JP4531673B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯 Download PDF

Info

Publication number
JP4531673B2
JP4531673B2 JP2005300518A JP2005300518A JP4531673B2 JP 4531673 B2 JP4531673 B2 JP 4531673B2 JP 2005300518 A JP2005300518 A JP 2005300518A JP 2005300518 A JP2005300518 A JP 2005300518A JP 4531673 B2 JP4531673 B2 JP 4531673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
focal point
light
rear focal
projection lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005300518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007109561A (ja
Inventor
隆之 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Manufacturing Co Ltd filed Critical Koito Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2005300518A priority Critical patent/JP4531673B2/ja
Publication of JP2007109561A publication Critical patent/JP2007109561A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4531673B2 publication Critical patent/JP4531673B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

本願発明は、いわゆるプロジェクタ型の車両用前照灯に関するものである。
一般に、プロジェクタ型の車両用前照灯は、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて光軸寄りに反射させるリフレクタとを備えた構成となっており、そのリフレクタで反射して投影レンズを透過した光源からの光により、所定の灯具配光パターンを形成するようになっている。
その際「特許文献1」には、このようなプロジェクタ型の車両用前照灯において、投影レンズにおけるレンズ周縁部の表面形状を徐変させて、その後側焦点の位置を投影レンズの後側焦点から後方へ変位させるようにしたものが記載されている。
特開平6−84401号公報
従来のプロジェクタ型の車両用前照灯においては、その投影レンズにより、該投影レンズの後側焦点面上に形成される光源像をそのまま前方へ投影照射する構成となっているので、灯具配光パターンの中心光度を十分に高めることができず、また、その配光ムラを十分に抑えることもできない、という問題がある。
なお、上記「特許文献1」に記載されているようなプロジェクタ型の車両用前照灯を採用すれば、投影レンズの色収差に起因して発生する色縞を灯具配光パターン上において目立たなくすることは可能となるが、これにより灯具配光パターンの配光ムラを抑えたり、その中心光度を高めることはできない。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プロジェクタ型の車両用前照灯において、この車両用前照灯により形成される灯具配光パターンの中心光度を十分に高めることができるとともに、その配光ムラを最小限に抑えることができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
本願発明は、投影レンズの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるリフレクタとを備えてなり、上記リフレクタで反射して上記投影レンズを透過した上記光源からの光により、所定の灯具配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、
上記投影レンズが、上記光軸の近傍に位置するレンズ中央部と、このレンズ中央部を囲むレンズ周縁部とからなり、
上記レンズ中央部の水平断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点から前後方向に変位した位置に設定されており、このレンズ中央部により、上記リフレクタからの反射光を少なくとも水平方向に拡散させて上記灯具配光パターンの拡散領域を形成するとともに、上記レンズ周縁部により、上記リフレクタからの反射光を略平行光にして上記灯具配光パターンの高光度領域を形成するように構成されている、ことを特徴とするものである。
上記「所定の灯具配光パターン」は、特定の配光パターンに限定されるものではなく、例えば、ハイビーム用配光パターンやロービーム用配光パターン、あるいは、これらの配光パターンの一部を構成する配光パターン等が採用可能である。
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、放電バルブの放電発光部やハロゲンバルブのフィラメント等が採用可能である。また、この「光源」は、投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置されていれば、その具体的な位置や向き等は特に限定されるものではなく、例えば、その位置に関しては、光軸上に配置されていてもよいし、光軸上から外れた位置に配置されていてもよい。
上記「レンズ中央部」の大きさや外形形状等の具体的な構成は特に限定されるものではない。また、この「レンズ中央部」は、その水平断面内における後側焦点が、投影レンズの後側焦点から前後方向に変位した位置に設定されているが、その変位方向は、後側焦点の前方側であってもよいし後方側であってもよい。一方、この「レンズ中央部」の鉛直断面内における後側焦点については、投影レンズの後側焦点に位置設定されていてもよいし、この後側焦点から前後方向に変位した位置に設定されていてもよい。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、プロジェクタ型の車両用前照灯として構成されており、そのリフレクタで反射して投影レンズを透過した光源からの光により、所定の灯具配光パターンを形成するようになっているが、その投影レンズは、光軸の近傍に位置するレンズ中央部と、このレンズ中央部を囲むレンズ周縁部とからなり、そのレンズ中央部の水平断面内における後側焦点は、投影レンズの後側焦点から前後方向に変位した位置に設定されており、そして、そのレンズ中央部により、リフレクタからの反射光を少なくとも水平方向に拡散させて灯具配光パターンの拡散領域を形成するとともに、そのレンズ周縁部により、リフレクタからの反射光を略平行光にして灯具配光パターンの高光度領域を形成するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、プロジェクタ型の車両用前照灯において、リフレクタからの反射光は、その反射面において光源に比較的近い位置にある中央反射領域からの反射光が投影レンズのレンズ中央部に入射し、光源から比較的離れた位置にある周縁反射領域からの反射光が投影レンズのレンズ周縁部に入射する。その際、中央反射領域からの反射光により投影レンズの後側焦点面上に形成される光源像は比較的大きく、周縁反射領域からの反射光により上記後側焦点面上に形成される光源像は比較的小さいものとなる。
したがって、レンズ中央部の水平断面内における後側焦点を、投影レンズの後側焦点から前後方向に変位した位置に設定し、このレンズ中央部により、中央反射領域からの反射光を少なくとも水平方向に拡散させて、灯具配光パターンの拡散領域を形成するようにすれば、この拡散領域を、投影レンズの後側焦点面上に形成された比較的大きい像が水平方向に引き伸ばされるようにして投影照射された配光パターンにより形成することができ、これを配光ムラの少ないものとすることができる。
一方、レンズ周縁部により、周縁反射領域からの反射光を略平行光にして、灯具配光パターンの高光度領域を形成するようにすれば、この高光度領域を、投影レンズの後側焦点面上に形成された比較的小さい像がそのまま投影照射されたスポット状の配光パターンにより形成することができ、その中心光度を十分に高めることができる。
このように本願発明によれば、プロジェクタ型の車両用前照灯において、この車両用前照灯により形成される灯具配光パターンの中心光度を十分に高めることができるとともに、その配光ムラを最小限に抑えることができる。そしてこれにより車両前方路面の視認性を高めることができる。
上記構成において、レンズ中央部の鉛直断面内における後側焦点を、投影レンズの後側焦点近傍に位置設定すれば、このレンズ中央部からの出射光により形成される配光パターンを、上下方向にはほとんど拡散することなく左右方向に拡散する横長の配光パターンとすることができ、これを灯具配光パターンの拡散領域の形成に一層適したものとすることができる。
上記構成において、レンズ中央部の外形形状が特に限定されないことは上述したとおりであるが、これを灯具正面視において縦長の略楕円形状に設定すれば、投影レンズの意匠を通常の投影レンズの意匠とはかなり異なったものとすることができる。また、このようにした場合には、レンズ周縁部の幅が光軸の上下両側において狭くなるが、このレンズ周縁部において光軸の上下両側に位置する部分は、光源が光軸に沿って延びる線分光源である場合には、配光ムラの原因となる縦長の光源像を投影照射することとなるので、その幅を狭めておくことにより、灯具配光パターンの配光ムラを効果的に抑えることができる。
このようにした場合、レンズ中央部の左右両側には、該レンズ中央部とレンズ周縁部との間に大きな段差部が形成されることとなる。その際、レンズ中央部の水平断面内における後側焦点を、投影レンズの後側焦点よりも前方側に位置設定すれば、レンズ中央部からの出射光を水平方向に関して光軸寄りの方向に偏向させることができる。そしてこれにより、レンズ中央部からの出射光を、その左右両側の段差部によって遮蔽してしまうことなく左右方向に拡散させることができる。
一方、レンズ中央部の外形形状を、灯具正面視において横長の略楕円形状に設定した場合にも、投影レンズの意匠を通常の投影レンズの意匠とはかなり異なったものとすることができる。また、このようにした場合には、レンズ中央部の水平断面内における後側焦点を、投影レンズの後側焦点よりも後方側に位置設定すれば、レンズ中央部の水平断面の曲率を小さくしてその肉厚が過大にならないようにすることができる。なお、このようにした場合には、レンズ中央部からの出射光は水平方向に関して光軸から離れる方向へ向かうこととなるが、レンズ中央部の外形形状が横長の略楕円形状に設定されている場合には、レンズ中央部の左右両側に大きな段差部が形成されることはないので、レンズ中央部からの出射光を、その左右両側の段差部によってほとんど遮蔽してしまうことなく、左右方向に拡散させることができる。
上記構成において、レンズ中央部を、光軸を含む水平面を略境にしてレンズ上半部とレンズ下半部とに分かれた構成とし、そのレンズ上半部の鉛直断面内における後側焦点を投影レンズの後側焦点よりも後方側に位置設定するとともに、そのレンズ下半部の鉛直断面内における後側焦点を投影レンズの後側焦点よりも前方側に位置設定すれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、このようにした場合、レンズ上半部およびレンズ下半部からの出射光は、いずれも光軸に対してやや上向きの光となるので、灯具配光パターンの下端部の明るさを抑えることができ、これにより車両前方路面の近距離領域が明るくなり過ぎるのを防止して、その遠方視認性を高めることができる。
上記構成において、リフレクタを、光源近傍の点を第1焦点とするとともに投影レンズの後側焦点近傍の点を第2焦点とする楕円により鉛直断面形状が形成された反射面を有する構成とすれば、リフレクタからの反射光を上下方向に関して投影レンズの後側焦点に略収束させることができ、これにより灯具配光パターンの上下幅が過大にならないようにすることができる。
この場合において、リフレクタの反射面を回転楕円面で構成すれば、リフレクタを安価に精度良く形成することができる。なお、このようにした場合には、リフレクタからの反射光は左右方向に関しても投影レンズの後側焦点に略収束することとなるが、投影レンズのレンズ中央部が左右拡散機能を有しているので、横長の灯具配光パターンを形成することができる。
また、これらの場合において、リフレクタの反射面を、光軸を含む水平面を略境にして反射面上半部と反射面下半部とに分かれた構成とし、その反射面上半部の第1焦点を光源の発光中心よりも後方側に位置設定するとともに、その反射面下半部の第1焦点を光源の発光中心よりも前方側に位置設定すれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、このようにした場合、反射面上半部および反射面下半部からの反射光により投影レンズの後側焦点面上に形成される光源像は、いずれも光軸に対してやや下方に変位した位置に形成されるので、その投影レンズによる反転投影像は光軸に対してやや上方へ変位した位置に形成されることとなり、これにより灯具配光パターンの下端部の明るさを抑えることができる。そしてこれにより車両前方路面の近距離領域が明るくなり過ぎるのを防止して、その遠方視認性を高めることができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯10を示す正面図である。また、図2は、図1のII-II
線断面図であり、図3は、図1のIII-III 線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、ハイビーム用配光パターンを形成するための光照射を行うプロジェクタ型の灯具ユニットとして構成されており、図示しないランプボディ等に組み込まれた状態で用いられるようになっている。
この車両用前照灯10は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置された投影レンズ12と、この投影レンズ12の後側焦点Fよりも後方側に配置された光源14aと、この光源14aからの光を前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させるリフレクタ16と、このリフレクタ16と投影レンズ12とを連結するホルダ18とを備えてなっている。
図4は、投影レンズ12を単品で示す斜視図である。
同図にも示すように、この投影レンズ12は、前方側表面が凸面で構成されるとともに後方側表面が平面で構成された平凸非球面レンズを、2重のフレネルレンズ状に変形させたような形状を有している。そして、この投影レンズ12は、その後側焦点Fを含む焦点面上の像を、灯具前方に配置された鉛直仮想スクリーン上に反転像として投影照射するようになっている。
この投影レンズ12は、光軸Axの近傍に位置するレンズ中央部12Aと、このレンズ中央部12Aを囲むレンズ周縁部12Bとからなっている。これらレンズ中央部12Aおよびレンズ周縁部12Bは、いずれも灯具正面視における外形形状が円形に設定されており、両者間には円柱に近い円錐状の段差部12aが形成されている。
レンズ周縁部12Bは、上述した平凸非球面レンズの一部として構成されており、その後側焦点は、投影レンズ12の後側焦点Fと一致している。
一方、レンズ中央部12Aは、その鉛直断面内における後側焦点は、投影レンズ12の後側焦点Fと一致しているが、その水平断面内における後側焦点は、投影レンズ12の後側焦点Fよりも幾分前方側に変位した光軸Ax上の点Aに位置設定されている。
光源バルブ14は、放電発光部を光源14aとするメタルハライドバルブ等の放電バルブであって、リフレクタ16の後頂開口部16bに挿着されており、その光源14aは、光軸Ax上において該光軸Axに沿って延びる線分光源として構成されている。
リフレクタ16は、光軸Axを中心軸とする回転楕円面で構成された反射面16aを有している。その際、この反射面16aを構成する回転楕円面は、その第1焦点が光源14aの発光中心に位置設定されており、その第2焦点が投影レンズ12の後側焦点Fに位置設定されている。そしてこれにより、リフレクタ16は、光源14aからの光を、前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させて、投影レンズ12の後側焦点Fの位置に収束させ、この後側焦点Fからの発散光として投影レンズ12に入射させるようになっている。
ホルダ18は、投影レンズ12とリフレクタ16との間に配置された略円筒状の部材であって、その前端部において投影レンズ12を固定支持するとともに、その後端部においてリフレクタ16に固定支持されており、これにより投影レンズ12とリフレクタ16とを上記位置関係で位置決めするようになっている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
図2に示すように、投影レンズ12に入射したリフレクタ16からの反射光は、鉛直断面内では、そのレンズ中央部12Aおよびレンズ周縁部12Bのいずれにおいても、光軸Axと平行な光として前方へ出射する。
一方、図3に示すように、水平断面内では、投影レンズ12に入射したリフレクタ16からの反射光は、そのレンズ周縁部12Bにおいては光軸Axと平行な光として前方へ出射するが、そのレンズ中央部12Aにおいては、レンズ中央部12Aの水平断面内における後側焦点Aが投影レンズ12の後側焦点Fよりも前方側に変位しているので、光軸Ax寄りに偏向して左右方向に拡散する光として前方へ出射する。
図5は、本実施形態に係る車両用前照灯10から前方へ照射される光により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、レンズ中央部12Aからの出射光により形成される配光パターンPAと、レンズ周縁部12Bからの出射光により形成される配光パターンPBとの合成配光パターンとして形成されており、その高光度領域であるホットゾーンHZは、灯具正面方向の消点であるH−V近傍に位置している。
配光パターンPAは、H−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる横長の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を構成している。この配光パターンPAが、このようにH−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる横長の配光パターンとして形成されるのは、レンズ中央部12Aからの出射光が、水平方向に関しては左右両側に拡散するのに対して上下方向に関しては拡散しないことによるものである。
一方、配光パターンPBは、H−Vを中心とするスポット状の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを構成している。この配光パターンPBが、このようにH−Vを中心とするスポット状の配光パターンとして形成されるのは、レンズ周縁部12Bからの出射光が、上下方向および水平方向共に拡散しないことによるものである。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、プロジェクタ型の車両用前照灯として構成されており、そのリフレクタ16で反射して投影レンズ12を透過した光源14aからの光により、ハイビーム用配光パターンPHを灯具配光パターンとして形成するようになっているが、その投影レンズ12は、光軸Axの近傍に位置するレンズ中央部12Aと、このレンズ中央部12Aを囲むレンズ周縁部12Bとからなり、そのレンズ中央部12Aの水平断面内における後側焦点Aは、投影レンズ12の後側焦点Fから前方に変位した位置に設定されており、そして、そのレンズ中央部12Aにより、リフレクタ16からの反射光を水平方向に拡散させてハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を形成するとともに、そのレンズ周縁部12Bにより、リフレクタ16からの反射光を平行光にしてハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを形成するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態に係るプロジェクタ型の車両用前照灯10において、リフレクタ16からの反射光は、その反射面16aにおいて光源14aに比較的近い位置にある中央反射領域からの反射光が投影レンズ12のレンズ中央部12Aに入射し、光源14aから比較的離れた位置にある周縁反射領域からの反射光が投影レンズ12のレンズ周縁部12Bに入射する。その際、反射面16aの中央反射領域からの反射光により投影レンズ12の後側焦点面上に形成される光源像は比較的大きく、反射面16aの周縁反射領域からの反射光により上記後側焦点面上に形成される光源像は比較的小さいものとなる。
したがって、本実施形態のように、レンズ中央部12Aの水平断面内における後側焦点Aを、投影レンズ12の後側焦点Fから前方に変位した位置に設定し、このレンズ中央部12Aにより、反射面16aの中央反射領域からの反射光を水平方向に拡散させて、ハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を形成するようにすれば、この拡散領域を、投影レンズ12の後側焦点面上に形成された比較的大きい像が水平方向に引き伸ばされるようにして投影照射された配光パターンPAにより形成することができ、これを配光ムラの少ないものとすることができる。
また、本実施形態のように、レンズ周縁部12Bにより、反射面16aの周縁反射領域からの反射光を平行光にして、ハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを形成するようにすれば、このホットゾーンHZを、投影レンズ12の後側焦点面上に形成された比較的小さい像がそのまま投影照射されたスポット状の配光パターンPBにより形成することができ、その中心光度を十分に高めることができる。
このように本実施形態によれば、プロジェクタ型の車両用前照灯10において、この車両用前照灯10により形成されるハイビーム用配光パターンPHの中心光度を十分に高めることができるとともに、その配光ムラを最小限に抑えることができる。そしてこれにより車両前方路面の視認性を高めることができる。
特に本実施形態においては、レンズ中央部12Aの鉛直断面内における後側焦点が、投影レンズ12の後側焦点Fに位置設定されているので、このレンズ中央部12Aからの出射光により形成される配光パターンPAを、上下方向には拡散することなく左右方向に拡散する横長の配光パターンとすることができ、これをハイビーム用配光パターンPHの拡散領域の形成に一層適したものとすることができる。
また本実施形態においては、投影レンズ12が、平凸非球面レンズを2重のフレネルレンズ状に変形させたような形状を有しているので、その意匠を通常の投影レンズの意匠とは異なったものとすることができるとともに、その薄肉化を図ることができる。
その際、レンズ中央部12Aの周囲には、前方側へ立ち上がる段差部12aが形成されているが、レンズ中央部12Aの水平断面内における後側焦点Aは、投影レンズ12の後側焦点Fよりも前方側に位置設定されており、レンズ中央部12Aからの出射光は水平方向に関して光軸Ax寄りの方向に偏向するので、このレンズ中央部12Aからの出射光を、その左右両側の段差部12aによって遮蔽してしまうことなく左右方向に拡散させることができる。
さらに本実施形態においては、リフレクタ16の反射面16aが、光源14aの発光中心を第1焦点とするとともに投影レンズ12の後側焦点Fを第2焦点とする回転楕円面で構成されているので、リフレクタ16を安価に精度良く形成することができる。また、このリフレクタ16の反射面16aからの反射光は、投影レンズ12の後側焦点Fに収束し、この後側焦点Fからの発散光として投影レンズ12に入射することとなるので、投影レンズ12の光学設計を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態においては、リフレクタ16の反射面16aが、回転楕円面で構成されているものとして説明したが、この回転楕円面を多少変形させたような反射面を採用することも可能である。このようにした場合には、この反射面からの反射光は、投影レンズ12の後側焦点Fへの収束性がやや悪化するので、この反射光により形成されるハイビーム用配光パターンは、ハイビーム用配光パターンPHに比して全体的に集光性がやや悪化することとなる。したがって、このようにした場合においても、反射面の鉛直断面形状に関しては、光源14aの発光中心を第1焦点とするとともに投影レンズ12の後側焦点Fを第2焦点とする楕円で構成することが好ましい。
また、上記実施形態においては、投影レンズ12が、平凸非球面レンズを2重のフレネルレンズ状に変形させたような形状を有しているものとして説明したが、該投影レンズ12の前方側表面を、そのレンズ中央部12Aの上下両端部において該レンズ中央部12Aとレンズ周縁部12Bとが面一になるように形成し、該レンズ中央部12Aの左右両側部分のみが非球面から略三日月状に陥没するように形成した形状に設定することも可能である。
さらに、上記実施形態においては、灯具配光パターンとしてハイビーム用配光パターンPHを形成する場合について説明したが、これ以外の配光パターンを形成することももちろん可能であり、例えば、投影レンズ12の後側焦点F近傍にシェード等を配置して、ロービーム用配光パターン等を形成することが可能である。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る車両用前照灯110を示す正面図である。また、図7は、図6のVII-VII 線断面図であり、図8は、図6のVIII-VIII 線断面図である。
これらの図に示すように、この車両用前照灯110は、その光源バルブ14、リフレクタ16およびホルダ18の構成については上記実施形態の場合と同様であるが、投影レンズ112の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例の投影レンズ112は、図9に単品でも示すように、そのレンズ中央部112Aの外形形状が、灯具正面視において縦長楕円形状に設定されており、上記実施形態のレンズ中央部12Aに比して、その上下幅がやや広く、その左右幅がやや狭くなっている。
このレンズ中央部112Aは、上記実施形態のレンズ中央部12Aと同様、その鉛直断面内における後側焦点が、投影レンズ112の後側焦点Fと一致しており、その水平断面内における後側焦点が、投影レンズ112の後側焦点Fよりも幾分前方側に変位した光軸Ax上の点Bに位置設定されている。
一方、レンズ周縁部112Bは、上記実施形態のレンズ中央部12Aと同様、投影レンズ112を構成する平凸非球面レンズの一部として構成されており、その後側焦点は、投影レンズ112の後側焦点Fと一致している。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
図7に示すように、投影レンズ112に入射したリフレクタ16からの反射光は、鉛直断面内では、そのレンズ中央部112Aおよびレンズ周縁部112Bのいずれにおいても、光軸Axと平行な光として前方へ出射する。
一方、図8に示すように、水平断面内では、投影レンズ112に入射したリフレクタ16からの反射光は、そのレンズ周縁部112Bにおいては光軸Axと平行な光として前方へ出射するが、そのレンズ中央部112Aにおいては、該レンズ中央部112Aの水平断面内における後側焦点Bが投影レンズ112の後側焦点Fよりも前方側に変位しているので、光軸Ax寄りに偏向して左右方向に拡散する光として前方へ出射する。
図10は、本変形例に係る車両用前照灯110から前方へ照射される光により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、上記実施形態の場合と同様、レンズ中央部112Aからの出射光により形成される配光パターンPAと、レンズ周縁部112Bからの出射光により形成される配光パターンPBとの合成配光パターンとして形成されており、そのホットゾーンHZはH−V近傍に位置している。
その際、配光パターンPAは、上記実施形態の場合と同様、H−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる横長の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を構成している。
また、配光パターンPBも、上記実施形態の場合と同様、H−Vを中心とするスポット状の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを構成している。ただし、この配光パターンPBは、上記実施形態において形成される配光パターンPB´に比して、上下幅がやや狭くて左右幅がやや広い偏平形の配光パターンとなっている。
配光パターンPBが、このように偏平形の配光パターンとして形成されるのは、以下の理由によるものである。
すなわち、投影レンズ112において、光軸Axの上下両側に位置する部分は、縦長の光源像を投影照射し、光軸Axの左右両側に位置する部分は、横長の光源像を投影照射する。また、投影レンズ112において、光軸Ax寄りに位置する部分ほど、大きい光源像を投影照射する。
その際、レンズ中央部112Aは、上記実施形態のレンズ中央部12Aに比して、上下幅がやや広くて左右幅がやや狭い縦長楕円形状を有しており、これに伴い、レンズ周縁部112Bの幅は、光軸Axの上下両側において狭く、光軸Axの左右両側において広くなっている。このため、レンズ周縁部112Bにより投影照射される光源像は、上記実施形態の場合に比して、縦長の大きい光源像の割合が少なくなり、横長の大きい光源像の割合が多くなる。したがって、これら光源像を重畳することにより形成される配光パターンPBは、偏平形の配光パターンとなる。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、本変形例の構成を採用することにより、スポット状に形成される配光パターンPBを偏平形の配光パターンとすることができるので、この配光パターンPBの下端部が車両前方路面において光溜りを形成してしまうおそれを低減することができ、これによりハイビーム用配光パターンPHの配光ムラを一層効果的に抑えることができる。
なお、レンズ周縁部112Bにおける光軸Axの上下両側部分の幅が狭くなった分だけ、レンズ中央部112Aにおける光軸Axの上下両側部分の幅は広くなり、その部分から縦長の大きい光源像が投影照射されることとなるが、このレンズ中央部112Aからの出射光は左右方向に拡散されるので、縦長の大きい光源像は左右方向に引き伸ばされて配光パターンPAの一部を形成することとなり、配光パターンPBのように光源像がそのまま投影照射される場合に比して、配光ムラの抑制効果を高めることができる。
また本変形例においては、レンズ中央部112Aの外形形状が、灯具正面視において縦長楕円形状に設定されているので、その左右両側には、上記実施形態の段差部12aよりもさらに高い段差部112aが形成されるが、本変形例においても、レンズ中央部112Aの水平断面内における後側焦点Bが、投影レンズ112の後側焦点Fよりも前方側に位置設定されており、レンズ中央部112Aからの出射光は水平方向に関して光軸Ax寄りの方向に偏向するので、このレンズ中央部112Aからの出射光を、その左右両側の段差部112aによって遮蔽してしまうことなく左右方向に拡散させることができる。
さらに本実施形態においては、投影レンズ112が、平凸非球面レンズを2重のフレネルレンズ状に変形させたような形状を有している上に、そのレンズ中央部112Aが縦長楕円形の外形形状を有しているので、その意匠を通常の投影レンズの意匠とはかなり異なったものとすることができるとともに、その薄肉化を図ることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図11は、本変形例に係る車両用前照灯210を示す正面図である。また、図12は、図11のXII-XII
線断面図である。
これらの図に示すように、この車両用前照灯210は、その光源バルブ14、リフレクタ16およびホルダ18の構成については上記実施形態の場合と同様であるが、投影レンズ212の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例の投影レンズ212は、そのレンズ中央部212Aの外形形状が、灯具正面視において横長楕円形状に設定されており、上記実施形態のレンズ中央部12Aに比して、その上下幅がやや狭く、その左右幅がやや広くなっている。
このレンズ中央部212Aは、その鉛直断面内における後側焦点が、投影レンズ212の後側焦点Fと一致しており、その水平断面内における後側焦点が、投影レンズ212の後側焦点Fよりも幾分後方側に変位した光軸Ax上の点Cに位置設定されている。
一方、レンズ周縁部212Bは、上記実施形態のレンズ周縁部12Bと同様、投影レンズ212を構成する平凸非球面レンズの一部として構成されており、その後側焦点は、投影レンズ212の後側焦点Fと一致している。
次に、本変形例の作用効果について説明する。
投影レンズ212に入射したリフレクタ16からの反射光は、鉛直断面内では、そのレンズ中央部212Aおよびレンズ周縁部212Bのいずれにおいても、光軸Axと平行な光として前方へ出射する。
一方、図12に示すように、水平断面内では、投影レンズ212に入射したリフレクタ16からの反射光は、そのレンズ周縁部212Bにおいては光軸Axと平行な光として前方へ出射するが、そのレンズ中央部212Aにおいては、該レンズ中央部212Aの水平断面内における後側焦点Cが投影レンズ212の後側焦点Fよりも後方側に変位しているので、光軸Axから離れる方向へ偏向して左右方向に拡散する光として前方へ出射する。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも本実施形態においては、投影レンズ212が、平凸非球面レンズを2重のフレネルレンズ状に変形させたような形状を有している上に、そのレンズ中央部212Aが横長楕円形の外形形状を有しているので、その意匠を通常の投影レンズの意匠とはかなり異なったものとすることができるとともに、その薄肉化を図ることができる。
その際、レンズ中央部212Aの水平断面内における後側焦点Cは、投影レンズ212の後側焦点Fよりも後方側に位置設定されているので、レンズ中央部212Aの水平断面の曲率を小さくしてその肉厚が過大にならないようにすることができる。
なお、このようにした場合には、レンズ中央部212Aからの出射光は水平方向に関して光軸Axから離れる方向へ向かうこととなるが、レンズ中央部212Aの外形形状が横長の略楕円形状に設定されており、その左右両側の段差部212aは、さほど大きな段差部とはならないので、レンズ中央部212Aからの出射光を、その左右両側の段差部212aによって遮蔽してしまうことなく左右方向に拡散させることができる。
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
図13は、本変形例に係る車両用前照灯310を示す側断面図である。
同図に示すように、この車両用前照灯310は、その光源バルブ14、リフレクタ16およびホルダ18の構成については上記実施形態の場合と同様であるが、投影レンズ312の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例の投影レンズ312は、そのレンズ中央部312Aが、光軸Axを含む水平面を境にしてレンズ上半部312A1とレンズ下半部312A2とに分かれている。
その際、レンズ上半部312A1は、その鉛直断面内における後側焦点D1が投影レンズ12の後側焦点Fよりも後方側に位置設定されており、レンズ下半部312A2は、その鉛直断面内における後側焦点D2が投影レンズ12の後側焦点Fよりも前方側に位置設定されている。そしてこれにより、これらレンズ上半部312A1およびレンズ下半部312A2は、いずれも、リフレクタ16からの反射光をやや上向きに偏向させて、これを光軸Axに対してやや上向きの光として出射させるようになっている。
ただし、これら各レンズ上半部312A1、レンズ下半部312A2の水平断面内における後側焦点は、投影レンズ312の後側焦点Fと一致している。
一方、投影レンズ312のレンズ周縁部312Bは、上記実施形態のレンズ周縁部12Bと同様、投影レンズ312を構成する平凸非球面レンズの一部として構成されており、その後側焦点は、投影レンズ312の後側焦点Fと一致している。
図14は、本変形例に係る車両用前照灯310から前方へ照射される光により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、上記実施形態の場合と同様、レンズ中央部312Aからの出射光により形成される配光パターンPAと、レンズ周縁部312Bからの出射光により形成される配光パターンPBとの合成配光パターンとして形成されており、そのホットゾーンHZはH−V近傍に位置している。
配光パターンPAは、上記実施形態の場合と同様、H−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる横長の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を構成している。ただし、この配光パターンPAは、上記実施形態において形成される配光パターンPA´に比して、上方へやや変位した位置に形成されている。これは、レンズ中央部312Aを構成するレンズ上半部312A1およびレンズ下半部312A2からの出射光が、いずれも光軸Axに対してやや上向きに出射する光となることによるものである。
一方、配光パターンPBは、上記実施形態の場合と同様、H−Vを中心とするスポット状の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを構成している。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、本変形例の構成を採用することにより、配光パターンPAを、上記実施形態において形成される配光パターンPA´に比して、上方へやや変位した位置に形成することができるので、ホットゾーンHZの位置をH−V近傍に維持した上で、ハイビーム用配光パターンPHの下端部の明るさを抑えることができる。そしてこれにより、車両前方路面の近距離領域が明るくなり過ぎるのを防止して、その遠方視認性を高めることができる。
次に、上記実施形態の第4変形例について説明する。
図15は、本変形例に係る車両用前照灯410を示す側断面図である。
同図に示すように、この車両用前照灯410は、その投影レンズ12、光源バルブ14およびホルダ18の構成については上記実施形態の場合と同様であるが、リフレクタ416の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例のリフレクタ416は、その反射面416aが、光軸Axを含む水平面を境にして反射面上半部416a1と反射面下半部416a2とに分かれている。
その際、反射面上半部416a1は、これを構成する回転楕円面の第1焦点E1が光源14aの発光中心よりも後方側に位置設定されており、また、反射面下半部416a2は、これを構成する回転楕円面の第1焦点E2が光源14aの発光中心よりも前方側に位置設定されている。なお、これら反射面上半部416a1および反射面下半部416a2を構成する各回転楕円面の第2焦点は、いずれも投影レンズ12の後側焦点Fに位置設定されている。そしてこれにより、反射面上半部416a1および反射面下半部416a2からの反射光により投影レンズ12の後側焦点面上に形成される光源像を、いずれも光軸Axに対してやや下方に変位した位置に形成するようになっている。
図16は、本変形例に係る車両用前照灯410から前方へ照射される光により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、上記実施形態の場合と同様、レンズ中央部312Aからの出射光により形成される配光パターンPAと、レンズ周縁部312Bからの出射光により形成される配光パターンPBとの合成配光パターンとして形成されており、そのホットゾーンHZはH−V近傍に位置している。
配光パターンPAは、上記実施形態の場合と同様、H−Vを中心にして左右方向に大きく拡がる横長の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHの拡散領域を構成している。ただし、この配光パターンPAは、上記実施形態において形成される配光パターンPA´を多少変形させた形状で、該配光パターンPA´に比して上方へやや変位した位置に形成されている。
一方、配光パターンPBは、上記実施形態の場合と同様、H−Vを略中心とするスポット状の配光パターンとして形成されており、これによりハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZを構成している。ただし、この配光パターンPBは、上記実施形態において形成される配光パターンPB´を多少変形させた形状で、該配光パターンPB´に比して上方へやや変位した位置に形成されている。
このように、これら各配光パターンPA、PBが、各配光パターンPA´、PB´に対して多少変形しており、かつ上方へやや変位しているのは、反射面上半部416a1および反射面下半部416a2からの反射光により投影レンズ12の後側焦点面上に形成される光源像が、いずれも光軸Axに対してやや下方に変位した位置に形成され、その投影レンズ12による反転投影像が光軸Axに対してやや上方へ変位した位置に形成されることによるものである。
この点について、図17に基づいて詳細に説明する。
図17(a)は、レンズ中央部12Aからの出射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される光源14aの像を示す図であり、同図(b)は、レンズ周縁部12Bからの出射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される光源14aの像を示す図である。
図17(a)に示すように、仮にレンズ中央部12Aが左右拡散機能を有していないとすると、上記実施形態のレンズ中央部12Aからの出射光により形成される光源像IA´は、その中心点がH−Vに位置するようにして放射状に形成されるのに対し、本変形例のレンズ中央部12Aからの出射光により形成される光源像IAは、その中心点よりもその下端部寄りの点がH−Vに位置するようにして放射状に形成される。実際には、レンズ中央部12Aは左右拡散機能を有しているので、放射状に形成された光源像IAが左右方向に引き伸ばされて配光パターンPAが形成される。
また、図17(b)に示すように、上記実施形態のレンズ周縁部12Bからの出射光により形成される光源像IB´は、その中心点がH−Vに位置するようにして放射状に形成されるのに対し、本変形例のレンズ周縁部12Bからの出射光により形成される光源像IBは、その中心点よりもその下端部寄りの点がH−Vに位置するようにして放射状に形成される。そして、レンズ周縁部12Bは左右拡散機能を有していないので、放射状に形成された光源像IBがそのまま重畳されて配光パターンPBが形成される。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、本変形例の構成を採用することにより、各配光パターンPA、PBを、上記実施形態において形成される各配光パターンPA´、PB´に比して、上方へやや変位した位置に形成することができる。その際、これら各配光パターンPA、PBは、H−Vを中心にして放射状に形成される光源像IA、IBを元にして形成されるので、各配光パターンPA´、PB´に比して上方へ変位しているにもかかわらず、その最高光度位置をH−V近傍に維持することができる。
したがって、ハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンHZの最高光度位置をH−V近傍に維持したままハイビーム用配光パターンPHの下端部の明るさを抑えることができる。そしてこれにより、車両前方路面の近距離領域が明るくなり過ぎるのを効果的に防止して、その遠方視認性を一層高めることができる。
なお、上記実施形態および各変形例以外の構成を採用することも可能であり、また、これらを適宜組み合わせた構成とすることも可能である。
本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す正面図 図1のII-II 線断面図 図1のIII-III 線断面図 上記車両用前照灯の投影レンズを単品で示す斜視図 上記車両用前照灯から前方へ照射される光により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図 上記実施形態の第1変形例に係る車両用前照灯を示す正面図 図6のVII-VII 線断面図 図6のVIII-VIII 線断面図 図6に示す車両用前照灯の投影レンズを単品で示す斜視図 図6に示す車両用前照灯から前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図 上記実施形態の第2変形例に係る車両用前照灯を示す正面図 図11のXII-XII 線断面図 上記実施形態の第3変形例に係る車両用前照灯を示す側断面図 図13に示す車両用前照灯から前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図 上記実施形態の第4変形例に係る車両用前照灯を示す側断面図 図15に示す車両用前照灯から前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図 図15に示す車両用前照灯により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成される光源の像を示す図であって、同図(a)は、その投影レンズのレンズ中央部からの出射光により形成される光源像を示す図、同図(b)は、その投影レンズのレンズ周縁部からの出射光により形成される光源像を示す図
符号の説明
10、110、210、310、410 車両用前照灯
12、112、212、312 投影レンズ
12A、112A、212A、312A レンズ中央部
12B、112B、212B、312B レンズ周縁部
12a、112a、212a 段差部
14 光源バルブ
14a 光源
16、416 リフレクタ
16a、416a 反射面
16b 後頂開口部
18 ホルダ
312A1 レンズ上半部
312A2 レンズ下半部
416a1 反射面上半部
416a2 反射面下半部
A、B、C レンズ中央部の水平断面内における後側焦点
Ax 光軸
D1 レンズ上半部の鉛直断面内における後側焦点
D2 レンズ下半部の鉛直断面内における後側焦点
E1、E2 第1焦点
F 後側焦点
HZ ホットゾーン
IA、IA´、IB、IB´ 光源像
PA、PA´、PB、PB´ 配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン

Claims (8)

  1. 車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるリフレクタとを備えてなり、上記リフレクタで反射して上記投影レンズを透過した上記光源からの光により、所定の灯具配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、
    上記投影レンズが、上記光軸の近傍に位置するレンズ中央部と、このレンズ中央部を囲むレンズ周縁部とからなり、
    上記レンズ中央部の水平断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点から前後方向に変位した位置に設定されており、このレンズ中央部により、上記リフレクタからの反射光を少なくとも水平方向に拡散させて上記灯具配光パターンの拡散領域を形成するとともに、上記レンズ周縁部により、上記リフレクタからの反射光を略平行光にして上記灯具配光パターンの高光度領域を形成するように構成されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 上記レンズ中央部の鉛直断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点近傍に位置設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
  3. 上記レンズ中央部の外形形状が、灯具正面視において縦長の略楕円形状に設定されており、
    上記レンズ中央部の水平断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点よりも前方側に位置設定されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
  4. 上記レンズ中央部の外形形状が、灯具正面視において横長の略楕円形状に設定されており、
    上記レンズ中央部の水平断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点よりも後方側に位置設定されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
  5. 上記レンズ中央部が、上記光軸を含む水平面を略境にしてレンズ上半部とレンズ下半部とに分かれており、
    上記レンズ上半部の鉛直断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点よりも後方側に位置設定されており、
    上記レンズ下半部の鉛直断面内における後側焦点が、上記投影レンズの後側焦点よりも前方側に位置設定されている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の車両用前照灯。
  6. 上記リフレクタが、上記光源近傍の点を第1焦点とするとともに上記投影レンズの後側焦点近傍の点を第2焦点とする楕円により鉛直断面形状が形成された反射面を有している、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の車両用前照灯。
  7. 上記リフレクタの反射面が、回転楕円面で構成されている、ことを特徴とする請求項6記載の車両用前照灯。
  8. 上記リフレクタの反射面が、上記光軸を含む水平面を略境にして反射面上半部と反射面下半部とに分かれており、
    上記反射面上半部の第1焦点が、上記光源の発光中心よりも後方側に位置設定されており、
    上記反射面下半部の第1焦点が、上記光源の発光中心よりも前方側に位置設定されている、ことを特徴とする請求項6または7記載の車両用前照灯。
JP2005300518A 2005-10-14 2005-10-14 車両用前照灯 Expired - Fee Related JP4531673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005300518A JP4531673B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 車両用前照灯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005300518A JP4531673B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 車両用前照灯

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007109561A JP2007109561A (ja) 2007-04-26
JP4531673B2 true JP4531673B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=38035266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005300518A Expired - Fee Related JP4531673B2 (ja) 2005-10-14 2005-10-14 車両用前照灯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4531673B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4931137B2 (ja) * 2007-05-30 2012-05-16 オリンパスイメージング株式会社 投光範囲を変更可能な投光光学系及びそれを備えた投光装置
JP5044864B2 (ja) * 2007-08-08 2012-10-10 スタンレー電気株式会社 灯具用投影レンズ、及び、灯具用投影レンズを用いた灯具
DE102007040760B4 (de) * 2007-08-29 2016-03-24 Automotive Lighting Reutlingen Gmbh Projektionsmodul eines Fahrzeugscheinwerfers
JP6299265B2 (ja) * 2014-02-19 2018-03-28 市光工業株式会社 車両用前照灯

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0424203U (ja) * 1990-06-19 1992-02-27
JPH0636105U (ja) * 1992-10-09 1994-05-13 株式会社小糸製作所 プロジェクタ型前照灯
JPH0650109U (ja) * 1992-12-07 1994-07-08 株式会社小糸製作所 プロジェクタ型灯具用コンデンサーフレネルレンズ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0424203U (ja) * 1990-06-19 1992-02-27
JPH0636105U (ja) * 1992-10-09 1994-05-13 株式会社小糸製作所 プロジェクタ型前照灯
JPH0650109U (ja) * 1992-12-07 1994-07-08 株式会社小糸製作所 プロジェクタ型灯具用コンデンサーフレネルレンズ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007109561A (ja) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4205048B2 (ja) 車両用前照灯
KR100767253B1 (ko) 차량용 전조등
JP4391870B2 (ja) 車両用照明灯具
US7364332B2 (en) Vehicle headlamp
JP4579094B2 (ja) 車両用前照灯
KR100824912B1 (ko) 차량용 전조등
JP4264319B2 (ja) 車両用前照灯
US7281830B2 (en) Vehicle headlamp and lamp unit
JP4536479B2 (ja) 車両用前照灯
US7367703B2 (en) Vehicle headlamp and lamp unit
JP4926642B2 (ja) 車両用照明灯具
JP2007035467A (ja) 車両用前照灯
JP4531673B2 (ja) 車両用前照灯
JP4279183B2 (ja) 車両用前照灯
JP4647651B2 (ja) 車両用前照灯
US7461953B2 (en) Vehicle headlamp
JP4264364B2 (ja) 車両用前照灯
JP5797099B2 (ja) 車両用照明灯具
JP2011040168A (ja) 車両用前照灯
JP4279162B2 (ja) 車両用前照灯
JP2010061916A (ja) Led光源車両用灯具
JP2008130465A (ja) 車両前照灯
JP2010199094A (ja) 光源ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4531673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees