JP4521100B2 - コンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート・建材・残土処理用混合機における除塵装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
生コンクリートやコンクリート二次製品や建材の製造及び残土処理において、セメント等の固化材と砂利等の混合原料を混合する混合機(ミキサー)を使用するが、固化材が粉体であることが多く、例えば、生コンクリートの場合には、ミキサー内に水やセメントや砂利を投入する際に、大量の粉塵が舞い上がりこれを処理しなければならない。
従来、コンクリートミキサー等の粉塵処理は、特許第2864341号等に提示され、また、図1に示すように、ミキサーaの上部にダクトbを設けて、舞い上がった粉塵をフィルターcを通過させ、空気だけを外部に排出し、フィルターcに溜まったセメント粉dをスクリューコンベヤe等でミキサーa内に戻していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の混合機の集塵機のフィルターは湿気が多いと目詰まりが生じて、常にフィルターを交換しなければならず、特に、東北・北海道地区ではコンクリート混合時に温度調整の為に蒸気をミキサー内に供給しており、集塵機が蒸気を吸ってフィルターにセメントが固まり目詰まりして、集塵機は使い物にならないという問題点があり、これを避けるために特殊なフィルターを使用するがこれも限度があって、集塵ができない為にプラント内が埃だらけになってしまうという問題点があった。
また、従来のミキサーの集塵機は、ミキサーから混合製品を排出するとき、ミキサー内は空気圧力が低下するが、常にミキサー内の空気を集塵機で吸引しているためますます空気圧が下がり、ミキサーの上部に配置した計量器等に歪みが生じて計量誤差を生じる等の悪影響を与えという問題点があった。
さらに、フィルター式の集塵機は常に空気を吸い込むファンを稼働させなければならず、大きな電力を必要するという問題点があり、装置もファンや溜まったダストをミキサーに戻すスクリューコンベヤ等を必要とするという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、混合機を実質的に密封状態にしても排出時に混合機内の空気圧の低下をなくして計器に悪影響がなく、粉塵が外部に放出されることがなく、プラント内を清潔にでき、小型で大きな電力を必要としないコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、粉末固化材投入口が上部にある混合機において、該混合機の上部にダクトを設け、ダクトには混合機内部の粉塵および空気を吸収し排出する伸縮自在の袋部材を連結したコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置である。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、粉末固化材投入口が上部にある混合機において、該混合機の上部にダクトを設け、ダクトには混合機内部の粉塵および空気を吸収し排出する伸縮自在の袋部材を連結し、該袋部材を混合機の稼働に連動して内容積を強制的に制御して混合機内の空気圧をほぼ一定にする圧力制御機構を設けたコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に好適なコンクリートミキサーに適用した除塵装置の1実施例を、図面に沿って説明する。
[実施例1]
第1の実施例について説明すると、図2において、混合機本体1の内部には、モータ11によって回転する攪拌ブレード(図示せず)が設けられ、混合機本体1の上部12の内壁には、セメント等の粉末の固化材の投入口2、砂利や砂等の混合原料投入口3、水等の液体投入口4が設けられている。そして、固化材の投入口2には固化材の計量ホッパ21が連接し、同様に、混合原料の投入口3には計量ホッパ31が連接し、液体投入口4には開閉栓41を介して貯水槽に連接している。
また、混合機本体1の上部12の内壁には、除塵装置5の伸縮自在の袋部材51に連結するダクト52が設けられ、袋部材51は布製のエアーフィルターでミキサー1に投入原料の体積をカバーできる容量で、ミキサー1に原料投入、そして混合製品排出時に伸縮するように設置されている。
混合機が稼働して混合製品が仕上がると、混合製品は排出口6から貯蔵ホッパ61に排出し貯蔵する。
【0007】
ここで、コンクリート製品を製造する工程を説明すると、先ず、ミキサー1内にセメントが投入口2から、砂利や砂等の混合原料が投入口3から、水が液体投入口4からそれぞれ所定量が計量ホッパ21,31等から投入される。すると、その分だけミキサー1内の空気の行き所がなくなるが、その体積を吸収すべく原料投入する時にはダクト52を通じて粉塵を含んだ空気が袋部材51に移動し、袋部材51の体積がその空気によって大きくなる。この際多少の空気は袋部材51の布目より外部に排出されるが、セメントの粉塵は布目よりも大きいので外部に排出されることはない。
逆に、混合製品の排出時には排出される製品の体積分の空気が必要となり、このための供給すべき空気は袋部材51の空気と粉塵はミキサー1内に移動するので袋部材51の体積が自然と小さくなる。
即ち、ミキサー1内の空気がミキサー1と袋部材51をダクト52を介して交互に移動するだけで、ミキサー内外の新しい空気の出入り極力少なくでき、粉塵をミキサーの外に出さない構成となり、また、ミキサー内の空気圧が製品排出時、及び原料投入時もほぼ一定であるので、上部に配置された計量機等の測定器に歪みが生ずることがなく、計量誤差を生じる等の悪影響を与えない。
また、排出の際にミキサー1内に戻される袋部材51からのダストであるセメントの粉末は、製品の容積に比べて極めて少量であるので、コンクリート製品に影響はなく、今までのようにダストの払い出し装置や作業は不必要となる。
【0008】
[実施例2]
次に、第1の実施例の除塵装置5を変形した第2の実施例の除塵装置7について説明するが、除塵装置5以外の構成については実施例1と同じであるので説明を省略する。
図3において、ダクト52からのセメント粉との粉塵は除塵装置7の伸縮自在の袋部材71に吸収され排出されるが、袋部材71を強制的に制御してミキサー1内の圧力を積極的に制御する圧力制御機構を設けており、この圧力制御機構は袋部材71を強制的に制御して伸縮させるための伸縮作動装置72と、伸縮のスピードを投入時間及び排出時間に合わせてプログラム制御する制御装置73によってコントロールする構造、即ち、袋部材71を混合機1の稼働に連動して内容積を強制的に制御してミキサー1内の圧力を一定する構造となっている。
伸縮作動装置72の構成は、伸縮自在の袋部材71の頂部711を吊り下げる吊り腕721、吊り腕721を制御装置73により強制的に上下させるシリンダ722からなる。また、吊り腕721およびシリンダ722を取り付けた調整枠体723自体も基盤枠体724に対して高さが調節可能にしてあり、種々の大きさの袋部材51に対応が可能であるように構成されている。
なお、ミキサー1内の圧力を一定する構成としては、プログラム制御ではなく、ミキサー1内に圧力センサーを設けて、圧力センサーの検出値によって制御装置を作動させ、ミキサー1内の圧力が一定になるようにシリンダ722を上下させ、袋部材71の内容積を変化させる構成にしてもよい。
【0009】
そして、原料の投入時間はシリンダ722は縮む方向に作動し、回動支点725を中心に吊り腕721は回動し、頂部711を持ち上げて、図3の実線の状態に近づけるが、袋部材71の内容積も強制的に大きくするので、ミキサー1の粉塵を含んだ空気を強力にミキサー1から排出して袋部材71に移動する。
逆に、原料の排出時間はシリンダ722は伸びる方向に作動し、図3の点線の状態に近づけるが、袋部材71の内容積も強制的に小さくなり、ミキサー内の空気圧を一定にすべく袋部材51の空気と粉塵はミキサー1内に移動し、短時間で排出も完了する
第1の実施例おいてはミキサー1内の圧力が多少減圧するが、第2の実施例は、特に、強制的に空気をミキサー1内に送りこむので、ミキサー1内の圧力をほぼ一定に維持でき、各種装置や計器の作動がより安定する。
また、袋部材71は密封状のシート材でもよいが、空気だけが通過する布製とすればフィルターとして機能し、セメントや原料投入時には強制的に空気を布を介して外部に排出するので効率の良いフィルターを構成する。
【0010】
[作用]
本発明の各実施例は、以上のような構成であるから、以下のような作用を有する。
▲1▼従来のフィルター式の集塵機のような大きな電気動力を必要としない。
▲2▼従来のフィルター式の集塵機の集塵ダストを、コンベヤでミキサー内に戻す等のダスト処理を必要とせず、メンテナンスが簡単になる。
▲3▼ミキサー(混合機)内の空気圧が常に一定に保たれているため、ミキサー1の上部にある計量器等を引っ張って歪みを与えることがなく、計量に全く影響を与えず、計量誤差を生じることがない。
▲4▼従来のフィルター式の集塵機では、湿った空気での使用に際しては、フィルターに目詰まりが頻繁に起こり、特に、東北・北海道地区では、コンクリート混合時に温度調整の為に蒸気をミキサー内に供給しており、集塵機が蒸気を吸ってフィルターにセメントが固まり目詰まりして集塵機の使用が不可能になるが、本発明の実施例では目詰まりに関係なく使用が可能である。
▲5▼本実施例の除塵装置では、ミキサー1内を密閉構造とできるため粉塵がミキサー外へでることがなく、プラント内を清潔に保つことができる。
なお、袋部材51は気密の柔軟材のシートで制作しても良いが、空気だけを通過させるフィルター機能を有する織布や編布や不織布でもよく、この場合でも、この袋部材51は常に混合機が振動しており、袋部材51も動いている為自動的にダスト払い落としができ目詰りしにくい。
【0011】
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論であり、除塵装置としてコンクリートミキサーに使用したが、壁材・床材等を混合する建材用の混合機や、残土と固化剤を混合する残土処理用の混合機に使用しても良いことは勿論であり、また、例えば、前記各実施例の除塵装置の袋部材は上下方向に伸縮自在としたが、左右方向(水平方向)に伸縮自在としても良い。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、粉末固化材投入口が上部にある混合機において、該混合機の上部にダクトを設け、ダクトには混合機内部の粉塵および空気を吸収し排出する伸縮自在の袋部材を連結したコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置であるから、従来のフィルター式の集塵機に比べて、大きな電気動力を必要とせず、集塵ダストをコンベヤでミキサー内に戻す等のダスト処理を必要とせず、フィルターに目詰まりに関係なく使用が可能であり、メンテナンスが簡単になるという効果を有する。
また、実質的にミキサー(混合機)内の空気圧を一定に保つことができるので、ミキサー上にある計量器等の計量に全く影響を与えず、計量誤差を生じることがなく、かつ、ミキサー1内を密閉構造と出きるため粉塵がミキサー外へ噴出することがなく、プラント内が清潔に保つことができるという効果を有する。
更に、本発明の除塵装置は、従来のフィルターやコンベヤ等の装置が必要がなく装置より簡単にできるという効果を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の構成および効果に加えて、袋部材を混合機の稼働に連動して内容積を強制的に制御して混合機内の空気圧をほぼ一定にする圧力制御機構を設けたので、ミキサー1内の圧力をより一定に維持でき、各種装置や計器の作動がより安定し、また、粉塵の処理を短時間で行え、総合的な作動時間も短縮できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンクリートミキサーの集塵装置の概略を示す説明図
【図2】本発明の第1の実施例のコンクリートミキサーの除塵装置の概略を示す説明図
【図3】本発明の第2の実施例の除塵装置の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1…混合機本体
11…モータ
12…混合機の上部
2…固化材の投入口
21,31…計量ホッパ
3…混合原料の投入口
4…液体投入口
41…開閉栓
5,7…除塵装置
51,71…袋部材
52…ダクト
6…混合製品は排出口
61…貯蔵ホッパ
711…頂部
72…伸縮作動装置
721…吊り腕
722…シリンダー
723…調整枠体
724…基盤枠体
725…回動支点
73…制御装置
Claims (2)
- 粉末固化材投入口が上部にある混合機において、該混合機の上部にダクトを設け、ダクトには混合機内部の粉塵および空気を吸収し排出する伸縮自在の袋部材を連結したことを特徴とするコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置。
- 粉末固化材投入口が上部にある混合機において、該混合機の上部にダクトを設け、ダクトには混合機内部の粉塵および空気を吸収し排出する伸縮自在の袋部材を連結し、該袋部材を混合機の稼働に連動して内容積を強制的に制御して混合機内の空気圧をほぼ一定にする圧力制御機構を設けたことを特徴とするコンクリート・建材・残土処理用混合機の除塵装置。
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