JP4525004B2 - ベルト滑り予測装置及びベルト挟圧力制御装置 - Google Patents

ベルト滑り予測装置及びベルト挟圧力制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト滑り予測装置及びベルト挟圧力制御装置に係り、特に、無段階変速機において実際にベルト滑りが生じる前にベルト滑りを予測するベルト滑り予測装置、及びそれを用いてベルト挟圧力を制御するベルト挟圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジン負荷を低減すると共にベルトスリップを防止した無段変速機の油圧制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された仮想変速比演算部28は、同公報の図1に示すように、CVT変速比検出部22により検出される実際の変速比γに対して1次遅れフィルタ処理を施し、仮想減速比γeを算出する。ここで、フィルタ時定数は、ベルト滑り時のγの変化に追従しないように十分大きな値に設定されている。
【0004】
ベルトスリップ検出部27は、変速比GRと仮想変速比GReとの比較に基づいて、Vベルト5cのスリップ状態を検出した場合にスリップ検出信号DSを生成する。
【0005】
ここで、ベルトスリップ検出部27は、目標ライン圧Po2とライン圧P2(第2の実油圧)とのライン圧偏差ΔP2が所定量β以上を示す場合に、スリップ状態の検出処理を有効化する。また、ベルトスリップ検出部27は、目標プライマリ圧Po1と、実際に検出されたプライマリ圧P1(第1の実油圧)とのプライマリ圧偏差ΔP1が所定量α以上を示す場合に、スリップ状態の検出処理を有効化する。
【0006】
【特許文献1】
特開平2001−349418号公報(図1、第58及び第59段落)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された技術は、ベルトが実際に滑ってプーリの回転数の変化が生じたときにベルト滑りを検出するため、ベルト滑りの検出タイミングが遅く、ベルト損傷を避けられないという問題があった。
【0008】
さらに、特許文献1に記載された技術は、上記公報の図7に示すように、高価な2つのセンサ、すなわちプライマリ圧センサ11及びライン圧センサ12を必要とするため、コストがかかってしまうという問題もあった。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、コストを抑えつつ、無段階変速機のベルトが実際に滑る前にベルト滑りを予測するベルト滑り予測装置、及びそれを用いてベルト挟圧力を制御するベルト挟圧力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明であるベルト滑り予測装置は、入力側プーリ、出力側プーリ、及びベルトを備えた無段階変速機のベルト滑り予測装置であって、シーブ圧を検出するシーブ圧検出手段と、出力側プーリ回転数を検出する出力側プーリ回転数検出手段と、前記出力側プーリ回転数検出手段により検出された出力側プーリ回転数と、前記シーブ圧検出手段により検出されたシーブ圧の変動に基づいてベルト滑りの発生を予測するベルト滑り予測手段と、を備え、前記ベルト滑り予測手段は、前記出力側プーリ回転数に対する前記シーブ圧の伝達特性のピーク周波数における値に基づいてベルト滑りの発生を予測する
【0011】
シーブ圧検出手段は、固定シーブ及び可動シーブで構成された出力側プーリに対して、可動シーブを固定シーブに向けて付勢するための油圧であるシーブ圧を検出する。ここで、シーブ圧は、無段階変速機のマクロスリップ直前になると変動する特性がある。その理由としては、ベルトブロックのスティックスリップによりプーリが加振されるためと考えられる。そこで、ベルト滑り予測手段は、出力側プーリ回転数とシーブ圧の変動とに基づいてベルト滑りを予測する。より具体的には、ベルト滑り予測手段は、前記出力側プーリ回転数に対する前記シーブ圧の伝達特性のピーク周波数における値に基づいて、ベルト滑りの発生を予測する。
【0020】
出力側プーリ回転数に対するシーブ圧の伝達特性は、所定周波数でピークをもつ。そして、マクロスリップ前兆時になると、伝達特性のピーク周波数における値(ピーク値)は大きくなる性質がある。
【0021】
したがって、請求項に記載の発明によれば、入力側シーブ圧を用いることなく、出力側プーリ回転数に対するシーブ圧の伝達特性のピーク周波数における値に基づいて、マクロスリップを検出することができ、これにより低コストで、ベルト滑りの発生を予測することができる。
【0022】
請求項に記載の発明であるベルト滑り予測装置は、請求項に記載の発明であって、前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性の前記ピーク周波数における値が閾値を超えたときにベルト滑りの発生を予測する。
【0023】
請求項に記載の発明であるベルト滑り予測装置は、請求項またはに記載の発明であって、前記出力側プーリ回転数検出手段により検出された出力側プーリ回転数、前記無段階変速機の減速比、減速比指令値、出力側プーリ上でのベルト掛かり径の少なくとも1つを用いて、前記伝達特性の前記ピーク周波数を演算する周波数演算手段を更に備えている。
【0024】
伝達特性のピーク周波数は、減速比に応じて変化する。減速比は、出力側プーリ回転数や出力側プーリ上でのベルト掛かり径の変化によっても変化する。
【0025】
したがって、請求項に記載の発明によれば、出力側プーリ回転数、無段階変速機の減速比、減速比指令値、出力側プーリ上でのベルト掛かり径の少なくとも1つを用いて、伝達特性のピーク周波数を演算することにより、無段階変速機の動作状態が変化しても、確実にベルト滑りを予測することができる。
【0026】
請求項に記載の発明であるベルト滑り予測装置は、請求項からのいずれか1項に記載の発明であって、前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性を表す関数式の所定の係数を同定し、前記所定の係数が閾値を超えたときに、ベルト滑りの発生を予測する。
【0027】
ベルト滑り予測手段は、ピーク周波数を有する伝達特性を表す関数式を用いる。この関数式は、係数を同定する際の演算規模をできるだけ小さくすることができる一方、演算精度を確保できる式であるのが好ましい。伝達特性を表す関数式の様々な係数のうち所定の係数は、ピーク周波数におけるゲインを大きくすると、それに従って変化する。
【0028】
したがって、請求項に記載の発明によれば、伝達特性を表す関数式の所定の係数を同定し、所定の係数が閾値を超えたときにピーク周波数におけるゲインが大きくなるので、ベルト滑りの発生を予測することができる。
【0029】
請求項に記載の発明であるベルト滑り予測装置は、請求項に記載の発明であって、前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性を表す関数式のピーク周波数における伝達ゲインを決定するための伝達ゲイン係数を同定し、前記伝達ゲイン係数が閾値を超えたときに、ベルト滑りの発生を予測する。
【0030】
伝達ゲイン係数は、伝達特性を表す関数式のピーク周波数における伝達ゲインを決定する係数である。例えば、伝達ゲイン係数が大きくなるに従って伝達ゲインも大きくなり、伝達ゲイン係数が小さくなるに従って伝達ゲインも小さくなる。
【0031】
したがって、請求項に記載の発明によれば、伝達ゲイン係数を同定し、前記伝達ゲイン係数が閾値を超えたときにピーク周波数における伝達ゲインが大きくなるので、ベルト滑りの発生を予測することができる。
【0032】
請求項に記載の発明であるベルト挟圧力制御装置は、請求項1からのいずれか1項に記載のベルト滑り予測装置と、前記ベルト滑り予測装置の予測結果に基づいて、ベルト滑りが予測される前後の状態を保持するように前記無段階変速機のベルト挟圧力を制御するベルト挟圧力制御手段と、を備えている。
【0033】
ベルト滑り予測装置によって予測されるベルト滑りの前後の状態になると、ベルト摩擦力係数は最大値付近になる。この状態では、無段階変速装置のベルト伝達効率は最もよくなる。
【0034】
したがって、請求項に記載の発明によれば、ベルト滑り予測装置の予測結果に基づいて、ベルト滑りが予測される前後の状態を保持するように前記無段階変速機のベルト挟圧力を制御することにより、無段階変速装置のベルト伝達効率を向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。最初に、無段階変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)のベルト滑りの予測原理を説明し、次に具体的な実施形態について説明する。
【0036】
[予測原理]
CVT試験データを解析した結果、マクロスリップが発生する前に、セカンダリプーリ(以下「セカンダリ」と省略する。)のシーブ圧の振動が大きくなることが分かった。
【0037】
セカンダリ回転数からセカンダリシーブ圧までの伝達特性を求めたところ、共振ピークを持ち、マクロスリップ発生に近づくほどピーク周波数における伝達ゲインが大きくなる特性が得られた。なお、プライマリ側についても同様のことが言える。
【0038】
本発明は、この伝達ゲイン特性を用いることでマクロスリップ前兆を検出して、ベルト滑りを予測するものである。以降の説明は、セカンダリ側について示しているが、プライマリ側についても全く同様のことが言える。
【0039】
1.実験データの解析
図1は、CVTの(a)定常試験及び(b)マクロスリップ試験を行ったときの波形図である(プライマリ回転数Nin=1000rpm,減速比γ=0.65)。図2は、図1の試験条件及びマクロスリップ発生方法を示す表図である。
【0040】
図1に示すように、マクロスリップ直前(ベルトμの最大値付近)でセカンダリシーブ圧の振幅が増大した。セカンダリシーブ圧の振幅の増大は、ベルトブロックのスティックスリップによりプーリが加振されたためと考えられる。
【0041】
2.セカンダリ回転数に対するセカンダリシーブ圧の伝達特性
図3は、減速比γ=0.65でマクロスリップを発生させたときの(a)実験波形及び(b)伝達ゲイン周波数特性を示す図である。図4は、減速比γ=1.0でマクロスリップを発生させたときの(a)実験波形及び(b)伝達ゲイン周波数特性を示す図である。ここにいう伝達ゲインとは、セカンダリ回転数Noutからセカンダリシーブ圧Pc2までの伝達特性である。
【0042】
マクロスリップ前兆時の伝達ゲインは、図3及び図4中のそれぞれのFFT(高速フーリエ変換)処理範囲(2.5秒間)におけるデータをFFT処理によって求められたものである。なお、定常時の伝達ゲインも、2.5秒間のデータをFFT処理によって求められたものである。図3及び図4において、入力トルクとは、FFT処理範囲内における入力トルクの平均値である。
【0043】
図3及び図4より、各々異なる周波数(減速比γ=0.65では10Hz付近、減速比γ=1.0では8Hz付近)で伝達ゲインがピークを持ち、マクロスリップ前兆時に伝達ゲインが大きくなったことが分かる。
【0044】
3.伝達ゲインのピーク周波数
ピーク周波数fcは、図3及び図4に示すように、減速比γに応じて変化する。そこで、ピーク周波数fcとして、(1)式を仮定する。
【0045】
【数1】
Figure 0004525004
【0046】
α:調整係数
Ns:1秒当たりのセカンダリ回転数[Hz]
φ:セカンダリプーリ上でのベルト掛かり角[rad](減速比γに応じて変化)
(1)式は、ブロックのスティックスリップによるベルト振動がベルトかかり部分全域で伝達され、セカンダリ回転数に応じた周波数で油圧振動を起こしていることを表している。
【0047】
図5は、各減速比におけるピーク周波数の(1)式による計算値と実験値との比較図である。実験値は、マクロスリップ前兆時の実験データをFFT解析することで得られた周波数である。図5より、計算値と実験値はほぼ一致し、(1)式が妥当であることを確認することができた。
【0048】
4.マクロスリップ前兆の検出
本発明は、上述した伝達ゲイン特性に着目することによって、マクロスリップの前兆を検出し、ベルト滑りを予測するものである。マクロスリップ前兆の検出は、以下の手順(1)から手順(4)によって行われる。
【0049】
手順(1):セカンダリ回転数に対するセカンダリシーブ圧の伝達ゲインは、図3及び図4に示すように、マクロスリップ発生に近づくほど大きくなる。
【0050】
手順(2):伝達ゲイン特性を伝達関数で模擬し、伝達ゲインの変化と伝達関数の係数との関連性を調べる。
【0051】
手順(3):セカンダリ回転数とセカンダリシーブ圧とを用いて、伝達関数の係数を最小自乗法によりマッチングさせる。
【0052】
手順(4):マッチングした係数と手順(2)の検討結果とを参照して、マクロスリップ前兆を検出する。
【0053】
ここで、手順(1)については既に説明し、手順(3)及び(4)については後述の具体的な実施形態で説明するので、手順(2)について説明する。
【0054】
図3及び図4に示す伝達ゲイン特性を(2)式の伝達関数で模擬する。
【0055】
【数2】
Figure 0004525004
【0056】
K:伝達ゲイン係数(Kが大きいほどピーク大)
fc:ピーク周波数[Hz]
s:ラプラス演算子
(2)式を2次式とした理由は、係数を同定する際の演算規模をできる限り小さくすると共に、演算精度を確保するためである。
【0057】
図6は、ピーク周波数fc=8Hzとし、伝達ゲイン係数Kをパラメータとしたときの(2)式の伝達ゲイン周波数特性を示す図である。図6より、伝達ゲイン係数Kが大きくなると共にピークが現れた。つまり、(2)式の伝達ゲイン特性は、図3及び図4に示した1次のピーク周波数における伝達ゲイン特性に類似している。
【0058】
(2)式は連続系である。後述のオンライン同定の計算が容易なように、(2)式を離散系で表現すると、(3)式になる。
【0059】
【数3】
Figure 0004525004
【0060】
(3)式のzはz変換の演算子である。係数A1,A2,B1,B2は、それぞれ未知係数であり、セカンダリ回転数とセカンダリシーブ圧とによってオンライン同定される。なお、マクロスリップ前兆は、係数A1の値に基づいて検出される。
【0061】
5.係数A1と伝達ゲイン係数Kの関係
(5−1)係数A1に基づくマクロスリップ前兆の検出
係数A1,A2,B1,B2は、サンプリング周期dtを用いると、それぞれ(4)式から(7)式で表される。
【0062】
【数4】
Figure 0004525004
【0063】
図7は、サンプリング周期dt=4msで(4)式を用いたときの伝達ゲイン係数K及びピーク周波数fcに対する係数A1の変化を示す図である。図7より、伝達ゲイン係数Kが大きくなるに従って係数A1の値が小さくなった。一方、マクロスリップ前兆になると、ピークが現れて、伝達ゲイン係数Kが大きくなる。
【0064】
したがって、係数A1が閾値を超えた(下回った)場合に、マクロスリップ前兆を検出できる。ただし、ピーク周波数fcによって係数A1の値が変化するため、減速比やセカンダリ回転数に応じて閾値を変更する必要がある。
【0065】
(5−2)伝達ゲイン係数Kに基づくマクロスリップ前兆の検出
伝達関数の係数A1は、図7に示すように、伝達ゲイン係数K及びピーク周波数fcに応じて変化する。このため、減速比やセカンダリ回転数に応じて閾値を変更しなければならない。そこで、閾値を固定するために、マクロスリップ前兆検出のためのパラメータを、係数A1から伝達ゲイン係数Kに変更する。(1)式及び(4)式を用いると、伝達ゲイン係数Kは(8)式となる。
【0066】
【数5】
Figure 0004525004
【0067】
マクロスリップ前兆になると、ピークが現れて、伝達ゲイン係数Kが大きくなる。したがって、伝達ゲイン係数Kが一定の閾値を超えた(上回った)場合に、マクロスリップ前兆を検出できる。
【0068】
[具体的な実施形態]
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0069】
(第1の実施形態)
図8は、第1の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置の構成を示すブロック図である。ベルト挟圧力制御装置は、入力軸側であるプライマリプーリ(以下「プライマリ」と省略する。)、出力軸側であるセカンダリプーリ(以下「セカンダリ」と省略する。)、及びプライマリとセカンダリの間に掛けられたベルトからなる無段階変速機のベルト滑りを予測して、ベルト挟圧力を最適な状態に制御するものである。
【0070】
ベルト挟圧力制御装置は、プライマリの回転パルス信号を生成するプライマリ回転センサ11と、セカンダリの回転パルス信号を生成するセカンダリ回転センサ12と、セカンダリを制御するための油圧であるセカンダリシーブ圧に応じたセンサ信号を生成するシーブ圧センサ13と、セカンダリシーブ圧を調整する圧力制御弁14と、各センサからの信号に基づいて、圧力制御弁14を調整してベルト挟圧力を制御する電子制御ユニット(以下「ECU」という。)20とを備えている。
【0071】
プライマリ回転センサ11は、プライマリの回転数に応じた回転パルス信号を生成し、この回転パルス信号をECU20に供給する。セカンダリ回転センサ12は、セカンダリの回転数に応じた回転パルス信号を生成し、この回転パルス信号をECU20に供給する。
【0072】
シーブ圧センサ13は、固定シーブ及び可動シーブで構成されたセカンダリに対して、可動シーブを固定シーブに向けて付勢するための油圧であるセカンダリシーブ圧に応じてセンサ信号を生成して、ECU20に供給する。
【0073】
図9は、ECU20の構成を示すブロック図である。ECU20は、プライマリ回転数を検出するプライマリ回転数検出回路21と、セカンダリ回転数を検出するセカンダリ回転数検出回路22と、セカンダリシーブ圧Pc2を検出するシーブ圧検出回路23と、ピーク周波数fcを演算するピーク周波数演算回路24と、バンドパスフィルタ25と、閾値と後述する係数A1とを比較する閾値比較回路26と、ベルト挟圧力を制御する挟圧力制御回路27と、備えている。
【0074】
プライマリ回転数検出回路21は、プライマリ回転センサ11からの回転パルス信号に基づいてプライマリ回転数Nin[rpm]を検出し、プライマリ回転数Ninをピーク周波数演算回路24に供給する。
【0075】
セカンダリ回転数検出回路22は、セカンダリ回転センサ12からの回転パルス信号に基づいてセカンダリ回転数Nout[rpm]を検出し、セカンダリ回転数Noutをピーク周波数演算回路24に供給する。
【0076】
シーブ圧検出回路23は、シーブ圧センサ13からのセンサ信号に基づいてセカンダリシーブ圧Pc2を検出し、セカンダリシーブ圧Pc2をバンドパスフィルタ25に供給する。
【0077】
ピーク周波数演算回路24は、プライマリ回転数Nin及びセカンダリ回転数Noutに基づいて減速比γ(=Nin/Nout)を演算し、減速比γを用いてセカンダリプーリ上でのベルト掛かり角φ[rad]を計算する。そして、予め設定された調整係数α、1秒当たりのセカンダリ回転数Ns[Hz](=Nout/60)を用いて、(9)式に従ってピーク周波数fcを演算する。
【0078】
【数6】
Figure 0004525004
【0079】
バンドパスフィルタ25は、(10)式のバンドパス特性を有している。なお、fcはピーク周波数、sはラプラス演算子である。
【0080】
【数7】
Figure 0004525004
【0081】
バンドパスフィルタ25は、セカンダリシーブ圧Pc2からピーク周波数fcの帯域を抽出して、フィルタリングされたセカンダリシーブ圧Pc2をベルト挟圧力制御回路26に供給する。
【0082】
閾値比較回路26は、フィルタリングされたセカンダリシーブ圧Pc2と閾値とを比較して、フィルタリングされたセカンダリシーブ圧Pc2が閾値を超えたときにマクロスリップ前兆を検出し、ベルト滑りを予測する。すなわち、閾値比較回路26は、セカンダリシーブ圧Pc2の振幅が所定値より増大したときを検出して、ベルト滑りを予測することができる。なお、閾値は、CVT状態量に応じて学習により設定された値でもよいし、予め設定された定数値でもよく、特に限定されるものではない。
【0083】
挟圧力制御回路27は、閾値比較回路26によるベルト滑り予測結果に基づいて、圧力制御弁14を調整する。具体的には、フィルタリングされたセカンダリシーブ圧Pc2が閾値付近の値を維持するように、圧力制御弁14を制御する。この結果、CVTのベルトμを最大値付近に維持することができる。
【0084】
以上のように、第1の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、セカンダリシーブ圧Pc2の振幅増大を検出してマクロスリップ前兆をとらえることによって、ベルト滑りを予測することができる。また、ベルト挟圧力制御装置は、プライマリプーリの油圧(プライマリ側でベルト滑り予測をする場合には、セカンダリプーリの油圧)を検出するセンサを用いることなく、ベルト滑りを予測できるので、従来に比べてコストを抑制することもできる。
【0085】
さらに、ベルト挟圧力制御装置は、ベルト滑り予測結果を用いてベルト挟圧力を制御することで、CVTのベルトμを最大値付近に維持することができ、その結果、CVTのベルト伝達効率を向上させることができる。
【0086】
なお、本実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、バンドパスフィルタ25及び閾値比較回路26を用いているが、セカンダリシーブ圧Pc2の変動振幅の増大を検出することができれば上記構成に限定されるものではない。
【0087】
また、ピーク周波数演算回路24は、(9)式に従ってピーク周波数fcを演算したが、ピーク周波数fcを演算することができれば(9)式に限定されるものではない。例えば、ピーク周波数演算回路24は、セカンダリ回転数や減速比の他に、これらに相関関係のある1つ以上の任意のCVT状態量(例えば、減速比指令値、セカンダリ上でのベルト掛かり径など)を用いてもよい。
【0088】
(第2の実施形態)
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の回路については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0089】
図10は、第2の実施の形態に係るECU20Aの構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、第1の実施形態で説明したECU20の代わりに、図10に示すECU20Aを適用したものである。
【0090】
ECU20Aは、プライマリ回転数検出回路21、セカンダリ回転数検出回路22、シーブ圧検出回路23、ピーク周波数演算回路24、減速比γを演算する減速比演算回路31、閾値を生成する閾値生成回路32、バンドパスフィルタ33,34、伝達関数の係数を同定する伝達関数同定回路35、閾値と所定の係数とを比較する閾値比較回路36、ベルト挟圧力を制御する挟圧力制御回路37を備えている。
【0091】
プライマリ回転数検出回路21は、プライマリ回転数Ninを検出して、このプライマリ回転数Ninをピーク周波数演算回路24及び減速比演算回路31に供給する。セカンダリ回転数検出回路22は、セカンダリ回転数Noutを検出して、このセカンダリ回転数Noutをピーク周波数演算回路24、減速比演算回路31、閾値生成回路32及びバンドパスフィルタ33に供給する。シーブ圧検出回路23は、セカンダリシーブ圧Pc2を検出し、このセカンダリシーブ圧Pc2をバンドパスフィルタ34に供給する。
【0092】
ピーク周波数演算回路24は、プライマリ回転数Nin及びセカンダリ回転数Noutに基づいて減速比γ(=Nin/Nout)を演算し、減速比γを用いてセカンダリプーリ上でのベルト掛かり角φ[rad]を計算する。そして、予め設定された調整係数α、1秒当たりのセカンダリ回転数Ns[Hz](=Nout/60)を用いて、(11)式に従ってピーク周波数fcを演算する。
【0093】
【数8】
Figure 0004525004
【0094】
そして、ピーク周波数演算回路24は、演算したピーク周波数fcをバンドパスフィルタ33及び34に供給する。
【0095】
一方、減速比演算回路31は、プライマリ回転数Nin及びセカンダリ回転数Noutに基づいて減速比γを演算し、減速比γを閾値生成回路32に供給する。
【0096】
閾値生成回路32は、マクロスリップ前兆を検出するための閾値、つまり伝達関数の係数A1と比較するための閾値を生成する。ここで、閾値生成回路32は、減速比γ、セカンダリ回転数Nout、閾値のそれぞれの関係を表した閾値マップを記憶している。そして、閾値生成回路32は、閾値マップを参照して、現在の減速比γ及びセカンダリ回転数Noutに対応する閾値を生成する。
【0097】
また、閾値生成回路32は、CVTの定常状態における各信号(例えば、プライマリ回転数、出力トルクなどの信号)を学習し、各信号が最大となるときの閾値を生成してもよい。
【0098】
バンドパスフィルタ33及び34は、上述した(10)式のバンドパス特性を有している。バンドパスフィルタ33は、セカンダリ回転数Noutからピーク周波数fcの帯域を抽出して、フィルタリングされたセカンダリ回転数Noutを伝達関数同定回路35に供給する。また、バンドパスフィルタ34は、セカンダリシーブ圧Pc2からピーク周波数fcの帯域を抽出して、フィルタリングされたセカンダリシーブ圧Pc2を伝達関数同定回路35に供給する。
【0099】
伝達関数同定回路35は、フィルタリングされたセカンダリ回転数Nout及びセカンダリシーブ圧Pc2を用いて、上述した(3)式で表された伝達関数の未知係数A1,A2,B1,B2を同定する。
【0100】
ここで、オンライン同定をするために、サンプリング刻みiを用いて、(3)式を(12)式のように書き換える。
【0101】
【数9】
Figure 0004525004
【0102】
(12)式において、セカンダリ回転数Nout及びセカンダリシーブ圧Pc2は、それぞれバンドパスフィルタでフィルタリングされた後の値である。
【0103】
(12)式の係数A1,A2,B1,B2を最小自乗法でオンライン同定するため、(12)式を次の(13)式で表す。
【0104】
【数10】
Figure 0004525004
【0105】
ただし、(13)式においては、次の(14)式から(16)式が成り立つ。
【0106】
【数11】
Figure 0004525004
【0107】
さらに、次の(17)式及び(18)式による重み付け最小自乗法を用いる。
【0108】
【数12】
Figure 0004525004
【0109】
(17)式及び(18)式において、Pは4×4の対象行列である。Pの初期値は対角行列とし、Pの各要素はパラメータ同定の収束を早めるために大きな値に設定しておく。λは重みである。
【0110】
伝達関数同定回路35は、このような(13)式から(18)式に従って、サンプリング周期毎に、セカンダリ回転数Nout(i)及びセカンダリシーブ圧Pc2(i)を用いてτ(i)を同定する。そして、伝達関数同定回路35は、同定されたτ(i)の要素である係数A1を閾値比較回路36に供給する。
【0111】
閾値比較回路36は、閾値生成回路32で生成された閾値と、伝達関数同定回路35で同定された係数A1とを比較して、4サンプリング周期分連続して係数A1が閾値を超えたとき(下回ったとき)にマクロスリップ前兆を検出する。なお、マクロスリップ前兆を確実に検出するため、「4サンプリング周期分連続」であることを条件としたが、これに限定されないのは勿論である。
【0112】
図11から図13は、(a)定常状態及び(b)マクロスリップ時のプライマリ回転数、出力トルク、セカンダリシーブ圧(セカンダリシーブ圧)、係数A1同定値を示す図である。プライマリ回転数Nin=1000rpm、定常時の入力トルクTin=50Nmとした。なお、図11は減速比γ=0.65、図12は減速比γ=1.0、図13は減速比γ=2.379である。しきい値は、CVTの定常状態における各信号が最大値になるときの値とした。
【0113】
挟圧力制御回路37は、閾値比較回路36によるベルト滑り予測結果に基づいて、圧力制御弁14を調整する。具体的には、伝達関数の係数A1が閾値付近の値を維持するように、圧力制御弁14を制御する。
【0114】
以上のように、第2の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、セカンダリ回転数Noutに対するセカンダリシーブ圧Pc2の伝達ゲイン特性を模擬した伝達関数の係数A1を同定し、係数A1と閾値とを比較することで、マクロスリップ前兆をとらえ、ベルト滑りを予測することができる。
【0115】
また、ベルト挟圧力制御装置は、第1の実施形態と同様に、プライマリプーリの油圧(プライマリ側でベルト滑り予測をする場合には、セカンダリプーリの油圧)を検出するセンサを必要としないので従来に比べてコストを抑制することができ、さらに、CVTのベルトμを最大値付近に維持してCVTのベルト伝達効率を向上させることができる。
【0116】
なお、ベルト挟圧力制御装置は、上述したバンドパスフィルタ33,34の代わりに、それぞれ同じ特性のローパスフィルタを備えてもよい。ローパスフィルタの伝達特性としては、例えば次の(19)式が好ましい。
【0117】
【数13】
Figure 0004525004
【0118】
T(=2πf):ローパスフィルタ時定数[s]
f:カットオフ周波数(>fc)[Hz]
s:ラプラス演算子
また、ピーク周波数演算回路24は、(11)式に従ってピーク周波数fcを演算したが、ピーク周波数fcを演算することができれば(11)式に限定されるものではない。例えば、ピーク周波数演算回路24は、セカンダリ回転数や減速比の他に、これらに相関関係のある任意の1つ以上のCVT状態量(例えば、減速比指令値、セカンダリ上でのベルト掛かり径など)を用いてもよい。なお、ピーク周波数演算回路24については、第3の実施形態でも同様である。
【0119】
(第3の実施形態)
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態と同一の回路については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0120】
上述した第2の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、伝達関数の係数A1と閾値とを比較してベルト滑りを予測するものである。これに対して、第3の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、伝達関数の伝達ゲイン係数Kと閾値とを比較してベルト滑りを予測するものである。
【0121】
図14は、第3の実施形態に係るECU20Bの構成を示すブロック図である。ECU20Bは、第2の実施形態に係るECU20Aから減速比演算回路31及び閾値生成回路32を除き、さらに伝達ゲイン係数演算回路38を備えた構成になっている。
【0122】
伝達ゲイン係数演算回路38は、伝達関数同定回路35で同定された係数A1、ピーク周波数演算回路24で演算されたピーク周波数fc、そしてサンプリング周期dtを用いて、(20)式に従って伝達ゲイン係数Kを演算する。
【0123】
【数14】
Figure 0004525004
【0124】
閾値比較回路36は、予め設定された閾値と、伝達ゲイン係数演算回路38で演算された伝達ゲイン係数Kとを比較して、4サンプリング周期分連続して伝達ゲイン係数Kが閾値を超えたとき(上回ったとき)にマクロスリップ前兆を検出する。なお、第2の実施形態と同様に、「4サンプリング周期分連続」に限定されるものではない。
【0125】
図15は、(a)減速比γ=0.65、(b)減速比γ=1.0、(c)減速比γ=2.379の場合に、伝達ゲイン係数K及び係数A1を用いてそれぞれマクロスリップ前兆を検出した場合の比較結果を示す図である。伝達ゲイン係数Kの閾値は、定常状態における各々の減速比γの伝達ゲイン係数Kの中で最大値となったときの値である。図15より、閾値を一定値に設定することができると共に、伝達ゲイン係数Kを用いてマクロスリップ前兆を検出できることが分かった。
【0126】
挟圧力制御回路37は、閾値比較回路36によるベルト滑り予測結果に基づいて、圧力制御弁14を調整する。具体的には、伝達ゲイン係数Kが閾値付近の値を維持するように、圧力制御弁14を制御する。
【0127】
以上のように、第3の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置は、セカンダリ回転数Noutに対するセカンダリシーブ圧Pc2の伝達ゲイン特性を模擬した伝達関数の伝達ゲイン係数Kを同定し、伝達ゲイン係数Kと閾値とを比較することで、マクロスリップ前兆をとらえ、ベルト滑りを予測することができる。また、閾値を予め一定値に設定しておくことができるので、CVTの状態に応じて閾値を随時変更する手間を省くことができる。
【0128】
また、ベルト挟圧力制御装置は、第1及び第2の実施形態と同様に、プライマリプーリに供給される油圧(プライマリ側でベルト滑り予測をする場合には、セカンダリプーリの油圧)を検出するセンサを必要としないので従来に比べてコストを抑制することができ、さらに、CVTのベルトμを最大値付近に維持してCVTのベルト伝達効率を向上させることができる。
【0129】
なお、本実施形態に係るベルト挟圧力制御装置も、第2の実施形態と同様に、バンドパスフィルタ33,34の代わりにそれぞれローパスフィルタを設けてもよい。また、伝達ゲイン係数Kと比較するための閾値は、図15に示した値に限定されるものではないのは勿論である。
【0130】
【発明の効果】
本発明に係るベルト滑り予測装置は、入力側、出力側2つのシーブ圧を用いることなく、いずれか一方の側のシーブ圧の変動に基づいて、低コストでベルト滑りを予測することができる。
【0131】
本発明に係るベルト挟圧力制御装置ば、ベルト滑り予測装置の予測結果に基づいて、ベルト滑りが予測される前後の状態を保持するように前記無段階変速機のベルト挟圧力を制御することにより、無段階変速装置のベルト伝達効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CVTの(a)定常試験及び(b)マクロスリップ試験を行ったときの波形図である。
【図2】図1の試験条件及びマクロスリップ発生方法を示す表図である。
【図3】減速比γ=0.65でマクロスリップを発生させたときの(a)実験波形及び(b)伝達ゲイン周波数特性を示す図である。
【図4】減速比γ=1.0でマクロスリップを発生させたときの(a)実験波形及び(b)伝達ゲイン周波数特性を示す図である。
【図5】各減速比におけるピーク周波数の計算値と実験値との比較図である。
【図6】ピーク周波数fc=8Hzとし、伝達ゲイン係数Kをパラメータとしたときの(2)式の伝達ゲイン周波数特性を示す図である。
【図7】サンプリング周期dt=4msで(4)式を用いたときの伝達ゲイン係数K及びピーク周波数fcに対する係数A1の変化を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係るベルト挟圧力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】ECUの構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態に係るECUの構成を示すブロック図である。
【図11】減速比γ=0.65において(a)定常状態及び(b)マクロスリップ時のプライマリ回転数、出力トルク、セカンダリシーブ圧(セカンダリシーブ圧)、係数A1同定値を示す図である。
【図12】減速比γ=1.0において(a)定常状態及び(b)マクロスリップ時のプライマリ回転数、出力トルク、セカンダリシーブ圧(セカンダリシーブ圧)、係数A1同定値を示す図である。
【図13】減速比γ=2.379において(a)定常状態及び(b)マクロスリップ時のプライマリ回転数、出力トルク、セカンダリシーブ圧(セカンダリシーブ圧)、係数A1同定値を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係るECUの構成を示すブロック図である。
【図15】(a)減速比γ=0.65、(b)減速比γ=1.0、(c)減速比γ=2.379の場合に、伝達ゲイン係数K及び係数A1を用いてそれぞれマクロスリップ前兆を検出した場合の比較結果を示す図である。
【符号の説明】
11 プライマリ回転センサ
12 セカンダリ回転センサ
13 シーブ圧センサ
14 圧力制御弁
20,20A,20B ECU
21 プライマリ回転数検出回路
22 セカンダリ回転数検出回路
23 シーブ圧検出回路
24 ピーク周波数演算回路
25,33,34 バンドパスフィルタ
26,36 閾値比較回路
27,37 挟圧力制御回路
31 減速比演算回路
32 閾値生成回路
35 伝達関数同定回路
38 伝達ゲイン係数演算回路

Claims (6)

  1. 入力側プーリ、出力側プーリ、及びベルトを備えた無段階変速機のベルト滑り予測装置であって、
    シーブ圧を検出するシーブ圧検出手段と、
    出力側プーリ回転数を検出する出力側プーリ回転数検出手段と、
    前記出力側プーリ回転数検出手段により検出された出力側プーリ回転数と、前記シーブ圧検出手段により検出されたシーブ圧の変動に基づいてベルト滑りの発生を予測するベルト滑り予測手段と、を備え、
    前記ベルト滑り予測手段は、前記出力側プーリ回転数に対する前記シーブ圧の伝達特性のピーク周波数における値に基づいてベルト滑りの発生を予測する
    ベルト滑り予測装置。
  2. 前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性の前記ピーク周波数における値が閾値を超えたときにベルト滑りの発生を予測する
    請求項に記載のベルト滑り予測装置。
  3. 前記出力側プーリ回転数検出手段により検出された出力側プーリ回転数、前記無段階変速機の減速比、減速比指令値、出力側プーリ上でのベルト掛かり径の少なくとも1つを用いて、前記伝達特性の前記ピーク周波数を演算する周波数演算手段を更に備えた
    請求項またはに記載のベルト滑り予測装置。
  4. 前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性を表す関数式の所定の係数を同定し、前記所定の係数が閾値を超えたときに、ベルト滑りの発生を予測する
    請求項からのいずれか1項に記載のベルト滑り予測装置。
  5. 前記ベルト滑り予測手段は、前記伝達特性を表す関数式のピーク周波数における伝達ゲインを決定するための伝達ゲイン係数を同定し、前記伝達ゲイン係数が閾値を超えたときに、ベルト滑りの発生を予測する
    請求項に記載のベルト滑り予測装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のベルト滑り予測装置と、
    前記ベルト滑り予測装置の予測結果に基づいて、ベルト滑りが予測される前後の状態を保持するように前記無段階変速機のベルト挟圧力を制御するベルト挟圧力制御手段と、
    を備えたベルト挟圧力制御装置。
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