JP4530246B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンターの分野において用いられる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成方法は近年のデジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法は400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化することを基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高画質化技術が要求されている。
【0003】
小さなドット画像の静電潜像を形成する方法としては、有機感光体上にスポット径が小さい露光光源を用いて微細な静電潜像形成を行い、微細なデジタル画像を形成する技術が開発されている。例えば、スポット径が4000μm2以下の光源を用いて有機感光体上に高精細の静電潜像を形成する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
この高精細の静電潜像を忠実に顕像化させる高画質化技術の1つとして、トナーの小粒径化及び粒度分布、形状分布等を単分散化する検討が進められており、これに適したトナーの製造方法として近年、重合トナー(重合法トナーともいう)の開発が盛んである。
【0005】
重合トナーとして、例えば、懸濁重合型トナーや乳化会合(凝集)型トナーが知られており、乳化会合型トナーは形状の制御が容易である点で好ましい。しかしながら、これらの重合トナーの製造方法はいずれも水溶性溶媒を用いるので、残像水分量が多いトナーが生成しやすく、このようなトナーを用いて静電潜像を顕像化すると、ドット潜像がぼけやすく、高画質のドット画像が実現せず、画像ボケが発生しやすいという問題が発生している。この現象は、重合トナーの水分が感光体に移行し、感光体の帯電或いは感度特性に作用し、静電潜像をぼかしているためと考えられる。
【0006】
含水量が多いトナーを用いて高精細の静電潜像を忠実に顕像化させる高画質化技術の1つとして、30℃80%RH環境における飽和水分量を規定したトナーと表面層がシロキサン系樹脂を含有した有機感光体を併用した画像形成方法が提案されている(特許文献2)。該画像形成方法は有機感光体にシロキサン系樹脂を用いた場合の画像ボケの改善には効果があるが、シロキサン系樹脂を用いない場合は効果が十分でない。
【0007】
一方、前述したような小径スポット露光方式で、正確な静電潜像を形成するには、高感度の有機感光体(以後、有機感光体を単に感光体とも云う)が要求される。これまで開発された高感度の有機感光体としては、例えば、粉末X線回折スペクトルにてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン顔料(以後、単にY型顔料ともいう)を用いた有機感光体が実用化されている(非特許文献1)。
【0008】
しかしながら、該Y型顔料を用いた高感度の有機感光体に高精細のドット潜像を形成し、前記した重合トナーを用いた現像剤でトナー像を形成すると、しばしば、画像ボケが発生すると同時に、画像の一部で微細なドット画像が再現せず、帯状のむらが発生し、画質を著しく劣化させる。該帯状むらは画像形成を一時停止後にしばしば発生し、画像停止時に感光体がトナーと接触している部分に、例えば、クリーニングブレードの近辺で、感度の変化が感光体上に出現し、その感度むらが顕在化したためと思われる。
【0009】
例えば、夜間、高温高湿下で感光体とトナーが付着したクリーニングブレードが接触したままで停止された後、朝一で画像を作製すると画像むらが発生しやすい。特に、トナーに重合トナーを用いた場合に発生しやすい。重合トナーは水溶性溶媒中に原料を分散させて製造するので、含水量が多く、重合トナーが付着した部分で、感光体の感度変化が発生しやすいためと考えられる。
【0010】
更に、高精細のデジタル画像の作製に際しては、有機感光体に起因する周期性の画像欠陥(黒ポチや白抜け等)が現像過程で増幅される傾向にあるので、このような周期性の画像欠陥をより少なくすることが求められている。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−272197号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−42555号公報
【0013】
【非特許文献1】
電子写真学会誌,29(3),250(1990)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決して、含水量の多い重合トナーを用いても、感光体上に正確なドット状の静電潜像を形成し、画像ボケの発生、画像むらや周期性の画像欠陥等の発生を防止し、鮮鋭性の良好な電子写真画像を作製できる有機感光体、画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明者等は、含水量の多いトナーを用いても、正確なドット状の静電潜像を形成し、上記した画像欠陥を防止した良好な電子写真画像を形成する為には、示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を電荷発生物質として用いた有機感光体を用い、該有機感光体上に、ドット状の静電潜像を形成することにより、達成できることを見いだし、本発明を完成した。又、このような有機感光体と含水量が特定の範囲の重合トナー用いることがより有効であることを見いだし、本発明を完成した。
【0016】
本発明の目的は、以下の構成を持つことにより達成される。
【0025】
1.感光体上にドット状の静電潜像を形成し、該静電潜像をデジタル画像
に顕像化する現像工程を有する画像形成方法において、該感光体が導電性支持体上に順に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層が無機粒子及び吸水率が5質量%以下で、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造の全繰り返し単位構造中に占める比率が60〜100モル%であり、下記一般式(2)の繰り返し単位構造及び下記一般式(3)の繰り返し単位構造を有するアルコール可溶性ポリアミドからなり、該電荷発生層が示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層がポリカーボネートのバインダー樹脂を含有している有機感光体であり、前記現像工程が30℃80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%である重合トナーを含有することを特徴とする画像形成方法。
【化A】
Figure 0004530246
一般式(2)中、R は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
【化B】
Figure 0004530246
一般式(3)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
【0026】
2.前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、26.2°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0027】
3.前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°に顕著な回折ピークを有し、且つ最大回折ピークが9.3°又は26.2°にあるチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記2に記載の画像形成方法。
【0028】
4.前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、28.7°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0029】
5.前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、22.6°、24.5°、25.4°、28.7°に顕著な回折ピークを有し、且つ最大回折ピークが7.5°又は28.7°にあるチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記4に記載の画像形成方法。
【0033】
6.感光体上にドット状の静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をデ
ジタル画像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、該感光体が導電性支持体上に順に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層が無機粒子及び吸水率が5質量%以下で、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造の全繰り返し単位構造中に占める比率が60〜100モル%であり、下記一般式(2)の繰り返し単位構造及び下記一般式(3)の繰り返し単位構造を有するアルコール可溶性ポリアミドからなり、該電荷発生層が示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層がポリカーボネートのバインダー樹脂を含有している有機感光体であり、前記現像手段が30℃80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%である重合トナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
【化C】
Figure 0004530246
一般式(2)中、R は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
【化D】
Figure 0004530246
一般式(3)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
【0034】
本発明の画像形成方法、画像形成装置は、上記構成を有することにより、画像むら、黒ポチ等の周期性の画像欠陥等の画像欠陥が発生せず、良好なドット画像を生成し、鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。即ち、電荷発生物質として、示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を用いることにより、含水量が多い重合トナーを用いてもドット画像のボケが防止され、黒ポチ等の周期性の画像欠陥や画像むらが防止され、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成できる。以下、本発明について詳細に説明する。
【0035】
まず、本発明に関わる画像形成方法及び画像形成装置の説明をする。
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【0036】
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0037】
感光体への一様帯電の後、像露光器(露光手段、露光工程)53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0038】
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2000μm2以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、100〜800μm2である。その結果800dpi以上で、階調性が豊かな電子写真画像を達成することができる。
【0039】
前記露光ビームのスポット面積とは、該露光ビームを該ビームと垂直な面で切断したとき、該切断面に現れる光強度分布面で、光強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域に相当する面積を意味する。
【0040】
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
【0041】
本発明のドット状の静電潜像とは、上記のようにビームの露光光源を用い、断続的に静電潜像を形成することを意味し、ドットの形状は問わない。又、該ドットの静電潜像を形成するに際し、露光時間を変化させてドットの大きさを変化させてもよい。
【0042】
その静電潜像は次いで現像工程で現像器(現像手段)54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0043】
現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、スチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0044】
本発明のデジタル画像の現像方式としては、主としてデシタル方式の画像形成に用いられる反転現像方式が好ましく用いられる。この反転現像方式とは感光体に潜像を形成するため、像露光は文字及び図形等の画像部を露光し、この露光部を現像でトナー画像として顕像化する現像方式を云う。
【0045】
次いで、記録紙Pが、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0046】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0047】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0048】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0049】
次に、本発明に用いられる有機感光体について説明する。
本発明の有機感光体は、電荷発生物質として示差熱分析において70℃〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を含有することを特徴とする。
【0050】
即ち、導電性支持体上に感光層を有する有機感光体は、感光層が、示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を含有することを特徴とする。或いは、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体は、前記電荷発生層が、示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を含有することを特徴とする。
【0051】
まず、本発明の示差熱分析において70℃〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料とは70℃〜150℃の間に吸熱ピークを有しない電荷発生物質を意味する。
【0052】
まず、電荷発生物質が、示差熱分析において70℃〜150℃の間に吸熱ピークを有しないことの意味について説明する。
【0053】
電荷発生物質が示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを示すのは、広い意味の結晶水(ゼオライト型結晶水を含む:水分子の脱吸着が可能な結晶水を有する)を有する電荷発生顔料が70〜150℃の間で結晶水を放出するために生じる吸熱するピークであり、前記70〜150℃で吸熱ピークを有しない電荷発生物質は、顔料内部に結晶水を持たない電荷発生物質を意味している。
【0054】
電荷発生層の電荷発生物質として、上記のような示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を電荷発生物質として用いることにより、高温高湿から低温低湿条件に作業環境が変化した場合に発生しやすい環境メモリの発生(感光体に温湿度変化が生じた時に発生する画像むら)を抑制し、又、反転現像での黒ポチの発生を抑制し、帯電電位や感度等の電子写真特性を安定に保つことが出来る。
【0055】
示差熱分析は1回の測定につき10〜50mgの試料量にて測定し、窒素雰囲気下、昇温速度10(℃/min)で測定した。測定試料の状態としては、予め測定対象となる電荷発生物質を50℃、3時間、乾燥した電荷発生物質粉末を用いた。又、この70〜150℃の間の示差熱分析の吸熱ピークとは、図2に示すように熱示差曲線上の明瞭なピークのことを指しており、吸熱ピーク温度はピークの極大となる点に相当する温度を示す。
【0056】
本発明の70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない電荷発生物質の例としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等で結晶水を有しない電荷発生顔料が挙げられるが、本発明に好ましく用いられる具体例としては、Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)で、最大回折ピークが26.3°、且つ9.3°、10.6°、13.2°、15.1°及び20.8°に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料(図3)、或いはCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)で、7.5°、10.3°、12.3°、16.3°、18.4°、22.6°、24.5°、25.3°及び28.7°に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料(図4)が挙げられる。これらの電荷発生物質は前者のチタニルフタロシアニン顔料が、特開昭62−67098号、同62−256866号等に記載されており、後者のチタニルフタロシアニン顔料が、特開昭61−239248号、同61−217075号等に記載されている。
【0057】
又、ガリウムフタロシアニン顔料としては、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料、又は少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の場合は、本発明の構成の中で、優れた効果を得ることができる。
【0058】
ペリレン顔料としては、ベンズイミダゾールペリレン顔料が好ましく、中でもCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)で、12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン顔料が好ましい。
【0059】
電荷発生層には前記した示差熱分析において、70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料(電荷発生物質(CGM))を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0060】
又、電荷発生物質(CGM)としては本発明の70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない電荷発生物質の他、必要により、70〜150℃の間に吸熱ピークを有する電荷発生物質を使用してもよいが、この場合でも50質量%以上は吸熱ピークを有しない電荷発生物質を用いることが好ましい。
【0061】
前記したチタニルフタロシアニン顔料の化学構造式は、代表的に下記構造が、良く知られている。
【0062】
【化1】
Figure 0004530246
【0063】
(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜1の数を示す)。前記Xが塩素原子の場合nは0〜0.5が好ましく、0〜0.1がより好ましい。
【0064】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
【0065】
以下、電荷発生層以外の本発明に適用される有機感光体の構成について記載する。
【0066】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
【0067】
本発明の電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
【0068】
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
【0069】
円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0070】
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0071】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0072】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリア機能を備えた中間層を設けることが好ましい。このような中間層としては、吸水率が小さく、且つ結晶性が小さいバインダー樹脂中に、無機粒子、特に酸化チタンを含有させることが好ましい。
【0073】
このような中間層を用いることにより、有機感光体の感度や帯耐電等の温湿度依存性を改善し、画像むらを防止し、バリア機能を高めて、黒ポチ等の画像欠陥を防止することができる。吸水率が小さく、且つ結晶性が小さいバインダー樹脂の基準としては、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を持つバインダー樹脂が好ましい。中でも、吸水率が小さく、且つ結晶性が小さいポリアミド樹脂が好ましい。
【0074】
以下、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を有するアルコール可溶性ポリアミド樹脂について説明する。
【0075】
前記アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造を全繰り返し単位構造の40〜100モル%含有するポリアミド樹脂が好ましい。
【0076】
ここで、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造について説明する。前記繰り返し単位構造とはポリアミド樹脂を形成するアミド結合単位を意味する。このことを、繰り返し単位構造がアミノ基とカルボン酸基の両方を持つ化合物の縮合により形成されるポリアミド樹脂(タイプA)と、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の縮合で形成されるポリアミド樹脂(タイプB)の両方の例で説明する。
【0077】
即ち、タイプAの繰り返し単位構造は一般式(2)で表され、Xに含まれる炭素数が繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。一方タイプBの繰り返し単位構造は一般式(3)で表され、Yに含まれる炭素数もZに含まれる炭素数も、各々繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。
【0078】
【化2】
Figure 0004530246
【0079】
一般式(2)中、R1は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
【0080】
【化3】
Figure 0004530246
【0081】
一般式(3)中、R2、R3は各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
【0082】
前記のごとく、炭素数が7〜30の繰り返し単位構造は置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を有する化学構造等が挙げられるが、これらの中で2価のシクロアルカンを含む基を有する化学構造が好ましい。
【0083】
ポリアミド樹脂は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7〜30であるが、好ましくは9〜25、更には11〜20が良い。またアミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率は40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、更には80〜100モル%が良い。
【0084】
前記炭素数が7より小だと、ポリアミド樹脂の吸湿性が大きく、電子写真特性、特に繰り返し使用時の電位の湿度依存性が大きく、更に黒ポチ、環境メモリ等が発生しやすい。30より大であるとポリアミド樹脂の塗布溶媒への溶解が悪くなり、中間層の塗布膜形成に適さない。
【0085】
又、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率が40モル%より小さいと、上記効果が小さくなる。
【0086】
好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドが挙げられる。
【0087】
【化4】
Figure 0004530246
【0088】
一般式(1)中、Y1は2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Z1はメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
【0089】
上記一般式(1)中、Y1の2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Y1が下記化学構造を有するポリアミド樹脂は、環境メモリ、黒ポチ改善効果が著しい。
【0090】
【化5】
Figure 0004530246
【0091】
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4は置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のR4は同一でも、異なっていても良い。
【0092】
ポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
【0093】
【化6】
Figure 0004530246
【0094】
【化7】
Figure 0004530246
【0095】
【化8】
Figure 0004530246
【0096】
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
【0097】
上記具体例の中でも、一般式(1)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
【0098】
又、ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。
【0099】
ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
【0100】
例示ポリアミド樹脂(N−1)の合成
攪拌機、窒素、窒素導入管、温度計、脱水管等を備えた重合釜にラウリルラクタム215質量部、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン112質量部、1,12−ドデカンシカルボン酸153質量部及び水2質量部を混合し、加熱加圧下、水を留出させながら9時間反応させた。重合物を取り出し、C13−NMRにより共重合組成を求めたところ、N−1の組成と一致した。尚、上記合成された共重合のメルトフローインデックス(MFI)は(230℃/2.16kg)の条件で、5g/10minであった。
【0101】
ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0102】
又、中間層には前記したポリアミド樹脂中に一次粒子径が10〜400nmの無機粒子を分散、含有させることが好ましい。
【0103】
上記数平均一次粒子径とは、無機粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0104】
このような無機粒子を中間層に含有させると画像欠陥の1つであるレーザ光によるモアレを低減したり、中間層のフリーキャリア(導電性支持体等から進入してくる電子やホール)のブロッキング性を高めることは、公知のことであるが、このような無機粒子を中間層に含有させた場合、無機粒子が湿度を高めやすく、しばしば温湿度環境依存性が大きくなりやすい。中間層のバインダー樹脂として前記した融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の樹脂を用いることにより、このような無機粒子を含有させた中間層を形成しても、外部の温湿度変化に対しても安定した特性を有する中間層を得ることができ、その結果感光体の電子写真特性が安定し、外部の温湿度変化に対しても安定した特性を有する感光体を得ることができる。
【0105】
このような無機粒子としては、例えば酸化セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタンなどの酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;珪酸カルシウム、珪酸マグネシウムなどの珪酸塩;チッ化ホウ素、チッ化チタンなどのチッ化物;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウムなどの炭化物;ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタンなどのホウ化物などが挙げられるが、無機粒子としては下記に記す酸化チタンが好ましい。
【0106】
該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
【0107】
酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
【0108】
酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
【0109】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0110】
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0111】
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(4)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0112】
一般式(4)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(4)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0113】
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0114】
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0115】
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
【0116】
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0117】
感光層
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0118】
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として前述の示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
【0119】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
【0120】
電荷輸送層
電荷輸送層は複数の電荷輸送層の構成にし、最上層の電荷輸送層を表面層とした構成を採用することが好ましい。
【0121】
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0122】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.30(eV)以下である。
【0123】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0124】
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が本願発明に係わる電荷輸送層のバインダー樹脂として用いられる。
【0125】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
【0126】
又、複数の電荷輸送層の膜厚の合計は10〜50μmが好ましい。膜厚が10μm未満だと帯電電位が不十分になりやすく、50μmを超えると、鮮鋭性が劣化しやすい。
【0127】
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0128】
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0129】
本発明の画像形成装置に係るトナーについて説明する。
本発明者らは、ドット状の静電潜像を形成し、小粒径トナーを用いて、該静電潜像をデジタル画像に顕像化する画像形成方法では、画像形成停止時に、感光体と現像剤の接触部分で、トナーの湿度成分等が該接触部分に位置する感光体の帯電特性や感度に変化を与えやすく、この部分が画像形成開始時のカブリの発生や、帯状の画像むらを発生しやすい。
【0130】
そこで、検討の結果、前記70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を電荷発生物質として電荷発生層に含有する感光体に、ドット潜像を形成し、該静電潜像の現像に30℃80%RHの条件下で、トナーの飽和含水量が0.3〜2.5質量%に構成した重合トナーを用いることにより、前記した黒ポチ等の周期性の画像欠陥、画像むらや周期性の画像欠陥を防止し、ドット再現性が良好な電子写真画像をうることができる。
【0131】
即ち、重合トナーは水溶性溶媒中で製造されるので、一般に高温高湿環境下では、飽和含水量が大きいが、このような重合トナーを用いても、70〜150℃の間に吸熱ピークを有しない顔料を電荷輸送物質として含有する有機感光体と併用することにより、帯状の画像むら、黒ポチや白抜け等の周期性の画像欠陥を防止し、ドット再現性が良好な電子写真画像を得ることができる。
【0132】
本発明の効果は、上記特定の感光体とトナーを用いる時にのみ発現されるものであり、この点については後に実施例においてより具体的に説明する。
【0133】
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
【0134】
重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布、及び形状が均一なトナーが得られる。しかしながら、前記した如く、高温高湿条件下において、飽和含水量が大きくなりやすい。本発明では、重合トナーの30℃/80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%に構成して、本発明の目的を達成することができた。重合トナーで前記飽和含水量を0.3質量%未満にするには、そのために要するコストが高くなりすぎ、現実的ではない。一方、飽和含水量が2.5質量%より大きいと、本発明の効果が得られない。
【0135】
本発明において、重合トナーの30℃/80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%に押さえる必要があるが、以下に、重合トナーの具体的な水分量調整方法を説明する。
【0136】
本発明者等は、上記問題を種々検討し、研究を進めた結果、水系媒体中で粒子形成して得られた着色粒子の含水ケーキを、1次乾燥で水分量を5質量%以下(高温高湿(30℃、80%RH)環境に保管した試料を測定)まで乾燥した後、2次乾燥すると、着色粒子に含まれる水分量が0.3〜2.5質量%(高温高湿(30℃、80%RH)環境に保管した試料を測定)であるトナーを得ることができることを見いだした。
【0137】
具体的には、水系媒体中で粒子形成した着色粒子を、着色粒子どうしが溶着して塊状にならない程度の温度で、着色粒子の表面層にまだ強固な被膜が形成される前に、着色粒子の中心部からも水分を飛ばし水分量が5質量%以下(30℃80%RH)になるまで乾燥処理(1次乾燥)を行い、その後、後乾燥処理(2次乾燥)を行うと、着色粒子に含まれる水分量を0.3〜2.5質量%(30℃80%RH)にすることができることを見いだした。
【0138】
しかし、水系媒体中で粒子形成した着色粒子を、着色粒子に含まれる水分量が5質量%(30℃80%RH)を超える状態で1次乾燥を行い、その後、2次乾燥を行なっても着色粒子に含まれる水分量を0.3〜2.5質量%(30℃80%RH)にすることは難しい。
【0139】
理由は明確ではないが、1次乾燥で、水分量が多いまま着色粒子の表面に強固な被膜が形成されると、2次乾燥をおこなっても、着色粒子の表面に形成された強固な被膜(水分を通しにくい)に妨害されて、着色粒子の中心部から水が飛びにくく、着色粒子に含まれる水分量を0.3〜2.5質量%(30℃80%RH)まで減らすことが難しいと推定している。
【0140】
《着色粒子に含まれる水分量》
ここで、本発明の30℃80%RH環境における飽和水分量とは、カールフィッシャー法により求めた着色粒子に含まれる水分量(質量%)の値であり、水分量測定装置「AQS−724」(平沼産業株式会社製)を使用して測定することができる。具体的には、開封した状態の測定試料(重合トナー:着色粒子)を30℃80%RHの環境に24時間以上放置した後、常温常湿の測定室にて前記水分量測定装置を使用して水分量の測定をおこなう。
【0141】
《乾燥》
乾燥は、水系媒体中で粒子形成して得られた着色粒子を、1次乾燥で水分量を5質量%以下(30℃80%RH)にした後、2次乾燥を行い、水分量を0.3〜2.5質量%(30℃80%RH環境に保管した試料を測定)にすることにより得られる。
【0142】
1次乾燥の乾燥装置としては、気流乾燥機、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を挙げることができるが、これらの中では気流乾燥機が好ましい。又、2次乾燥の乾燥装置としては、振動気流乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機等を挙げることができるが、これらの中では振動気流乾燥機が好ましい。
【0143】
即ち、本発明の重合トナーは水系媒体中で粒子形成して得られた着色粒子を、気流乾燥機等で急速乾燥することにより、トナーの内部に乾燥温度や時間に対応した水分が残存し、急速乾燥条件を変更することにより、30℃80%RH環境下の飽和含水量を変化させることができる。
【0144】
以下、乾燥について詳細に説明する。
〈1次乾燥〉
1次乾燥処理に好ましく使用される気流乾燥機は、高温・高速の気流中で、着色粒子を含有する含水ケーキを瞬間的(例えば1分以内)に分散・乾燥させる乾燥機である。かかる気流乾燥機の具体例としては、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)を挙げることができる。
【0145】
図5は、本発明に使用することのできる気流乾燥機の一例を示す説明図である。図5において、1はドライヤー本体、2は含水ケーキの投入口、3はノズル、4は回収ノズル、5は乾燥した着色粒子の排出口、6Aはドライング領域、6Bはアップスタック領域、6Cは分級領域、7は熱風供給部、8は熱風入口である。
【0146】
この気流乾燥機において、加熱された圧縮空気を熱風入口8から熱風供給部7内に供給すると、この圧縮空気(熱風)は、熱風供給部7内で開口するノズル3を通ってドライヤー本体1の内部に超音速で吐出され、流路(ドライング領域6A→アップスタック領域6B→分級領域6C→ドライング領域6A)に沿ってドライヤー本体1の内部を循環する。このとき、投入口2の近傍において、ドライヤー本体1の内部は僅かに負圧となる。このような熱風の循環状態において、投入口2から含水ケーキを供給すると、当該含水ケーキは、ドライヤー本体1の内部を循環する熱風によって分散・解砕(粉体化)されるとともに、形成される粉体中の水分が迅速に除去される。この粉体(着色粒子)は、熱風により分級領域6Cまで搬送され、粉体の水分量が所定の値以下であるときには、当該粉体(低比重の乾燥粉体p)は、回収ノズル4を通って排出口5から排出され、粉体の水分量が所定の値より大きいときには、当該粉体(高比重の粉体P)は、ドライング領域6Aに搬送されて再度の乾燥処理に供される。
【0147】
上記のような気流乾燥機によれば、含水ケーキ中に存在する水分を瞬間的(例えば1分以内)に蒸発させることができるとともに、水分量が所定の値以下となった粉体(乾燥粉体p)のみが分級されて気流乾燥機から排出される。そして、乾燥粉体pからなる粒子群は、凝集することなく所期の粒子径分布を有するものとなる。又、分級されて排出された乾燥粉体pは、粒子間における比重(残留水分)のバラツキがきわめて小さい。なお、乾燥粉体pの比重(残留水分)は、分級領域6Cにおける分級条件(粉体に作用させる遠心力)を調整すること、例えば熱風供給部7内への熱風の供給量(風量)を調整することにより制御することができる。
【0148】
気流乾燥機による乾燥処理は、連続式(含水ケーキの供給および乾燥粉体の排出を連続的に行う方式)で行っても、バッチ式で行ってもよいが、粒子間における乾燥のバラツキをなくす観点から、連続式で行うことが好ましい。
【0149】
図6は、連続式の乾燥処理を行うためのプラントの一例を示す説明図である。同図において、10は、図5に示した構成を有する気流乾燥機である。11は圧縮空気を発生するブロワー、12は、ブロワー11からの空気を加熱するヒータであり、ヒータ12によって加熱された空気(熱風)は、気流乾燥機10の熱風供給部(図5における熱風供給部7)に供給される。T1は、ヒータ12により加熱された空気の温度(以下、「入口温度」ともいう。)を測定するための温度計であり、T2は、気流乾燥機10から排気された空気の温度(以下、「出口温度」ともいう。)を測定するための温度計である。15は含水ケーキ状着色粒子の供給器であり、この供給器15は、気流乾燥機10における投入口(図5における投入口2)に連結されている。16は配管を介して気流乾燥機10の排出口(図5における排出口5)に連結されたサイクロンであり、サイクロン16の粉体出口から乾燥粉体(着色粒子)が回収される。17は配管を介してサイクロン16の排気口に連結されたバグフィルタであり、18は配管を介してバグフィルタ17に連結された排気用のブロワーである。
【0150】
気流乾燥機による乾燥処理に供される含水ケーキの水分量は、通常30〜60質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。この水分量の範囲であると含水ケイーキの取り扱やすく好ましい。
【0151】
気流乾燥機に供給される空気の量(風量)としては、配管の径が5cmの場合、室温換算で1〜6m3/minであることが好ましく、1.5〜4.0m3/minがより好ましい。又、ドライヤー本体1の内部において循環する空気の線速度(粉体の循環速度)としては、10〜40m/secであることが好ましく、13〜30m/secがより好ましい。又、単位風量あたりの乾燥処理量としては、完全乾燥後における着色粒子の質量換算で5〜200g/m3であることが好ましく、10〜120g/m3がより好ましい。又、単位時間あたりの乾燥処理量としては、配管の径によっても異なるが、例えば5cm径の場合には、完全乾燥後におけるトナー質量換算で5〜500g/minであることが好ましく、10〜300g/minより好ましい。径によりこの数値は増減する。
【0152】
気流乾燥機に供給される圧縮空気の温度(入口温度)としては、100〜150℃であることが好ましく、110〜130℃より好ましい。
【0153】
気流乾燥機から排出される圧縮空気の温度(出口温度)としては、着色粒子を構成する樹脂のガラス転移温度を(Tg)とするとき、Tg−10〜Tg+5℃であることが好ましい。
【0154】
気流乾燥機による乾燥処理においては、当該気流乾燥機から排出される着色粒子の水分量を測定し、当該水分量が所定の値以下に維持されるように、当該気流乾燥機への含水ケーキの供給量を制御することが好ましい。ここに、乾燥処理中における着色粒子の水分量は、カールフィッシャー法により測定することができる。
【0155】
さらに、気流乾燥機による乾燥処理においては、当該気流乾燥機における出口温度を常時測定し、この出口温度が一定の範囲に維持されるように、当該気流乾燥機への含水ケーキ状着色剤の供給量を制御することが好ましい。これにより、得られる着色粒子の水分量を一定の範囲に制御することができる。
【0156】
気流乾燥により乾燥処理が行われた着色粒子の水分量は5質量%以下(30℃80%RH)であることが好ましく、3質量%以下(30℃80%RH)がより好ましい。水分量が5質量%(30℃80%RH)を超える着色粒子は当該着色粒子中に多量の水分が取り込まれてしまっているため、後乾燥処理を行っても水分量を0.3〜2.5質量%(30℃80%RH)に減少させることが困難である。
【0157】
〈2次乾燥〉
気流乾燥機を用いた乾燥処理(1次乾燥)のみで、水分量0.3〜2.5質量%(30℃80%RH)の着色粒子を調製してもよいが、気流乾燥機による乾燥処理(1次乾燥)で、水分量を5質量%以下(30℃80%RH)にした後、さらに後乾燥処理(2次乾燥)を行い、水分量0.3〜2.5質量%(高温高湿環境下に保管した試料を測定)の着色粒子を調製する方法が、安定して着色粒子を製造するのに適している。
【0158】
2次乾燥で好ましく使用される振動流動乾燥機は、大気圧、減圧或いは真空の環境下で、1次乾燥した着色粒子を後乾燥処理する乾燥機である。かかる振動流動乾燥機の具体例としては、「振動流動乾燥機」(中央加工機株式会社製)を挙げることができる。2次乾燥の処理温度としては、着色粒子を構成する樹脂のガラス転移温度を(Tg)とするとき、Tg−10〜Tg+5℃であることが好ましい。
【0159】
《トナー及びその製造方法》
次いで、本発明のトナー及びその製造方法について説明する。
【0160】
本発明のトナーは、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色粒子を有する。
前記着色粒子は、重合性単量体を水系媒体中で重合して粒子形成をする方法が好ましいが、この製造方法は、重合性単量体を懸濁重合法により重合して樹脂粒子を調製し、或いは、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合、或いはミニエマルジョン重合を行って微粒の樹脂粒子を調製し、必要に応じて荷電制御性樹脂粒子を添加した後、有機溶媒、塩類等の凝集剤等を添加して当該樹脂粒子を凝集、融着する方法で製造するものである。
【0161】
〈乳化重合法〉
着色粒子を製造するその他の方法として樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法が好ましい。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号、同6−329947号、同9−15904号に示す方法等を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤等の構成材料の分散粒子、或いは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中に、これらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒子径を成長させ、目的の粒子径となったところで水を多量に加えて粒子径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、着色粒子を調製することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコール等水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
【0162】
着色粒子の製造方法においては、重合性単量体に結晶性物質を溶かした後、重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体に結晶性物質を溶かすとき、結晶性物質を溶解させて溶かしても、溶融して溶かしてもよい。
【0163】
又、着色粒子の製造方法としては、多段重合法によって得られる複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。ここで、多段重合法について以下に説明する。
【0164】
(多段重合法により得られるトナーの製造方法)
多段重合法を用いる場合、着色粒子の製造方法は、以下に示す工程より構成されることが好ましい。
【0165】
1:多段重合工程
2:複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させて着色粒子を得る塩析/融着工程
3:着色粒子の分散系から当該着色粒子を濾別し、当該着色粒子から界面活性剤等を除去する濾過・洗浄工程
4:洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
5:乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加してトナーとする工程
から構成される。
【0166】
以下、各工程について、詳細に説明する。
〔多段重合工程〕
多段重合工程とは、定着オフセット発生防止したトナーを得るべく樹脂粒子の分子量分布を拡大させるために行う重合方法である。すなわち、1つの樹脂粒子において異なる分子量分布を有する相を形成するために重合反応を多段階に分けて行うものであって、得られた樹脂粒子がその粒子の中心より表層に向かって分子量勾配を形成させる様に意図して行うものである。例えば、はじめに高分子量の樹脂粒子分散液を得た後、新たに重合性単量体と連鎖移動剤を加えることによって低分子量の表層を形成する方法が採られている。
【0167】
本発明においては、製造の安定性および得られる着色粒子の破砕強度の観点から三段重合以上の多段重合法を採用することが好ましい。以下に、多段重合法の代表例である二段重合法および三段重合法について説明する。この様な多段階重合反応によって得られた着色粒子では破砕強度の観点から表層程低分子量のものが好ましい。
【0168】
〈二段重合法〉
二段重合法は、結晶性物質を含有する高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。
【0169】
この方法を具体的に説明すると、先ず、結晶性物質を単量体に溶解させて単量体溶液を調製し、この単量体溶液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理(第一段重合)することにより、結晶性物質を含む高分子量の樹脂粒子の分散液を調製するものである。
【0170】
次いで、この樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第二段重合)を行うことにより、樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する方法である。
【0171】
〈三段重合法〉
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)、結晶性物質を含有する中間層及び低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。着色粒子では上記の様な複合樹脂粒子として存在するものである。
【0172】
この方法を具体的に説明すると、先ず、常法に従った重合処理(第一段重合)により得られた樹脂粒子の分散液を、水系媒体(例えば、界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、上記水系媒体中に、結晶性物質を単量体に溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)することにより、樹脂粒子(核粒子)の表面に、結晶性物質を含有する樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層(中間層)を形成して、複合樹脂粒子(高分子量樹脂−中間分子量樹脂)の分散液を調製する。
【0173】
次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、複合樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第三段重合)することにより、複合樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する。上記方法において、中間層を組み入れることにより、結晶性物質を微細かつ均一に分散することができ好ましい。
【0174】
着色粒子の製造方法の1態様においては、重合性単量体を水系媒体中で重合することが1つの特徴である。すなわち、結晶性物質を含有する樹脂粒子(核粒子)又は被覆層(中間層)を形成する際に、結晶性物質を単量体に溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中で油滴分散させ、この系に重合開始剤を添加して重合処理することにより、ラテックス粒子として得る方法である。
【0175】
水系媒体とは、水50〜100質量%と水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等を例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0176】
結晶性物質を含有する樹脂粒子又は被覆層を形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、結晶性物質を単量体に溶解した単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジカル重合させる方法(以下、本発明では「ミニエマルジョン法」という。)を挙げることができる。なお、上記方法において、水溶性重合開始剤に代えて、或いは水溶性重合開始剤と共に、油溶性重合開始剤を用いても良い。
【0177】
機械的に油滴を形成するミニエマルジョン法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解させた結晶性物質が脱離が少なく、形成される樹脂粒子又は被覆層内に十分な量の結晶性物質を導入することができる。
【0178】
ここで、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、例えば、高速回転するロータを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザー等を挙げることができる。又、分散粒子径としては、10〜1000nmが好ましく、更に好ましくは50〜1000nmであり、特にに好ましくは30〜300nmである。
【0179】
なお、結晶性物質を含有する樹脂粒子又は被覆層を形成するための他の重合法として、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法等の公知の方法を採用することもできる。又、これらの重合法は、複合樹脂粒子を構成する樹脂粒子(核粒子)又は被覆層であって、結晶性物質を含有しないものを得るためにも採用することができる。
【0180】
この重合工程で得られる複合樹脂粒子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会社製)を用いて測定される質量平均粒子径で10〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0181】
又、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は48〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52〜64℃である。
【0182】
又、複合樹脂粒子の軟化点は95〜140℃の範囲が好ましい。
本発明のトナーは、樹脂および着色粒子の表面に、塩析/融着法によって樹脂粒子を融着させて樹脂層を形成させて得られるものであるが、このことについて以下に説明する。
【0183】
〔塩析/融着工程〕
この塩析/融着工程は、前記多段重合工程によって得られた複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)の着色粒子を得る工程である。
【0184】
本発明において、塩析/融着とは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、又は、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。塩析と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させることが好ましい。
【0185】
この塩析/融着工程では、複合樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤等の内添剤粒子(数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の微粒子)を塩析/融着させてもよい。又、着色剤粒子は、表面改質されていてもよく、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0186】
〔熟成工程〕
熟成工程は、塩析/融着工程に後続する工程であり、樹脂粒子の融着後も温度を結晶性物質の融点近傍、好ましくは融点±20℃に保ち、一定の強度で攪拌を継続することにより、結晶性物質を相分離させる工程である。
【0187】
又、凝集剤に用いる2価(3価)の金属元素と後述する凝集停止剤として加える1価の金属元素の合計値が350〜35000ppmであることが好ましい。着色粒子に含まれる金属イオン残存量の測定は、蛍光X線分析装置「システム3270型」(理学電気工業株式会社製)を用いて、凝集剤として用いられる金属塩の金属種(例えば、塩化カルシウムに由来するカルシウム等)から発する蛍光X線強度を測定することによって求めることができる。具体的な測定法としては、凝集剤金属塩の含有割合が既知のトナーを複数用意し、各着色粒子5gをペレット化し、凝集剤金属塩の含有割合(質量ppm)と、当該金属塩の金属種からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、凝集剤金属塩の含有割合を測定すべき着色粒子(試料)を同様にペレット化し、凝集剤金属塩の金属種からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「着色粒子に含まれる金属イオン残存量」を求めることができる。
【0188】
〔濾過・洗浄工程〕
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られた着色粒子の分散系から当該着色粒子を濾別する濾過処理と、濾別された着色粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤等の付着物を除去する洗浄処理が施される。濾過・洗浄により着色粒子を含有する含水ケーキが調製される。濾過・洗浄処理に用いられる装置としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過装置、フィルタープレス等を使用して行う濾過装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
【0189】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されて得られた着色粒子を含有する含水ケーキを乾燥処理する工程である。
【0190】
この乾燥処理は、前記《乾燥》で記載した方法によりおこなう。
なお、乾燥処理されて得られた着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができるが特に限定されるものではない。
【0191】
着色粒子は、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させることにより調製されることが好ましい。
【0192】
このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、着色粒子によれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、着色粒子の蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
【0193】
又、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られる着色粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該着色粒子を使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることはない。
【0194】
更に、得られる着色粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。このような着色粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像が得られる。
【0195】
次に、トナー製造工程で用いられる化合物について、詳細に説明する。
(重合性単量体)
樹脂(バインダー)を造るための重合性単量体としては、疎水性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋性単量体が用いられる。又、下記するごとく酸性極性基を有する単量体又は塩基性極性基を有するモノマーを少なくとも1種類含有するのが望ましい。
【0196】
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。又、要求される特性を満たすように、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0197】
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0198】
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0199】
アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0200】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0201】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0202】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0203】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0204】
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0205】
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及び(b)スルホン基(−SO3H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
【0206】
(a)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
【0207】
(b)の−SO3H基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスルホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、そのNa塩等を挙げることができる。
【0208】
(4)塩基性極性基を有するモノマー
塩基性極性基を有するモノマーとしては、(i)アミン基或いは4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜12、好ましくは2〜8、特に好ましくは2の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(ii)(メタ)アクリル酸アミド或いは随意N上で炭素原子数1〜18のアルキル基でモノ又はジ置換された(メタ)アクリル酸アミド、(iii)Nを環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物及び(iv)N,N−ジアリル−アルキルアミン或いはその四級アンモニウム塩を例示することができる。中でも、(i)のアミン基或いは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが塩基性極性基を有するモノマーとして好ましい。
【0209】
(i)のアミン基或いは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
【0210】
(ii)の(メタ)アクリル酸アミド或いはN上で随意モノ又はジアルキル置換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができる。
【0211】
(iii)のNを環員として有する複素環基で置換されたビニル化合物としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド等を挙げることができる。
【0212】
(iv)のN,N−ジアリル−アルキルアミンの例としては、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0213】
(重合開始剤)
ラジカル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(例えば、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。更に、上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が達成でき好ましい。
【0214】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温又はそれ以上の温度で重合する事も可能である。
【0215】
(界面活性剤)
前述の重合性単量体を使用して、特にミニエマルジョン重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができる。
【0216】
イオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0217】
又、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
【0218】
本発明において、これら界面活性剤は、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程又は他の目的で使用してもよい。
【0219】
(凝集剤)
凝集剤は、金属塩の中から選択されるものが好ましい。
【0220】
金属塩としては、一価の金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属、例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガン、銅等の二価の金属塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属塩等が挙げられる。
【0221】
これら金属塩の具体的な例を以下に示す。一価の金属の金属塩の具体例として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、二価の金属の金属塩として塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。三価の金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは、目的に応じて適宜選択される。一般的には一価の金属塩より二価の金属塩のほうが臨界凝集濃度(凝析値或いは凝析点)が小さく、更に三価の金属塩の臨界凝集濃度は小さい。
【0222】
本発明で言う臨界凝集濃度とは、水性分散液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加し、凝集が起こる点の濃度を示している。この臨界凝集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化する。例えば、岡村誠三他著高分子化学17,601(1960)等に記述されており、これらの記載に従えば、その値を知ることができる。又、別の方法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
【0223】
金属塩を用いて臨界凝集濃度以上の濃度になるように重合体微粒子分散液を処理する。この時、当然の事ながら、金属塩を直接加えるか、水溶液として加えるかは、その目的に応じて任意に選択される。水溶液として加える場合には、重合体粒子分散液の容量と金属塩水溶液の総容量に対し、添加した金属塩が重合体粒子の臨界凝集濃度以上になる必要がある。
【0224】
凝集剤たる金属塩の濃度は、臨界凝集濃度以上であれば良いが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上添加される。
【0225】
(着色剤)
着色粒子は、上記の複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られる。
【0226】
着色粒子を構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析/融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0227】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0228】
これらの無機顔料は所望に応じて単独又は複数を選択併用する事が可能である。又、顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0229】
磁性着色粒子として使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、着色粒子中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0230】
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0231】
マゼンタ又はレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0232】
オレンジ又はイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
【0233】
グリーン又はシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0234】
又、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、又、これらの混合物も用いることができる。
【0235】
これらの有機顔料及び染料は、所望に応じて、単独又は複数を選択併用することが可能である。又、顔料の添加量は、重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0236】
着色粒子を構成する着色剤(着色剤粒子)は、表面改質されていてもよい。表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。チタンカップリング剤としては、例えば、味の素株式会社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達株式会社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素株式会社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
【0237】
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜5質量%とされる。
【0238】
着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法を挙げることができる。
【0239】
表面改質された着色剤粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理される。
【0240】
(離型剤)
着色粒子は、離型剤を内包した樹脂粒子を水系媒体中に於いて融着させた着色粒子であることが好ましい。この様に樹脂粒子中に離型剤を内包させた樹脂粒子を着色剤粒子と水系媒体中で塩析/融着させることで、微細に離型剤が分散された着色粒子を得ることができる。
【0241】
着色粒子では、離型剤として、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等が好ましく、特に好ましくは、下記式で表されるエステル系化合物である。
【0242】
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。R1、R2は、各々置換基を有しても良い炭化水素基を示す。R1は、炭素数1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜5がよい。R2は、炭素数1〜40、好ましくは16〜30、さらに好ましくは18〜26がよい。
【0243】
次に代表的な化合物の例を以下に示す。
【0244】
【化9】
Figure 0004530246
【0245】
【化10】
Figure 0004530246
【0246】
上記化合物の添加量は、着色粒子全体に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
【0247】
着色粒子では、ミニエマルジョン重合法により樹脂粒子中に上記離型剤を内包させ、着色粒子とともに塩析、融着させて調製することが好ましい。
【0248】
(荷電制御剤)
着色粒子は、着色剤、離型剤以外に着色粒子用材料として種々の機能を付与することのできる材料を添加することができる。具体的には、荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、着色粒子中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
【0249】
荷電制御剤は、種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。
【0250】
(外添剤)
本発明のトナーは、着色粒子そのままで使用してもよいが、流動性の改良やクリーニング性の向上等の目的で、いわゆる外添剤を着色粒子に添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0251】
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水性であることが好ましい。
【0252】
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル株式会社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト株式会社製のHVK−2150、H−200、キャボット株式会社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0253】
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品T−805、T−604、テイカ株式会社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン株式会社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産株式会社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0254】
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル株式会社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業株式会社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0255】
外添剤として使用できる有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等のを挙げることができる。
【0256】
外添剤として使用できる滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。
【0257】
外添剤の添加量としては、着色粒子に対して0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0258】
〈外添剤の添加工程〉
この工程は、乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加してトナーとする工程である。
【0259】
外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の公知の混合装置を挙げることができる。
【0260】
《着色粒子の分子量分布、分子量》
着色粒子は、分子量のピーク又は肩が100,000〜1,000,000、および1,000〜50,000に存在することが好ましく、さらにピーク又は肩が100,000〜1,000,000、25,000〜150,000及び1,000〜50,000に存在することがさらに好ましい。
【0261】
着色粒子の分子量は、100,000〜1,000,000の領域にピークもしくは肩を有する高分子量成分と、1,000から50,000未満の領域にピークもしくは肩を有する低分子量成分の両成分を少なくとも含有するものが好ましい。さらに好ましくは、ピーク分子量で15,000〜100,000の部分にピーク又は肩を有する中間分子量体のものを使用することが好ましい。
【0262】
又、着色粒子は、質量平均分子量で30,000〜100,000であるものが好ましい。
【0263】
着色粒子の分子量測定方法は、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定がよい。すなわち、測定試料0.5〜5mg、より具体的には1mgに対してTHFを1.0ml加え、室温にてマグネチックスターラー等を用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1.0mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工株式会社製のShodexGPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー株式会社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSKguard columnの組合せ等を挙げることができる。又、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、或いはUV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0264】
《トナー(着色粒子)の粒径》
本発明のトナー(着色粒子)の粒径は、個数平均粒径で3〜10μmであることが好ましく、3〜8μmが更に好ましい。この粒径は、着色粒子の製造工程において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成等によって制御することができる。
【0265】
個数平均粒径が3〜10μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着し定着オフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、又、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0266】
トナーの個数平均粒径は、「コールターカウンターTA−II」、「コールターマルチサイザー」(コールター株式会社製)、「レーザー回折式粒径測定装置SLAD1100」(島津製作所株式会社製)等を用いて測定することができる。
【0267】
本発明においては、「コールターマルチサイザー」を用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機株式会社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記「コールターマルチサイザー」におけるアパーチャーとしては、100μmのものを用いて、2μm以上(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出ずる。
【0268】
尚、トナーの粒径は、着色粒子に外添時を添加しないでトナーとして用いるときには着色粒子の粒径そのままであり、着色粒子に外添剤を添加してトナーを作製しても外添剤の粒径が非常に小さいため、着色粒子の粒径は変わらず着色粒子の粒径と同じ値である。
【0269】
《現像剤》
本発明のトナーは、一成分現像剤或いはは二成分現像剤として用いてもよい。
【0270】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
【0271】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料等を用いることができるが、これらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子の体積平均粒径は15〜100μmが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
【0272】
キャリアの体積平均粒径の測定は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス」(シンパティック株式会社社製)により測定することができる。
【0273】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆(コーティング)されているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアも好ましく用いることができる。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0274】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
【0275】
実施例1
以下のようにして各実施例、比較例の中間層分散液を作製した。
【0276】
感光体1の作製
〈中間層(UCL)〉
中間層分散液の作製
ポリアミド樹脂(例示ポリアミドN−1) 1部
微粒子:酸化チタン(数平均一次粒径35nm、一次表面処理;シリカ・アル
ミナ処理、二次表面処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3部
イソプロピルアルコール 10部
ポリアミドN−1をイソプロピルアルコールで加温溶解後、定格濾過精度0.2μmのフィルターにて濾過後、酸化チタンを混合、該混合液を分散部分の構造がセラミックで表面加工されたサンドミル分散機で、分散時間10時間、バッチ式にて分散し中間層分散液を作製した。
【0277】
上記中間層分散液を同じ混合溶媒を用いて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製プロファイルスター絶対濾過精度:1.5μm、圧力;100kPa以下)し、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
【0278】
乾燥後の中間層の体積抵抗は前記測定条件で2×1010Ω・cmあった。
〈電荷発生層(CGL)〉
電荷発生物質;チタニルフタロシアニン顔料A(図3のCu−Kα特性X線に
よるX線回折スペクトルを有し、DSCで、70〜150℃に吸熱ピークを有し
ない) 20g
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10g
酢酸t−ブチル 700g
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300g
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0279】
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送剤(〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリ
ルアミン) 75g
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)100g
テトラヒドロフラン 600g
トルエン 150g
上記組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製した。
【0280】
感光体2〜9の作製
中間層分散液のポリアミド樹脂、微粒子及びその表面処理と粒径、及び溶剤及び電荷発生層のチタニルフタロシアニン顔料を表1のように変更した他は、感光体1の作製と同様にして、それぞれ感光体2〜9を作製した(但し、感光体6の中間層乾燥膜厚は0.6μmに形成した)。
【0281】
これら感光体2〜9の中間層の体積抵抗は、前記測定条件下で0.5×1010〜6×1010Ω・cmであった。
【0282】
尚、表1中、1次処理欄に記載のものは1次処理時の酸化チタン粒子表面に析出した物質であり、2次処理欄に記載のものは2次処理時に用いた物質を示す。
【0283】
電荷発生物質の70〜150℃の吸熱ピークの検出
表1中の電荷発生物質の70〜150℃の吸熱ピークの検出は前記した条件で、室温(24℃)から170℃まで昇温し測定した。
【0284】
測定機:島津製作所「島津熱流速示差走査熱量計DSC−50」を用いて測定した。
【0285】
又、表1中の中間層に用いる樹脂の融解熱、吸水率の測定は以下のようにして行った。
【0286】
融解熱の測定条件
測定機:島津製作所「島津熱流速示差走査熱量計DSC−50」を用いて測定した。
【0287】
測定条件:測定試料を上記測定機に設定し、室温(24℃)から測定開始、200℃迄5℃/分で昇温し、次いで室温まで5℃/分で冷却する。これを2回連続で行い、2回めの昇温時の融解による吸熱ピーク面積より融解熱を算出する。
【0288】
吸水率の測定条件
測定対象の試料を70〜80℃で3〜4時間で十分に乾燥させ、その質量を精密に秤量する。次に、20℃に維持したイオン交換水に試料を投入し、一定時間経過後に引き上げ試料表面の水を清潔な布で拭き取り、質量を測定する。以上の操作を質量増が飽和するまで繰り返し、その結果得られた試料の増加質量(増加分)を初期の質量で徐した値を吸水率とした。
【0289】
【表1】
Figure 0004530246
【0290】
表中、電荷発生物質の欄のAは図3のX線回折スペクトルのチタニルフタロシアニン顔料、Bは図4のX線回折スペクトルのチタニルフタロシアニン顔料、Yは図7のX線回折スペクトルのチタニルフタロシアニン顔料を示す。
【0291】
又、炭素数が7以上の単位構造の比率とは、繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
【0292】
本発明に用いるトナー及び該トナーを用いた現像剤を作製した。
《着色粒子1の調製》
(ラテックス(1HML)の調製)
〈1:核粒子の調製(第1段重合)〉
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤A(C1021(OCH2CH22OSO3Na)4.0gをイオン交換水3040gに溶解した界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温した。
【0293】
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10.0gをイオン交換水400gに溶解した開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン528g、n−ブチルアクリレート204g、メタクリル酸68.0g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル24.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
【0294】
〈2:中間層の形成(第2段重合)〉
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン95.0g、n−ブチルアクリレート36.0g、メタクリル酸9.0g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル0.59gからなる単量体混合液に、離型剤として前記例示化合物19)の70gを添加し、90℃で加温、溶解して単量体溶液1を調製した。
【0295】
次いで、上記アニオン系界面活性剤Aの1.0gを、イオン交換水1560mlに溶解した界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、上記調製した単量体溶液1を8時間混合分散し、均一な分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む乳化液を調製した。
【0296】
次いで、この乳化液に重合開始剤(KPS)5.0gをイオン交換水200mlに溶解した開始剤溶液とイオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
【0297】
上記「ラテックス(1HM)」を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。
【0298】
〈3:外層の形成(第3段重合)〉
上記調製した「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)6.8gをイオン交換水265mlに溶解した開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン249g、n−ブチルアクリレート88.2g、メタクリル酸19.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル7.45gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、ラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、中間層に離型剤として例示化合物19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
【0299】
(ラテックス(2L)の調製)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内に、重合開始剤(KPS)14.8gをイオン交換水400mlに溶解した開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン600g、n−ブチルアクリレート190g、メタクリル酸30.0g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル20.8gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、ラテックス(低分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(2L)」とする。
【0300】
この「ラテックス(2L)」を構成する樹脂粒子は、11,000に分子量ピークを有するものであり、又、この樹脂粒子の質量平均粒径は128nmであった。
【0301】
(着色剤分散液(1)の調製)
アニオン界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック420.0gを徐々に添加し、次いで分散機「クレアミックス」(エムーテクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤を分散した「着色剤分散液(1)」を調製した。
【0302】
(凝集・融着工程)
前記調製した「ラテックス(1HML)」420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、上記調製した「着色剤分散液(1)」200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.0に調整した。
【0303】
次いで、塩化マグネシウム・6水和物の12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この水溶液を60分間かけて90℃まで昇温し、粒子の成長を開始した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmになった時点で、停止剤として塩化ナトリウムの40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、熟成処理として、液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させた。その後、8℃/分の条件で30℃まで冷却した。
【0304】
(シェリング工程)
上記により、凝集・融着を行った粒子に、前記調製した「ラテックス(2L)」96gを添加し、3時間に亘り加熱、攪拌を継続し、「ラテックス(1HML)」の凝集粒子表面に「ラテックス(2L)」をシェリングさせた。次いで、塩化ナトリウム40.2gを添加し、8℃/分の降温条件で30℃まで冷却し、次いで、塩酸を添加してpHを2.0に調整して、攪拌を停止した。
【0305】
以上のようにしてシェリングした融着粒子を濾過し、次いで、遠心分離を行いながらイオン交換水で洗浄処理して、「含水ケーキ(1)」を得た。尚、前記「含水ケーキ(1)」の水分量は48質量%になるよう遠心分離機の条件を設定した。
【0306】
(乾燥工程)
このようにして得られた「含水ケーキ(1)」10kgを連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」(セイシン企業株式会社製)を使用して乾燥処理(1次乾燥)を行った。ここに、連続瞬間気流乾燥機の入口温度を120℃、出口温度を55℃、風量を2Nm3/min(「Nm3」は室温換算の体積を表す。以下同じ。)に設定した。又、連続瞬間気流乾燥機から排出される着色粒子の水分が5質量%以下になるように、排出される着色粒子の水分を逐次測定し、この測定値をフィードバックして、「含水ケーキ(1)」の供給量(処理量)を5〜20kg/時間の範囲で制御した。この乾燥処理(1次乾燥)に要した時間は90分間であり、乾燥処理後の着色粒子の水分量を測定したところ1.0質量%(30℃80%RH)であった。
【0307】
次いで、乾燥処理(1次乾燥)された水分量が1.0質量%(30℃80%RH)の着色粒子を、「振動流動乾燥機」(中央化工機株式会社製)を用い、乾燥温度55℃で、水分量が0.66質量%(30℃80%RH)となるまで後乾燥処理(2次乾燥)を行い、「着色粒子1」を調製した。
【0308】
このようにして調製された「着色粒子1」の体積平均粒径は6.4μm、当該「着色粒子1」を構成する樹脂の質量平均分子量は55,000、当該樹脂のガラス転移温度(Tg)は57℃、当該樹脂の軟化点は125℃であった。
【0309】
《着色粒子2の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の出口温度を55℃から65℃に変更した以外は同様にして「着色粒子2」を調製した。
【0310】
《着色粒子3の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の出口温度を55℃から47℃に変更した以外は同様にして「着色粒子3」を調製した。
【0311】
《着色粒子4の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の出口温度を55℃から35℃に変更した以外は同様にして「着色粒子4」を調製した。
【0312】
《着色粒子5の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の出口温度を55℃から42℃に変更した以外は同様にして「着色粒子5」を調製した。
【0313】
《着色粒子6の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の出口温度を55℃から37℃に変更した以外は同様にして「着色粒子6」を調製した。
【0314】
《着色粒子7の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の乾燥処理に要した時間を90分から60分に変更した以外は同様にして「着色粒子7」を調製した。
【0315】
《着色粒子8の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の乾燥処理に要した時間を90分から45分に変更した以外は同様にして「着色粒子8」を調製した。
【0316】
《着色粒子9の調製》
上記「着色粒子1」の調製において、連続瞬間気流乾燥機「フラッシュジェットドライヤー、型式:5cm」の乾燥処理に要した時間を90分から30分に変更した以外は同様にして「着色粒子9」を調製した。
【0317】
表2に、含水ケーキの水分量、1次乾燥条件、2次乾燥条件、それぞれ処理後の水分量、体積平均粒径を示す。
【0318】
尚、トナー(着色粒子)の体積平均粒径は、「コールターマルチサイザー」(コールター株式会社製)を使用して測定した値である。
【0319】
【表2】
Figure 0004530246
【0320】
《トナーの調製》
上記で調製した「着色粒子1〜9」に、それぞれ疎水性シリカ(数平均一次粒子径:12nm、疎水化度:68)を1.0質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径:20nm、疎水化度:63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1〜9」を調製した。
【0321】
表3にトナー1〜9の高温高湿(30℃80%RH)の飽和含水量を示す。
【0322】
【表3】
Figure 0004530246
【0323】
《現像剤の調製》
次いで、上記で調製した各トナーに対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒子径60μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6%の「現像剤1〜9」を調製した。
【0324】
《評価》
上記感光体を図1の構造を基本的に有するコニカ製Sitios7040デジタル複写機改造機(スコロトロン帯電器、半導体レーザ像露光器、反転現像手段を有する)に各感光体、現像剤(現像剤No.=トナーNo.)、露光スポット面積を表4のように組み合わせ、高温高湿(30℃80%RH)下で、画素率8%の文字及びハーフトーンの混在した画像を連続してA4紙2万枚プリントを行い評価した。評価項目、評価基準を下記に示す。又評価結果を表4に示す。
【0325】
評価項目と評価基準
「ドットの再現性」
画像を構成するドット再現性を100倍の拡大鏡を覗いて評価した。
【0326】
◎:画像ドットの大きさが露光スポット面積の±30%未満でそれぞれ独立に再現されている(良好)
○:画像ドットの大きさが露光スポット面積の30〜60%増加又は減少し、それぞれ独立に再現されている(実用性があるレベル)
×:画像ドットの大きさが露光スポット面積の60%を越えて増加又は減少し、部分的に画像ドットがぼけたり、消失したり、連結したりしている(実用上問題のレベル)
画像むら
画像むら:前記デジタル複写機を高温高湿下(HH:30℃、80%RH)に24hr放置後、低湿低温下(LL:10℃、20RH%)に置き、30分後、コピーした。文字画像とハーフトーン画像のオリジナル画像をコピーし、発生した残像や黒帯状の画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:残像や黒帯状の画像の濃度差ΔHDが0.02未満(良好)
○:残像や黒帯状の画像の濃度差ΔHDが0.02〜0.04(実用上問題なし)
△:残像や黒帯状の画像の濃度差ΔHDが0.05〜0.06(実用性再検討要のレベル)
×:残像や黒帯状の画像の濃度差ΔHDが0.07以上(実用上問題あり)
「周期性の画像欠陥」
感光体の周期と一致した画像欠陥(黒ポチや白ヌケ又は線状の画像欠陥として発生する)が発生する
評価基準は
◎:明瞭な周期性の画像欠陥の発生がほとんど見られない(黒ポチの場合は3個/A4以下、線状の場合は濃度差が0.02以内:良好)
○:明瞭な周期性の画像欠陥の発生が実用性の範囲内(黒ポチの場合は4〜10個/A4以下、線状の場合は濃度が0.03〜0.04:実用性があるレベル)
△:周期性の画像欠陥の発生があり、実用性の再検討を要する範囲(黒ポチの場合は11〜20個/A4以下、線状の場合は濃度が0.05〜0.06:実用性再検討要のレベル)
×:明瞭な周期性の画像欠陥の発生が多発(黒ポチの場合は21個/A4以上、線状の場合は濃度が0.07以上:実用上問題のレベル)
階調性の評価
上記評価条件を常温常湿(20℃、60%RH)環境に変更し、白画像から黒ベタ画像まで60の階調段差を持つオリジナル画像を複写し、階調性を評価した。評価は階調段差の画像を十分な昼光条件下で目視評価し、有意性のある階調段差の合計段差数で評価した。
【0327】
◎:階調性が41段差以上(良好)
○:階調性が21〜40段差(実用上問題なし)
△:階調性が11〜20段差(実用性の再検討要:階調性が重視されない画質では実用性あり)
×:階調性が10段差以下(実用上問題あり)
鮮鋭性の評価
画像の鮮鋭性は、線画像の解像性で評価した。下記の判断基準で評価した。
【0328】
◎:線画像の解像性が16本/mm以上を達成している(良好)
○:線画像の解像性が10〜15本/mmを達成している(実用上問題なし)
△:線画像の解像性が5〜9本/mm(高解像性の画像としては不適)
×:線画像の解像性が4本/mm以下(実用上、問題あり)
評価結果を表4に示す。
【0329】
その他の評価条件
感光体の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、その制御可能範囲は−500V〜−900Vである。
【0330】
像露光光:半導体レーザ(波長:680nm)
露光条件
露光部電位を−50V〜−150Vにする露光量に設定。
【0331】
露光ビーム:表4に記載のようにスポット面積を変化させた。
現像条件:現像剤は前記した現像剤1〜9を用いた。又、現像方式は反転現像で行った。
【0332】
【表4】
Figure 0004530246
【0333】
表4より、示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に電荷輸送層を有する有機感光体と30℃80%RHの飽和含水量が0.1〜2.5質量%であるトナーを併用した組み合わせNo.1〜8及び10〜19は、Y型顔料を含有する本発明外の感光体を用いた組み合わせNo.9に比し、画像むらの改善効果が著しく、その結果鮮鋭性も改善されている。一方、飽和水分量が2.5質量%より大きいトナー8、9を用いた組み合わせNo.20、21はドット再現性が劣化し、画像むら、周期性の画像欠陥の評価も劣っており、その結果鮮鋭性も十分でない。これは飽和含水量が高いトナーを用いると、感光体も含水量が高くなり、静電潜像がぼけ、感度や帯電性の変化も発生し、画像ボケも発生したと思われる。
【0334】
実施例2
感光体10の作製
前記実施例1の感光体1のAのチタニルフタロシアニン顔料を以下のように変更した以外は、同様にして感光体10を作製した。
【0335】
Aのチタニルフタロシアニン顔料をCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料C(70〜150℃の間に吸熱ピークなし)に変更
この感光体10を感光体1に変えて用いた他は表4の組み合わせNo.1と同様の組み合わせを作製し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、全ての評価項目で良好な結果を得られた。
【0336】
実施例3
感光体11の作製
前記実施例1の感光体1のAのチタニルフタロシアニン顔料を以下のように変更した以外は、同様にして感光体11を作製した。
【0337】
Aのチタニルフタロシアニン顔料をCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料D(70〜150℃の間に吸熱ピークなし)に変更
この感光体11を感光体1に変えて用いた他は表4の組み合わせNo.1と同様の組み合わせを作製し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、全ての評価項目で良好な結果を得られた。
【0338】
実施例4
感光体12の作製
前記実施例1の感光体1のAのチタニルフタロシアニン顔料を以下のように変更した以外は、同様にして感光体12を作製した。
【0339】
Aのチタニルフタロシアニン顔料をCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)で、12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン顔料E(70〜150℃の間に吸熱ピークなし)に変更
この感光体12を感光体1に変えて用いた他は表4の組み合わせNo.1と同様の組み合わせを作製し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、全ての評価項目で良好な結果を得られた。
【0340】
【発明の効果】
本発明の有機感光体を用いることにより、水分含有量が多いトナーを用いても高画質のデジタル画像を形成でき、画像不良を伴わない良好な電子写真画像を提供することが出来る。又、該有機感光体と上記トナーを併用し、良好な電子写真画像を形成する画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【図2】70〜150℃の間の示差熱分析の吸熱ピークを示す図である。
【図3】ブラッグ角(2θ±0.2°)で、最大回折ピークが26.3°、且つ9.3°、10.6°、13.2°、15.1°及び20.8°に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの図である。
【図4】ブラッグ角(2θ±0.2°)で、7.5°、10.3°、12.3°、16.3°、18.4°、22.6°、24.5°、25.3°及び28.7°に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの図である。
【図5】本発明に使用することのできる気流乾燥機の一例を示す説明図である。
【図6】連続式の乾燥処理を行うためのプラントの一例を示す説明図である。
【図7】Y型チタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの図である。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543、544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器

Claims (6)

  1. 感光体上にドット状の静電潜像を形成し、該静電潜像をデジタル画像に顕像化する現像工程を有する画像形成方法において、該感光体が導電性支持体上に順に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層が無機粒子及び吸水率が5質量%以下で、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造の全繰り返し単位構造中に占める比率が60〜100モル%であり、下記一般式(2)の繰り返し単位構造及び下記一般式(3)の繰り返し単位構造を有するアルコール可溶性ポリアミドからなり、該電荷発生層が示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層がポリカーボネートのバインダー樹脂を含有している有機感光体であり、前記現像工程が30℃80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%である重合トナーを含有することを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004530246
    一般式(2)中、R は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
    Figure 0004530246
    一般式(3)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
  2. 前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、26.2°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°に顕著な回折ピークを有し、且つ最大回折ピークが9.3°又は26.2°にあるチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、28.7°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記チタニルフタロシアニン顔料がCu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、22.6°、24.5°、25.4°、28.7°に顕著な回折ピークを有し、且つ最大回折ピークが7.5°又は28.7°にあるチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 感光体上にドット状の静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をデジタル画像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、該感光体が導電性支持体上に順に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層が無機粒子及び吸水率が5質量%以下で、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造の全繰り返し単位構造中に占める比率が60〜100モル%であり、下記一般式(2)の繰り返し単位構造及び下記一般式(3)の繰り返し単位構造を有するアルコール可溶性ポリアミドからなり、該電荷発生層が示差熱分析において70〜150℃の間に吸熱ピークを有しないチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層がポリカーボネートのバインダー樹脂を含有している有機感光体であり、前記現像手段が30℃80%RH環境における飽和水分量が0.3〜2.5質量%である重合トナーを含有することを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004530246
    一般式(2)中、R は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
    Figure 0004530246
    一般式(3)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
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