JP4526490B2 - 吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品に用いられる吸収体に関する。
長繊維の開繊トウを用いた吸収性物品の吸収体が知られている。例えば、捲縮性アセテート繊維のウエブと、この層の片面に積層した粉砕パルプ層とからなる吸収体であって、該吸収体の厚さ方向に両層をプレスで一体化したものが知られている(特許文献1参照)。この吸収体によれば、体液の拡散性が向上するとされている。しかし、アセテート繊維はパルプよりも吸水能力が劣るので、この吸収体の吸収容量を高めるためには、多量の粉砕パルプを使用しなければならない。その結果、吸収体が厚くなってしまい、吸収性物品の着用感が低下してしまう。
また、吸水コアを上層、下層及び両層間に位置する吸収層から構成し、該吸収層として、高吸収性ポリマーの散布層上にアセテート繊維のトウからなる繊維層を配したものが知られている(特許文献2参照)。高吸収性ポリマーはその一部が接着剤によって下層に結合されており、また別の一部はトウの繊維層内に収容されている。この吸水コアでは、高吸収性ポリマーの一部がトウの繊維層内に収容されてはいるものの、大部分の高吸収性ポリマーは下層に結合された状態になっている。つまりトウの繊維層と高吸収性ポリマーの散布層とが別個に存在している。その結果、着用者の動作に起因して、吸収性物品の着用中に吸水コアが変形した場合、その構造が壊れやすい。
長繊維のトウを有する吸収層として、トウが吸収層の厚み方向に延びているものも知られている(特許文献3参照)。特許文献3によれば、***物は、トウの繊維間間隙を通って上から下へ移動し、着用者の肌から遠く離せることができるので、むれやかぶれの原因になることがないとされている。この吸収層がこのような構造を有するためには、トウの長さがある程度長いことが必要である。そのために吸収層が厚くなってしまう。
また、液体吸収層の一部を欠落させ、肌当接面を形成する液透過層の下に***物を取り込みやすい凹部を設けた生理用ナプキンや、吸収体の両側部に抗圧縮層を配し、その間に設けた吸収層に最低限の厚みが維持されるようにした使い捨ておむつが知られている(特許文献4,5参照)。これらの吸収性物品は、前記液体吸収層や前記抗圧縮層が、湿潤時のへたりや低い圧縮回復性のために、着用者の身体の動きに吸収体が十分に追従できず、フィット性が低下しやすい。
特開昭57−160457号公報 特表2004−500165号公報 特開2001−276125号公報 特表2000−507126号公報 特開2003−299694号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る吸収性物品の吸収体を提供することにある。
本発明は、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する吸収体であって、親水性長繊維は捲縮しており、且つ該長繊維のウエブが吸収体の平面方向に配向しており、前記ウエブは、平面方向において、厚みの異なる部分を有し、厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成している吸収体を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する吸収体であって、親水性長繊維は捲縮しており、且つ該長繊維のウエブが吸収体の平面方向に配向しており、前記ウエブは、圧縮されて薄厚とされた部分と、該部分より厚みの厚い部分とを有しており、前記厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成している吸収体を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する吸収体であって、親水性長繊維は捲縮しており、且つ該ウエブが吸収体の平面方向に配向しており、前記ウエブは、坪量の低い部分と、該部分より坪量の高い部分とを有しており、前記坪量の高い部分は前記坪量の低い部分よりも厚みが厚く、該厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成している吸収体を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する吸収体であって、親水性長繊維は捲縮しており、且つ該長繊維のウエブが吸収体の平面方向に配向しており、前記ウエブは、前記厚みの厚い部分は、前記吸収体の平面方向の少なくとも一部に、前記高吸収性ポリマーが実質的に配されていない部分を有することを特徴とする吸収体を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、前記吸収体を備えた吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収体は、厚みの厚い部分の圧縮回復性に優れると共に、該部分に高粘性液を取り込みやすく、その取り込んだ液の保持性に優れたものである。従って本発明の吸収体を組み込んだ吸収性物品においては、吸収性物品と着用者の身体との間に隙間が発生しづらく、漏れの発生を効果的に防止できると共に、高粘性液を肌から素早く離して固定でき、快適な装着感が得られる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1〜3には、本発明の吸収体の一実施形態である吸収体が示されている。図1に示す実施形態の吸収体1は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品の吸収体として用いられるものであり、実質的に縦長の扁平な形状をしている。吸収体1は、図2に示すように、長繊維のウエブ(以下、ウエブという)2から構成されている。ウエブ2には高吸収性ポリマー3が埋没担持されている。ウエブ2は、吸収体1の長手方向(図1中のX方向)に配向している。
長繊維は親水性を有するものである。親水性を有する長繊維として本発明において用いられるものには、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。また、親水性を有する長繊維のウエブには、長繊維自体は親水性を有さないが、ウエブ全体として親水性を有するものも包含される。長繊維自体は親水性を有さないが、ウエブ全体として親水性を有するものとしては、例えば親水性を有さない長繊維からなるウエブに親水性を有する材料からなるウエブを一体化させたものが挙げられる。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にナイロンやアクリル、アセテートやレーヨン、テンセルなどの長繊維が好ましい。とりわけ水分率が10%未満の繊維であるナイロンやアクリル、アセテートは湿潤しても嵩高性が保持されるので特に好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及び/又はセルロースジアセテートを用いることが好ましい。ここで、水分率は25℃、相対湿度65%の環境下で測定した値である。
本明細書において親水性を有するウエブとは、その配向方向について測定されたクレム吸水高さが好ましくは20mm以上、更に好ましくは30mm以上であるものを言う。クレム吸水高さは、JIS P8141に準じて測定される。吸水開始から30秒後の値を読み取り、サンプル3点の平均値をもって測定値とする。サンプルによっては幅方向でクレム吸水高さにばらつきが出るが、その場合は幅方向で略平均(目視)した値を測定値とする。
なお、解繊したウエブは柔軟で、また坪量が低い場合があり、測定時に密度のふれによって測定結果が異なる場合がある。そこで、測定はウエブをアクリル版で挟み込み、密度を吸収体中の繊維密度にあわせて測定する。例えば、本発明の吸収体の一例では、40g/m2のウエブを厚み1mmに成型したため、ウエブ密度は0.04g/cm3とみなすことができる。
長繊維の繊維径に特に制限はない。一般に1〜11dtex、特に2.0〜7.8dtexの長繊維を用いることが、満足すべき結果を得る観点から好ましい。また、厚みの薄い部分と、厚みの厚い部分は異なる繊維径の長繊維を使用しても良い。その場合、厚みの薄い部分は厚い部分よりも細い繊維径の長繊維を用いることが望ましい。すなわち、前記厚みの薄い部分は1.0〜5.6dtexの繊維を、前記厚みの厚い部分は2.8〜11dtexを使用するのが望ましい。
長繊維としては捲縮しているものが用いられる。捲縮とは、JISL0208における「繊維の縮れ(crimp)」をいう。長繊維はその捲縮率(JIS L 0208)が好ましくは10〜90%であり、更に好ましくは10〜60%、一層好ましくは20〜50%である。捲縮した長繊維からウエブ2を形成することで、吸収体1の十分な圧縮回復性を付与することができる。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、長繊維を引き伸ばしたときの長さ(A)と、元の長繊維の長さ(B)との差の、伸ばしたときの長さ(A)に対する百分率で定義される。
本発明においては、捲縮率の算出は、次のようにして行った。
すなわち、捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)である。
ここで、元の長繊維の長さ(B)とは、長繊維が自然状態において、長繊維の両端部を直線で結んだ長さをいい、自然状態とは、一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。また、伸ばした時の長さ(A)とは、該長繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。
長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ8〜18個であることが好ましい。捲縮数は前記自然状態での測定値である。
吸収体1において、ウエブ2は一方向に配向している。従って、吸収体1に吸収された液は、ウエブ2の配向方向に拡散しやすくなる。このことを利用して、例えばウエブ2の配向方向が、吸収性物品の長手方向と一致するように吸収体1を吸収性物品に配すれば、吸収性物品の幅方向からの液漏れ(いわゆる横漏れ)を効果的に防止することができる。
長繊維の配向は、長繊維の始点と終点を結んだベクトルが平面方向に向いていればよく、始点と終点の間でねじれやからみあい等が生じていることに起因して長繊維の一部が垂直方向(吸収体の厚み方向)に向いていても、長繊維が全体として平面方向に向いているものを含む。繊維の配向に関しては、配向度が好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上である。配向度はKANZAKI社のMicrowave molecular orientation analyzer MOA-2001Aを用いて測定した。サンプルサイズは長手方向100mm、幅50mmとし、3点の平均値を配向度とした。サンプルサイズがこの大きさに満たない場合は、複数のサンプルを互いに重ならないように配して測定した。
ウエブ2に埋没担持される高吸収性ポリマー3としては、一般に粒子状のものが用いられる。しかし繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ又は俵状タイプである場合には、ウエブ2に対して同量以上、20倍以下の坪量で埋没担持させることができる。また、球粒凝集タイプや球状タイプの場合には、ウエブ2に対して同量以上、5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。これらの粒子形状は、特に高吸収量と薄型化を両立させたい場合は前者を、風合い(高吸収性ポリマーのしゃり感の低減)を重視する場合は後者を選択することが望ましい。
先に述べた通り、長繊維は捲縮を有するものであるから、粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマー3が保持される。その結果、多量の高吸収性ポリマー3を散布してもその極端な移動や脱落が起こりにくくなる。また着用者が激しい動作を行っても吸収体1の構造が破壊されにくくなる。使用する高吸収性ポリマーによって、捲縮率や使用する長繊維の量を適宜調節する。捲縮を有さないか、又は捲縮の程度が小さい長繊維のみからウエブを構成し、これを吸収体として用いると、高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。逆に捲縮率が高すぎる長繊維を用いると、長繊維間に高吸収性ポリマーを入り込ませるのが容易でなく、やはり高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。
高吸収性ポリマーは、捲縮した長繊維によって形成される空間内に安定的に保持されるので、本実施形態に係る吸収体1は高吸収性ポリマーを多量に保持することができる。従来の吸収体においても繊維材料の量を多くすれば高吸収性ポリマーを多量に保持することは可能であったが、その場合には吸収体の坪量及び厚みが大きくなってしまう。これに対して本発明においては、繊維材料の量に対して高吸収性ポリマーの量が相対的に大きくなっている。具体的には、吸収体全体で見たとき、好ましくは高吸収性ポリマーの坪量がウエブの坪量以上、更に好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上となっている。これによって吸収体1の薄型化及び低坪量化が図られている。その結果、吸収体1の伸縮応答性が良好になっている。長繊維の坪量に対する高吸収性ポリマーの坪量の比率の上限値は、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落防止の観点から決定される。長繊維の捲縮の程度にもよるが、該上限値が20倍以下、好ましくは15倍以下、更に好ましくは10倍程度であれば、着用者が激しい動作を行っても高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落は起こりにくい。
埋没担持とは、高吸収性ポリマーが捲縮した連続長繊維によって形成される空間内に入り込んで、着用者の激しい動作によっても該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくくなっている状態を言う。このとき、連続長繊維は高吸収性ポリマーに絡みつき、あるいは引っ掛かりを生じ、あるいはまた、高吸収ポリマーは自身の粘着性により連続長繊維に付着している。連続長繊維が形成する空間は、外部から応力を受けても変形しやすく、また、長繊維全体で応力を吸収することができるので、空間が破壊されるのを防いでいる。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ2中に埋没担持されている。吸収体1の製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ2中に均一に埋没担持される場合もある。
高吸収性ポリマーの長繊維ウエブへの担持性は、ウエブによって形成される網目構造、及び高吸収性ポリマーの物性に関係している。網目構造の観点からは、本発明においては、ウエブの立体規則性、即ちウエブの捲縮率、繊度、密度等を制御することによって網目を制御し、ポリマーの担持性が発現するようにしている。本発明においては、ウエブの構成繊維同士が接着されていないので、ウエブに形成される網目の大きさが、高吸収性ポリマーを保持可能な程度に変化し得る。ウエブにおける網目の大きさが変化し得ることで、不織布などの結合点を有する繊維集合体に高吸収性ポリマーを担持させる場合に比較して、ポリマーの担持性が高くなる。網目の大きさは、例えば(イ)繊維にテンションを加えた状態下に高吸収性ポリマーを散布した後、テンションを解放することにより、或いは(ロ)予めウエブのテンションを制御して特定の捲縮率を発現させた状態下に高吸収性ポリマーを散布し、更にウエブにテンションや圧力を加えることにより、制御することができる。
一方、ポリマーの担持性に関係しているポリマーの物性には形状、粒度分布、粒子サイズ、嵩密度、表面性状、内部摩擦係数、流動性、分散性、水分率、帯電性、付着性、凝集性などがある。これらのうち、ポリマーの粒度分布及び粒子サイズについては、前述のウエブの網目構造と密接に関連している。高吸収性ポリマーの担持性は、更に着用者の動きによって吸収体に外力や振動が伝わったとき、吸収体内部におけるポリマーと長繊維との衝突回数にも影響を受ける。衝突回数の多いポリマーほど高吸収性ポリマーが長繊維の作り出す網目によってふるい分けが進み、結果担持性が低くなる。衝突回数は、ポリマーの流動性に影響を受けている。衝突回数は、流動性の高いポリマーほど多くなる。また、流動性が高く、一旦ウエブの拘束から逃れたポリマーは、その後容易に移動して、ウエブに担持され難くなる。
ポリマーの流動性に関して、塊状タイプのポリマーと球粒凝集タイプのポリマーを比較すると、球粒凝集タイプのポリマーの方が、塊状タイプのポリマーよりも流動性が高い。その結果、球粒凝集タイプのポリマーよりも、塊状タイプのポリマーの方が担持性が高い。また球粒凝集タイプのポリマーは、表面が滑らかなので、繊維との摩擦や繊維への引っかかりの程度が塊状タイプのポリマーよりも低い。この観点からも、塊状タイプのポリマーの方が、球粒凝集タイプのポリマーよりも担持性が高い。
捲縮を有する長繊維ウエブに高吸収性ポリマーを担持させた後に、様々な後加工を施すことで、ウエブ中に高吸収性ポリマーを一層効率よく担持することができる。前記の手段としては、例えば(1)ウエブ全体を、紙や不織布などのシート材で包むか又は該シート材を重ねる、(2)ウエブ全体を、高吸収性ポリマーを含むか又は含まないフラッフパルプの積繊体を重ねる、(3)ホットメルト粘着剤、熱、超音波を用いた接合手段でウエブの構造を拘束する、などが挙げられる。
高吸収性ポリマーが埋没担持される程度の評価として、次の方法によって測定される担持率を採用することができる。先ず、長繊維を用いて、長手方向に200mm、幅方向に100mmの大きさの均一な厚みのウエブを作製する。このとき、ウエブの坪量が26g/m2になるように長繊維の量を調節する。その後にウエブを繊維配向方向に伸縮させて捲縮率を調整する。この操作によりウエブの坪量は最初の坪量26g/m2から変化する
ので、ウエブの重量を測定し、正確な坪量を計算する。捲縮率を調整した状態でポリマーを散布し100×200mmを切り取る。このポリマーの散布は、ウエブを横にした状態で、その上から高吸収性ポリマーを散布坪量がウエブの坪量の10倍量になるように手で均一に散布する。ポリマーの散布が完了したら、ウエブ全体を坪量16g/m2のティッシュで包んだあとゴムロールで圧縮後、長繊維の引き伸ばしを解除する。ティッシュとウエブは接着剤により接着されている。
次に、ウエブの中央部から100mm×100mmの測定サンプルを切り出す。切断面のティッシュが切断により圧着され、切断面がふさがれている場合は切断面のティッシュの圧着状態を解除する。切り出された測定サンプルを、長繊維が鉛直方向を向くようにつり下げる。この状態下に、振幅5cm、1回/秒の速度で測定サンプルを水平方向に往復振動させる。この往復振動によって落下したポリマーの重量を測定し、その値をS1とする。
そして、S1の値及び往復振動させる前の測定サンプルに含まれていた高吸収性ポリマーの重量S0(即ちウエブ重量の10倍)の値を用い、以下の式から担持率を算出する。
担持率(%)={1−(S1/S0)}×100
このようにして測定された担持率の値が60%以上、特に70%以上、とりわけ80%以上である場合、高吸収性ポリマーの脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
高吸収性ポリマーが埋没担持される程度の評価として、前記の担持率に加えて次の方法によって測定される移動率も採用することができる。先ず、前記の担持率の測定に用いた100mm×100mmの測定サンプルの初期重量W0を予め測定しておく。担持率の測定が終わった後の測定サンプルを、長繊維の延びる方向と直交する方向にわたって切断し上下に二等分する。二等分された2つの分断片それぞれの重量を測定し、測定サンプルの初期重量W0の1/2から変化量の大きい方の分断片の重量を、移動率を算出するための重量W1として採用する。例えば2つの分断片の重量がW1’,W1”であるとすると、これらW1’,W1”が以下の式を満たす場合、W1=W1’とする。
|W1’−W0/2|>|W1”−W0/2|
このようにして決定されたW1の値と、測定サンプルの初期重量W0の値を用い、以下の式から移動率を算出する。
移動率(%)={1−W1/(W0/2)}×100
このようにして測定された移動率の値が40%以下、特に30%以下、とりわけ20%以下である場合、高吸収性ポリマーの移動が起こり難くなっている状態であると言える。
前記の担持率の測定を行った測定サンプルに対して、次の評価法を行うこともできる。担持率の測定を行った測定サンプルに対して、生理食塩水(0.9重量%NaCl)を50g均等に散布して、測定サンプルの膨らみ方を目視観察する。測定サンプルの厚みのばらつきが2倍以内の場合、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
ウエブへの高吸収性ポリマーの埋没担持性が十分でない時は、ホットメルト粘着剤、各種バインダー(例えばアクリル系エマルジョン粘着剤など)、カルボキシメチルセルロースやエチルセルロースなどの糖誘導体、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂等をウエブに適宜添加できる。さらに、凹凸加工や植毛を施したシートなどを併用しても良い。
捲縮した長繊維からなるウエブ(繊維の束状をトウともいう)に高吸収性ポリマーを埋没担持させるには、例えば次の方法を用いることができる。先ず、捲縮を有する長繊維のウエブを用意する。このウエブを所定手段によって開繊する。開繊には例えば圧縮空気を利用した空気開繊装置を用いることができる。次に、開繊されたウエブを所定の長さに引き伸ばす。この場合長繊維を完全に引き伸ばすことを要せず、高吸収性ポリマーがウエブ内に安定的に埋没保持される程度(先に述べた捲縮率)に引き伸ばせば足りる。
長繊維を引き伸ばした状態下に、ホットメルト粘着剤などの各種接着剤をウエブに塗工する。塗工には、例えば、線状又は点状のパターンで接着させることが好ましい。具体的にはスパイラルスプレー方式、スロットスプレー方式、コントロールシム方式(ホットメルトはΩ状の曲線を描く)、ビード方式などの塗工が挙げられる。また、コーター方式を用いるのであればストライプ状の塗工などが挙げられる。特に散点状の接着を首尾良く行い得るスプレー塗工を用いることが好ましい。接着剤の塗工は、長繊維での液の透過が妨げられない程度の低量であることが好ましい。具体的には塗工量が1〜20g/m2、好ましくは2〜10g/m2、更に好ましくは3〜7g/m2である。
接着剤の塗工完了後に、ウエブ上に高吸収性ポリマーを層状に散布する。散布完了後に長繊維の引き伸ばし状態を解除する。これによって引き伸ばされていた長繊維が収縮する。その結果、高吸収性ポリマーは、長繊維の収縮によってウエブに形成された空間内に保持される。得られたウエブも先に述べた捲縮率を有している。このようにして、ウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持される。必要に応じ、その上に、別途用意しておいたウエブを重ね合わせてもよい。これによって2つのウエブどうしが散点状に接着される。
また、ウエブ全体を均一に塗工しても良いし、部分的に非接着領域を設けても良い。非接着領域は接着領域に対して高い伸縮性を有することになり、吸収体中で伸縮性の異なる領域を形成することができる。
さらに、本発明の吸収体を用いた吸収性物品を構成する場合、該吸収体を他の部材(例えば表面シートや防漏シート、あるいは弾性体と組み合わせたシートや伸縮性を有するシートなど)と複合化する必要がある。他の部材は必ずしも吸収体と同様の伸縮性を示さないので、他の部材との複合化においては、吸収体全体を接着するよりも部分的に接着する方が望ましい。他の部材との複合化の方法としては、ホットメルトを用いた接着の他、熱や超音波による接着が挙げられる。
本実施形態における吸収体1は、図示しない液透過性シートで包まれている。液透過性シートとしては、例えば繊維材シートや、穿孔フィルムなどを用いることができる。液の透過が良好な観点から、液透過性シートは親水性の繊維シートからなることが好ましい。親水性の繊維シートとしては、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布を用いることができる。不織布としては、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布や、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布が挙げられる。具体的には、界面活性剤で処理されたスパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布などが挙げられる。
親水性(吸水の早さ)の程度は処理する界面活性剤の種類(HLBや水に対する接触角、表面張力低下能など)で調節することができる。好ましくは少なくとも3回の吸収に対して繰り返して吸収が可能である。この場合の界面活性剤の例としては、HLBが6を超えない界面活性剤とHLBが8を超える界面活性剤を組み合わせて使うことができる。例えば、C12からC18の脂肪酸ソルビタンエステル(A)とC12からC18の脂肪酸ソルビタンエステルエチレンオキサイド付加物(B)を組み合わせて用いる。親水性の程度は混合割合で決定され、好ましくはA/B=10〜40/90〜60である。
液透過性シートの坪量は、シートの液の透過性、吸収体1の柔軟性やフィット性などに影響を与える要因の一つになる。この観点から、液透過性シートの坪量は5〜25g/m2、特に10〜20g/m2であることが好ましい。
本実施形態における吸収体1は、図1及び図2に示すように、ウエブ2が、圧縮により薄厚とされた部分(以下、肉薄部ともいう)Aと、該部分Aより厚みの厚い部分(以下、肉厚部ともいう)Bとを有している。
肉薄部Aは、厚みの均一なウエブを製造し、それを加圧により部分的に圧縮して形成されている。そのため、肉薄部Aは、肉厚部Bより繊維密度が高くなっている。図2に示すように、肉厚部Bは、ウエブ2の肌当接面側(図2の上下方向の上側)に突出部5を形成している。肌当接面側は、吸収性物品に組み込まれたときに着用者の肌側に向けられる面側である。
本実施形態の吸収体1によれば、肉厚部Bが、上記ウエブ2の一部からなり、肉薄部Aに比較して繊維密度が粗であり、しかも肉厚部Bがウエブ2の肌当接面側に突出しているため、肉厚部Bを、着用者の***部や、該***部から液が流れやすい方向に位置するように吸収性物品に用いることにより、肉厚部Bに、比較的高粘性の***物をスムーズに取り込ませることができる。そのため、着用者の肌から高粘性液を素早く引き離すことができ、ムレやかぶれ等の発生を防止することができる。例えば、生理用ナプキンやパンティライナーの吸収体として用いる場合には、肉厚部Bを、女性の液***部及び/又はそこから背中側に向かって延びる谷間に位置させることにより、経血やおりものをスムーズに吸収させることができる。
本実施形態の吸収体1は、該肉厚部Bにおいて、高吸収性ポリマー3が該トウ層の非肌当接面側(図2の上下方向の下側)に偏倚して担持固定されている。これにより、肉厚部Bへの高粘性液の取り込み性を低下させることなく、取り込んだ高粘性液の水分を高吸収性ポリマーに吸収させることができ、該高粘性液を肉厚部Bから漏れ出さないように良好に固定することができる。尚、本実施形態の吸収体1における肉厚部Bは、その周囲を肉薄部Aに取り囲まれている。
本実施形態においては、吸収体1の構成材料として長繊維のウエブを用いることで、吸収体1を柔軟にできる。詳細には次の通りである。吸収性物品の吸液材料としては粉砕パルプが一般的に用いられている。粉砕パルプはごわごわした材料であることから、粉砕パルプを用いたおむつは、圧縮回復性や伸縮応答性が良好でない傾向にある。また、着用者の身体にフィットしづらい傾向にある。これに対して長繊維のウエブは柔軟な材料であることから、これを吸収性物品の吸収体1として用いることで、吸収体1を柔軟にすることができ、吸収体1の肉厚部の圧縮回復性や吸収体全体の伸縮応答性を良好にすることができ、吸収体1を着用者の身体にフィットさせやすくなる。
吸収性物品の吸液材料として一般的に用いられている粉砕パルプは、吸液によって吸収体としての一体的な構造が壊れやすい。これに対して連続の長繊維(トウ)のウエブは吸液しても吸収体としての一体的な構造が壊れにくい。この観点からも、吸収体1として連続の長繊維(トウ)のウエブを用いることは有利である。
本実施形態の吸収体1は、例えば、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性の長繊維を有するウエブであって、親水性長繊維が10〜90%の捲縮率を有し且つ該長繊維がウエブの平面方向に配向している、厚みの均一なウエブを製造し、該ウエブの肉薄部Aに対応する部分に、ホットメルト型接着剤を、スプレー塗工等の公知の塗工方法によって、該ウエブの内部まで入るように塗工した後、該ウエブの肉薄部Aに対応する部分をプレス加工等により厚み方向に圧縮し、その圧縮状態を維持しつつ、前記ホットメルト型接着剤で親水性連続長繊維同士を接合させ、次いで、圧縮状態を解除して、肉薄部Aとなる部分以外の部分の厚みを自然に回復させることで得られる。
また、本実施形態の吸収体1は、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性の長繊維のウエブであって、親水性を有する長繊維が10〜90%の捲縮率を有し且つ該長繊維がウエブの平面方向に配向している、厚みの均一なウエブを製造し、該ウエブの肉薄部Aに対応する部分に対して加熱加圧処理を施すことによっても製造することができる。この場合、親水性の長繊維同士の熱融着により厚みの回復が制限された部分が肉薄部Aとなり、厚みの回復を制限されなかった部分或いは制限の度合いが小さかった部分が肉厚部Bとなる。
更に、本実施形態の吸収体1は、図9に、模式的に示されるように、高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性の長繊維のウエブであって、親水性長繊維が10〜90%の捲縮率を有し且つ該長繊維がウエブの平面方向に配向している、厚みの均一なウエブ2’を、伸長性の高い領域4Bと該領域4Bより伸長性の低い領域4Aとを形成したシート4を用いて包み込んだ後、ウエブ2’の加圧状態を解除して、該ウエブ2’の厚みを、伸長性の高い領域4Bに被覆された部分Bの厚みが、伸縮性の低い領域4Aに被覆された部分Aの厚みより大きくなるように回復させることによっても製造することができる。図9に示す例では、ウエブ2’の包み込みは、伸長性の異なる2領域4A,4Bを形成したシート4と、伸長性の低い領域のみからなるシート4’とで行っており、これら両シート間にウエブ2’を導入した後、両シートにおけるウエブ2’を導入した部分の前後左右をヒートシール等により封止することで達成している。
図9に示す製造方法においては、シート4に、プリーツ加工を施すことにより、襞が形成されて伸長性の高い領域4Bと、襞が形成されておらずに該領域4Bより伸長性の低い領域4Aとを形成している。プリーツ加工が施された部分4Bは、襞の形成に起因する弛みを有しているので、弛みを引き伸ばす分だけ伸長性を有しており、該部分4Bに被覆された領域Bは、伸縮性の低い領域4Aに被覆された部分Aより厚みが大きく回復する。
ウエブ2の繊維密度は、肉薄部Aと肉厚部Bを坪量を違えて作成した場合は、肉薄部Aと肉厚部Bともに0.005〜0.20g/cm3、更に好ましくは0.01〜0.10g/cm3であることが、吸収体1を柔軟に保つ点、高粘性液を素早く吸収する点等から好ましい。
また、肉薄部Aを圧縮により形成した場合は、肉厚部Bの繊維密度が、0.005〜0.10g/cm3、特に0.01〜0.05g/cm3であることが、吸収体1を柔軟に保つ点、高粘性液を素早く吸収する点等から好ましく、肉薄部Aの繊維密度が0.01〜0.20g/cm3、特に0.05〜0.10g/cm3であることが、吸収体1を柔軟に保つ点、高粘性液の拡散を抑制する等から好ましく、前者と両者の密度の比(前者/後者)は、1/1〜1/40、特に1/1〜1/10であることが、吸収体1を柔軟に保つ点、高粘性液を素早く吸収し、また、拡散を抑制する点から好ましい。
吸収体1の厚さや坪量は、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。例えば乳幼児用の使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、ウエブ2はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は50〜500g/m2、特に100〜300g/m2であることが好ましい。
生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には、ウエブ2はその坪量が5〜100g/m2、特に10〜50g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は10〜200g/m2、特に15〜100g/m2であることが好ましい。失禁パッドの吸収体として用いる場合には、各ウエブ2はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は10〜500g/m2、特に15〜350g/m2であることが好ましい。
本実施形態に係る吸収体1におけるウエブ2及び高吸収性ポリマー3の合計の坪量は、該吸収体1を例えば使い捨ておむつに用いる場合には、120〜400g/m2、特に150〜300g/m2であることが好ましい。生理用ナプキンに用いる場合には、35〜200g/m2、特に50〜150g/m2であることが好ましい。失禁パッドに用いる場合には、35〜500g/m2、特に50〜400g/m2であることが好ましい。
吸収体1は、肉薄部Aに対する肉厚部Bの厚みの比(肉厚部B/肉薄部A)が、30/1〜3/1であることが、柔軟性や高粘性液の良好な引き込み性の観点から好ましい。また、吸収体1が使い捨ておむつには、肉厚部Bの厚みは、5〜30mm、特に10〜25mmであることが好ましい。生理用ナプキンに用いられる場合には、肉厚部Bの厚みは、5〜30mm、特に10〜25mmであることが好ましい。失禁パッドとして用いられる場合の肉厚部Bの厚みは、5〜30mm、特に10〜25mmであることが好ましい。
吸収体1は高吸収性ポリマーの他に、他の粒子、例えば、活性炭やシリカ、アルミナ、酸化チタン、各種粘度鉱物(ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、カンクリナイト等)等の有機、無機粒子(消臭剤や抗菌剤)を含んでいてもよい。無機粒子は一部金属サイトを置換したものを用いることができる。或いは、各種有機、無機緩衝剤、すなわち、酢酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、乳酸及びこれらの塩を単独であるいは組み合わせたものや、各種アミノ酸を含んでいてもよい。これら成分の働きは、吸収体1に吸収された液の臭いや素材由来の臭いを抑制することである。また、各種有機、無機緩衝剤は、***物、例えば尿の分解で発生するアンモニアを中和し、おむつを中性〜弱酸性に保つ効果があり、それによって、万一、吸収体1から肌への***物の液戻りがあっても、肌への影響が少なくなる。或いは長繊維として、アセテート繊維など、分子構造内にエステルを有する繊維を用いても、アルカリによる損傷を防ぐ効果が期待できる。
また、液保持性と吸収速度の向上、ドライの向上を目的に、親水性の微粉又は短繊維をウエブ2中に共存させることができる。親水性の微粉又は短繊維としては、フィブリル化されているか又はフィブリル化されていないセルロースパウダー、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、カルボキシエチルセルロース及びその金属塩、ヒドロキシエチルセルロース及びその誘導体、シルクパウダー、ナイロンパウダー、レーヨン、コットン、羊毛などの短繊維が挙げられる。これらのうち、セルロースパウダーを用いると、前記の効果を最大限向上させ得るので好ましい。親水性の微粉又は短繊維は、高吸収性ポリマーの散布前にウエブに散布してもよく、或いは高吸収ポリマーと混合しておき、両者を同時にウエブに散布してもよい。
吸収体1は柔軟であることが望ましい。柔軟性の評価として、ハンドルオ・メーターによる測定値を用いることができる。この測定値が4N以下、特に2N以下であることが好ましい。ハンドルオ・メーターによる測定方法はJIS L1096(剛軟性測定法)に準じる。幅60mmの溝を刻んだ支持台上に、長手方向に150mm、幅方向に100mm切断した吸収体を、溝と直交する方向に配置する。吸収体の中央を厚み2mmのブレードで押した時に要する力を測定する。本発明で用いた装置は、大栄科学精機製作所製、風合い試験機(ハンドルオ・メーター法)、HOM−3型である。3点の平均値を測定値とする。吸収体を、後述する図5に示すおむつの側部吸収体として用いる場合には、長手方向に150mm、幅方向に50mmの大きさにサンプリングする。レッグフラップ部の側部吸収体の近傍には通常弾性部材が配されているため、サンプリングはレッグフラップ部を最大に伸長した状態で行い、測定はレッグフラップ部が自然に収縮した状態(引張りを開放した状態)で行う。
次に、本発明の吸収体の第2の実施形態を、図4を参照しながら説明する。第2の実施形態に関し特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。
第2の実施形態の吸収体1’における肉厚部B’には、高吸収性ポリマーが実質的に配されていない。実質的に配されていないとは、吸収体1’における、高吸収性ポリマーが配されている、他の部分におけるポリマーの坪量に比して充分に少ない量のポリマーの存在を許容する趣旨である。このように高吸収性ポリマーが配されていない場合には、高吸収性ポリマーが実質的に配されていない部分B’は、吸収体1’の平面方向、特に縦長の吸収性物品に用いられたときの該吸収性物品の幅方向(図1中のY方向)において、高吸収性ポリマーが配されている部分A,Aに挟まれていることが好ましい。肉厚部B’には、高吸収性ポリマーが実質的に配されていないことによって、肉厚部B’への高粘性液の取り込み性を低下させることなく、取り込んだ高粘性液の水分を高吸収性ポリマーに吸収させることができる。そして、取り込んだ高粘性液の両側に、高吸収性ポリマーが配されている部分A,Aを有することで、該高粘性液を肉厚部B’から漏れ出さないように良好に固定することができる。高吸収性ポリマーが実質的に配されていない部分B’は、その周囲を、高吸収性ポリマーが配されている部分Aで囲まれていることが好ましい。
次に、本発明の吸収体の第3の実施形態を、図5〜図8を参照しながら説明する。第3の実施形態に関し特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。
図5には、第3の実施形態の吸収体1Aを、他の吸収体1Bの一部に積層した状態として、展開型のおむつの吸収体13として用いた状態が示されている。
図5及び図7に示すように、第3実施形態の吸収体1Aにおけるウエブ2Aも、圧縮により薄厚とされた部分Aと、該部分Aより厚みの厚い部分B,Cとを有している。そして、厚みの厚い部分B,Cは、吸収体1Aの平面方向の一部であるおむつ後端部の中央部に、高吸収性ポリマーが実質的に配されていない部分Cを有している。
本実施形態においては、圧縮により薄厚とされた部分Aが、他の厚みの厚い部分B,Cに三方を囲まれて、軟便や水状便を捕捉可能な便ポケットとして機能する凹部6を形成している。便ポケットに捕捉された水状便は、該凹部6の左右両側の壁を形成する前記部分B,B内にも良好に取り込まれると共に、それらの部分B内に存在する高吸収性ポリマーに水分を吸収されて流動性が低下し、漏れにくくなる。また、凹部6の後ろ側の壁を形成する前記部分C内にも良好に取り込まれる。そして、前記部分Cは、その両側の高吸収性ポリマーが配された前記部分B,Bに挟まれており、該部分Cに取り込まれた水状便は、前記部分Bに存在する高吸収性ポリマーにも水分を吸収され流動性が低下し、漏れにくくなる。更に、図5〜図8に示すように、他の吸収体1Bと積層して用いることで、便ポケットの下方にも液が移行し、該吸収体1Bによってもその液が漏れ出さないように固定される。
また、吸収体1Aの厚みの厚い部分B,Cは、10〜90%の捲縮率を有する親水性長繊維ウエブを有することによって、圧縮回復性に富み、それにより、優れた変形追従性や良好なフィット性が得られる。
図5〜図8に示すおむつは、本発明の吸収性物品の一実施形態でもある。図5に示すおむつ10は、液透過性の表面シート11、液不透過性の裏面シート12及びこれら両シート11,12間に介在される吸収体13を有し、実質的に縦長に形成されている。おむつ10は、その長手方向の一方の部位の両側縁部に設けられた一対のファスニングテープ14,14を、他方の部位の裏面シート12側の面に止着して装着する、いわゆる展開型のおむつである。
吸収体13として、上述した構成の吸収体1A及び吸収体1Bを積層して用いている。吸収体1Bは、平面方向の全域に均一に高吸収性ポリマーが配されており、圧縮により薄厚とされた部分が形成されていないが、これらの点を除いて前記吸収体1と同様の構造である。図5〜図8中の符号2Bは、吸収体1Bを構成する長繊維のウエブを示している。
また、本発明の別の実施形態として、前記ウエブは、坪量の低い部分と、該部分より坪量の高い部分とを有しており、前記坪量の高い部分は前記坪量の低い部分よりも厚みが厚く、該厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成していてもよい。吸収体1は、肉薄部Aに対する肉厚部Bの坪量の比(肉厚部B/肉薄部A)が、20/1〜2/1であることが、柔軟性や高粘性液の良好な引き込み性の観点から好ましい。
厚みの分布は、平面内で異なっていても良いし、厚さ方向で異なっていても良い。厚み方向で厚みの分布があるとは、複数のウエブを積層した例において、肌側ウエブsを厚くし、吸収性物品内部ウエブtを薄くする方法がある。ウエブsとウエブtを同一坪量で作成し、圧縮によりウエブtを薄くする方法があり、この場合、ウエブtの密度がウエブsの密度より高密度となり、長繊維の親水度が同じ場合は、液の引き込み力はウエブsよりもウエブtの方が強くなる。その結果、低密度のウエブsの空間を利用して***液を素早く吸収し、高密度のウエブsの吸収力でより吸収性物品の内部に液を引き込む効果が期待できる。
ウエブsとウエブtで親水性のレベルを変えても良い。
厚み方向での肉薄なウエブtに対する肉厚なウエブsの厚みの比(ウエブs/ウエブt)は、10/1〜1.5/1、また、坪量の比(ウエブs/ウエブt)は、20/1〜1.5/1であることが、柔軟性や高粘性液の良好な引き込み性の観点から好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、種々の変更が可能である。例えば、肉厚部Bによって形成される突出部は、周囲全体が肉薄部Aに囲まれているのに代えて、吸収体長手方向の左右と前後の何れか一方とが肉薄部Aに囲まれた形態、吸収体長手方向の左右のみが肉薄部Aに囲まれた形態等とすることができる。
液透過性の表面シート11は、吸収体13の肌当接面側の全てを被うことが好ましいが、必要に応じて部分的に配することもできる。例えば、中央部分に液透過性の表面シート11、その両側部に撥水性の不織布シートが配して接合一体化させた肌当接側シートを形成し、その肌当接側シートと裏面シート12間に吸収体13を介在させることもできる。
また、使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば生理用ナプキンや失禁パッドなどの吸
収体に、本発明の吸収体を適用してもよい。
〔実施例1〕
ベビー用使い捨ておむつに使用される吸収体を製造した。図10には、製造した吸収体1Cをおむつに組み込んだ状態が示されている。
吸収体の製造は、先ず捲縮したアセテート長繊維のウエブ(トウ)を用意した。この繊維の繊維径は5.6dtex、ウエブの全繊維量は4万dtexであった。このウエブを、空気開繊装置を用いて幅100mmに開繊した後、最大伸張長さの90%まで引き伸ばした。この状態下に、ウエブの上面に部分的にホットメルト粘着剤をスプレー塗工した(平面方向吸収体中央部において一部ホットメルト接着剤を塗工しなかった部分を設けた)。ホットメルト接着剤の非塗工部は、吸収体の長手方向において、前側200mmの位置から300mmの位置において、幅方向中央部50mm幅の領域であった。塗工領域におけるホットメルト接着剤の塗工量は5g/m2であった。次いでウエブの上面全面に、高吸収性ポリマーの粒子を散布坪量100g/m2で層状に均一散布した。散布完了後、別のウエブを重ね、引き伸ばし状態を解除した。これによってウエブは収縮して高吸収性ポリマーの粒子はウエブ中に埋設保持された。次いでこれら全体2を坪量16g/m2の親水化処理したスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布15(長手方向に長い、スリット加工を施した。各スリット16の長さは3mm、縦幅方向の間隔3mmで、互い違いに配した)で包み(ホットメルト接着剤の塗工量は5g/m2でウエブ上下面で接着)、圧縮を行い、前記ホットメルト塗工部がホットメルトで接着されることにより厚みが圧縮され、吸収体中央部(ホットメルト接着剤非塗工部)に凸部5を有する吸収体1Cを得た。この時、ウエブの捲縮率は30%、繊維1cm当たりの捲縮数は15個であった。吸収体全体の坪量は247g/m2、肉厚部の厚さは6.0mm、肉薄部の厚みは2.0mmであった。また各ウエブの坪量は50g/m2であった。
得られた吸収体1Cを用いて、図10に示す使い捨ておむつを製造した。表面シートとしては坪量25g/m2の芯がポリプロピレン、鞘が直鎖状低密度ポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維(太さ2.1dtex、界面活性剤で表面処理、液透過性を有する)エアスルー不織布を用いた。表面シート11には直径5mmの加熱金属ピンを用いて開孔処理を施した(開孔を11aで示した)。裏面シート12としては坪量20g/m2の多孔質フィルム(密度0.925g/cm3の直鎖上低密度ポリエチレン樹脂100重量部に、炭酸カルシウム150重量部、第三成分として、エステル化合物を均一混合したものを、インフレーション成型後、縦方向に2倍に1軸延伸したフィルム)に、坪量20g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布をホットメルト1.5g/m2で接着して複合化したものを用いた。それ以外は、通常の使い捨ておむつを作成する方法に従った。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、先ず捲縮したアセテート長繊維のウエブ(トウ)を用意した。この繊維の繊維径は5.6dtex、ウエブの全繊維量は4万dtexであった。このウエブを、空気開繊装置を用いて幅100mmに開繊した後、最大伸張長さの90%まで引き伸ばした。この状態下に、ウエブの上面に全面的にホットメルト粘着剤5g/m2をスプレー塗工した。次いでウエブの上面全面に、高吸収性ポリマーの粒子を散布坪量100g/m2で層状に均一散布した。散布完了後、別のウエブを重ね、引き伸ばし状態を解除した。これによってウエブは収縮して高吸収性ポリマーの粒子はウエブ中に埋設保持された。この時、ウエブの捲縮率は30%、繊維1cm当たりの捲縮数は15個、各ウエブの坪量は13g/m2であった。次いで得られた積層体の中央部に開繊した第3のアセテートの層75g/m2を重ね(幅50mmで吸収体の長手方向全長に渡って配した。)、全体を坪量16g/m2の親水化処理したエアスルー不織布(長手方向に長い、スリット加工を施した。各スリットの長さは3mm、縦幅方向の間隔3mmで、互い違いに配した)で包み、吸収体中央部(第3のアセテート積層部)に凸部を有する吸収体を得た。吸収体全体の坪量は肉厚部が248g/m2、肉薄部が173g/m2であった。肉厚部の厚さは6.0mm肉厚部の厚さは6.0mm、肉薄部の厚みは1.5mmであった。以後、実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
〔実施例3〕
実施例2において、ウエブ全体を包む不織布を変更した以外は実施例2と同様に使い捨ておむつを得た。すなわち、親水化したスパンボンド−メルトブロ−ン−スパンボンド不織布を幅方向中央部50mmの範囲で、凸部2mm、凹部3mmの溝を形成したエンボスロールを通し(本処理により不織布に長手方向に連続のしわが形成される)、横方向に伸張可能な不織布を得た。
〔比較例1〕
吸収体として、開繊したフラッフパルプ300重量部と高吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、幅100mmの合計坪量400g/m2の混合体を得た。フラッフパルプの坪量は300g/m2、高吸収ポリマーの坪量は100g/m2であった。得られた混合体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み、吸収体を得た。混合体とティッシュペーパーの間は、ホットメルト粘着剤5g/m2をスプレー塗工し接着した。得られた吸収体の側部領域各25mmを圧縮した。吸収体全体の坪量は442g/m2、肉厚部の厚さは5.0mm、肉薄部の厚みは3.5mmであった。
得られた吸収体は肉厚部と肉薄部の厚みの差が小さく、肉薄部は圧縮により硬直化した。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について以下の方法で吸収性、柔軟性と構造安定性を評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔吸収性〕
洗濯用のり(PVA)に適宜水を加えて粘度を30cStに調整した粘性液を試験液に用いた。粘度はB型粘度計を用いて室温で測定した。
吸収体を50mm角に切り取り、内径35mmのガラス製の筒(筒の片方側に直径50mmの縁が成型されている)で上下に挟みこんだ。筒の上部から試験液20mlを一気に注入し、吸収体上面から液がなくなるまでの時間を測定した。このとき、液の一部は吸収体を通過し下側にもれ出す。尚、各吸収体は、幅方向中央の肉厚部部分を筒の開口部の中央に位置させた。
以下の判断基準に従って吸収性を評価した。
○:試験液の全量が吸収体に吸収される。
×:10分以上時間を置いても試験液の全量が吸収されない
〔柔軟性〕
得られた吸収体に対して、上記ハンドルオ・メーター試験を行い、以下の判断基準に従って柔軟性を評価した。
○:ハンドルオ・メーターの測定値が2N以下である。
△:ハンドルオ・メーターの測定値が2Nを超え、4N以下である。
×:ハンドルオ・メーターの測定値が4Nを超える。
〔構造安定性〕
(1)ドライ時
50mm×200mmに作製した吸収体の中央部を切断し、50×100mmの吸収体を得た。切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で20回振動を与えたとき、切断面からの落下したポリマーの量を測定した。以下の判断基準に従って高吸収ポリマーの埋没担持性を評価した。
混合した高吸収ポリマーのうち、
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が0%を超え、10%以下である。
△:脱落した高吸収ポリマーの量が10%を超え、25%以下である。
×:脱落した高吸収ポリマーの量が25%を超える
(2)ウエット時
50×200mmに切断した吸収体全面に、生理食塩水100gをほぼ均等に吸収させた後、静かに吸収体を持ち上げたとき、吸収体が破壊しないかどうかを目視判定した。
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下であり、吸収体の破壊がない。
△:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%を超え、25%以下であり、吸収体の破壊がない。
×:脱落した高吸収ポリマーの割合が25%を超える、あるいは吸収体が破壊する。
Figure 0004526490
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の吸収体は、比較例の吸収体よりも粘性液の吸収性に優れ、かつ柔軟性を有していることが判る。
本発明の吸収体の一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるI−I断面を模式的に示す断面図である。 図1におけるII−II断面を模式的に示す断面図である。 本発明の吸収体の別の実施形態を示す断面図(図2相当図)である。 本発明の吸収体を備えた使い捨ておむつを示す斜視図である。 図5のおむつに用いた吸収体のIII−III線に沿う模式断面図である。 図5のおむつに用いた吸収体のIV−IV線に沿う模式断面図である。 図5のおむつに用いた吸収体のV−V線に沿う模式断面図である。 本発明の吸収体を製造方法の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施例で作成したおむつを示す模式図である。
符号の説明
1 吸収体
2 ウエブ
3 高吸収性ポリマー

Claims (7)

  1. 高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する、使い捨ておむつの吸収体であって、
    親水性長繊維は捲縮しており、且つ該長繊維が吸収体の平面方向に配向しており、
    前記ウエブは、坪量の低い部分と、該部分より坪量の高い部分とを有しており、前記坪量の高い部分は前記坪量の低い部分よりも厚みが厚く、該厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成しており、
    前記坪量が低く厚みの薄い部分が前記厚みの厚い部分に三方を囲まれていることにより、該厚みの薄い部分上に、便ポケットとして機能する凹部が形成されており、
    前記厚みの厚い部分は、前記凹部の左右両側の壁を形成する部分に高吸収性ポリマーが配されている一方、該凹部の後ろ側の壁を形成する部分に高吸収性ポリマーが配されていない部分を有する、吸収体
  2. 高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブを有する、使い捨ておむつの吸収体であって、
    親水性長繊維は捲縮しており、且つ該長繊維が吸収体の平面方向に配向しており、
    前記ウエブは、圧縮されて薄厚とされた部分と、該部分より厚みの厚い部分とを有しており、該厚みの厚い部分が、該ウエブの肌当接面側に突出部を形成しており、
    前記薄厚とされた部分が前記厚みの厚い部分に三方を囲まれていることにより、該薄厚とされた部分上に、便ポケットとして機能する凹部が形成されており、
    前記厚みの厚い部分は、前記凹部の左右両側の壁を形成する部分に高吸収性ポリマーが配されている一方、該凹部の後ろ側の壁を形成する部分に高吸収性ポリマーが配されていない部分を有する、吸収体
  3. 前記高吸収性ポリマーが配されていない部分は、前記吸収体の平面方向において、該高吸収性ポリマーが配されている部分に挟まれている請求項1又は2記載の吸収体。
  4. 請求項1〜の何れかに記載の吸収体の製造方法であって、
    高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブであって、親水性長繊維が捲縮しており、且つ該長繊維ウエブの平面方向に配向しているウエブの一部に、ホットメルト型接着剤を、ウエブの内部まで入るように塗工する工程、及び該一部を加圧により圧縮しつつ、前記ホットメルト型接着剤を介して親水性長繊維同士を接合させる工程を具備する吸収体の製造方法。
  5. 請求項2又は3に記載の吸収体の製造方法であって、
    高吸収性ポリマーが埋没担持された親水性を有する長繊維のウエブであって、親水性長繊維が捲縮しており、且つ該長繊維ウエブの平面方向に配向しているウエブを加圧により圧縮する工程、圧縮された前記ウエブを、伸長性の高い領域と該領域より伸長性の低い領域とを形成したシートを用いて包み込む工程、及び該ウエブの加圧状態を解除して、該ウエブの厚みを、前記伸長性の高い領域に被覆された部分の厚みが、前記伸縮性の低い領域に被覆された部分の厚みより大きくなるように回復させる工程を具備する吸収体の製造方法。
  6. 前記伸長性の高い領域を、前記シートにプリーツ加工を施して形成する請求項記載の吸収体の製造方法。
  7. 請求項1〜の何れかに記載の吸収体を備えた使い捨ておむつ
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