JP4527475B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空気、冷媒等の圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械は、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回運動させることにより、空気、冷媒等の圧縮やポンプ動作を行うものである(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平8−93674号公報 特開昭63−50691号公報
この種の従来技術によるスクロール式流体機械は、ケーシングに固定スクロールが設けられ、該固定スクロールは、鏡板の表面中央に渦巻状のラップ部が立設されている。
また、ケーシング内には、回転軸が回転可能に支持され、この回転軸には、鏡板の表面中央に渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールが連結されている。この場合、旋回スクロールは固定スクロールと対面して配置され、これらのラップ部は、互いに重なり合うことによって複数の圧縮室を画成している。
そして、スクロール式流体機械は、モータ等の駆動源によって回転軸を回転駆動すると、旋回スクロールが旋回運動し、これによって空気、冷媒等の流体を各圧縮室内で順次圧縮するものである。
ここで、特許文献1の従来技術では、旋回スクロールの鏡板の裏面に金属板等が取付けられ、この金属板と鏡板との間には冷却風通路が形成されている。また、金属板とケーシングとの間には、旋回スクロールの自転を防止する3個の補助クランクが設けられ、これらの補助クランクは、例えばクランク状のピン部材、複数個の軸受等によって構成されている。
また、特許文献2の従来技術では、固定スクロールと旋回スクロールとの間に3個の補助クランクを設け、これらの補助クランクによって各スクロールを鏡板の径方向外側で連結する構成としている。
ところで、上述した特許文献1の従来技術では、旋回スクロールの裏面側に冷却風通路を形成する金属板を取付け、この金属板とケーシングとの間に補助クランクを設ける構成としている。
このため、特許文献1の従来技術では、旋回スクロールのラップ部から補助クランク等への熱伝導をある程度抑制できたとしても、金属板等によって旋回スクロールの構造が複雑化し、機械全体が大型化するという問題がある。
また、特許文献2の従来技術では、固定スクロールと旋回スクロールとの間に補助クランクを設ける構成としている。しかし、この場合には、圧縮室等で発生する熱が固定スクロール及び旋回スクロールを経由して補助クランクにそれぞれ伝わるようになる。
このため、特許文献2の従来技術では、補助クランクの軸受等が各スクロールから伝わる熱によって高温となり、熱による軸受の劣化等が生じ易くなるため、補助クランクの寿命が短くなり、耐久性が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、固定スクロールや旋回スクロールの中央側で発生する熱に対して自転防止機構を保護することができ、機械全体をコンパクトに形成しつつ、耐久性を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、ケーシングと、該ケーシングに設けられ鏡板の表面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、ケーシングに支持され駆動源により回転駆動される回転軸と、固定スクロールと対面する位置で該回転軸に連結され鏡板の表面に前記ラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回スクロールと、固定スクロールと旋回スクロールとを各鏡板の径方向外側で連結し旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、固定スクロールには、ラップ部と自転防止機構との間に位置して当該固定スクロールを貫通する第1の貫通孔を設け、旋回スクロールには、ラップ部と自転防止機構との間に位置して当該旋回スクロールを貫通する第2の貫通孔を設け、前記第1,第2の貫通孔は、互いに重なり合って前記固定スクロールの裏面側と前記旋回スクロールの裏面側との間を連通しうる構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、第1または第2の貫通孔は、鏡板の周方向に延びる長孔として形成する構成としている。
また、請求項3の発明によると、第1または第2の貫通孔は、鏡板の周方向に複数個並べて配設する構成としている。
さらに、請求項の発明によると、ケーシングには、自転防止機構の位置に冷却風を流通させる流通口を設ける構成としている。
一方、請求項の発明によると、第1の貫通孔は鏡板の周方向に間隔をもって複数個配設し、固定スクロールには、隣合う2つの貫通孔の間に位置して鏡板の裏面側に突出した補強リブを設ける構成としている。
また、請求項の発明によると、補強リブのうち少なくとも一部の補強リブは、圧縮室に空気を吸込む吸込口として構成している。
さらに、請求項の発明によると、第2の貫通孔は鏡板の周方向に間隔をもって複数個配設し、旋回スクロールには、隣合う2つの貫通孔の間に位置して鏡板の裏面側に突出した補強リブを設ける構成としている。
請求項1の発明によれば、固定スクロールのラップ部(圧縮室)側で発生する熱が鏡板等を経由して自転防止機構に伝わるときに、第1の貫通孔は、圧縮室側と自転防止機構との間に介在する熱伝導経路の断面積を減少させることができ、自転防止機構側への熱伝導を抑えることができる。また、第2の貫通孔も同様に、旋回スクロールを経由して自転防止機構に達する熱伝導経路の断面積を減少させることができ、自転防止機構側への熱伝導を抑えることができる。しかも、第1,第2の貫通孔を各スクロールの摺動面で互いに重なり合って連通しうるように形成することにより、これらの貫通孔によって固定スクロールの裏面側と旋回スクロールの裏面側とを連通することができる。これにより、例えば冷却ファン等を用いて冷却風を発生し、この冷却風を固定スクロールの裏面側から各貫通孔を経由して旋回スクロールの裏面側に吸込んだり、旋回スクロールの裏面側に吸込んだ冷却風を各貫通孔を経由して固定スクロールの裏面側に流出させることができる。
従って、圧縮室側からの熱伝導によって自転防止機構が高温となるのを防止でき、自転防止機構の各部品を熱による劣化等から保護できると共に、貫通孔を用いた簡単な構造で冷却効率を高めることができる。これにより、機械全体をコンパクトに形成しつつ、耐久性や信頼性を向上させることができる。また、断熱用の貫通孔を冷却風通路として利用できるので、スクロールの近傍で冷却風通路をコンパクトに形成でき、機械全体の冷却構造を簡略化することができる。また、冷却風が各貫通孔を流通することにより、固定スクロールと旋回スクロールの放熱性を高めることができ、これによって各スクロールだけでなく、自転防止機構の冷却効率を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、例えば第1の貫通孔を長孔とした場合には、この貫通孔によって固定スクロールのラップ部と自転防止機構との間に介在する径方向の直線的な熱伝導経路を遮ることができる。この結果、両者間の熱伝導経路を長くして熱を伝わり難くすることができ、ラップ部側の熱が径方向の短い熱伝導経路に沿って自転防止機構側に達するのを遮断することができる。また、第2の貫通孔を長孔とした場合も同様に、ラップ部側と自転防止機構との間で熱を伝わり難くすることができる。
また、請求項3の発明によれば、複数個の貫通孔を、ラップ部と自転防止機構との間の熱伝導経路を遮るように周方向に並べて配設することができる。これにより、固定スクロール(または旋回スクロール)のラップ部側から自転防止機構に至る熱伝導経路の断面積を減少させることができ、自転防止機構側への熱伝導を抑えることができる。また、例えば耐熱性の制約等により比較的大きな貫通孔が必要な場合でも、これを複数個の貫通孔に分けて形成でき、スクロールのうち各貫通孔の間に位置する部位を中実構造として形成できるので、強度を高めることができる。
さらに、請求項の発明によれば、ケーシングの流通口から自転防止機構の位置に冷却風を吸込んだり、自転防止機構の位置に吸込んだ冷却風をケーシングの流通口から外部に流出させることができる。このため、冷却風によって自転防止機構を直接的に効率よく冷却でき、その耐熱性を高めることができる。
一方、請求項の発明によれば、固定スクロールの複数箇所に第1の貫通孔を設けた状態でも、これらの貫通孔の間に補強リブを配設でき、剛性が比較的低下し易い各貫通孔の間の位置で固定スクロールを補強することができる。これにより、第1の貫通孔を設けたことによるスクロールの剛性低下を補強リブによって補償でき、例えば第1の貫通孔を大きく形成した場合でも、固定スクロールの剛性を全体的に高めることができる。
従って、機械の運転時には、例えば固定スクロールにスラスト方向の荷重等が加わったとしても、この荷重によって鏡板やラップ部が変形するのを確実に防止でき、第1の貫通孔による冷却性能を十分に発揮しつつ、機械を安定的に作動させることができる。また、鏡板の裏面側に突出する補強リブには、冷却フィンとしての機能をもたせることができ、例えば補強リブに沿って冷却風を流通させることにより、固定スクロールの冷却効率を高めることができる。
また、請求項の発明によれば、補強リブのうち少なくとも一部の補強リブは、固定スクロールを補強する補強リブと、圧縮室に空気を吸込む吸込口とを兼ねた部位として形成することができる。従って、例えば既存の吸込口の形状を変更してこれを第1の貫通孔の間に配置することにより、吸込口を補強リブとして利用でき、その分だけ専用の補強リブの個数、寸法等を小さく抑えることができるので、固定スクロールの形状を簡略化することができる。
さらに、請求項の発明によれば、旋回スクロールの複数箇所に第2の貫通孔を設けた状態でも、各貫通孔の間に補強リブを配設できるので、請求項6の場合とほぼ同様に、剛性が比較的低下し易い各貫通孔の間の位置で旋回スクロールを補強でき、その剛性を全体的に高めることができる。
従って、例えばスラスト方向の荷重等によって旋回スクロールの鏡板、ラップ部等が変形するのを確実に防止でき、第2の貫通孔による冷却性能を十分に発揮しつつ、機械を安定的に作動させることができる。また、鏡板の裏面側に突出する補強リブには、冷却フィンとしての機能をもたせることができ、これによって旋回スクロールの冷却効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械について、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1ないし図7は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、ツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を例に挙げて述べる。
図中、1はスクロール式空気圧縮機の外枠を構成する略筒状のケーシングで、該ケーシング1は、後述の固定スクロール5A,5Bと共に固定側部材を構成するものである。そして、ケーシング1は、図1、図2に示す如く、略円筒状に形成され軸方向の両側が開口した中間ケース2と、該中間ケース2の軸方向一側(左側)に設けられた第1の外側ケース3Aと、中間ケース2の軸方向他側(右側)に設けられた第2の外側ケース3Bとにより構成されている。
ここで、左,右の外側ケース3A,3Bは、段付きの有底筒状に形成されている。また、第1の外側ケース3Aは、後述する第1の固定スクロール5A、第1の旋回スクロール20A等と共に低圧段の圧縮部4Aを構成し、第2の外側ケース3Bは、第2の固定スクロール5B、第2の旋回スクロール20B等と共に高圧段の圧縮部4Bを構成している。この場合、低圧段と高圧段の圧縮部4A,4Bは互いにほぼ同一の構成要素を有しているので、以下の説明では、低圧段の構成要素に符号「A」を付して説明し、高圧段の構成要素については、符号「B」を付して説明すると共に、低圧段と重複する説明を省略するものとする。
5Aはケーシング1の外側ケース3Aに設けられた低圧段の固定スクロールで、該固定スクロール5Aは、図3ないし図6に示す如く、軸線O1−O1を中心として略円板状に形成された鏡板6Aと、該鏡板6Aの表面中央に立設された渦巻状のラップ部7Aと、鏡板6Aの外周側から軸方向に突出し、該ラップ部7Aを径方向外側から取囲む略三角形状の筒部8Aと、該筒部8Aの一部を構成して鏡板6Aから径方向外向きに突出し、外側ケース3Aに取付けられる例えば3個のフランジ部9Aとにより構成されている。
ここで、鏡板6Aには、図5、図6に示す如く、ラップ部7Aの径方向外側に位置して後述の圧縮室26A内に空気を吸込む2箇所の吸込口10Aと、ラップ部7Aの中央(径方向内側)に位置して圧縮空気を吐出する吐出口11Aとが設けられている。また、鏡板6Aの裏面には、冷却風の流れ方向(図3中の矢示A4方向)に沿って垂直方向に延びる複数の冷却フィン12Aが立設されている。
また、フランジ部9Aは、例えば略三角形状の突部として形成され、鏡板6Aの外周側に接合されると共に、例えば120°程度の間隔をもって互いに周方向に離間している。また、各フランジ部9Aには、後述の補助クランク28が取付けられる取付孔13がそれぞれ設けられている。さらに、フランジ部9Aは、取付孔13よりも径方向内側の部位が旋回スクロール20Aの鏡板21Aと摺接し、この摺接部位には後述の固定側貫通孔31が設けられている。
一方、5Bはケーシング1の外側ケース3Bに設けられた高圧段の固定スクロールで、該固定スクロール5Bは、図2に示す如く、低圧段の固定スクロール5Aとほぼ同様に、鏡板6B、ラップ部7B、筒部8B、フランジ部9B等によって構成され、鏡板6Bの背面側には、複数の冷却フィン12Bが立設されている。また、鏡板6Bには、後述の圧縮室26B内に空気を吸込む吸込口(図示せず)と、圧縮空気を吐出する吐出口11Bとが設けられている。
ここで、低圧段の吐出口11Aは、図1に示す如く、後述の冷却器39、配管等を介して高圧段の吸込口に接続され、高圧段の吐出口11Bは、冷却器39、他の配管等を介して空気タンク(図示せず)等に接続されている。これにより、空気圧縮機は、サイレンサ等を介して吸込口10Aから吸込んだ空気を圧縮部4A,4Bによって順次圧縮する構成となっている。
14はケーシング1の中間ケース2内に設けられた駆動源としての例えば電動式のモータで、該モータ14は、固定スクロール5A,5Bの間に位置して中間ケース2内に固定された筒状のステータと、後述する回転軸15の外周側に固定された筒状のロータ等とからなり、回転軸15を回転駆動するものである。
15はケーシング1に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸15は、例えば段付円筒状の中空ロッドからなり、軸線O1−O1を中心としてモータ14のロータと一体に回転するものである。また、回転軸15は、軸方向の両側が回転軸受16A,16Bを介して外側ケース3A,3Bに回転可能に支持されている。
17Aは回転軸15の一端側に取付けられた略円筒状の偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ17Aは、図3に示す如く、例えば圧入等の手段によって回転軸15の外周側に嵌合、固着され、軸線O1−O1を中心として回転軸15と一体に回転するものである。
また、偏心ブッシュ17Aの内周側は、その一部が軸線O1−O1から偏心して形成され、この偏心部位には、後述の連結軸18が偏心軸受19Aを介して回転可能に嵌合されている。一方、回転軸15の他端側には、図2に示す如く、他の偏心ブッシュ17Bが取付けられている。
18は回転軸15内に挿通して設けられた連結軸で、該連結軸18は、例えば段付円柱状の金属ロッド等からなり、軸方向の両端側が回転軸15から突出している。そして、これらの突出端側には、後述する旋回スクロール20A,20Bのボス部23A,23Bが連結されている。
また、連結軸18は、偏心軸受19A,19Bと偏心ブッシュ17A,17Bとを介して回転軸15に相対回転可能に取付けられ、回転軸15等の軸線O1−O1から寸法(偏心量)δだけ偏心した軸線O2−O2を中心として配置されている。そして、連結軸18は、回転軸15が回転するときに、旋回スクロール20A,20Bと一緒に旋回運動するものである。
20Aは固定スクロール5Aと対面してケーシング1内に旋回可能に設けられた低圧段の旋回スクロールで、該低圧段の旋回スクロール20Aは、図3、図4に示す如く、軸線O2−O2を中心として略円板状に形成され外側ケース3A内に収容された鏡板21Aと、該鏡板21Aの表面中央に立設された渦巻状のラップ部22Aと、鏡板21Aの裏面中央に立設された筒状のボス部23Aと、鏡板21Aの外周側に突設された例えば3個の突出部24A(図7参照)とにより大略構成されている。
ここで、鏡板21Aの径方向外側部位は、固定スクロール5Aの筒部8A(フランジ部9A)と摺接し、この摺接部位には後述の旋回側貫通孔32が設けられている。また、鏡板21Aの裏面側には、例えば垂直方向に延びる複数の冷却フィン25Aが立設されている。
また、ラップ部22Aは、固定スクロール5Aのラップ部7Aと所定の角度(例えば180度)だけずらして重なり合うように配設され、これによって低圧段のラップ部7A,22A間には、外周側から内周側にわたって複数の圧縮室26Aが画成されている。また、ボス部23Aは、連結軸18の一端側にピン等を用いて回転を規制した状態で固定されている。
さらに、突出部24Aは、図7に示す如く、例えば略三角形状の突部として形成され、基端側が鏡板21Aの外周側に接合されると共に、先端側が鏡板21Aから径方向外向きに突出している。この場合、各突出部24Aは、固定スクロール5Aの各フランジ部9Aに対応する位置に配設され、例えば120°程度の間隔をもって互いに鏡板21Aの周方向に離間している。また、各突出部24Aには、取付孔27がそれぞれ設けられている。
一方、20Bは固定スクロール5Bと対面して設けられた高圧段の旋回スクロールで、該旋回スクロール20Bは、図2に示す如く、低圧段の旋回スクロール20Aとほぼ同様に、鏡板21B、ラップ部22B、ボス部23B、冷却フィン25B等により構成され、高圧段のラップ部7B,22B間には、複数の圧縮室26Bが画成されている。また、ボス部23Bは、連結軸18の他端側にピン等を用いて回転を規制した状態で固定されている。
そして、旋回スクロール20A,20Bは、モータ14により回転軸15、連結軸18等を介して駆動され、偏心量δに応じた一定の旋回半径をもって旋回運動を行うことにより、各圧縮室26A,26Bで空気の圧縮動作を行う。
28は例えば3個の自転防止機構としての補助クランクで、該各補助クランク28は、図3、図5に示す如く、固定スクロール5Aの各フランジ部9Aと旋回スクロール20Aの各突出部24Aとの間にそれぞれ配設され、例えば120°程度の間隔をもって互いに周方向に離間している。
ここで、補助クランク28は、例えばクランク状に屈曲したクランクピン29と、該クランクピン29の軸方向一側を固定スクロール5Aの取付孔13内に回転可能に支持する例えば2個の軸受30と、クランクピン29の軸方向他側を旋回スクロール20Aの取付孔27内に回転可能に支持する他の軸受30等とによって構成されている。
そして、補助クランク28は、固定スクロール5Aと旋回スクロール20Aとを各鏡板6A,21Aの径方向外側で連結し、これによって旋回スクロール20Aの自転を防止すると共に、連結軸18を介して旋回スクロール20Bの自転も防止している。
31は例えば固定スクロール5Aの筒部8Aの3箇所に設けられた第1の貫通孔としての固定側貫通孔を示し、該各固定側貫通孔31は、固定スクロール5Aのラップ部7A側(特に、各圧縮室26Aのうち中央側の圧縮室)で発生する熱が固定スクロール5Aを通じて径方向外側の各補助クランク28に伝わるのを抑制し、補助クランク28の各軸受30等を高温による劣化等から保護するものである。
ここで、固定側貫通孔31は、図4ないし図6に示す如く、例えば細長いスリット、長孔等として形成され、各フランジ部9Aに対応する位置で固定スクロール5Aの筒部8Aを軸方向(軸線O1−O1方向)に貫通すると共に、この筒部8Aと旋回スクロール20Aの鏡板21Aとの摺動面に開口している。
また、固定側貫通孔31は、鏡板6Aの径方向において、ラップ部7Aと各補助クランク28との間にそれぞれ配置され、これらの間に介在する熱伝導経路を遮るように、例えば鏡板6Aの周方向に円弧状をなして延びている。これにより、固定側貫通孔31は、鏡板6Aの中央側で発生する熱が径方向の短い経路に沿って補助クランク28側に伝導するのを確実に遮断することができる。
特に、本実施の形態では、図5に示す如く、鏡板6Aの中心O1(軸線O1−O1)と補助クランク28とを結ぶ径方向の直線を仮想線Lとしたときに、例えば固定側貫通孔31が仮想線Lを跨いで周方向の両側に延びているので、鏡板6A側と補助クランク28との間の熱伝導経路を確実に遮ることができる。
また、固定側貫通孔31は、補助クランク28よりも径方向内側となる位置で筒部8Aを貫通しているため、この部位では、筒部8Aの径方向の断面積が固定側貫通孔31の分だけ小さくなっている。これにより、固定側貫通孔31は、鏡板6A側から筒部8Aを経由して補助クランク28に至る熱伝導経路の断面積を減少させることができる。
このため、固定側貫通孔31は、必ずしも仮想線Lを跨いで形成する必要はなく、仮想線L上から離れた位置であっても、筒部8Aの径方向の断面積を減少させる形状であれば、補助クランク28への熱伝導を抑えることができる。
32は例えば旋回スクロール20Aの鏡板21Aの3箇所に設けられた第2の貫通孔としての旋回側貫通孔を示し、該各旋回側貫通孔32は、図4、図7に示す如く、固定側貫通孔31とほぼ同様に、例えば円弧状の細長いスリット、長孔等として形成され、各圧縮室26Aのうち中央側の圧縮室で発生する熱が旋回スクロール20Aを通じて各補助クランク28に伝わるのを抑制するものである。
そして、旋回側貫通孔32は、補助クランク28よりも径方向内側となる位置で鏡板21Aを軸方向に貫通し、ラップ部22Aと各補助クランク28との間に介在する熱伝導経路を遮るように、例えば鏡板21Aの周方向に延びると共に、図7に示す如く、鏡板21Aの中心O2(軸線O2−O2)と補助クランク28とを結ぶ径方向の仮想線L′を跨いで周方向の両側に配置されている。
これにより、旋回側貫通孔32は、例えば鏡板21Aの中央側で発生する熱が径方向の短い経路に沿って補助クランク28側に伝導するのを遮断している。また、旋回側貫通孔32は、各突出部24Aが接合された位置で鏡板21Aを貫通しているので、鏡板21A側から突出部24Aを経由して補助クランク28に至る熱伝導経路の断面積を減少させる構成となっている。
さらに、3箇所の旋回側貫通孔32は、旋回スクロール20Aの鏡板21Aと固定スクロール5Aの筒部8A(フランジ部9A)との摺動面に開口し、旋回スクロール20Aが旋回軌道上で何れの位置にある場合でも、図3に示す如く、少なくとも1箇所の旋回側貫通孔32が固定側貫通孔31と連通した状態に保持される。
これにより、固定側貫通孔31と旋回側貫通孔32とは、固定スクロール5Aの裏面側と旋回スクロール20Aの裏面側とを常に連通し、後述の冷却ファン33Aにより発生した冷却風を各スクロール5A,20Aの間に流通させる冷却風通路を構成している。
この場合、貫通孔31,32が常時連通するためには、旋回スクロール20Aの旋回半径をΔとしたときに、貫通孔31,32のうち何れか一方の貫通孔の径方向寸法Lrを他方の貫通孔の径方向寸法Lr′に対して旋回半径Δの2倍よりも大きく形成し(Lr>Lr′+2Δ)、かつ前記一方の貫通孔の周方向寸法Lcを他方の貫通孔の周方向寸法Lc′に対して旋回半径Δの2倍よりも大きく形成すればよい(Lc>Lc′+2Δ)。
そして、圧縮機の運転時には、矢示A1に示す如く、これらの貫通孔31,32を経由して固定スクロール5Aの裏面側から旋回スクロール20Aの裏面側(外側ケース3A内)に冷却風が吸込まれる。このため、貫通孔31,32内を冷却風が流通することによって各スクロール5,20を効率よく冷却でき、スクロール5,20と補助クランク28の温度上昇を抑えることができる。
次に、空気圧縮機の冷却構造について説明すると、まず33Aは回転軸15の軸方向一側に設けられた低圧段の冷却ファンで、該冷却ファン33Aは、図3に示す如く、例えば遠心ファン等によって構成されている。
そして、冷却ファン33Aは、モータ14と低圧段の旋回スクロール20Aとの間に位置して偏心ブッシュ17Aの外周側に廻止め状態で嵌合され、外側ケース3A内に収容されている。この場合、外側ケース3A内には、旋回スクロール20Aと冷却ファン33Aとの間を仕切る位置に環状の仕切板34Aが設けられている。
一方、33Bは回転軸15の軸方向他側に設けられた高圧段の冷却ファンで、該冷却ファン33Bは、図2に示す如く、冷却ファン33Aとほぼ同様に、偏心ブッシュ17Bの外周側に廻止め状態で嵌合され、この冷却ファン33Bと高圧段の旋回スクロール20Bとの間には、環状の仕切板34Bが配設されている。
そして、冷却ファン33A,33Bは、モータ14により回転軸15と一緒に回転駆動される。これにより、低圧段の冷却ファン33Aは、固定スクロール5Aの裏面側から貫通孔31,32を経由して冷却風を吸込むと共に、後述の流入口35Aから各補助クランク28の位置に冷却風を吸込み、これらの冷却風を旋回スクロール20Aの裏面側、固定スクロール5Aの裏面側及び後述の冷却器39にそれぞれ供給する。また、高圧段の冷却ファン33Bも、流入口35Bから外側ケース3B内に冷却風を吸込み、この冷却風を各スクロール5B,20Bの裏面側及び冷却器39にそれぞれ供給する。
35Aは外側ケース3Aに設けられた例えば3箇所の流通口としての流入口(2箇所のみ図示)で、該各流入口35Aは、図1、図3に示す如く、3個の補助クランク28に対応する位置にそれぞれ開口し、各補助クランク28の位置に冷却風を流通させるものである。
これにより、冷却ファン33Aの作動時には、3箇所の流入口35Aから各補助クランク28の位置に冷却風が流入するので、これらの補助クランク28を冷却風の流れに晒して効率よく冷却することができる。一方、高圧段の外側ケース3Bにも、冷却風の流入口35Bが設けられている。
36Aは例えば外側ケース3Aの上,下2箇所に設けられた低圧段の流出口で、該各流出口36Aのうち下側の流出口は、例えば略箱形状のダクト37Aを用いて固定スクロール5Aの裏面側(冷却フィン12Aの位置)に接続されている。また、上側の流出口36Aは、他のダクト38Aを用いて後述の冷却器39に接続されている。
一方、高圧段の外側ケース3Bにも、図2に示す如く、上,下の流出口36Bと、ダクト37B,38Bとが設けられている。また、図1において、39はケーシング1の上側に設けられた冷却器で、該冷却器39は、例えば低圧段の圧縮部4Aから高圧段の圧縮部4Bに向けて吐出される中間圧の圧縮空気と、圧縮部4Bから吐出される高圧の圧縮空気とを冷却するものである。
本実施の形態によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、モータ14に給電すると、回転軸15が軸線O1−O1を中心として回転駆動される。これにより、回転軸15内に偏心状態で取付けられた連結軸18が旋回運動を行うと、その両端側に連結された旋回スクロール20A,20Bは、固定スクロール5A,5Bに対して旋回動作を行う。
この結果、低圧段の圧縮部4Aは、サイレンサ等を介して吸込口10Aから外気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室26A内で順次圧縮し、吐出口11Aから中間圧の圧縮空気を吐出する。そして、この中間圧の圧縮空気は、高圧段の圧縮部4Bに吸込まれて圧縮されることにより、高圧の圧縮空気となって吐出口11Bから吐出され、空気タンク等に貯留される。
また、圧縮機の運転時には、各圧縮室26A,26Bのうち中央側の圧縮室等で熱が発生する。この場合、低圧段の圧縮部4Aでは、中央側の熱が固定スクロール5Aと旋回スクロール20Aとを経由して補助クランク28に伝わるのを貫通孔31,32によって防止でき、軸受30等の部品を低い温度に保持することができる。
一方、圧縮の運転時には、回転軸15と一緒に冷却ファン33A,33Bが回転駆動される。これにより、低圧段の冷却ファン33Aは、図3中の矢示A1に示す如く、固定スクロール5Aの裏面側から貫通孔31,32を経由して外側ケース3A内に冷却風を吸込むと共に、矢示A2に示す如く、流入口35Aから各補助クランク28の位置に冷却風を吸込む。
この結果、貫通孔31,32内を冷却風が流れることにより、固定スクロール5Aと旋回スクロール20Aとを冷却風に対して広い面積で接触させることができるので、各スクロール5A,20Aの放熱性を高めることができる。また、流入口35Aから各補助クランク28の位置に冷却風が流入することにより、この冷却風によって補助クランク28を直接的に効率よく冷却することができる。
さらに、外側ケース3A内に吸込まれた冷却風は、旋回スクロール20Aの裏面側(冷却フィン25A)に沿って流通し、鏡板21A等を冷却した後に、仕切板34Aの内周側を通って冷却ファン33Aの位置に流入し、上,下の流出口36Aから矢示A3方向にそれぞれ流出する。
そして、下側の流出口36Aから流出した冷却風は、ダクト37Aに導かれることにより、矢示A4に示す如く、固定スクロール5Aの裏面側(冷却フィン12A)に沿って流通し、固定スクロール5Aを効率よく冷却することができる。また、上側の流出口36Aから流出した冷却風は、ダクト38Aに導かれて冷却器39内に流入し、冷却器39を冷却することができる。
一方、高圧段の冷却ファン33Bも、図2に示す如く、低圧段の場合とほぼ同様に、外側ケース3Bの流入口35Bから冷却風を矢示B1方向に吸込み、この冷却風を上,下の流出口36Bから矢示B2方向に流出させることにより、固定スクロール5Bの裏面側に沿って矢示B3方向に冷却風を流通させる。これにより、固定スクロール5B、旋回スクロール20B及び冷却器39を効率よく冷却することができる。
かくして、本実施の形態によれば、固定スクロール5Aの筒部8Aには、ラップ部7Aと各補助クランク28との間に固定側貫通孔31をそれぞれ設け、旋回スクロール20Aの各突出部24Aには、ラップ部22Aと補助クランク28との間に旋回側貫通孔32をそれぞれ設ける構成としている。
これにより、固定側貫通孔31は、各スクロール5A,20Aのラップ部7A,22A(圧縮室26A)側で発生する熱が固定スクロール5Aを経由して補助クランク28に伝わるときに、圧縮室26A側と補助クランク28との間に介在する熱伝導経路の断面積を減少させることができ、補助クランク28側への熱伝導を確実に抑えることができる。
また、旋回側貫通孔32も同様に、旋回スクロール20Aを経由して自転防止機構に達する熱伝導経路の断面積を減少させることができ、補助クランク28側への熱伝導を抑えることができる。
従って、圧縮室26A側からの熱伝導によって補助クランク28が高温となるのを防止でき、軸受30等の部品を熱劣化から保護できると共に、貫通孔31,32を用いた簡単な構造で冷却効率を高めることができる。これにより、圧縮機全体をコンパクトに形成しつつ、耐久性や信頼性を向上させることができる。
この場合、貫通孔31,32を円弧状の長孔として形成したので、固定側貫通孔31によってラップ部7Aと補助クランク28との間に介在する径方向の熱伝導経路を遮ることができ、これらの間の熱伝導経路を実質的に長くして熱を伝わり難くすることができる。この結果、圧縮室26A側の熱が径方向の短い熱伝導経路に沿って補助クランク28側に達するのを遮断することができる。また、旋回側貫通孔32の場合も同様に、ラップ部22Aと補助クランク28との間の熱伝導経路を実質的に長くできるので、熱を伝わり難くすることができる。
また、固定側貫通孔31と旋回側貫通孔32とを各スクロール5A,20Aの摺動面に開口する円弧状の長孔として形成したので、旋回スクロール20Aが旋回軌道上の何れの位置にある場合でも、これらの貫通孔31,32を互いに連通した状態に保持することができる。
そして、各貫通孔31,32内には、冷却ファン33Aによる冷却風を流通させるようにしたので、固定スクロール5Aの裏面側から各貫通孔31,32を経由して旋回スクロール20Aの裏面側に冷却風を吸込むことができる。
従って、断熱用の貫通孔31,32を冷却風通路としても利用できるので、各スクロール5A,20Aの近傍で冷却風通路をコンパクトに形成でき、圧縮機全体の冷却構造を簡略化することができる。また、冷却風が各貫通孔31,32を流通することにより、固定スクロール5Aと旋回スクロール20Aの放熱性を高めることができ、これによって各スクロール5A,20Aだけでなく、補助クランク28の冷却効率を向上させることができる。
また、外側ケース3Aには、各補助クランク28に対応する位置に冷却風の流入口35Aをそれぞれ設けたので、冷却ファン33Aの作動時には、貫通孔31,32と流入口35Aとによって冷却風をそれぞれ吸込むことができ、ケーシング1内に十分な風量の冷却風を導入することができる。
この場合、3箇所の流入口35Aから各補助クランク28の位置に冷却風を流入させることができるので、この冷却風によって補助クランク28を直接的に効率よく冷却でき、その耐熱性を高めることができる。
次に、図8及び図9は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、複数の貫通孔を並べて配置する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第1の貫通孔としての固定側貫通孔を示し、該固定側貫通孔41は、第1の実施の形態とほぼ同様に、低圧段の固定スクロール5A′の筒部8A′に設けられている。この場合、固定スクロール5A′は、、鏡板6A′、ラップ部7A′、筒部8A′、フランジ部9A′、吸込口10A′、吐出口11A′、取付孔13′等を備えている。
そして、固定側貫通孔41は、例えば細長いスリット、長孔等として形成され、各フランジ部9A′に対応する位置で筒部8A′を軸方向に貫通すると共に、ラップ部7A′と各補助クランク28との間にそれぞれ配置され、例えば鏡板6A′の周方向に円弧状をなして延びている。
しかし、固定側貫通孔41は、例えば個々のフランジ部9A′に対応する位置にそれぞれ2箇所ずつ配置され、これら2箇所の固定側貫通孔41は、ラップ部7A′と補助クランク28との間の熱伝導経路を遮るように、周方向に間隔をもって並んでいる。
42は第2の貫通孔としての旋回側貫通孔を示し、該旋回側貫通孔42は、図9に示す如く、低圧段の旋回スクロール20A′の各突出部24A′に設けられ、この旋回スクロール20A′は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板21A′、ラップ部22A′、突出部24A′、取付孔27′等を備えている。
そして、個々の突出部24A′には、旋回側貫通孔42が周方向に間隔をもって2箇所ずつ設けられ、これら2箇所の旋回側貫通孔42は、固定側貫通孔41の場合とほぼ同様に、ラップ部22A′と補助クランク28との間で周方向に間隔をもって並んでいる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。即ち、貫通孔41,42は、第1の実施の形態とほぼ同様に、各スクロール5A′,20A′のラップ部7A′,22A′から補助クランク28に至る熱伝導経路の断面積を減少させることができ、補助クランク28側への熱伝導を抑えることができる。
また、特に本実施の形態では、例えば2箇所の固定側貫通孔41をラップ部7A′と補助クランク28との間で周方向に並べて配設し、2箇所の旋回側貫通孔42をラップ部22A′と補助クランク28との間で周方向に並べて配設する構成としている。
これにより、例えば固定スクロール5A′において、耐熱性の制約等により比較的大きな貫通孔が必要な場合でも、これを複数個の固定側貫通孔41に分けて形成でき、固定スクロール5A′のうち各貫通孔41の間に位置する部位を中実構造として形成できるので、固定スクロール5A′の強度を高めることができる。また、旋回スクロール20A′の場合も同様に、各貫通孔42の間に位置する部位を中実構造として形成でき、十分な強度を確保することができる。
次に、図10ないし図17は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定スクロールと旋回スクロールに補強リブを設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51Aはケーシング1の外側ケース3A′に設けられた低圧段の固定スクロールを示し、該固定スクロール51Aは、図10ないし図14に示す如く、第1の実施の形態とほぼ同様に、アルミニウム等の金属材料からなり、鋳造等の手段によって一体に形成されている。なお、外側ケース3A′は、第1の実施の形態の流入口35Aを省略した構成となっている。
そして、固定スクロール51Aは、軸線O1−O1を中心として略円板状に形成された鏡板52Aと、該鏡板52Aの表面中央に立設された渦巻状のラップ部53Aと、鏡板52Aの外周側から軸方向に突出し、該ラップ部53Aを径方向外側から取囲む略三角形状の筒部54Aと、該筒部54Aの一部を構成して鏡板52Aから径方向外向きに突出し、外側ケース3A′に取付けられる例えば3個のフランジ部55Aとにより構成されている。
ここで、鏡板52Aの裏面には、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば冷却風の流れ方向(図10中の矢示a4方向)に沿って垂直方向に延びる複数の冷却フィン56Aが立設されている。また、フランジ部55Aは、例えば鏡板52Aの周方向に120°程度の間隔をもって互いに離間し、鏡板52Aの外周側から径方向に突出している。そして、各フランジ部55Aには、第1の実施の形態とほぼ同様に、補助クランク28が取付けられる段付き状の取付孔57(図14参照)がそれぞれ設けられている。
一方、各フランジ部55Aには、図11、図12に示す如く、個々の取付孔57(補助クランク28)を取囲む位置で固定スクロール51Aを軸方向に貫通する複数の通気孔58が設けられている。
これらの通気孔58は、冷却ファン33Aの作動時に外部の空気を補助クランク28の周囲に流通させることができ、これによって補助クランク28を効率よく冷却することができる。また、通気孔58は、後述の貫通孔59〜61,76と異なる位置で外部の空気を外側ケース3A′内に流入させることができ、これによって旋回スクロール67A等の冷却効率を高めることができる。
59,60,61は例えば固定スクロール51Aの筒部54Aの3箇所に設けられた第1の貫通孔としての固定側貫通孔を示し、これらの固定側貫通孔59,60,61は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板52A側と補助クランク28との間の熱伝導経路を遮るか、または熱伝導経路の断面積を減少させることにより、ラップ部53A側で発生する熱が固定スクロール51Aを通じて径方向外側の各補助クランク28に伝わるのを抑制するものである。
そして、各固定側貫通孔59〜61は、図11に示す如く、鏡板52Aの径方向において、ラップ部53Aと各補助クランク28との間にそれぞれ配置され、互いに鏡板52Aの周方向に離間している。また、固定側貫通孔59〜61は、鏡板52Aの中心O1と個々の補助クランク28とを結ぶ径方向の直線を仮想線Lとしたときに、例えば仮想線Lを跨いで周方向の両側に延びる円弧状のスリット、長孔等としてそれぞれ形成されている。
また、固定側貫通孔59〜61は、各フランジ部55Aに対応する位置で筒部54Aを軸方向(軸線O1−O1方向)に貫通し、この筒部54Aと旋回スクロール67Aの鏡板68Aとの摺動面に開口している。この場合、旋回スクロール67Aが旋回動作を行うときには、第1の実施の形態とほぼ同様に、固定側貫通孔59〜61のうち少なくとも1個の貫通孔が後述の旋回側貫通孔76と常に連通する構成となっている。
このように、本実施の形態では、固定側貫通孔59〜61等によって固定スクロール51Aの冷却性能を高めつつ、後述のリブ兼用吸込口62、フィン型補強リブ65及び延長リブ66によって固定スクロール51Aの剛性を十分に確保する構成としている。
62は固定スクロール51Aの鏡板52Aと筒部54Aとに一体形成して設けられた例えば2個のリブ兼用吸込口62を示し、該各リブ兼用吸込口62は、後述のフィン型補強リブ65と共に固定スクロール51Aの補強リブ(固定側補強リブ)を構成している。即ち、リブ兼用吸込口62は、固定スクロール51Aを補強する補強リブと、後述の圧縮室73Aに空気を吸込む吸込口とを兼ねた部位として形成され、この点で第1の実施の形態の吸込口10Aと異なっている。
そして、リブ兼用吸込口62は、図12に示す如く、例えば3個の固定側貫通孔59〜61のうち隣合う2つの固定側貫通孔59,60の間、及び隣合う2つの固定側貫通孔59,61の間に配置され、これらの位置で筒部54Aから鏡板52Aの中央に向けて径方向に延びている。
また、リブ兼用吸込口62は、図13、図14に示す如く、高い強度(剛性)をもつ補強リブとして機能するように、例えば角筒状の中空構造体として形成され、鏡板52A及び筒部54Aの裏面側に突出している。
このように、リブ兼用吸込口62は、固定スクロール51Aのうち剛性が比較的低下し易い固定側貫通孔59,60の間、及び固定側貫通孔59,61の間で鏡板52Aと筒部54Aとを一体に連結し、これらの部位で固定スクロール51Aを補強することにより、その剛性を全体的に高めているものである。
また、各リブ兼用吸込口62の内周側には、図11に示す如く、鏡板52Aの表面及び裏面に開口する吸込穴63がそれぞれ設けられている。これらの吸込穴63のうち一方の吸込穴63は、固定スクロール51Aのラップ部53Aの最外周端に近接して配置され、他方の吸込穴63は、後述する旋回スクロール67Aのラップ部69Aの最外周端に近接して配置されている。
このため、個々の吸込穴63は、各圧縮室73Aのうち最外周側に位置する2個の圧縮室73Aに外部の空気を短い距離で吸込ませることができる、これによって吸込み空気の温度上昇を抑えて圧縮効率を高めることができる。そして、リブ兼用吸込口62から最外周側の圧縮室73Aに吸込まれた空気は、ラップ部53A,69Aの間で圧縮された後に、鏡板52Aの中央側に設けられた吐出口64Aから圧縮空気として外部に吐出される。
65はリブ兼用吸込口62と共に固定側補強リブを構成するフィン型補強リブで、該フィン型補強リブ65は、鏡板52A及び筒部54Aの裏面側に突出して形成され、各冷却フィン56Aのうち一部のフィンに接続されているものの、冷却フィン56Aよりも太幅に形成されている。そして、フィン型補強リブ65は、固定側貫通孔60,61の間で固定スクロール51Aを補強する補強リブと、冷却フィン56Aの一部とを兼ねた部位として形成されている。
また、フィン型補強リブ65は、固定側貫通孔60,61の間で鏡板52Aと筒部54Aとに一体形成され、これらの鏡板52Aと筒部54Aとを連結している。この結果、固定側貫通孔59〜61の間となる3箇所の位置には、各リブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65とからなる3個の補強リブが例えば120°の間隔をもって周方向に均等に配置され、これら全ての位置で剛性を十分に確保できる構成となっている。
また、フィン型補強リブ65は、冷却フィン56Aと共に冷却風の流れ方向(図10中の矢示a4方向)に沿って垂直方向に延びている。このため、冷却ファン33Aの作動時には、冷却風が冷却フィン56Aとフィン型補強リブ65とにわたって安定的に接触するようになるので、固定スクロール51Aを効率よく冷却することができる。
66は各リブ兼用吸込口62に接続された例えば2個の延長リブで、該各延長リブ66は、冷却フィン56Aよりも太幅な突条部として形成され、各冷却フィン56Aの間で鏡板52Aの裏面に立設されると共に、リブ兼用吸込口62からフィン型補強リブ65に向けて垂直方向に延びている。
これにより、延長リブ66は、リブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65との間で固定スクロール51Aの剛性を高めつつ、冷却風と接触することによって固定スクロール51Aの冷却効率を高めるものである。
一方、67Aは固定スクロール51Aと対面してケーシング1内に旋回可能に設けられた低圧段の旋回スクロールで、該旋回スクロール67Aは、図10、図15に示す如く、第1の実施の形態とほぼ同様に、軸線O2−O2を中心として略円板状に形成された鏡板68Aと、該鏡板68Aの表面中央に立設された渦巻状のラップ部69Aと、鏡板68Aの裏面中央に立設され連結軸18の一端側に廻止め状態で固定された筒状のボス部70Aと、鏡板68Aの外周側に突設され、例えば120°程度の間隔をもって互いに周方向に離間した例えば3個の突出部71Aとによって大略構成されている。
ここで、鏡板68Aの裏面には、図16に示す如く、ボス部70Aを中心として放射状に延びる複数の冷却フィン72Aが立設されている。この場合、冷却ファン33Aの作動時には、図10中の矢示a2に示す如く、冷却風が鏡板68Aの裏面外周側から中央に向けて径方向内向きに流れるので、冷却フィン72Aを放射状に並べることにより、冷却風を各冷却フィン72Aに安定的に接触させることができ、これによって鏡板68A等を効率よく冷却することができる。
また、ラップ部69Aは、固定スクロール51Aのラップ部53Aとの間に複数の圧縮室73Aを画成している。また、各突出部71Aには、図15、図16に示す如く、補助クランク28が取付けられる取付孔74がそれぞれ設けられている。さらに、突出部71Aの裏面及び端面には、冷却効率を可能な限り高めるために多数の補助冷却フィン75が立設されている。
76は例えば旋回スクロール67Aの鏡板68Aの3箇所に設けられた第2の貫通孔としての旋回側貫通孔を示し、該各旋回側貫通孔76は、固定側貫通孔59〜61とほぼ同様に、例えば円弧状の細長いスリット、長孔等として形成され、旋回スクロール67Aのラップ部69A側(各圧縮室73Aのうち中央側の圧縮室)で発生する熱が旋回スクロール67Aを通じて各補助クランク28に伝わるのを抑制するものである。
そして、旋回側貫通孔76は、ラップ部69Aと各補助クランク28との間に位置して鏡板68Aを軸方向に貫通し、これらの間に介在する熱伝導経路を遮るように、例えば鏡板21Aの中心O2(軸線O2−O2)と補助クランク28とを結ぶ径方向の仮想線L′(図15参照)を跨いで周方向の両側に延びている。
77は旋回スクロール67Aの鏡板68Aの裏面側に複数個設けられた補強リブとしての旋回側補強リブを示し、該各旋回側補強リブ77は、図16、図17に示す如く、冷却フィン72Aよりも太幅な突条部として形成され、鏡板68Aの裏面側に突出している。
また、旋回側補強リブ77は、例えば隣合う2つの旋回側貫通孔76の間に2個ずつ1組となって配置されている。そして、補強リブ77の各組は、例えば120°の間隔をもって周方向に均等に離間し、これらの位置で旋回スクロール67Aに高い剛性を与えている。
さらに、旋回側補強リブ77は、冷却フィン72Aの場合とほぼ同様に、冷却風の流れに沿って放射状に配置されている。これにより、旋回側補強リブ77と冷却フィン72Aとを冷却風に安定的に接触させることができ、冷却効率をより高めることができる。このように、旋回側補強リブ77は、旋回スクロール67Aを補強する補強リブと、冷却フィン72Aの一部とを兼ねた部位として形成されている。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、圧縮機の運転時には、第1の実施の形態とほぼ同様に、旋回スクロール67Aが固定スクロール51Aに対して旋回運動を行うと、低圧段の圧縮部4Aでは、リブ兼用吸込口62から圧縮室73Aに空気が吸込まれる。そして、この空気は、各スクロール51A,67Aのラップ部53A,69A間で圧縮されることによって圧縮空気となり、吐出口64Aから高圧段の圧縮部(図示せず)に向けて吐出される。
このとき、中央側の圧縮室73A等では熱が発生し易いが、この熱がスクロール51A,67Aを経由して補助クランク28に伝わるのを貫通孔59〜61,76によって防止でき、軸受30等の部品を保護することができる。
また、圧縮室73A内で空気を圧縮するときには、鏡板52A,68A等にスラスト方向の荷重が加わり易い。しかし、固定スクロール51Aには、その剛性を高めるリブ兼用吸込口62、フィン型補強リブ65及び延長リブ66が設けられ、旋回スクロール67Aにも旋回側補強リブ77が設けられているので、鏡板52A,68Aやラップ部53A,69Aがスラスト方向の荷重によって変形するのを防止することができる。
一方、圧縮の運転時には、第1の実施の形態とほぼ同様に、冷却ファン33Aが回転駆動される。この結果、外側ケース3A′内には、図10中の矢示a1に示す如く、固定スクロール51Aの裏面側から貫通孔59〜61,76を経由して冷却風が吸込まれると共に、補助クランク28の周囲の各通気孔58からも冷却風が吸込まれる。このため、貫通孔59〜61,76によって第1の実施の形態とほぼ同様の冷却効果を得られるだけでなく、各通気孔58によって補助クランク28や外側ケース3A′内の各部品を効率よく冷却することができる。
また、外側ケース3A′内に吸込まれた冷却風は、図10中の矢示a2に示す如く、旋回スクロール67Aの各冷却フィン72Aと旋回側補強リブ77とに沿って径方向内向きに流れ、鏡板68A等を冷却した後に、仕切板34Aの内周側を通って冷却ファン33Aの位置に流入し、上,下の流出口36Aから矢示a3方向にそれぞれ流出する。そして、下側の流出口36Aから流出した冷却風は、矢示a4に示す如く、冷却フィン56Aとフィン型補強リブ65とに沿って垂直方向に流れるので、固定スクロール51Aを効率よく冷却することができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、固定スクロール51Aにリブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65とを設け、旋回スクロール67Aに旋回側補強リブ77を設ける構成としている。
これにより、固定スクロール51Aの複数箇所に固定側貫通孔59,60,61を設けた状態でも、これらの貫通孔59〜61の間には、リブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65のうち何れか一方の部材からなる補強リブを配設でき、剛性が比較的低下し易い各貫通孔59〜61の間の位置で固定スクロール51Aを確実に補強することができる。
この結果、固定側貫通孔59〜61を設けたことによるスクロールの剛性低下をリブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65によって容易に補償でき、固定側貫通孔59〜61を大きく形成した場合でも、固定スクロール51Aの剛性を全体的に高めることができる。
従って、圧縮機の運転時には、例えば固定スクロール51Aにスラスト方向の荷重等が加わったとしても、この荷重によって鏡板52Aやラップ部53Aが変形するのを確実に防止することができる。そして、固定側貫通孔59〜61による冷却性能を十分に発揮しつつ、圧縮機を安定的に作動させることができる。
この場合、補強リブの一部は、圧縮機の吸込口を兼ねたリブ兼用吸込口62として形成したので、例えば既存の吸込口の形状を変更してこれを固定側貫通孔59〜61の間に配置することにより、吸込口を補強リブとして利用でき、その分だけ専用の補強リブの個数、寸法等を小さく抑えることができる。これにより、固定スクロール51Aの形状を簡略化でき、これを軽量化することができる。
また、補強リブの他の部位は、冷却フィンを兼ねたフィン型補強リブ65として形成したので、補強リブを冷却フィン56Aの一部として利用でき、フィン型補強リブ65と冷却フィン56Aとによって固定スクロール51Aの冷却効率を高めることができる。
しかも、2個のリブ兼用吸込口62とフィン型補強リブ65とを、例えば120°の間隔をもって周方向に均等に配置しているので、固定スクロール51Aの剛性を全体的にバランスよく高めることができる。これにより、固定スクロール51Aの全体によってスラスト方向の荷重を安定的に受承でき、例えば鏡板52Aやラップ部53Aが特定の方向に変形し易くなるのを防止することができる。
一方、旋回スクロール67Aの場合も同様に、複数箇所に旋回側貫通孔76を設けた状態でも、各貫通孔76の間に旋回側補強リブ77を配設できるので、剛性が比較的低下し易い各貫通孔76の間の位置で旋回スクロール67Aを補強でき、その剛性を全体的に高めることができる。
従って、例えばスラスト方向の荷重等によって鏡板68A、ラップ部69A等が変形するのを確実に防止でき、貫通孔76による冷却性能を十分に発揮しつつ、圧縮機を安定的に作動させることができる。
なお、前記第2の実施の形態では、固定スクロール5A′の各フランジ部9A′毎に固定側貫通孔41を2箇所ずつ設け、旋回スクロール20A′の各突出部24A′に旋回側貫通孔42を2箇所ずつ設ける構成とした。しかし、本発明における貫通孔の個数は実施の形態に限定されるものではなく、例えば図18に示す変形例のように構成してもよい。この場合、固定スクロール5A′の筒部8A′には、個々のフランジ部9A′毎に固定側貫通孔41′がそれぞれ4箇所ずつ設けられている。また、旋回側貫通孔についても、これと同様に構成すればよい。
また、各フランジ部9A′(各突出部24A′)には、例えば3箇所の貫通孔、5箇所以上の貫通孔を配設してよいのは勿論である。さらに、貫通孔の孔形状についても、実施の形態に例示したような円弧状の長孔に限らず、例えば円形、角形等を含めて任意の孔形状としてよい。
また、第1の実施の形態では、固定側と旋回側の貫通孔31,32が常に連通する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば貫通孔を形成可能なスペースが狭かったり、強度上の制約により大きな貫通孔を形成し難い場合等には、これらの貫通孔を必要最小限の大きさに形成し、例えば回転軸15が1回転するときに各貫通孔が互いに連通した状態と遮断された状態とを間欠的に繰返す構成としてもよい。さらに、本発明では、固定スクロールの貫通孔と旋回スクロールの貫通孔とが互いに全く連通しない構成としてもよい。
また、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、真空ポンプ等を含めて他のスクロール式流体機械に適用してもよい。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す外観斜視図である。 空気圧縮機を図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図である。 低圧段の圧縮部を拡大して示す図2中の要部拡大断面図である。 低圧段の固定スクロール、旋回スクロール、補助クランク等を組立てる前の状態で示す要部拡大断面図である。 固定スクロールを表面側からみた正面図である。 固定スクロールを裏面側からみた背面図である。 旋回スクロールを表面側からみた正面図である。 本発明の第2の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の固定スクロールを示す正面図である。 旋回スクロールを示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を図3と同様位置からみた要部拡大断面図である。 固定スクロールを表面側からみた正面図である。 固定スクロールを裏面側からみた背面図である。 固定スクロールを図12中の矢示XIII−XIII方向からみた平面図である。 固定スクロールを図12中の矢示XIV−XIV方向からみた断面図である。 旋回スクロールを表面側からみた正面図である。 旋回スクロールを裏面側からみた背面図である。 旋回スクロールを図16中の矢示XVII−XVII方向からみた断面図である。 本発明の変形例によるスクロール式空気圧縮機の固定スクロールを示す正面図である。
符号の説明
1 ケーシング
4A,4B 圧縮部
5A,5A′,5B,51A 固定スクロール
6A,6A′,6B,21A,21A′,21B,52A,68A 鏡板
7A,7A′,7B,22A,22A′,22B,53A,69A ラップ部
14 モータ(駆動源)
15 回転軸
20A,20A′,20B,67A 旋回スクロール
26A,26B,73A 圧縮室
28 補助クランク(自転防止機構)
31,41,41′,59,60,61 固定側貫通孔(第1の貫通孔)
32,42,76 旋回側貫通孔(第2の貫通孔)
35A,35B 流入口(流通口)
62 リブ兼用吸込口(補強リブ)
65 フィン型補強リブ(補強リブ)
77 旋回側補強リブ(補強リブ)

Claims (7)

  1. ケーシングと、該ケーシングに設けられ鏡板の表面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに支持され駆動源により回転駆動される回転軸と、前記固定スクロールと対面する位置で該回転軸に連結され鏡板の表面に前記ラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回スクロールと、前記固定スクロールと旋回スクロールとを前記各鏡板の径方向外側で連結し前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記固定スクロールには、前記ラップ部と自転防止機構との間に位置して当該固定スクロールを貫通する第1の貫通孔を設け、
    前記旋回スクロールには、前記ラップ部と自転防止機構との間に位置して当該旋回スクロールを貫通する第2の貫通孔を設け
    前記第1,第2の貫通孔は、互いに重なり合って前記固定スクロールの裏面側と前記旋回スクロールの裏面側との間を連通しうる構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記第1または第2の貫通孔は、前記鏡板の周方向に延びる長孔として形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記第1または第2の貫通孔は、前記鏡板の周方向に複数個並べて配設してなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記ケーシングには、前記自転防止機構の位置に冷却風を流通させる流通口を設けてなる請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記第1の貫通孔は前記鏡板の周方向に間隔をもって複数個配設し、前記固定スクロールには、隣合う2つの貫通孔の間に位置して前記鏡板の裏面側に突出した補強リブを設けてなる請求項1,2,3または4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 前記補強リブのうち少なくとも一部の補強リブは、前記圧縮室に空気を吸込む吸込口として構成してなる請求項に記載のスクロール式流体機械。
  7. 前記第2の貫通孔は前記鏡板の周方向に間隔をもって複数個配設し、前記旋回スクロールには、隣合う2つの貫通孔の間に位置して前記鏡板の裏面側に突出した補強リブを設けてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載のスクロール式流体機械。
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