JP4533165B2 - 絶対位置測定装置 - Google Patents
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Description
この固定部材に対する可動部材の相対移動量を検出する構成として、例えば、特許文献1に開示される構成がある。
この実施形態は、マイクロメータヘッド1であり、貫通孔21の内周に雌ねじ22を有する本体2と、本体2の貫通孔21内に挿通され前記雌ねじ22に螺合する送りねじ31を有する可動部材としてのスピンドル3と、スピンドル3の移動に応じて二つの異なる周期の位相信号を出力する位相信号発信手段4と、位相信号発信手段4からの出力信号に基づいてスピンドル3の絶対位置を算出する演算処理手段5と、演算処理手段5にて算出されたスピンドル3の絶対位置を表示する表示手段6と、を備えている。
スピンドル3には、2本のキー溝33、34が設けられていて、第1キー溝33はスピンドル3の軸と平行に直線状に設けられ、第2キー溝34は、スピンドル3に対して螺旋状に設けられている。
また同時に、スピンドル3が回転されると、二つの回転円筒43、46のキー44、47がそれぞれスピンドル3のキー溝33、34に係合しているので、それぞれの回転円筒43、45がキー溝33、34の回転に従って回転される。そして、回転円筒43、46とともにそれぞれのロータ42、45が回転される。
二つのロータ42、45から得られる位相信号の差はスピンドル3の可動範囲において常に異なっているので、逆に、二つのロータ42、45の位相差からスピンドル3の絶対位置が算出される。
この実施形態では、二枚のステータ41A、41Bが設けられ、二枚のステータ41A、41Bの間に二枚のロータ42、45が設けられている。すなわち、第1ステータ41Aに対向して第1ロータ42が設けられ、第2ステータ41Bに対向して第2ロータ45が設けられ、第1ロータ42および第2ロータ45は第1ステータ41Aと第2ステータ41Bとの間に挟まれるようにして設けられている。
しかしながら、ステータ41A、41Bが二枚必要となるので部品点数が多くなるとともに、二枚のステータ41A、41Bの間に二枚のロータ42、45を配置する組込み作業が複雑となり、製造コストの増大に繋がるという問題がある。
また、同時に、スピンドルが回転されると、スピンドルの複数のキー溝とそれぞれ係合したキーによって複数のロータがそれぞれ回転される。これら複数のロータの回転位相がステータによって検出されて、各ロータの回転位相に応じて異なる位相信号が発信される。
これら位相信号が演算処理部で演算処理されて各ロータの回転位相差に基づいてスピンドルの絶対位置が算出され、算出されたスピンドル絶対位置が表示手段に表示される。
また、スピンドルからキー溝が形成された部分を除いた領域が測長範囲として利用可能であるところ、スピンドルにキー溝を刻む範囲を狭くできるので、測長範囲として利用できるスピンドルの長さを長くでき、測長範囲を広くすることができる。
(第1実施形態)
本発明の絶対位置測定装置に係る第1実施形態について説明する。
図1は、絶対位置測定装置の第1実施形態としてのマイクロメータヘッドの構成を示す断面図である。
このマイクロメータヘッド100は、本体110と、本体110に対して螺合され回転によって軸方向進退自在に設けられたスピンドル200と、スピンドル200の移動量に応じて異なる周期の複数の位相信号を発信する位相信号発信手段300と、位相信号を演算処理しスピンドル200の絶対位置を求める演算処理手段700と、算出されたスピンドル200の絶対位置を表示する表示手段800と、を備えている。
貫通孔120内には、収納空間123を区画形成する中仕切り板122が設けられている。また、本体110の前端側の外周は外側フレーム130によって覆われている。
まず、位相信号発信手段300の構成について説明する。
図2は、位相信号発信手段300の分解斜視図である。
位相信号発信手段300は、本体110の収納空間123内に配設されており、スピンドル200が挿通された状態で収納空間123の前端側内壁140に固定されたステータ400と、キー溝230、240に係合するキー530、630を有しスピンドル200を中心にして回転可能に設けられた二つのロータ500、600と、を備えている。
第1ロータ板510は、スピンドル200が挿通される孔を有する小円板である。
第1回転円筒520は、スピンドル200に外嵌する円筒状であって第1ロータ板510の背面に接続され第1ロータ板510の回転を支持している。第1回転円筒520には、軸に直交する方向で貫通形成された二つの孔が設けられ、第1孔521には第1キー530が螺合されている。また、第2孔522は、第1回転円筒520の周方向に長さを有する長孔状に形成されている。
第2回転円筒620は、第2ロータ板610の背面に接続され、内側に第1回転円筒520を遊嵌する孔を有する円筒状である。
第2回転円筒620には、軸に直交する方向から貫通形成された孔621を有し、この孔621に第2キー630が螺合されている。なお、第2キー630は、第1回転円筒520の長孔である第2孔522を通過して第2キー溝240に係合している。
また、スピンドル軸方向において、第2キー630の位置は第1回転円筒520に設けられた第1キー530の位置と略同じである。
図3は、ステータ400とロータ板(第1ロータ板510、第2ロータ板610)との互いの対向面を示す図である。
図3(A)は、ステータ400の一面を示す図あり、図3(B)は第1ロータ板510および第2ロータ板610の一面を示す図である。
第1ロータ板510においてステータ400に対向する面には第1ステータ電極部410と電磁カップリングする第1結合電極部511が設けられ、第2ロータ板610においてステータ400に対向する面には第2ステータ電極部440と電磁カップリングする第2結合電極部611が設けられている(図3(B)参照)。
つまみ部220によってスピンドル200が回転操作されると、本体110の雌ねじ121とスピンドル200の送りねじ210との螺合によってスピンドル200が軸方向に進退される。
第1ロータ板510の回転位相と第2ロータ板610の回転位相とに基づいてスピンドル200の回転数および回転角が演算処理手段700にて求められ、スピンドル200の回転数にスピンドル一回転あたりの進退ピッチを乗算してスピンドル200の絶対位置が算出される。そして、スピンドル200の絶対位置は表示手段800に表示される。
(1)第1ロータ500と第2ロータ600とはスピンドル200を中心としてスピンドル200の軸に直交する方向に積層されているので、スピンドル200の軸方向においてロータ(500、600)が配設される範囲を一致させることができる。第1ロータ500および第2ロータ600がスピンドル軸方向で一致した範囲に設けられることにより、それぞれのロータ(500、600)に設けられるキー(530、630)の位置をスピンドル軸方向において一致させることができる。すると、スピンドル200に設けられる第1キー溝230および第2キー溝240のそれぞれの始点および終点を一致させ、結果として、スピンドル200にキー溝(230、240)を刻む範囲を狭くすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。
第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、第2回転円筒620において第2キー630が設けられる位置が異なっている。
この構成によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第2キー630は第1回転円筒520を通過していないので、第1回転円筒520に第2キー630を挿通させるための長孔(第2孔522)を形成しなくてもよく、製造コストを低減させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。
第3実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、第2回転円筒620がスピンドル200ではなく第1回転円筒520の外周を基準として回転する点が異なっている。
しかしながら、第1ロータ500と第2ロータ600とのそれぞれの回転量に基づいて位相信号発信手段300から出力される二つの位相信号のうち、スピンドル200の絶対位置に反映される位相信号がどちらか一方であるならば、必ずしも二つの信号がともに高精度である必要はない。
従って、第2回転円筒620の回転精度をそれほど高く維持する必要がない場合、第2回転円筒620は第1回転円筒520を基準とする回転であってもよく、この第3実施形態の構成によれば、加工コストを低減させることができるとともに、マイクロメータヘッドを小型化することができる。
例えば、前記実施形態では、位相信号発信手段においてステータでロータの回転位相を検出する構成として磁気式のロータリーエンコーダを用いる場合を例にして説明したが、ステータでロータの回転位相を検出する構成としては、静電容量式エンコーダや光学式エンコーダなどでもよく、その構成は特に限定されない。
特に、ロータが三つ以上になった場合、従来技術のように複数のロータをスピンドルの軸に沿って並列に並べるとキーの位置がスピンドル軸方向に離間せざるを得ないのでスピンドルに刻まれるキー溝の範囲が広くなるが、本発明のごとく複数のロータをスピンドルの軸方向に直交する方向に積層することによって総てのキーの位置を近接させてスピンドルにキー溝が刻まれる範囲を狭くすることができる。
Claims (3)
- 本体と、前記本体に対して螺合されているとともに回転によって軸方向進退自在であって外周にリード角の異なる複数のキー溝を有するスピンドルと、前記スピンドルの移動量に応じて異なる周期の複数の位相信号を発信する位相信号発信手段と、前記位相信号を演算処理し前記スピンドルの絶対位置を求める演算処理手段と、前記絶対位置を表示する表示手段と、を備え、
前記位相信号発信手段は、
前記スピンドルが挿通された状態で前記本体に固定されたステータと、
前記キー溝に係合するキーを有し前記スピンドルを中心にして回転可能であって前記ステータに対向配置された複数のロータと、を備え、
前記複数のロータの総てが前記ステータの片面側に配置され、かつ、前記複数のロータはスピンドルを中心としてスピンドルの軸と直交する方向に積層され、
前記複数のキー溝は、スピンドルの軸方向において略同じ領域に形成されている
ことを特徴とする絶対位置測定装置。 - 請求項1に記載の絶対位置測定装置において、
前記複数のロータのそれぞれは、前記ステータと対になって前記ステータと対向した状態で回転されるロータ板と、前記スピンドルを中心とする前記ロータ板の回転を支持する回転円筒と、を備え、
すべての前記回転円筒は、前記スピンドルの外周面を基準面として回転する
ことを特徴とする絶対位置測定装置。 - 請求項2に記載の絶対位置測定装置において、
前記複数のロータとして、第1ロータ板および第1回転円筒を有する第1ロータと、第2ロータ板および第2回転円筒を有し前記第1ロータの外側で回転可能に設けられた第2ロータと、が設けられている
ことを特徴とする絶対位置測定装置。
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