JP4519686B2 - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車や各種産業機械の動力伝達機構において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で軸方向変位および角度変位を許容するボールタイプの摺動式等速自在継手に関する。
等速自在継手は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において、駆動側の回転軸と従動側の回転軸を連結して等角速度でトルクを伝達するもので、固定式と摺動式がある。固定式が角度変位のみを許容するのに対し、摺動式は角度変位と軸方向変位の両方を許容するタイプである。
トルク伝達要素としてボールを用いるボールタイプの摺動式等速自在継手として、ダブルオフセット型等速自在継手(以下、DOJと称す)がよく知られている。このDOJでは、トルク伝達ボール(以下、単にボールと称す)を6個または8個有するものが代表的であり、そのボールの円周方向配置(ピッチ)は、6個等ピッチ(60°)または8個等ピッチ(45°)が通常である。
図15および図16は6個ボールのDOJを示す。DOJは、外輪1、内輪2、ボール3およびケージ4を主要な構成要素としている。図示するようにボールは60°の等ピッチで配置されている。このボール以外のDOJの構成要素である外輪1、内輪2およびケージ4についても、また、外輪1、内輪2にそれぞれ形成されたトラック溝5,6およびケージ4に設けられたポケット7も、前述のボール3の配置に準じて等ピッチで配置されている。さらに、ケージ4においても、ポケット長さやポケット間の柱幅も同一である。
一方、この等速自在継手における外輪1は、車体への取り付け形態から種々のタイプがあり、同図に示すものはフランジタイプである。このタイプの外輪1は、その外径端部に複数の車体取付フランジ8が円周方向等間隔に一体的に突設され、各車体取付フランジ8に貫設されたボルト穴9を利用してボルト締めにより車体に取り付けられる。等速自在継手においては、近年の軽量、コンパクト化の目的から、外輪1の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形したものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−231436号公報 特公平1−50767号公報
図15および図16に示す従来のDOJ(ボールの数:6)では、ボール3、内外輪2,1のトラック溝6,5およびケージ4のポケット7の円周方向配置は6個等ピッチ(60°)となっている。この種の等速自在継手においては、トルクが負荷され回転する時、すなわち、動力伝達時、等速自在継手の軸方向にスラスト力が誘起される(誘起スラスト力)。この誘起スラスト力は、一回転中にトラック溝5,6の個数と同回数の変動を伴う。従来のDOJでは、トラック溝5,6が60°等配となっているため、回転6次の振動数を有し、これが車両の足回りの固有振動数と共振して不快な振動やこもり音などを発生させる場合がある。
一方、このフランジタイプの外輪1を有する等速自在継手では、前述したように複数の車体取付フランジ8を外輪1の外径に径方向外側に突出させて設け、各車体取付フランジ8のボルト穴9にボルトを挿通させて車体に取り付ける構造としている。
このボルト締めによる外輪1の取り付けでは、図15および図16に示すように例えばソケット等の締め付け治工具mを用いることから、外輪1の外径との間に治工具mが挿入できるスペースaを設けておかなければならない。そのため、治工具mによる取り付けを考慮すると、外輪1の外径との間にスペースaを設けると共に車体取付フランジ8にボルト穴9を設ける必要性から、車体取付フランジ8の外径寸法が大きくなり、継手重量も大きくなるという問題があった。
そこで、本発明はこの問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、誘起スラスト力による不快な振動やこもり音などの発生を抑制すると共に、外輪外径を簡便な手段により小さくすることにより軽量およびコンパクト化を容易に実現し得る摺動式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するため、本発明は以下の構成要件を具備する。
本発明は、円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成し、外径端部に円周方向に沿って複数の車輪取付フランジが径方向に突設された外輪と、球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに一個ずつ組み込んだn個のボールと、ボールを保持するポケットを有し、球面状外周面が前記外輪の円筒状内周面に接するケージとを備え、ケージの球面状外周面の中心と球面状内周面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた等速自在継手において、外輪の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形し、その外輪のトラック溝間に位置する外径凹所に車体取付フランジを形成し、かつトルク回転時に発生する誘起スラストのn次成分を低減する手段として以下の(1)(2)のいずれかの構成を具備したことを特徴とする。
まず、本発明では、外輪の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形していることから、等速自在継手の負荷容量を現状維持したままで軽量化することができ、さらに、その花形形状の外輪におけるトラック溝間に位置する外径凹所に車体取付フランジを設けたことにより、車体取付フランジの外径寸法を小さくすることができ、等速自在継手のコンパクト化を図ることができる。
また、本発明ではトルク回転時に発生する誘起スラストのn次成分を低減する手段として以下の(1)(2)のいずれかの構成を具備したことにより、ボールがn個であれば、誘起スラストのn次成分を低減することができる。例えばボールが6個の場合、誘起スラストの6次成分を低減することができる。6個ボールのDOJにおいて誘起スラスト力の6次成分を低減するには、ボールトラックの円周方向配置を不等ピッチとすればよい(特許文献2参照)。本発明は、誘起スラストのn次成分を低減する他の手段を提供するものであり、以下の(1)(2)のいずれかの構成を具備する
(1)まず第一に、ボールトラックの円周方向配置を等ピッチにすると共に、ケージのポケット間に位置する柱部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一としたことである。このようにボールトラックの円周方向配置を等ピッチのままで、ケージのポケット間に位置する柱部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一としたことにより、トルクが負荷される回転時、外輪とケージ間の摩擦力を不規則にして誘起スラスト力のn次成分を低減できる。
(2)第二に、ボールトラックの円周方向配置を等ピッチにすると共に、外輪のトラック溝間に位置する内径部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一にし、かつ、ケージのポケット間に位置する柱部の幅を均一にしたことである。このようにボールトラックの円周方向配置を等ピッチのままで、外輪のトラック溝間に位置する内径部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一にし、かつ、ケージのポケット間に位置する柱部の幅を均一にしたことにより、前項(1)で述べたようにケージのポケット柱部の幅を不均一とした場合と同様、外輪の内周面とケージの外周面との接触面積が不均一になり、各位相に発生する摩擦力の変動成分も不均一になることから、誘起スラスト力のn次成分を低減できる。
前述した(1)(2)のいずれかの構成からなるDOJにおいて、継手の軸線を含む断面で見て、ケージの内周面は、内輪の外周面の曲率中心から径方向にずらした位置に曲率中心をもち、内輪の外周面の曲率半径より大きい曲率半径で形成されている構造、あるいは、ケージの内周面は、中央部の任意の軸方向寸法にわたる円筒面と、その両側に位置する内輪の外周面と同一曲率半径の部分球面とを結んで形成されている構造のうち、いずれかの構造とすることが望ましい。
いずれかの構造を採用することにより、内輪とケージとの間に軸方向すきまが形成され、継手内部のスライド抵抗が非常に小さくなる。従って、この等速自在継手を自動車の駆動車軸に用いた場合、オートマチックトランスミッション車におけるアイドリング時などのように比較的小さなトルクが負荷された状態でエンジン側からの振動が作用しても、その振動が吸収されて車体への伝達が断たれるので、車体の振動を抑えることができる。
本発明によれば、外輪の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形していることから、等速自在継手の負荷容量を現状維持したままで軽量化することができ、さらに、その花形形状の外輪におけるトラック溝間に位置する外径凹所に車体取付フランジを設けたことにより、車体取付フランジの外径寸法を小さくすることができ、等速自在継手のコンパクト化を図ることができる。
また、トルク回転時に発生する誘起スラストのn次成分を低減する手段として前述した(1)(2)のいずれかの構成を具備したことから、誘起スラスト力のn次成分を低減できるので、車両の振動やこもり音などを抑えることが可能となり、車室内への振動伝達を防止できると共に車室内での静粛性を確保することができる。
以上のようにして、誘起スラスト力による不快な振動やこもり音などの発生を抑制すると共に、外輪外径を簡便な手段により小さくすることにより軽量およびコンパクト化を容易に実現することができる。
図1および図2は本発明の一つの実施形態として、6個ボールDOJの全体構成、図3は図2の内輪、図4は図2のケージをそれぞれ示す。
DOJは、外輪10、内輪20、ボール30およびケージ40を主要な構成要素としている。外輪10は一端にて開口したカップ状で、開口端の反対側に回転軸と結合する軸部16を有する(図1参照)。外輪10の内周面12は円筒状で、その円筒状内周面12に、軸方向に延びる6本のトラック溝14が形成されている(図2参照)。内輪20は球面状外周面22を有し、その球面状外周面22に、軸方向に延びる6本のトラック溝24が形成されている(図3参照)。内輪20は回転軸と結合するためのセレーション孔26を有している。
外輪10のトラック溝14と内輪20のトラック溝24とが対をなしてボールトラックを形成し、各ボールトラックに1個ずつボール30が組み込んである。ボール30は外輪10と内輪20との間に介在してトルクを伝達する役割を果たす。各ボール30は、ケージ40の円周方向に形成されたポケット46内に保持されている。ケージ40は、外周面42にて外輪10の円筒状内周面12と接し、内周面44にて内輪20の球面状外周面22と接している。
また、ケージ40の外周面42の中心Ooと内周面44の中心Oiは、継手中心Oを挟んで軸方向に互いに反対側に等距離だけオフセットされている(図1参照)。従って、継手が作動角をとった状態でトルクを伝達するとき、ボール30は、常に、外輪10の回転軸と内輪20の回転軸とがなす角を二等分する平面内に位置し、これにより、継手の等速性が確保される。
この実施形態では、図2および図4に示すようにボールトラックの円周方向配置を等ピッチα0とし、かつ、ケージ40のポケット46間に位置する柱部47の幅を少なくとも一箇所以上で不均一とする。この実施形態では、図2に示すように外輪10のトラック溝14および内輪20のトラック溝24は等ピッチα0で円周方向に配置され、図4に示すようにケージ40のポケット46は等ピッチα0で円周方向に配置され、ケージ40の二つの柱部47の幅W2を他の柱部47の幅W1と異ならせることで不均一としている(W1≠W2)。
DOJにおいてトルクが負荷され回転する時に発生する誘起スラスト力は、内部構成部品間に生じる摩擦力に起因する。外輪10に発生する誘起スラストを考慮した場合、外輪10のトラック溝14とボール30間の摩擦力、外輪10の内周面12とゲージ40の外周面42間の摩擦力が発生要因として挙げられる。
前述した実施形態では、ケージ40の二つの柱部47の幅W2を他の柱部47の幅W1と異ならせることで不均一としたことにより、外輪10の内周面12とケージ40の外周面42との接触面積が不均一となり、各位相に発生する摩擦力の変動成分も不均一になる。ここで、各位相(6個)の摩擦力の合成である誘起スラストは、各位相毎の摩擦力の変動が同じ波形を描く時、6次成分が顕著になる。この実施形態では、各位相に発生する摩擦力の変動成分も不均一となることから、誘起スラスト力の6次成分を低減できる。
図5は6個ボールDOJでの従来品と本発明実施品について行った誘起スラスト力の測定結果を示す。これらの図は、横軸に作動角(0°〜15°)、縦軸に誘起スラスト(N)をとり、破線が従来品、実線が実施品についての測定値をプロットしたものである。実施品は、誘起スラスト力の6次成分の低減効果が十分に現れていることが明白である。
次に、図6および図7に示す実施形態について説明する。図6は6個ボールDOJの全体構成、図7は図6の外輪10をそれぞれ示す。なお、DOJの基本構成に関しては前述した図1〜図4の実施形態と同様であるため、実質的に同じ部品または部位には同一符号を付している。
図6および図7に示す実施形態は、ボールトラックの円周方向配置を等ピッチα0にすると共に、外輪10のトラック溝14間に位置する内径部17の幅を少なくとも一箇所以上で不均一にし、かつ、ケージ40のポケット46間に位置する柱部47の幅W0を均一にする。この実施形態では、図6に示すように外輪10のトラック溝14および内輪20のトラック溝24は等ピッチα0で円周方向に配置され、図7に示すようにケージ40のポケット46は等ピッチα0で円周方向に配置され、外輪10のトラック溝14間に位置する二つの内径部17の幅L1を他の内径部17の幅L2と異ならせることで不均一としている(L1≠L2)。この場合、ケージ40の柱部47の幅W0は均一としている。
このように外輪10の二つの内径部17の幅L1を他の内径部17の幅L2と異ならせて不均一としたことにより、ケージ40の柱部47の幅を不均一とした前述の実施形態の場合と同様に、外輪10の内周面12とケージ40の外周面42の接触面積が不均一になり、各位相に発生する摩擦力の変動成分も不均一になり、その結果、誘起スラスト力の6次成分を低減することができる。
図8および図9に示す実施形態は、内輪20とケージ40とが軸方向に相対移動できるようにすると共にボール30の拘束を解いて転がりやすくしたものである。なお、この実施形態は、前述した図1〜図7の実施形態に適用可能である。
図8の実施形態では、内輪20の外周面22の曲率半径rをケージ40の内周面44の曲率半径Rよりも小さく設定し、かつ、内輪20の外周面22の曲率中心Oaとケージ40の内周面44の曲率中心Obとを半径方向にずらしてある。これにより、内輪20の外周面22とケージ40の内周面44との間に軸方向すきまδ1およびδ1’が形成され、このすきまδ1,δ1’の存在によりケージ40に対する内輪20の軸方向変位が可能となる。
図9に示す実施形態では、ケージ40の内周面44を、中央部の軸方向寸法Pに亘って直径Dを持つ円筒面44aと、その両側の部分球面44bとを結んで形成したものである。部分球面44bの曲率半径Rは内輪20の外周面22の曲率半径rと等しく、内輪20の外周面22とケージ40の内周面(44a,44b)との間にすきまδ2,δ2’が形成されている。
これら図8および図9に示す実施形態では、ボールトラックの円周方向配置を等ピッチα0にすると共に、ケージ40のポケット46間に位置する柱部47の幅を少なくとも一箇所以上で不均一とするか、あるいは、外輪10のトラック溝14間に位置する内径部17の幅を少なくとも一箇所以上で不均一にし、かつ、ケージ40のポケット46間に位置する柱部47の幅W0を均一にすることにより、誘起スラスト力の測定結果について、前述した実施形態と同等の6次成分の低減効果が得られた(図5参照)。
さらに、これら実施形態では、内輪20とケージ40がすきまδ1,δ1’またはδ2,δ2’により軸方向に相対移動でき、しかも、ボール30がケージ40のポケット46にて拘束されておらず転がりやすくなっているため、外輪10と内輪20との軸方向相対移動に対するスライド抵抗が非常に小さい。従って、トルクを負荷した状態でエンジン側からの振動が加わった場合、ケージ40を介して外輪10および内輪20間のスムーズな相対運動によってその振動が吸収され、車室内への振動伝達が防止される。
この等速自在継手における外輪10は、車体への取り付け形態からフランジタイプのものである。このフランジタイプの外輪10は、その外径端部に円周方向等間隔で一体的に設けられた複数の車体取付フランジ18を利用し、各車体取付フランジ18に貫設されたボルト穴19にボルトを挿通させて締め付けることにより車体に取り付けられる。
この外輪10は、軽量コンパクト化の目的から、その外径形状を内径(トラック溝)形状に沿った花形に成形している。ここで、「花形」とは、外輪10の外径面において、内径に形成されたトラック溝14間に位置する部位にそのトラック溝14に沿う凹所15を形成した形状を意味する。この外輪10のトラック溝14間に位置する外径凹所15に車体取付フランジ18を設ける。
このように外輪10の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形していることから、等速自在継手の負荷容量を現状維持したままで軽量化することができ、さらに、その花形形状の外輪10におけるトラック溝14間に位置する外径凹所15に車体取付フランジ18を設けたことにより、車体取付フランジ18の外径寸法を小さくすることができ、等速自在継手のコンパクト化を図ることができる。
図10は、従来品の外輪1と本発明実施品の外輪10の大きさを比較するもので、同図(a)ではX−X線を境界として左側に従来品、右側に実施品を示し、同図(b)ではY−Y線を境界として上側に従来品、下側に実施品をそれぞれ示す。
この従来品と実施品では、等速自在継手の負荷容量(サイズ)および治工具挿入用のスペースaを同一とした場合で比較しており、車体取付フランジ8,18の外径寸法比較では、実施品は、従来品に対して約10%程度のコンパクト化が可能であり、また、重量比較でも、実施品は、従来品に対して約20%程度の軽量化が達成される。
ここで、実施品である外輪10は、軽量化に有利な形状として花形に成形しているが、強度確保の観点から、その肉厚などに制限を受ける。つまり、花形による軽量化と共に等速自在継手として必要な強度を満足させるためには、トラック溝部分での肉厚はもちろんのこと、トラック溝間部分の肉厚も重要である。
そこで、図11に示すようにトラック溝14が位置する最外径寸法DTとトラック溝14間で車体取付フランジ18が位置する最小径寸法DNとの比DN/DTを0.85〜0.95に設定する必要がある。この最外径寸法DTと最小径寸法DNの比を前述の範囲に規定することにより、前述の軽量化およびコンパクト化と共に外輪10の強度を確保することができる。
ここで、前述の比DN/DTが0.85より小さいと、外輪10の車体取付フランジ18が位置する部位の肉厚が薄くなり過ぎ、等速自在継手が必要とする強度を確保することが困難となる。また、前述の比DN/DTが0.95より大きいと、車体取付フランジ18の外径が大きくなり過ぎ、軽量コンパクト化を図ることが困難となる。
なお、前述した外輪10のトラック溝14(ボール30)の個数に対して車体取付フランジ18の個数を任意に設定することができる。つまり、図2および図6に示すように外輪10におけるすべてのトラック溝14に対してそのトラック溝14間に位置するすべての外径凹所15に車体取付フランジ18を設ける以外に、一部の外径凹所15だけに車体取付フランジ18を設けることも可能である。例えば、図12に示すように外輪10の円周方向等間隔に配された三箇所の外径凹所15に車体取付フランジ18を設けることも可能である。
また、前述では、6個のボール30を組み込んだ等速自在継手を例示したが、8個のボール30を組み込んだ等速自在継手に適用可能である。ボール30が8個の場合、6個ボールの等速自在継手と比べてボールPCDを小さくしてコンパクト化を図る上で有効である。この場合も、図13に示すように8箇所すべての外径凹所15に車体取付フランジ18を設けたり、あるいは、図14に示すように外輪10の円周方向等間隔に配された4箇所の外径凹所15に車体取付フランジ18を設けることも可能である。
本発明に係るDOJの実施形態で、6個ボールDOJの全体構成を示す断面図である。 図1のDOJを示す右側面図である。 図1のDOJにおける内輪を示す側面図である。 本発明の一つの実施形態で、DOJにおけるケージの断面図である。 誘起スラストの6次成分の測定結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態におけるDOJを示す側面図である。 図6のDOJにおける外輪を示す側面図である。 本発明の他の実施形態で内輪とケージを示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態で内輪とケージを示す拡大断面図である。 従来品と実施品における外輪の大きさを比較するためのもので、(a)はX−X線の左側に従来品、右側に実施品を配置した側面図、(b)はY−Y線の上側に従来品、下側に実施品を配置した断面図である。 図10の実施品の外輪を示す側面図である。 本発明の他の実施形態で、3個の車体取付フランジを有する6個ボールのDOJを示す側面図である。 本発明の他の実施形態で、8個の車体取付フランジを有する8個ボールのDOJを示す側面図である。 本発明の他の実施形態で、4個の車体取付フランジを有する8個ボールのDOJを示す側面図である。 従来のDOJを示す断面図である。 図15の側面図である。
符号の説明
10 外輪
12 円筒状内周面
14 トラック溝
15 外径凹所
17 内径部
18 車輪取付フランジ
20 内輪
22 球面状外周面
24 トラック溝
30 トルク伝達ボール
40 ケージ
42 球面状外周面
44 球面状内周面
46 ポケット
47 柱部
O 継手中心
Oo ケージの球面状外周面の中心
Oi ケージの球面状内周面の中心
α0 等ピッチ
1,L2 外輪の内径部の幅
1,W2 ケージの柱部の幅

Claims (5)

  1. 円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成し、外径端部に円周方向に沿って複数の車輪取付フランジが径方向に突設された外輪と、球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪と、前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに一個ずつ組み込んだn個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有し、球面状外周面が前記外輪の円筒状内周面に接するケージとを備え、前記ケージの球面状外周面の中心と球面状内周面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた等速自在継手において、前記外輪の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形し、その外輪のトラック溝間に位置する外径凹所に車体取付フランジを形成し、かつ、前記ボールトラックの円周方向配置を等ピッチにすると共に、前記ケージのポケット間に位置する柱部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一としたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成し、外径端部に円周方向に沿って複数の車輪取付フランジが径方向に突設された外輪と、球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪と、前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに一個ずつ組み込んだn個のトルク伝達ボールと、前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有し、球面状外周面が前記外輪の円筒状内周面に接するケージとを備え、前記ケージの球面状外周面の中心と球面状内周面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた等速自在継手において、前記外輪の外径形状をその内径形状に沿った花形に成形し、その外輪のトラック溝間に位置する外径凹所に車体取付フランジを形成し、かつ、前記ボールトラックの円周方向配置を等ピッチにすると共に、前記外輪のトラック溝間に位置する内径部の幅を少なくとも一箇所以上で不均一にし、かつ、ケージのポケット間に位置する柱部の幅を均一にしたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  3. 継手の軸線を含む断面で見て、前記ケージの内周面は、内輪の外周面の曲率中心から径方向にずらした位置に曲率中心をもち、内輪の外周面の曲率半径より大きい曲率半径で形成されている請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記ケージの内周面は、中央部の任意の軸方向寸法にわたる円筒面と、その両側に位置する内輪の外周面と同一曲率半径の部分球面とを結んで形成されている請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 前記トルク伝達ボールの個数nが6である請求項1〜4のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
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