JP3331447B2 - サーミスタ用磁器組成物の製造方法 - Google Patents

サーミスタ用磁器組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は被熱による抵抗値の履
歴現象の少ないサーミスタ用磁器組成物の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】高温で使用するサーミスタ用材料として
従来から、(a)Al2 3 、Cr23 を主成分とす
るコランダム型結晶構造を主体とする材料(例えば特開
昭50−118294号公報)、(b)MgAl
2 4 、MgCr2 4 、MgFe24 等よりなるス
ピネル型結晶構造を有する化合物を主体とした材料(例
えば特開昭49−63995号公報)、(c)高融点で
導電性をもつペロブスカイト型結晶構造を有する化合物
を主体とした材料、例えばLa(Al1-X CrX )O3
系の組成をもつ材料(例えば特開昭51−108298
号公報)、絶縁基板上にLaCrO3 を薄膜化して用い
る材料(例えば特開昭61−161701号公報)、L
aCrO3 とMgAl2 4 とを混合した材料(例えば
特開昭51−95297号公報、特開昭51−2369
1号公報)等が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、(a)コラ
ンダム型結晶構造を主体とする材料は温度−抵抗特性に
バリエーションをもたせるために種々の元素を添加する
が、その添加量を多くすると被熱による抵抗値の履歴が
大きくなる等の問題があった。又、本材料の焼成温度は
1670℃と高いためリード線として用いる白金線が脆
化してしまうという問題もある。(b)スピネル型結晶
構造を有する化合物を主体とした材料は、温度勾配定数
(β)が大きいため広い温度域で使用できない等の問題
があった。また、NiAl2 4 系材料(特開昭49−
29493号公報等)、CoAl24 系材料(特開昭
48−705号公報等)があるが、いずれも耐熱性が低
くく高温で使用できないという問題があった。
【0004】(c) ペロブスカイト型結晶構造を有する化
合物系材料は、Laの酸化物が未反応のまま残っている
ことがあり、その場合には、その未反応物が大気中の水
分と反応して不安定なLa(OH)3 となり、素子が崩
壊してしまうとか、抵抗値が不安定になる等の問題や、
原料成分中に高温で気化し易い酸化クロム等を含んでい
るため、焼成中にその成分が気化して減少してしまい組
成の精密な調整が困難となり、抵抗値とか、耐久性能に
バラツキが発生してしまうという問題があった。
【0005】本願発明の課題は、これらの問題を解消
し、材料の組成を正確に調整することにより使用目的に
適した抵抗値を有するサーミスタ、広い範囲の抵抗値を
有するサーミスタ、吸湿性のない、雰囲気の湿度とか熱
履歴による特性の劣化が少なく、リード線の強度の強
い、又、室温から1100℃までの広い温度域で使用可
能なサーミスタ用磁器組成物を提供することにある。
又、抵抗値のバラツキが少ないサーミスタを大量に効率
的に生産することのできる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは鋭意研究
の結果、次の発明をなした。即ち、第1の発明は、Aを
元素周期表の第2a族及びLaを除く第3a族に属する
元素から選ばれた少なくとも1つの元素とし、Y、Z
は、0.05≦Y/(1−Y−Z)≦0.4 及び、
0.025≦Z≦0.35、を満たすものとしたとき、
化学式A(Cr 1−Y−Z Fe Ti )O で表され
る組成物となるように各元素を含む無機化合物を混合
し、仮焼した未焼成成形体を、前記無機化合物の内で気
化し易い無機化合物を容器内に有する磁器製容器に入れ
て焼成するサーミスタ用磁器組成物の製造方法である。
【0007】第2の発明は、請求項1において、AはY
及びランタニドから選ばれた少なくとも1つの元素であ
ることを特徴とするサーミスタ用磁器組成物の製造方法
である
【0008】第3の発明は、あらかじめ内部に上記気化
し易い無機化合物を含む粉末又はその粉末をプレス成形
した成形品を入れて焼成温度と同程度の温度に曝すこと
により、内面に該気化し易い無機化合物を付着ないし浸
透させた磁器製容器を上記サーミスタ焼成用の容器に用
いる請求項1または請求項2記載のサーミスタ用磁器組
成物の製造方法である。
【0009】
【0010】
【作用】本願発明の製造方法によるサーミスタ用磁器組
成物はペロブスカイト型結晶構造を有する組成物であ
り、イオン半径が近い原子同士でお互いに容易に置換で
きる組成物であり、副生成物の生成がなく、置換された
組成が安定に存在するため広い範囲で連続的に組成比を
変えてサーミスタの抵抗値や抵抗値の温度係数(β)を
調整することができる。又、本願発明のサーミスタ用磁
器組成物からなるサーミスタは1570℃以下の温度で
焼成することで製造できるため、サーミスタに用いるリ
ード線の脆化もなく、高い強度のリード線とすることが
できるという利点もある。
【0011】また、本願発明の製造方法によるサーミス
タ用磁器組成物はLaを含んでいないため吸湿により変
質することがなく、サーミスタの抵抗値の被熱による履
歴現象が少なく、高温安定性が高いため、300℃以上
の環境においても長時間安定して使用することができ
る。本願発明の製造方法によるサーミスタ用磁器組成物
A(Cr 1−Y−Z Fe Ti )O の組成比を0.
4≧Y/(1−Y−Z)≧0.05の範囲とすることに
より使用目的に適するようなサーミスタの温度−抵抗値
特性を得ることができる。また、Zの範囲を0.1≧Z
≧0.05の範囲とすることによりサーミスタ用磁器組
成物中に副生成物の生成を殆どなくすることができる。
Zの値がこの範囲を外れると固溶体の固溶限界を越えて
しまい熱的にも、経時的にも不安定な磁器となってしま
うものと考えられる。
【0012】本願発明の製造方法によるサーミスタ用磁
器組成物はp型半導体とn型半導体を混合したものであ
り、熱に対して不安定な酸素イオンとか金属イオンの格
子欠陥が少なくなっており、熱履歴を受けてもサーミス
タの抵抗値の履歴現象が少なく、また、p型半導体とn
型半導体の酸素分圧に対する依存性が逆であり、この両
者を混合することにより、お互いにその特性が相殺され
て酸素分圧に対して安定な特性をなすサーミスタとなっ
た。また、Aにおいて第2a族の成分を増やしても酸素
分圧に対する依存性を低下できる。p型半導体としては
AがYとかランタニア等の第3a族の場合、例えばAC
rO3、AMnO3 、ACoO3、ANiO3 等があり、
n型半導体としてはAがSr等の第2a族の場合、例え
ばAFeO3、ATiO3 系がある。従って、雰囲気の
酸素分圧による影響を受けることが少なくなり、還元雰
囲気になりやすい部位とか金属チューブ内にサーミスタ
を組み込んで使用する自動車用センサとして広く使用す
ることができる。
【0013】本願発明の製造方法によるサーミスタ用磁
器組成物を得るには各金属元素無機化合物として取り扱
いの容易な酸化物、炭酸塩等の粉末を用いるとよいが、
混合を十分に行うため各金属元素の水溶液又は微量成分
をなす各金属元素の水溶液、例えば、硝酸塩〔例:Fe
(NO3)3 、Cr(NO3)3 、Sr(NO3)3 等〕
を用いることもよい。本願発明のサーミスタ用磁器組成
物を焼成して得るとき、これらのサーミスタ用磁器組成
物に焼結助剤を加えれば、焼結性が向上し、1550℃
以下で焼成することができて、強度の高いサーミスタや
リード線の強度の劣化していないサーミスタを得ること
ができる。焼結助剤としては、粒界に液相を生成し、マ
トリックスを成して磁器の焼結性を高めるものであれば
良く、例えばシリカ、ムライト、ケイ酸カルシウム又は
ケイ酸ストロンチウムの内のいずれか又はこれらを組合
せて使用するとよい。焼結助剤の添加量はサーミスタ用
磁器組成物に対して0.5〜10重量%がよいが、特に
好ましくは0.8〜3重量%が良い。焼結助剤の添加量
が0.5重量%未満では焼結性の向上が少なく、焼結助
剤の添加量が10重量%を越えると粒界における焼結助
剤相が増加して抵抗値の温度特性が変動してくるため好
ましくない。
【0014】更に、より好ましくは、化学式A(Cr
1−Y−Z Fe Ti )O で表される組成物となる
ように各元素を含む無機化合物を混合し、仮焼した粉末
から成形された未焼成成形体を、前記無機化合物の内で
気化し易い無機化合物を磁器製容器内に有する該磁器製
容器内に入れて焼成してサーミスタ用磁器組成物を得る
と抵抗値のバラツキの少ないサーミスタ用磁器組成物と
することができる。前記無機化合物の内で気化し易い成
分を配置するには該成分を含む粉末若しくは該粉末を成
形した成形品を該容器内に置く、該粉末をスラリーにし
て該容器の内面に被覆する、又は該粉末を該容器内に入
れ該成分が気化する温度に曝す等の方法がよい。気化し
易い成分を含む粉末として未焼成の本願発明のサーミス
タ用磁器組成物又はその類似品を使用してもよい。これ
は、例えば、酸化クロムの如く高温で気化し易い物質が
焼成中に未焼成サーミスタ磁器組成物から一方的に排出
することがなくなり、製造工程中なかんずく焼成中にお
ける磁器組成成分の組成比の変動を殆どなくすることが
できるからである。磁器製容器の材質は高温で安定で、
望ましくは気密なもの、例えば、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア、窒化珪素等がよい。
【0015】更に、より好ましくは、焼成後大気中で1
000℃〜1200℃で100〜500時間放置して安
定化処理を行い、抵抗値をより一層安定化させることが
できる。焼成温度は1570℃〜1400℃で行うが、
1570℃〜1480℃が好ましく、より好ましくは1
500℃〜1550℃がよい。
【0016】
【実施例1】本願発明の第1の実施例を説明する。ま
ず、純度が99.9%以上で平均粒径が1μmのY2
3 と、純度が98.5%以上で平均粒径が1μm以下の
SrCO3 と、純度が98.5%以上で平均粒径が1μ
m以下のCr2 3 と、純度が98.5%以上で平均粒
径が1μm以下のFe2 3 、及び、純度が98.5%
以上で平均粒径が1μm以下のTiO2 を、(Y1-X
X )(Cr1-Y-Z FeY Tiz )O3 と表したとき、
X、Y、Zが表1の組成の欄に示す割合になるように秤
量し、湿式により混合する。混合は鉄心入ポリアミド被
覆の玉石とポリアミド製トロンメルを使用した。この他
に、玉石やトロンメルは玉石、トロンメルの磨耗による
不純物の混入を避けるためジルコニア製若しくは窒化珪
素製の玉石やトロンメルとか、PTFE若しくはポリア
ミド等で被覆したアルミナ若しくは鉄心の玉石やトロン
メルを使用するとよい。PTFE又はポリアミド等は微
量混入しても混入したPTFEやポリアミドは焼成時に
除去されてしまうためこれらを使用してもこれらが不純
物として磁器組成物中に残ることはないからこれらを使
用することができる。混合されたスラリーを−40℃で
凍結させた後、0.1〜0.2Torrに減圧し30℃
前後で昇華させて乾燥した。乾燥方法は各金属元素無機
化合物の比重の違いによるスラリー乾燥時の分離を防ぐ
方式がよく、前記の凍結乾燥方法の他、噴霧乾燥式でも
よい。なお、表1中、試料番号1、3、17および33
は比較例である。
【0017】
【表1】
【0018】前記乾燥された粉末を磁器製ルツボに入れ
て1400℃で2時間保持して仮焼する。仮焼温度は各
原料成分が固溶する温度で行うがよく、1250℃ない
し1450℃、好ましくは1350℃から1400℃で
2時間ないし5時間保持することにより仮焼するとよ
い。1500℃以上で仮焼すると各原料成分が焼結して
しまい後工程の粉砕工程で十分に粉砕されないため好ま
しくない。仮焼された粉末に平均粒径0.6μm のシ
リカを1重量%加えて湿式により粉砕、混合する。混合
したスラリーの粒度は1μm以下となることが好まし
い。この粉砕された粉末のスラリーを200メッシュの
篩を通してから乾燥する。乾燥後PVBが15重量部、
DBPが10重量部、MEKが50重量部及びトルエン
が25重量部よりなるバインダーを添加して、プレス成
形用粉末を造粒する。造粒は噴霧乾燥による方法で行う
と流動性の良い粉末を得ることができて好ましい。粒子
の粒度は100〜400メッシュとするとよい。
【0019】この粉末をリード線となる直径が0.4m
mの白金線を金型中心から各0.6mm空けた、即ち、
リード線間1.2mmの間隙を空けて2本平行に配置し
た金型に充填して1000Kg/cm2 の圧力でプレス
して、直径が3mm、厚みが2mmで2本のリード線を
有する図1に示す形状に成形する。なお、リード線の材
質は白金の他白金−ロジウム合金としてもよい。別途、
アルミナ磁器製の厚み3mm、縦横の外寸50mm、深
さ40mmの有底角筒状容器と厚み3mm、一辺50m
mの角板を作成し、該容器に焼成されるサーミスタ用磁
器組成物とほぼ同一組成の粉末、又は、その粉末をプレ
ス成形した成形品を約0.2gないし10g入れ、該容
器に前記角板を被せてサーミスタ用磁器組成物の焼成温
度と同程度の温度に曝すことにより、該組成中の気化し
易い成分を容器内面および角板の内側に付着ないしは浸
透させておく。
【0020】該容器内に前記成形済の未焼成サーミスタ
を入れその上に前記角板を被せて、1550℃の大気中
で焼成してサーミスタを製造した。更に、試料番号2、
4、5および6については大気中1100℃で200時
間放置して安定化処理を行った。
【0021】上記により得たサーミスタについて、30
0℃、350℃、500℃及び900℃の大気中におけ
るサーミスタのリード線間の抵抗値を測定し、その測定
値からβを算出した。その結果を表1の抵抗値およびβ
の欄に併せて示す。次に、各試料を1000℃の大気中
で300時間保持し、その保持前後の300℃、350
℃、500℃及び900℃におけるサーミスタの抵抗値
を測定して耐久性能を調べた。その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表1中のβ及び、表2中のΔR率は、 β=ln(R/R0 )/(1/K−1/K0 )、 ΔR率=(Rt −R0 )/R0 ×100% で表される抵抗値の温度係数(β)、および抵抗値の変
化率(ΔR率)を示す。ここで、lnは常用対数を示
し、R及びR0 は各々大気中で絶対温度K及びK0にお
けるサーミスタの抵抗値、Rt は耐久試験においては耐
久試験後の大気中の絶対温度Kt (t=300℃、35
0℃、500℃又は、900℃) におけるサーミスタの
抵抗値を示す。300−500及び500−900とあ
るは各々300℃と500℃、及び500℃と900℃
間におけるβを示す。
【0024】表2にΔR温度換算値を併せて示す。該Δ
R温度換算値は次の式で定義される。 ΔR温度換算値=β×K0 /(ln(Rt /R0 )×K
0 +β)−K0 更に、試料番号7、8、12、23、24、25および
27を、大気中で1100℃の雰囲気中に2時間放置
し、その放置の前後のサーミスタの抵抗値を測定して高
温耐久試験を行った。その結果はいずれもΔR温度換算
値は15℃以内と良好な結果を得た。
【0025】表1から、(Y1-XSrX)(Cr1-Y-Z
YTiz)O3 と表される組成において、各元素の組成
比を選定することにより、抵抗値を大幅に調整すること
ができることがわかる。また、本願発明の製造方法によ
サーミスタ用磁器組成物は、単純な置換固溶反応によ
るものを主体とするものであるため副生成物の生成がな
く、特にSrの置換量が30%以下の場合には単純な置
換固溶反応によるものとなり、副生成物の生成がなく、
1570℃以下の温度で焼成することができて、サーミ
スタに埋込んだリード線の劣化を防ぐことができるとと
もに、機械的強度の高いサーミスタとすることができ
る。
【0026】表1からわかるように、SrのYに対する
置換量が1〜35.1モル%、及び、Crに対するFe
の置換量はFe/Cr=0.05〜0.40とし、Ti
の置換量を2.5〜35モル%とした組成比とした磁器
組成物からなるサーミスタの抵抗値は、300℃ないし
は900℃において温度センサ用サーミスタとして実用
できる範囲となり、かつ耐久性能においてもΔR率が小
さく、ΔR温度換算値が小さくなっており、前記の各々
の置換量としたサーミスタ用磁器組成物は300℃から
1000℃において使用するに好適なサーミスタ用磁器
組成物といえる。
【0027】(Y1-X SrX )(Cr1-Y-Z FeY Ti
z )O3 と表される組成において、Sr、Fe、Ti、
のいずれかの置換量が少ない若しくは置換のない(試料
番号1、3、17)または、Sr、Tiの置換量が多い
(試料番号33)と、耐久性能において、500℃また
は900℃のΔR温度換算値が15℃を越えて変化して
おり、500℃以下での使用では問題ないが、500℃
より高い温度で使用するには適さないといえる。
【0028】本願発明の製造方法によるサーミスタ用磁
器組成物は、耐久試験の結果からわかるとおり熱履歴に
対して非常に安定な特性を示している。これは、本願発
明のサーミスタ用磁器組成物はp型半導体とn型半導体
との混合物であるため熱履歴に対して不安定な酸素イオ
ン欠陥や金属イオン欠陥が少なくなっていることによる
ものと考えられる。また、Tiの置換量を2.5%より
少なくすると、焼結性がやや劣ったものとなる。
【0029】
【実施例2】実施例1で使用した各金属元素化合物およ
び、純度が99.9%以上で平均粒径が1μm 以下の
Sm2 3 を用いて、〔(Y1-W SmW 1-X SrX
(Cr1-Y-Z FeY Tiz )O3 と表したとき、W、
X、Y、Zの値が表3の組成の欄に示す割合になるよう
に秤量し、実施例1と同様の方法で試料を作成し、得ら
れたサーミスタの抵抗値および耐久性能を実施例1と同
様の方法により行い測定した。その結果を表3および表
4に併せて示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表3および表4からわかるとおり、化学式
〔(Y1-WSmW 1-XSrX〕(Cr1-Y-ZFeYTiz
)O3と表される組成物において、YをSmに置換する
とサーミスタの抵抗値は小さくなり、低温で使用するに
適したサーミスタとなり、同時に耐久性能も優れたサー
ミスタとすることができる。さらに、試料番号42、4
3について、大気中で1100℃の雰囲気中に2時間放
置して、その放置の前後のサーミスタの抵抗値を測定し
て、高温耐久試験を行った結果、いずれもΔR温度換算
値が15℃以内と良好な結果を得た。この実施例より化
学式〔(Y1-WSmW1-XSrX〕(Cr1-Y-ZFeYTi
z)O3 と表される組成物からなる本願発明の製造方法
によるサーミスタは、300℃から1100℃の温度範
囲で使用しても温度−抵抗値特性の変動が少なく、実用
的に好適に使用でき、熱履歴の少ない抵抗値の安定した
サーミスタを提供することができることがわかった。
【0033】
【発明の効果】本願発明の製造方法により、広い温度範
囲で使用しても温度−抵抗値特性の変動が少なく、実用
的に好適に使用でき、熱履歴に対して抵抗値の履歴現象
の少ない安定したサーミスタを提供することができたも
のである。また、機械的強度が強く、例えば自動車の排
気ガスの浄化用触媒の過熱検知装置とか、排気ガス還流
装置の還流ガス温の検知装置等高温のガス温の測定装置
又は振動の激しい場所での測定装置、その他各種の炉の
温度検出装置として使用できるサーミスタ用磁器組成物
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーミスタを示す図
【符号の説明】
1 サーミスタ 2 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Aを元素周期表の第2a族及びLaを除
    く第3a族に属する元素から選ばれた少なくとも1つの
    元素とし、Y、Zは、 0.05≦Y/(1−Y−Z)≦0.4 及び、 0.025≦Z≦0.35、 を満たすものとしたとき、 化学式A(Cr 1−Y−Z Fe Ti )O で表され
    る組成物となるように各元素を含む無機化合物を混合
    し、仮焼した未焼成成形体を、前記無機化合物の内で気
    化し易い無機化合物を容器内に有する磁器製容器に入れ
    て焼成するサーミスタ用磁器組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、AはY及びランタニ
    ドから選ばれた少なくとも1つの元素であることを特徴
    とするサーミスタ用磁器組成物の製造方法
  3. 【請求項3】 あらかじめ内部に上記気化し易い無機化
    合物を含む粉末又はその粉末をプレス成形した成形品を
    入れて焼成温度と同程度の温度に曝すことにより、内面
    に該気化し易い無機化合物を付着ないし浸透させた磁器
    製容器を上記サーミスタ焼成用の容器に用いる請求項1
    または請求項2記載のサーミスタ用磁器組成物の製造方
    法。
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