JP4535179B2 - 無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラム - Google Patents

無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラムに関し、特にアクセスポイントを介する通信と介さないダイレクト通信の双方を利用した通信を行う無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラムに関する。
無線LAN規格(802.11)には、無線通信装置間でダイレクト通信を行うアドホックモードと、アクセスポイントを経由した通信を行う通信モードとしてのインフラストラクチャモードが規定されている。
アクセスポイントを経由した通信を行うインフラストラクチャモードでは、通信中継を行うアクセスポイントが無線ネットワークにある複数の無線通信装置のアクセスタイミングを調停する。一方、無線通信装置間でダイレクト通信を行うアドホックモードでは、無線通信装置間で直接通信を行い、無線通信装置間でアクセスタイミングを決定する。なお、これらの通信モードを開示した従来技術としては例えば特許文献1(特開2005−117458号公報)がある。
アクセスポイントを経由した通信モードであるインフラストラクチャモードはアドホックモードと比較してスループットが低下するという短所を持つが、配下の各無線端末は有線LANやインターネットに接続することができるという利点を持つ。一方のアドホックモードでは無線端末同士が直接通信するためアクセスポイント中継によるオーバーヘッドが無くスループットが上がるという利点があるが、有線LANやインターネットに接続できないという短所を持つ。
この二つのモードそれぞれの長所を生かすことができる新しい通信方式としてTDLS(Tunneled Direct Link Setup)方式が、新しい規格である802.11zとして定義されつつある。この方式はインフラストラクチャモードを保ったまま無線端末同士の直接通信リンク(ダイレクトリンク)を設定し、直接通信することができるようにするものである。また、ダイレクトリンクを設定した後は、通信相手への送信に使用する経路(アクセスポイント経由パスとダイレクトリンクパス)を必要に応じて適宜切り替えられる仕組みについても提案されている。
しかし、2つの通信装置間で通信を実行中にアクセスポイント経由パスとダイレクトリンクパスのパス切り替えを行うと、旧経路(パス)にて送信したデータフレームよりも先に新経路で送信したデータフレームが通信相手に届いてしまうといったケースが発生する可能性がある。なお、フレームとパケットは同義であり、データ通信単位を意味する。
旧経路(パス)にて送信したデータフレームよりも先に新経路で送信したデータフレームが通信相手に届いてしまうと、データ受信装置における受信フレームの順序が崩れてしまい、正常なデータ通信が阻害されることになる。この現象は、例えば、アクセスポイント経由での中継遅延や、旧経路の伝送特性の悪化などによる再送待ちなどに起因して発生する。
パス切り替えによる受信フレームの順序の乱れについて、図1を参照して説明する。図1は、左から、データ送信端末としての無線通信装置(STA1)、通信中継処理を行うアクセスポイント(AP)、データ受信端末としての無線通信装置(STA2)を示している。
無線通信装置(STA1)は、まず、アクセスポイント(AP)経由で、無線通信装置(STA2)との通信を実行し、その後、ダイレクトリンクを設定して、アクセスポイント(AP)を経由せず、無線通信装置(STA1)と無線通信装置(STA2)との直接通信を行う。
各データフレーム(=パケット)送信の横に付与されている数字は無線通信装置(STA1)からのパケットの送出順を示している。無線通信装置(STA1)は、まず、パケット1,2,3を、アクセスポイント(AP)経由で、無線通信装置(STA2)に送信する。その後、ダイレクトリンクを設定して、アクセスポイント(AP)を経由せず、無線通信装置(STA1)は、パケット4,5,6を無線通信装置(STA2)に送信する。
このようなデータ送信を実行した場合、例えばアクセスポイント(AP)中継パスでの遅延が発生すると、図に示す無線通信装置(STA2)の受信パケット潤のように、ダイレクトリンクパスに切り替えた後に送信したパケット4,5,6が、無線通信装置(STA2)に先に届き、先行して送信したパケット1,2,3が後から受信されるといったことが起き、フレームの順序性が崩れることになる。
このような問題に対する従来技術としては、例えば、802.11sの標準化において1つの対策がなされている。この対策は、通常のMACヘッダよりもさらに上位のヘッダに、送信パケットに対応するパケット順序を規定した通しのシーケンス番号を付与するものである。しかし、この手法では、通常のMACヘッダのシーケンス番号付与に加えてさらに新しいシーケンス番号を付与する必要があるため、通信装置における処理負荷を増大させ、通信効率の低下を招くという問題がある。
特開2005−117458号公報
本発明は、例えば上記の問題に鑑みてなれたものであり、通信装置間で、アクセスポイント(AP)経由パスとダイレクトリンクパスのパス切り替えを伴う通信を行う構成において、パス切り替えによる受信データの順序の乱れを解消することを可能とする無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
通信データに対する処理を行う制御部と、
通信データを格納するメモリを有し、
前記制御部は、
通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う構成であり、
前記制御部は、
各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納し、
通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行い、
既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う無線通信装置にある。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を開始する前に、既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行する。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、前記通信パス切り替え決定処理として、通信相手からの通信パス切り替え要請に対する受諾応答の送信を行う。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、前記通信パス切り替え決定処理として、通信相手に対する通信パス切り替え要請を送信し、受諾応答の受信を行う。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、MAC層における処理として、受信データに含まれるMACヘッダ内のシーケンス番号に従って、通信パス対応の複数のリオーダーバッファに対するデータ格納処理を実行する。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、さらに、LLC層における処理として、受信データに含まれる通信パス情報に従って、LLC層対応のリオーダーバッファに対するデータ格納を実行する。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、既存経路を利用した通信データに対する新規経路を利用した通信データの追い越し量を計測し、計測した追い越し量に相当するデータ量を、前記新規経路用リオーダーバッファの格納データの規定閾値として設定する。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、前記通信データの追い越し量の計測処理として、通信ルートを指定したエコー要求フレームの送信を行う構成である。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、既存経路からの終端フレームを示すデータは、拡張ヘッダに終端情報を格納したフレームであり、前記制御部は、拡張ヘッダに終端情報を格納したフレームであるか否かについての確認処理を行う。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、既存経路からの終端フレームを示すデータは、802.11MACヘッダのQoSコントロールフィールド内のEOSPビットに終端情報を格納したフレームであり、前記制御部は、前記EOSPビットに終端情報を格納したフレームであるか否かについての確認処理を行う。
さらに、本発明の無線通信装置の一実施態様において、前記制御部は、新規経路からの受信データを検出した場合、既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行し、その後の既存経路から受信するデータを破棄する処理を行う。
さらに、本発明の第2の側面は、
データ送受信を行う複数の無線通信装置からなる通信システムであり、
通信処理を行う複数の無線通信装置は、相互に通信パス切り替え要請と受諾応答の送受信を実行して通信パス切り替え決定を行い、
データ受信を行う無線通信装置は、
各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納し、
通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行い、
既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う通信システムにある。
さらに、本発明の第3の側面は、
無線通信装置において実行する通信制御方法であり、
制御部が、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う受信データ処理ステップを有し、
前記受信データ処理ステップは、
各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納するステップと、
通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行うステップと、
既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行うステップを有する通信制御方法にある。
さらに、本発明の第4の側面は、
無線通信装置において通信データの処理を実行させるプログラムであり、
制御部に、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行わせる受信データ処理ステップを有し、
前記受信データ処理ステップは、
各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納するステップと、
通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行うステップと、
既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行うステップを有するプログラムにある。
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の一実施例構成によれば、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う通信装置において、各通信パス経由の受信データをメモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納する。さらに、通信パス切り替え決定処理の後、新規経路用リオーダーバッファに格納されたデータを上位層への転送を禁止する。その後、既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行し、その後、新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う。本構成により、上位層は送信データの順番に一致した順でデータを受領することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の無線通信装置、通信システム、および通信制御方法、並びにプログラムの詳細について説明する。
本発明の無線通信システムの一実施形態について図2を参照して説明する。図2には、データ通信を行う2つの無線端末として、無線通信装置(STA1)10、無線通信装置(STA2)20、さらに、無線通信装置間の通信中継処理を実行するアクセスポイント(AP)30を示している。
アクセスポイント(AP)30は、従来と同様の一般的な構成でよく、特別な機能を要しない。無線通信装置(STA1)10と、無線通信装置(STA2)20は、無線LANの通常動作に加えて、本発明に従ったダイレクトリンク経路設定機能を有する。無線通信装置(STA1)10と、無線通信装置(STA2)20は、アクセスポイント(AP)30に対する接続要求としてのアソシエーションが完了しており、図2に示す無線通信装置(STA1)10から、アクセスポイント(AP)30を経由して無線通信装置(STA2)20を結ぶAP経由パス51が使用可能であるものとする。
以下、説明する実施例では、無線通信装置(STA1)10がデータ送信側、無線通信装置(STA2)20がデータ受信側の設定とする。無線通信装置間の直接通信を行うためのセットアップ処理としてのDLS(Direct Link Set−up)の処理が完了すると、図2に示す無線通信装置(STA1)10と無線通信装置(STA2)20を、直接結ぶダイレクトリンクパス52が使用可能になる。
図3は図2に示す無線通信装置(STA1)10の構成を示すブロック図である。なお、無線通信装置(STA2)20も共通の構成を持つ。図3に示すように、無線通信装置10は、データ処理部11、伝送処理部12、無線インターフェース部13、制御部14、メモリ15、アンテナ16を有する。
データ処理部11は、通信データを格納したパケットを作成する。伝送処理部12はデータ処理部11で生成されたパケットに対してヘッダや誤り検出符号の付加などの処理を行い、処理後のデータを無線インターフェース部13に提供する。無線インターフェース部13は、伝送処理部12から受け取ったデータを変調信号にしてアンテナ16を介して送出する。
データ受信動作においては、アンテナ16を介して受信したデータに対して、無線インターフェース部13が受信信号の復調を行い、伝送処理部12がヘッダの解析を行い、データ処理部11に渡す。データ処理部はパケットから通信データを取得する。制御部14は、上記各構成部の処理の統括的制御を行う。またメモリ15に格納されたデータを取得してパケット格納データとするためにデータ処理部11に提供する。あるいはデータ処理部11がパケットから取得したデータをメモリ15に格納する。メモリ15には、通信データの他、通信制御用のプログラムが格納されており、制御部14は、プログラムに従った通信制御を実行する。
メモリ15には、既存経路用リオーダーバッファ18と、新規経路用リオーダーバッファ19が構成される。リオーダーバッファは、パケット順を例えばパケットのMACヘッダに設定されたシーケンス順に並べて格納するバッファである。制御部14の制御の下で、受信パケットのMACヘッダに設定されたシーケンス順に格納される。
本発明の装置は、図に示すように、既存経路用リオーダーバッファ18と、新規経路用リオーダーバッファ19を有している。すなわち通信パス対応の個別のリオーダーバッファが構成される。
無線通信装置が送受信するパケット(フレーム)は、例えば図4に示す構成を持つ。パケットは図4に示すように、MACヘッダ、ペイロード、FCS(フレームチェックシーケンス)を持つ。MACヘッダには、各送信機のアドレス(各通信経路(パス))単位で設定される送信パケット順番としてのシーケンス番号などが含まれる。ペイロードは、送受信対象となる実データ格納部である。FCS(フレームチェックシーケンス)は、エラー訂正コードなどを含み、フレームデータの修正処理などに利用されるデータを格納している。
MACヘッダに設定されるシーケンス番号は、データ送信を行う装置が設定する。例えば、図2に示す構成において、無線通信装置(STA2)20が、無線通信装置(STA1)10からダイレクトリンクパス52を介してデータ受信を行う場合、その受信パケットには、無線通信装置(STA1)10がMACヘッダに設定したシーケンス番号が設定される。また、無線通信装置(STA1)10からアクセスポイント(AP)30を介してAP経由パス51を介してデータ受信を行う場合、その受信パケットには、アクセスポイント(AP)30がMACヘッダに設定したシーケンス番号が設定される。
アクセスポイント(AP)30がMACヘッダに設定するシーケンス番号と、無線通信装置(STA1)10がMACヘッダに設定したシーケンス番号とは関連性がない。従って、2つのパスから受信したパケットのMACヘッダに設定されたシーケンス番号を用いてもオリジナルの順番を特定することはできない。
本発明の無線通信装置は、パス固有のリオーダーバッファを設定して、各送信機のアドレス(各通信経路(パス))単位のパケット順番について確実に保持した上で、さらに、以下に説明する処理によって、複数経路(パス)からの受信データのオリジナルの順番を崩すことなく、上位のアプリケーションなどに渡すことを可能とするものである。
具体的には、本発明の無線通信装置の制御部は、例えば、各通信パス経由の受信データをメモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納し、通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行い、既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う。
本発明の一実施例に従った通信処理シーケンスの概要について、図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、データ送信を行う無線通信装置(STA1)を「STA1」、データ受信を行う無線通信装置(STA2)を「STA2」として簡略化して表記して説明する。
図5に示すように、本発明に従った通信シーケンスでは、以下の処理が行われる。
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
これらの2つの処理によって、通信経路(パス)切り替えを決定し、その後、
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの処理によって、経路切り替えが完了する。なお、これらの処理は無線通信装置における制御部の制御下で行われる。
(a)DLS登録処理は、無線通信装置間の直接通信を行うためのセットアップ処理である。このDLS登録処理において、直接通信を実行する無線通信装置(本例ではSTA1とSTA2)は、相互に自装置のケーパビリティ(Capability)などの情報を独自フレームにカプセル化して交換し、ダイレクトリンクを介した通信相手を登録する。
このDLS登録処理が完了すると、STA1はAP経由パスとダイレクトリンクパスの両方を選択的に利用して、STA2に対してデータ送信を行うことができるようになる。
(b)経路更新決定処理は、別途モニタしてあるダイレクトリンクパスの伝送品質に関する情報ならびにAP経由パスの伝送品質に関する情報を用いて、相手端末との通信に使用する経路としていずれがふさわしいかを判定し、よりふさわしいパスに対する経路更新を決定する処理である。
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)は、データ送信側が既存経路を使用して送信される最終データであることを受信側に知らせる処理である。
(d)経路切り替え要請/応答処理は、データ送信側が受信側に対して、データ送信に使用する経路を変更する意思を伝え、受信側からの返答をもらう処理である。
(e)使用パス切り替え処理(送信側)は、データ送信側が、データ受信側からのパス切り替え受諾応答を受けて、実際にデータ送信に使用する経路を切り替えて新しい経路での送信を開始する処理である。
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)は、パス切り替えを受諾した受信側が既存経路を用いた最終データがきて経路が完全に切り替わったと判断し、新規経路での受信データを通常通りに上位層に転送する動作を開始するまでの過渡処理である。
以下、本発明に従った具体的な実施例について説明する。
[1.実施例1]
以下、実施例1における、
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの各処理について順次、説明する。
(1a.DLS登録処理)
図6は本実施例におけるDLS登録処理における各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明するフローチャートを示す図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
DLS登録処理は、無線通信装置間の直接通信を行うためのダイレクトリンクのセットアップ処理である。DLS登録処理に際しては、ダイレクトリンクの設定要求および応答が独自フレームで無線通信装置間において送受信される。具体的には、この処理に適用するフレームはマネジメントフレームではなく、802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。アクセスポイント(AP)を経由してDLS登録処理のためのフレームが送受信される。中継するアクセスポイント(AP)はフレームの内容を意識することはなく2つのSTA間だけで処理が完結する。
まず、ステップS101において、データ送信側端末であるSTA1が、STA1の装置ケーパビリティ(Capability)情報を含む「DLS登録要請」フレームをデータ受信側端末であるSTA2に対して送信する。
このフレームはアクセスポイント(AP)により中継され、STA2に到達する。受信したSTA2はこのフレームの内容を解釈できたら(ステップS103でYes)、ステップS104に進み、STA1に対して「DLS登録応答」フレームを同様にAP経由で返す。本フレームもまた独自フレームであり、フレームにはSTA2の装置ケーパビリティ(Capability)情報が含まれる。さらに、STA2におけるダイレクトリンクのセットアップ可否情報、すなわち、DLSの成否情報を記録した成否フィールドが含まれる。
STA2がDLSに対応していない装置である場合は、STA1から受信したDLS登録要請フレームの内容を解釈することができない(ステップS103でNo)。この場合は、STA1から受信したDLS登録要請フレームは、STA2内部で破棄され、処理が終了することになる。
STA2が、STA1から受信した「DLS登録要請」の解釈に成功し、ステップS104において、STA1に対して送信した「DLS登録応答」フレームは、AP経由(ステップS105)でSTA1に到達する。
STA1は、「DLS登録応答」フレームを受信して内容を解釈でき(ステップS106でYes)、さらに、受信フレームの成否フィールドの値が"DLS登録成功"を示していればDLSの設定は完了となる。
STA1がDLS登録応答フレームを、予め設定ずみのタイムアウト時間内にSTA2から受信できなかった場合は相手がDLSに対応していないと判断し、ダイレクトリンクは確立されない。DLSの設定が完了したら、この時点よりSTA1、STA2それぞれはAP経由パスとダイレクトリンクパスの両方を選択肢として互いにデータ送信を行うことができるようになる。以降の処理はデータ送受信と並行して行われる。
(1b.経路更新決定処理)
経路更新決定処理は、前述したように、ダイレクトリンクパスの伝送品質に関する情報ならびにAP経由パスの伝送品質に関する情報を用いて、相手端末との通信に使用する経路としていずれがふさわしいかを判定し、よりふさわしいパスに対する経路更新を決定する処理である。
この経路更新決定処理は通常のデータ送受信と並行して行われる。送信側端末(本実施例ではSTA1)主体となり、AP経由パス(STA1⇒AP⇒STA2)とダイレクトリンクパス(STA1⇒STA2)それぞれの伝送特性を調べ、評価する。本発明では特に規定しないが、例としては次のような手順が考えられる。
まず、STA1はSTA2と協調して、AP経由パスで送信したテスト用プローブトラフィックの受信信号強度(RCPI)を測定して報告してもらう。STA2はSTA1⇒APへのパケットを盗み見ることでダイレクトリンクでの伝送路品質情報を、AP⇒STA2へのパケットから測定することでAP経由パスの後半の伝送路品質情報を得ることができる。
続いて逆にSTA2からSTA1へテスト用プローブトラフィックを送信してもらい、同様に測定しこれによりAP経由パスの前半の伝送路品質情報を得ることができる。その後、それぞれの経路について測定結果から見合った変調を推定し、期待スループットを算出する。最後に、それぞれの経路について算出された期待スループットを比較することで、STA1は現時点での通信に適した経路を決定する。
この例のようにして適した経路を更新し、決定された経路が現在使用している経路と異なる場合には、STA1は経路切り替え処理に進む。
(1c.既存経路終端データ送信処理(送信側))
既存経路終端データ送信処理は、データ送信側が既存経路を使用して送信される最終データであることを受信側に知らせる処理である。この処理について、図7を参照して説明する。図7は本実施例の既存経路終端データ送信処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
なお、この既存経路終端データ送信処理の実行開始時点では、STA1はAP経由パスを利用してSTA2に対してデータ送信を行っている。ステップS121に示すように、パケットフレーム1,2,3がAP経由パスを利用して送信される。図に示すアクセスポイント(AP)がパケット中継処理を実行する。図に示すAPにおける点線が中継処理を示している。なお、図においては、AP経由パスを「APパス」、ダイレクトリンクパスを「ダイレクトパス」として簡略化して示している。
前述の経路更新決定処理においてダイレクトリンクパスへの切り替えを決定すると、ステップS121において、STA1はSTA2に対する最後のデータフレーム(フレーム3)を送信し終えた後に、ステップS122において、「パス終端」フレームを既存経路(AP経由パス)で送信する。本フレームはマネジメントフレームではなく802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。
この既存経路終端データ送信処理の後に、(d)経路切り替え要請/応答処理に移行する。
(1d.経路切り替え要請/応答処理)
経路切り替え要請/応答処理は、データ送信側が受信側に対して、データ送信に使用する経路を変更する意思を伝え、受信側からの返答をもらう処理である。この処理について、図8を参照して説明する。図8は本実施例の経路切り替え要請/応答処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
データ送信側のSTA1は、ステップS151において、「Txパス切り替え(パススイッチ)要請」フレームを送信する。「Txパス切り替え要請」フレームは、データ送信側の通信装置がデータ受信側の通信装置に対してデータ送信経路を変更する意思を伝えるためのフレームである。このフレームはマネジメントフレームではなく、802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。このフレームはダイレクトリンクパス、AP経由パスいずれを利用して送信してもよい。
この後、データ送信側のSTA1は、データ受信側のSTA2からの「Txパス切り替え応答」フレームを受信するまではデータ送信は行わない。その間に上位層から下りてくるデータパケットに関しては、STA1内部のメモリにバッファリングする。ステップS152に示すように、上位層から下りてくるデータパケット4,5,6をSTA1内部のメモリにバッファリングする。従って、ステップS151において送信する「パス切り替え要請」フレームの送信後は、バッファリング解除まで、STA1は、データ送信を停止することになる。
一方、データ受信側であるSTA2は、ステップS161においてSTA1からの「Txパス切り替え(パススイッチ)要請」フレームを受信する。ステップS162において、このフレーム内容の解釈を行い、パス切り替え(パススイッチ)要請を受け入れるか否かを決定し、決定に応じた処理を行う。
パス切り替え要請を受け入れる決定を行った場合は、ステップS163に進み、パス切り替え(パススイッチ)を受け入れ「可」とした情報を格納した「Txパス切り替え応答」フレームを生成し、ステップS165においてSTA1に対して送信する。このフレームもパス切り替え要請フレームと同様、マネジメントフレームではなく802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。このフレームはダイレクトリンクパス、AP経由パスいずれを利用して送信してもよい。
一方、ステップS162において、パス切り替え要請を受け入れない決定を行った場合は、ステップS164に進み、パス切り替え(パススイッチ)を受け入れ「否」とした情報を格納した「Txパス切り替え応答」フレームを生成して、ステップS165においてSTA1に送信する。
データ送信側のSTA1は、STA2からの「Txパス切り替え応答」フレームを待機し、ステップS171において、使用パス切り替え処理に移行する。
データ受信側のSTA2は、ステップS165における「Txパス切り替え応答」を送信後、ステップS166において、過渡状態バッファ制御処理を開始する。
(1e.使用パス切り替え処理(送信側))
使用パス切り替え処理(送信側)は、データ送信側が、データ受信側からのパス切り替え受諾応答を受けて、実際にデータ送信に使用する経路を切り替えて新しい経路での送信を開始する処理である。
この処理について、図9を参照して説明する。図9は本実施例の使用パス切り替え処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
ステップS211において、データ送信側の装置STA1は、予め設定した時間内にパス切り替え(パススイッチ)受け入れ「可」とした情報が格納された「Txパス切り替え応答」フレームをデータ受信側の装置STA2から受信できたか否かを判定する。受信できた場合は、ステップS212に進み、使用パスの切り替え処理を実行し、バッファリングを解除する。ステップS213で使用パス切り替え処理を完了する。ステップS214で、バッファされているデータ(図8のステップS152でバッファされたパケット4,5,6)を順次送信する。本例では、AP経由パスからダイレクトリンクパスへ切り替えて、バッファされているデータ(パケット4,5,6)を順次送信する。
一方、ステップS211において、STA1が、予め設定した時間内にパス切り替え(パススイッチ)受け入れ「可」とした情報が格納された「Txパス切り替え応答」フレームを受信できなかった場合は、ステップS215に進む。ステップS215では、パス切り替えは実行することなく、これまでのパス(AP経由パス)をそのまま利用してバッファされているデータを順次送信する。すなわちバッファリングを解除し既存経路でのデータ送信を再開する。これまでのパス(AP経由パス)をそのまま利用してバッファされているデータ(パケット4,5,6)を順次送信する。すなわちバッファリングを解除し既存経路でのデータ送信を再開する。
(1f.過渡状態バッファ制御処理(受信側))
過渡状態バッファ制御処理は、パス切り替えを受諾した受信側が既存経路を用いた最終データがきて経路が完全に切り替わったと判断し、新規経路での受信データを通常通りに上位層に転送する動作を開始するまでの過渡処理である。この処理について、図10を参照して説明する。図10は本実施例の過渡状態バッファ制御処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
データ受信側のSTA2は、先に図8のフローで説明したステップS165における「Txパス切り替え応答」の送信処理を実行した後、STA1からの「パス終端」フレームの到着を待つ。
なお、データ送信側からの「Txパス切り替え要請」フレームの送信(図8のステップS151)は、既存経路(本例ではAP経由パス)または新規経路(本例ではダイレクトリンクパス)のいずれで行ってもよい。「Txパス切り替え要請」フレームの送信が、新規経路(ダイレクトリンクパス)で送信されていた場合、「Txパス切り替え要請」フレームは、既存経路(本例ではAP経由パス)で送信される「パス終端」フレーム(図7のステップS122で送信)より、先にSTA2に届き、STA2が「Txパス切り替え応答」を送信するケースがある。
この場合、応答送信後は新規経路でのデータフレームが来ることが予想されるが、この時点ではまだ既存経路でのデータフレームの到着が完全に終わったかどうかが定かでない。パス切り替え要請が既存経路と異なるパスで送出する場合には要請フレームがデータを追い越してしまうことがありうるためである。
従って、データ受信側のSTA2は、図10に示すステップS241において、既存経路からの終端フレームを待っている間は、STA2は既存経路の受信リオーダーバッファに到着したデータパケットについては上位層への転送を継続し、新規経路からの受信リオーダーバッファに到着したデータパケットに関しては、上位層への転送を禁止してデータを蓄積し続ける。
先に図3を参照して説明したように通信装置は、通信経路(パス)対応のリオーダーバッファを有している。本例では、既存経路(AP経由パス)を介して受信したパケットは、既存経路用リオーダーバッファに蓄積され、新規経路(ダイレクトリンクパス)を介して受信したパケットは、新規経路用リオーダーバッファに蓄積される。
ステップS242において、データ受信側のSTA2は、
(a)既存経路からの終端フレームを受信した、
(b)過渡状態バッファ制御開始(「Txパス切り替え応答」送信)から、予め設定した時間が経過した、
(c)新規経路用リオーダーバッファの受信データ蓄積量が、予め設定した閾値(転送許可閾値)に到達した、
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足したか否かを判定する。
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足した場合にはステップS243に進む。上記(a)〜(c)のいずれかの条件も満足しない場合は、ステップS241の処理を継続する。すなわち、既存経路の受信リオーダーバッファに到着したデータパケットについては上位層への転送を継続し、新規経路からの受信リオーダーバッファに到着したデータパケットに関しては、上位層への転送を禁止してデータを蓄積し続ける。
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足した場合にはステップS243に進み、既存経路のリオーダーバッファの蓄積データを、全て上位層に転送する。すなわち受信データの処理を実行する例えばアプリケーションレイヤに提供する。なお、パケットが揃わない状態で残存パケットがあっても、蓄積されているパケットを一括で上位層に転送する。その後、ステップS244に進み、新規経路のリオーダーバッファ内に蓄積されたデータフレームの上位層転送禁止を解除し、上位層転送を開始する。

以上の処理によって、データ受信側のSTA2は、パス切り替え発生時にも、送信パケットの順番を維持したまま、上位層への提供を行うことが可能となる。すなわち送受信データの順序性確保が可能となる。
具体例を用いて、本発明の処理によって実現される順序性確保について説明する。図11には、
データ送信端末である無線通信装置:STA1,111、
データ受信端末である無線通信装置:STA2,112、
通信中継装置としてのアクセスポイント:AP120、
これらの各装置を示している。
なお、STA1,111はAP経由パス131を利用してSTA2,112に対してデータ送信を行っており、この既存経路を新規経路であるダイレクトリンクパス132に変更して、データ送信を継続する。
図11には、AP経由パス131からダイレクトリンクパス132への切り替えを行う前後のパケット送信順の一例を示している。各パケットの中に書かれている数字[25〜27]、[281〜283]、[641〜643]はパケットのMACヘッダに記録されているパケットシーケンス番号である。[パス終端]は、STA1,111が送信した既存経路(AP経由パス131)におけるパス終端フレームであることを示す。
先に図4を参照して説明したように、MACヘッダに設定されるシーケンス番号は、データ送信を行う装置が設定する。例えば、図11に示す構成において、無線通信装置(STA2)112が、無線通信装置(STA1)111からダイレクトリンクパス132を介してデータ受信を行う場合、その受信パケットには、無線通信装置(STA1)111がMACヘッダに設定したシーケンス番号が設定される。
無線通信装置(STA1)111がダイレクトリンクパスを利用して送信したパケットに対するシーケンス番号は[25〜27]である。
また、無線通信装置(STA1)111がAP経由パス131を利用して送信したパケットに対するシーケンス番号は[281〜283]である。しかし、これらのパケットは、AP120において、新たなシーケンス番号[641〜643]に書き換えられる。すなわち、無線通信装置(STA1)111からアクセスポイント(AP)120を介してAP経由パス131を介してデータ受信を行う場合、その受信パケットには、アクセスポイント(AP)120がMACヘッダに設定したシーケンス番号が設定される。
このように、MAC層のシーケンス番号は、通信パスごとに独立になっている。無線通信装置(STA1)111において、無線通信装置(STA1)111から送信されるAP向けのシーケンス番号とダイレクトリンク向けのシーケンス番号は通しに設定したとしても、AP経由時点でAPがMACヘッダのシーケンス番号を新たに設定しなおすため、結果としてSTAの受信する2つのパスのシーケンス番号は関連性のないシーケンス番号となってしまう。
図11には、参考として、実際にSTA1が送信した順番を各フレーム(パケット)の横に括弧の番号(1)〜(7)で示している。なお、本来は(4)のパス終端フレームと新規経路の最初のフレーム(5)の間に「Txパス切り替え要請」フレームが入るが、本図では省略している。
パス切り替え応答は要請に対して即座に送信されるので、既存経路(AP経由パス131)でのパス終端フレームが必ず新規経路(ダイレクトリンクパス132)のフレームより先に来るとは限らない。
図11に示す例では、STA1のフレーム(パケット)送信順(1)〜(7)において、(1)〜(4)はAP経由パス、(5)〜(7)はダイレクトリンクパス経由で送信されている。このフレーム(パケット)送信順(1)〜(7)に対して、STA2のフレーム(パケット)受信順は、
(1)641(AP経由)
(5)25(ダイレクトリンク)
(2)642(AP経由)
(6)26(ダイレクトリンク)
(3)643(AP経由)
(7)27(ダイレクトリンク)
(4)パス終端フレーム(AP経由)
このような順番であり、既存経路と新規経路のフレームが交じり合っている。
先に説明したように受信パケットのMACヘッダに設定されたシーケンス番号はパス固有のシーケンス番号であり、STA2は、このシーケンス番号のままでは、オリジナルのパケット送信順番を判別することはできない。
図12は、本実施例を用いた場合のSTA2内部での処理、すなわち、過渡状態バッファ制御処理の詳細処理例を示す図である。図12には、データ受信装置であるSAT2の以下の5項目について示している。
MAC層の受信するフレーム(パケット)順番
AP経由パス対応のリオーダーバッファのフレーム(パケット)蓄積順
ダイレクトリンクパス対応のリオーダーバッファのフレーム(パケット)蓄積順
上位層への転送制御(制御部の処理)
上位層でのフレーム(パケット)受領順、
これらの項目を示している。
MAC層の受信するフレーム(パケット)順番は、図11を参照して説明したと同様、
(1)641(AP経由)
(5)25(ダイレクトリンク)
(2)642(AP経由)
(6)26(ダイレクトリンク)
(3)643(AP経由)
(7)27(ダイレクトリンク)
(4)パス終端フレーム(AP経由)
このような順番であり、既存経路と新規経路のフレームが交じり合っている。
これらの(1)〜(7)のパケットは、
AP経由パス対応のリオーダーバッファ、
ダイレクトリンクパス対応のリオーダーバッファ、
この2つのパス固有のリオーダーバッファに、MACヘッダに設定されたシーケンス番号に従って蓄積される。
図12に示すように、
AP経由パス対応のリオーダーバッファには、
AP経由パスを経由してSTA2が受信した
(1)641(AP経由)
(2)642(AP経由)
(3)643(AP経由)
(4)パス終端フレーム(AP経由)
これらのパケットが順次、蓄積される。
また、ダイレクトリンクパス対応のリオーダーバッファには、
ダイレクトリンクパスを経由してSTA2が受信した
(5)25(ダイレクトリンク)
(6)26(ダイレクトリンク)
(7)27(ダイレクトリンク)
これらのパケットが順次、蓄積される。
STA2が、ダイレクトパスへのパス切り替え受諾応答フレームを、STA1に送信(図8のステップS165)して、パス終端フレームを待つ状態になったSTA2は、新規経路であるダイレクトリンクパス対応のリオーダーバッファに蓄積されるデータの上位層転送を禁止し、パケットを蓄積し続ける。
一方で既存経路であるAP経由パス対応のリオーダーバッファに格納されるパケットは適宜上位層に転送を継続される。
STA2が、既存経路で送信される「パス終端」フレームの到着を検知すると、STA2はこれにより既存経路のデータフレームが、この後にもう来ないと判断し、これを既存経路のリオーダーバッファの一括転送と新規経路のリオーダーバッファの上位層転送開始のトリガとする。
まず、既存経路の終端までの全てのデータを転送した後に新規経路のデータフレームが上位層に転送する。なお、これらの制御は、通信処理装置(STA2)の制御部において実行される。
結果として、図12の右端に示すように、上位層の受領するパケット順番は、
(1)641(AP経由)
(2)642(AP経由)
(3)643(AP経由)
(5)25(ダイレクトリンク)
(6)26(ダイレクトリンク)
(7)27(ダイレクトリンク)
このような順番となり、送信側のSTA1の送信順と一致した順番でパケットを受領することができる。なおパス終端フレームは、パス終端を示すのみであるので、上位層に転送することなく破棄してよい。
なお、パス終端フレームが無線区間でロストした場合の対策として、STA2は「Txパス切り替え応答」フレームを送信した後、一定時間の間パス終端フレームを受信できない場合にも、パス終端フレームを受信したと同様の処理を行う。なお、この時間は切り替え要請から十分な時間が経過したと言える大きさに設定しておく必要がある。また、新規経路のリオーダーバッファが「転送許可閾値」に到達したときも上記判断と同様の動作をさせることとする。例えば、転送許可閾値をリオーダーバッファの最大量とする。
なお、上述の実施例では、既存伝送経路がAP経由パス、新規経路がダイレクトリンクパスとした例を説明したが、既存経路をダイレクトリンクパスとして、新規経路をAP経由パスとした、本実施例と逆のパス切り替えの場合に置き換えても、本発明に従った処理は適用可能である。
[実施例2]
実施例1において説明した経路更新決定処理は、データ送信側のSTA1において実行する例として説明したが、次に、実施例2として、データ受信側のSTA2が経路更新決定処理を行う処理例について説明する。本実施例2ではデータ受信側であるSTA2がパス切り替えを決断し要請を出す。この場合、全体の流れは図5ではなく図13に示すシーケンスとなる。
本実施例に従ったシーケンスでは、図13に示すように以下の処理が行われる。
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
これらの2つの処理によって、通信経路(パス)切り替えを決定し、その後、
(c)経路切り替え要請/応答処理
(d)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの処理によって、経路切り替えが完了する。
先に図5を参照して説明した処理との差異は、(c)経路切り替え要請/応答処理と、(d)既存経路終端データ送信処理(送信側)が入れ替わっている点である。
(2a.実施例2におけるDLS登録処理)
実施例6におけるDLS登録処理は、基本的な処理は、実施例1と同様である。
(2b.実施例2における経路更新決定処理)
(b)実施例1において説明した経路更新決定処理は、データ送信側のSTA1において実行する例として説明したが、本実施例2では、データ受信側のSTA2が経路更新決定処理を行う。受信側端末(STA2)が主体となり、AP経由パス(STA1⇒AP⇒STA2)とダイレクトリンクパス(STA1⇒STA2)それぞれの伝送特性を調べ、評価する。受信側でも実施例1と同様の方法で各パスの伝送品質を推定することができる。
(2c.実施例2における経路切り替え処理)
実施例2における経路切り替え処理について、図14を参照して説明する。
図14は本実施例の経路切り替え処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
なお、この経路切り替え処理の実行開始時点では、STA1はAP経由パスを利用してSTA2に対してデータ送信を行っている。本実施例ではデータ受信側のSTA2が経路更新決定処理においてダイレクトリンクパスへの切り替えを決定する。まず、データ受信側のSTA2は、ステップS311において、データ送信側のSTA1に対して「Rxパス切り替え要請」フレームを送信する。
「Rxパス切り替え要請」フレームは、データ受信側の通信装置がデータ送信側の通信装置に対してデータ送信経路を変更する意思を伝えるためのフレームである。このフレームはマネジメントフレームではなく、802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。本実施例ではこのフレームの送信経路はダイレクトリンクパス、AP経由パスいずれで送信してもよい。この後、STA2はSTA1からの「Rxパス切り替え応答」フレームを待つ。
STA1は、ステップS321で、STA2からの「Rxパス切り替え要請」フレームを受信し、ステップS322において、このフレーム内容の解釈を行い、パス切り替え(パススイッチ)要請を受け入れるか否かを決定し、決定に応じた処理を行う。
パス切り替え要請を受け入れる決定を行った場合は、ステップS323に進み、パス切り替え(パススイッチ)を受け入れ「可」とした情報を格納した「Rxパス切り替え応答」フレームを生成し、その後、現在の経路を使用するSTA2宛ての最後のデータを送信後、ステップS325において「Rxパス切り替え応答」フレームをSTA2に対して送信する。このフレームの送信は、ダイレクトリンクパス、AP経由パスいずれでもよい。
一方、ステップS323において、パス切り替え要請を受け入れない決定を行った場合は、ステップS324に進み、パス切り替え(パススイッチ)を受け入れ「否」とした情報を格納した「Rxパス切り替え応答」フレームを生成する。その後、ステップS325においてパス切り替え(パススイッチ)を受け入れ「否」の情報を格納した「Rxパス切り替え応答」フレームをSTA2に対して送信する。
その後、STA1は「Rxパス切り替え応答」フレームの切り替え可否を「可」として送信した場合は、ステップS326において既存経路での終端フレーム送信処理に移行する。なお、ステップS324で、パス切り替え(パススイッチ)受け入れ「否」とした情報を格納した「Rxパス切り替え応答」フレームを送信した場合は、既存経路でのデータ送信を続行する。
その後の以下の処理、すなわち、
(d)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
これらの処理は、実施例1と、ほぼ同様の処理となる。
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)は、STA2が「Rxパス切り替え応答」を受信した後は、STA1からの「パス終端」フレームの到着を待ち、以降、終端フレームが来るまでのリオーダーバッファの管理方法、新規経路での上位層転送開始の条件は実施例1と同様である。
[実施例3]
次に、本発明の第3実施例について説明する。実施例3においても、先に図5を参照して説明した以下の処理、すなわち、
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの各処理が、順次実行される。
以下、本実施例におけるこれらの処理について説明する。
(3a.DLS登録処理)
実施例3におけるDLS登録処理は、基本的な処理は、実施例1と同様であるが、本実施例では、STA1とSTA2を結ぶダイレクトリンクを確立した後、2つのSTA(STA1、STA2)の間で送受信されるパケットには802.11 MACヘッダに加えて拡張ヘッダを付与する設定とする。
拡張ヘッダには以下の2つの情報を記録する。
(1)現在使用している経路での最終データパケットか否かを示す情報
(2)本パケットの送信に使用している経路を示す情報
データ送信側のSTA1は、これらの情報を拡張ヘッダに記録して送信する。
受信側のSTA2ではこの拡張ヘッダを解析し、除去した後に上位層プロトコルに渡す。
拡張ヘッダを含んだ場合のフレームフォーマットを図15に示す。
図15に示すように拡張ヘッダには、
(1)現在使用している経路での最終データパケットか否かを示す情報として、
例えば、
0=現経路の最終フレームでない
1=現経路の最終フレームである
このような設定のビットを記録する。
また、
(2)本パケットの送信に使用している経路を示す情報として、
例えば、
0=AP経由パス、
1=ダイレクトリンクパス、
このような設定のビットを記録する。
(3b.実施例3における経路更新決定処理)
(b)経路更新決定処理は、実施例1において説明したと同様の処理として実行される。
(3c.既存経路終端データ送信処理(送信側))
実施例5における既存経路終端データ送信処理について、図16を参照して説明する。
図16は本実施例の既存経路終端データ送信処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
なお、この既存経路終端データ送信処理開始時点では、STA1はAP経由パスを利用してSTA2に対してデータ送信を行っている。この送信データに対して拡張ヘッダを記録して送信が行われる。
ステップS351において、データ送信を行うSTA1側では、各データフレームの送信を行うにあたり、データフレームの拡張ヘッダに、
図15を参照して説明したように、
(1)現在使用している経路での最終データパケットか否かを示す情報
(2)本パケットの送信に使用している経路を示す情報
データ送信側のSTA1は、これらの情報を拡張ヘッダに記録して送信する。
図16に示す例の場合、ステップS351においてAP経由パスで送信するデータフレーム1,2,3の「3」の番号が振られているデータフレームが終端(現行パスでの最終)フレームを示すデータを拡張ヘッダに設定している。
図16に示す例では、
データフレーム1(パケット1)には、使用経路=AP経由、終端=No、
データフレーム2(パケット2)には、使用経路=AP経由、終端=No、
データフレーム3(パケット3)には、使用経路=AP経由、終端=Yes、
STA1は、これらの付加情報をそれぞれの拡張ベッダに記録した後、送信する処理を行う。
このように、本実施例3では実施例1のように特別な「パス終端」フレームを用いない。
(3d.経路切り替え要請/応答処理)
(3e.使用パス切り替え処理(送信側))
これらの処理は、実施例1と同様となる。
(3f.過渡状態バッファ制御処理)
次に、本実施例における過渡状態バッファ制御処理について説明する。過渡状態バッファ制御処理は、パス切り替えを受諾した受信側が既存経路を用いた最終データがきて経路が完全に切り替わったと判断し、新規経路での受信データを通常通りに上位層に転送する動作を開始するまでの過渡処理である。
なお、先に説明した実施例1では、パス固有のリオーダーバッファを適用して、MACヘッダに設定されたシーケンス番号に基づいて、各パスでのパケット順を確認する処理を行う構成としていた。この処理は、通信処理装置の制御部において行われるが、レイヤとしてはMAC層において行われる処理となる。
本処理例では、MAC層より上位のLLC層において、さらに上位のリオーダーバッファを適用して、複数の経路からのパケットを拡張ヘッダに設定された経路情報を利用して、パケットの順番を再配列する処理を行う。
すなわち、本実施例3では、MAC層のリオーダーバッファの動作とは別にLLC層にて別のリオーダーバッファ(以後、LLC層リオーダーバッファと呼ぶ)を持つ。各経路毎のMAC層リオーダーバッファはMAC層処理が終わり次第上位層に転送する。本実施例は順序性復元操作をLLC層リオーダーバッファで行う。先に、図15を参照して説明したように、拡張ヘッダの付加された各データパケットは使用経路情報を持っている。
LLC層では、拡張ヘッダに記録された送信に使用された経路情報を利用してパケットを分別する。既存経路を示すパケットはそのまま上位層へ転送し、新規経路を示すパケットは転送を待ち、順にLLC層リオーダーバッファに蓄積しておく。そして既存経路を示すパケットでかつ終端を示す内容のデータフレームを確認したら、新規経路側の蓄積を解除し保持してある新規経路側のパケットの上位層転送を開始する。
原理は実施例1と同様であるが、どの層の情報を利用してリオーダリング処理を行うかが異なっている。過渡状態バッファ制御処理開始から一定時間が経過する、または新規経路側のLLC層リオーダーバッファ蓄積量が「転送許可閾値」を超えたら上記終端フレーム受信確認の場合と同様の動作をする。
この処理について、図17を参照して説明する。図17は本実施例の過渡状態バッファ制御処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
データ受信側のSTA2は、先に図8のフローで説明したステップS165における「Txパス切り替え応答」の送信処理を実行した後、STA1から、パス終端情報を拡張ヘッダに設定したデータフレームの到着を待つ。
なお、データ送信側からの「Txパス切り替え要請」フレームの送信(図8のステップS151)は、既存経路(本例ではAP経由パス)または新規経路(本例ではダイレクトリンクパス)のいずれで行ってもよい。「Txパス切り替え要請」フレームの送信が、新規経路(ダイレクトリンクパス)で送信されていた場合、「Txパス切り替え要請」フレームは、既存経路(本例ではAP経由パス)で送信される「パス終端」フレーム(図7のステップS122で送信)より、先にSTA2に届き、STA2が「Txパス切り替え応答」を送信するケースがある。
この場合、応答送信後は新規経路でのデータフレームが来ることが予想されるが、この時点ではまだ既存経路でのデータフレームの到着が完全に終わったかどうかが定かでない。パス切り替え要請が既存経路と異なるパスで送出する場合には要請フレームがデータを追い越してしまうことがありうるためである。
従って、データ受信側のSTA2は、図17に示すステップS411において、既存経路からの終端を示すデータフレームを待っている間、STA2は、既存経路から受信してLLC層リオーダーバッファに格納したデータパケットについては上位層への転送を継続し、新規経路から受信してLLC層リオーダーバッファに格納したデータパケットに関しては、上位層への転送を禁止してデータを蓄積し続ける。
なお、前述したように、MAC層において、既存経路(AP経由パス)を介して受信したパケットは、既存経路用リオーダーバッファに蓄積され、新規経路(ダイレクトリンクパス)を介して受信したパケットは、新規経路用リオーダーバッファに蓄積される。その後LLC層において、LLCリオーダーバッファにすべての受信パケットが蓄積される。なお、これらはいずれも制御部の制御の下で実行される。
ステップS412において、データ受信側のSTA2は、
(a)既存経路から終端を示すデータフレームを受信した、
(b)過渡状態バッファ制御開始(「Txパス切り替え応答」送信)から、予め設定した時間が経過した、
(c)LLC層リオーダーバッファの受信データ蓄積量が、予め設定した閾値(転送許可閾値)に到達した、
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足したか否かを判定する。
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足した場合にはステップS413に進む。上記(a)〜(c)のいずれかの条件も満足しない場合は、ステップS411の処理を継続する。すなわち、既存経路から受信してLLC層リオーダーバッファに格納したデータパケットについては上位層への転送を継続し、新規経路から受信してLLC層リオーダーバッファに格納したデータパケットに関しては、上位層への転送を禁止してデータを蓄積し続ける。
上記(a)〜(c)のいずれかの条件を満足した場合にはステップS413に進み、LLC層リオーダーバッファの既存経路(AP経由パス)の受信パケットを、全て上位層に転送する。すなわち受信データの処理を実行する例えばアプリケーションレイヤに提供する。なお、パケットが揃わない状態で残存パケットがあっても、蓄積されているパケットを一括で上位層に転送する。その後、ステップS414に進み、LLC層リオーダーバッファの新規経路(ダイレクトリンクパス)の受信パケットの上位層転送禁止を解除し、上位層転送を開始する。
以上の処理によって、データ受信側のSTA2は、パス切り替え発生時にも、送信パケットの順番を維持したまま、上位層への提供を行うことが可能となる。すなわち送受信データの順序性確保が可能となる。
なお、上述の実施例では、既存伝送経路がAP経由パス、新規経路がダイレクトリンクパスとした例を説明したが、既存経路をダイレクトリンクパスとして、新規経路をAP経由パスとした、本実施例と逆のパス切り替えの場合に置き換えても、本発明に従った処理は適用可能である。
[実施例4]
次に、本発明の第4実施例について説明する。実施例4は、上述した実施例1〜3と異なり、
既存経路がダイレクトリンクパス、
新規経路がAP経由パス、
このような設定の場合のみの適用例である。
本実施例4では、ダイレクトリンクパスを適用して送信を行っているデータ送信側の通信処理装置STA1は、ダイレクトリンクパスを適用した最後の送信フレームの802.11MACヘッダの「QoS Controlフィールド」内の「EOSP」ビットを[1]に設定する。この設定により、そのフレームが終端フレームであることを伝える。このビットが1であるフレームが「パス終端」フレームと同じ意味を持つことになる。
本実施例においても、先に図5を参照して説明した以下の処理、すなわち、
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの各処理が、順次実行される。
以下、本実施例におけるこれらの処理について説明する。
(4a.DLS登録処理)
(4b.経路更新決定処理)
この経路更新決定処理は、先に説明した実施例1と同様の処理である。ただし、本実施例は既存経路がダイレクトリンクパスで、新規経路がAP経由パスである場合のみを対象にする。
(4c.既存経路終端データ送信処理(送信側))
この既存経路終端データ送信処理において、データ送信側のSTA1は、「パス終端」フレームを802.11MACヘッダで代用する。既存経路であるダイレクトリンクパスにて送信を行っているSTA1は、最後のフレームの802.11MACヘッダの「QoS Controlフィールド」内の「EOSP」ビットを1に設定する。
この設定により、データ受信側のSTA2に、このフレームが終端フレームであることを伝える。このビットが1であるフレームが「パス終端」フレームと同じ意味を持つことになる。
(4d.経路切り替え要請/応答処理)
この処理も、実施例1と同様であるが、本実施例は既存経路がダイレクトパスで、新規経路がAP中継パスである場合のみを対象にする。
(4e.使用パス切り替え処理(送信側))
この処理は、実施例1と同様である。
(4f.過渡状態バッファ制御処理)
この処理も実施例1とほぼ同様である。異なるのは、データ受信側(STA2)において待ち受ける「パス終端」フレームが専用のフレームではなく802.11MACヘッダの「QoS Controlフィールド」内の「EOSP」ビットが1であるフレームであることである。本実施例は既存経路がダイレクトパスで、新規経路がAP中継パスである場合のみを対象になる。
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。
先に説明した実施例1では、「Txパス切り替え要請」が新規経路で送信され、かつSTA1が送信する「パス終端」フレームが経路中で欠落してしまうと、受信側であるSTA2は長い時間が経過するか、新規経路用リオーダーバッファが転送許可閾値であるリオーダーバッファ最大量に達するかしないと新規経路のデータを上位層に提供しない。
このような処理を行うと、上位層のデータ受け取りが遅れ、応答が遅くなる恐れがある。本実施例5では、既存経路を使用して伝えられるパス終端フレームが送信されてから実際に到着するまでに、最大でどれくらいの新規経路パケットが追い越して先に到着するかを見積もる。この見積もりを利用して、新規経路用リオーダーバッファの上位層転送許可を行う閾値を最大量ではなくより小さい値に設定して、処理の高速化を実現する。
本実施例では次のフレームを定義し、これを利用する。
(a)「ルート指定エコー要求」フレーム
(b)「ルート指定エコー応答」フレーム
(a)「ルート指定エコー要求」フレームは、
通信相手側に対してエコー応答を要求するフレームである。
エコー応答を送る経路を指定するフィールド「返答経路フィールド」を持つ。
本フレームはマネジメントフレームではなく、802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。
(b)「ルート指定エコー応答」フレームは、
「ルート指定エコー要求」フレームの受信を確認するとその送信元に対して送信される応答フレームである。
エコー要求フレームにて指定されている経路にて送信される。
本フレームもマネジメントフレームではなく、802.11 MAC層よりも上位層にシグナリング情報を含んだデータフレームである。
図18を参照して、これらのフレームを利用したパケット転送時間の見積もり処理について説明する。図18には、
データ送信端末である無線通信装置:STA1,211、
データ受信端末である無線通信装置:STA2,212、
通信中継装置としてのアクセスポイント:AP220、
これらの各装置を示している。
なお、STA1,211はAP経由パス231を利用してSTA2,212に対してデータ送信を行っており、この既存経路を新規経路であるダイレクトリンクパス232に変更して、データ送信を継続する。
データ受信側の通信装置STA2,212は、「ルート指定エコー要求」を、返答経路をAP経由に指定して送信する。
次に、「ルート指定エコー要求」を受信したSTA1,211が指定通りに、AP経由パスで応答としての「ルート指定エコー応答」を返す。
データ受信側の通信装置STA2,212は、この処理によって、既存経路を使用して伝えられるパス終端フレームが送信されてから実際に到着するまでに、最大でどれくらいの新規経路パケットが追い越して先に到着するかを見積もる。この見積もりを利用して、新規経路用リオーダーバッファの上位層転送許可を行う閾値を最大量ではなくより小さい値に設定して、処理の高速化を実現する。
本実施例5においても、先に図5を参照して説明した以下の処理、すなわち、
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの各処理が、順次実行される。
以下、本実施例におけるこれらの処理について説明する。
(5a.DLS登録処理)
この経路更新決定処理は、先に説明した実施例1と同様の処理である。
(5b.経路更新決定処理)
各経路の評価を行う部分は実施例1と同様であるが、本実施例ではここにて新規経路の追い越し量を見積もる処理を同時に行う。すなわち、「ルート指定エコー要求」フレームと、「ルート指定エコー応答」フレームを適用した処理である。
この処理について、図19を参照して説明する。図19は本実施例の経路更新決定処理として実行する新規経路追い越し量見積り処理を説明する図である。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
なお、この処理の時点でSTA1とSTA2はテスト用の専用モードに入っており、STA1がSTA2に対してテスト用プローブトラフィックを新規経路で連続送信している(S511)とする。追い越し量を見積もろうとするSTA2は、ステップS521において、STA1に対して「ルート指定エコー要求」を送信する。本フレームは使用できる経路であればどちらの経路を用いて送信しても良い。「ルート指定エコー」フレームの「返答経路フィールド」はSTA1が送信に使用している既存経路を指定する。その後、STA2は「ルート指定エコー応答」フレームが既存経路経由で送信されるのを待つ。
STA1は、ステップS531において、「ルート指定エコー要求」フレームを受信して、ステップS532において、指定されたルートに従って「ルート指定エコー応答」フレームを送信する。
STA2は、ステップS541において、通信相手(STA1)がルート指定エコー応答を送信したことを検知する。既存経路がAP経由パスである場合、STA2はSTA1⇒APのパスで送信されている「ルート指定エコー応答」フレームを盗み見ることで送信されたことを検知する。これはAddress3=STA2であるかどうかで判断することができる。
この検知時点から、「ルート指定エコー応答」フレームを実際に受信するまでの間、新規経路から受信されるSA(送信元アドレス)がSTA1であるパケットの数をカウントする(S542〜S543)。
このカウント数から「新規経路追い越し推定量」を以下のようにして求める。
上記でカウントされたパケット数をN(個)、テストパケットのサイズをS(byte)とすると新規経路の追い越し量Bは、
B=NS
で与えられる。
STA2はこの「新規経路追い越し推定量[B]」を保持しておく。
(5c.既存経路終端データ送信処理(送信側))
(5d.経路切り替え要請/応答処理)
(5e.使用パス切り替え処理(送信側))
これらの処理は実施例1と同様である。
(5f.過渡状態バッファ制御処理)
この処理も実施例1とほぼ同様であるが、新規経路用のリオーダーバッファからの上位層転送を許可する条件を以下の3つのいずれかとする。
1.既存経路でのパス終端フレームの受信したとき
2.「Txパス切り替え応答」フレームを送信した後、パス終端フレームを受信できないまま一定時間が経過したとき
3.新規経路のリオーダーバッファの滞留量が後述する「転送許可閾値」に到達したとき
これらの3ついずれかが満足した場合は、新規経路用のリオーダーバッファからの上位層転送を許可する。
1,2は実施例1での説明と同じ意味であり、3の「転送許可閾値」をリオーダーバッファの最大量とした場合が実施例1である。
本実施例では「転送許可閾値」に経路更新決定処理にて取得した「新規経路追い越し推定量」、すなわち上述した「新規経路追い越し推定量[B]」を利用する。「新規経路追い越し推定量[B]」は、パス終端フレームが到達するまでに最大でどれくらいの新規経路パケットが先に到着するかを示しているので、これに適切なマージンを含めて「転送許可閾値」としてリオーダーバッファに設定すれば、パス終端フレームが到達しなかったとしても、最大量到達を待たずに新規経路での上位層転送の許可とすることができる。
本処理例では、新規経路用のリオーダーバッファからの上位層転送の許可を早めることが可能となり、効率的な処理が実現される。
なお、上述の実施例では、既存伝送経路がAP経由パス、新規経路がダイレクトリンクパスとした例を説明したが、既存経路をダイレクトリンクパスとして、新規経路をAP経由パスとした、本実施例と逆のパス切り替えの場合に置き換えても、本発明に従った処理は適用可能である。
[実施例6]
次に、実施例6について説明する。本実施例6は、データ受信側のSTA2が、新規経路からの最初のパケットを受信した時点で、既存経路の受信リオーダーバッファの内容を一括で上位層転送し、以降の既存経路の受信パケットは破棄するという処理例である。この後は、新規経路の受信リオーダーバッファ側からのみ転送を行う。
本実施例においても、先に図5を参照して説明した以下の処理、すなわち、
(a)DLS登録処理
(b)経路更新決定処理
(c)既存経路終端データ送信処理(送信側)
(d)経路切り替え要請/応答処理
(e)使用パス切り替え処理(送信側)
(f)過渡状態バッファ制御処理(受信側)
これらの各処理が、順次実行される。
以下、本実施例におけるこれらの処理について説明する。
(6a.DLS登録処理)
(6b.経路更新決定処理)
この経路更新決定処理は、先に説明した実施例1と同様の処理である。
(6c.既存経路終端データ送信処理(送信側))
本実施例では他の実施例と異なり、送信側で既存経路のデータ終端の通知処理を行わない。
(6d.経路切り替え要請/応答処理)
(6e.使用パス切り替え処理(送信側))
この処理は、実施例1と同様である。
(6f.過渡状態バッファ制御処理)
図20を参照して、本実施例における過渡状態バッファ制御処理について説明する。。左から、
データ送信端末である無線通信装置(STA1)、
通信中継装置としてのアクセスポイント(AP)、
データ受信端末である無線通信装置(STA2)、
これらの各装置を示している。
データ受信側のSTA2は、先に図8のフローで説明したステップS165における「Txパス切り替え応答」の送信処理を実行した後、STA1から、新規経路からのデータフレームの到着を待つ。
データ送信側のSTA1が、新規経路で最初のデータパケットを送信する。データ受信側のSTA2は、ステップS571において、新規経路で最初のデータパケットを受信したかを判定し、受信したことを確認すると、ステップS572に進む。
ステップS572において、STA2は、既存経路の受信リオーダーバッファの内容を一括で上位層転送し、以降の既存経路の受信パケットは破棄する(ステップS573)。それ以降は新規経路の受信リオーダーバッファ側からのみ転送を行う。
このように、本実施例では、STA2は「Txパス切り替え応答」を送信した後は、既存経路の受信リオーダーバッファに到着したデータパケットについては上位層への転送を継続する。ただし、新規経路からの受信リオーダーバッファに一つでもデータパケットが到着すると、そのデータパケットを上位層転送する前に、その時点での既存経路の受信リオーダーバッファの内容を一括で上位層転送し、以降の既存経路の受信パケットは破棄する。それ以降は新規経路の受信リオーダーバッファ側からのみ転送を行う。
以上の処理によって、データ受信側のSTA2は、パス切り替え発生時にも、送信パケットの順番を維持したまま、上位層への提供を行うことが可能となる。すなわち送受信データの順序性確保が可能となる。
なお、上述の実施例では、既存伝送経路がAP経由パス、新規経路がダイレクトリンクパスとした例を説明したが、既存経路をダイレクトリンクパスとして、新規経路をAP経由パスとした、本実施例と逆のパス切り替えの場合に置き換えても、本発明に従った処理は適用可能である。
以上、本発明の複数の実施例について説明した。本発明の処理により、例えば以下のような効果が生ずる。
ダイレクトリンクパスを適用した通信への変更処理を行うことで、伝送効率を向上させると同時に、片方のリンクのみを使用したときと同様の順序性を、上位層に新たなシーケンス番号を付与することなく保証することができる。また、経路切り替えに際して待ち合わせ処理を挟まないため、オーバーヘッド少なく実現することができる。さらに、経路切り替えに際して、MAC層リオーダーバッファにパケットが残存し続けてしまう問題を回避することができる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の一実施例構成によれば、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う通信装置において、各通信パス経由の受信データをメモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納する。さらに、通信パス切り替え決定処理の後、新規経路用リオーダーバッファに格納されたデータを上位層への転送を禁止する。その後、既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行し、その後、新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う。本構成により、上位層は送信データの順番に一致した順でデータを受領することが可能となる。
パス切り替えによる受信フレームの順序の乱れについて説明する図である。 本発明の無線通信システムの一実施形態について説明する図である。 本発明の一実施例に係る無線通信装置の構成例を示す図である。 本発明の一実施例に係る通信パケットの構成例を示す図である。 本発明の一実施例に従った通信処理シーケンスの概要について説明する図である。 本発明の一実施例に係るDLS登録処理における各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明するフローチャートを示す図である。 本発明の一実施例の既存経路終端データ送信処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例の経路切り替え要請/応答処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例の使用パス切り替え処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例の過渡状態バッファ制御処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例の経路切り替え処理において行われるパケットの送信状態の一例を説明する図である。 本発明の一実施例の経路切り替え処理において行われる過渡状態バッファ制御処理によるパケットの順番の再配列処理例を説明する図である。 本発明の一実施例に従った通信処理シーケンスの概要について説明する図である。 本発明の一実施例の経路切り替え処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例に係る通信パケットの構成例を示す図である。 本発明の一実施例の既存経路終端データ送信処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例の過渡状態バッファ制御処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。 本発明の一実施例における「ルート指定エコー要求/応答」フレームを用いたデータ転送時間の見積もり処理について説明する図である。 「ルート指定エコー要求」フレームと、「ルート指定エコー応答」フレームを適用した経路更新決定処理例について説明する図である。 本発明の一実施例の過渡状態バッファ制御処理において行われる各装置間の通信シーケンスおよび処理を説明する図である。
符号の説明
10,20 無線通信装置(STA)
11 データ処理部
12 伝送処理部
13 無線インターフェース部
14 制御部
15 メモリ
16 アンテナ
18,19 リオーダーバッファ
111 無線通信装置(STA1)
112 無線通信装置(STA2)
120 アクセスポイント(AP)
131 AP経由パス
132 ダイレクトリンクパス
211 無線通信装置(STA1)
212 無線通信装置(STA2)
220 アクセスポイント(AP)
231 AP経由パス
232 ダイレクトリンクパス

Claims (14)

  1. 通信データに対する処理を行う制御部と、
    通信データを格納するメモリを有し、
    前記制御部は、
    通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う構成であり、
    前記制御部は、
    各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納し、
    通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行い、
    既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う無線通信装置。
  2. 前記制御部は、
    前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を開始する前に、
    既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行する請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記制御部は、
    前記通信パス切り替え決定処理として、
    通信相手からの通信パス切り替え要請に対する受諾応答の送信を行う請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記制御部は、
    前記通信パス切り替え決定処理として、
    通信相手に対する通信パス切り替え要請を送信し、受諾応答の受信を行う請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記制御部は、
    MAC層における処理として、受信データに含まれるMACヘッダ内のシーケンス番号に従って、通信パス対応の複数のリオーダーバッファに対するデータ格納処理を実行する請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記制御部は、さらに、
    LLC層における処理として、受信データに含まれる通信パス情報に従って、LLC層対応のリオーダーバッファに対するデータ格納を実行する請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 前記制御部は、
    既存経路を利用した通信データに対する新規経路を利用した通信データの追い越し量を計測し、計測した追い越し量に相当するデータ量を、前記新規経路用リオーダーバッファの格納データの規定閾値として設定する請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 前記制御部は、
    前記通信データの追い越し量の計測処理として、通信ルートを指定したエコー要求フレームの送信を行う構成である請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 既存経路からの終端フレームを示すデータは、拡張ヘッダに終端情報を格納したフレームであり、
    前記制御部は、
    拡張ヘッダに終端情報を格納したフレームであるか否かについての確認処理を行う請求項1に記載の無線通信装置。
  10. 既存経路からの終端フレームを示すデータは、802.11MACヘッダのQoSコントロールフィールド内のEOSPビットに終端情報を格納したフレームであり、
    前記制御部は、
    前記EOSPビットに終端情報を格納したフレームであるか否かについての確認処理を行う請求項1に記載の無線通信装置。
  11. 前記制御部は、
    新規経路からの受信データを検出した場合、既存経路用リオーダーバッファに格納したデータの上位層への転送処理を実行し、その後の既存経路から受信するデータを破棄する処理を行う請求項1に記載の無線通信装置。
  12. データ送受信を行う複数の無線通信装置からなる通信システムであり、
    通信処理を行う複数の無線通信装置は、相互に通信パス切り替え要請と受諾応答の送受信を実行して通信パス切り替え決定を行い、
    データ受信を行う無線通信装置は、
    各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納し、
    通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行い、
    既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行う通信システム。
  13. 無線通信装置において実行する通信制御方法であり、
    制御部が、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行う受信データ処理ステップを有し、
    前記受信データ処理ステップは、
    各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納するステップと、
    通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行うステップと、
    既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行うステップを有する通信制御方法。
  14. 無線通信装置において通信データの処理を実行させるプログラムであり、
    制御部に、通信相手との直接通信パスであるダイレクトリンクパスと、中継ポイントを介した通信パスである中継ポイント経由パスを介した受信データに対する処理を行わせる受信データ処理ステップを有し、
    前記受信データ処理ステップは、
    各通信パス経由の受信データを前記メモリに設定される通信パス対応の複数のリオーダーバッファに格納するステップと、
    通信パス切り替え決定処理の後、新規経路からの受信データを新規経路用リオーダーバッファに格納し、上位層への転送を禁止する処理を行うステップと、
    既存経路からの終端フレームを示すデータを受信した場合、または待機時間の経過、または新規経路用リオーダーバッファの格納データが規定閾値に達したことを条件として、前記新規経路用リオーダーバッファに格納したデータを上位層に転送する処理を行うステップを有するプログラム。
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