JP4529261B2 - 複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法 - Google Patents

複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリウム、ストロンチウム、チタン等の複数種類の金属を含むことのある複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスを製造するには、半導体ウエハに成膜処理やパターンエッチング処理を繰り返し行なって所望のデバイスを製造するが、中でも成膜技術は、半導体デバイスが高密度化及び高集積化するに伴ってその仕様、すなわちデザインルールが年々厳しくなっており、例えばデバイス中のキャパシタの絶縁膜やゲート絶縁膜のように非常に薄い酸化膜などに対しても更なる薄膜化が要求され、これと同時に更に高い絶縁性が要求されている。
【0003】
これらの絶縁膜としては、シリコン酸化膜やシリコンナイトライド膜等を用いることができるが、最近にあっては、より絶縁特性の良好な材料として、金属酸化膜、例えば誘電率が30〜50程度と大きいタンタル酸化膜(Ta25 )等が用いられる傾向にあり、更には、上記タンタル酸化膜よりも誘電率が大きくて誘電率が100程度となるSrTiO3 (以下、STOとも称す)や誘電率が200〜300程度となるBaX Sr1-X TiO3 (以下、BSTOとも称す)などの複数種類の金属を含む複合金属酸化物膜も検討されるに至っている。尚、上記BSTOは一般的にはBSTとも称されている。
これらの複合金属酸化物膜は、上述のように現在一般的に用いられているシリコン酸化膜やタンタル酸化膜よりも高い誘電率を発現するので、デバイスの高集積化を進めても微小なキャパシタ面積でも十分な容量を確保することが可能となり、しかも、薄くても信頼性の高い絶縁性を発揮することができるので、キャパシタ絶縁膜の材料として特に有望であり、今後において多用されることが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、周知のように各種の膜を半導体ウエハ表面に堆積させる成膜装置にあっては、この処理容器の内面等に付着した不要な付着膜がパーティクルの原因になることから、これを定期的或いは不定期的に洗浄して取り除くクリーニング処理が行なわれる。この場合、このクリーニング処理には、処理容器を取り外してこれを酸性液等のクリーニング液で洗浄するウェットクリーニングや、処理容器を取り外すことなくIN−SITUEでクリーニングガスを用いて洗浄するドライクリーニングが知られている。
【0005】
そして、スループット向上の上からは、上記したドライクリーニング方法の確立は重要な課題であるが、前述したような不要な複合金属酸化物膜を、処理容器の材料である石英ガラスに損傷を与えることなく除去するためのドライクリーニング方法が十分に確立されていないのが現状である。そこで、本出願人は、先の出願(特願2000−157004)において、Cl2 ガスとClF3 ガスを別々に用いて複合金属酸化物膜を除去するクリーニング方法を提案したが、このクリーニング方法は上記した2種類のクリーニングガスを用いなければならないと、という不都合を有していた。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、処理容器に損傷を極力与えることなく不要な複合金属酸化物膜を、1種類のガスを用いて除去することができる複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、先の出願(特願2000−157004)の提出後、更に複合金属酸化物膜のクリーニング方法について鋭意研究した結果、複合金属酸化物膜を除去するためには、クリーニングガスとして周知のClF ガスを用いた場合には、クリーニングガスの活性化温度以上であって、且つ複合金属酸化物膜中に含まれる金属のフッ化温度以下の温度にてクリーニング操作を行えばよい、という知見を得ることにより、本発明に至ったものである。
請求項1に規定する発明は、少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜を除去するために、除去ガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜を、その構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜を除去するようにしたことを特徴とする複合金属酸化物膜の除去方法である。
これにより、1種類の除去ガスにより略確実に複合金属酸化物膜を除去することが可能となる。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記除去時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されている。
【0007】
請求項3に規定する発明は、少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜のクリーニング方法において、クリーニングガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜を、その構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜を除去するようにしたことを特徴とするクリーニング方法である。
これによれば、成膜を行う処理装置内に付着した不要な複合金属酸化物膜を1種類のクリーニングガスにより略確実に除去することが可能となる。
【0009】
この場合、例えば請求項4に規定するように、前記クリーニングガスによりクリーニングされる箇所は、被処理体を収容してこの被処理体の表面に前記複合金属酸化物膜を形成するために真空引き可能になされた処理容器の内壁である。
また、例えば請求項5に規定するように、前記処理容器内のクリーニング時には、前記被処理体を載置するための被処理体支持手段が前記処理容器内に収容されている。これによれば、処理容器の内壁と被処理体支持手段の表面とを同時にクリーニング処理することが可能となる。
また、例えば請求項6に規定するように、前記クリーニング時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されている。
請求項7に規定する発明は、上記クリーニング方法を、半導体ウエハ等の基板に堆積した膜をパターンエッチングするためのエッチング方法に適用した発明であり、すなわち、基板上に形成された、少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜をエッチングするために、エッチングガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜をその構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜をエッチングするようにしたことを特徴とする複合金属酸化物膜のエッチング方法である。
これによれば、基板上に形成した複合金属酸化物膜を1種類のエッチングガスにより所定の形状にパターンエッチングすることが可能となる。
この場合、例えば請求項8に規定するように、前記エッチング時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係るクリーニング方法を実施することが可能な処理装置の一例を示す構成図である。ここでは複合金属酸化物膜としてSTO或いはBSTOを形成し、この不要な膜をクリーニングによって除去する場合を例にとって説明する。尚、本発明のクリーニング方法と除去方法とは同義である。
この処理装置2は、内筒4と外筒6とよりなる石英製の2重管構造の縦型の処理容器8を有している。上記内筒4内の処理空間Sには、被処理体を保持するための被処理体支持手段としての石英製のウエハボート10が収容されており、このウエハボート10には被処理体としての半導体ウエハWが所定のピッチで多段に保持される。この処理容器8の下方を開閉するためにキャップ12が設けられ、これには磁性流体シール14を介して貫通する回転軸16が設けられる。そして、この回転軸16の上端に回転テーブル18が設けられ、このテーブル18上に石英製の保温筒20を設け、この保温筒20上に上記ウエハボート10を載置している。そして、上記回転軸16は昇降可能なボートエレベータ22のアーム24に取り付けられており、上記キャップ12やウエハボート10等と一体的に昇降可能にしており、ウエハボート10は処理容器8内へその下方から挿脱可能になされている。上記処理容器8の下端開口部は、例えばステンレス製のマニホールド26が接合されている。
【0011】
また、外筒6の底部側壁には、排気口28が設けられており、この排気口28には、排気路30に真空ポンプ32を介設してなる真空排気系34が接続されており、処理容器8内を真空引きするようになっている。
また、処理容器8の外周には、断熱層36が設けられており、この内側には、加熱手段として加熱ヒータ38が設けられており、この内側に位置する処理容器8及びこの中のウエハWを所定の温度に加熱するようになっている。
ここで、処理容器8の全体の大きさは、例えば成膜すべきウエハWのサイズを8インチ、ウエハボート10に保持されるウエハ枚数を120枚程度(製品ウエハを100枚程度、ダミーウエハ等を20枚程度)とすると、内筒4の直径は略260〜270mm程度、外筒6の直径は略275〜285mm程度、処理容器8の高さは略1280mm程度である。
また、上記マニホールド26には、プロセス時に例えば成膜用の処理ガスを流す処理ガス供給手段40と、クリーニング時に必要とするクリーニングガスを必要に応じて流すクリーニングガス供給手段42とがそれぞれ個別に設けられている。
【0012】
具体的には、まず、上記処理ガス供給手段40は、上記マニホールド26を貫通して設けられる処理ガスノズル44を有しており、このノズル44には途中に例えばマスフローコントローラのような流量制御器46を介設したガス供給路48が接続される。また、この流量制御器46の上流側と下流側のガス供給路48の途中には、それぞれ処理ガス開閉弁50が介設されている。そして、このガス供給路48には、処理ガスとしてここでは成膜ガスを形成する原料液体52を貯留している原料タンク54が接続されている。そして、この原料液体52を原料タンク54に設けた気化用ヒータ56で加熱することにより、気化させて成膜ガスを発生するようになっている。
【0013】
この原料液体52としては、複合金属酸化物膜としてSTOを堆積させる場合には、例えば常温常圧で固体である有機金属材料としてSr(DPM)2 とTi(t−BuO)2 (DPM)2 とを所定の重量比で溶媒であるTHF(テトラヒドロフラン:C48 O)や酢酸ブチルに溶解させてなる原料液体を用いることができる。また、複合金属酸化物膜としてBSTOを堆積させる場合には、上記原料液体に更に、常温常圧で固体である有機金属材料としてBa(DPM)2 を所定の重量比で溶解させてなる原料液体を用いることができる。ここでDPMとはジピバロイルメタナートを示し、t−BuOとはターシャルブトキサイドを示す。この成膜ガスの供給に際して、図示されていないがN2 ガス等の不活性ガスをキャリアガスとして用いることができる。
尚、ここでは原料液体として2種類、或いは3種類の有機金属材料を混合状態で用いたが、これらをそれぞれ別個独立して用いて原料ガスを個別に流量制御可能に供給できるようにしてもよい。
【0014】
また、このガス供給路48には、途中に分岐させて酸化ガス供給路58が接続されており、この酸化ガス供給路58は、途中にマスフローコントローラのような流量制御器60及び酸化ガス開閉弁62が介設されて例えばO2 ガス等の酸化ガスを貯留する酸化ガス源64に接続されている。尚、この酸化ガスを供給するノズルとしては、上記処理ガスノズル44とは別個に設けてこの酸化ガスを個別独立的に供給できるようにしてもよい。
また、上記クリーニングガス供給手段42は、同様に上記マニホールド26を貫通して設けられるクリーニングガスノズル66を有しており、このノズル66に接続されるクリーニングガス流路68は、クリーニングガスとしてClF3 ガスを貯留するClF3 ガス源70に接続されると共に、このガス流路68の途中には、マスフローコントローラのような流量制御器72とクリーニングガス開閉弁74とが介設されている。尚、このクリーニングガスの供給に際して、図示されていないがN2 ガス等の不活性ガスをキャリアガスとして用いることができる。
そして、上記各ノズル44、66より選択的に供給された各ガスは、内筒4内の処理空間Sを上昇して天井部で下方へ折り返し、そして内筒4と外筒6との間隙内を流下して排出されることになる。尚、図中、76はキャップ12とマニホールド26との間をシールするOリング等のシール部材であり、78はマニホールド26と外筒6の下端部との間をシールするOリング等のシール部材である。
【0015】
次に、以上のように構成された処理装置を用いて行なわれる成膜方法及びこれに引き続いて行なわれるクリーニング方法(除去方法)について説明する。
まず、成膜方法について説明すると、未処理の多数枚の半導体ウエハWをウエハボート10に所定のピッチで多段に保持させ、この状態でボートエレベータ22を上昇駆動することにより、ウエハボート10を処理容器8内へその下方より挿入し、処理容器8内を密閉する。この処理容器8内は予め予熱されている。上述のようにウエハWが挿入されたならば、加熱ヒータ38への供給電圧を増加してウエハWを所定のプロセス温度まで昇温すると共に、真空排気系34により処理容器8内を真空引きする。
【0016】
そして、これと同時に処理ガス供給手段40の処理ガスノズル44から流量制御された酸素と成膜ガス(有機金属ガスを含む)とを処理容器8内へ導入する。尚、この成膜プロセス中にはクリーニングガスは供給されていないのは勿論である。
このように、処理容器8内へ導入された成膜ガスはこの処理容器8内を上昇しつつ酸化反応してウエハ表面にSTO或いはBSTOよりなる複合金属酸化物膜を堆積することになる。この時の成膜プロセス条件は、ウエハ温度が例えば400〜500℃の範囲内、圧力は数100Pa程度である。
このようにして、所定の時間だけ成膜処理を行なったならば、処理ガス供給手段40の処理ガス開閉弁50及び酸化ガス開閉弁62を閉じることによって処理ガス及び酸素の供給を停止して成膜処理を終了する。
そして、処理容器8内に図示しないガス供給系よりN2 ガスを供給するなどしてガス置換を行なうと共に圧力復帰も行ない、そして、ボートエレベータ22を降下させることによって、処理済みの半導体ウエハWを処理容器8からアンロードして搬出する。
【0017】
次に、この処理容器8内やウエハボート10等に付着している不要な複合金属酸化物膜を除去するクリーニング方法(除去方法)について説明する。
ウエハボート10もクリーニングする場合には、ウエハWをウエハボート10から図示しないキャリア等に移載して空になったウエハボート10、すなわちウエハ未載置状態のウエハボート10を保温筒20上に載置した状態で、これを処理容器8内にロードし、キャップ12により処理容器8の下端開口部を気密に密閉する。この場合には、容器内壁とウエハボート10の表面とを同時にクリーニングすることができる。ウエハボート10をクリーニングしない場合には、これを保温筒20上から取り外しておけばよいのは勿論である。
そして、加熱ヒータ38により処理容器8や内部の温度を所定の温度、具体的には後述するように複合金属酸化物膜中の構成金属がフッ化しない温度、例えば500℃未満に維持し、クリーニングガス供給手段42からクリーニングガスであるClF3 ガスを流し、不要な複合金属酸化物膜中から、それぞれの金属を除去する。上記クリーニングガスの供給に際して、必要ならばN2 、Ar、He等の不活性ガスをキャリアガスとして用いてもよい。
【0018】
具体的には、クリーニングガス供給路68に介設した両クリーニングガス開閉弁74、74を開状態として、クリーニングガスであるClF3 ガスを流量制御しつつ処理容器8内に流してクリーニング工程を所定の時間行なう。これにより、比較的除去され易いTiは勿論のこと、500℃以上の高温ではフッ化物を形成して除去が困難となるBaやSrもClF3 ガスと反応してガス化して除去されることになる。このClF3 ガスを用いたクリーニング工程のプロセス条件は、温度に関しては、複合金属酸化物膜の構成金属がフッ化しない温度以下であって、且つクリーニングガスであるClF3 ガスの活性温度以上の温度範囲、具体的には300〜500℃未満の範囲内、好ましくは350〜450℃の範囲内である。圧力に関しては、0.1kPa(0.7Torr)〜54kPa(415Torr)の範囲内、好ましくは1kPa〜25kPaの範囲内である。
【0019】
これにより、結果的に、1回のクリーニング処理により膜中に含まれる全ての金属、すなわちBa、Sr、Ti(BSTO膜の場合)やSr及びTi(STO膜の場合)が除去されることになるので、不要な複合金属酸化物膜は、略完全に除去されることになる。しかも、石英製の処理容器8やウエハボート10や保温筒20にもほとんど損傷を与えることもない。
ここでクリーニングガスであるClF3 ガスが複合金属酸化物膜中のSr及びTiに与える影響や処理容器等の石英製の構造物に与える影響を検討して評価したので、その評価結果について説明する。尚、Baはクリーニング時にこれと同じアルカリ土類金属であるSrと同じ化学的挙動を示すことが確認されているので、Baの減少重量はSrの場合と略同じとなる。
図2はClF3 ガスに対するクリーニング時間とクリーニング後の残存重量との関係を示すグラフ、図3はClF3 ガスに対するクリーニング温度とクリーニング後の残存重量との関係を示すグラフ、図4はクリーニングガスに対する石英の損傷の程度を示す図である。尚、図4においては、所定の重量のサンプル石英をクリーニングガスに晒した後の重量減少量をmgで示している。
【0020】
まず、図2に示すグラフにおいては、クリーニング時間を種々変化させてSr膜とTi膜とをクリーニング(エッチング)している。この場合、クリーニング温度は500℃、圧力は13.3kPa(100Torr)、ClF3 ガスの流量は1.8slm、N2 ガス(キャリアガス)の流量は3.2slmである。また、Sr膜とTi膜のそれぞれの初期膜厚は300nmである。このグラフから明らかなように、Sr膜は、温度500℃ではクリーニング時間を長く延ばしても残存重量は略100%を示しており、この温度500℃ではSr膜(Ba膜も同じ)をほとんど除去できずにクリーニングできないことが判明した。
【0021】
これに対して、Ti膜はクリーニング時間を5分以上行うと残存重量は略0%を示しており、温度500℃ではTi膜を略完全に除去してクリーニングできることが判明した。
次に、図3においては、クリーニング温度を種々(400℃と500℃)変化させてSr膜とTi膜とをクリーニング(エッチング)している。この場合、クリーニング圧力は13.3kPa(100Torr)、ClF3 ガスの流量は1.8slm、N2 ガス(キャリアガス)の流量は3.2slm、クリーニング時間は10分である。また、Sr膜とTi膜のそれぞれの初期膜厚は300nmである。このグラフから明らかなように、Ti膜は、クリーニング温度が400℃の場合も500℃の場合も共に除去されて残存重量が略0%を示しており、クリーニングが有効に行われたことが判明した。
【0022】
これに対して、Sr膜に関しては、クリーニング温度が500℃の場合には先にも説明したように、残存重量は略100%を示してほとんど除去されていないが、クリーニング温度が400℃の場合には残存重量は略30%を示しており、Sr膜がかなり除去されて十分にクリーニングされていることが判明した。すなわち、クリーニング温度を400℃程度まで低下させれば、Ti膜のみならずSr膜(Ba膜も含む)も除去してクリーニングできることが判明した。
このように、Sr膜が、温度400℃では除去されて温度500℃では除去されない理由は、400℃〜500℃の間に、Sr原子がフッ化して、例えばフッ化物であるSrF2 に変化する温度域が存在し、このフッ化物がClF3 ガスによっては除去できなくなるからであると考えられる。この場合、Sr膜もTi膜も共に除去するためには、クリーニング温度は上記両温度の中間点をとって好ましくは450℃以下に設定するのがよい。また、ClF3 ガスの活性化温度は略300℃なので、クリーニング温度の下限は、クリーニングガスが活性化する温度である略300℃となる。従って、ClF3 ガスを用いたクリーニング時の温度は300〜500℃未満の範囲に設定するのがよい、ということが判明する。
【0023】
ちなみに、上記温度帯域において石英に対する損傷の程度を検討すると、図4において明らかなように、温度及び圧力を上げると石英に対する損傷が急激に大きくなっているが、例えば石英の減少量の上限を略10mgに設定すると、温度が300〜500℃の範囲内では、圧力が0.13kPaの時は勿論のこと、圧力が13kPaの時でも減少量は10mg以内であり、石英に対する耐久性は十分に有していることが判明した。
以上の実施例では、処理容器8が内筒4と外筒6とよりなる2重管構造の処理装置2にて本発明方法のクリーニング方法を実施した場合を例にとって説明したが、これに限定されず、例えば単管構造の処理装置においても本発明方法を実施できるのは勿論である。
【0024】
図5はこのように本発明方法を実施するための単管構造の処理装置を示す図である。尚、図1に示す構成部分と同一構成部分については同一参照符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、この処理装置では処理容器8は、例えば1本の円筒体状の石英ガラスよりなって単管構造になされている。そして、この処理容器8の天井部に排気口80を形成し、この排気口80に、排気路30に真空ポンプ32を介設してなる真空排気系34を接続している。この処理容器8の場合には、処理容器8の下部の各ノズル44、66から導入されたガスは、この処理容器8内を上昇し、そして、処理容器8の天井部に設けた排気口80より、容器外へ真空排気される。
このような処理装置を用いてクリーニング処理を行う場合にも、図1を参照して説明したと同様な作用効果を呈することになる。
また、上記実施例では複合金属酸化物膜のクリーニング方法(除去方法)について説明したが、これに限定されず、本発明方法を、半導体ウエハ等の基板の表面に付着した複合金属酸化物膜をエッチングする場合にも適用することができる。
【0025】
図6はこのような複合金属酸化物膜のエッチング方法を説明するための工程図である。
まず、図6(A)に示すように半導体ウエハやLCD基板等の基板82の表面に、前述したようにSTO或いはBSTOよりなる複合金属酸化物膜84が全面的に形成されている。このような膜84の堆積操作は、例えば図1にて示した処理装置で行えばよい。そして、この複合金属酸化物膜84の表面にパターン化されたマスク86が形成されている。
このマスク86としては、ClF3 ガスに対して、耐腐食性の高い材料ならばどのような材料を用いてもよく、例えばシリコン酸化膜やフォトレジストを用いることができる。
【0026】
次に、この基板82を、図示しないエッチング装置内へ搬入し、図6(B)に示すように、ここでエッチングガスとしてClF3 ガスを用いて上記表面に露出している複合金属酸化物膜84を選択的にエッチングする。このエッチング時の基板82の温度は、先の実施例で説明したようなクリーニング時の温度範囲、すなわち300〜500℃未満の範囲内、例えば400℃である。
このように、マスク86を用いて複合金属酸化物膜をパターンエッチングしたならば、次に、図6(C)に示すように、マスク86(図6(B)参照)を全て除去することにより、エッチング処理を終了することになる。
このように、本発明のエッチング方法によれば、基板上に形成されている複合金属酸化物膜を、1つのエッチングガス(ClF3 )を用いて選択的にエッチングすることが可能となる。
【0027】
尚、以上の各上記実施例にあっては、クリーニング処理或いはエッチング処理の対象となる複合金属酸化物膜としてBSTO膜或いはSTO膜を用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、例えばSBTO膜(SrBi2 Ta29 )、SRO膜(SrRuO3 )、LSCO膜(La1-x Srx CoO3 )等にも適用することができる。
また、ここでは一度に複数枚のウエハの処理ができるバッチ式の処理装置を例にとって説明したが、これに限定されず、本発明は一枚ずつウエハを処理する枚葉式の処理装置に適用できるのは勿論である。
更に、被処理体としては、半導体ウエハに限定されず、LCD基板、ガラス基板にも適用できるのは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合金属酸化物膜の除去方法、クリーニング方法及びエッチング方法によれば次のように優れた作用効果を発揮することができる。
請求項1及びこれを引用する請求項に係る発明によれば、1種類の除去ガスにより略確実に複合金属酸化物膜を除去することができる。
請求項3及びこれを引用する請求項に係る発明によれば、成膜を行う処理装置内に付着した不要な複合金属酸化物膜を1種類のクリーニングガスにより略確実に除去することができる。
特に請求項5に係る発明によれば、処理容器の内壁と被処理体支持手段の表面とを同時にクリーニング処理することができる。
請求項7及びこれを引用する請求項に係る発明によれば、基板上に形成した複合金属酸化物膜を1種類のエッチングガスにより所定の形状にパターンエッチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリーニング方法を実施することが可能な処理装置の一例を示す構成図である。
【図2】ClF3 ガスに対するクリーニング時間とクリーニング後の残存重量との関係を示すグラフである。
【図3】ClF3 ガスに対するクリーニング温度とクリーニング後の残存重量との関係を示すグラフである。
【図4】クリーニングガスに対する石英の損傷の程度を示す図である。
【図5】本発明方法を実施するための単管構造の処理装置を示す図である。
【図6】複合金属酸化物膜のエッチング方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
2 処理装置
4 内筒
6 外筒
8 処理容器
10 被処理体支持手段(ウエハボート)
42 クリーニングガス供給手段
66 クリーニングガスノズル
68 クリーニングガス流路
70 ClF3 ガス源
74 クリーニングガス開閉弁
82 基板
84 複合金属酸化物膜
86 マスク
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (8)

  1. 少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜を除去するために、除去ガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜を、その構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜を除去するようにしたことを特徴とする複合金属酸化物膜の除去方法。
  2. 前記除去時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1記載の複合金属酸化物膜の除去方法。
  3. 少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜のクリーニング方法において、クリーニングガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜を、その構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜を除去するようにしたことを特徴とするクリーニング方法。
  4. 前記クリーニングガスによりクリーニングされる箇所は、被処理体を収容してこの被処理体の表面に前記複合金属酸化物膜を形成するために真空引き可能になされた処理容器の内壁であることを特徴とする請求項3記載のクリーニング方法。
  5. 前記処理容器内のクリーニング時には、前記被処理体を載置するための被処理体支持手段が前記処理容器内に収容されていることを特徴とする請求項4記載のクリーニング方法。
  6. 前記クリーニング時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  7. 基板上に形成された、少なくともBa(バリウム)とSr(ストロンチウム)とTi(チタン)とを含む複合金属酸化物膜をエッチングするために、エッチングガスとしてClF ガスを用いつつ前記複合金属酸化物膜をその構成金属がフッ化しない温度である300℃から500℃未満の温度に維持しつつ前記複合金属酸化物膜をエッチングするようにしたことを特徴とする複合金属酸化物膜のエッチング方法。
  8. 前記エッチング時の圧力は、1〜25kPaの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項7記載の複合金属酸化物膜のエッチング方法。
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