JP4530479B2 - 精密加工装置 - Google Patents

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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Description

【発明が属する技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシリコンウェハ、磁気ディスク基板あるいは水晶発振子用基板等の極めて精密な形状精度と仕上面粗さを必要とする物品の加工を行なうための装置に係わるものであり、更に詳しくは、ワーク(被加工体)を把持し回転を与えるための装置を搭載するテーブルと、砥石等加工用の手段を装着し回転を与える装置を搭載するテーブルとを具備した精密加工装置に係わる。
【0002】
【従来技術】
近年、コンピュータを中心とするいわゆる電子機器類の小型化、高性能化更には高生産性と低価格化といった必要性から、その重要部分を占めるIC、LSIあるいは超LSI等に対しては記憶容量や信頼性のアップ、生産に係るコストの低減の要求が急であり、併せて工業全体としては省力、省エネルギー化の要求が急である。かかる状況のなかで、これ等の素子やその周辺を支える部品の原材料となるシリコンウェハ、磁気ディスク基板あるいは水晶発振子用基板等に対してはその加工段階での寸法精度やあるいは面粗さの向上の要求が著しい。その反面、加工工程におけるコストの低減と生産性の格段の向上といった要求にも対応が迫られており、従って、全く新しい考えに基づいた加工の方法や装置自体の開発が必要となって来ている。
【0003】
特に、IC、LSIあるいは超LSIの原材料であるシリコンウェハに対しては加工段階での厚さの均一化、寸法安定性あるいは面粗さの向上の要求が著しく、就中、鏡面を得るためのポリッシング加工における加工の条件や装置自体の精度と安定性に対する要求も格段に厳しさを増して来ている。即ち、具体的には、nm(ナノメーター)のレベルでの精度が求められて来ている。更に、ウェハから製品までの間の歩留まり向上、生産性の向上を目的としてウェハの直径(口径)の改善も盛んであり、口径30cm(12インチ)ウェハの生産も試験的に行なわれ始めている。
【0004】
IC、LSIあるいは超LSI等の電子部品は、シリコンあるいはその他の化合物半導体の単結晶のインゴットをスライスしたウェハに鏡面仕上げを施した上で、多数の微細な電気回路を書き込み分割した小片状の半導体素子チップを基に製造されるものであるが、その鏡面仕上げを施したシリコンウェハは以下の一連の製造プロセスを経て製造されるのが一般的であった。すなわち、単結晶引き上げ法によって製造されたシリコンの単結晶インゴットの外周研削を行なった後、結晶方向の位置決めの為の例えばオリエンテーションフラット加工を施し、内周刃ソーあるいはワイヤソーにてスライシングを行いアズカットウェハを得る。このアズカットウェハを、ベベリングによる外周部の面取りを行なった後、両面ラッピング加工により均一な厚みと平行度、平面度、真直度及びある程度の面粗さを持つまでに仕上げる。得られたラップドウェハを酸またはアルカリにてエッチング加工を行ないラッピングにより生じた加工ダメージ層を除去、然る後プレポリッシング、ポリッシングによる鏡面仕上げを行う。ここで得られる鏡面ウェハは、優れた面粗さと形状精度を持ったものでなくてはならない。30cm(12インチ)ウェハの最終鏡面仕上げ面の面粗さRaは望ましくは1nm以下、平面度は0.2μm/300mm以下であり、アズカットウェハから最終鏡面ウェハまでの加工量は両面で60μm程度である。
【0005】
上述の工程において、ラッピング、プレポリッシングあるいはポリッシング等に用いられる加工機は、例えば上下両面にあるいは上下いずれか一方に定盤を配した両面加工機あるいは片面加工機のことをいい、砥粒を含む加工液を供給しつつ、定盤の回転および負荷荷重(加工圧)の作用により加工を行なうものである。ワーク表面にかかる負荷荷重によりワークは擦過、摺擦されて加工が進展する。この場合被加工体への負荷荷重は例えば上定盤の荷重、片面機の場合は被加工体を把持するプレッシャープレートの自重のみで行う方式、これをエアシリンダーの逆圧で吊り上げ荷重を加減する方式、あるいはエアシリンダーの作用のみで負荷荷重をコントロールする方式(例えば特公平2−29470号公報)等があるが、その制御の良否は被加工体の加工面の形状精度と加工効率および面粗さを左右する重要なファクターである。しかしながら、これらの加工は基本的には一定の負荷荷重による力制御方式の加工であるので、例えば、ダイヤモンド砥石を用いた強制切込み方式の加工とは異なり、送り量(切込み量)の極めてシビアな制御を必要とするものではない反面、このような方式では、前述のnmレベルでの極めて高精密な寸法精度、形状精度を得る目的に対しては追随が非常に困難な状況になって来ている。
【0006】
また、ラッピング、プレポリッシングあるいはポリッシングという前述の各主要な操作は、従来は複数枚のワークを大型の加工機で同時加工を施すという方式が通常であった。しかしながら、ウェハのサイズの大口径化の傾向が進み、それに伴ない装置の大型化も進められて来たが、装置の大型化もそのハンドリング性から見て限度があり、また装置の大型化と同時に高精密化を進めることの困難さもあり、最近はむしろダイヤモンド砥石を用いた強制切込み方式を基礎として、一枚ずつ加工を行なういわゆる枚葉方式の検討も多く行われている。
【0007】
シリコンウェハ等の加工に砥石による研削方式を用いる方法は、例えば弾性砥石を用いる方式(特公平6−71708号公報)、あるいはダイヤモンド砥石を用いた方式(例えば特開昭62−99072号公報)が提案されているが、これらはいずれも従来のラッピング加工方式の延長であり、砥粒傷による不規則でかつ局部的に深い亀裂部分を有する加工変質層の発生が顕著であり、この層をエッチングによる処理で除去しても、その潜在的歪や亀裂の完全除去までは至らず、実用化には未だ問題を有するものであった。しかしながら、ダイヤモンド砥石を使用する方式は、ダイヤモンド砥粒の持つ高い研削能力とそれによる作業の高能率化の可能性は捨て難いものがあり、高番手のダイヤモンドカップ型砥石を用いて、その加工条件を変えながら、粗加工から最終の鏡面仕上げ加工まで一貫して行なう方法が試みられている。更に、ダイヤモンド砥石の加工性能の維持と加工効率向上を目的として、電解インプロセスドレッシング法を併用した加工方式の研究開発(例えば、特開平9−237771号公報)も盛んである。これらはいずれも高番手ダイヤモンド砥石を用い、枚葉式によりシリコンウェハの一貫加工を目的としたものである。
【0008】
これらダイヤモンド砥石を応用した研削加工は、砥石の回転と、砥石を支持する主軸の送りと、ワークの位置決めの三つの動きを主要な動きとするものである。これらを精度よくコントロールすることにより精密加工を可能ならしめるのであるが、特に粗加工から超精密領域の加工までを一つの装置、機械で一貫して行なうためには、前述の主要な動きのうち、主軸の送りの制御を幅広い範囲で極めて精度よく行なうことが必要である。従来、一般的な切削あるいは研削加工におけるこの主軸の送り制御は例えば、精密ネジ、サーボモーターあるいは圧電アクチュエータよる送りを応用した方式等が多用されているが、幅広い範囲を精度よくカバーするという目的からは十分でなく、特に大荷重下で微細送りを極めて精密に行なう超精密加工領域での加工に対しては十分なものとは言い難かった。
【0009】
更に、φ300mmあるいはそれ以上の大口径ウェハの加工の場合、それに求められる平面度は0.2μm/φ300mm以下という極めて高いレベルであるため、機械本体や各部分を支持するベースが起こす熱変位が、ワーク軸と砥石軸の軸芯の微妙なズレに繋がり、ウェハの平坦度精度に悪影響を与えることが指摘されている。かかる問題点は小口径のウェハに対しては殆ど無視されるようなレベルである。即ち、この温度変化に伴なう装置全体の微妙な寸法変形の影響は、従来までは左程大きな問題ではなかったが、近年の大型化、高集積化の流れのなかで、nmレベルでの精度を論ずる場合には問題となり、温度変化に伴う極めて微細なズレや傾きの補正、即ち、姿勢制御が必要となって来ている。
【0010】
また、特願平10−315259においては、サーボモータ装置と超磁歪アクチュエータの組み合わせによって砥石軸の送りを行なう精密平面加工機械が開示されている。この加工機械の場合、超磁歪アクチュエータの使用により大荷重の物品を極めて精密かつ正確に行なう微細送りの点においては良好であるが、前述の温度変化に伴う熱変位や運動中の加工力による変形の問題点に対応し、X、Y、Z軸及びθ軸、ψ軸の微妙なズレを補正するための姿勢制御の点については解決されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上述の従来の技術の持つ問題点に鑑み、鋭意検討を行ない、0.2μm/φ300mm以下という超精密の平面度を持つ加工が可能な装置について検討した結果、加工方式を砥石を用いてインフィード(送り込み)切込みを行なう形態とし、砥石とワークとを各々独立したテーブル上に載置し、砥石軸とワーク軸が水平方向に対抗するように配置せしめ、位置決めを超精密ラップネジと超磁歪アクチュエータを併用して行ない、かつ常時超磁歪アクチュエータを用いて砥石軸とワーク軸との姿勢制御を行なうことで上述の超精密の平面度が達成しうることを見出し、本発明を完成したものであって、その目的となすところは粗加工から超精密鏡面仕上げ加工までを一貫して行なうことのできる精密加工装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、微細送りプレートおよび姿勢制御プレートよりなる変位テーブルと、精密移動テーブルとを有し、前記変位テーブルあるいは前記精密移動テーブルのいずれか一方の上には砥石とその回転装置が載置され、他の一方にはワークとその回転装置が載置され、砥石軸とワーク軸とは水平方向に対抗するように配置されてなり、砥石とワークとの位置決めおよび微細送りを前記精密移動テーブルの移動と前記変位テーブルの変位とで行ない、砥石軸とワーク軸とのズレの補正を前記変位テーブルに具備された姿勢制御機構を作動させて行なうことを特徴とする精密加工装置において、姿勢制御プレートが、一つの辺の最外側中央部にある接合点を介して2枚の板材が上下に連結した構造をなし、該接合点を構成する材料が弾性変形をする材料であり、上方に位置する板材の前記接合点のある辺に直交する一つの辺の前記接合点から離れた側に超磁歪アクチュエータの先端ロッドが当接するように1台の超磁歪アクチュエータが配置され、更に前記接合点の反対側の辺の開口部に、超磁歪アクチュエータの先端ロッドが前記上方に位置する板材の下部に当接するように2台の超磁歪アクチュエータが配置されたものであり、前記微細送りプレートは、平行四辺形の厚板を加工したものであり、その四辺に貫通溝を刻し四隅にブリッジ状の支点を残し、その支点を介して中央の架台がそれを囲む枠体の内面に支持懸垂されており、架台の一端に切欠部を設け、その位置に1台の超磁歪アクチュエータを枠体の内面に固定して配置し、そのロッドの先端が架台の切欠部の端面に当接するように配置されていることを特徴とする精密加工装置によって達成される。上述の精密加工装置においては微細送りプレートあるいは姿勢制御プレートのいずれか一方が、精密移動テーブル上に載置されていてもよい。
【0013】
上述の精密加工装置においては、姿勢制御プレートは、一つの辺の最外側中央部にある接合点を介して2枚の板材が上下に連結した構造をなし、上方に位置する板材の前記接合点のある辺に直交する一つの辺に超磁歪アクチュエータの先端ロッドが当接するように超磁歪アクチュエータが配置され、更に前記接合点の反対側の辺の開口部に、超磁歪アクチュエータの先端ロッドが前記上方に位置する板材の下部に当接するように超磁歪アクチュエータが配置された構造のものである。前記接合点は、超磁歪アクチュエータの作用を効果的にするために、弾性変形をする材料にて構成されることが好ましい。また、精密移動テーブルは静圧空気案内と精密ラップネジを具備した構造のものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の精密加工装置は、前述の通り砥石を用いたインフィード(送り込み)切込みを行なう形態であるため、加工に当たっては、位置決めと切込み量の設定をnm(ナノメーター)のレベルで極めて精密かつ正確に行なわなくてはならない。本発明においては、静圧空気案内と精密ラップネジを具備した精密移動テーブルによる10nmを設定単位とする高精度送り機構と、超磁歪アクチュエータを具備した変位テーブルによる1nmを設定単位とする微細送り機構を併用するものである。例えば、砥石軸側にNC制御の精密ラップネジによる高精度送り機構を設け、ワーク軸側には超磁歪アクチュエータによる微細送り機構を設けるが、これは逆であってもよいし、両機構が同じ側に設けられていてもよい。加工に際しては、所定の切込み量をいずれかの機構を用いて設定し、砥石主軸とワーク主軸を反対方向に高速回転させて接触させて行なう。従って、機能上、砥石主軸、ワーク主軸に要求されることは、高回転精度と剛性および熱変位特性である。
【0015】
本発明の精密加工装置の具体例を図面を用いて説明する。図1は本発明の精密加工装置本体の外観を示す側面図である。ベッドA上に精密移動テーブルB及び変位テーブルCが載置されており、精密移動テーブルB上には研削砥石およびその回転装置が置かれ、変位テーブルC上にはワークおよびその回転装置が置かれている。砥石主軸Dとワーク主軸Eはその面が対抗するようにZ軸上に整列されている。精密移動テーブルBは精密ラップネジ1の作用で静圧空気案内2に沿ってZ軸方向に高精度送りが可能である。送りはNC制御にて行なわれ、最小設定単位10nmの送りを行なうことができる。変位テーブルCは微細送り機構を有する微細送りプレート3と姿勢制御機構を有する姿勢制御プレート4とから構成され、精密ラップネジ1’の作用で静圧空気案内2’に沿ってX軸方向への最小設定単位10nmの移動および位置決めが可能である。図面においては微細送りプレート3上に姿勢制御プレート4が乗った形になっているが、特に限定されるものでなく、逆であってもよい。図面に示される例においては、微細送りプレート3と姿勢制御プレート4があたかも一体構造の如くして変位テーブルCを形成し、微細送りプレート3の作用でZ軸方向への最小設定単位1nmの送りを行なうことができるとともに、温度変化によるワーク軸の砥石軸に対するZ軸方向の微細なズレを常時補正することができるものである。また、本発明においては微細送りプレートと姿勢制御プレートが必ずしも同じ変位テーブル上に載置されている必要はなく、いずれか一方が精密移動テーブル上に載置されていてもよい。
【0016】
変位テーブルCの構造および作用を、図2および図3を用いて具体的に説明する。図2は微細送りプレートの一実施例を示す説明図、図3は姿勢制御プレートの一実施例を示す説明図である。本発明においては微細送りプレート3を構成する材料は弾性変形が可能な素材であることが求められる。図2に示す微細送りプレート3は、平行四辺形の厚板を加工したものであり、その四辺に貫通溝5を刻し四隅にブリッジ状の支点6を残し、その支点6を介して中央の架台7がそれを囲む枠体8の内面に支持懸垂されている。架台7の一端に切欠部9を設け、その位置に超磁歪アクチュエータ10を配置する。超磁歪アクチュエータ10は枠体8の内面に固定されており、そのロッド11の先端が架台7の切欠部の端面に当接するように配置されている。架台7は超磁歪アクチュエータ10のロッド11のZ軸方向への直進運動作用によりZ軸方向に微小変位が可能となっており、変位と同時にブリッジ状の支点6の作用により、バネ弾性を発現するようになっている。即ち、超磁歪アクチュエータで予荷重を与えれば変位し、予荷重を外せばもとの位置に戻るものであって、実使用においてはある一定の予荷重を与えて変位させた位置を固定位置としておけば、予荷重を加減することによって架台7をZ軸方向の正負いずれの方向にも自在に変位可能である。このようなバネ弾性を発現するためには、材料が弾性変形が可能な素材であることが求められる。また、この微細送りプレートの上にはワーク及びその回転装置あるいは砥石及びその回転装置等、重量的には数百kgfに及ぶものを搭載するのであり、それを前述の支点6にて支えるのであるから、その材質は同時に剛性に富むものであることが求められる。このような性能を持った素材としては、具体的には、ある程度の厚みを持った鋼板等を用いることが好ましく、具体的には一体ものの鋼板を放電加工等の手段を用いて図2のような形状に加工する方法を例示することができる。
【0017】
次に、図3の姿勢制御プレートの一実施例について説明する。図面において、姿勢制御プレート4を構成する平行四辺形の一辺の外側中央部には接合点12があり、該接合点12を介して上下2枚の板材13、14が配され中央部にはスリット17(開口部)があるような形態をなしている。その上方の板材13の、接合点12のある辺に直交する一辺に、先端ロッド11aが当接するように超磁歪アクチュエータ10aが配されている。更に前記接合部の反対側の開口部に切欠き部15、16を設け、その中に超磁歪アクチュエータ10b、10cを配置する。各々の超磁歪アクチュエータの先端ロッド11b、11cは上方の板材13の下部に当接されるようになっている。また、接合点12は弾性変形が可能な素材から構成されることが求められる。
【0018】
超磁歪アクチュエータ10aの先端ロッド11aのX軸方向への直進運動作用により上方板材13は接合点12を中心としたY軸回りの秒単位の微小角度(Δθ)での微小回転変位が可能となる。接合点12を構成する素材は前述の通り弾性変形を行なう材料であるから、超磁歪アクチュエータで予荷重を与えれば変位し、予荷重を外せばもとの位置に戻ることを特徴とするものである。更に、超磁歪アクチュエータ10b、10cの先端ロッド11b、11cのY軸方向への直進作用により上方板材13は接合点12を中心としたX軸回り、Y軸方向への秒単位の微小角度(Δψ)での微小傾斜変位が可能となる。即ち、超磁歪アクチュエータ10b、10cの作用により、上方の板材13は接合点12のある辺を軸(X軸)としてスリット17を上下に開閉するように変位することができる。すなわち、この両方向への微小角度での変位を制御することにより、Z軸に沿って整列された砥石軸とワーク軸との間の微小なズレ(狂い)を補正することができる。具体的な補正の手段としては、温度変化に伴う各構成材料の微小寸法変位を予め予測計算しコンピュータに記憶せしめ、実測した実際の温度変化に伴なう微小変位を自動補正するようにしたものであって、コンピュータにて必要なΔθ、Δψの変位数値を各超磁歪アクチュエータに指令し、各超磁歪アクチュエータを作動せしめて装置の姿勢制御を行なうものである。このような性能を持った姿勢制御プレートを構成する素材としては、具体的には、ある程度の厚みを持った鋼板等を用いることが好ましく、具体的には、例えば一体ものの鋼板を放電加工等の手段を用いて中央部にスリット17を入れ一部を接合部12として残す方法を例示することができる。
【0019】
本発明の変位テーブル、精密移動テーブルを構成する材料の材質については特に限定を行なうものではないが、上述の通り構造的に強靱であり剛性が高く、好ましい弾性変形を有し、バネ弾性を発現することが求められるほかに熱による変形の少ないことが求められるのであるから、具体的には鋼材、より現実的な具体的な好ましい例としては、熱による変形をできるだけ少なくしたもの、例えばオーステナイト鋼等を挙げることができる。
【0020】
本発明でいう超磁歪アクチュエータとは、特定の希土類元素と、ニッケル、コバルト、鉄からなる鉄族元素との特定割合での合金の多結晶あるいは単結晶であって、磁界を与えると強い寸法変化を起こす超磁歪材料をアクチュエータとして応用したものである。通常は超磁歪材料よりなるロッドを中央におき、その周囲を駆動用のコイルで囲んだものであるが、上下に永久磁石を配したものは、オフセット電流により磁気バイアスをかける必要がなくその分だけジュール発熱を抑えることができる。本発明の超磁歪アクチュエータは、変位テーブルと精密移動テーブルを大荷重の物品を載置した状態で±数μmの距離をナノメーターの精度で変位させるものであるから、ジュール発熱による変位量の狂いをできる限り少なくすることが求められ、従って、前述の永久磁石を内蔵するものを用いることが好ましい。
【0021】
本発明の精密加工装置に使用される砥石については特に限定を受けるものではないが、前述の通りインフィード(送り込み)切込みを行なう形態であるので、剛性と研削力に勝れたダイヤモンド砥石を用いることが好ましい。また、その形状はカップ型とすることが好ましい。ここでいうダイヤモンドカップ型砥石とは、ダイヤモンド微粉を砥粒としてそれをフェノール等の硬質レジン、特殊合金、セラミックス等を結合材としたもの、あるいは電着等の手段を用いて固定化したものを指し、それをリング状としエッジ状の側面を使用面としたものである。用いるダイヤモンド砥粒のサイズ(番手)についても特に限定を受けないが、精密加工を目的とするためには少なくともJIS−R6001(研磨剤の粒度)の規格において3000番より細かい、つまりdv−50値が4.0±0.5μm以下のものを用いることが好ましい。
【0022】
本発明の精密加工装置は多目的に使用されるが、特に超精密加工分野においてその特徴が生かされるものである。すなわち、シリコンウェハの鏡面仕上げ加工、結晶化ガラスの鏡面仕上げ加工、その他硬質難削材の精密加工等に用いられ、この目的に応用すれば、例えば、ラッピング、エッチング、プレポリッシング、ポリッシング等数段に亘る工程を短縮し、効率のよい加工を行なうことができるようになる。
【0023】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、特にこれにより限定を行なうものではない。
【0024】
【実施例】
図1に示す装置を用い、300mmサイズのシリコンウェハの加工を行なった。インゴッドからスライスしたアズカットウェハを粗ラッピングである程度平行を出し、仕上がり寸法に近いもので、かつ平行度の得られたものをワークとして用いた。砥石としては、ダイヤモンド微粉を用いたカップ型のメタルボンド砥石を用いた。加工液として水を用い、約10分間の加工を行なった。その結果、0.8nmRaの面粗さを有する面を得ることができた。その間の取り代は約2μmであり、平面度はφ300mmの径に対して0.20μm以下を達成することができた。すなわち、通常の方法で行なえば、ラッピング、エッチング、プレポリッシング、ポリッシングという数段階の加工を要し、トータルすれば約30分に及ぶ工程をわずか1工程、しかもわずか10分間程度で行なうことができた。
【0025】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明になる精密加工装置を用いることにより、従来数段階に及んでいたシリコンウェハの仕上げ加工を、一段階で行なうことを可能にし、しかもφ300mmという大口径のシリコンウェハに対して0.20μm以下の平面度を達成することができた。これは従来の大きな問題点であった大口径ウェハへの対応を一気に可能にしたのみならず、工程自体の大幅な短縮と格段の精度向上を可能にしたものであり、また加工対象はシリコンウェハに限定されることなく、例えばセラミックス等の難削材あるいは複合素材等の加工をも可能としたものであり、その業界に資する影響は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密加工装置一実施例の本体外観を示す側面図。
【図2】微細送りプレートの一実施例を示す説明図。
【図3】姿勢制御プレートの一実施例を示す説明図。
【符号の説明】
1、1’:超精密ラップねじ、2、2’:静圧空気案内、
3:微細送りプレート、4:姿勢制御プレート、5:貫通溝、6:支点、
7:架台、8:枠体、9:切欠部、
10、10a、10b、10c:超磁歪アクチュエータ、
11、11a、11b、11c:ロッド、12:接合点、
13:上方板材、14:下方板材、15:切欠部、16:切欠部、
17:スリット、18:砥石、19:ワーク
A:ベッド B:精密移動テーブル C:変位テーブル
D:砥石主軸 E:ワーク主軸

Claims (1)

  1. 微細送りプレートおよび姿勢制御プレートよりなる変位テーブルと、精密移動テーブルとを有し、前記変位テーブルあるいは前記精密移動テーブルのいずれか一方の上には砥石とその回転装置が載置され、他の一方にはワークとその回転装置が載置され、砥石軸とワーク軸とは水平方向に対抗するように配置されてなり、砥石とワークとの位置決めおよび微細送りを前記精密移動テーブルの移動と前記変位テーブルの変位とで行ない、砥石軸とワーク軸とのズレの補正を前記変位テーブルに具備された姿勢制御機構を作動させて行なうことを特徴とする精密加工装置において、姿勢制御プレートが、一つの辺の最外側中央部にある接合点を介して2枚の板材が上下に連結した構造をなし、該接合点を構成する材料が弾性変形をする材料であり、上方に位置する板材の前記接合点のある辺に直交する一つの辺の前記接合点から離れた側に超磁歪アクチュエータの先端ロッドが当接するように1台の超磁歪アクチュエータが配置され、更に前記接合点の反対側の辺の開口部に、超磁歪アクチュエータの先端ロッドが前記上方に位置する板材の下部に当接するように2台の超磁歪アクチュエータが配置されたものであり、前記微細送りプレートは、平行四辺形の厚板を加工したものであり、その四辺に貫通溝を刻し四隅にブリッジ状の支点を残し、その支点を介して中央の架台がそれを囲む枠体の内面に支持懸垂されており、架台の一端に切欠部を設け、その位置に1台の超磁歪アクチュエータを枠体の内面に固定して配置し、そのロッドの先端が架台の切欠部の端面に当接するように配置されていることを特徴とする精密加工装置。
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