JP4523073B2 - 癌を治療するためのHSP−90阻害剤としての2−アミノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン誘導体 - Google Patents

癌を治療するためのHSP−90阻害剤としての2−アミノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン誘導体 Download PDF

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Description

本出願は、その開示全体が、参照により本明細書に援用される2007年2月6日に出願された米国特許仮出願第60/888,433号明細書および2008年1月11日に出願された同第61/020,661号明細書による利益を主張する。
本発明は、化合物ならびに薬学的に許容できるその塩および溶媒和物、その合成、ならびにHSP−90の調節剤または阻害剤としてのその使用を対象とする。本発明の化合物は、HSP−90活性を調節(例えば、阻害)するために、および例えば、癌などの異常な細胞増殖を随伴する疾患状態などのHSP−90により仲介される疾患または状態を治療するために有用である。
分子シャペロンは、合成の際にタンパク質を正確に折りたたみ、さらに、変性ストレス条件下に再び折りたたむことを確実にすることにより、細胞機能において重要な役割を果たしている。タンパク質合成と分解とのバランスを調節することにより、分子シャペロンは、ストレスに対する細胞応答の重要な部分である。加えて、様々な細胞タンパク質の正確な折りたたみを調節することにより、シャペロンは、細胞増殖およびアポトーシスなどの細胞機能の調節において重要な役割を果たしている(例えばJollyら、J.Natl.Cancer Inst.92:1564〜1572(2000年)参照)。熱ショックタンパク質(HSP)は、熱ショック、酸化ストレスまたはアルコールもしくは重金属の存在などの様々な環境ストレスに応答して細胞に蓄積される一群のシャペロンである。このような環境ストレスから細胞を保護するその役割に加えて、HSPはまた、ストレスのない条件下では様々な細胞タンパク質のためのシャペロンとして重要な役割を果たしうる。HSPファミリーのメンバーは、その分子量に応じて分類される(例えば、HSP−27、HSP−70およびHSP−90)。腫瘍進行の様々な段階におけるHSPの異なる発現の証拠により、HSPは癌において役割を果たしていることが示唆されている(例えば、Martinら、Cancer Res.60:2232〜2238(2000年)参照)。
HSP−90は、ATPアーゼ活性と、様々な基質タンパク質との一連の複雑な相互作用における機能とを有するホモダイマーである(Youngら、J.Cell Biol.154:267〜273(2001年))。HSP−90は、他のシャペロンに対して独特であるが、それというのも、その知られている基質タンパク質の大部分が、シグナル伝達タンパク質であるためである。したがって、HSP−90は、細胞シグナル伝達ネットワークの調節において必須の役割を果たしている(例えば、Xuら、Proc.Natl.Acad.Sci 90:7074〜7078(1993年)参照)。特に、HSP−90の基質タンパク質には、p53、Bcr−Ab1キナーゼ、Raf−1キナーゼ、Aktキナーゼ、Npm−Alkキナーゼp185ErbB2膜内外キナーゼ、Cdk4、Cdk6、Wee1(細胞周期依存性キナーゼ)、HER2/Neu(ErbB2)および低酸素誘発性因子−1α(HIF−1α)などの癌に関連する多くの突然変異または過発現タンパク質が包含される。そこで、HSP−90の阻害は、アポトーシス、細胞増殖および細胞周期調節に関与しているこれらの重要なシグナル伝達タンパク質の選択的分解をもたらす(Holsteinら、Cancer Res.61:4003〜4009(2001年))。したがって、癌などの異常な細胞増殖を伴う疾患状態においてこれらのシグナル伝達タンパク質が果たす重要な役割により、HSP−90は、魅力的な治療ターゲットである。このように、癌などの異常な細胞増殖に関連する疾患状態を患う患者に治療的利益をもたらすことができるHSP−90活性の新規の阻害剤を発見および開発することが望ましい。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する
Figure 0004523073
[式中、
mは、1または2であり、nは、1または2であり、mが2である場合、nは、1であり、
Xは、結合であるか、または−O−、−S−、−(C〜Cアルキレン)−、−O−(C〜Cアルキレン)−、−NH−(C〜Cアルキレン)−、−S−(C〜Cアルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−OC(O)−NH−、−NH−C(O)−NH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)−O−および−S(O)−NH−からなる群から選択されるジラジカルであり、ジラジカルの各末端は、Rに、または式Iのアミノピリミジン環に結合していてよく、
許される場合には、Xの窒素または炭素原子はそれぞれ、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−F、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)から選択される1個の基によりさらに置換されていてもよく、tは、0または1であり、
は、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリール、C〜C12シクロアルキル、3員〜12員のヘテロシクリルおよびC〜C12不飽和非芳香族カルボシクリルからなる群から選択され、Rはそれぞれ、1〜5個のRでさらに置換されていてもよいが、ただし、Rがフェニルである場合、Rは、少なくとも2個のRでさらに置換されていて、Rの少なくとも1個は、ハロゲンではなく、
Rは、R、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(7員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(7員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、
は、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−O−RおよびRからなる群から選択され、Rは、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)から選択され、
は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(5員から12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
同じ窒素原子に結合している2個のRは、窒素原子と一緒に、3員〜12員のヘテロシクリルまたは5員〜12員のヘテロアリールを形成してもよく、前記3員〜12員のヘテロシクリルおよび前記5員〜12員のヘテロアリールは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよく、
は、−NRN(R、−NROR、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
pは、0または1であり、
R、R、RおよびRはそれぞれ、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよく、
は、それぞれ独立に、−オキソ−、−(C〜Cアルキレン)−、ハロゲン、−CN、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NHC(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−SO−N(C〜Cアルキル)からなる群から選択され、qは、それぞれ独立に、0または1であり、許される場合には、Rの炭素原子はそれぞれ、1〜3個のフッ素でさらに置換されていてもよい]。
この実施形態の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様の組合せでは、mは、1であり、nは、1であり、化合物は、式IIである。
Figure 0004523073
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様の組合せでは、Xは、結合または−O−であり、Rは、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリールまたは3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rは、2〜5個のRでさらに置換されている。より好ましくは、Xは、結合であり、Rは、2〜5個のRでさらに置換されているC〜C12アリールである。なおより好ましくは、Rは、2〜5個のRでさらに置換されているフェニルであり、Rの少なくとも1個は、ハロゲンではない。
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様の組合せでは、Rは、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rはそれぞれ、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよい。
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様との組合せでは、mは、1であり、nは、1であり、化合物は、式Vである
Figure 0004523073
[式中、
およびRは独立に、F、Cl、Br、−OH、−CN、非置換C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、非置換−(C〜Cアルキレン)−OHまたは非置換−O−(C〜Cアルキル)であり、
は、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい]。
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様との組合せでは、mは、1であり、nは、1であり、化合物は、式VIである
Figure 0004523073
[式中、
およびRは独立に、F、Cl、Br、−OH、−CN、非置換C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、非置換−(C〜Cアルキレン)−OHまたは非置換−O−(C〜Cアルキル)であり、
は、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい]。
式Vおよび式VIでは、好ましくは、Rは、−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)であり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、より好ましくは、Rは、−O−(C〜Cアルキレン)−(5員のヘテロアリール)であり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、また、好ましくは、Rは、−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)であり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、また、好ましくは、Rは、−O−(C〜Cアルキレン)−フェニルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、また、好ましくは、Rは、−O−(C〜Cアルキル)または−O−(C〜Cアルケニル)であり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。Rの好ましい置換基は、F、Cl、C〜Cアルキル、−O−(C〜Cアルキル)、−OH、−CNおよび−(C〜Cアルキレン)−CNである。最も好ましいRには、次の基が包含され、各基は、非置換であるか、または1〜5個のRで置換されていて、好ましくは、次の基は、非置換であるか、またはF、Cl、C〜Cアルキル、−O−(C〜Cアルキル)、−OH、−CNまたは−(C〜Cアルキレン)−CNのうちの1〜5個の基で置換されている:
Figure 0004523073
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様との組合せでは、特に、化合物が式Vである態様との組合せでは、また特に、化合物が式VIである態様との組合せでは、Rは、−C(O)−N(Rである。好ましくは、第1のRは、Hまたは非置換C〜Cアルキルであり、第2のRは、C〜Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル、(1S,5R)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキス−6−イル、5員〜6員のヘテロアリール、3員〜7員のヘテロシクリルおよびC〜Cアルケニルから選択され、第2のRは、F、Cl、C〜Cアルキル、−O−(C〜Cアルキル)、−OH、−CNおよび−(C〜Cアルキレン)−CNから選択される1〜5個の基によりさらに置換されていてもよい。より好ましくは、第1のRは、Hである。
この実施形態の他の好ましい態様では、および矛盾しない任意の他の態様との組合せでは、特に、化合物が式Vである態様との組合せでは、また特に、化合物が式VIである態様との組合せでは、Rは、−C(O)−ORである。好ましくは、Rは、C〜Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル、5員〜6員のヘテロアリール、3員〜7員のヘテロシクリルおよびC〜Cアルケニルから選択され、Rは、F、Cl、C〜Cアルキル、−O−(C〜Cアルキル)、−OH、−CNおよび−(C〜Cアルキレン)−CNから選択される1〜5個の基によりさらに置換されていてもよい。
他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する
Figure 0004523073
[式中、
mは、1または2であり、nは、1または2であり、mが2である場合、nは、1であり、
Xは、結合であるか、または−O−、−S−、−(C〜Cアルキレン)−、−O−(C〜Cアルキレン)−、−NH−(C〜Cアルキレン)−、−S−(C〜Cアルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−OC(O)−NH−、−NH−C(O)−NH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)−O−および−S(O)−NH−からなる群から選択されるジラジカルであり、ジラジカルの各末端は、Rに、または式Iのアミノピリミジン環に結合していてよく、
許される場合には、Xの窒素または炭素原子はそれぞれ、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−F、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)から選択される1個の基によりさらに置換されていてもよく、tは、0または1であり、
は、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリール、C〜C12シクロアルキル、3員〜12員のヘテロシクリルおよびC〜C12不飽和非芳香族カルボシクリルからなる群から選択され、Rはそれぞれ、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、ただし、Rがフェニルである場合、Rは、少なくとも2個のRでさらに置換されていて、Rのうちの1個は、ハロゲンではなく、
の好ましい置換基は、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−NHおよび−O−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)から選択され、
は、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−O−RおよびRからなる群から選択され、Rは、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)から選択され、
は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(5員から12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
同じ窒素原子に結合している2個のRは、窒素原子と一緒に、3員〜12員のヘテロシクリルまたは5員〜12員のヘテロアリールを形成してもよく、前記3員〜12員のヘテロシクリルおよび前記5員〜12員のヘテロアリールは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよく、
は、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
pは、0または1であり、R、RおよびRはそれぞれ、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、
は、それぞれ独立に、−オキソ−、−(C〜Cアルキレン)−、ハロゲン、−CN、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NHC(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−SO−N(C〜Cアルキル)からなる群から選択され、qは、それぞれ独立に、0または1であり、許される場合には、Rの炭素原子はそれぞれ、1〜3個のフッ素でさらに置換されていてもよい]。
この実施形態の第1の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、1であり、およびnは、1であり、化合物は、式IIである。
Figure 0004523073
この実施形態の第2の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、1であり、nは、2であり、化合物は、式IIIである。
Figure 0004523073
この実施形態の第3の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、2であり、nは、1であり、化合物は、式IVである。
Figure 0004523073
この実施形態の第4の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、結合であり、Rは、1〜5個のRで置換されていてもよいC〜C12アリールである。好ましくは、Rは、2〜5個のRで置換されているフェニルであり、Rのうちの少なくとも1個は、ハロゲンではない。より好ましくは、Rは、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−NHおよび−O−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)から選択される2〜3個の基で置換されているフェニルであるが、ただし、前記2〜3個の基のうちの少なくとも1個は、ハロゲンではない。
この実施形態の第5の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、結合であり、Rは、5員〜12員のヘテロアリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第6の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、結合であり、Rは、3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第7の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、結合であり、Rは、C〜C12シクロアルキルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第8の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、−O−または非置換−O−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12アリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第9の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、−O−または非置換−O−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、5員〜12員のヘテロアリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第10の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、−O−または非置換−O−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第11の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、−O−または非置換−O−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12シクロアルキルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第12の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−NH−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12アリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第13の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−NH−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、5員〜12員のヘテロアリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第14の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−NH−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第15の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−NH−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12シクロアルキルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第16の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12アリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第19の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、5員〜12員のヘテロアリールであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第20の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第21の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、特に、特定の態様1、2または3との組合せでは、Xは、非置換−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、C〜C12シクロアルキルであり、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第22の特定の態様では、および任意の特定の態様1から21を包含する矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Rは、−C(O)−ORまたは−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−Rである。
この実施形態の第23の特定の態様では、および任意の特定の態様1から21を包含する矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Rは、−C(O)−N(Rまたは−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(Rである。
この実施形態の第24の特定の態様では、および任意の特定の態様1から21を包含する矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Rは、−S(O)−R、−S(O)−N(R、−S(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−O−Rおよび−(C〜Cアルキレン)−S(O)−N(R)から選択される。
この実施形態の第25の特定の態様では、および任意の特定の態様1から21を包含する矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Rは、−C(O)−Rまたは−(C〜Cアルキレン)−C(O)−Rである。
他の実施形態では、本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する
Figure 0004523073
[式中、
mは、1または2であり、nは、1または2であり、mが2である場合、nは、1であり、
Xは、結合であるか、または−O−および非置換−O−(C〜Cアルキレン)−からなる群から選択されるジラジカルであり、ジラジカルの各末端は、Rに、または式Iのアミノピリミジン環に結合していてよく、
は、フェニル、5員〜12員のヘテロアリールまたは3員〜12員のヘテロシクリルであり、
が、フェニルである場合、Rは、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−NHおよび−O−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)から選択される2〜5個の基でさらに置換されていて、Rの置換基の少なくとも1個は、ハロゲンではなく、
が、5員〜12員のヘテロアリールまたは3員〜12員のヘテロシクリルである場合、Rは、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−NHおよび−O−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)から選択される1〜5個の基でさらに置換されていてもよく、
は、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−Rおよび−(C〜Cアルキレン)−SO−Rからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(5員から12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)および−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
同じ窒素原子に結合している2個のRは、窒素原子と一緒に、3員〜12員のヘテロシクリルまたは5員〜12員のヘテロアリールを形成してもよく、前記3員〜12員のヘテロシクリルおよび前記5員〜12員のヘテロアリールは、C〜Cアルキル、−CN、−F、−Cl、−Br、−O−(C〜Cアルキル)およびC〜Cペルフルオロアルキルから選択される1〜5個の基によりさらに置換されていてもよく、
は、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立に、C〜Cアルキル、−CN、−F、−Cl、−Br、−O−(C〜Cアルキル)、C〜Cペルフルオロアルキル、−NH、−NH−(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)およびOHから選択される1〜5個の基によりさらに置換されていてもよく、
pは、0または1である]。
この実施形態の第1の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、1であり、nは、1である。
この実施形態の第2の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、1であり、nは、2である。
この実施形態の第3の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、mは、2であり、nは、1である。
この実施形態の第4の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Xは、結合である。
この実施形態の第5の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Xは、−O−または非置換−O−(C〜Cアルキレン)−のジラジカルである。
他の実施形態では、本発明は、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する
Figure 0004523073
[式中、
Xは、結合であるか、または−O−、−NH−、−S−、−(C〜Cアルキレン)−、−O−(C〜Cアルキレン)−、−NH−(C〜Cアルキレン)−、−S−(C〜Cアルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−OC(O)−NH−、−NH−C(O)−NH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)−O−および−S(O)−NH−からなる群から選択されるジラジカルであり、ジラジカルの各末端は、Rに、または式IIのアミノピリミジン環に結合していてもよく、
許される場合には、Xの窒素または炭素原子はそれぞれ、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−F、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)から選択される基によりさらに置換されていてもよく、tは、0または1であり、
は、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリール、C〜C12シクロアルキル、3員〜12員のヘテロシクリルおよびC〜C12不飽和非芳香族カルボシクリルからなる群から選択され、各Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、
は、−(C〜Cアルキレン)−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−N(Rおよび−(C〜Cアルキレン)−S(O)−O−Rからなる群から選択され、
は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(5員から12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)および−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、Rは、1〜5個のRでさらに置換されていてもよく、
同じ窒素原子に結合している2個のRは、窒素原子と一緒に、3員〜12員のヘテロシクリルまたは5員〜12員のヘテロアリールを形成してもよく、前記3員〜12員のヘテロシクリルおよび前記5員〜12員のヘテロアリールは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよく、
pは、それぞれ独立に、0または1であり、
は、それぞれ独立に、−オキソ−、−(C〜Cアルキレン)−、ハロゲン、−CN、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NHC(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−SO−N(C〜Cアルキル)からなる群から選択され、qは独立に、0または1であり、許される場合には、Rの炭素原子はそれぞれ、1〜3個のフッ素によりさらに置換されていてもよい]。
この実施形態の第1の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Xは、結合であるか、または−O−および非置換−O−(C〜Cアルキレン)−からなる群から選択されるジラジカルであり、Rは、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−O−(C〜Cアルキレン)−NHおよび−O−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキルからなる群から選択される。好ましくは、Xは、結合であり、Rは、フェニル、5員〜12員のヘテロアリールおよび3員〜12員のヘテロシクリルからなる群から選択され、Rは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよい。より好ましくは、Rは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよいフェニルである。
この実施形態の第2の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Xは、ジラジカル−O−(C〜Cアルキレン)−であり、Rは、フェニルまたは5員〜12員のヘテロアリールであり、Rは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよい。
この実施形態の第3の特定の態様では、および矛盾しない任意の他の特定の態様との組合せでは、Xは、ジラジカル−O−であり、Rは、1〜5個のRによりさらに置換されていてもよいフェニルである。
他の実施形態では、本発明は、式I、II、III、IV、VもしくはVIの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
他の実施形態では、本発明は、癌を治療するための医薬品の調製における式I、II、III、IV、VもしくはVIの化合物または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
他の実施形態では、本発明は、細胞を式I、II、III、IV、VもしくはVIの化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させることを含むHSP−90の活性を調節する方法を提供する。
本発明はまた、ヒトを包含する哺乳動物における異常な細胞増殖を治療する方法に関し、これは、前記哺乳動物に、異常な細胞増殖を治療するのに有効な量の前記で定義された通りの式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む。
この方法の一実施形態では、異常な細胞増殖は、これらに限られないが、中皮腫、肝胆道(肝管および胆管)、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭もしくは首の癌、皮膚もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)、乳癌、子宮癌、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頚部の癌、膣の癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟部組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、精巣癌、慢性もしくは急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓もしくは尿管の癌、腎細胞癌、腎臓骨盤の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞種、網膜芽細胞種または前記癌の1種または複数の組合せを包含する癌である。
前記方法の他の実施形態では、前記異常な細胞増殖は、これらに限られないが、乾癬、良性前立腺肥大症または再狭窄を包含する良性増殖性疾患である。
本発明の好ましい実施形態では、癌は、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、頭もしくは首の癌、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、乳癌、腎臓もしくは尿管の癌、腎細胞癌、腎臓骨盤の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍または前記癌の1種または複数の組合せから選択される。
本発明の他の好ましい実施形態では、癌は、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌または前記癌の1種または複数の組合せから選択される。本発明のより好ましい実施形態では、癌は、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、卵巣癌、結腸癌、直腸癌または前記癌の1種または複数の組合せから選択される。
前記方法の他の実施形態では、前記異常な細胞増殖は、これらに限られないが、乾癬、良性前立腺肥大症または再狭窄を包含する良性増殖性疾患である。
本発明はまた、異常な細胞増殖を治療するのに有効な量の前記で定義された通りの式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物ならびに薬学的に許容できる担体を含む、ヒトを包含する哺乳動物における異常な細胞増殖を治療するための医薬組成物に関する。前記の組成物の一実施形態では、前記異常な細胞増殖は、これらに限られないが、中皮腫、肝胆道(肝管および胆管)、原発性または続発性CNS腫瘍、原発性または続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭もしくは首の癌、皮膚もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)、乳癌、子宮癌、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頚部の癌、膣の癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟部組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、精巣癌、慢性もしくは急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓もしくは尿管の癌、腎細胞癌、腎臓骨盤の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞種、網膜芽細胞種または前記癌の1種または複数の組合せを包含する癌である。前記医薬組成物の他の実施形態では、前記異常な細胞増殖は、これらに限られないが、乾癬、良性前立腺肥大症または再狭窄を包含する良性増殖性疾患である。
本明細書で使用される場合、置換基の化学構造に組み込まれている場合の記号
Figure 0004523073
は、
Figure 0004523073
が結合している原子が他の分子上のいずれかの位置へのその置換基の結合点であることを意味している。例えば、仮定の分子CHCH−X中のXは、Xが
Figure 0004523073
であるように定義されうる。この場合、任意にナンバリングされた位置C−1に結合している
Figure 0004523073
の配置は、フェニル環のC−1がメチレン炭素に結合していることを意味している。
記号
Figure 0004523073
および
Figure 0004523073
が、別段のさらなる表示がなく単一の分子、例えば、化学名称または付随する記載で一緒に使用されている場合、適用可能ならば、トランスまたはシスの相対立体化学を単に示している。一緒にか、別々に使用される記号
Figure 0004523073
および記号
Figure 0004523073
は、絶対立体化学を示すそれらの表示と組み合わされて、例えば、対応する化学構造または付随する化学名称における「S」または「R」の表示と組み合わされて、対応するキラル中心の絶対立体化学を示している。
「脂肪族」は、完全に飽和しているか、または芳香族ではないが1個または複数の不飽和の単位を含有する直鎖、分枝鎖または環式C〜C12炭化水素を指している。脂肪族基の例には、直鎖、分枝鎖または環式アルキル、アルケニル、アルキニル基および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルなどのこれらのハイブリッドが包含される。脂肪族基は、1〜6個の置換基により置換されていてもよい。脂肪族基での適切な置換基には、3員〜12員のヘテロシクリル、C〜C10アリール、5員〜12員のヘテロアリール、ハロゲン、−NO、NH、NR、−CN、−COR、−COOR、−CONR、−OH、−OR、−OCOR、−SR、−SOR、−SOR、−SONR、−SONRが包含され、Rは、H、C〜C10アルキル、3員〜10員のヘテロシクリル、C〜C10アリール、5員〜12員のヘテロアリールである。
「C〜C12アルキル」は、1から12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を指している。C〜C12アルキル基は、少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい。C〜C12アルキルでの適切な置換基には、これらに限られないが、3員〜12員のヘテロシクリル、C〜C10アリール、5員〜12員のヘテロアリール、ハロゲン、−NO、−NR、−CN、−COR、−COOR、−CONR、−OH、−OR、−OCOR、−SR、−SOR、−SOR、−SONR、−SONRが包含され、Rは、それぞれ独立に、−H、C〜C10アルキル、3員〜12員のヘテロシクリル、C〜C10アリール、5員〜12員のヘテロアリールである。C〜C12アルキル基の例には、これらに限られないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオ−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが包含され、これらの置換形態を包含する。さらに、「アルキル」との用語は、1から20個の炭素原子または1から12個の炭素原子または1から8個の炭素原子または1から6個の炭素原子または1から4個の炭素原子の直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を指している。「低級アルキル」は特に、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を指している。アルキルは、置換されていてもよいし、非置換でもよい。アルキル基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。
「シクロアルキル」は、3から20個の炭素原子を有する環式飽和炭化水素基を指している。シクロアルキル基は、単環式でもよく、許される場合には、二環式または多環式でもよい。シクロアルキル基は、少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい。シクロアルキル基での適切な置換基は、アルキル基に関して記載されたものと同一である。シクロアルキル基の例には、これらに限られないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノボルニル、アダマンチルなどが包含され、これらの置換形態を包含する。
「非芳香族カルボシクリル」は、3員から12員のすべて炭素の単環式環基、すべて炭素の二環式または多環式環系基を指しており、ここで、1個または複数の環は、1個もしくは複数の二重結合または二環式もしくは多環式環系の一部としての芳香族環を含有してもよいが、単環式環、二環式または多環式環系は、完全に共役したpi−電子系を有さない。限定ではないが、非芳香族カルボシクリルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキサジエニル、アダマンタニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニルなどである。非芳香族カルボシクリルは、置換または非置換であってよい。典型的な置換基は、本明細書で定義される通りのアルキル基のものと同一である。非芳香族カルボシクリルの実例は、これらに限られないが、次に由来する:
Figure 0004523073
「不飽和非芳香族カルボシクリル」または「非芳香族不飽和カルボシクリル」は両方とも、少なくとも1個の炭素炭素二重結合もしくは1個の炭素炭素三重結合または二環式もしくは多環式環系の一部としての芳香族環を含有する本明細書で定義される通りの非芳香族カルボシクリルを指している。
「C〜C12アルケニル」は、2から12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素基を指している。C〜C12アルケニル基は、1個または複数の不飽和の点(即ち、1個または複数の炭素−炭素二重結合)を有してよい。C〜C12アルケニルが1個を超える炭素−炭素二重結合を有する場合、炭素−炭素二重結合は、共役または非共役であってよい。C〜C12アルケニル基は、少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい。C〜C12アルケニル基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。C〜C12アルケニルの例には、これらに限られないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソ−ブテニルなどが包含され、これらの置換形態を包含する。さらに、「アルケニル」との用語は、2から20個の炭素原子または2から12個の炭素原子または2から8個の炭素原子または2から6個の炭素原子または2から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素基を指している。アルケニル基は、1個または複数の不飽和の点(即ち、1個または複数の炭素−炭素二重結合)を有してもよい。アルケニル基が1個を超える炭素−炭素二重結合を有する場合、炭素−炭素二重結合は、共役または非共役であってよい。アルケニル基は、置換または非置換であってよい。アルケニル基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。
「アルコキシ」または「アルコキシル」は、−ORを指しており、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12シクロアルキルまたは(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)である。「C〜C12アルコキシ」または「C〜C12アルコキシル」は、本明細書で定義される通りのアルコキシ基を指しており、Rは、全部で1から12個の炭素原子を有する。
「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義される通りの少なくとも1個のアルコキシ基により置換されている本明細書で定義される通りのアルキルを指している。「C〜Cアルキルアルコキシ」は、アルキルおよびそのアルコキシ置換基の全炭素数が2から6であるアルキルアルコキシを指している。
「アルキルアミノ」は、RおよびRがそれぞれ独立に、H、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12シクロアルキル、(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)であり、ただし、RおよびRは、両方ともがHであることはない−NRを指している。「モノアルキルアミノ」は、RおよびRの一方がHである本明細書で定義される通りのアルキルアミノ基を指している。「ジアルキルアミノ」は、RおよびRがいずれもHではない本明細書で定義される通りのアルキルアミノ基を指している。「C1〜12アルキルアミノ」は、1から10個の炭素原子を含有するアルキルアミノ基を指している。
「C〜C12アルキニル」は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を指している。C〜C12アルキニルが1個を超える炭素−炭素二重結合を有する場合、炭素−炭素二重結合は、共役または非共役であってよい。C〜C12アルキニル基は、少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい。C〜C12アルキニル基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。C〜C12アルキニルの例には、これらに限られないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルなどが包含され、これらの置換形態を包含する。さらに、「アルキニル」との用語は、2から20個の炭素原子または2から12個の炭素原子または2から8個の炭素原子または2から6個の炭素原子または2から4個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素基を指している。アルキニルは、置換または非置換であってよい。アルキニル基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。
「アミノ」は、−NHを指している。
「C〜C10アリール」は、完全に共役したpi−電子系を有する6から10個の炭素原子からなるすべて炭素の単環式環または多環式環を指している。C〜C10アリール基は、少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい。C〜C10アリール基での適切な置換基は、C〜C12アルキル基に関して記載されたものと同一である。C〜C10アリールの例には、これらに限られないが、フェニルおよびナフチルが包含される。さらに、「アリール」との用語は、完全に共役したpi−電子系を有する6から20個の炭素原子からなるすべて炭素の単環式環または多環式環を指している。アリール基は、置換または非置換であってよい。アリールの例には、これらに限られないが、アントラセニル、フェナントレネイルおよびペリレニルが包含される。
「アラルキル」は、前記で定義される通りのC〜C10アリール基で置換されている本明細書で定義される通りのアルキルを指しており、例えば、−CHフェニル、−(CHフェニル、−(CHフェニル、CHCH(CH)CHフェニルなどおよびそれらの誘導体である。C〜Cアラルキルは、C〜C10アリール基で置換されているC〜Cアルキルを指している。
「ヘテロアラルキル」基は、5員〜12員のヘテロアリール基で置換されている本明細書で定義される通りのアルキルを意味し、例えば、−CHピリジニル、−(CHピリミジニル、−(CHイミダゾリルなどおよびこれらの誘導体である。C〜Cヘテロアラルキルは、5員〜12員のヘテロアリール基で置換されているC〜Cアルキルを指している。
「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCであり、加えて、完全に共役しているpi−電子系を有する5から12環原子の単環式または縮合環基を指している。非置換ヘテロアリール基の例は、これらに限られないが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、テトラゾール、トリアジンおよびカルバゾールである。ヘテロアリール基は、置換または非置換であってよい。典型的な置換基には、C1〜12脂肪族、3員〜10員のヘテロシクリル、6員〜10員のアリール、ハロゲン、−NO、NH、NR、−CN、−COR、−COOR、−CONR、−OH、−OR、−OCOR、−SR、−SOR、−SOR、−SONR、−SONRが包含され、Rは、C1〜10脂肪族、3員〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリール、5員〜10員のヘテロアリールである。
「薬学的に許容できるヘテロアリール」は、本発明の化合物に結合し、医薬組成物に製剤され、続いてそれを必要とする患者に投与するために十分に安定なものである。
典型的な単環式ヘテロアリール基の例には、これらに限られないが、
Figure 0004523073
が包含される。
二環式ヘテロアリール基の例には、これらに限られないが、
Figure 0004523073
Figure 0004523073
が包含される。
「複素脂環式」または「ヘテロシクリル」は、1から4個の環原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子である3から12個の環原子を有する単環式または多環式基を指している。「複素脂環式」または「ヘテロシクリル」はまた、1個または複数の二重結合を有してもよい。しかしながら、「複素脂環式」または「ヘテロシクリル」は、完全に共役しているpi−電子系を有さない。「複素脂環式」または「ヘテロシクリル」は、置換または非置換であってよい。典型的な置換基には、これらに限られないが、C〜C12脂肪族、6員〜10員のアリール、6員〜10員のアリール、ハロゲン、−NO、NH、NR、−CN、−COR、−COOR、−CONR、−OH、−OR、−OCOR、−SR、−SOR、−SORが包含され、Rは、C〜C10アルキル、3員から10員のヘテロシクリル、C〜C10アリール、5員〜10員のヘテロアリールである。
飽和ヘテロシクリル基の例には、これらに限られないが、
Figure 0004523073
が包含される。
部分不飽和ヘテロシクリル基の例には、これらに限られないが、
Figure 0004523073
が包含される。
「ジラジカル」は、2個の自由な価を有し、2個の他の基にさらに結合しているか、または、1個の基の同じ原子と二重結合を形成しているか、または1個の基の同じ原子と2個の単結合を形成している基を指している。ジラジカルの例は、これらに限られないが、−CH−、−O−、−O−CH−、−(C〜Cアルキレン)−NH−および−CH−CH−である。ジラジカルが、例えば、−O−CH−または−(C〜Cアルキレン)−NH−を指す場合、ジラジカルの各末端は、他の成分に等しく結合しうると理解される。例えば、Kが、A−L−Bと定義され、Lが、−O−CH−および−(C〜Cアルキレン)−から選択されるジラジカルである場合、したがってKは、A−O−CH−B、A−CH−O−BおよびA−(C〜Cアルキレン)−Bから選択されると理解される。この場合のAおよびBは、異なる有機成分を指している。
先行して定義された任意の用語の最後で、「イル」の後に「エン」が加えられて、新規の用語を形成している場合、この新規の用語は、新規の用語が由来する元の用語から1個の水素原子を除去することにより形成されるジラジカルを指している。例えば、アルキレンは、アルキル基から1個の水素原子を除去することにより形成されるジラジカル基を指していて、「メチレン」は、メチルから1個の水素原子を除去することに由来する二価基−CH−を指している。このようなジラジカルのさらなる例には、これらに限られないが、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、フェニレン、ヘテロシクリレン、ヘテロアリーレンおよび(非芳香族不飽和カルボシクリレン)が包含され、これらはそれぞれ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび(非芳香族不飽和カルボシクリル)に由来する。例えば、「シクロプロピレン」は、
Figure 0004523073
および
Figure 0004523073
の両方を指している。例えば、「C〜Cアルキレン」は、次:−CH−、−CH(CH)−および−CH−CH−のすべてを指している。
「オキソ」または「−オキソ−」は、酸素二重結合「=O」置換を指している。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は両方とも、−OHを指している。
「ペルフルオロアルキル」は、その水素原子がすべて、フッ素原子置換されているアルキル基を指している。
「任意選択の」または「〜されていてもよい(〜していてもよい)」は、次いで記載される事象または環境が、生じてもよいが、必要ではなく、記載が、その事象または環境が生じる場合と生じない場合を包含することを意味している。例えば、「アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクリル基」は、そのアルキルが、存在してもよいが必要ではなく、その記載が、ヘテロシクリル基がアルキル基で置換されている状況とヘテロシクリル基がアルキル基で置換されていない状況を包含することを意味している。
基が、いくつかの置換基によって「置換されていてもよい」または「さらに置換されていてもよい」場合、これは、この基の炭素または窒素原子であって、1個または複数の水素原子がその炭素または窒素原子に結合している場合に、このような炭素または窒素原子が、いくつかの他の置換基により置換されていてよいことを意味する。例えば、「Rは、H、C〜Cアルキルまたはフェニルであり、Rは、−F、オキソおよびC〜Cペルフルオロアルキルから選択される1〜3個の基によりさらに置換されていてもよい」は、Rが、1)H(RがHである場合、Rは、さらに置換され得ない);2)−F、オキソおよびC〜Cペルフルオロアルキルから選択される1〜3個の基によりさらに置換されていてもよいC〜Cアルキル;および3)−FおよびC〜Cペルフルオロアルキルから選択される1〜3個の基によりさらに置換されていてもよいフェニルであることを意味している。オキソの任意選択の置換は、Rがフェニルの場合には適用されず、これは、フェニル基の単一原子がいずれも、オキソ、即ち=O結合により置換される2個の水素原子を有さないためである。基が、「−(C〜Cアルキレン)−」によりさらに置換されている場合、これは、「−(C〜Cアルキレン)−」が、「C〜Cアルキレン」が結合している基の窒素原子または炭素原子と一緒に、カルボまたはヘテロスピロ環を形成していることを意味している。
「医薬組成物」は、1種または複数の本明細書に記載の化合物または生理学的/薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグと、生理学的/薬学的に許容できる担体および賦形剤などの他の化学的成分との混合物を指している。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
本明細書で使用される場合、「生理学的/薬学的に許容できる担体」は、生物に重大な刺激をもたらさず、投与される化合物の生物学的活性および特性を排除しない担体または希釈剤を指している。
「薬学的に許容できる賦形剤」は、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性物質を指している。これらに限られないが、賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびデンプンのタイプ、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールが包含される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる塩」との用語は、親化合物の生物学的有効性および特性を保持している塩を指している。このような塩には、
(1)親化合物の遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と、または酢酸、シュウ酸、(D)もしくは(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と反応させることにより得られる酸付加塩;または
(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンまたはアルミニウムイオンにより置換されるか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位すると形成される塩
が包含される。
「PK」は、受容体型タンパク質チロシンキナーゼ(RTK)、非受容体型または「細胞」チロシンキナーゼ(CTK)およびセリン−トレオニンキナーゼ(STK)を指している。
「変調(modulation)」または「変調する(modulating)」は、RTK、CTKおよびSTKの触媒活性の変更を指している。特に、変調する(modulating)は、RTK、CTKおよびSTKの触媒活性の活性化、好ましくは、RTK、CTKまたはSTKが曝露される化合物または塩の濃度に応じてのRTK、CTKおよびSTKの触媒活性の活性化または阻害、より好ましくは、RTK、CTKおよびSTKの触媒活性の阻害を指している。
「触媒活性」は、RTKおよび/もしくはCTKの直接的もしくは間接的な影響下でのチロシンのリン酸化またはSTKの直接的もしくは間接的な影響下でのセリンおよびトレオニンのリン酸化の速度を指している。
「接触」は、本教示の化合物がPKの触媒活性に直接的に、即ち、キナーゼ自体と相互作用することにより、または間接的に、即ち、キナーゼの触媒活性が依存している他の分子と相互作用することにより影響を及ぼしうるように、本教示の化合物およびターゲットのPKを一緒にすることを指している。このような「接触」は、「in vitro」、即ち試験管、ペトリ皿などで達成することができる。試験管では、接触は、化合物および該当するPKのみが関与してよいか、または細胞全体が関与してよい。細胞をまた、細胞培養皿で維持または増殖させ、その環境で化合物と接触させることもできる。このような状況では、より複雑な生きた生体を用いてin vivoで化合物を使用することを試みる前に、PK関連障害に影響を及ぼす特定の化合物の能力、即ち、化合物のIC50を決定することができる。生体外の細胞では、PKを化合物と接触させるための複数の方法が存在し、当業者に知られており、これらに限られないが、直接的な細胞顕微注射および多くの膜透過性担体技術が包含される。
「in vitro」は、例えば、限定ではないが、試験管または培地などの人工的な環境で行われる手順を指している。
「in vivo」は、限定ではないが、マウス、ラットまたはウサギなどの生きている生体内で行われる手順を指している。
「PK関連障害」、「PK駆動障害」および「異常なPK活性」はすべて、不適切な、即ち、過少か、より一般的には過剰なPK触媒活性により特徴づけられる状態を指しており、ここで、特定のPKは、RTK、CTKまたはSTKであってよい。不適切な触媒活性は、(1)PKを正常では発現しない細胞でのPK発現、(2)望ましくない細胞増殖、分化および/または成長をもたらす高いPK発現、または(3)細胞増殖、分化および/または成長の望ましくない低下をもたらす低いPK発現の結果として生じうる。PKの過剰活性は、特定のPKをコードする遺伝子の増幅か、細胞増殖、分化および/または成長障害に相関しうるPK活性レベルの産生(即ち、PKレベルが上昇するにつれて、細胞障害の1つまたは複数の症状の重症度が増大する)を指している。過少活性は勿論、その逆であり、PK活性レベルが低下するにつれて、細胞障害の1つまたは複数の症状の重症度が高まる。
「治療する」、「治療すること」および「治療」は、PK仲介細胞障害および/またはその付随症状を緩和または除去する方法を指している。特に癌に関しては、これらの用語は単に、癌に冒されている個人の期待寿命を延ばすか、疾患の1つまたは複数の症状を低減することを意味する。
「生体」は、少なくとも1個の細胞からなる任意の生きている実体を指している。生きている生体は、例えば、単一の真核細胞のように単純であるか、またはヒトを包含する哺乳動物のように複雑であってよい。
「治療有効量」は、治療される障害の1つまたは複数の症状をある程度まで軽減する投与化合物の量を指している。癌の治療では、治療有効量は、次の作用のうちの少なくとも1つを有する量を指す:
(1)腫瘍のサイズを低下させる、
(2)腫瘍転移を阻害する(即ち、ある程度遅くするか、好ましくは止める)、
(3)腫瘍成長をある程度阻害する(即ち、ある程度遅くするか、好ましくは止める)、
(4)癌に随伴する1つまたは複数の症状をある程度軽減する(または好ましくは除く)。
「監視」は、化合物と特定のPKを発現する細胞との接触の作用を観察または検出することを意味する。観察または検出される作用は、細胞表現型、PKの触媒活性の変化またはPKと天然結合対との相互作用の変化であってよい。このような作用を観察または検出する技術は、当分野でよく知られている。作用は、本発明の最終態様における細胞表現型の変化もしくは変化の不在、前記タンパク質キナーゼの触媒活性の変化もしくは変化の不在または前記タンパク質キナーゼと天然結合対との相互作用の変化もしくは変化の不在から選択される。
「細胞表現型」は、細胞もしくは組織の外観または細胞もしくは組織の生物学的機能を指している。限定ではないが、細胞表現型の例は、細胞サイズ、細胞成長、細胞増殖、細胞分化、細胞生存、アポトーシスならびに栄養素取り込みおよび使用である。このような表現型の特徴は、当分野でよく知られている技術により測定することができる。
「天然結合対」は、細胞において特定のPKに結合するポリペプチドを指している。天然結合対は、PK仲介シグナル伝達プロセスでのシグナルの伝播において役割を果たしうる。天然結合対とPKとの相互作用の変化は、PK/天然結合対複合体の高いか、低い濃度としてそれ自体表れることがあり、結果として、シグナル伝達を仲介するPKの能力の観察可能な変化で表れる。
「立体異性体」との用語は、同一の化学構造を有するが、空間におけるその原子または基の配置に関して異なる化合物を指している。特に、「鏡像異性体」との用語は、相互に重ね合わせることのできない鏡像である、化合物の2種の立体異性体を指している。本明細書で使用される場合、「ラセミ」または「ラセミ混合物」との用語は、特定の化合物の鏡像異性体の1:1混合物を指している。他方で、「ジアステレオ異性体」との用語は、2個以上の不斉中心を含み、相互に鏡像でない立体異性体対の関係を指している。
本発明の化合物、即ち、式Iの化合物、さらに式II、IIIおよびIVの化合物は、次の反応スキーム1、2および3に従い製造することができる。
Figure 0004523073
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スキーム1は、式Iの化合物を製造するために使用される中間体I(C)の合成を図示している。ベータケトエステルI(A)は、知られている手順を基に調製することができる(例えば、ViscontiniおよびBuhler Helvetica Chimica Acta、50(5):1289〜93;(1967年)、Rosowskyら、J.Heterocyclic Chem.、26:509〜16(1989年)参照)。窒素保護基であるPGを、後続の化学との相容性で選択することができる。保護基およびそれらを使用するための一般的な考察は、T.GreeneおよびP.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、1999年、John Wiley & Sonsに記載されていて、当業者によく知られている。化合物I(A)をグアニジンと縮合させると、化合物I(B)が得られる。これを典型的には、化合物I(A)をグアニジンまたはグアニジン同等物、プロトン性溶媒と共に加熱することにより行うことができる。典型的な反応条件は、化合物I(A)を炭酸グアンジジンと共に、溶媒としてのtert−ブタノール中で還流させることであろう。化合物I(B)のヒドロキシル基をクロロに変換すると、I(C)が得られる。これは典型的には、化合物I(B)をPOClと共に非プロトン性溶媒中で加熱することにより行うことができる。典型的な反応条件は、化合物I(B)を過剰のPOClと共に、そのままで、または溶媒としての無水アセトニトリル中で還流させることであろう。
スキーム2は、式Iの化合物を中間体I(C)から製造することができる経路を図示している。スキーム2では、化合物I(C)のクロロ脱離基を、R−X−基により置き換えると、化合物II(A)を得ることができる。この反応は典型的には、炭素、酸素、窒素、イオウまたは他の求核試薬などの様々な求核試薬を使用して、クロロ脱離基を置き換えることにより実施することができる。化合物I(C)を化合物II(A)に変換するための典型的な求核性置換反応は、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、溶媒としてDMFまたはDMSOを使用して、化合物I(C)を求核試薬で処理して、化合物II(A)を得ることであろう。別法では、化合物I(C)のクロロ脱離基をR−X−により置き換えて、化合物II(A)を得ることはまた、Suzuki、Stille、Negishiまたは同様の条件を利用するクロスカップリング方法を使用して実施することもできる。化合物I(C)を化合物II(A)に変換するための典型的なクロスカップリング反応は、炭酸ナトリウムなどの塩基およびPd(0)触媒の存在下、水および1,4−ジオキサンなどの溶媒混合物中で、化合物I(C)をボロン酸またはエステルで処理して、化合物II(A)を得ることであろう。化合物II(A)の窒素保護基PGを次いで除去すると、化合物II(B)が得られる。これは典型的には、PGがエチルカルバメート保護基を形成している場合には、化合物II(A)をトリメチルシリルヨージドと共に、CHCNなどの溶媒中で還流させることにより行うことができる。別法では、酢酸中のHBrまたはイソプロパノール中のKOHもまた使用することができる。化合物II(A)を化合物II(B)に変換する典型的な条件は、化合物II(A)をTMSI(5当量)で還流CHCN中で処理して、化合物II(B)を得ることであろう。次いで、化合物II(B)のジヒドロピロロアミノ成分は、求電子性R成分との反応において求核性試薬として作用して、化合物Iをもたらす。この求核性反応は、アルキル化、アシル化、スルホニル化および第2級アルキルアミンに適用可能な他の反応であってよい。化合物II(B)のアルキル化反応は、化合物II(B)をアルキル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なアルキル化反応条件は、TEAの存在下、室温で化合物II(B)をRアルキルブロミド成分と反応させて、N−アルキルとして化合物Iを得ることである。化合物II(B)のアシル化反応は、化合物II(B)をアシル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なアシル化反応条件は、化合物II(B)をR活性化エステル成分またはRアシルハライドと、TEAの存在下に反応させて、アミドとして化合物Iを得ることである。他の典型的なアシル化反応条件は、化合物II(B)をRイソシアネートまたはイソシアネート同等物成分と、TEAの存在下に反応させて、尿素として化合物Iを得ることである。化合物II(B)のスルホニル化反応は、化合物II(B)をスルホニル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なスルホニル化反応条件は、化合物II(B)をRスルホニルクロリド成分と、TEAの存在下に反応させて、スルホンアミドとして化合物Iを得ることである。
尿素として化合物Iを調製する他の方法は、PGがエチルカルバメート保護基を形成する場合、化合物II(A)を取り、化合物II(A)を化合物Iに直接変換する。この反応は典型的には、トリメチルアルミニウムの存在下、トルエンなどの溶媒中で、求核性アミンを使用して実施することができる。典型的な条件は、求核性アミンをトルエン中、0℃で、トリメチルアルミニウムのヘキサン溶液で処理することである。室温に加温した後に、化合物II(A)を加え、混合物をマイクロ波照射下に加熱して、化合物Iを調製する。
スキーム3は、式Iの化合物を中間体I(C)から製造することができる他の経路を図示している。スキーム3では、PGがエチルカルバメート保護基を形成している場合、化合物I(C)の保護基PGを、クロロからヨードへの同時変換と共に1ステップで除去する。これは典型的には、化合物I(C)をTMSIと共に非プロトン性溶媒中で加熱することにより実施することができる。典型的な反応条件は、化合物I(C)をCHCN中で、5当量のTMSIと共に還流させることである。メタノールクエンチの後に、化合物III(A)が、HI塩として得られる。次いで、化合物III(A)のジヒドロピロロアミノ成分は、求電子性R成分との反応で求核性試薬として作用して、化合物III(B)をもたらす。この求核性反応は、アルキル化、アシル化、スルホニル化および第2級アルキルアミンに適用可能な他の反応であってよい。化合物III(A)のアルキル化反応は、化合物III(A)をアルキル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なアルキル化反応条件は、TEAの存在下、室温で化合物III(A)をRアルキルブロミド成分と反応させて、N−アルキルとして化合物III(B)を得ることである。化合物III(A)のアシル化反応は、化合物III(A)をアシル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なアシル化反応条件は、化合物III(A)をR活性化エステル成分またはRアシルハライドと、TEAの存在下に反応させて、アミドとして化合物III(B)を得ることである。他の典型的なアシル化反応条件は、化合物III(A)をRイソシアネートまたはイソシアネート同等物成分と、TEAの存在下に反応させて、尿素として化合物III(B)を得ることである。化合物III(A)のスルホニル化反応は、化合物III(A)をスルホニル化R成分と反応させることにより実施することができる。典型的なスルホニル化反応条件は、III(A)をRスルホニルクロリド成分と、TEAの存在下に0℃で反応させて、スルホンアミドとして化合物III(B)を得ることである。次いで、化合物III(B)のヨード基をR−X−に、クロスカップリング方法を使用して置き換えて、化合物Iを得る。この反応は典型的に、Suzuki、Stille、Negishiまたは同様の条件を使用して実施することができる。化合物III(B)を化合物Iに変換するための典型的なクロスカップリング反応は、炭酸ナトリウムなどの塩基およびPd(0)触媒の存在下、水および1,4−ジオキサンなどの溶媒混合物中で、化合物III(B)をボロン酸またはエステルで処理して、化合物Iを得ることであろう。
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有することがある。本発明の化合物の炭素−炭素結合は本明細書では、実線:
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中実くさび:
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または破線くさび:
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を使用して示されていることがある。不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、その炭素原子での可能な立体異性体(例えば、個々の鏡像異性体、ラセミ混合物など)のすべてが包含されることを示すこととする。不斉炭素原子への結合を示すための中実または破線くさびの使用は、示されている立体異性体のみが包含されることを意味することを示すこととする。本発明の化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有しうることも可能である。これらの化合物では、不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、可能な立体異性体のすべてが包含されることを意味することを示すこととする。例えば、別段に述べられていない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体として、またはラセミ体およびそれらの混合物として存在しうることが意図されている。本発明の化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合を示すための中実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を示すための中実または破線くさびの使用は、ジアステレオ異性体の混合物が存在することを示すこととする。
個々の鏡像異性体を調製/単離するための慣用の技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用してのラセミ体の分割が含まれる。別法では、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を適切な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または化合物が酸性または塩基性部分を含有する場合には、酒石酸または1−フェニルエチルアミンなどの酸または塩基と反応させることができる。生じたジアステレオ異性体の混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化により分離し、そのジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段により対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを、不斉樹脂上、炭化水素、典型的にはイソプロパノール0から50%、典型的には2から20%およびアルキルアミン0から5%、典型的にはジエチルアミン0.1%を含有するヘプタンまたはヘキサンからなる移動相と共に使用して、本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)を鏡像異性的に濃縮された形態で得ることもできる。溶離液を濃縮すると、濃縮混合物が得られる。立体異性凝集混合物は、当業者に知られている慣用の技術により分離することができる。例えば、その開示全体が、参照により本明細書に援用されるE.L.Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994年)参照。
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。シス/トランス異性体を、当業者によく知られている慣用の技術、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶化により分離することができる。構造異性体が低エネルギー障壁を介して互換性である場合、互変異性(「tautomerism」)が起こりうる。これは、例えば、イミノ、ケトまたはオキシム基を含有する本発明の化合物におけるプロトン互変異性または芳香族成分を含有する化合物におけるいわゆる原子価互変異性の形態を取りうる。したがって、単一化合物が、1種を超える異性を示すこともある。1種を超える異性を示す化合物およびそれらの1種または複数の混合物を包含する、本発明の化合物の立体異性体、幾何異性体および互変異性形態すべてが、本発明の範囲内に包含される。
本発明の塩は、当業者に知られている方法に従い調製することができる。塩の例には、これらに限られないが、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩およびメトキシ安息香酸塩など)、重炭酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン−1,4−ジオ酸塩(dioate)、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、ジヒドロ塩化物、二水素リン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプ酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン−1,6−ジオ酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオ酸塩(lactobionate)、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタン−スルホン酸塩、メチル硫酸塩、一水素リン酸塩、ムコ酸塩(mucate)、ナプシル酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩、embonate)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩(propiolate)、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオドーデ(triethiodode)および吉草酸塩が包含される。
もともと塩基性である本発明の化合物は、様々な無機および有機酸と共に幅広い様々な塩を形成しうる。このような塩は、動物に投与するためには薬学的に許容できなければならないが、実際には、反応混合物から本発明の化合物を薬学的に許容できない塩として初めは単離し、次いで、これを、アルカリ試薬で処理することにより遊離塩基化合物へ単純に戻し変換し、続いて、この遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが往々にして望ましい。水性溶媒媒体中、またはメタノールもしくはエタノールなどの適切な有機溶媒中で、塩基化合物を実質的に当量の選択された無機酸または有機酸で処理することにより、本発明の塩基化合物の酸付加塩を調製することができる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。また、適切な無機酸または有機酸を溶液に加えることにより、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、所望の酸塩を沈澱させることもできる。
もともと酸性である本発明の化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成しうる。このような塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウムおよびカリウム塩が包含される。これらの塩はすべて、慣用の技術により調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用される化学塩基は、本発明の酸性化合物と非毒性の塩基塩を形成するものである。このような非毒性塩基塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどの薬学的に許容できるカチオンに由来するものが包含される。任意の適切な方法により、例えば、遊離酸を、アミン(第1級、第2級もしくは第3級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物などの無機または有機塩基で処理することにより、これらの塩を調製することができる。適切な塩の例示的な例には、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第1級、第2級および第3級アミンならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環式アミンに由来する有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が包含される。また、対応する酸性化合物を所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、生じた溶液を乾燥するまで、好ましくは減圧下に蒸発させることにより、これらの塩を調製することができる。別法では、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、前記と同様の方法で生じた溶液を乾燥するまで蒸発させることにより、これらを調製することもできる。いずれの場合も、化学量論量の試薬を好ましくは使用して、反応の完了および所望の最終生成物の最大収率を確実にする。
本発明の化合物が塩基である場合、当分野で利用可能な任意の適切な方法により、例えば、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で、または酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸などのアルファ−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸もしくはケイ皮酸などの芳香族酸、p−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などのスルホン酸などの有機酸で処理することにより、所望の薬学的に許容できる塩を調製することができる。
化合物が固体である場合には、本発明の化合物および塩は、様々な結晶もしくは多形形態で、または非晶質形態で存在してよく、これらはすべて、本発明の範囲内であることが意図されていることは、当業者には理解されるであろう。
本発明はまた、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、自然に通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換えられている、同位体標識された本発明の化合物を包含する。本発明の化合物中に包含されるために適している同位体の例には、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリンならびに35Sなどのイオウの同位体が包含される。ある種の同位体標識された本発明の化合物、例えば、放射性同位体を導入されたものは、薬物および/または基質組織分布研究で有用である。放射性同位体のトリチウム、Hおよび炭素−14、14Cは、導入の容易さおよび検出の迅速な手段である点において、この目的のために特に有用である。ジュウテリウム、Hなどの重同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば高いin vivo半減期または低い用量要求から生じるある種の治療的利点をもたらしうるので、場合によっては好ましいことがある。11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影法(PET)検査において有用でありうる。
当業者に知られている慣用の技術により、または他で使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する本明細書に記載のプロセスと同様のプロセスにより、同位体標識された本発明の化合物を通常は調製することができる。
本発明の化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態の両方で存在しうる。「溶媒和物」との用語は本明細書では、本発明の化合物および1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子の量を含む分子複合体を記載するために使用されている。「水和物」との用語は、前記溶媒が水である場合に使用される。溶媒和物形態の例には、これらに限られないが、本発明の化合物と水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミンまたはこれらの混合物との組合せが包含される。本発明では、水和物など、1個の溶媒分子が、本発明の化合物の1個の分子に結合しうることが特に考えられる。
さらに、本発明では、二水和物など、1個を超える溶媒分子が、本発明の化合物の1個の分子に結合しうることが特に考えられる。加えて、本発明では、半水和物などの、1個未満の溶媒分子が、本発明の化合物の1個の分子に結合しうることが特に考えられる。さらに、本発明の溶媒和物は、化合物の非水和物形態の生物学的有効性を保持している、本発明の化合物の溶媒和物と考えられる。
また、本明細書に記載されている化合物のプロドラッグも、本発明の範囲内である。したがって、それ自体は薬理活性をほとんど有さないか、有さなくてよい本発明の化合物のある種の誘導体は、体内または体上に投与されると、例えば、加水分解的切断により変換されて、所望の活性を有する本発明の化合物になりうる。このような誘導体が、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)で見ることができる。例えば、本発明の化合物中に存在する適切な官能基を、例えばH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されている通りに、当業者に「プロ部分」として知られているある種の部分に置き換えることにより、本発明によるプロドラッグを製造することができる。
本発明でのプロドラッグのいくつかの例には、
(i)本発明の化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含有する場合、化合物のカルボン酸官能基の水素が(C〜C)アルキルに置き換えられて、対応するエステルを形成しているプロドラッグ化合物、
(ii)本発明の化合物がアルコール官能基(−OH)を含有する場合、化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルに置き換えられて、対応するエーテルを形成しているプロドラッグ化合物、
(iii)本発明の化合物が第1級または第2級アミノ官能基(−NHまたは−NHR(RはHではない))を含有する場合、場合によって、化合物Iのアミノ官能基の一方または両方の水素が(C〜C10)アルカノイルに置き換えられて、対応するアミドを形成しているプロドラッグ化合物
が包含される。
前記の例による代替基のさらなる例および他のプロドラッグタイプの例は、前記の参照文献に見ることができる。さらに、ある種の本発明の化合物はそれ自体、他の本発明の化合物のプロドラッグとして作用する。
また、本発明の化合物の代謝産物、即ち、薬物が投与されるとインビボで形成される化合物も、本発明の範囲内に包含される。本発明による代謝産物のいくつかの例には:
(i)本発明の化合物がメチル基を含有する場合、そのヒドロキシメチル誘導体(例えば、−CH→−CHOH)、
(ii)本発明の化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(例えば、−OR→−OH)、
(iii)本発明の化合物が第3級アミノ基を含有する場合、その第2級アミノ誘導体(例えば、−NR→−NHRまたは−NHR)、
(iv)本発明の化合物が第2級アミノ基を含有する場合、その第1級誘導体(例えば、−NHR→−NH)、
(v)本発明の化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(例えば、−Ph→−PhOH)および
(vi)本発明の化合物がアミド基を含有する場合、そのカルボン酸誘導体(例えば、−CONH→COOH)
が包含される。
薬学的使用を意図されている本発明の化合物は、結晶もしくは非晶質生成物またはその混合物として投与することができる。これらは、例えば、固体プラグ、粉末またはフィルムとして、沈澱、結晶化、凍結乾燥または噴霧乾燥、蒸発乾燥などの方法により得ることができる。マイクロ波または高周波乾燥を、この目的のために使用することもできる。
化合物は、単独で、または1種もしくは複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種もしくは複数の他の薬物と組み合わせて(またはその任意の組合せとして)投与することができる。通常、これらは、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と共に製剤として投与される。「賦形剤」との用語は本明細書では、1種または複数の本発明の化合物以外の任意の成分を記載するために使用されている。賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解性および安定性に対する賦形剤の作用ならびに投与形態の性質などの要因に大きく左右される。
本発明の化合物を送達するために適切な医薬組成物およびその調製方法は、当業者には容易に分かるであろう。このような組成物およびその調製方法は、例えば、その開示全体が参照により本明細書に援用される「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995年)に見ることができる。
経口投与
本発明の化合物は、経口で投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を伴ってよいか、または化合物が口から直接、血流に入る頬もしくは舌下投与を使用することができる。
経口投与に適している製剤には、錠剤などの固体製剤、粒子、液体または粉末を含有するカプセル、ロゼンジ(液体充填を包含)、チューイング剤、多成分およびナノ粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜接着剤を包含)、卵形剤(ovule)、スプレーならびに液体製剤が包含される。
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップおよびエリキシルが包含される。このような製剤を、軟質または硬質カプセル中の充填剤として使用することもでき、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切なオイルならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を包含する。液体製剤はまた、固体、例えばサシェからの再構成により調製することもできる。
本発明の化合物はまた、その開示全体が、参照により本明細書に援用されるLiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001年)に記載されているものなどの急速溶解、急速分解投与形態で使用することができる。
錠剤投与形態では、用量に応じて、薬物は、投与形態の1重量%から80重量%、より典型的には投与形態の5重量%から60重量%を構成していてよい。薬物の他に、錠剤は通常、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが包含される。通常、崩壊剤は、投与形態の1重量%から25重量%、好ましくは5重量%から20重量%を構成している。
通常は結合剤を使用して、錠剤製剤に粘着性を付与する。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが包含される。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してもよい。
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を包含してよい。存在する場合には、界面活性剤は典型的には、錠剤の0.2重量%から5重量%の量であり、流動促進剤は典型的には、錠剤の0.2重量%から1重量%の量である。
また、錠剤は通常、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑剤を含有する。滑剤は通常、錠剤の0.25重量%から10重量%、好ましくは0.5重量%から3重量%の量である。
他の慣用の成分には、抗酸化剤、着色剤、香料、防腐剤および矯味剤が包含される。
錠剤例は、薬物約80%まで、結合剤約10重量%から約90重量%、希釈剤約0重量%から約85重量%、崩壊剤約2重量%から約10重量%および滑剤約0.25重量%から約10重量%を含有する。
錠剤ブレンドを、直接か、またはローラーにより圧縮して、錠剤を形成することができる。別法では、錠剤ブレンドまたは一部のブレンドを湿潤、乾燥または溶融顆粒化するか、溶融凝固させるか、または押し出し、その後に錠剤化することができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を包含してよく、コーティングされているか、もしくはコーティングされていないか、またはカプセル封入されていてよい。
錠剤の製剤は、その開示全体が、参照により本明細書に援用されるH.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」(Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980年(ISBN0−8247−6918−X))で詳細に検討されている。
経口投与のための固体製剤を、即時および/または変更放出であるように製剤することもできる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。
適切な変更放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液および浸透性コーティングされた粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、VermaらによるPharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001年)に見ることができる。調節放出を達成するためにチューインガムを使用することは、WO00/35298に記載されている。これらの参照文献の開示は、その全体が、参照により本明細書に援用される。
非経口投与
本発明の化合物はまた、血流、筋肉または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適している手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、心室内、尿管内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が包含される。非経口投与のための適切なデバイスには、針(微細針を包含する)注射器、無針注射器および点滴技術が包含される。
非経口製剤は典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH3から9に)などの賦形剤を含有してもよい水溶液であるが、いくつかの用途では、これらをより適切に、無菌非水溶液として、または無菌の発熱物質不含水などの適切な媒体と共に使用される乾燥形態として製剤することができる。
例えば、凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的な製薬技術を使用して容易に達成することができる。
非経口溶液を調製する際に使用される本発明の化合物の溶解性は、溶解性増強剤を導入するなどの適切な製剤技術を使用することにより高めることができる。
非経口投与のための製剤は、即時および/または変更放出であるように製剤することができる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。本発明の化合物を、活性化合物の変更放出をもたらす移植デポーとして投与するための固体、半固体またはチキソトロピー液として製剤することもできる。このような製剤の例には、薬物コーティングされたステントおよびPGLA微小球が包含される。
局所投与
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、即ち、皮膚で、または経皮で投与することもできる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ、ウェハ、インプラント、スポンジ、繊維、帯具およびマイクロエマルションが包含される。リポソームもまた、使用することができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが包含される。透過増強剤を導入することもできる。例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)参照。局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、音泳動法および微細針または無針(例えばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が包含される。これらの参照文献の開示は、その全体が、参照により本明細書に援用される。
局所投与のための製剤は、即時および/または変更放出であるように製剤することができる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。
吸入/鼻腔内投与
本発明の化合物はまた、鼻腔内または吸入により、典型的には乾燥粉末の形態(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドで、または混合成分粒子として、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合して)で、乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾルスプレーとして、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、微細な霧を生じさせるために電気流体力学を使用する噴霧器)またはネブライザから、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用して、または使用せずに投与することができる。鼻腔内使用では、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを包含してもよい。
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザは、例えば、エタノール、エタノール水溶液または活性剤の分散、可溶化もしくはその放出の延長のために適している別の薬剤、溶媒としての噴射剤およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末または懸濁液製剤で使用する前に、薬物生成物を、吸入により送達するために適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)まで超微粉砕する。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を形成するための臨界液体処理、高圧均一化または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法により達成することができる。
吸入器または注入器で使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)、ブリスターおよびカートリッジを、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤およびl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムなどの性能改良剤の粉末混合物を含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水であってよいか、または一水和物の形態であってよいが、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが包含される。
微細な霧を発生させるために電気流体力学を使用する噴霧器で使用するために適切な溶液製剤は、動作1回当たり本発明の化合物1μgから20mgを含有してよく、その動作体積は、1μLから100μLまで変動してよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを包含する。プロピレングリコールの代わりに使用することができる別の溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが包含される。
メントールおよびレボメントールなどの適切な香料またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を、吸入/鼻腔内投与を意図されている本発明の製剤に加えることができる。
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えば、ポリ(DL−乳酸−コグリコール(coglycolic)酸)(PGLA)を使用して、即時および/または変更放出であるように製剤することができる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合には、投与単位は、計測量を送達するバルブ手段により決定される。本発明による単位は典型的には、所望の量の本発明の化合物を含有する計測量または「パフ」を投与するように設計される。全1日用量を単回用量で、またはより通常は、1日を通して複数回に分けた用量で投与することができる。
直腸/膣内投与
本発明の化合物は、直腸または膣で、例えば、坐剤、ペッサリまたは浣腸剤の形態で投与することができる。カカオバターは、慣用的な坐剤基剤であるが、様々な代替物を適切に使用することもできる。
直腸/膣投与のための製剤を、即時および/または変更放出であるように製剤することもできる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出およびプログラム放出が包含される。
眼投与
また、本発明の化合物は、目または耳に、典型的には、等張性pH調節無菌食塩水中の超微粉砕された懸濁液または溶液の液滴の形態で直接投与することもできる。眼および耳投与に適している他の製剤には、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウェハ、レンズならびに粒子またはニオソームもしくはリポソームなどの小胞系が包含される。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロースまたはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランゴムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と共に導入することができる。このような製剤をまた、イオン泳動法により送達することができる。
眼/耳投与のための製剤は、即時および/または変更放出であるように製剤することができる。変更放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、調節放出、ターゲット放出またはプログラム放出が包含される。
他の技術
前記の投与様式のいずれかで使用するために、本発明の化合物を、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体などの溶解性高分子成分またはポリエチレングリコール−含有ポリマーと組み合わせて、その溶解性、溶解速度、矯味、生物学的利用率および/または安定性を改良することもできる。
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は通常、多くの投与形態および投与経路に有用であることが判明している。包接複合体と非包接複合体の両方を使用することができる。薬物との直接的な複合体化の代わりに、シクロデキストリンを補助的添加剤、即ち、担体、希釈剤または可溶化剤として使用することもできる。これらの目的のために最も一般的に使用されるのは、アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンであり、この例は、その開示全体が、参照により本明細書に援用される国際公開WO91/11172、WO94/02518およびWO98/55148に見ることができる。
投与される活性化合物の量は、治療される対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の素質および処方する医師の裁量に左右される。しかしながら、有効用量は典型的に、単回または分割用量で、体重1kg当たり1日当たり約0.001から約100mg、好ましくは約0.01から約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトでは、これは、約0.07から約7000mg/日、好ましくは約0.7から約2500mg/日になる。場合によっては、前記の範囲の下限未満の用量レベルが、より適切であることもあるし、他の場合では、有害な副作用を誘発することなく、さらに多い用量を使用することもできるが、ただし、このようなさらに多い用量は典型的に、投与のために1日を通して複数のより小さな用量に分割される。
本発明はまた、哺乳動物における異常な細胞増殖を治療する方法に関し、これは、前記哺乳動物に、異常な細胞増殖を治療するのに有効な量の本発明の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を、有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーション抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗体、細胞毒、抗ホルモンおよび抗アンドロゲンからなる群から選択される抗腫瘍剤と組み合わせて投与することを含む。
本発明の一実施形態では、本明細書に記載の本発明の化合物および医薬組成物と組み合わせて使用される抗腫瘍剤は、抗血管形成剤、キナーゼ阻害剤、panキナーゼ阻害剤または成長因子阻害剤である。好ましいpanキナーゼ阻害剤には、米国特許第6,573,293号明細書(Pfizer,Inc、NY、USA)に記載されているSutent(登録商標)(スニチニブ)が包含される。抗血管形成剤には、これらに限られないが、EGF阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、TIE2阻害剤、IGF1R阻害剤、COX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)阻害剤およびMMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ9)阻害剤などの薬剤が包含される。
好ましいVEGF阻害剤には例えば、Genentech,Inc.(South San Francisco、California所在)のAvastin(ベバシズマブ)、抗VEGFモノクローナル抗体が包含される。追加のVEGF阻害剤には、CP−547632(Pfizer Inc.、NY、USA)、AG13736(Pfizer Inc.)、ZD−6474(AstraZeneca)、AEE788(Novartis)、AZD−2171、VEGF Trap(Regeneron/Aventis)、Vatalanib(PTK−787、ZK−222584としても知られている:Novartis & Schering AG)、Macugen(ペガプタニブオクタナトリウム、NX−1838、EYE−001、Pfizer Inc./Gilead/Eyetech)、IM862(Cytran Inc.、Kirkland、Washington、USA所在)およびアンギオザイム、Ribozyme(Boulder、Colorado)およびChiron(Emeryville、California)からの合成リボザイムならびにこれらの組合せが包含される。
本発明を実施する際に有用なVEGF阻害剤は、米国特許第6,534,524号および同第6,235,764号に記載されており、これらは両方とも、あらゆる目的のためにその全体が援用される。追加のVEGF阻害剤は例えば、WO99/24440、WO95/21613、WO99/61422、米国特許第5,834,504号、WO98/50356、米国特許第5,883,113号、米国特許第5,886,020号、米国特許第5,792,783号、米国特許第6,653,308号、WO99/10349、WO97/32856、WO97/22596、WO98/54093、WO98/02438、WO99/16755およびWO98/02437に記載されており、これらはすべて、その全体が参照により、本明細書に援用される。
他の抗血管形成化合物には、アシトレチン、フェンレチニド、サリドマイド、ゾレドロン酸、アンギオスタチン、アプリジン、シレングチド(cilengtide)、コンブレタスタチンA−4、エンドスタチン、ハロフギノン、レビマスタット(rebimastat)、レモバブ(removab)、レブリミド、スクアラミン、ウクライン、ビタキシンおよびこれらの組合せが包含される。
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる他の抗増殖剤には、酵素ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤および受容体チロシンキナーゼPDGFrの阻害剤が包含され、これには、米国特許第6,080,769号、米国特許第6,194,438号、米国特許第6,258,824号、米国特許第6,586,447号、米国特許第6,071,935号、米国特許第6,495,564号および米国特許第6,150,377号、米国特許第6,596,735号、米国特許第6,479,513号、WO01/40217、米国特許出願公開第2003−0166675号に開示および請求されている化合物が包含される。前記の特許および特許出願はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に援用される。
PDGRr阻害剤には、これらに限られないが、その内容全体があらゆる目的のために援用される国際特許出願公開WO01/40217およびWO2004/020431に開示されているものが包含される。好ましいPDGFRr阻害剤には、PfizerのCP−673,451およびCP−868,596ならびにその塩が包含される。
好ましいGARF阻害剤には、PfizerのAG−2037(ペリトレキソール(pelitrexol)およびその塩)が包含される。本発明を実施する際に有用なGARF阻害剤は、あらゆる目的のためにその全体が援用される米国特許第5,608,082号に開示されている。
本明細書に開示されている式(I)の化合物および医薬組成物と組み合わせて使用することができる有用なCOX−II阻害剤の例には、CELEBREX(商標)(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(Lumiracoxib)、BMS347070、RS57067、NS−398、Bextra(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125およびArcoxia(エトリコキシブ)が包含される。加えて、COX−II阻害剤は、米国特許出願公開第2005−0148627号および米国特許出願公開2005−0148777号に開示されており、これらの内容は、あらゆる目的のためにその全体が援用される。
特定の実施形態では、抗腫瘍剤は、セレコキシブ(米国特許第5,466,823号)、バルデコキシブ(米国特許第5,633,272号)、パレコキシブ(米国特許第5,932,598号)、デラコキシブ(米国特許第5,521,207号)、SD−8381(米国特許第6,034,256号、実施例175)、ABT−963(WO2002/24719)、ロフェコキシブ(CAS No.162011−90−7)、WO1998/03484に開示されている通りのMK−663(またはエトリコキシブ)、WO1999/11605に開示されている通りのCOX−189(Lumiracoxib)、BMS−347070(米国特許第6,180,651号)、NS−398(CAS123653−11−2)、RS57067(CAS17932−91−3)、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロールまたはメロキシカムである。
本明細書に開示されている本発明の化合物および医薬組成物と組み合わせて使用される抗腫瘍剤としての有用な他の阻害剤には、プロスタグランジンを産生する酵素(シクロオキシゲナーゼIおよびII)を阻害して、低レベルのプロスタグランジンをもたらすアスピリンおよび非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が包含され、これらには、次のものに限られないが、Salsalate(Amigesic)、Diflunisal(Dolobid)、Ibuprofen(Motrin)、Ketoprofen(Orudis)、Nabumetone(Relafen)、Piroxicam(Feldene)、Naproxen(Aleve、Naprosyn)、Diclofenac(Voltaren)、Indomethacin(Indocin)、Sulindac(Clinoril)、Tolmetin(Tolectin)、Etodolac(Lodine)、Ketorolac(Toradol)、Oxaprozin(Daypro)およびこれらの組合せが包含される。
好ましいCOX−I阻害剤には、イブプロフェン(Motrin)、ヌプリン(nuprin)、ナプロキセン(Aleve)、インドメタシン(Indocin)、ナブメトン(Relafen)およびこれらの組合せが包含される。
本明細書に開示されている本発明の化合物および医薬組成物と組み合わせて使用されるターゲット薬剤には、Iressa(ゲフィチニブ、AstraZeneca)、Tarceva(エルロチニブまたはOSI−774、OSI Pharmaceuticals Inc.)、Erbitux(セツキシマブ、Imclone Pharmaceuticals,Inc.)、EMD−7200(Merck AG)、ABX−EGF(Amgen Inc.およびAbgenix Inc.)、HR3(Cuban Government)、IgA抗体(Erlangen−Nuremberg大学)、TP−38(IVAX)、EGFR融合タンパク質、EGF−ワクチン、抗EGFr免疫リポソーム(Hermes Biosciences Inc.)およびこれらの組合せなどのEGFr阻害剤が包含される。好ましいEGFr阻害剤には、Iressa、Erbitux、Tarcevaおよびこれらの組合せが包含される。
他の抗腫瘍剤には、CP−724,714(Pfizer Inc.)、CI−1033(カネルチニブ(canertinib)、Pfizer Inc.)、Herceptin(トラスツズマブ、Genentec Inc.)、Omitarg(2C4、ペルツズマブ、Genentec Inc.)、TAK−165(タケダ)、GW−572016(Ionafarnib、GlaxoSmithKline)、GW−282974(GlaxoSmithKline)、EKB−569(Wyeth)、PKI−166(Novartis)、dHER2(HER2ワクチン、CorixaおよびGlaxoSmithKline)、APC8024(HER2ワクチン、Dendreon)、抗HER2/neu 両特異性抗体(Decof Cancer Center)、B7.her2.IgG3(Agensys)、AS HER2(Research Institute for Rad Biology & Medicine)、三官能性両特異性抗体(Munich大学)およびmAB AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc)およびmAB 2B−1(Chiron)ならびにこれらの組合せなどのpan erb受容体阻害剤またはErbB2受容体阻害剤から選択されるものが包含される。
好ましいerb選択的抗腫瘍剤には、Herceptin、TAK−165、CP−724,714、ABX−EGF、HER3およびこれらの組合せが包含される。好ましいpan erbb受容体阻害剤には、GW572016、CI−1033、EKB−569およびOmitargならびにこれらの組合せが包含される。
追加のerbB2阻害剤には、WO98/02434、WO99/35146、WO99/35132、WO98/02437、WO97/13760、WO95/19970、米国特許第5,587,458号および米国特許第5,877,305号に開示されているものが包含され、これらはそれぞれ、その全体が参照により援用される。本発明で有用なErbB2受容体阻害剤がまた、米国特許第6,465,449号および同第6,284,764号ならびにWO2001/98277に開示されており、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に援用される。
加えて、他の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することもできる:BAY−43−9006(Onyx Pharmaceuticals Inc.)、Genasense(オウグメロセン(augmerosen)、Genta)、Panitumumab(Abgenix/Amgen)、Zevalin(Schering)、Bexxar(Corixa/GlaxoSmithKline)、Abarelix、Alimta、EPO906(Novartis)、ディスコデルモリド(XAA−296)、ABT−510(Abbott)、Neovastat(Aeterna)、エンザスタウリン(Eli Lilly)、Combrestatin A4P(Oxigene)、ZD−6126(AstraZeneca)、フラボピリドール(Aventis)、CYC−202(Cyclacel)、AVE−8062(Aventis)、DMXAA(Roche/Antisoma)、Thymitaq(Eximias)、Temodar(テモゾロミド、Schering Plough)およびRevilimd(Celegene)ならびにこれらの組合せ。
他の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:CyPat(酢酸サイプロテロン)、Histerelin(酢酸ヒストレリン)、Plenaixis(アバレリックスデポ)、Atrasentan(ABT−627)、Satraplatin(JM−216)、タロミド(サリドマイド)、Theratope、Temilifene(DPPE)、ABI−007(パクリタキセル)、Evista(ラロキシフェン)、Atamestane(Biomed−777)、Xyotax(ポリグルタメートパクリタキセル)、Targetin(ベキサロチン(bexarotine))およびこれらの組合せ。
加えて、他の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:Trizaone(チラパザミン)、Aposyn(エキシスリンド(exisulind))、Nevastat(AE−941)、Ceplene(二塩酸ヒスタミン)、Orathecin(ルビテカン)、Virulizin、Gastrimmune(G17DT)、DX−8951f(メシル酸エキサテカン)、Onconase(ランピルナーゼ)、BEC2(ミツモアブ(mitumoab))、Xcytrin(モテキサフィンガドリニウム)およびこれらの組合せ。
さらなる抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:CeaVac(CEA)、NeuTrexin(グルクロン酸トリメトレセート(trimetresate))およびこれらの組合せ。追加の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:OvaRex(オレゴボマブ)、Osidem(IDM−1)およびこれらの組合せ。追加の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:Advexin(ING201)、Tirazone(チラパザミン)およびこれらの組合せ。追加の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:RSR13(エファプロキシラル)、Cotara(131lchTNT1/b)、NBI−3001(IL−4)およびこれらの組合せ。追加の抗腫瘍剤を、次の薬剤から選択することができる:Canvaxin、GMKワクチン、PEG Interon A、Taxoprexin(DHA/パクリタクセル)およびこれらの組合せ。
他の抗腫瘍剤には、PfizerのMEK1/2阻害剤PD325901、Array BiopharmのMEK阻害剤ARRY−142886、Bristol MyerのCDK2阻害剤BMS−387,032、PfizerのCDK阻害剤PD0332991およびAstraZenecaのAXD−5438ならびにこれらの組合せが包含される。
加えて、CCI−779(Wyeth)およびラパマイシン誘導体RAD001(Novartis)およびAP−23573(Ariad)、HDAC阻害剤、SAHA(Merck Inc./Aton Pharmaceuticals)ならびにこれらの組合せなどのmTOR阻害剤もまた、利用することができる。追加の抗腫瘍剤には、オーロラ2阻害剤VX−680(Vertex)およびChk1/2阻害剤XL844(Exilixis)が包含される。
次の細胞毒薬剤、例えばエピルビシン(Ellence)、ドセタキセル(Taxotere)、パクリタクセル、Zinecard(デキスラゾキサン)、リツキシマブ(Rituxan)、メシル酸イマチニブ(Gleevec)およびこれらの組合せからなる群から選択される1種または複数を、本明細書に開示されている本発明の化合物および医薬組成物と組み合わせて使用することができる。
本発明はまた、これらに限られないが、エキセメスタン(Aromasin、Pfizer Inc.)、ロイプロレリン(LupronまたはLeuplin、TAP/Abbott/タケダ)、アナストロゾル(Arimidex、AstraZeneca)、ゴスレリン(gosrelin)(Zoladex、AstraZeneca)、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、ホルメスタン、クエン酸タモキシフェン(タモキシフェン、Nolvadex、AstraZeneca)、Casodex(AstraZeneca)、Abarelix(Praecis)、Trelstarおよびこれらの組合せを包含するホルモン療法と共に本発明の化合物を使用することを企図している。
本発明はまた、これらに限られないが、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール(Femara、Novartis)を包含する抗エストロゲン、ビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、Casodex(商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、ビカルタミド)およびこれらの組合せなどの抗アンドロゲンなどのホルモン療法薬と共に本発明の化合物を使用することに関する。
さらに、本発明は、本発明の化合物を単独で、または1種または複数の支持的ケア用製品、例えば、Filgrastim(Neupogen)、オンダンセトロン(Zofran)、Fragmin、Procrit、Aloxi、Emendまたはこれらの組合せからなる群から選択される製品と組み合わせて提供する。
特に好ましい細胞毒薬剤には、Camptosar、Erbitux、Iressa、Gleevec、Taxotereおよびこれらの組合せが包含される。
次のトポイソメラーゼI阻害剤を抗腫瘍剤として利用することができる:カンプトテシン、イリノテカンHCl(Camptosar)、エドテカリン、オラテシン(Supergen)、エキサテカン(Daiichi)、BN−80915(Roche)およびこれらの組合せ。特に好ましいトポイソメラーゼII阻害剤には、エピルビシン(Ellence)が包含される。
アルキル化剤には、これらに限られないが、ナイトロジェンマスタードN−酸化物、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン(apaziquone)、ブロスタリシン(brostallicin)、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルホスファミド、イフォスファミド、KW−2170、マフォスファミドおよびミトラクトールが包含され;白金配位アルキル化化合物には、これらに限られないが、シスプラチン、Paraplatin(カルボプラチン)、エプタプラチン(eptaplatin)、ロバプラチン、ネダプラチン、Eloxatin(オキサリプラチン、Sanofi)またはサトルプラチン(satrplatin)およびこれらの組合せが包含される。特に好ましいアルキル化剤には、Eloxatin(オキサリプラチン)が包含される。
代謝拮抗剤には、これらに限られないが、メトトレキセート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル(5−FU)が単独で、またはロイコボリン、テガフル、UFT、ドキシフルリジン、カルモフル(carmofur)、シタラビン、シタラビンオクフォスフェート、エノシタビン、S−1、Alimta(プレメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム、LY231514、MTA)、Gemzar(ゲムシタビン、Eli Lilly)、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン、エフロルニチン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、TS−1、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド、オクフォスフェート、二ナトリウムプレメトレキセド、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、トリアピン(triapine)、トリメトレキセート、ビダラビン、ビンクリスチン、ビノレルビン;または例えば、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸などの欧州特許出願第239362号に開示されている好ましい代謝拮抗剤のうちの1種およびその組合せと組み合わされた形態で包含される。
抗生物質には、インターカレーション抗生物質が包含され、これらに限られないが、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アナマイシン、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、ガラルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ネモルビシン、ネオカルジノスタチン、ペプロマイシン、ピラルビシン、レベッカマイシン、スチマラマー、ストレプトゾシン、バルルビシン(valrubicin)、ジノスタチンおよびこれらの組合せが包含される。
植物由来抗腫瘍物質には例えば、有糸***阻害剤、例えばビンブラスチン、ドセタキセル(Taxotere)、パクリタクセルおよびその組合せから選択されるものが包含される。
細胞毒トポイソメラーゼ阻害剤には、アクラルビシン、アモナフィド、ベロテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン(diflomotecan)、イリノテカンHCl(Camptosar)、エドテカリン、エピルビシン(Ellence)、エトポシド、エキサテカン、ギマテカン(gimatecan)、ルルトテカン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピキサントロン(pixantrone)、ルビテカン、ソブゾキサン、SN−38、タフルポシド、トポテカンおよびその組合せからなる群から選択される1種または複数の薬剤が包含される。
好ましい細胞毒トポイソメラーゼ阻害剤には、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカンHCl(Camptosar)、エドテカリン、エピルビシン(Ellence)、エトポシド、SN−38、トポテカンおよびその組合せからなる群から選択される1種または複数の薬剤が包含される。
免疫学的増強剤には、インターフェロンおよび数多くの他の免疫増強剤が包含される。インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロン、アルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、インターフェロンガンマ−1b(Actimmune)またはインターフェロンガンマ−n1およびこれらの組合せが包含される。他の薬剤には、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ユベニメックス、WF−10、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、黒色腫ワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、OncoVAX−CL、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン(tecleukin)、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、Virulizin、Z−100、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペムツモマブ(Y−muHMFG1)、Provenge(Dendreon)およびその組合せが包含される。
生物学的応答調節剤は、組織細胞の生存、成長または分化などの生体生物の防衛機構または生物学的応答を調節して、それらが抗腫瘍活性を有するようにする薬剤である。このような薬剤には、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ユベニメックスおよびこれらの組合せが包含される。
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる他の抗癌剤には、アリトレチノイン、アンプリゲン、アトラセンタンベキサロテン、ボルテゾミブ、Bosentan、カルシトリオール、エキシスリンド、フィナステリド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテフォシン、ミトキサントロン、I−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、タザロトネ(tazarotne)、Telcyta(TLK−286、Telik Inc.)、Velcade(ボルテマジブ(bortemazib)、Millenium)、トレチノインおよびその組合せが包含される。
白金配位化合物には、これらに限られないが、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンおよびその組合せが包含される。
カンプトテシン誘導体には、これらに限られないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン、トポテカンおよびその組合せが包含される。
他の抗腫瘍剤には、ミトキサントロン、I−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノインおよびその組合せが包含される。
CTLA4(細胞毒リンパ球抗原4)抗体などの抗腫瘍免疫応答を増強しうる抗腫瘍剤ならびにMDX−010(Medarex)および米国特許第6,682,736号に開示されているCTLA4化合物などのCTLA4を遮断しうる他の薬剤;ならびに他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤などの抗増殖剤、例えば、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤もまた使用することができる。加えて、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる具体的なCTLA4抗体には、米国特許第6,682,736号および米国特許第6,682,736号に開示されているものが包含されるが、これらは両方とも、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明の方法と組み合わせて使用することができる具体的なIGF1R抗体には、その全体が参照により本明細書に援用されるWO2002/053596に開示されているものが包含される。
本発明で使用することができる具体的なCD40抗体には、その全体が参照により本明細書に援用されるWO2003/040170に開示されているものが包含される。
放射線治療に応答してTNFアルファを発現するTNFerade(GeneVec)などの遺伝子治療剤もまた、抗腫瘍剤として使用することができる。
本発明の一実施形態では、スタチンを、本発明の化合物およびその医薬組成物と組み合わせて使用することができる。スタチン(HMG−CoAレダクターゼ阻害剤)は、Atorvastatin(Lipitor(商標)、Pfizer Inc.)、Provastatin(Pravachol(商標)、Bristol−Myers Squibb)、Lovastatin(Mevacor(商標)、Merck Inc.)、Simvastatin(Zocor(商標)、Merck Inc.)、Fluvastatin(Lescol(商標)、Novartis)、Cerivastatin(Baycol(商標)、Bayer)、Rosuvastatin(Crestor(商標)、AstraZeneca)、LovostatinおよびNiacin(Advicor(商標)、Kos Pharmaceuticals)、その誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
好ましい実施形態では、スタチンは、AtovorstatinおよびLovastatin、その誘導体および組合せからなる群から選択される。抗腫瘍剤として有用な他の薬剤には、Caduetが包含される。
例えば、特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましいことがあるため、少なくともそのうちの1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を簡便に、それらの組成物を同時投与するために適しているキットの形態に組み合わせることができることも、本発明の範囲内である。したがって、本発明のキットは、そのうちの少なくとも1種が本発明の化合物を含有する2種以上の別々の医薬組成物ならびに容器、別々のボトルまたは別々のホイルパケットなどの前記組成物を別々に保持するための手段を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセルなどを包装するために使用される通常のブリスターパックである。
本発明のキットは、別の投与形態、例えば経口と非経口を投与するために、別々の組成物を別々の投与間隔で投与するために、または相互に別々の組成物を用量決定するために特に適している。服薬遵守を補助するために、キットは典型的には、投与説明書を含み、記憶補助体と共に提供されうる。
次の実施例では、単一のキラル中心を伴う分子は、構造式または化学名称によって別段に特記または指示されていない限り、ラセミ混合物として存在する。2個以上のキラル中心を伴う分子は、構造式または化学名称によって別段に特記または指示されていない限り、ジアステレオ異性体のラセミ混合物として存在する。当業者に知られている方法により、単一の鏡像異性体/ジアステレオ異性体を得ることができる。
H−NMRスペクトルは、300MHzまたは400MHzで操作するBruker機器で記録し、13C−NMRスペクトルは、75MHzで操作して記録した。
次の略語を本明細書では使用することがある:EtO(ジエチルエーテル);DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);THF(テトラヒドロフラン);DCM(ジクロロ−メタン);DMA(ジメチルアセタール);DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン);LiHMDSまたはLHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド);TBME(tert−ブチルメチルエーテル);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);MeOH(メタノール);EtOH(エタノール);BuOH(ブタノール);EtOAc(酢酸エチル);THF(テトラヒドロフラン);Ac(アセチル);Me(メチル);Et(エチル);Ph(フェニル);TMSI(トリメチルシリルヨージド);DSC(N,N’−ジスクシンイミジルカルボネート);CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール);Boc(tert−ブトキシカルボニル);nBuLi(n−ブチルリチウム);EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド);HOBt(N−ヒドロキシベンジトリアゾール水和物);DME(1,2−ジメトキシエタン);Pd(dba)(ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0));およびRTまたはrt(室温)。
化合物(i):エチル2−アミノ−4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの調製
中間体(f)を、知られている手順を使用して3ステップで調製し(例えば、ViscontiniおよびBuhler Helvetica Chimica Acta、50(5):1289〜93;(1967年)参照)、次いで、追加の2ステップで、化合物(i)に変換した。
Figure 0004523073
ステップ1.エチルN−(エトキシカルボニル)−β−アラニネート(c)
アクリル酸エチル(a)(50mL、460mmol、1.1当量)、グリシンエチルエステルヒドロクロリド(b)(58.4g、418mmol、1当量)およびトリエチルアミン(58.3mL、418mmol、1当量)を無水EtOH(960mL)中、周囲温度で約72時間攪拌した。反応が完了した後に、揮発性成分を真空下に除去し、粗製中間体(c)をそのまま続けた。
ステップ2.エチルN−(エトキシカルボニル)−N−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−β−アラニネート(e)
粗製中間体(c)(418mmol)をCHCl(275mL)に溶かし、トリエチルアミン(58.3mL、418mmol)を、続いて、クロロギ酸エチル(d)(39.8mL、418mmol)を加えた。反応を周囲温度で約24時間攪拌した。反応が完了した後に、揮発性成分を真空下に除去した。次いで、粗製生成物を真空(約5mmHg)下に蒸留し、EtOAcに溶かし、これを、飽和KHSO水溶液×3で、ブライン×1で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。濾過の後に、揮発性成分を真空除去すると、中間体(e)が透明なオイル(74.8g、272mmol)として、2ステップにわたって収率65%で得られた。
ステップ3.ジエチル4−オキソピロリジン−1,3−ジカルボキシレート(f)
中間体(e)(18.0g、65.2mmol)を、氷浴冷却されたNaOEt(32.6mL)(EtOH中21重量%)の無水EtOH(41.7mL)溶液に窒素雰囲気下に加えた。氷浴を外し、TLCにより観察して縮合が完了するまで、混合物を80℃で約12時間加熱した。混合物を氷/水に注ぎ、EtOAcに抽出した。溶媒をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗製中間体(f)がオフホワイト色の固体(14.05g)として得られ、これを、精製することなく続けた。
ステップ4.エチル2−アミノ−4−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(h)
中間体(f)(14.05g)および炭酸グアニジン(g)(16.6g、91.9mmol)の懸濁液をt−ブタノール(147mL)中で約6時間、還流させた。混合物を周囲温度に約2時間冷却した。揮発性成分を真空除去し、水を加えた。KHSOを使用して、pHを約6〜7に調節した。生じたスラリーを濾過して固体を集め、これを、水で、続いて、EtOAcにより洗浄した。固体を真空下に乾燥させると、中間体(h)がクリーム色の固体(11.9g、53.1mmol)として収率87%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δppm 11.01(s,1H)、6.97(s,0.5H,互変異性体の可能性)、6.70(s,2H)、4.25(s,4H)、4.13〜4.03(m,2H)、1.22(t,3H)。LCMS(M+H):225.2。
ステップ5.エチル2−アミノ−4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(i)
中間体(h)(11g、49mmol)をトルエンと共に2回、回転蒸発器で共沸させて、乾燥を保証した。無水アセトニトリル(250mL)およびPOCl(25mL、270mmol)を加え、混合物を約2.5時間還流させた。追加のPOCl(50mL)を加え、混合物をさらに2時間還流させた。揮発性成分を真空下に40℃で濃縮すると、赤色の溶液が得られた。溶液が容易に移動しうるまで、最小量の無水アセトニトリルを加え、その後、これを、大きなビーカー中の氷に注いだ。フラスコを少量のアセトニトリルでさらにすすぎ、これを、氷に加えた。水(約50mL)を氷混合物に加えて、その攪拌を助けた。氷スラリー混合物が強塩基になるまで、濃NHOH(25mL)を攪拌しながら徐々に加え、次いで、50%NaOH水溶液(25mL)をまた、まだ攪拌されている氷のスラリーに加えた。追加の氷を加えた。氷スラリーとして約5分間攪拌した後に、EtOAcを加えた。ビーカー中でさらに数分間攪拌した後に、水を加えて、氷の溶解を助けた。混合物を分離漏斗に注ぎ、層を分離した。水性層をEtOAc×3で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、飽和KHSO水溶液で2回、飽和NaHCO水溶液で2回、ブラインで1回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、淡ピンク色の粉末が得られ、これを、酢酸エチルと共に摩砕すると、化合物(i)が淡ピンク色の固体(6.8g、28mmol)として収率57%で得られた。HPLC/LCMS純度は、90%を超えた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.20(s,2H)、4.48(s,2H)、4.45(s,2H)、4.17〜4.08(m,2H)、1.24(t,3H)。LCMS(M+H):243.2、245.2。
(実施例1)
エチル2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
Arパージされた丸底フラスコ中の化合物(i)(437mg、1.80mmol)、(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)ボロン酸(340mg、1.28mmol)および炭酸ナトリウム(382mg、3.60mmol)に、1,4−ジオキサン(8.6mL)および水(5.2mL)を加えた。加える前に、Arを両方の溶媒に気泡導入して、脱酸素しておいた。パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(220mg、0.19mmol)を次いで加え、Arを、針および隔壁を使用して、混合物に約3分間気泡導入し、この時点で、Ar針を抜き、混合物を90℃油浴に入れ、2.5時間加熱した。周囲温度に冷却した後に、水を加え、生じた固体を濾過により集めた。固体を水×2、EtOAc×2で洗浄し、35℃で72時間乾燥させると、表題化合物1(300mg、0.70mmol)が黄褐色の粉末として得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.88(s,1H)、7.16(s,1H)、6.98(br s,2H)、4.55〜4.47(m,2H)、4.39〜4.32(m,2H)、4.17〜4.03(m,2H)、3.87(s,3H)、1.27〜1.15(m,3H)。LCMS(M+H):429.0、427.2。
(実施例2)
4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン
Figure 0004523073
化合物1(300mg、0.70mmol)に、無水CHCN(4mL)を、続いて、トリメチルシリルヨージド(0.5mL、4.0mmol)を加えた。混合物を約1時間還流させ、次いで、周囲温度に冷却し、その後、少量のメタノールを加えてクエンチした。次いで、揮発性成分を真空下に低減し、少量のCHCNを、続いて、EtOを加えて、黄色の固体を沈澱させたが、これは、徐々にオレンジ色に代わった。固体をEtOで洗浄し、次いで、真空下に30℃で一晩乾燥させた。2HIを含有する塩を仮定して、表題化合物2(404mg、0.66mmol)がオレンジ色の固体として収率約95%で得られ、さらに精製することなく続けた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 3.81〜3.90(m,3H)4.30(s,2H)4.39(s,2H)7.12(s,1H)7.16(s,2H)7.89(s,1H)9.40(s,1H)。LCMS(M+H):357.0、355.0。
(実施例3)
2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−N−シクロブチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
周囲温度で、攪拌されているDMF(1mL)中の炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(67mg、0.26mmol)に、シクロブチルアミン(0.022mL、0.26mmol)を加えた。次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.152mL、0.873mmol)を加え、混合物を約5分間攪拌した。攪拌を続けながら、DMF(2mL)中の化合物2(177mg、0.289mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌し、次いで、分取HPLCにより精製した。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物3(57mg、0.13mmol)がフワフワした白色の固体として収率48%で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.80(s,1H)、7.09(s,1H)、6.83(s,2H)、6.46(d,1H)、4.35(s,2H)、4.20(s,2H)、4.06(m,1H)、3.79m(s,3H)、2.07〜1.97(m,2H)、1.92〜1.79(m,2H)、1.53〜1.41(m,2H)。LCMS(M+H):454.2、452.2。
(実施例4)
4−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−6−(プロピルスルホニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン
Figure 0004523073
化合物(i)および4−クロロ−2メチルフェニルボロン酸からの4−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン4aの調製を、実施例1および2で記載された方法と同様の方法で2ステップで実施した。粗製4a(100.7mg、約0.200mmol)のアセトニトリル(4.0mL)懸濁液に0℃で、トリエチルアミン(0.15mL、1.1mmol)および塩化1−プロパンスルホニル(0.025mL、0.22mmol)を加えた。0℃での30分の後に、反応混合物を真空下に濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に再び溶かし、水(10mL)で洗浄し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製し、合わせた精製フラクションを凍結乾燥させると、表題化合物(16mg、0.04mmol)が白色の固体として収率22%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.43(d,J=1.9Hz,1H)、7.38(d,J=8.1Hz,1H)、7.33(dd,J=8.1および1.7Hz,1H)、6.86(br s,2H)、4.49(s,2H)、4.36(s,2H)、3.22〜3.17(m,2H)、2.26(s,3H)、1.75〜1.63(m,2H)、0.97(t,J=7.4Hz,3H)。LCMS(M+H):367.2。
(実施例5)
6−ベンジル−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミントリフルオロアセテート
Figure 0004523073
氷浴中で冷却されているDMSO(1mL)中の化合物2(91mg、0.15mmol)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.078mL、0.45mmol)を、続いて、臭化ベンジル(0.016mL、0.13mmol)を加えた。凍らせた混合物を解凍し、攪拌しながら、周囲温度に加温した。約20分後に、透明で赤色の溶液をLCMSにより分析した。所望のモノアルキル化生成物および第4級塩の約3:2の混合物が観察された。混合物を分取HPLCにより精製し、合わせた精製フラクションを凍結乾燥させると、表題化合物5(29mg、0.05mmol)が白色の固体TFA塩として収率32%で得られた。ビス−アルキル化第4級塩もまた、副生成物(15mg)として単離された。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.90(s,1H)、7.58〜7.39(m,5H)、7.29〜7.14(m,2H)、7.08(s,1H)、4.68〜4.25(m,6H)、3.89(s,3H)。LCMS(M+H):447.2、445.2。
(実施例6)
4−(2,4−ジクロロフェニル)−6−[(35−ジフルオロピリジン−2−イル)カルボニル]−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン
Figure 0004523073
化合物(i)および2,4−ジクロロフェニルボロン酸からの4−(2,4−ジクロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン6aの調製を、実施例1および2で記載された方法と同様の方法で、2ステップで実施した。化合物6a(54mg、0.1mmol)および3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボン酸(24mg、0.15mmol)のDMF(2.0mL)中の混合物に、4−メチルモルホリン(0.1mL、1.0mmol)、EDC(58mg、0.3mmol)およびHOBt(46mg、0.3mmol)を加えた。生じた混合物を室温で16時間攪拌した。混合物をEtOAc(200mL)の間で分配し、飽和NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製し、合わせた精製フラクションを凍結乾燥させると、表題化合物6(25mg、0.06mmol)が白色の固体(0.4当量のHOAcで溶媒和化)として収率56%で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.54(d,J=32.08Hz,2H)4.70(d,J=29.56Hz,2H)6.98(d,J=16.93Hz,2H)7.38〜7.62(m,2H)7.77(dd,J=36.38、2.02Hz,1H)8.02〜8.21(m,1H)8.57(dd,J=30.69、2.15Hz,1H)。LCMS(M+H):424、422。
(実施例7)
2−アミノ−4−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N−シクロプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物(i)および4−クロロ−2−メチルフェニルボロン酸からのエチル2−アミノ−4−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート7aの調製を、実施例1で記載された方法と同様の方法で実施した。シクロプロパンアミン(0.15mL、2.2mmol)のトルエン(2.5mL)溶液に0℃で、トリメチルアルミニウム(ヘキサン中2.0M、0.60mL、1.2mmol)を滴加し、反応混合物を室温に加温した。30分後に、化合物7a(75.0mg、0.225mmol)を1回で加え、反応を110℃にマイクロ波中で30分間加温した。次いで、混合物を室温に冷却し、THF/水(2.5mL/0.5mL)でクエンチし、沈澱物を濾過により除去した。濾液を真空下に濃縮し、分取HPLCにより精製した。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物7(55mg、0.16mmol)が白色の固体として収率71%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.43(d,J=1.9Hz,1H)、7.34(dd,J=8.3および1.9Hz,1H)、7.31(d,J=8.1Hz,1H)、6.77(br s,2H)、6.46(d,J=2.8Hz,1H)、4.38(s,2H)、4.21(s,2H)、2.55〜2.48(m,1H)、2.22(s,3H)、0.56〜0.50(m,2H)、0.41〜0.36(m,2H)。LCMS(M+H):344.2。
(実施例8)
2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドヒドロクロリド
Figure 0004523073
4−ブロモ−2−クロロフェニルボロン酸を、1−ブロモ−3−クロロ−4−ヨードベンゼン(1.339g、4.219mmol)をTHF(20.0mL)中、−78℃で、nBuLi(2.30mL、4.60mmol)で滴加処理することにより調製した。1時間後に、ホウ酸トリメチル(1.00mL、8.97mmol)を滴加し、反応を室温に加温した。反応混合物を水(20mL)および3NのNaOH(10mL)で希釈し、30分間攪拌した。混合物をEtO(50mL)に注ぎ、層を分離した。次いで、水性層を1NのKHPO(15mL)水溶液で酸性化し、ボロン酸をEtOAcに抽出した。単離の後に、4−ブロモ−2−クロロフェニルボロン酸(26.3mg、0.112mmol)を、化合物8a(43.1mg、0.124mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.125mL、3.4mmol)とDME(2.0mL)中で合わせた。窒素ガスを混合物に10分間気泡導入して、脱酸素化した。テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(12.1mg、0.0105mmol)を加え、反応を85℃に加温した。4時間後に、反応混合物を周囲温度に冷却し、EtOAc(50mL)に注ぎ、水(50mL)で洗浄し、真空下に濃縮し、分取HPLCにより精製した。精製フラクションを合わせ、1NのHCl(約3当量)を加え、その後、凍結乾燥すると、ヒドロクロリドが調製された。表題化合物8(15mg、0.11mmol)が収率30%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.92(d,J=1.6Hz,1H)、7.69(dd,J=8.0および1.9Hz,1H)、7.41(d,J=8.0Hz,1H)、4.41(s,2H)、4.24(s,2H)、3.82〜3.74(m,1H)、1.05(d,J=6.6Hz,6H)。LCMS(M+H):412.2、410.2。
化合物8a、2−アミノ−4−ヨード−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
4−ヨード−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン 8b(520mg、1.0mmol)のDMSO溶液に、周囲温度で、炭酸ナトリウム(256mg、2.4mmol)およびイソシアン酸イソプロピル(0.13mL、1.1mmol)を加えた。3時間後に、反応が完了した。DMSO溶液を濾過し、濾液を分取HPLCにより精製した。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物8a(204mg、0.59mmol)が収率59%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 6.96(br s,2H)、6.08(d,J=7.7Hz,1H)、4.34(s,2H)、4.20(s,2H)、3.78〜3.67(m,1H)、1.02(d,J=6.6Hz,6H)。LCMS(M+H):348.2。
化合物8b、4−ヨード−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミンの調製
Figure 0004523073
化合物(i)(1.00g、4.12mmol)のCHCN(25.0mL)懸濁液に、ヨードトリメチルシランTMSI(3.0mL、21.1mmol)を加えた。混合物を5時間還流させ、次いで、周囲温度に冷却した。メタノール(5mL)を加えて、過剰のTMSIをクエンチし、混合物を真空下に約10mLまで濃縮した。ジエチルエーテル(40mL)を加え、生じた沈澱物を濾過により集めた。次いで、固体を還流EtOAc(50mL)中で数分間攪拌し、この時点で、混合物を冷却した。明黄褐色の固体(1.8g、3.4mmol)を濾過により集めると、表題化合物8bが収率83%で得られた(2HI塩と仮定)。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 9.47(br s,2H)、4.37(s,2H)、4.25(s,2H)。LCMS(M+H):263.2。
(実施例9)
tert−ブチル2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(2mL)および水(1.2mL)中の不純な化合物9a(113mg)を、(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)ボロン酸(385mg、0.32mmol)、炭酸ナトリウム(89mg、0.84mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(50mg、0.04mmol)で処理し、実施例1に記載の条件と同様の条件下に加熱した。周囲温度に冷却した後に、水およびEtOAcを加えた。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、揮発性成分を真空下に除去した。残渣を分取HPLCにより精製した。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、tert−ブトキシカルボニル(Boc)保護された表題化合物9(33mg、0.07mmol)が白色の固体として23%を超える収率で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.88(s,1H)、7.17(s,1H)、6.95(s,2H)、4.48〜4.42(m,2H)、4.33〜4.27(m,2H)、3.87(s,3H)、1.43(d,9H)。LCMS(M+H):457.2、455.2。
化合物9a、tert−ブチル2−アミノ−4−ヨード−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの調製
Figure 0004523073
攪拌されている不純な化合物8b(113mg)の1,4ジオキサン(1mL)および水(1mL)中の混合物に、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.16mL、0.70mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、1.4mmol)を加えた。一晩攪拌した後に、揮発性成分を真空下に低減し、EtOACおよび飽和KHSO水溶液を加えた。生じた二相混合物をEtOACで2回抽出し、合わせた抽出物を飽和KHSO水溶液×1、飽和NaHCO水溶液×2、ブライン×1で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。濾過の後に、揮発性成分を真空下に除去すると、表題化合物9aが黄褐色の固体(77mg)として得られ、これを、先行する反応からの追加の物質9a(36mg)と合わせ、そのまま次のステップに続けた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.44(d,J=4.80Hz,9H)4.25(d,J=13.14Hz,2H)4.42(d,J=8.34Hz,2H)7.06(s,2H)。LCMS(M+H):348.2。
(実施例10)
エチル2−アミノ−4−(4−クロロフェノキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
DMF(2mL)中の化合物(i)(99mg、0.41mmol)およびp−クロロフェノール(52mg、0.41mmol)に、炭酸セシウム(266mg、0.82mmol)を加えた。混合物を80℃で1.5時間加熱し、周囲温度に冷却した。混合物を0.45μMテフロン(登録商標)シリンジフィルターで濾過し、濾液を分取RPHPLCに掛けた。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物(48mg、0.14mmol)が白色の固体として収率34%で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.49(d,2H)、7.26(d,2H)、6.75(s,2H)、4.50(s,1H)、4.46〜4.39(m,3H)、4.17〜4.08(m,2H)、1.24(t,3H)。LCMS(M+H):335.2。
(実施例11)
エチル2−アミノ−4−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン−2−イル)メトキシ]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
化合物(i)(54mg、0.22mmol)、3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジンメタノール(45mg、0.268mmol)および2,8,9−トリメチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン(58mg、0.27mmol)をDMSO(1.5mL)中、周囲温度で2時間攪拌した。次いで、混合物を分取HPLCにより精製し、合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物11(37mg、0.10mmol)が白色の固体として収率44%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 8.20(s,1H)、6.72(br s,2H)、5.39(s,1H)、5.38(s,1H)、4.36〜4.29(m,4H)、4.11〜4.03(m,2H)、3.75(s,3H)、2.22(s,6H)、1.23〜1.17(m,3H)。LCMS(M+H):374.2。
(実施例12)
エチル2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
DMSO(1mL)中の化合物(i)(74.8mg、0.308mmol)およびイソインドリン(105mg、0.881mmol)を攪拌し、80℃に20分間加熱した。冷却した後に、混合物を水に注ぎ、CHClに抽出した。揮発性成分を蒸発させた後に、残渣をDMSOに溶かし、分取RPHPLCに掛けた。合わせた精製フラクションを凍結乾燥させた後に、表題化合物12(68mg、0.19mmol)が収率62%で得られた。
H NMR(300MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 7.42〜7.39(m,2H)、7.32〜7.29(m,2H)、6.13(br s,2H)、4.96〜4.87(br m,4H)、4.28〜4.23(m,2H)、4.16〜4.10(m,2H)、3.31(br s,H2Oピークで一部不明確,2H)、1.28〜1.21(m,3H)。LCMS(M+H):326.2。
(実施例13)
エチル2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
攪拌されている化合物1(428mg、1.0mmol)のCHCl(10mL)懸濁液に0℃で、BBr(0.5mL、5.0mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌し、周囲温度に加温し、その後、氷および水(10mL)を加え、生じた沈澱物を濾過により集めた。水およびCHClで洗浄した後に、固体を真空下に乾燥させると、表題化合物13(375mg、0.91mmol)が黄色の固体として収率91%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 1.09〜1.28(m,3H)3.99〜4.16(m,2H)4.33(d,J=8.34Hz,2H)4.47(d,J=11.12Hz,2H)6.93(d,J=1.77Hz,1H)7.74(s,1H)10.89(s,1H)。LCMS(M+H):417.0、415.0。
(実施例14)
エチル2−アミノ−4−[4−ブロモ−2−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
攪拌されている化合物13(360mg、0.87mmol)および炭酸カリウム(361mg、2.61mmol)の無水DMF(4mL)中の混合物に、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.15mL、1.74mmol)を加えた。混合物を50℃で12時間加熱し、その後、混合物を冷却し、濾過して、懸濁している固体を除去し、固体をEtOAcでよく洗浄した。洗浄液および濾液を合わせ、追加のEtOAc(200mL)を加えた。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮した。黄色の残渣をCHCl(30mL)で処理し、生じた固体を濾過により集めた。CHClおよびヘキサンで洗浄した後に、固体を真空下に乾燥させると、表題化合物14(240mg、0.5mmol)が白色の固体として収率58%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.11〜1.27(m,3H)3.90〜4.00(m,2H)4.08(dd,J=14.53,7.20Hz,2H)4.29〜4.40(m,4H)4.48(d,J=10.61Hz,2H)6.95(s,2H)7.20(s,1H)7.88(s,1H)。LCMS(M+H):477.0、475.0。
(実施例15)
2−アミノ−4−{4−ブロモ−2−クロロ−5−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物15a(90mg、0.18mmol)、KCO(76mg、0.55mmol)およびKI(61mg、0.37mmol)のDMF(2.0mL)中の混合物に、THF中2Mのジメチルアミン溶液(0.3mL、0.55mmol)を加えた。70℃で12時間攪拌した後に、混合物を冷却し、濾過して、懸濁されている固体を除去した。固体をEtOAcで洗浄した。洗浄液および濾液を合わせ、追加のEtOAc(200mL)を加えた。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製し、合わせた精製フラクションを凍結乾燥させると、表題化合物15(16mg、0.03mmol)が黄色の固体として収率17%で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.06(t,J=7.07Hz,6H)2.22(s,6H)2.65(t,J=5.68Hz,2H)3.78(dd,J=13.89,6.82Hz,1H)4.14(t,J=5.56Hz,2H)4.25(s,2H)4.42(s,2H)6.08(d,J=7.83Hz,1H)6.88(s,2H)7.19(s,1H)7.85(s,1H)。LCMS(M+H):501.2、499.2。
化合物15a、2−アミノ−4−[4−ブロモ−2−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)フェニル]−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
化合物14を、実施例2で記載された方法と同様の方法で脱保護した。EtOAcおよび飽和NaHCO水溶液からの抽出後処理により、化合物15b、4−[4−ブロモ−2−クロロ−5−(2−クロロエトキシ)フェニル]−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン、(191mg、0.473mmol)が得られ、これを、DMF(2.0mL)に溶かし、ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.36mmol)およびイソシアン酸イソプロピル(40mg、0.473mmol)で周囲温度で順次処理した。3時間後に、メタノールを加え、混合物を真空下に濃縮した。残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮した。残渣をシリカゲルで、CHCl中10%のメタノールで溶離してクロマトグラフィー処理した。最も純粋なフラクションを合わせ、揮発性成分を真空下に除去すると、表題化合物15a(180mg、0.37mmol)が茶色の泡として収率78%で得られた。H NMR(400MHz,DMF−d7)δ ppm 1.04〜1.11(m,6H)3.81(s,1H)3.92〜4.04(m,2H)4.28(s,2H)4.39(d,J=10.11Hz,2H)4.44(s,2H)6.09(d,J=8.08Hz,1H)6.91(s,2H)7.24(s,1H)7.91(s,1H)。LCMS(M+H):488.0、490.0。
(実施例17)
6−[(4−クロロフェニル)アセチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミン
Figure 0004523073
EDC(40mg、0.21mmol)およびNEt(iPr)(0.051mL、0.29mmol)をDMF(0.5mL)およびCHCl(0.5mL)中で使用して、実施例6で記載された方法と同様の方法で、化合物17a(32mg、0.19mmol)を(4−クロロフェニル)酢酸(32mg、0.19mmol)にカップリングさせた。シリカゲル(CHCl中10%のMeOHで溶離して)で精製すると、単離の後に、表題化合物17(48mg、0.11mmol)が収率59%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 7.41〜6.82(m,7H)、6.58〜6.47(m,2H)、4.17(s,2H)、3.85〜3.55(m,7H)、2.71(br s,2H)。LCMS(M+H):429.2、427.2。
化合物17a、4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの調製
Figure 0004523073
メタノール中の化合物17b(971mg、2.66mmol)をギ酸アンモニウム(1.9g、29.4mmol)および炭素に担持されている10%パラジウム(490mg)で処理した。数日攪拌した後に、炭素に担持されているパラジウムを2回の連続する濾過(初めは濾紙で、次いで0.45ミクロンテフロン(登録商標)シリンジフィルターで)で除去した。濾液を減圧下に低減し、少量の水を加えた。生じた沈澱物を濾過により集めると、表題化合物17a(438mg、1.6mmol)が収率60%で、真空下での乾燥の後に得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 8.26(s,1H)、7.19(m,1H)、7.03(m,1H)、6.87(m,1H)、6.41(s,2H)、3.78(s,3H)、3.53〜3.39(m,2H,部分的に不明確な)、3,12〜3.02(m,2H)、2.71〜2.62(m,2H)。LCMS(M+H):275.0。
化合物17b、6−ベンジル−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの調製
Figure 0004523073
アルゴンを、化合物16a(286mg、1.04mmol)、4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ボロン酸(194mg、1.14mmol)、1MのNaCO水溶液(1mL)のトルエン(2mL)およびエタノール(0.5mL)中の混合物に気泡導入した。Pd(dba)(30mg、0.052mmol)および1,4ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(44mg、0.104mmol)を加え、追加のアルゴンを混合物に気泡導入し、次いで、これを、約19時間還流させた。周囲温度に冷却した後に、水を加え、粗製生成物をEtOAcに抽出し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過した。揮発性成分を真空下に除去し、残渣をシリカで、EtOAcで、続いて、アセトンで溶離して精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、乾燥するまで低減させ、その後、固体をTHFに溶かし、0.45ミクロンテフロン(登録商標)フィルターで濾過した。再び、揮発性成分を真空下に除去すると、表題化合物17b(228mg、0.62mmol)が収率60%で得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)(配座異性体)δ ppm 7.32〜7.20(m,5H)、7.15(m,1H)、6.94(d,1H)、6.80 9m,1H)、6.37(s,2H)、3.63〜3.42(m,5H,(3.63(s,3H)を含む)、3.31〜2.92(m,2H)、2.74〜2.59(m,4H(2.66(s,2H)を含む)。LCMS(M+H):365.0。
(実施例18)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−[2,4−ジクロロ−6−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物18a 1(91mg、0.231mmol)のDMSO(1.5mL)溶液を、CsCO(174mg、0.533mmol)および1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタン(89.2mg、0.375mmol)で処理し、65℃に加温した。30分後に、反応混合物を濾過し、DMSO溶液を分取HPLCに掛けた。精製フラクションを合わせ、凍結乾燥させた。次いで、生じた白色の粉末を、CHCN、(2mL)、1NのHCl(0.45mL)および水(5mL)の溶液に溶かした。凍結乾燥させた後に、化合物18(46mg、0.085mmol)が白色の粉末として収率37%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.32(d,J=1.8Hz,1H)、7.26(d,J=1.8Hz,1H)、6.46(d,J=7.3Hz,1H)、4.40〜4.30(m,2H)、4.11〜4.02(m,5H)、2.12〜1.99(m,4H)、1.91〜1.81(m,2H)、1.74〜1.67(m,2H)、1.52〜1.43(m,2H)。LCMS(M+H):504.0、506.0。元素分析:C2122Cl・0.7HCl・0.6H2Oの計算値:C,46.65;H,4.46;N12.95;Cl,17.70。実測値:C,46.75;H,4.26;N,12.69;Cl,17.43。
化合物18a、2−アミノ−N−シクロブチル−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
窒素を、化合物18b(1350mg、3.75mmol)、化合物18c(775mg、3.75mmol)および2.0Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.60mL、1.20mmol)の1,4−ジオキサン(7.0mL)溶液に15分間気泡導入した。これに、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(431mg、0.373mmol)を加え、混合物を85℃に加温した。5時間後に、混合物を周囲温度に冷却し、EtOAc(20mL)および水(20mL)を加えた。水性層をEtOAcで抽出し、EtOAc層を廃棄した。水溶液のpHを、1NのKHPOを用いて、約5に調節し、次いで、EtOAcおよびiPrOHの混合物で抽出した。揮発性成分を真空下に除去すると、化合物18a(869mg、2.2mmol)が収率59%で得られ、これを、さらに精製することなく続けた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 10.64(s,1H)、7.16(d,J=1.7Hz,1H)、6.97(d,J=1.7Hz,1H)、6.79(br,2H)、6.52(d,J=7.5Hz,1H)、4.40(br s,2H)、4.15(br s,2H)、4.08〜3.99(m,1H)、2.15〜2.03(m,2H)、1.97〜1.86(m,2H)、1.60〜1.47(m,2H)。LCMS(M+H):394.2および396.2
化合物18b:2−アミノ−N−シクロブチル−4−ヨード−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
1,1−カルボニルジイミダゾール(3.54g、21.8mmol)のTHF(100mL)溶液に0℃で、シクロブチルアミン(1.00g、14.1mmol)のTHF(9.0mL)溶液を10分にわたって滴加した。混合物を周囲温度に加温し、2時間攪拌した。揮発性成分を真空下に除去し、生じたオイルを、シリカゲルで、CHCl中0〜10%のMeOHの勾配で溶離して精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、揮発性成分を真空下に除去すると、化合物18ba、N−シクロブチル−1H−イミダゾール−1−カルボキサミド、(2.2g、13.4mmol)が透明なオイルとして得られた。化合物18ba(1.39g、8.41mmol)および化合物8b(3.79g、7.32mmol)を次いで、DMSO(20mL)に溶かし、CsCO(4.92g、15.1mmol)を加えた。混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いで、45℃で4時間加熱し、その後、混合物を周囲温度に冷却し、水(150mL)を加えた。水性懸濁液をEtOAcおよびEtOH(200mL)の混合物で抽出し、揮発性成分を真空下に除去すると、表題化合物18b(2g、5.6mmol)が収率66%で得られ、これを、さらに精製することなく続けた。H NMR(300MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.02(br s,2H)、6.60(d,J=7.7Hz,1H)、4.41(br s,2H)、4.26(br s,2H)、4.19〜4.07(m,1H)、2.18〜2.07(m,2H)、2.04〜1.91(m,2H)、1.64〜1.50(m,2H)。LCMS(M+H) 360.2。
化合物18c、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニルボロン酸の調製
Figure 0004523073
化合物18d(4.33g、12.5mmol)、ピナコールボラン(3.80mL、26.2mmol)およびトリエチルアミン(5.2mL、37mmol)の1,4−ジオキサン(80mL)溶液を、Nで15分間パージした。酢酸パラジウム(II)(142mg、0.632mmol)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(439mg、1.25mmol)を加え、混合物を80℃に1.5時間加温した。室温に冷却した後に、混合物をEtOAc(200mL)に注ぎ、飽和NH4Cl水溶液(100mL)および水(200mL)で洗浄した。真空下に濃縮した後に、残渣をシリカゲル上で、ヘキサン中10〜70%のCHClの勾配で溶離して精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、揮発性成分を真空下に除去すると、化合物18ca、2,4−ジクロロ−6−(エトキシメトキシ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(1.55g、4.47mmol)が得られ、これを次いで、ジクロロメタン(50.0mL)に溶かし、0℃に冷却した。CHCl中1.0Mの三臭化ホウ素溶液(10.0mL、10.0mmol)を5分にわたって徐々に加えた。15分後に、混合物を氷水に注いだ。二相混合物を激しく攪拌し、水性相のpHを、3NのNaOHを用いて約10に調節した。層を分離し、ジクロロメタン相を廃棄した。水性相のpHを次いで、1NのHClを用いて約3に調節し、EtOAcおよびiPrOHの混合物で抽出した。有機層を次いで、濃縮すると、表題化合物18c(778mg、3.8mmol)が黄褐色の粉末として得られ、これを、さらに精製することなく続けた。
化合物18d、1,5−ジクロロ−3−(エトキシメトキシ)−2−ヨードベンゼンの調製
Figure 0004523073
3,5−ジクロロフェノール(5.98g、36.7mmol)のトルエン(200mL)溶液に0℃で、NaH(オイル中60%、4.50g、117mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を次いで、周囲温度に加温し、20分間攪拌した。懸濁液を次いで、0℃に再び冷却し、ヨウ素(7.91g、31.2mmol)を徐々に加えた。混合物を周囲温度に加温し、一晩攪拌した。1NのHCl水溶液(200mL)を加え、混合物をEtO(全量300mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を真空下に濃縮し、残渣をシリカゲルで、ヘキサン中0〜30%のCHClの勾配で溶離して精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、揮発性成分を真空下に除去すると、3,5−ジクロロ−2−ヨードフェノール、化合物18da(6.53g、22.7mmol)が収率62%で得られた。DMF(50mL)中の化合物18da(3.726g、12.90mmol)を次いで、CsCO(3.45g、10.6mmol)およびクロロメチルエチルエーテル(1.50mL、16.2mmol)で処理した。周囲温度での3時間の後に、EtO(150mL)を加え、有機層を水(3×100mL)で洗浄した。有機層を真空下に濃縮し、残渣をシリカゲルで、ヘキサン中0〜40%のCHClの勾配で溶離して精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、揮発性成分を真空下に除去すると、表題化合物18d(4.3g、12.5mmol)が透明なオイルとして得られた。推定純度(NMRによる)は、86%であった。1H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 7.00(d,J=1.6Hz,1H)、6.98(d,J=1.5Hz,1H)、5.18(s,2H)、3.71(q,J=7.2Hz,2H)、1.39(s,12H)、1.22(t,J=7.2Hz,3H)。
実施例20〜98の化合物を、実施例1〜18の方法に従い、次の表1に示されている通り調製した。
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
(実施例100)
N−アリル−2−アミノ−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物100a、N−アリル−2−アミノ−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを、実施例18aと同様の方法で調製したが、ただし、イソシアン酸アリルが、実施例18bでのシクロブチルアミンおよびCDIの代わりに使用された。化合物100a(60mg、0.16mmol)、炭酸カリウム(131mg、0.95mmol.)、1−(2−ブロモエチル)−1H−ピラゾール(56mg、0.316mmol)およびDMF(2.0mL)を120℃で30分間マイクロ波処理した。分取HPLCにより単離すると、化合物100(39mg、0.08mmol)が白色の固体として収率52%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.60(d,J=12.88Hz,2H)、3.67(t,J=5.05Hz,2H)、3.94(d,J=13.14Hz,2H)、4.27〜4.37(m,4H)、4.41(d,J=5.81Hz,2H)、5.74〜5.90(m,1H)、6.00(t,J=2.02Hz,1H)、6.45(br.s.,1H)、6.78(s,2H)、7.18(d,J=2.02Hz,1H)、7.25(d,J=1.77Hz,1H)、7.29(d,J=1.52Hz,1H)、7.32(d,J=1.77Hz,1H)。LCMS(M+H) 474.0、476.0。
(実施例101)
2−アミノ−N−シクロプロピル−4−[2,4−ジクロロ−6−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物101b、2−アミノ−N−シクロプロピル−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを、実施例18aと同様の方法で調製したが、ただし、シクロプロピルアミンを、実施例18bでのシクロブチルアミンの代わりに使用した。DMF(8.0mL)中の化合物101b(800mg、2.1mmol)、炭酸カリウム(872mg、6.31mmol)、1−ブロモ−2−クロロエタン(0.4mL、4.2mmol)を50℃で12時間加熱し、混合物を濾過した。集めた不溶性物質をEtOAcで洗浄した。合わせた濾液/洗浄液と、追加のEtOAc(200mL)を飽和NaHCO水溶液(50mL)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより単離すると(CHCl中0〜10%のMeOHの勾配)、化合物101a、2−アミノ−N−シクロプロピル−4−[2,4−ジクロロ−6−(2−クロロエトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド、(786mg、1.79mmole)が茶色のグリースとして収率85%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 0.32〜0.43(m,2H)、0.47〜0.58(m,2H)、3.69〜3.86(m,1H)、4.00〜4.12(m,2H)、4.19(d,J=13.14Hz,2H)、4.23〜4.31(m,2H)、4.32〜4.45(m,2H)、6.42(d,J=2.78Hz,1H)、6.80(s,2H)、7.38(d,J=1.77Hz,1H)、7.96(s,1H)。LCMS(M+H) 444.0、446.0。化合物101a(50mg、0.11mmol)、KCO(94mg、0.68mmol)、KI(38mg、0.23mmol)、モルホリン(30mg、0.34mmol)およびDMF(2.0mL)を次いで、130℃で45分間マイクロ波処理した。分取HPLCにより単離すると、化合物101(32mg、0.063mmole)が白色の固体として収率57%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 0.32〜0.45(m,2H)、0.48〜0.58(m,2H)、2.07〜2.37(m,4H)、2.52〜2.58(m,1H)、3.39(br.s.,4H)、4.02〜4.22(m,5H)、4.34〜4.46(m,3H)、6.46(d,J=2.27Hz,1H)、6.81(br.s.,2H)、7.32(d,J=15.66Hz,2H)。LCMS(M+H) 493.1、495.1。
(実施例102)
2−アミノ−N−(1−シアノシクロプロピル)−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物102a・HCl(45mg、0.12mmol)を、1−アミノ−シクロプロパンカルボニトリルヒドロクロリド(59mg、0.5mmol)およびCDI(126mg、0.775mmol)の予め形成した付加生成物で、実施例18bで記載された方法と同様の方法で処理した。EtOAcからの抽出後処理、飽和NaHCO水溶液での洗浄の後に、生成物を分取HPLCにより単離すると、化合物102(38mg、0.08mmole)が白色の固体として収率66%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.12(d,J=7.33Hz,2H)、1.41(br.s.,2H)、3.57(s,2H)、3.87(d,J=12.63Hz,1H)、4.33(s,4H)、4.41(d,J=7.33Hz,2H)、6.02(t,J=1.89Hz,1H)、6.82(s,2H)、7.21(d,J=2.02Hz,1H)、7.26(d,J=1.52Hz,1H)、7.32(dd,J=3.66,1.64Hz,2H)。LCMS(M+H) 499.2。
化合物102a、4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミンの調製
Figure 0004523073
化合物102b、tert−ブチル2−アミノ−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートを、化合物9a(1090mg、3.0mmol)、化合物18c(682mg、3.3mmol)、Pd(PPh(347mg、0.3mmol)および2MのNaCO(4.5mL、9.0mmol)から1,4−ジオキサン(25mL)中で、実施例1で記載された方法と同様の方法で調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d ppm 1.37〜1.47(m,J=12.88Hz,9H)4.07〜4.24(m,2H)4.42(d,J=7.58Hz,2H)6.82(s,2H)6.95(d,J=1.77Hz,1H)7.08〜7.21(m,1H)10.67(s,1H)。LCMS(M+H) 397.1 399.1。化合物102b(1.627g、4.1mmol)を、炭酸カリウム(3.4g、24.6mmol)、1−(2−ブロモエチル)−1H−ピラゾール(1.43g、8.19mmol)をDMF(10mL)中で使用して、実施例100で記載された方法と同様の方法でO−アルキル化した。Boc脱保護を、1,4−ジオキサン中4MのHCl(10mL)およびMeOH(20mL)を使用して、周囲温度で約16時間攪拌して実施した。EtOAcからの抽出後処理、飽和NaHCO水溶液での洗浄の後に、粗製生成物を分取HPLCにより単離すると、化合物102a、4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン(405mg、0.95mmol)が白色のHCl塩として、収率26%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.51(d,J=13.39Hz,2H)、3.93〜4.07(m,2H)、4.24〜4.44(m,4H)、6.14(br.s.,1H)、6.65(br.s.,2H)、7.19(br.s.,1H)、7.24(br.s.,1H)、7.29(br.s.,1H)、7.40(s,1H)、8.24(s,1H)。LCMS(M+H) 391.2、393.2。
化合物102a、4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミンの別の調製
Figure 0004523073
化合物108(5.06g、10.3mmol)のエチルカルバメートの脱保護を、ヨードトリメチルシラン(8.0mL、56mmol)をCHCN(80.0mL)中で使用して、実施例2と同様の方法で実施した。化合物102a(8.46g)が、粗製HI塩として得られた。LCMS(M+H):393.2、391.3。
(実施例103)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−6−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
THF(4mL)中の化合物103b(205mg、0.39mmol)に0℃で、THF中2MのLiBH(0.6mL、1.17mmol)およびMeOH(0.5mL)を加えた。混合物を0℃で攪拌し、周囲温度に一晩加温した。EtOAc(300mL)からの抽出後処理、飽和NaHCO水溶液(50ml)、次いで、ブライン(50ml)での洗浄の後に、EtOAc溶液を乾燥させ(NaSO)、濾過し、揮発性成分を除去すると、アルコール(185mg)が透明なグリースとして得られ、これを、そのまま続けた。LCMS(M+H) 483.2、484.2。Boc脱保護のために、CHCl(5mL)を、続いて、ジオキサン中4MのHCl(1.0ml、3.83mmol)を加えた。12時間攪拌した後に、混合物を濃縮し、エーテルおよびヘキサンを加えた。揮発性成分を除去すると、化合物103a、4−(2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−3−メチル−5−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)安息香酸(189mg)が黄色の塩酸塩として得られ、これを、精製することなく続けた。LCMS(M+H) 383.2、384.2。DMF(2.0mL)中の化合物103aを化合物18ba(76mg、0.46mmol)およびDIEA(0.4ml、6.0mmol)と、実施例18bと同様の方法で反応させた。分取HPLCにより単離すると、化合物103(33mg、0.083mmole)が白色の固体として収率21%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.44〜1.61(m,2H)、1.69〜1.81(m,2H)、1.84〜1.98(m,2H)、2.00〜2.16(m,7H)、3.92〜4.05(m,3H)、4.06〜4.20(m,2H)、4.37(d,J=5.31Hz,2H)、4.49(d,J=5.56Hz,2H)、5.25(t,J=5.68Hz,1H)、6.51(d,J=7.83Hz,1H)、6.65(s,2H)、6.85(s,1H)、6.89(s,1H)。LCMS(M+H) 480.4、481.4。
化合物103b、2−アミノ−N−シクロブチル−4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−6−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
化合物9a(200mg、0.552mmol)および化合物103c(253mg、0.61mmol)、Pd(PPh(32mg、0.028mmol)および2MのNaCO溶液(0.8mL、1.66mmol)を1,4−ジオキサン(6mL)中で、実施例1と同様の方法で48時間反応させた。監視(LCMS)が、反応が不完全であることを示したら、混合物を160℃で1時間マイクロ波処理し、その後、懸濁液を濾過し、固体をMeOHで洗浄した。合わせた濾液/洗浄液を濃縮し、EtOAc(300mL)抽出後処理に掛け、飽和NaHCO水溶液(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中0〜60%のEtOAcの勾配)により単離すると、化合物103b(205mg、0.433mmole)が透明なグリースとして収率71%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.21〜1.28(m,9H)、1.38〜1.54(m,4H)、1.85〜1.98(m,2H)、1.98〜2.12(m,2H)、2.20(d,J=4.55Hz,3H)、3.98〜4.13(m,2H)、4.41(q,J=7.07Hz,2H)、4.60(d,J=22.48Hz,2H)、7.39〜7.52(m,2H)、7.59〜7.73(m,1H)。LCMS(M+H) 524.2、526.2。
化合物103c、エチル3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)ベンゾエートの調製
Figure 0004523073
エチル4−ブロモ−3−ヒドロキシ−5−メチルベンゾエート(650mg、2.5mmol)を4−ブロモ−1,1,1−トリフルオロブタン(950mg、5.0mmol)で、炭酸カリウム(1040mg、7.5mmol)をDMF(5.0mL)中で使用して、実施例100で記載された方法と同様の方法でO−アルキル化した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%のEtOAcの勾配)を使用して単離すると、化合物103ca、エチル4−ブロモ−3−メチル−5−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)ベンゾエート(858mg、2.33mmole)が白色の固体として収率93%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.41(t,J=7.20Hz,3H)、2.04〜2.21(m,2H)、2.32〜2.44(m,2H)、2.44〜2.50(m,3H)、4.15(t,J=5.94Hz,2H)、4.38(q,J=7.07Hz,2H)、7.35(d,J=1.77Hz,1H)、7.57(d,J=1.01Hz,1H)。1,4−ジオキサン(6.0mL)中の化合物103ca(561mg、1.52mmol)、ピナコールボラン(0.7ml、4.6mmol)、EtN(0.9ml、6.1mmol)をNで15分間パージし、次いで、Pd(II)Cl(PPh(107mg、0.1mmol)を加えた。混合物を150℃で1時間マイクロ波処理し、冷却し、セライトで濾過し、EtOAcで洗浄した。合わせた濾液/洗浄液を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%のEtOAcの勾配)を使用して単離すると、化合物103c(252mg、0.61mmole)が収率40%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.37〜1.41(m,15H)、2.05(dd,J=10.74,5.68Hz,2H)、2.31〜2.39(m,2H)、2.39〜2.41(m,3H)、4.06(t,J=5.81Hz,2H)、4.36(q,J=7.24Hz,2H)、7.25(s,1H)、7.46(s,1H)。
(実施例104)
2−アミノ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−5−メトキシフェニル)−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
CHCl(4.0mL)中の化合物104a(67mg、0.16mmol)に、1,4−ジオキサン(0.2ml、0.804mmol)中4MのHClを加えた。周囲温度で12時間攪拌した後に、混合物を濃縮し、エーテルおよびヘキサンで処理した。揮発性成分を除去すると、Boc−脱保護された中間体(65mg)が黄色のヒドロクロリドとして得られ、これを、そのまま続けた。LCMS(M+H) 317.2、319.2。ジメチルホルムアミド(2.0mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.14、0.8mmol)を、続いて、イソシアン酸イソプロピル(14.0mg、0.16mmol)を加えると、実施例15aと同様の方法で、尿素を形成した。分取HPLCにより単離すると、化合物104(13mg、0.032mmol)が茶色の泡として収率20%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 0.69〜0.78(m,2H)、0.90〜0.98(m,2H)、1.05(d,J=6.57Hz,6H)、2.04〜2.18(m,1H)、3.77(t,J=6.95Hz,1H)、3.81(s,3H)、4.25(s,2H)、4.40(s,2H)、6.09(d,J=7.83Hz,1H)、6.82(s,2H)、6.95(s,2H)。LCMS(M+H) 402.2、404.2。
化合物104a、tert−ブチル2−アミノ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−5−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの調製
Figure 0004523073
DMF(5.0mL)中の化合物2(612mg、1.0mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(655mg、3.0mmol.)に、トリエチルアミン(0.84ml、6.0mmol)およびDMAP(25mg、0.2mmol)を加えた。周囲温度で4時間攪拌した後に、混合物をEtOAc(200ml)抽出後処理に掛け、飽和NaHCO水溶液(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)、濾過および濃縮の後に、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中0〜50%のEtOAcの勾配)を使用する単離により、化合物104ab、tert−ブチル4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(320mg、0.58mmole)が黄色がかった泡として収率58%で得られた。1H NMR(400MHz,DMF−d7)δ ppm 1.34〜1.50(m,18H)、3.84〜3.90(m,3H)、4.30(d,J=7.33Hz,2H)、4.45(d,J=6.06Hz,2H)、7.16(d,J=3.79Hz,1H)、7.88(d,J=3.54Hz,1H)、7.97(s,1H)。LCMS(M+H) 556.4、558.4。HO(0.1mL)を伴うトルエン(4.0mL)中の化合物104ab(167mg、0.3mmol)、シクロプロピルボロン酸(52mg、0.6mmol)、KPO(255mg、1.20mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(9.0mg、0.03mmol)を、Nで15分間パージし、次いで、Pd(OAc)(4.0mg、0.02mmol)を加えた。120℃で6時間加熱した後に、混合物をセライトで濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液/洗浄液をEtOAc(500mL)抽出後処理に掛け、飽和NaHCO水溶液(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)、濾過および濃縮の後に、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中0〜50%のEtOAcの勾配)を使用して単離すると、化合物104a(67mg、0.324mmole)が黄色がかった泡として収率54%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 0.79〜0.94(m,2H)、0.94〜1.06(m,2H)、1.43〜1.54(m,9H)、2.08〜2.25(m,1H)、3.84〜3.93(m,3H)、4.48(d,J=19.70Hz,2H)、4.58(d,J=23.75Hz,2H)、5.28(s,2H)、6.77(d,J=10.11Hz,1H)、6.87(d,J=11.12Hz,1H)。LCMS(M+H) 417.2、419.2。
(実施例105)
4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−6−(2−メトキシエチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン
Figure 0004523073
DMF(3mL)中の化合物2のヒドロクロリド(70mg、0.16mmol)、KCO(225mg、1.63mmol)および2−ブロモエチルメチルエーテル(113mg、0.82mmol)を100℃で2時間マイクロ波処理した。分取HPLCにより単離すると、化合物105(13mg、0.03mmole)が白色の固体として収率19%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.27〜3.32(m,3H)、3.47〜3.60(m,2H)、3.66(br.s.,2H)、3.84〜3.93(m,3H)、4.35〜4.62(m,4H)、7.05〜7.12(m,1H)、7.14〜7.25(m,2H)、7.91(s,1H)。LCMS(M+H) 415.0、417.0。
(実施例106)
2−アミノ−4−(2−クロロ−4−エテニル−5−メトキシフェニル)−N−(1−メチルエチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
トルエン(1mL)およびジオキサン(1mL)中の化合物55(66mg、0.15mmol)およびエテニルトリブチルスタンナン(62mg、0.2mmol)をNでパージし、Pd(PPh(9mg、0.008mmol)を加え、混合物を160℃で30分間マイクロ波処理した。混合物をセライトで濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、EtOAc(200mL)抽出後処理に掛け、飽和NaHCO水溶液(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)および濃縮の後に、分取HPLCにより単離すると、化合物106(11mg、0.029mmole)が白色の固体として収率19%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.02〜1.10(m,6H)、3.74〜3.80(m,1H)、3.79〜3.86(m,3H)、4.28(s,2H)、4.43(s,2H)、5.40(d,J=12.38Hz,1H)、5.98(dd,J=17.94,1.01Hz,1H)、6.09(d,J=6.82Hz,2H)、6.93(dd,J=17.68,11.37Hz,1H)、7.06(s,1H)、7.70(s,1H)。LCMS(M+H) 386.2、386.2。
(実施例107)
2−アミノ−4−(2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル)−N−プロプ−2−エン−1−イル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(4mL)中の化合物9a(199mg、0.549mmol)、化合物107b(164mg、0.549mmol)、Pd(PPh(32mg、0.027mmol)および2MのNaCO水溶液(0.8ml、1.65mmol)を、実施例9と同様の方法で反応させた。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中0〜10%のMeOHの勾配)を使用して単離すると、化合物107a、tert−ブチル2−アミノ−4−(2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(204mg、0.52mmole)が黄色がかった固体として得られた。LCMS(M+H) 407.4、409.4。Boc−脱保護のために、CHCl(5mL)中の化合物107a(204mg、0.5mmol)を1,4−ジオキサン中4MのHCl(1.3mL)で、実施例102aと同様の方法で処理すると、ヒドロクロリド(200mg)が黄色のグリースとして得られ、これを、精製することなく続けた。LCMS(M+H) 307.2、309.2。DMF(2.0mL)中の一部のBoc−脱保護されたヒドロクロリド(95mg、0.25mmol)をジイソプロピルエチルアミン(0.3ml、1.5mmol)およびイソシアン酸アリル(21mg、0.25mmol)で、実施例15aと同様の方法で処理した。分取HPLCにより単離すると、化合物107(15mg、0.038mmol)が白色の固体として収率15%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.62〜3.70(m,2H)、3.73(s,3H)、3.83(s,3H)、4.09〜4.18(m,2H)、4.43(s,2H)、5.00(dd,J=10.36,1.52Hz,1H)、5.10(dd,J=17.18,1.52Hz,1H)、5.72〜5.88(m,1H)、6.57(t,J=5.56Hz,1H)、6.67(d,J=2.27Hz,1H)、6.72〜6.78(m,2H)。LCMS(M+H) 390.1、392。
化合物107b、2−(2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(25mL)中の化合物107c(1.45g、4.86mmol)、ピナコールボラン(1.4ml、9.72mmol)およびEtN(2.0ml、14.6.0mmol)、酢酸パラジウム(II)(55mg、0.243mmol)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(170mg、0.7mmol)を実施例18caと同様の方法で反応させた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%のEtOAcの勾配)を使用して単離すると、化合物107b(1.104g、3.74mmole)が黄色がかった固体として収率77%で得られた。NMRデータ:1H NMR(400MHz,クロロホルム−D)δ ppm 1.37(s,12H)、3.73(s,3H)、3.76(s,3H)、6.25(s,1H)、6.44(s,1H)。
化合物107c、1−クロロ−2−ヨード−3,5−ジメトキシベンゼンの調製
Figure 0004523073
酢酸(40mL)中の(2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル)アミン(1.9g、10.0mmol)に、6MのHCl(10mL)を加えた。氷塩浴中で攪拌および冷却しながら、水(6mL)中の亜硝酸ナトリウム(828mg、12.0mmol)を徐々に加え、その際、反応温度を<5℃に維持した。添加の後に、混合物を30分間攪拌し、ヨウ化カリウム(3320mg、20.0mmol)およびヨウ素(761mg、3.0mmol)の水(35mL)溶液を滴加した。混合物を周囲温度に約90分にわたって加温し、水(120mL)を加えた。混合物をEtOAc(2×300mL)抽出後処理に掛け、合わせた抽出物を10%Na水溶液(2×100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)、濾過および濃縮の後に、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%のEtOAcの勾配)を使用して単離すると、化合物107c(1.45g、4.9mmole)が黄色がかった固体として収率49%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−D)d ppm 3.79(s,3H)、3.84(s,3H)、6.30(d,J=2.53Hz,1H)、6.68(d,J=2.53Hz,1H)。
(実施例108)
エチル2−アミノ−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
1,4ジオキサン(200mL)中の化合物(i)(4.04g、16.6mmol)、化合物18c(4.82g、23.3mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(21mL、42mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(1.82g、1.58mmol)を実施例1と同様の方法で反応させた。EtOAcでの抽出後処理を実施例18aと同様の方法で実施したが、ここで、初めは、0.5NのNaOH水溶液(300mL)を使用して、フェノール生成物を塩基性水性層に抽出し、続いて、1NのKHPO(75mL)を用いてpH5に酸性化し、フェノール生成物をEtOAc(400mL)に抽出した。EtOAc層を濃縮すると、化合物108a、エチル2−アミノ−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(6.15g)が得られ、これを、精製せずに続けた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d ppm 1.07〜1.34(m,3H)3.99〜4.26(m,4H)4.48(d,J=11.87Hz,2H)6.84(s,2H)7.14(d,J=1.77Hz,1H)7.48〜7.79(m,1H)10.71(s,1H)。LCMS(M+H):369.0 371.0。DMSO(50.0mL)中の化合物108a(5.11g、13.8mmol)、1−(2−クロロ−エチル)−1H−ピラゾール(5.02g、38.4mmol)および炭酸セシウム(15.8g、48.4mmol)を90℃で、実施例18と同様の方法で反応させた。EtOAc(500mL)からの抽出後処理、水(200mL)での洗浄の後に、生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAc、続いて、ジクロロメタン中0〜13%のMeOHの勾配)を使用して単離すると、化合物108(5.06g、13.8mmol)が黄褐色の粉末として収率77%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.13〜1.29(m,3H)3.49〜3.64(m,1H)3.91(d,J=13.19Hz,1H)4.02〜4.19(m,2H)4.34(s,4H)4.40〜4.48(m,2H)5.99〜6.04(m,1H)6.83(s,2H)7.23〜7.28(m,2H)7.28〜7.33(m,2H)。LCMS(M+H):465.2、463.2。
(実施例109)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−アミン−HCl(637mg、5.33mmol)を、続いて、トリエチルアミン(4.00mL、28.7mmol)を、DMF(50mL)中の1,1−カルボニルジイミダゾール(870mg、5.37mmol)に0℃で加えた。混合物を周囲温度で1時間攪拌し、粗製化合物102a・HI塩(4.650g、5.150mmol)を加えた。混合物を45℃に0.5時間加熱した。EtOAc抽出後処理、水での洗浄の後に、粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10〜15%のMeOHの勾配)に掛けた。単離の後に、水中10%のCHCNを加えた。凍結乾燥の後に、化合物109(1.54g、3.08mmol)が白色の粉末として収率58%で得られた。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.95(s,6H)2.36(s,1H)3.53(d,J=13.19Hz,1H)3.89(d,J=13.00Hz,1H)4.33(s,6H)5.99〜6.02(m,1H)6.77(br.s.,2H)6.85(br.s.,1H)7.19(d,J=2.07Hz,1H)7.25(d,J=1.51Hz,1H)7.30(d,J=1.70Hz,1H)7.32(d,J=1.70Hz,1H)。LCMS(M+H):502.2、500.2。
(実施例110)
2−アミノ−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
DMF(2mL)中の2,2,2−トリフルオロエチルアミン(19.8mg、0.200mmol)、1,1−カルボニルジイミダゾール(32.4mg、0.200mmol)、化合物102a・HCl(89.9mg、0.180mmol)およびトリエチルアミン(0.080mL、0.57mmol)を実施例18bと同様の方法で反応させた。分取HPLCを使用して単離すると、化合物110(37mg、0.72mmol)が白色の粉末として収率40%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.54(d,J=12.38Hz,1H)3.77〜3.92(m,2H)3.94(d,J=12.88Hz,1H)4.42〜4.50(m,2H)5.98(t,J=2.15Hz,1H)6.82(s,2H)7.21(d,J=2.02Hz,1H)7.27(s,2H)7.33(d,J=1.77Hz,1H)。LCMS(M+H):518.0、516.0。
(実施例111)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−{4−ブロモ−2−クロロ−5−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物111a(44.0mg、0.0976mmol)を、1−(2−ブロモ−エチル)−1H−ピラゾール(32.4mg、0.185mmol)および炭酸セシウム(122mg、0.374mmol)をDMSO(1.5mL)中で使用して、実施例18に記載されている方法と同様の方法でアルキル化した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物111(29mg、0.053mmol)が白色の粉末として収率55%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)d ppm 1.92(s,6H)2.34(s,1H)4.21(s,2H)4.36〜4.42(m,4H)4.52(t,J=4.71Hz,2H)6.24(t,J=1.98Hz,1H)6.88(s,2H)6.99(s,1H)7.15(s,1H)7.44(d,J=1.70Hz,1H)7.78(d,J=2.26Hz,1H)7.84(s,1H)。LCMS(M+H):546.2、544.2。
化合物111a、2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
化合物111b、2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−ヨード−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを化合物8bから、実施例18bと同様の方法で調製したが、ただし、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−アミン−HClを、シクロブチルアミンの代わりに使用した。化合物111b(0.2995g、0.8070mmol)と化合物111c(0.201g、0.800mmol)とのカップリングを、1,4−ジオキサン(5.0mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.065g、0.070mmol)および2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.80mL、1.6mmol)を使用して、実施例1で記載された方法と同様の方法で実施した。抽出後処理は、実施例108aと同様の方法で、水性塩基抽出、続く、酸性化およびEtOAc抽出を含んだ。単離により、化合物111a(0.316g)が黄褐色の固体として得られ、これを、精製せずに続けた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.93(s,6H)2.34(s,1H)4.22(s,2H)4.38(s,2H)6.87(br.s.,2H)6.91(s,1H)7.01(s,1H)7.74(s,1H)10.83(br.s.,1H)。LCMS(M+H):452.0、450.0。
化合物111c、(4−ブロモ−2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)ボロン酸の調製
Figure 0004523073
(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)ボロン酸(4.96g、18.7mmol)のジクロロメタン(125mL)懸濁液に0℃で、ジクロロメタン中1Mの三臭化ホウ素(52mL、52mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度に加温し、48時間攪拌した。反応混合物を次いで、氷に注ぎ、3NのNaOH(52mL)を加え、混合物を30分間激しく攪拌した。層を分離し、ジクロロメタン層を廃棄した。水性層であるスラリーを濃HClでpH5に酸性化し、EtOAc抽出後処理すると、化合物111c(4.614g、18.36mmol)が白色の粉末として得られ、これを、精製することなく続けた。
(実施例112)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−[4−ブロモ−2−クロロ−5−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
窒素を化合物111a(53mg、0.12mmol)のDMF(1.0mL)およびHO(0.13mL)溶液に10分間気泡導入した。炭酸カリウム(0.092g、0.67mmol)およびクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(0.067g、0.44mmol)を加えた。反応混合物を100℃に4時間加熱した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物112(0.019g、0.038mmol)が白色の粉末として収率32%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.93(s,6H)2.35(s,1H)4.23(s,2H)4.39(s,2H)6.94(s,1H)6.99〜7.03(m,1H)7.36(t,J=72.90Hz,1H)7.43(s,1H)8.10(s,1H)。LCMS(M+H):502.2、500.0。
(実施例113)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物113a、2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを、実施例18aと同様の方法で調製したが、ただし、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−アミン−HClを、シクロブチルアミンの代わりに使用した。DMSO(1.5mL)中の化合物113a(65mg、0.16mmol)、炭酸セシウム(201mg、0.617mmol)および化合物113b(73mg、0.26mmol)を65℃に加熱した。0.5時間の後に、追加の化合物113b(196mg、0.629mmol)を少量ずつ5時間にわたって、加熱を継続しながら加えた。EtOAcからの抽出後処理、水での洗浄、続く、分取HPLCを使用しての単離により、化合物113(0.0101g、0.0195mmol)が白色の固体として収率12%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.95(s,6H)2.36(s,1H)3.26(t,J=5.81Hz,2H)3.57(d,J=12.63Hz,1H)3.90(d,J=13.14Hz,1H)4.31〜4.39(m,4H)6.75(s,2H)6.87(s,1H)7.31(d,J=1.77Hz,1H)7.33(d,J=1.77Hz,1H)7.35(d,J=3.28Hz,1H)7.58(d,J=3.28Hz,1H)。LCMS(M+H):519.2、517.2。
化合物113b、2−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホネートの調製
Figure 0004523073
ジクロロメタン(5.0mL)中の2−(1,3−チアゾール−2−イル)エタノール(123mg、0.952mmol)(Youngら、Eur.J.Med.Chem.、28:201〜211;(1993年))およびトリエチルアミン(0.15mL、1.1mmol)に0℃で、塩化4−トルエンスルホニル(189mg、0.991mmol)および測定されない量の触媒DMAPを加えた。混合物を一晩攪拌し、周囲温度に加温した。ジクロロメタン(30mL)からの抽出後処理、飽和NHCl水溶液での洗浄により、化合物113b(0.255g、0.901mmol)が粗製収率95%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 2.42(s,3H)3.34(t,J=6.03Hz,2H)4.36(t,J=6.03Hz,2H)7.46(d,J=8.48Hz,2H)7.60(d,J=3.39Hz,1H)7.69(d,J=3.39Hz,1H)7.72(d,J=8.10Hz,2H)。LCMS(M+H):284.1。
(実施例114)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−{2,4−ジクロロ−6−[2−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
DMSO(1.5mL)中の化合物113a(59mg、0.15mmol)、化合物114a(49mg、0.34mmol)、炭酸セシウム(177mg、0.543mmol)およびヨウ化カリウム(7mg)を100℃で6時間加熱した。分取HPLCにより単離すると、化合物114(0.0258g、0.0501mmol)が白色の固体として収率35%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.90(s,3H)1.94(s,6H)2.35(s,1H)3.69(d,J=13.38Hz,1H)3.95(d,J=12.24Hz,1H)4.20〜4.39(m,6H)6.80(s,2H)6.89〜6.93(m,1H)6.97(s,1H)7.10(s,1H)7.25(d,J=1.51Hz,1H)7.33(d,J=1.13Hz,1H)。LCMS(M+H):516.2、514.2。
化合物114a、1−(2−クロロエチル)−4−メチル−1H−ピラゾールの調製
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(5.0mL)中の4−メチルピラゾール(0.177g、2.16mmol)、1−クロロ−2−ヨードエタン(1.20g、6.30mmol)および炭酸セシウム(1.10g、3.38mmol)を95℃で24時間加熱した。周囲温度に冷却した後に、ジクロロメタン(10mL)を加えた。固体を除去するために濾過した後に、濾液を低減し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜70%のEtOAcの勾配)に掛けると、化合物114a(0.049g、0.34mmol)が透明なオイルとして収率16%で得られた。1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)d ppm 2.12(s,3H)3.92(t,J=5.84Hz,2H)4.49(t,J=5.93Hz,2H)7.33(s,1H)7.46(s,1H)。
(実施例115)
2−アミノ−N−ビシクロ[1.1.1]ペント−1−イル−4−{2,4−ジクロロ−6−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)プロポキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物115a、1−(3−クロロプロピル)−1H−ピラゾールを、化合物114aと同様の方法で調製したが、ただし、ピラゾールを、4−メチルピラゾールの代わりに使用し、1−ブロモ−3−クロロプロパンを、1−クロロ−2−ヨードエタンの代わりに使用した。1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ ppm 2.33〜2.42(m,2H)3.47(t,J=6.03Hz,2H)4.41(t,J=6.40Hz,2H)6.31(t,J=2.17Hz,1H)7.49(d,J=2.07Hz,1H)7.61(d,J=1.51Hz,1H)。化合物113a(0.0442g、0.109mmol)を次いで、化合物115a(0.054g、0.37mmol)および炭酸セシウム(0.122g、0.374mmol)をDMSO(1.5mL)中、100℃で用いて、実施例18と同様の方法でO−アルキル化した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物115(0.0234、0.0372mmol)がTFA塩として収率34%で得られた。1H NMR(300MHz,メタノール−d4)d ppm 2.03(s,6H)2.12〜2.22(m,J=2.45Hz,2H)2.37(s,1H)3.86〜3.94(m,1H)3.98〜4.07(m,1H)4.12(t,J=6.59Hz,2H)4.31(s,2H)4.57(s,2H)6.23〜6.25(m,1H)7.14(d,J=1.70Hz,1H)7.25(d,J=1.70Hz,1H)7.45(d,J=1.51Hz,1H)7.53(d,J=2.07Hz,1H)。LCMS(M+H):516.2、514.2。
(実施例116)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−[2,4−ジクロロ−6−(2−ピリジン−2−イルエトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
THF(1.5mL)中の化合物18a(0.032g、0.081mmol)、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジンおよびトリフェニルホスフィン(0.053g、0.20mmol)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(40μL、0.207mmol)を加えた。3時間後に、DMSO(1.5mL)を加え、揮発性成分を真空下に除去した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物116(0.0208g、0.0416mmol)が黄褐色の粉末として収率51%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.49〜1.63(m,2H)1.88〜2.00(m,2H)2.05〜2.21(m,2H)2.93〜3.02(m,2H)3.38(d,1H,水のピークと重複)3.86(d,J=13.00Hz,1H)4.08〜4.23(m,1H)4.28〜4.45(m,4H)6.37(d,J=8.10Hz,1H)6.77(s,2H)6.91(d,J=7.72Hz,1H)6.99〜7.06(m,1H)7.28〜7.32(m,2H)7.50(dt,J=7.58,1.79Hz,1H)8.36(d,J=4.14Hz,1H)。LCMS(M+H):501.2、499.2。
(実施例117)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−(4,6−ジクロロ−2,3−ジメトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
DME(10mL)中の化合物(i)(0.263g、1.08mmol)、化合物117b(0.525g、1.58mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.80mL、1.6mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.075g、0.065mmol)を実施例1と同様の方法で反応させた。EtOAc(30mL)での抽出後処理、水(30mL)での洗浄、続いて、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜25%のMeOHの勾配)を使用しての単離により、化合物117a、エチル2−アミノ−4−(4,6−ジクロロ−2,3−ジメトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(0.034mg、0.082mmol)が収率8%で得られた。化合物117a(0.034g、0.082mmol)、シクロブチルアミン(0.040g、0.60mmol)およびヘキサン中2Mのトリメチルアルミニウム(0.25mL、0.50mmol)を実施例7と同様の方法で反応させた。分取HPLCを使用する単離により、化合物117(0.010g、0.023mmol)が収率28%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.49〜1.61(m,2H)1.85〜2.00(m,2H)2.03〜2.15(m,2H)3.69(s,3H)3.85(s,3H)4.07〜4.24(m,3H)4.43(s,2H)6.51(d,J=7.91Hz,1H)6.89(br.s.,2H)7.60(s,1H)。LCMS(M+H):440.2、438.2。
化合物117b、2−(4,6−ジクロロ−2,3−ジメトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製
Figure 0004523073
N−クロロスクシンイミド(6.87g、50.4mmol)を、クロロホルム(100mL)中の2,3−ジメトキシアニリン(3.86g、25.2mmol)に0℃で加えた。周囲温度に加温し、さらに4時間攪拌した後に、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により単離すると、化合物117bb、4,6−ジクロロ−2,3−ジメトキシアニリン、(1.97g、8.87mmol)が、オレンジ色のオイルとして収率35%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 3.74(s,3H)3.77(s,3H)5.27(br.s.,2H)7.12(s,1H)。攪拌しながら、HO(4.0mL)中の亜硝酸ナトリウム(799mg、11.6mmol)を、酢酸(20.0mL)、HO(6.0mL)および濃HSO(6.0mL)中の化合物117bb(1.97g、8.87mmol)に0℃で滴加した。0℃での3時間の後に、混合物をヨウ化カリウム(10.4g、62.7mmol)のHO(20.0mL)溶液に0℃で注ぎ、その際、追加のHO(20mL)ですすいだ。混合物を周囲温度に徐々に加温し、さらに16時間攪拌した。混合物を次いで、ジエチルエーテル(100mL)で抽出し、EtO層を飽和Na水溶液(100mL)、3NのNaOH(100mL)および水(100mL)で洗浄した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%のジクロロメタンの勾配)を使用して単離すると、化合物117ba、1,5−ジクロロ−2−ヨード−3,4−ジメトキシベンゼン(2.46g、7.39mmol)が収率83%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 3.81(s,3H)3.82(s,3H)7.62(s,1H)。1,4−ジオキサン(40mL)中の化合物117ba(2.45g、7.36mmol)、ピナコールボラン(2.1mL、14.5mmol)およびトリエチルアミン(3.00mL、21.5mmol)をNで15分間パージし、酢酸パラジウム(II)(86mg、0.38mmol)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(263mg、0.750mmol)を加えた。混合物を80℃に2.5時間加熱し、冷却し、EtOAc抽出後処理に掛け、飽和NHCl水溶液で洗浄した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%のジクロロメタンの勾配)を使用して単離すると、化合物117b(1.155g、3.468mmol)が収率47%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.32(s,12H)3.79(s,6H)7.36(s,1H)。
(実施例118)
2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−N−(6−シアノピリジン−3−イル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
THF(10mL)中のクロロギ酸フェニル(0.70mL、5.6mmol)を、THF(10.0mL)中の5−アミノ−2−シアノピリジン(655mg.5.50mmol)およびピリジン(0.50mL、6.2mmol)に0℃で滴加した。周囲温度に加温し、1時間攪拌した後に、混合物を再び、0℃に冷却し、沈澱物を濾過により除去した。揮発性成分を濾液から除去すると、化合物118a、(6−シアノピリジン−3−イル)カルバミン酸フェニル(0.921、3.85mmol)が淡オレンジ色の固体として粗製収率70%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 7.24〜7.33(m,3H)7.45(t,J=7.82Hz,2H)8.01(d,J=8.48Hz,1H)8.13(dd,J=8.48,2.55Hz,1H)8.81(d,J=2.45Hz,1H)11.01(s,1H)。DMSO(1.5mL)中の化合物2(0.093g、0.152mmol)、化合物118a(0.038g、0.160mmol)および炭酸セシウム(0.154g、0.473mmol)を65℃に20分間加熱した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物118(0.013g、0.026mmol)がオレンジ色の固体として収率17%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.87(s,3H)4.52(br.s.,2H)4.64(br.s.,2H)6.97(br.s.,2H)7.19(s,1H)7.87〜7.94(m,2H)8.20(dd,J=8.57,2.17Hz,1H)8.87(d,J=2.45Hz,1H)9.04(br.s.,1H)。LCMS(M+H):502.2、500.2。
(実施例119)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−[(E)−2−フェニルビニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(3.0mL)中の化合物18b(0.103g、0.287mmol)、トランス−2−フェニルビニルボロン酸(0.0602mg、0.407mmol)および2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.30mL、0.60mmol)をNでパージした。テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.024g、0.021mmol)を加え、混合物を120℃で1.5時間マイクロ波処理した。EtOAc(20mL)抽出後処理、水(20mL)での洗浄の後に、分取HPLCを使用しての単離により、化合物119(0.022g、0.066mmol)が収率23%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.52〜1.68(m,2H)1.92〜2.07(m,2H)2.09〜2.23(m,2H)4.11〜4.28(m,1H)4.37(s,2H)4.60(s,2H)6.52(d,J=7.72Hz,1H)6.59(br.s.,2H)7.02(d,J=16.01Hz,1H)7.34〜7.48(m,3H)7.63〜7.77(m,3H)。LCMS(M+H):336.4。
(実施例120)
2−{[2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]メチル}ベンゾニトリル
Figure 0004523073
DMSO(1.5mL)中の化合物2(0.067g、0.110mmol)、2−(ブロモメチル)−ベンゾニトリル(0.0215mg、0.110mmol)および炭酸セシウム(0.1189g、0.365mmol)を70℃で10分間加熱した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物120(0.007g、0.01mmol)が収率10%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.67(s,2H)3.83(s,2H)3.84(s,3H)4.03(s,2H)6.79(br.s.,2H)7.10(s,1H)7.47(t,J=7.44Hz,1H)7.60〜7.71(m,2H)7.79〜7.84(m,2H)。LCMS(M+H):472.2、470.2。
(実施例121)
2−アミノ−4−(2−クロロ−4−シアノ−5−メトキシフェニル)−N−イソプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
DMF(1.5mL)中の化合物55(0.0247g、0.056mmol)およびシアン化亜鉛(0.0212g、0.181mmol)をNでパージした。テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.0102mg、0.00883mmol)を加え、混合物を105℃で5時間加熱した。酢酸エチル(50mL)抽出後処理、水(50mL)での洗浄、続く、分取HPLCを使用する単離により、化合物121(0.008g)がヒドロクロリドとして、収率30%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)d ppm 1.06(d,J=6.59Hz,6H)3.71〜3.85(m,1H)3.93(s,3H)4.25(s,2H)4.43(s,2H)6.07(d,J=7.54Hz,1H)6.95(br.s.,2H)7.34(s,1H)8.12(s,1H)。LCMS(M+H):387.2。
(実施例122)
2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシイミドアミド
Figure 0004523073
DMSO(1.0mL)中の化合物2(0.0779g、0.105mmol)に周囲温度で、ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL、0.57mmol)および(1H)−ピラゾール−1−カルボキサミジンヒドロクロリド(0.0201g、0.137mmol)を加えた。16時間攪拌した後に、分取HPLCを使用して単離すると、化合物122(0.016g、0.040mmol)が白色の固体として収率38%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.88(s,3H)4.45(s,2H)4.60(s,2H)7.07(br.s.,2H)7.17(s,1H)7.31〜7.47(br.m,3H)7.90(s,1H)。LCMS(M+H):399.0、397.2。
(実施例123)
エチル2−アミノ−4−(2,4−ジクロロ−5−エチルフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
DME(4mL)中の化合物(i)(0.0953g、0.393mmol)、化合物123a(0.086mg、0.39mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.4mL、0.8mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.0227mg、0.0196mmol)を実施例1と同様の方法で反応させた。分取HPLCを使用する単離により、化合物123(0.047g、0.12mmol)が、白色の粉末として収率31%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.13〜1.24(m,6H)2.73(q,J=7.41Hz,2H)4.01〜4.14(m,2H)4.30〜4.36(m,2H)4.44〜4.51(m,2H)6.94(br.s.,2H)7.42(s,1H)7.73(s,1H)。LCMS(M+H):383.2、381.2。
化合物123a、(2,4−ジクロロ−5−エチルフェニル)ボロン酸の調製
Figure 0004523073
還元が完了するまで、1,5−ジクロロ−2−エチル−4−ニトロベンゼン(2.1g、9.5mmol)およびSnCl(8.1g、42.8mmol)を無水メタノール中で還流させた。10%NaOH水溶液およびEtOAcを加え、生じた懸濁している固体を沈降させ、大部分のEtOAcをデカンテーションした。この手順を複数回繰り返し、EtOAcバッチを合わせ、セライトで濾過し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、揮発性成分を除去した。残渣をEtOに溶かし、過剰の1,4−ジオキサン中4MのHClを加えた。揮発性成分を蒸発させると、化合物123ab、2,4−ジクロロ−5−エチルアニリン(2.1g、9.27mmol)が黄色のヒドロクロリドとして収率97%で得られた。化合物123abを、化合物123aa、1,5−ジクロロ−2−エチル−4−ヨードベンゼン(0.577g、1.92mmol)に、収率36%で、実施例117baと同様の方法で変換したが、ただし、化合物123abを化合物117bbの代わりに使用した。1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ ppm 1.22(t,J=7.54Hz,3H)2.69(q,J=7.54Hz,2H)7.44(s,1H)7.70(s,1H)。THF(15.0mL)中の化合物123aa(0.576g、1.91mmol)に−78℃で、シクロヘキサン中2Mのn−BuLi(1.00mL、2.00mmol)を滴加した。1時間後に、ホウ酸トリメチル(0.30mL、2.7mmol)を滴加し、反応を周囲温度に加温した。水(50mL)を、続いて、エーテル/ヘキサン(25mL/25mL)を加え、層を分離した。有機層を次いで、0.5NのNaOH(30mL)で抽出し、水性抽出物を、1NのKHPO(15mL)を用いてpH6にし、EtOAc(50mL)で抽出した。EtOAc層の揮発性成分を除去すると、化合物123a(0.088g)が白色のロウ状固体として得られ、これを、精製することなく続けた。
(実施例124)
エチル2−アミノ−4−[2−クロロ−6−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
化合物124a(0.0763g、0.228mmol)を、1−ヨード−4,4,4−トリフルオロブタン(0.0801g、0.337mmol)および炭酸セシウム(0.0992mg、0.304mmol)を用いてDMSO(1.0mL)中で、実施例18で記載された方法と同様の方法でO−アルキル化した。分取HPLCを使用して単離すると、化合物124(0.0353g、0.0794mmol)が白色の粉末として収率35%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.11〜1.25(m,3H)1.70〜1.82(m,2H)2.03〜2.23(m,2H)3.99〜4.21(m,6H)4.37〜4.57(m,2H)6.83(br.s.,2H)7.11〜7.20(m,2H)7.44(t,J=8.19Hz,1H)。LCMS(M+H):445.2。
化合物124a、エチル2−アミノ−4−(2−クロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの調製
Figure 0004523073
DME(10.0mL)中の化合物(i)(0.300g、1.24mmol)、2−クロロ−6−メトキシフェニルボロン酸(0.351g、1.88mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(1.85mL、3.70mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.0789g、0.0683mmol)を、実施例1で記載された方法と同様の方法で反応させると、粗製化合物124aa、エチル2−アミノ−4−(2−クロロ−6−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(0.481g)が得られ、これを、精製することなく続けた。LCMS(M+H):349.2。ジクロロメタン(10.0mL)中の化合物124aa(0.407g)に0℃で、ジクロロメタン中1Mの三臭化ホウ素(0.20mL、2.1mmol)を滴加した。混合物を周囲温度に加温し、2時間攪拌した。追加のジクロロメタン中の三臭化ホウ素(0.20mL、2.1mmol)を加え、混合物をさらに4時間攪拌した。混合物を次いで、冷飽和NaHCO水溶液に注ぎ、ジクロロメタン/MeOHで抽出した。揮発性成分を除去すると、化合物124a(0.249g)がオレンジ色の残渣として得られ、これを、精製することなく続けた。LCMS(M+H):335.2。
(実施例125)
エチル2−アミノ−4−(4−ブロモ−2−エチルフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
Figure 0004523073
化合物125a、4−ブロモ−2−エチルフェニルボロン酸を、実施例123aと同様の方法で調製したが、ただし、4−ブロモ−2−エチル−1−ヨードベンゼンを化合物123aaの代わりに使用した。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.19(t,J=7.35Hz,3H)3.02(q,J=7.41Hz,2H)7.33〜7.41(m,2H)7.74(d,J=7.91Hz,1H)。DME(3.5mL)中の化合物(i)(0.114g、0.470mmol)、化合物125a(0.0852g、0.372mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.50mL、1.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.031g、0.027mmol)を、実施例1で記載された方法と同様の方法で反応させた。分取HPLCを使用する単離により、化合物125(0.029g、0.074mmol)が収率15%で得られた。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.02(t,J=7.54Hz,3H)1.13〜1.25(m,3H)2.55〜2.63(m,2H)4.00〜4.13(m,2H)4.26〜4.32(m,2H)4.44〜4.50(m,2H)6.82(br.s.,2H)7.24(d,J=7.91Hz,1H)7.48(dd,J=8.01,1.60Hz,1H)7.57(d,J=1.70Hz,1H)。LCMS(M+H):393.2、391.2。
(実施例126)
2−アミノ−N−シクロブチル−4−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物126b、4−ジブロモ−2,5−ジメトキシフェニルボロン酸を、実施例123aと同様の方法で調製したが、ただし、1,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンを、化合物123aaの代わりに使用した。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 3.77(s,3H)3.78(s,3H)7.20(s,1H)7.22(s,1H)7.83(s,2H)。DME(3.5mL)中の化合物(i)(0.114g、0.470mmol)、化合物126b(0.112g、0.429mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.50mL、1.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.030g、0.026mmol)を実施例1と同様の方法で反応させると、化合物126a、エチル2−アミノ−4−(4−ブロモ−2,5−ジメトキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(0.065g、0.154mmol)が収率36%で得られ、これを、精製することなく続けた。1H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.14〜1.25(m,3H)3.78(s,3H)3.80(s,3H)4.02〜4.14(m,2H)4.27〜4.33(m,2H)4.42〜4.48(m,2H)6.82(br.s.,2H)7.05(s,1H)7.39(s,1H)。LCMS(M+H):425.2、423.2。トルエン(2.0mL)中シクロブチルアミン(0.10mL、1.2mmol)、ヘキサン中2.0Mのトリメチルアルミニウム(0.30mL、0.6mmol)および化合物126a(49.2mg、0.116mmol)を、実施例7と同様の方法で1時間マイクロ波処理した。また、同様の方法で処理し、分取HPLCを使用して単離すると、化合物126(0.0174g、0.0454mmol)が収率30%でTFA塩として得られた(化合物126a中の臭素から化合物126のメチル基への変換は、予期されなかった)。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ ppm 1.50〜1.63(m,2H)1.88〜2.03(m,2H)2.06〜2.17(m,2H)2.24(s,3H)3.77(s,6H)4.10〜4.20(m,1H)4.28(s,2H)4.42(s,2H)6.53(d,J=7.72Hz,1H)6.91(s,1H)7.04(s,1H)。LCMS(M+H):384.4。
(実施例127)
2−アミノ−N−シクロプロピル−4−{2,4−ジクロロ−5−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]フェニル}−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
DMF(2mL)中の化合物127a(70mg、0.184mmol)、1−(2−クロロエチル)−1H−イミダゾールHCl(84mg、0.55mmol)および炭酸カリウム(127mg、0.92mmol)を、実施例100と同様の方法で反応させた。分取HPLCを使用して単離すると、化合物127(9.0mg、0.02mmol)が粉末として収率11%で得られた。H−NMR(DMSO−d6,300MHz):δ 7.71(s,1H)、7.63(s,1H)、7.19(s,1H)、7.16(s,1H)、6.85(m,3H)、6.43(s,1H)4.37(s,4H)、4.31(m,2H)、4.18(s,2H)、2.69(bs,1H)、0.50(m,2H)、0.36(m,2H)。
化合物127a、2−アミノ−N−シクロプロピル−4−(2,4−ジクロロ−5−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
化合物127b(640mg、1.51mol)のMeOH(4mL)懸濁液に、1,4−ジオキサン中4MのHCl(4mL、16.0mmol)を加えた。一晩攪拌した後に、揮発性成分を除去し、残渣をEtOAc抽出後処理に掛け、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。乾燥させ(NaSO)、濾過し、揮発性成分を蒸発させると、化合物127a(426mg、1.12mmol)が粉末として収率74%で得られ、これを精製することなく続けた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d ppm:10.77(s,1H)、7.62(s,1H)、6.94(s,1H)、6.87(s,2H)、6.47(d,J=2.78Hz,1H)、4.39(s,2H)、4.23(s,2H)、2.51〜2.56(m,1H)、0.50〜0.57(m,2H)、0.36〜0.43(m,2H)。LCMS(M+H):380.2、382.2
化合物127b、2−アミノ−N−シクロプロピル−4−[2,4−ジクロロ−5−(メトキシメトキシ)フェニル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
Figure 0004523073
化合物127ba、2−アミノ−N−シクロプロピル−4−ヨード−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを、化合物8bから、実施例18bと同様の方法で調製したが、ただし、シクロプロピルアミンをシクロブチルアミンの代わりに使用した。化合物127ba(825mg、2.39mmol)、化合物127c(876mg、2.63mmol)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(3.6mL、7.18mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(276mg、0.239mmol)を1,4−ジオキサン30mL中で、実施例18aと同様の方法で反応させた。濾過し、集めた不溶性物質をEtOAcで洗浄した後に、合わせた濾液/洗浄液を濃縮し、EtOAc(100mL)抽出後処理に掛け、水(200mL)、ブライン(2×100mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc中0〜5%のMeOHの勾配)を使用して単離すると、化合物127b(656mg、1.55mmol)が固体として、収率65%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d ppm:7.78(s,1H)、7.28(s,1H)、6.90(s,2H)、6.46(d,J=2.78Hz,1H)、5.32(s,2H)、4.40(s,2H)、4.23(s,2H)、3.41(s,3H)、0.49〜0.60(m,2H)、0.36〜0.44(m,2H)。LCMS(M+H):424.2、426.2。
化合物127c、2−(2,4−ジクロロ−5−メトキシメトキシ−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランの調製
Figure 0004523073
BFOEt(70.6mL、560mmol)を0℃に冷却し、THF(700mL)中の5−アミノ−2,4−ジクロロフェノール(50.0g、280mmol)を45分にわたって加えた。次いで、THF(150mL)中の亜硝酸イソアミル(48.8mL、365mmol)を15分にわたって加えた。0℃で30分間攪拌した後に、黄色の沈澱物が形成され、さらなるEtOを加え、黄色の固体を濾過により集め、EtOで洗浄し、空気乾燥させた。集めた固体を少量ずつ、NaI(54.7g、365mmol)のアセトン(1.2L)溶液に加え、周囲温度で一晩攪拌した。揮発性成分を低減し、水を加え、混合物をEtOAc抽出後処理に掛け、飽和NaHSO水溶液で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。シリカゲルクロマトグラフィープラグ(CHCl)後の単離により、脱ヨード不純物により汚染された混合物が得られた。ヘキサンから再結晶化させると(回収3回)、化合物127cb、2,4−ジクロロ−5−ヨードフェノール(43.4g、150mmol)が黄色の固体として収率54%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)d ppm 3.77(q,J=7.07Hz,3H)5.27(s,2H)7.45(s,1H)7.66(s,1H)。CHCl(400mL)中の化合物127cbを0℃に冷却し、塩化メトキシメチル(13.7mL、180mmol)を、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(31.5mL、23.3g、180mmol)を加えた。周囲温度に一晩加温した後に、CHCl溶液を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。濾過および揮発性成分の蒸発により、化合物127ca、1,5−ジクロロ−2−ヨード−4−(メトキシメトキシ)ベンゼン(46.8g、141mmol)が黄色の固体として収率94%で得られた。化合物127ca(41.8g、125mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(35.1g、138mmol)、酢酸カリウム(24.6g、250mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−ジクロロパラジウムジクロロメタン付加生成物(6.15g、7.5mmol)および無水1,4−ジオキサン(375mL)をNで1時間パージし、90℃に加熱した。5日後に、混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、集めた固体をEtOで洗浄した。合わせた濾液/洗浄液をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0から17%のEtOAcの段階的な勾配)に掛け、単離すると、化合物127c(30.2g、91mmol)が黄色の固体として収率73%で得られた(GCMSによると純度>94%)。
(実施例128)
tert−ブチル3−[(2−{2−アミノ−6−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート
Figure 0004523073
DMF(10mL)中の化合物101b(300mg、0.789mmol)、tert−ブチル3−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}アゼチジン−1−カルボキシレート(419mg、1.58mmol)および炭酸カリウム(327mg、2.37mmol)を150℃で30分間マイクロ波処理した。EtOAc抽出後処理、水およびブラインでの洗浄および乾燥(NaSO)の後に、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc中10%のMeOH)を使用する単離により、化合物128(272mg、0.495mmol)が収率63%で得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)d ppm:7.15(d,J=1.77Hz,1H)、6.90(d,J=1.77Hz,1H)、5.15(s,2H)、4.55(s,3H)、4.35〜4.42(m,1H)、4.21〜4.29(m,1H)、4.01〜4.13(m,2H)、3.86〜3.96(m,2H)、3.53〜3.62(m,2H)、2.74〜2.86(m,1H)、2.64〜2.74(m,1H)、1.43(s,9H)、0.71〜0.79(m,2H)、0.48〜0.56(m,2H)。LCMS(M+H)+:549.2、550.2。
(実施例129)
2−アミノ−4−[2−(アゼチジン−3−イルメトキシ)−4,6−ジクロロフェニル]−N−シクロプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
1,4−ジオキサン(5mL)中の化合物128(490mg、0.892mmol、1.0当量)に、1,4−ジオキサン中4MのHCl(5mL)を加えた。3時間攪拌した後に、分取HPLCにより単離すると、化合物129(25mg、0.056mmol)が固体として収率6%で得られた。1H NMR(400MHz,MeOD)ppm 8.55(s,1H)、7.15〜7.35(m,2H)、4.44〜4.62(m,2H)、4.15〜4.40(m,4H)、3.85〜4.03(m,2H)、3.66〜3.83(m,2H)、3.13〜3.27(m,1H)、2.47〜2.63(m,1H)、0.58〜0.75(m,2H)、0.49(d,J=2.02Hz,2H)。LCMS(M+H)+:449.2、450.2。
(実施例130)
2−アミノ−4−(2,4−ジクロロ−6−{[1−(シアノメチル)アゼチジン−3−イル]メトキシ}フェニル)−N−エチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 0004523073
化合物130a、2−アミノ−4−[2−(アゼチジン−3−イルメトキシ)−4,6−ジクロロフェニル]−N−エチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキサミドを化合物131から、実施例129と同様の方法で調製した。化合物130a、(78mg、0.180mmol)、ブロモアセトニトリル(26mg、0.216mmol)および炭酸カリウム(124mg、0.899mmol)のDMF(2.5mL)中の混合物を、120℃で30分間マイクロ波処理した。分取HPLCにより単離すると、化合物130(20.0mg、0.042mmol)が粉末として収率23%で得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)d ppm:7.35(d,J=1.26Hz,1H)、7.32(d,J=1.77Hz,1H)、6.81(br.s.,2H)、6.34(t,J=5.31Hz,1H)、4.42(s,2H)、4.04〜4.20(m,4H)、3.43〜3.48(m,2H)、3.25〜3.34(m,2H)、3.00〜3.10(m,2H)、2.87〜2.99(m,2H)、2.62〜2.75(m,1H)、1.01(t,J=7.07Hz,3H)。LCMS(M+H):476.0、478.0。
実施例131〜2××の化合物を、実施例1〜18および100〜130の方法に従って、次の表2に示されている通りに調製した。
Figure 0004523073
Figure 0004523073
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Figure 0004523073
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Figure 0004523073
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Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
HSP−90生化学的アッセイ
SPA(シンチレーション近接アッセイ)競合結合アッセイを使用して、本発明の化合物をHSP−90に対する効力に関して評価した。簡単には、6−HisタグをC末端に含有する全長またはN−末端HSP−90を、Hisタグを介してケイ酸イットリウムシンチラントビーズ上の銅に結合させる。構造が下記に示されているトリチウム標識プロピルGeldanamycin(pGA)は、Geldanamycinと称されるHSP−90の天然阻害剤の類似体である。#17位に加えられたトリチウム標識プロピルアミン基を含有するするトリチウム標識pGAがHSP−90に結合すると、同位体とビーズが近接する。17−n−プロピルアミノ−Geldanamycinは、参照により本明細書に援用される米国特許第4,261,989号明細書に記載されている通りに調製することができる。また、このアッセイで使用することができる第2のトリチウム標識化合物を下記に示すが、これは、化合物Aと称される。
Figure 0004523073
上記化合物Aの構造中の「T」は、標識されたトリチウム標識水素原子の位置を示している。この化合物は、40nMのKを有し、次の通り調製することができる。化合物Aは、次に記載されている通り、化合物Aの親化合物、(N−アリル−2−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシベンゾイル)イソインドリン−1−カルボキサミド)から調製することができる。アリルアミン(2.5mL、5mmol、THF中2M)を、Boc(R,S)−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドールカルボン酸(263mg、1mmole)、ジイソプロピルエチルアミン(0.9mL、5mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムリンペンタフルオロライド(HATU)(420mg、1.1mmol)のDMF5mL溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応を室温で12時間攪拌した。飽和NaHCO(30mL)を反応混合物に加えて、反応をクエンチした。次いで、EtOAc(2×50mL)を加えて、水溶液を抽出した。無水EtOAc層はNaSO上にあった。NaSOを濾別し、濾液を蒸発させると、茶色のオイル残渣が得られた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶離、ヘキサン中40→50%のEtOAc)により精製すると、所望の中間体生成物(321mg、定量収率)、tert−ブチル1−[(アリルアミノ)カルボニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレートが得られた。
塩化水素(3mL、12mmol;ジオキサン中4M)を、tert−ブチル1−[(アリルアミノ)カルボニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート(1mmol)のDCM(5mL)溶液に室温で加えた。反応を加熱し、室温で12時間攪拌した。反応混合物を蒸発させると、オイル残渣が得られた。残渣(N−アリルイソインドリン−1−カルボキサミド)をさらに精製することなく、次のステップ反応のために使用した。
N−アリルイソインドリン−1−カルボキサミド(1mmol)を次いで、5−クロロ−2,4−ビス(メトキシメトキシ)安息香酸(WO2006/117669に示されている通りに調製することができる)(340mg、1.2mmol)、4−メチルモルホリン(2.2mL、20mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(460mg、2.4mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(330mg、2.4mmol)のDMF12mL溶液に窒素雰囲気下に加えた。反応を室温で12時間攪拌した。HO(50mL)を反応混合物に加え、反応をクエンチした。次いで、EtOAc(2×100mL)を加えて、水溶液を抽出した。無水EtOAc層は、NaSO上にあった。NaSOを濾別し、濾液を蒸発させると、茶色のオイル残渣が得られた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶離、ヘキサン中50→60%のEtOAc)により精製すると、所望の中間体生成物(423mg、収率91.8%)、N−アリル−2−[5−クロロ−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンゾイル]イソインドリン−1−カルボキサミドが得られた。
塩化水素(4mL、16mmol;ジオキサン中4M)を、N−アリル−2−[5−クロロ−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンゾイル]イソインドリン−1−カルボキサミド(392mg、0.85mmol)のDCM(5mL)溶液に加えた。反応を室温で12時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)で中和し、次いで、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、親化合物(N−アリル−2−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシベンゾイル)イソインドリン−1−カルボキサミド)としての所望の最終生成物が、白色の固体(221mg、収率69.7%)として得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 3.57(d,J=79.33Hz,2H)4.65〜4.93(m,1H)4.97〜5.19(m,1H)5.42〜5.70(m,1H)5.68〜5.95(m,1H)6.40〜6.71(m,1H)6.92(s,1H)7.15〜7.67(m,4H)8.28(s,1H)10.06(s,1H)10.40(s,1H)。元素分析:C1917ClNの計算値:C,61.21;H,4.60;N,7.51。実測値:C,61.02;H,4.63;N,7.36。
親化合物を製造したら、化合物Aを、トリチウムガスを使用する標準的な水素化方法を使用して調製した。
同位体から放出されるベータシグナルは、シンチラントを励起させ、測定可能なシグナルをもたらす。競合化合物をアッセイ混合物に加えると、これらは、HSP−90のN末端のATP結合部位で、結合されているトリチウム標識pGAまたは化合物Aと競合する。化合物が、標識pGAまたは化合物Aに代わると、シグナルが低下する(ベータ粒子はもはやビーズに近接していない)。このシグナル低下を使用して、阻害剤/化合物がどの程度pGAまたは化合物Aと競合するかを定量する。
HSP−90へのH−pGA(G1と称される)および化合物A(G2と称される)結合に関するSPAアッセイを、96ウェル平底白色プレート(Corning#3604)で行った。G1では、典型的な反応溶液は、30nMのHSP−90および200nMのH−pGAを結合緩衝液(100mMのHepes、pH7.5および150mMのKCl)中に含有した。G2では、典型的な反応溶液は、5nMのHSP−90および50nMの化合物Aを含有した。G1では、H−pGAを初めに、合成および精製された未標識pGAで33%標識まで希釈して、最終濃度200nMを得た。G2では、標識化合物Aを未標識化合物Aで希釈して、1:2の標識:未標識の比を50nMの最終濃度で提供した。阻害剤をHSP−90/H−pGA(またはHSP−90/化合物A)溶液に、K決定のために11種の異なる濃度で加えた。阻害剤濃度の範囲は、固体試料では100μMまたは適切な範囲、目標ライブラリ化合物では10μMおよび4mM液体ストックである。阻害パーセントを測定するために、化合物を1および10μMで試験した。試料中の最終DMSOは4%であった。結合緩衝液中で希釈されたCopper−Ysiビーズ(Amersham、#RPNQ0096)を、各ウェルに加えて、最終濃度100μg/ウェルを得た。プレートを密封し、フォイルでカバーされたフタで覆い、室温で30分間振盪した。ビーズを30分間沈澱させた後に、Packard TopCount NXT装置を使用して、プレートをカウントした。Beckman Biomek FXを使用する媒体処理でも、この手順を適用した。試料を2回、2日別々に操作して、正確なK値を保証した。
測定のために、集めたcpm’s(実際のcpm’sから背景を引く)を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して阻害剤濃度に対してプロットした。データを、一般IC50式、Y=YI/(1+[X]/IC50)(ここで、YI=Y−インタセプトであり、[X]は、競合リガンド/阻害剤である)に当てはめた。次いで、Cheng−Prusoff式を使用して、そのIC50をKiを算出するために使用した:
Figure 0004523073
[式中、cl=冷リガンド濃度(変動)、[hl]=温リガンド濃度(200nMまたは50nM)およびKd{hl}=240nM(H−pGAで)または40nM(化合物Aで)]。誤差は次のように算出した:IC50誤差/IC50値=フラクション誤差およびフラクション誤差値=K誤差。
遊離阻害剤分子集団が、酵素−阻害剤複合体の形成によりほとんど消耗されるほど緊密に、阻害剤がHSP−90に結合する場合、前記の式はもはや有効ではない。これは通常、観察されるIC50がHSP−90濃度とほぼ同じ場合に、真である。緊密に結合する阻害剤では、次の式を適用することができる:
Figure 0004523073
式中、
Figure 0004523073
ELおよびELは、それぞれ阻害剤の存在下および不在下での放射リガンド−HSP−90複合体である。EL/ELは、阻害剤の存在下でのフラクションシグナルを表している。Io、EおよびLはそれぞれ、阻害剤、HSP−90および放射リガンド濃度である。Kは、リガンドでの阻害定数である一方で、Kは、酵素(HSP−90)およびリガンドの間の結合親和定数である。
実施例1〜292の化合物のKiアッセイデータを、次の表3に列挙する。
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073
Figure 0004523073

Claims (17)

  1. 式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩
    Figure 0004523073
    [式中、
    mは、1または2であり、nは、1または2であり、mが2である場合、nは、1であり、
    Xは、結合であるか、または−O−、−S−、−(C〜Cアルキレン)−、−O−(C〜Cアルキレン)−、−NH−(C〜Cアルキレン)−、−S−(C〜Cアルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−OC(O)−NH−、−NH−C(O)−NH−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)−O−および−S(O)−NH−からなる群から選択されるジラジカルであり、ジラジカルの各末端は、R に、または式Iのアミノピリミジン環に結合し
    Xの窒素または炭素原子はそれぞれ、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−F、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH(C〜Cアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)から選択される1個の基により置換されていてもよく、tは、0または1であり、
    は、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリール、C〜C12シクロアルキル、3員〜12員のヘテロシクリルおよびC〜C12不飽和非芳香族カルボシクリルからなる群から選択され、Rはそれぞれ、1〜5個のRで置換されていてもよいが、ただし、Rがフェニルである場合、Rは、少なくとも2個のRで置換されていて、Rの少なくとも1個は、ハロゲンではなく、
    Rは、R、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(7員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(7員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、
    は、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−R、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−N(R、−(C〜Cアルキレン)−S(O)−O−RおよびRからなる群から選択され、Rは、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)から選択され、
    は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(5員から12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
    同じ窒素原子に結合している2個のRは、窒素原子と一緒に、3員〜12員のヘテロシクリルまたは5員〜12員のヘテロアリールを形成してもよく、
    は、−NRN(R、−NROR、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12アリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜12員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜12員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C12不飽和非芳香族カルボシクリル)からなる群から選択され、
    pは、0または1であり、
    R、R、RおよびRはそれぞれ、1〜5個のRで置換されていてもよく、
    は、それぞれ独立に、−オキソ−、−(C〜Cアルキレン)−、ハロゲン、−CN、−OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−OH、−(C〜Cアルキレン)−CN、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−C(O)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−ハロゲン、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cペルフルオロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜6員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜6員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NHC(O)−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−NH−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−SO−NH−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−SO−N(C〜Cアルキル)からなる群から選択され、qは、それぞれ独立に、0または1であり、Rの炭素原子はそれぞれ、1〜3個のフッ素により置換されていてもよい]。
  2. mが、1であり、nが、1であり、化合物が、式IIまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
    Figure 0004523073
  3. Xが、結合または−O−であり、Rが、C〜C12アリール、5員から12員のヘテロアリールまたは3員〜12員のヘテロシクリルであり、Rが、2〜5個のRで置換されている、請求項1または2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  4. Xが、結合であり、Rが、2〜5個のRで置換されているC〜C12アリールである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  5. が、2〜5個のRで置換されているフェニルであり、Rの少なくとも1個は、ハロゲンではない、請求項4に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  6. Rが、F、Cl、Br、−OH、−CN、C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rはそれぞれ、1〜5個のRにより置換されていてもよい、請求項1から5のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  7. 式Vである、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩
    Figure 0004523073
    [式中、
    およびRは独立に、F、Cl、Br、−OH、−CN、非置換C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、非置換−(C〜Cアルキレン)−OHまたは非置換−O−(C〜Cアルキル)であり、
    は、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rは、1〜5個のRで置換されていてもよい]。
  8. 式VIである、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩
    Figure 0004523073
    [式中、
    およびRは独立に、F、Cl、Br、−OH、−CN、非置換C〜Cアルキル、C〜Cペルフルオロアルキル、非置換−(C〜Cアルキレン)−OHまたは非置換−O−(C〜Cアルキル)であり、
    は、−(C〜Cアルキレン)−OH、−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルケニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10アリール)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(C〜C10シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)および−(C〜Cアルキレン)−O−(C〜Cアルキニレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)からなる群から選択され、Rは、1〜5個のRで置換されていてもよい]。
  9. が、−O−(C〜Cアルキレン)−(5員〜10員のヘテロアリール)であり、Rが、1〜5個のRで置換されていてもよい、請求項7または8に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  10. が、−O−(C〜Cアルキレン)−(5員のヘテロアリール)であり、Rが、1〜5個のRで置換されていてもよい、請求項7または8に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  11. が、−O−(C〜Cアルキレン)−(3員〜10員のヘテロシクリル)であり、Rが、1〜5個のRで置換されていてもよい、請求項7または8に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  12. が、−O−(C〜Cアルキル)または−O−(C〜Cアルケニル)であり、Rが、1〜5個のRで置換されていてもよい、請求項7または8に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  13. が、−C(O)−N(Rである、請求項1から12のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  14. が、−C(O)−ORである、請求項1から12のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  15. 請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
  16. 癌を治療するための医薬品の調製における請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
  17. 請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む、HSP−90の活性を調節するための医薬組成物
JP2009548758A 2007-02-06 2008-01-25 癌を治療するためのHSP−90阻害剤としての2−アミノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン誘導体 Expired - Fee Related JP4523073B2 (ja)

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