
    前記最大減衰経路での透過データを収集する段階と、
    前記収集した最大減衰経路での透過データから所定の吸収係数を用いて前記最大減衰経路での透過長を求め、この求めた透過長から前記最大減衰経路での減衰指数τとこの減衰指数τに波及するノイズとの比が最も大きくなる管電圧と管電流を計算する段階と、
    この計算された値を参照して前記X線制御部における管電圧と管電流とを設定する段階と
    を具備することを特徴とするX線検査装置の管電圧・管電流調整方法。
  6. 前記計算する段階は、1つの管電圧とその管電圧に対して設定した最大の管電流の組み合わせの複数について前記比を計算し、この比が最も大きくなる管電圧と管電流とを計算するものであることを特徴とする請求項5記載のX線検査装置の管電圧・管電流調整方法。
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