JP4532175B2 - 圧電アクチュエータおよび駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、送り装置等に用いられる、圧電体の剪断変位および厚み変位を利用した圧電アクチュエータおよび駆動装置に関する。
従来から、電圧をかけることにより剪断変位を生じる圧電素子および厚み変位を生じる圧電素子を連結した圧電アクチュエータが知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1の圧電アクチュエータは、水平なステージを支える駆動脚の一方が、圧電体を上下に連結したものであり、一方の圧電体は伸縮方向に変形するように、上下方向に分極されている。他方の圧電体は剪断変位を行なうように、水平方向に分極されている。この圧電アクチュエータは、分極方向の異なる圧電体を挟むように3枚の電極を設け、電極間に電圧を印加することによりそれぞれの圧電体に伸縮あるいは剪断の変位を生じさせることができるように構成されている。
また、圧電アクチュエータの中には、その形状を整えることにより、変位方向に垂直な方向の振れを小さくするものが知られている(たとえば、特許文献2)。特許文献2に記載されている圧電アクチュエータは、積層型圧電素子の側面を研削し、その面を基準として残りの面をそれぞれ直角になるように形状を整え、積層方向の伸び量ΔLに対し、積層方向に垂直な振れ量ΔRの比を10%以下としている。
特公平3−81119号公報 特開2003−46155号公報
上記のように、ステージ等の被駆動体を移動させる際にストロークを大きくとるために分極方向の異なる圧電体を連結した圧電アクチュエータが提案されている。また、さらに被駆動体の移動を高速化させるためには、高周波数で圧電アクチュエータを制御し、ステージ送りを高速化するという方法がある。
しかしながら、振動の周波数を高くすると、圧電アクチュエータの形状に起因して送り方向に垂直な方向に圧電アクチュエータの先端が振れる共振が生じ、被駆動体が送り方向に垂直な方向にわずかにずれてしまったり、本来の送り方向の変位を確保できなかったりすることがあり、駆動が安定しない。そこで、高周波数による圧電アクチュエータの制御を実現するためには、送り方向に垂直なぶれ方向の共振周波数を高周波数側にシフトさせ、非共振領域を高周波数側に拡大させる必要がある。
本発明は、ぶれ方向の共振周波数を高くすることを可能とした圧電アクチュエータおよび駆動装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の圧電アクチュエータは、矩形の伸縮変位部および前記伸縮変位部の伸縮変位方向に連結された矩形の剪断変位部を備える圧電アクチュエータであって、伸縮変位方向の長さをH、剪断変位方向の長さをL、前記伸縮変位方向と前記剪断変位方向とに垂直な方向の長さをW、密度をρ、そしてヤング率をYとしたとき、前記H、L、W、ρ、そしてYが、H≦10mm、L/W≦2.5、ρ≦8×10−3kg/m、かつ65GPa≦Y、なる関係式を満たすことを特徴としている。
これにより、圧電アクチュエータの伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動の共振周波数が、12kHz以上となり、非共振周波数領域を拡大することができるため、伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動を抑制しつつ、10kHz以上の周波数で圧電アクチュエータを振動させることができる。その結果、例えば振幅100Vの正弦波の駆動電圧を印加したときの剪断変位方向の変位が0.6μmの単振動となる圧電アクチュエータを、ステージ送り装置に用い、上記印加電圧でステージを駆動させた場合、剪断変位方向について20mm/s以上のステージ速度で安定してステージ駆動をコントロールできる。したがって、通常の送り方向の振動速度において、被駆動体が送り方向に垂直な方向へずれるのを防ぎ、本来の送り方向へのストロークを確保することができ、振動を安定させることができる。
(2)また、本発明の駆動装置は、矩形の伸縮変位部および前記伸縮変位部の伸縮変位方向に連結された矩形の剪断変位部を備える、6個の圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータが固定される台座と、を備える駆動装置であって、前記圧電アクチュエータは、前記剪断変位方向に沿って2列に、前記伸縮変位方向と前記剪断変位方向とに垂直な方向に沿って3列に互いに接触しないように、台座上に配置されていることを特徴としている。
これにより、隣り合う圧電アクチュエータを楕円運動の1/2周期ごとに交互に被駆動体に当てて、被駆動体を3点支持により安定して駆動させることができる。
(3)また、本発明の駆動装置は、前記圧電アクチュエータは、伸縮変位方向の長さをH、剪断変位方向の長さをL、前記伸縮変位方向と前記剪断変位方向とに垂直な方向の長さをW、密度をρ、そしてヤング率をYとしたとき、前記H、L、W、ρ、そしてYがH≦10mm、L/W≦2.5、ρ≦8×10−3kg/m、かつ65GPa≦Y、
なる関係式を満たすことを特徴としている。
これにより、被駆動体を圧電アクチュエータの3点支持により安定して駆動させることができる。さらに、通常の送り方向の振動速度において、被駆動体が送り方向に垂直な方向へずれるのを防ぎ、本来の送り方向へのストロークを確保することができ、圧電アクチュエータの振動を安定させることができる。
本発明に係る圧電アクチュエータによれば、圧電アクチュエータの伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動の共振周波数が、12kHz以上となり、非共振周波数領域を拡大することができるため、伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動を抑制しつつ、10kHz以上の周波数で圧電アクチュエータを振動させることができる。その結果、例えば振幅100Vの正弦波の駆動電圧を印加したときの剪断変位方向の変位が0.6μmの単振動となる圧電アクチュエータを、ステージ送り装置に用い、上記印加電圧でステージを駆動させた場合、剪断変位方向について20mm/s以上のステージ速度で安定してステージ駆動をコントロールできる。したがって、通常の送り方向の振動速度において、被駆動体が送り方向に垂直な方向へずれるのを防ぎ、本来の送り方向へのストロークを確保することができ、振動を安定させることができる。
また、本発明に係る駆動装置によれば、隣り合う圧電アクチュエータを楕円運動の1/2周期ごとに交互に被駆動体に当てて、被駆動体を3点支持により安定して駆動させることができる。
また、本発明に係る駆動装置によれば、被駆動体を圧電アクチュエータの3点支持により安定して駆動させることができる。さらに、通常の送り方向の振動速度において、被駆動体が送り方向に垂直な方向へずれるのを防ぎ、本来の送り方向へのストロークを確保することができ、圧電アクチュエータの振動を安定させることができる。
以下に、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。ただし、これは一実施形態であって、この実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、圧電アクチュエータ1の斜視図である。圧電アクチュエータ1は、本体部2およびシム部3aおよび3bから構成されている。本体部2の形状は矩形であり、中央の平面電極4を介して伸縮変位部5に剪断変位部6が連結され、形成されている。伸縮変位方向とは、圧電アクチュエータの固定端からの高さ方向である。剪断変位方向とは、圧電アクチュエータのたわみ1次振動方向であり、圧電アクチュエータをステージ送りに用いるときには送り方向となる。また、伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向とは、たわみ1次振動に対するぶれ方向である。図1に示すように、圧電アクチュエータ1の伸縮変位方向の長さはH、剪断変位方向の長さはL、伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の長さはWである。伸縮変位部5は圧電体7aと平面電極8aが交互に積層されており、剪断変位部6は圧電体7bと平面電極8bが交互に積層されている。圧電体7aは伸縮変位方向に分極されており、圧電体7bは、剪断変位方向に分極されている。圧電体7aおよび圧電体7bの材料は、PZT等の圧電セラミックスである。また、平面電極の材料は、銀、パラジウム等の導体である。たとえば、圧電アクチュエータ1の形状および材料は、Hが10mm、Lが6mm、Wが2.4mmであり、密度は、8×10−3kg/mで、ヤング率は、65GPaである。
このような形状をとることにより、圧電アクチュエータ1の伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動の共振周波数が、12kHz以上となり、非共振周波数領域を拡大することができるため、伸縮変位方向と剪断変位方向とに垂直な方向の振動を抑制しつつ、10kHz以上の周波数で圧電アクチュエータ1を振動させることができる。その結果、例えば圧電アクチュエータ1が振幅100Vの正弦波の駆動電圧を印加したときの剪断変位方向の変位が0.6μmの単振動となる変位能を有していて、この圧電アクチュエータ1をステージ送り装置に用い、上記印加電圧でステージを駆動させた場合、剪断変位方向について20mm/s以上のステージ速度で安定してステージ駆動をコントロールできる。したがって、通常の送り方向の振動速度において、被駆動体が送り方向に垂直な方向へずれるのを防ぎ、本来の送り方向へのストロークを確保することができ、振動を安定させることができる。
シム部3aおよび3bは、本体部2の伸縮変位方向の両端に連結して設けられ、剪断変位部6の端面に設けられているシム部3bの形状は突起を有する板の形状であり、伸縮変位部5の端面に設けられているシム部3aの形状は板状である。図示するようなシム部3bの突起を有する板の形状は、一例であり、蒲鉾型の形状等であってもよい。シム部3aおよび3bの材料は、絶縁材料であり、特に限定されない。
圧電体7aおよび圧電体7bの側面には、GND用の取り出し電極21と、伸縮変位部用取り出し電極22と、剪断変位部用取り出し電極23とが設けられている。GND用の取り出し電極21は、1枚おきに平面電極8aおよび平面電極8bと接続し、中央の平面電極4とも接続している。伸縮変位部用取り出し電極22は、1枚おきに平面電極8aと接続している。剪断変位部用取り出し電極23は、1枚おきに平面電極8bと接続している。これらの取り出し電極の材料の一例としては、銀、パラジウム、銅等の導体がある。また、GND用の取り出し電極21はリード線21aを介し接地され、伸縮変位部用取り出し電極22はリード線22aを介し交流電源に接続され、剪断変位部用取り出し電極23はリード線23aを介し上記交流電源に対して位相差が90°の交流電源に接続されている。これにより、シム部3bの突起が楕円軌道を描くように圧電アクチュエータ1を振動させることができる。上記の位相差は、90°近傍であれば上記のシム部3bの突起に楕円軌道で運動させることができる。また、入力電圧による位相差を各圧電部に設定することによりいずれ側の方向にも楕円運動をさせることができる。
図2は、圧電体7aおよび圧電体7bの分極方向を示した圧電アクチュエータ1の模式的な側面図である。図2に示すように、伸縮変位部5を形成する圧電体7aは平面電極8aの表面に垂直な向きPまたはPに分極しており、剪断変位部6を形成する圧電体7bは平面電極8bに平行で、矩形の一辺に平行な向きQまたはQに分極している。図2に示すように、ここでは伸縮変位部5の圧電体7aは4層積層しており、剪断変位部6の圧電体7bも4層積層している。ただし、積層数は任意であり、伸縮変位部5と剪断変位部6の積層数の比が異なっていてもよい。また、それぞれが積層構造でなく、単層構造であってもよい。なお、伸縮変位部5については、平面電極8aを生の圧電体7aに埋め込み一体焼成により、電極を内層部分に形成してあってもよい。
圧電アクチュエータ1の作製方法を以下に示す。まず、予め圧電アクチュエータの設計を行なう。たとえば、得ようとする圧電アクチュエータの伸縮変位方向長さHを10mm、剪断変位方向長さLを6mm、ぶれ方向長さWを2.4mmとする。PZT系の圧電セラミックス粉末をバインダーおよび有機溶媒と混合しスラリーを作製する。
次に、混合して得られたスラリーを用い、得ようとする圧電アクチュエータの高さおよび積層枚数を考慮して、設計された厚さでドクターブレードにより生シートを作製する。それぞれ伸縮変位部用、剪断変位部用に電極印刷のために設計したスクリーンにより、得られた生シートの表面に平面電極8aを印刷する。伸縮変位部用の生シートを重ねて、圧着し一体焼成し、設計された形状に加工する。一方、剪断変位部用の生シートは単板として焼成した後、設計された形状に加工する。
次に、一体焼成された伸縮変位部5の圧電体について積層方向に分極処理を行ない、伸縮変位部5を作製する。一方、剪断変位部用に単板で焼成したプレートは重ねたときに所定の平面方向に分極方向がそろうように各々分極処理し、電極を挟んで積層するように接着剤で接着する。このようにして作製された剪断変位部6を、りん青銅からなる中央の平面電極4を挟んで伸縮変位部5に重ねて接着し、シム部3aおよび3bを接着して、圧電アクチュエータを作製する。なお、接着は種々の樹脂接着剤を用いる。なお、ここでは伸縮変位部5は一体焼成により作製しているが、単板焼成し接着して積層してもよい。
以下に、圧電アクチュエータ1に交流電圧を印加したときの動作を説明する。圧電アクチュエータ1を振動させたとき、シム部3bの突起は1周期にわたり、図3に示すような軌道を描く。図4は、1/4周期ごとの圧電アクチュエータ1の形状および突起の軌道を示した図である。圧電アクチュエータ1は、台座30の上に固定されている。圧電アクチュエータ1に対して、伸縮変位部用取り出し電極22には正弦波の電圧が印加され、剪断変位部用取り出し電極23にはその正弦波の位相を90°ずらした電圧が印加されている。このような電圧の入力方法により、伸縮変位部は伸縮変位の単振動をし、剪断変位部6は、伸縮変位部5の伸縮変位と90°位相のずれた剪断変位の単振動をする。こうして、図3に示すように、シム部3bの突起は、A→B→C→Dという軌跡の楕円軌道を描く。なお、上記突起の軌道は必ずしも楕円軌道である必要はなく、電源の制御により矩形の軌道としてもよい。また、上記の印加電圧の位相差は、90°近傍であれば上記のシム部3bの突起に楕円軌道で運動させることができる。また、入力電圧による位相差を各圧電部に設定することにより、圧電アクチュエータにいずれ側の方向にも楕円運動をさせることができる。
たとえば、ステージを送るのに圧電アクチュエータ1を用いるとき、圧電アクチュエータ1は1周期にわたり、図4に示すような動作をする。図4は、1/4周期ごとの圧電アクチュエータ1の状態を示している。図4に示すように、圧電アクチュエータ1の伸縮変位部5側のシム部3aは台座30に固定されており、剪断変位部6側のシム部3bの突起がステージ31に接触することにより、ステージ31が駆動される。以下に、このときの圧電アクチュエータ1の動作を説明する。
図4(a)は、伸縮変位部5が伸びきっており、剪断変位部6は突起を有するシム部3bを左方向に送るように剪断変位し、その剪断変位速度が最大である状態を示している。シム部3bの突起はステージ31の表面に当たっている。図4(b)は、伸縮変位部5の縮む速度が最大になっており、剪断変位部が突起を有するシム部3bを最も左の位置まで送った状態を示している。シム部3bの突起は、ステージ31の表面から離れている。図4(c)は、伸縮変位部5が最も縮んでおり、剪断変位部6が突起を有するシム部3bを右方向に送るように剪断変位し、その剪断変位速度が最大である状態を示している。シム部3bの突起はステージ31の表面から離れている。図4(d)は、伸縮変位部5の伸びる速度が最大になっており、剪断変位部が突起を有するシム部3bを最も右の位置まで送った状態を示している。シム部3bの突起は、ステージ31の表面から離れている。
(実施形態2)
実施形態1では、圧電アクチュエータ1について説明したが、このような圧電アクチュエータを台座上に3×2の配置で固定して駆動装置としてもよい。図5は、圧電アクチュエータを備える駆動装置40の斜視図である。圧電アクチュエータ41〜46は、実施形態1で説明した矩形の伸縮変位部と矩形の剪断変位部とを備える圧電アクチュエータである。台座50は、矩形で、密度7.93×10−3kg/m、ヤング率210GPaのSUS製である。台座50の形状は、たとえば高さ10mm、幅14mm、長さ28mmである。ただし、台座50の形状および材料は、圧電アクチュエータの振動により変形や共振の生じないものであれば十分であり、上記のものに限定されない。たとえば、台座50をセラミックス製としてもよい。図5に示すように、圧電アクチュエータ41〜46は、振動したときに互いに接触しない程度の間隔をあけて、そのぶれ方向に2列、送り方向に3列に配置され、台座50に固定されている。
次に、駆動装置40の動作を説明する。駆動装置40の各圧電アクチュエータには、互いに隣り合うもの同士に1/2周期だけ位相の異なる交流電圧を印加して、駆動装置40を動作させる。たとえば、図5に示す圧電アクチュエータ41、43および45を同期させて同一の位相θで振動させるとき、圧電アクチュエータ42、44および46も、同期させて同一の位相θ+180°で振動させる。図6の(a)および(b)は、それぞれ1/2周期異なる時点における駆動装置40の平面図であり、斜線がかかっている圧電アクチュエータは、被駆動体であるステージに当たっている圧電アクチュエータを示している。したがって、駆動装置40は隣り合わない3つの圧電アクチュエータを交互にステージに当てて、ステージを駆動させる。これにより、隣り合う圧電アクチュエータを楕円運動の1/2周期ごとに交互に被駆動体に接触させて、ステージを3点支持により安定して送ることができる。
図7は、上記のような動作を行なう駆動装置40の略側面図である。図7の(a)〜(d)は、駆動装置40を動作させたときの1/4周期ごとの状態をそれぞれ示している。隣り合って設置された圧電アクチュエータを1/2周期だけ位相を変えて振動させ、各圧電アクチュエータの楕円軌道が繰り返されることにより、圧電アクチュエータの剪断変位方向の一方に被駆動体であるステージ51を移動させる。図中の矢印は、各部分の速度を模式的に表したものである。なお、図7において圧電アクチュエータ42、43、45、46は省略している。
本発明者らは、圧電アクチュエータの形状により、圧電アクチュエータのぶれ方向の共振振動数が変動することを見出した。したがって、適当な形状の圧電アクチュエータを形成することにより、ぶれ方向の共振周波数を高周波側にシフトさせることが可能である。共振周波数を高周波側にシフトさせた場合には、図8に示すように、ピークの裾野となる被共振領域を拡大することができる。たとえば、ぶれ方向の振動を無視できる最大駆動周波数をXからXに大きくし、XからXまでの周波数で振動させたときにぶれ方向の振動を回避することができる。共振周波数と、非共振領域として使用できる最大周波数との差は、例えば2kHz程度とするのが好ましい。
このような原理に基づき、ぶれ方向の共振を回避すべく、圧電アクチュエータについて、コンピュータにより有限要素法シミュレーションを行なった。シミュレーションのプログラムには、MARC/MENTAT2004(エムエスシーソフトウェア社)を用いた。
シミュレーションの際には、駆動装置40と同様な構成の駆動装置の形状および材料のデータを入力し、共振周波数を調べた。圧電セラミックスとしては密度7.6×10−3kg/m、ヤング率65GPaのPZT系セラミックスを用いているとして物性値を入力し、圧電アクチュエータは、密度8.0×10−3kg/m、ヤング率65GPaで、伸縮変位方向長さHを4〜10mm、剪断変位方向長さLを6〜12mm、ぶれ方向長さWを2〜12mmとなるように値を入力した。台座は、密度7.93×10−3kg/m、ヤング率210GPaのSUS製であるとして、伸縮変位方向長さを10mm、剪断変位方向長さを28mm、ぶれ方向長さを14mmとして入力した。台座の形状および材料は、圧電アクチュエータへの影響を無視できる限り特に限定されない。
図9は、圧電アクチュエータの形状と、最も低い共振周波数の関係を示す図である。図9に示すように、L/Wが小さいほど共振周波数は大きくなる傾向があり、Hが小さいほど共振周波数は大きくなる傾向がある。また、材料の密度は小さくなるほど、共振周波数が大きくなり、ヤング率は大きくなるほど、共振周波数が大きくなる。
一方、ステージ送り装置が、実際に使用される工程においてステージ送りの機能を十分に果たすためには、一般的に送り速度20mm/sが望まれている。上記のような圧電アクチュエータを用いた駆動装置においては、送り速度20mm/sを出すためには、振幅100Vの正弦波の駆動電圧を印加したときの変位能が0.6μmである圧電アクチュエータの場合、振動数は10kHz以上必要である。そのためには、ピークから裾野までの幅も考慮すると最小の共振周波数が、12kHz以上でなければならない。
上記のシミュレーションの結果から、L/W≦2.5、H≦10mm、ρ≦8.0×10−3kg/m、かつ65GPa≦Yの特性を有する圧電アクチュエータであれば、最小の共振周波数が、12kHz以上となり、駆動装置40を横振動の共振を生じることなく10kHz以上で振動させることができる。したがって、この圧電アクチュエータ用いたステージ送り装置は、送り速度20mm/sを実現することができ、実際の工程において必要とされるステージ送りの機能を十分に果たすことができることが実証された。
また、同様に上記のシミュレーションの結果から、L/W≦2、H≦10mm、ρ≦8.0×10−3kg/m、かつ65GPa≦Yの特性を有する圧電アクチュエータであれば、最小の共振周波数が、14kHz以上となり、駆動装置40を横振動の共振を生じることなく12kHz以上で振動させることができる。したがって、この圧電アクチュエータ用いたステージ送り装置は、送り速度25mm/sを実現することができ、実際の工程において必要とされるステージ送りの機能を余裕を持って果たすことができることが実証された。
本発明に係る圧電アクチュエータの斜視図である。 本発明に係る圧電アクチュエータの略側面図である。 本発明に係る圧電アクチュエータの動作を示す図である。 本発明に係る圧電アクチュエータの動作を示す図である。 本発明に係る駆動装置の斜視図である。 本発明に係る駆動装置の平面図である。 本発明に係る駆動装置の動作を示す図である。 圧電アクチュエータの駆動周波数に対するぶれ方向の振動速度を示す図である。 シミュレーションの結果を示す図である。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
4 平面電極
5 伸縮変位部
6 剪断変位部
30 台座
40 駆動装置
41〜46 圧電アクチュエータ
50 台座

Claims (2)

  1. 矩形の伸縮変位部および前記伸縮変位部の伸縮変位方向に連結された矩形の剪断変位部を備える圧電アクチュエータであって、
    伸縮変位方向の長さをH、剪断変位方向の長さをL、前記伸縮変位方向と前記剪断変位方向とに垂直な方向の長さをW、密度をρ、そしてヤング率をYとしたとき、
    前記H、L、W、ρ、そしてYが、
    H≦10mm、
    L/W≦2.5、
    ρ≦8×10−3kg/m、かつ
    65GPa≦Y、
    なる関係式を満たすことで、
    送り方向に垂直なぶれ方向の共振周波数を高周波側にシフトさせることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 矩形の伸縮変位部および前記伸縮変位部の伸縮変位方向に連結された矩形の剪断変位部を備える、6個の請求項1記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータが固定される台座と、を備える駆動装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、前記剪断変位方向に沿って2列に、前記伸縮変位方向と前記剪断変位方向とに垂直な方向に沿って3列に互いに接触しないように、台座上に配置されていることを特徴とする駆動装置。
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