JP4525461B2 - 超薄肉長尺金属缶の製造方法 - Google Patents

超薄肉長尺金属缶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超薄肉長尺金属缶の製造方法に関する。本発明において、長尺金属缶とは、500mlDI缶(長さ160mm)の倍尺ないし倍々尺程度の金属缶を称する。また、超薄肉とは、1mm以下、望ましくは0.6mm以下の肉厚を称する。
従来の技術を、ブリキDI缶(Drawn and Ironed Can)の製造方法を例にとり説明する。ブリキの薄鋼板から円形ブランクを打ち抜き、竪型プレスにより深絞りおよび再絞りを繰り返して所定寸法のコップ形状の母缶を深絞り成形した後、母缶の内側にマンドレルを挿入し、横型プレスによりマンドレルを駆動して複数基直列に並べて配置されたソリッドダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じ、所定の製品寸法に仕上げる。最終仕上げダイスの出側にはストリッパが備えられており、これにより、マンドレルバーから製品の缶をストリッピングする。
図1は、深絞り加工工程の説明図であり、同図(a)は深絞り加工工程、(b)は再絞り加工工程をそれぞれ示す。同図(a)に示されるとおり、ダイス2上にブランク4を置き、しわ押え3によりブランク4の周辺部に押さえ力をかけた状態で、ポンチ1を同図中の上方から下方に向かって降下させ、ダイス2とポンチ1とによりブランク4を絞り成形して、母缶半製品5を得る。さらに、(b)に示されるとおり、(a)の工程により得られた母缶半製品5をダイス2上に置き、(a)にて説明したのと同様の方法により、ダイス2とポンチ1とにより母缶半製品5を再絞り成形して、母缶製品6を得る。
上記の深絞り加工工程において、DI缶の長尺化を図るためにブランク4の直径を大きくすれば、再絞り加工の回数が増加し、再絞り加工の回数が増加すれば、コップ形状の底付き母缶の端縁近傍の肉厚が厚くなって、缶長手方向に肉厚の不均一を生じる。そして、このように長手方向の偏肉が発生すると、しごき加工工程においてこの偏肉を矯正することはほとんど不可能である。したがって、ブランク4の直径をあまり大きくすることはできないし、また、再絞り加工の回数も制限される。このような理由から、DI缶の長尺化を図るためには、ブランク4の厚さを増大させる以外に方法がない。
しごき加工は、前記のコップ形状の底付き母缶内にマンドレルを装入し、複数基並べて配置したソリッドダイスを押し抜くことにより行われる。
図2は、ソリッドダイスを用いた従来のしごき加工工程を示す図である。深絞り工程において成形されたコップ形状の底付き母缶6の内部に駆動マンドレル7を挿入し、マンドレル7を缶軸方向(缶長手方向)に駆動して、ソリッドダイス8を複数基並べて配置したソリッドダイス群を一挙に押し抜いて、底付き母缶6の肉厚を減じる。そして、ソリッドダイス群の出側に設置されたストリッパ11により、缶材料からマンドレルバー7をストリッピングする。
さて、DI缶の長尺化を図るためにブランク4の厚さを厚くすると、肉厚を減ずるのに要するソリッドダイス8の基数は増加する。ソリッドダイス8の基数が増加するほど、缶材料内面とマンドレルバー7との間、および缶材料外面とソリッドダイス8との間の摩擦抵抗が増加し、それに起因してダイス間張力が増大する。ダイス間張力応力は、最終仕上げダイス出側で最大となり、その値が甚だしく大きい場合には缶材料底部近傍で破断ずる。また、ソリッドダイス8の基数が増加するほど、缶材料はマンドレルバー7に固着し、最終仕上げダイス出側に設置されたストリッパ11により、缶材料からマンドレルバー7をストリッピングすることができなくなる。
上述のとおり、缶材料の底抜けトラブルを発生させることなく、かつ、マンドレルバーのストリッピングトラブルを回避して、薄肉の長尺金属缶を製造可能とするためには、解決されなければならない問題が残されている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、タンデムに配置されたダイスを押し抜くしごき加工工程における缶材料の底抜けトラブルを防止し、かつ、マンドレルバーのストリッピングトラブルの発生を回避して、超薄肉長尺金属缶の製造を可能とするタンデム押抜きプロセスを提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて研究開発を重ね、下記の知見を得て、本発明を完成させるに至った。
缶材料外面とソリッドダイスとの間の摩擦抵抗は、ダイス基数が増加するにつれて増大する。また、缶材料内面とマンドレルとの間の摩擦抵抗も、同様に、ダイス基数が増加するにつれて増大する。したがって、押抜き工程における摩擦抵抗によって発生するダイス間張力応力は、ダイス基数が増加するほど増大する。長尺製缶を実現するためには、結局、ブランクの厚さを厚くせざるを得ず、ブランク厚さを厚くすれば、ソリドダイス基数が増加し、押抜き工程におけるダイス間張力応力が増大し、缶材料の底抜けトラブルが発生しやすくなる。
ダイス間張力応力を減少させるためには、ソリッドダイスに替えて非駆動のローラダイスを採用し、缶材料外面とソリッドダイスとの間のすべり摩擦を転がり摩擦に変換すればよい。ローラダイスは、冷間押抜き工程ではあまり普及していないが、熱間押抜き工程では、3ロール型のローラダイスが普及している。しかしながら、本発明者は、4ロール型のローラダイスを推奨する。4ロール型ローラダイスの場合には、ソリッドダイスの場合と同様に、缶材料の横断面を真円から真円へと変形させる塑性加工が可能であり、缶材料の円周方向に肉厚の不均一を生じないからである。
さて、長尺製缶における最大の問題は、ストリッピングトラブルの発生であり、このトラブルは、ソリッドダイスに替えて非駆動のローラダイスを採用しても解決することができない。なぜなら、ストリッピングトラブルの発生は、缶材料内面とマンドレルバー表面との間の摩擦抵抗に起因する問題であり、ダイスの各パスでの肉厚圧下により缶材料の内面がマンドレルバーに密着し、多数パスのしごき加工を繰り返す間に缶材料内面がマンドレルバーに強固に固着し、加工熱の発生も加わって、あたかも焼き嵌め状態のようになっているからである。
本発明者は、缶材料内面とマンドレルバー表面との間に隙間を形成させることによりストリッピング性を改善することを想到し、その方法について研究を重ねた結果、ソリッドダイス群あるいはローラダイス群の少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを採用することにより、ストリッピングが容易となることを見出した。傾斜圧延によれば、缶材料は、缶軸方向(缶長手方向)に延伸されるとともに、缶円周方向にも延伸されるので、缶材料は、円周方向に膨らもうとし、缶材料内面とマンドレルバー表面との間に隙間が形成される。
好都合なことに、ロータリローラダイスによる傾斜圧延によれば、長手方向にのみ圧延する通常の圧延に比較して、はるかに大きな肉厚圧下率がとれるので、非駆動のローラダイス基数の抜本的削減も可能となる。発明者の検討によれば、十数基の非駆動ローラダイスによる肉厚圧下分は、タンデム状に配置された2基の非駆動ロータリローラダイスによるタンデム圧延による肉厚圧下により代替可能となる。
さらに好都合なことに、駆動傾斜圧延機によるタンデム圧延は、ロール回転数のわずかな設定ミスによってもスタンド間で缶材料の捩れを発生し、実操業化は極めて困難であるのに対して、非駆動傾斜圧延機の場合には、缶材料の押抜き速度に応じて自動的にロール回転数が決定されるので、タンデム圧延が可能となる。傾斜圧延機としては、2ロール型または3ロール型のいずれの形式の圧延機でもよい。
さて、非駆動傾斜圧延機、すなわち、非駆動ロータリローラダイスに傾斜圧延機能を持たせる方法としてはいくつかの方法が考えられる。例えば、駆動マンドレルに強制回転機能を付与し、駆動マンドレルをマンドレル軸の周りに強制回転させながら、管軸方向に駆動させて非駆動ロータリローラダイスを押し抜けばよい。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(4)に示す超薄肉長尺金属缶の製造方法にある。
(1)熱延または冷延ストリップから打ち抜いた円形ブランクを素材とし、深絞り加工および再絞り加工を繰り返してコップ形状の底付き母缶を絞り成形する深絞り工程と、該コップ形状の母缶内に挿入した駆動マンドレルを該母缶の管軸方向に駆動して複数基並べて配置されたソリッドダイス群あるいはローラダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じるしごき工程を有する金属缶の製造方法において、該しごき工程の少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを用いることを特徴とする超薄肉長尺金属缶の製造方法。
(2)前記しごき工程の全パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイス群を用いることを特徴とする前記(1)に記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
(3)前記駆動マンドレルに強制回転機能を付与し、駆動マンドレルをマンドレル軸の周りに強制回転させながら前記ダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
(4)再絞りを含む深絞り加工の回数を3回以下とし、缶長手方向の偏肉の発生を抑制することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
本発明において、「ダイス群」とは、1基または複数基のダイスを並べて配置したダイス列を意味する。
また、「しごき工程の少なくとも最終パスに」とは、しごき工程を構成するダイス群の最終パス、または最終パスを含むダイス群の任意のパスを意味する。
そして、「超薄肉長尺金属缶」とは、前述のとおり、肉厚が1mm以下、望ましくは0.6mm以下であって、長さが160mmの2〜4倍程度の金属缶を意味する。
本発明の方法によれば、深絞り加工および再絞り加工を繰り返して得られた底付き母缶内に駆動マンドレルを挿入し、少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを配置したダイス群を押し抜くか、または、駆動マンドレルをマンドレル軸の周りに強制回転させながら、前記ダイス群を押し抜いて缶材料の肉厚を減じるので、缶材料の底抜けトラブルおよびマンドレルバーのストリッピングトラブルの発生を回避して、超薄肉長尺金属缶を製造することができる。
本発明は、前記のとおり、円形ブランクを素材とし、深絞り加工および再絞り加工を繰り返して底付き母缶を絞り成形する深絞り工程と、母缶内に挿入した駆動マンドレルを母缶の管軸方向に駆動して複数基並べて配置されたソリッドダイス群あるいはローラダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じるしごき工程を有する金属缶の製造方法において、しごき工程の少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを用いる超薄肉長尺金属缶の製造方法である。以下に、本発明の実施の形態につき、さらに詳細に説明する。
図3は、本発明に関するしごき加工工程の説明図であり、同図(a)はソリッドダイス群の最終仕上げパスに非駆動のロータリローラダイスを用いる態様を示し、(b)は4ロール型ローラダイス群の最終仕上げパスに非駆動のロータリローラダイスを用いる態様を示す。
同図(a)に示されるとおり、底付き母缶6内に駆動マンドレル7を挿入し、マンドレルバー7を図中の矢印で示す缶軸方向にのみ駆動させるか、または、マンドレル軸の周りに強制回転させながら、図中の矢印で示す缶軸方向に駆動させて、複数基のソリッドダイス8および最終パスが傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイス10により構成されたダイス群を押し抜く。底付き母缶6は、ソリッドダイス8によりしごき加工を受け、さらに、非駆動ロータリローラダイス10により缶軸方向に加えて缶円周方向にも延伸圧延されて、超薄肉長尺金属缶となる。そして、上記ダイス群の出側に設置されたストリッパ11により、超薄肉長尺金属缶からマンドレルバー7がストリッピングされる。
(b)では、底付き母缶6は、同様にして、複数基の非駆動の4ロールローラダイス9および最終パスが傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイス10により構成されたダイス群を押し抜かれる。底付き母缶6は、4ロールローラダイス9により缶軸方向に圧延され、さらに、ロータリローラダイス10により缶軸方向および缶円周方向に延伸圧延されて、超薄肉長尺金属缶となる。そして、(a)の場合と同様に、ストリッパ11により、マンドレルバー7がストリッピングされる。
図4は、タンデム状に配置された非駆動のロータリローラダイスのみでタンデム圧延する本発明の態様を示す図である。
そして、図5に、3ロール型の非駆動ロータリローラダイスにより圧延する本発明の態様の例を示した。同図(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B矢視図を示す。
図5の例では、底付き母缶6内に駆動マンドレル7を挿入し、マンドレルバー7を図中の矢印で示す缶軸方向にのみ駆動させるか、または、マンドレル軸の周りに強制回転させながら缶軸方向に駆動させて、パスラインに対して交叉角γをなし、かつ傾斜角βをなして配置された3個の非駆動傾斜ロール10により構成される非駆動の3ロール型ロータリローラダイスを押し抜く。
本発明の超薄肉長尺金属缶の製造方法による効果を確認するため、下記の試験を行い、その結果を評価した。下記の3つの実施例において使用した非駆動の傾斜圧延機は、3ロール型傾斜圧延機であり、その設備仕様は以下のとおりである。
(1)圧延機の形式:3ロール型傾斜圧延機
(2)ロール径(ゴージ径):120mmφ
(3)ロール交叉角:γ=4°〜8°
(4)ロール傾斜角:β=6°〜12°
(5)マンドレル回転数:n=max.100rpm
(6)押抜き速度:v=max.0.3m/s
以下の実施例はロール交叉角、傾斜角、マンドレル回転数および押抜き速度をそれぞれ2水準とし、合計16条件で実施した。非駆動傾斜圧延に不慣れなこともあって、最終仕上げ寸法が一致せず、かなりのばらつきが見られたが、少なくとも従来法で発生した底抜けトラブルおよびストリッピングトラブルは回避できることが明らかとなった。
(実施例1)
極低炭素鋼板から打ち抜いた直径150.0mmφ、厚さ1.2mmの円形ブランクから、深絞り加工→再絞り加工→再々絞り加工の工程で直径51.4mmφ、厚さ1.2mmのコップ形状の底付き母缶を絞り成形した後、底付き母缶の内側に挿入した駆動マンドレルを強制回転させながら、ソリッドダイス3基を直列に並べて配置したソリッドダイス群と1基の3ロール型ロータリローラダイスを押し抜いて缶材の肉厚を減じ、直径50.0mmφ、厚さ0.4mm、長さ300mmの超薄肉長尺缶を製缶した。長尺製缶ではあるものの、缶の絶対長さは短く、缶材料がソリッドダイス群によるしごき加工と3ロール型の非駆動ロータリローラダイスによる圧延とを同時に受けることはないので、ソリッドダイス群によるタンデムしごき加工とロータリローラダイスによる傾斜圧延は、個別に試験した。
試験条件を以下に列挙する。
(1)ブランク寸法:直径:150.0mmφ、厚さ:1.2mm
(2)深絞り加工工程:深絞り×3パス
1)第1パス:ポンチ径:84.0mmφ、ダイス径:87.0mmφ
2)第2パス:ポンチ径:61.0mmφ、ダイス径:64.0mmφ
3)第3パス:ポンチ径:49.0mmφ、ダイス径:51.4mmφ
(3)しごき加工工程:第1パス〜第3パスはソリッドダイスを使用し、第4パスは3ロール型ロータリローラダイスを使用
1)第1パス:マンドレル径:48.8mmφ、ダイス径:50.7mmφ
2)第2パス:マンドレル径:48.8mmφ、ダイス径:50.4mmφ
3)第3パス:マンドレル径:48.8mmφ、ダイス径:50.0mmφ
4)第4パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:49.6mmφ
(4)製品寸法:外径:50.0mmφ、肉厚:0.40mm、長さ:300mm
本実施例では、缶材の底抜けトラブルおよびストリッピングトラブルの発生はいずれもなかった。
(実施例2)
極低炭素鋼板から打ち抜いた直径150.0mmφ、厚さ2.4mmの円形ブランクから、深絞り加工→再絞り加工の工程で直径53.8mmφ、厚さ2.4mmのコップ形状の底付き母缶を絞り成形した後、底付き母缶の内側に挿入した駆動マンドレルを強制回転させながら、4ロール型ローラダイス5基を直列に並べて配置した4ロール型ローラダイス群と1基の3ロール型ロータリローラダイスを押し抜いて缶材の肉厚を減じ、直径50.0mmφ、厚さ0.4mm、長さ600mmの超薄肉長尺缶を製缶した。実施例1の場合と同様、缶の絶対長さは短く、缶材料が4ロール型ローラダイス群と3ロール型の非駆動ロータリローラダイスとにより同時に圧延されることはないので、ローラダイス群によるタンデム圧延とロータリローラダイスによる傾斜圧延は、個別に試験した。
ローラダイス群として4ロール型ローラダイスを採用した理由は、4ロール型ローラダイスによれば、ソリッドダイス使用の場合と同様に、缶材の横断面を真円から真円へと変形させる圧延が可能であり、駆動マンドレルを強制回転させても問題がないからである。
試験条件を以下に列挙する。
(1)ブランク寸法:直径:150.0mmφ、厚さ:2.4mm
(2)深絞り加工工程:深絞り×2パス
1)第1パス:ポンチ径:80.0mmφ、ダイス径:85.4mmφ
2)第2パス:ポンチ径:49.0mmφ、ダイス径:53.8mmφ
(3)しごき加工工程:第1パス〜第5パスは4ロール型ローラダイスを使用し、第6パスは3ロール型ロータリローラダイスを使用
1)第1パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:51.0mmφ
2)第2パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:50.7mmφ
3)第3パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:50.4mmφ
4)第4パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:50.2mmφ
5)第5パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:50.0mmφ
6)第6パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:49.6mmφ
(4)製品寸法:外径:50.0mmφ、肉厚:0.40mm、長さ:600mm
本実施例の結果から明らかなとおり、ローラダイスの採用によって多パスの圧延においても缶材の底抜けトラブルの発生はなく、また、最終仕上げパスにロータリローラダイスを採用したことによりストリッピング性も良好であった。
(実施例3)
実施例2の場合と同様に、極低炭素鋼板から打ち抜いた直径150.0mmφ、厚さ2.4mmの円形ブランクから、深絞り加工→再絞り加工の工程で直径53.8mmφ、厚さ2.4mmのコップ形状の底付き母缶を絞り成形した後、底付き母缶の内側に挿入した駆動マンドレルを強制回転させながら、3ロール型ロータリローラダイス2基が直列に並んだ3ロール型ロータリローラダイス群を押し抜いて缶材の肉厚を減じ、直径50.0mmφ、厚さ0.4mm、長さ600mmの超薄肉長尺缶を製缶した。傾斜圧延によれば高加工度の肉厚加工が可能なので、ローラダイスの十数基分の肉厚加工はロータリローラダイス2基のタンデム圧延により対処できる。また、駆動傾斜圧延機によるタンデム圧延は実現が極めて困難であるが、非駆動傾斜圧延であれば実現可能であることは前述したとおりである。なお、3ロール型傾斜圧延機は1基しか所有していないので、本試験では、2タンデム圧延を2回に分けてシミュレーションした。
試験条件を以下に列挙する。
(1)ブランク寸法:直径:150.0mmφ、厚さ:2.4mm
(2)深絞り加工工程:深絞り×2パス
1)第1パス:ポンチ径:80.0mmφ、ダイス径:85.4mmφ
2)第2パス:ポンチ径:49.0mmφ、ダイス径:53.8mmφ
(3)しごき加工工程:第1パスおよび第2パスともに3ロール型ロータリローラダイスを使用
1)第1パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:50.3mmφ
2)第2パス:マンドレル径:48.8mmφ、ロール開度:49.6mmφ
(4)製品寸法:外径:50.0mmφ、肉厚:0.40mm、長さ:600mm
ロータリローラダイスのみによるタンデム圧延を行ったので、缶材の底抜けトラブルの発生はなく、ストリッピング性も非常に良好であった。
本発明の方法によれば、深絞り加工および再絞り加工を繰り返して得られた底付き母缶内に駆動マンドレルを挿入し、少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを配置したダイス群を押し抜くか、または、駆動マンドレルをマンドレル軸の周りに強制回転させながら、前記ダイス群を押し抜いて缶材料の肉厚を減じるので、缶材料の底抜けトラブルおよびマンドレルバーのストリッピングトラブルの発生を回避して、超薄肉長尺金属缶を製造することができる。
したがって、本発明の方法により超薄肉長尺金属缶が経済的に量産可能となれば、ハイテク分野においてその用途は拡大する。例えば、カラーレーザプリンタのIHスリーブに適用することにより、プリンタの性能は飛躍的に向上するものと期待され、その他、複写機への展開や、燃料電池のセルケースへの応用なども可能である。
深絞り加工工程の説明図であり、同図(a)は深絞り加工工程、(b)は再絞り加工工程をそれぞれ示す。 従来のしごき加工工程を示す図である。 本発明に関するしごき加工工程の説明図であり、同図(a)はソリッドダイス群の最終仕上げパスに非駆動のロータリローラダイスを用いる態様を示し、(b)は4ロール型ローラダイス群の最終仕上げパスに非駆動のロータリローラダイスを用いる態様を示す。 非駆動のロータリローラダイスのみでタンデム圧延する本発明の態様を示す図である。 3ロール型の非駆動ロータリローラダイスにより圧延する本発明の態様の説明図であり、同図(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B矢視図を示す。
符号の説明
1:ポンチ、 2:ダイス、 3:しわ押え、 4:ブランク、 5:母缶半製品、
6:母缶製品、底付き母缶、 7:駆動マンドレル、マンドレルバー、 8:ソリッドダイス、 9:4ロール型ローラダイス、 10:ロータリローラダイス、非駆動傾斜ロール、 11:ストリッパ

Claims (4)

  1. 円形ブランクを素材とし、深絞り加工および再絞り加工を繰り返してコップ形状の底付き母缶を絞り成形する深絞り工程と、該コップ形状の母缶内に挿入した駆動マンドレルを該母缶の管軸方向に駆動して複数基並べて配置されたソリッドダイス群あるいはローラダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じるしごき工程を有する金属缶の製造方法において、該しごき工程の少なくとも最終パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイスを用いることを特徴とする超薄肉長尺金属缶の製造方法。
  2. 前記しごき工程の全パスに傾斜圧延機能を有する非駆動のロータリローラダイス群を用いることを特徴とする請求項1に記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
  3. 前記駆動マンドレルに強制回転機能を付与し、駆動マンドレルをマンドレル軸の周りに強制回転させながら前記ダイス群を一挙に押し抜いて肉厚を減じることを特徴とする請求項1または2に記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
  4. 再絞りを含む深絞り加工の回数を3回以下とし、缶長手方向の偏肉の発生を抑制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超薄肉長尺金属缶の製造方法。
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