JP4518216B2 - 真空濾過による粒状固形物の洗浄方法 - Google Patents

真空濾過による粒状固形物の洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、幅広い粒度分布を有する粒状固形物の真空ろ過方法による洗浄、又は副生粒状固形物からの有用成分の回収を効率的に実施する方法である。即ち、本発明は、高分子工業、有機・無機等の各種分野において、広い粒度分布を有する粒状固形物の高純度化、又は粒状固形物に含有される有用成分の回収に関し工業的に有効な方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶液重合又は懸濁重合により得られる重合体、あるいは有機合成反応等によって得られた沈澱物を、スラリー溶液中等から分離・洗浄するには遠心分離、加圧濾過、真空濾過等の方法が一般的に用いられている。
【0003】
沈澱や析出によって得られた幅広い粒度分布を持つ重合固形物あるいは有機合成化合物等を含むスラリーを濾過し、濾過後の沈澱物の洗浄や沈澱物に含有される有用成分を回収する際には、微粒子に比較して粗粒子の洗浄又は粗粒子に含有される有用物質の回収が困難であることは一般的に知られていた。スラリー濾過後のケーキを洗浄する際には、更に、粗粒子間に発生した洗浄液の流路を洗浄液が優先的に通過する事により、粗粒子ばかりでなく全体的に洗浄効率や有用成分の回収効率が低下する事もよく知られていた。これらの問題を解決する為に、例えば加圧による方法や遠心力を利用した濾過洗浄方法を用いる事が知られていた。
【0004】
これらの方法で、幅広い粒度分布を有する粒状固形物の洗浄等を効率よく実施しようとすると、過度の圧力や過度の遠心力により、粒状固形物の粒子が破壊され、微粒子が必要以上に増加したり、粒状固形物が非常に堅い大きな塊となり、その後の取り扱いに支障をきたす等の不都合が生じる場合があった。
【0005】
比較的粒子に負荷がかからない真空濾過洗浄方法を使用した場合に、従来の方法では被処理物の粒度分布が幅広い場合には、スラリー濾過後に形成されたケーキは、粒子間にスラリー液や空間を有する密度が低いものとなる。この様なケーキは、その後の洗浄液等による洗浄あるいは有用成分の回収には適していない為に目的とする洗浄度や回収度を達成する為には、多量の洗浄液等を使用したり、洗浄回数を多くする等の時間的および経済的に不利な方法を採らざるを得ないのが現状である。
【0006】
真空濾過における一般的な洗浄効率を上げる方法として、常圧下で洗浄液をケーキに添加し粒状固形物との接触時間を延長して洗浄効率を上げる方法、洗浄液で何度もケーキを洗浄する方法、またその際に洗浄液使用量低減の為に、洗浄液を繰り返して使用する方法(例えば向流洗浄方法)などが一般的に知られていた。しかし、これらの方法は特に粒度分布の広い粒状固形物の洗浄などを考慮に入れた方法で無いため、幅広い粒度分布を有する粒状固形物の有効な洗浄に関しては効果が薄いばかりでなく、洗浄液などを多量に使用するとか、あるいは洗浄回数を多くしなければならない等の不利な点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が意図するところは、上記した技術的に困難な点を解決しようとするものである。即ち、幅広い粒度分布を持つ粒状固形物を含むスラリーを真空濾過により固液分離した後、粒状固形物のケーキの洗浄あるいは粒状固形物に含有される有用成分の回収が必要な際の、有効で経済的な洗浄方法あるいは回収方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、幅広い粒度分布を持つ粒状固形物を含むスラリーを真空濾過により固液分離した後、該粒状固形物を洗浄する方法において、一旦真空濾過にて溶剤等と粒状固形物を分離する事で形成されたケーキを常圧下にて洗浄液を添加・攪拌して一度だけ再スラリー化し、再度真空下にて濾過を行い、再度ケーキ層を形成させた後、洗浄液で再度形成させたケーキ層を洗浄してなる粒状固形物の洗浄方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
具体的には、幅広い粒度分布を持つ粒状固形物を含むスラリーをまず、真空濾過により固液分離し、濾布などの濾材上にケーキを形成させる。その後、常圧下にて、水及び/又は溶剤等の洗浄液を添加し、攪拌を行う。この際、ケーキは水及び/又は溶剤等に分散され再スラリー化された状態になる。次に、再び真空濾過を行い濾材上にケーキを再形成する。この再形成されたケーキは、単にスラリー濾過のみのケーキと比べてより密となることを見いだした。
【0010】
詳細に調べたところ、ケーキの構造も最上面に細かな粒子の堆積層、中間部分に粗粒子と粗粒子間の空隙により細かな粒子が詰まった状態の堆積層、濾材に最も近い最下層部には層としては薄いが、微粒子の堆積層からなる3層からなる構造になっていた。
【0011】
この3層構造のケーキを再形成した後、水及び/又は溶剤等の洗浄液を添加して、真空濾過洗浄を行う。ケーキを3層構造のより密な構造にした後に洗浄を行う事で、再スラリー化を経ずに洗浄した場合に比較して、洗浄液がケーキに均一に分散されると共に、ケーキの上下の圧力差が全体的に均一になるため、減圧にする効果が有効に利用され、粗粒子中の内部にまで洗浄液が行き渡り、洗浄あるいは有用成分の回収効率が大幅に改良される。
【0012】
本発明方法においては、スラリー濾過によるケーキ形成以後の洗浄液などによるケーキの解砕を繰り返すことは好ましくない。即ち、本発明方法の主旨は、ケーキを解砕する事により、ケーキを形成する粒状固形物と洗浄液をよりよく接触させて洗浄効率を向上させることでは無く、あくまでも洗浄されやすい3層構造からなるケーキ層を形成させた後に洗浄する事にある。粒状固形物の粒度分布が幅広い場合には、単に洗浄液とのよりよい接触のみで洗浄効率などを向上させる事は困難である。特に、粗粒子中に含有される不純物の洗浄、あるいは有効成分の回収に関しては、単なる粒状固形物と洗浄液等との接触で効果を得るためには非常に長時間を要する等の不都合が生じる。
【0013】
本発明が適用可能な粒状固形物とは、溶液重合後の沈澱や懸濁重合によって得られた高分子物質、合成反応あるいはその後の沈澱工程によって得られた有機合成化合物、又は有用成分の回収等を目的にスラリー中に存在する無機化合物である。そして、粒状固形物の粒径は、1μm〜5mmの範囲にある事が好ましいが、必ずしもこの範囲にとらわれるものではない。しかしながら、本発明は粒状固形物中に、粒径100μm以下のものが15重量%以上含まれる場合に適用すると効果的である。特に、溶液重合で得られた反応液に重合物の貧溶媒を加えて得られる幅広い粒度分布を有する重合固形物を含むスラリーの分離、洗浄に有効であり、重合して得られた重合物の種類にとらわれるものではない。これら重合物の濃度は通常、数%から数十%の範囲のものが得られ、重合物は幅広い粒度分布を有するのが通常である。
【0014】
また、本発明の方法に用いられる溶媒や沈澱化剤といった溶剤としては、目的とする重合物の性質や合成プロセスにより種々選択される事が可能である。
【0015】
真空濾過を行う際に用いられる濾材の材質としては、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニリデン、ポリビニリデンジフロライドおよびポリクロロトリフルオロエチレン等の合成繊維や、綿および羊毛といった天然繊維が上げられるがこの限りではない。むしろ、真空濾過する被処理物の性状や溶剤との耐薬品性を考慮して選定される。濾材は通気量(JISL1096、一般織物試験法)は、一般に(1cc/sec)/cm2 〜(25cc/sec)/cm2 のものが使用される。
【0016】
真空濾過を行う際の真空度(減圧度)は常圧より低圧の状態であればよく、一般的には 600torr以下であり、好ましくは 450torr以下である。
【0017】
本発明方法による再成形された洗浄直後のケーキ中には、未だ多量の洗浄液等が含まれており、洗浄液中に含まれる微量の不純物等を除去する為にも洗浄終了後の脱液は重要である。この洗浄後の脱液時間は、一般に1〜10分である。本脱液操作は通常真空化で行われ、脱液時間や真空度などは粒状固形物等の種類、ケーキ層の厚み等により適宜選定される。通常、ケーキ層の厚みは 5〜50mmである。
【0018】
また、本発明の洗浄方法においてケーキを再スラリー化するのに使用される洗浄液の量は、粒状固形物や洗浄液の種類によって適宜選択できるが、ケーキを形成する粒状固形物が均一に再スラリー化するに十分な量が必要であり、一般的には粒状固形物の1.0から5.0重量倍である。再スラリー化に使用する液量が5.0重量倍を超えるとケーキ再形成の際の濾過に時間がかかり、また必要以上の洗浄液を使用することになり経済的に不利になる。一方、再スラリー化に使用する液量が1.0重量未満であると再スラリー化が困難となる。
【0019】
本発明において、スラリー濾過によるケーキ形成以後の洗浄液等による再スラリー化を行う時間は、通常5〜120秒であり、好ましくは5〜60秒である。再スラリー化によるケーキの解砕を長時間行うことは好ましくない。即ち、洗浄液等の液中でケーキを長時間攪拌するとさらに微粒子を増加させ、その後の取り扱いに支障をきたす等の不都合が生じる。
【0020】
本発明の洗浄方法においてケーキを再スラリー化する場合には、濾材に面する最下層部分に、最初に形成されたケーキ層を該ケーキ層の厚さの通常2〜60%、好ましくは2〜20%残すことが、常圧下でのスラリー攪拌時に洗浄液等の漏れを防ぎ、且つ洗浄に適したケーキの形成に効果がある。また、攪拌羽根と濾材との接触がないために、濾材の損傷を防ぐ効果もある。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例および比較例によって本願発明をより具体的に説明するが、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
実施例および比較例における真空濾過の検討は濾過面積約100cm2 のヌッチェ型真空濾過機を用い一連の濾過・洗浄を行った。濾過・洗浄は真空度を 400torr、通気量(5cc/sec)/cm2 の濾材を使用して行った。
【0023】
参考例1
ポリフェニレンエーテルのトルエン・アミン反応液をメタノールの水溶液中に添加し攪拌しながら析出・沈殿化させた。こうして得たスラリー中にはポリフェニレンエーテル10wt%、トルエン30wt%、メタノール52wt%、水5wt %、アミン3wt %が含まれる。スラリー中の固形分の粒度分布は粒子径1.5mm 以上から30μm以下まで幅広く分布し、その内粒子径が 1〜100 μm以下の物が28wt%、1.5mm 〜 5mmの物が13%含まれていた。但し、上記アミンの沸点は75℃以上であった。
【0024】
実施例1
参考例1のスラリー 800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約60wt%であった。その後、常圧下でポリフェニレンエーテル重量に対し2倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌して再スラリー化した。再び真空濾過を行い濾材上にケーキの再形成を行った。その後、真空下でポリフェニレンエーテル重量に対し2.5倍量、4.5倍量のメタノールを、再形成されたケーキ上より添加し、2度真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄メタノール量はポリフェニレンエーテル重量の9.0倍量であり、湿ケーキ中の含液率は53.9wt%、残トルエン量は 7.0wt%、残アミン量は0.03wt%であった。また、該ケーキは単に濾過した時のものと比べ上層に微粒子層、中間部に比較的粒径の大きい物とその隙間に微粒子が詰まった層があり、濾材に最も近い最下部に微粒子層があるという3層構造になっていた。
【0025】
実施例2
参考例1のスラリー800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約60wt%であった。その後、常圧下でポリフェニレンエーテル重量に対し4.5倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から1.0mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌後再び脱液を行いケーキの再形成を行った。その後、真空下でポリフェニレンエーテル重量に対し4.5倍量のメタノールを、再形成されたケーキ上より添加し、真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄メタノール量はポリフェニレンエーテル重量の9.0倍量であり、湿ケーキ中の含液率は55.2wt%、残トルエン量は 8.0wt%、残アミン量は0.09wt%であった。
【0026】
比較例1
参考例1のスラリー800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約60wt%であった。その後、ケーキの再形成なしに真空下で、ポリフェニレンエーテル重量に対し2倍量、2.5倍量、4.5倍量のメタノールを3度添加し、真空濾過・洗浄を繰り返した。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄メタノール量はポリフェニレンエーテル重量の9.0倍量であり、湿ケーキ中の含液率はは58.5wt%、残トルエン量は12.2wt%、残アミン量は0.28wt%であった。
【0027】
比較例2
参考例1のスラリー800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約60wt%であった。その後、常圧下でポリフェニレンエーテル重量に対し2.0倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌後、再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。このケーキの解砕と真空濾過による再形成をポリフェニレンエーテル重量に対し2.5倍量、4.5倍量のメタノールにて、同様に更に2度繰り返し行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄メタノール量はポリフェニレンエーテル重量の9.0倍量であり、湿ケーキ中の含液率は56.5wt%、残トルエン量は10.0wt%、残アミン量は0.20wt%であった。
【0028】
比較例3
参考例1のスラリー800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約60wt%であった。その後、常圧下でポリフェニレンエーテル重量に対し2.0倍量のメタノールをケーキ上より添加しケーキを解砕する事なしに接触させ1分後に、再び真空による濾過を行いケーキの洗浄を行った。その後、ポリフェニレンエーテル重量の2.5倍量、4.5倍量のメタノールを2度添加し、真空濾過・洗浄した。最後に真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は57.0wt%、残トルエン量は11.0wt%、残アミン量は0.24wt%であった。
【0029】
参考例2
参考例1と同様の方法で、沈澱時の攪拌速度のみ変えてスラリーを得た。スラリー中の固形分の粒度分布は粒子径1μm〜5mmまで幅広く分布し、その内粒子径が 1〜100 μmの物が23wt%、1.5mm 〜 5mmの物が17wt%含まれていた。
【0030】
実施例3
参考例2のスラリー800gを真空濾過し濾材上に20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約61wt%であった。その後、常圧下にてポリフェニレンエーテル重量に対し1.5倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌し、再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。その後、再形成されたケーキにポリフェニレンエーテル重量に対し7.5倍量のメタノールにて真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は54.2wt%、残トルエン量 7.0%% 、残アミン量0.06wt%であった。
【0031】
比較例4
参考例2のスラリーを用い、真空下にて濾過し濾材上に20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約61wt%であった。その後常圧下にてポリフェニレンエーテル重量に対し0.5倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から5.0mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌し再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。しかしながらケーキは解砕できたものの通常再形成されるケーキの形状と異なり凹凸が大きくケーキ表面に粗粒子が多く存在していた。再形成されたケーキにポリフェニレンエーテル重量に対し8.5倍量のメタノールにて真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は59.0wt%、残トルエン量12.3wt%、残アミン量0.25wt%であった。
【0032】
参考例3
参考例1と同様の方法で、沈澱時の攪拌速度のみ変えてスラリーを得た。スラリー中の固形分の粒度分布は粒子径1μm〜5mmまで幅広く分布し、その内粒子径が 1〜100 μmの物が18wt%、1.5mm 〜 5mmの物が20%含まれていた。
【0033】
実施例4
参考例3のスラリー400gを真空濾過し濾材上に10mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約61wt%であった。その後、常圧下にてポリフェニレンエーテル重量に対し2.0倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌し、再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。その後、ポリフェニレンエーテル重量に対し7.0倍量のメタノールにて真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約1分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は55.9wt%、残トルエン量 7.5wt%、残アミン量0.08wt%であった。
【0034】
比較例5
参考例3のスラリーを用い真空濾過にて濾材上に10mm厚のケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約61wt%であった。その後ケーキを解砕することなしに、ポリフェニレンエーテル重量に対し9.0倍量のメタノールをケーキ上より添加して真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約1分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は59.1wt%、残トルエン量16.1wt%、残アミン量0.51wt%であった。
【0035】
比較例6
参考例3のスラリー800gを用いろ材上に20mm厚のケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約62wt%であった。その後ケーキを解砕することなしに、ポリフェニレンエーテル重量に対し9.0倍量のメタノールをケーキ上より添加して真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率59.5wt%、残トルエン量13.9wt%、残アミン量0.36wt%であった。
【0036】
比較例7
参考例3のスラリーを用い濾材上に10mm厚のケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約61wt%であった。その後、常圧下にてポリフェニレンエーテル重量に対し2.25倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕し再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。その後、ポリフェニレンエーテル重量に対し2.25倍量のメタノールにて、同様にしてケーキの解砕と真空濾過による再形成を3回繰り返した。その後、真空下で約1分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は56.4wt%、残トルエン量12.0wt%、残アミン量0.28wt%であった。
【0037】
参考例
参考例1と同様の方法で、沈澱時の攪拌速度のみ変えてスラリーを得た。スラリー中の固形分の粒度分布は粒子径1μm〜5mmまで幅広く分布し、その内粒子径が 1〜100 μmの物が13wt%、1.5mm 〜 5mmの物が24%含まれていた。
【0038】
比較例11
参考例4のスラリー 800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約66wt%であった。その後、常圧下でポリフェニレンエーテル重量に対し2倍量のメタノールを添加し、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌して再スラリー化した。再び真空濾過を行い濾材上にケーキの再形成を行った。その後、真空下でポリフェニレンエーテル重量に対し7.0倍量のメタノールを、再形成されたケーキ上より添加し、真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄メタノール量はポリフェニレンエーテル重量の9.0倍量であり、湿ケーキ中の含液率は60.1wt%、残トルエン量は13.1wt%、残アミン量は0.29wt%であった。また、該ケーキは 100μm以下の粒子が18wt%、23wt%、28wt%含まれるスラリーを用いてケーキの再形成した場合の様な、上層に微粒子層、中間部に比較的粒径の大きい物とその隙間に微粒子が詰まった層があり、濾材に最も近い最下部に微粒子層があるという3層構造になっておらず、ケーキ表面には粗大き粒子のみが存在し、濾材に面した最下層部分にのみ微粒子の層があるという構造になっていた。
【0039】
比較例8
参考例4のスラリー800gを真空濾過し濾材上に厚さ20mmのケーキを形成した。この操作によって得られたケーキ中の含液率は約66wt%であった。その後、ケーキを解砕する事なしに、ポニフェニレンエーテルの重量に対して9.0倍量のメタノールをケーキ上より添加して真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の含液率は63.4wt%、残トルエン量は18.3wt%、残アミン量は0.77wt%であった。
【0040】
参考例5
ポリカーボネート樹脂溶液にポリカーボネートに対して貧溶媒であるイソプロパノールを添加し攪拌しながら析出・沈殿化させた。こうして得たスラリー中には、ポリカーボネート樹脂7wt%、メチレンクロライド35wt%、イソプロパノール58wt%が含まれていた。スラリー中の固形分の粒度分布は 1.5mm以上から30μm以下まで幅広く分布し、その内粒子径が 1〜 100μm以下のものが35wt%、 1.5〜 5mm以上のものが9wt%含まれていた。
【0041】
実施例6
参考例5に記載のスラリー1000gを真空濾過し濾材上にに20mm厚さのケーキを形成した。この後、常圧下でポリカーボネート重量に対して3倍量のイソプロパノールを添加し、、ケーキの最下層から0.5mm分のケーキを残して、ケーキを解砕・攪拌して再スラリー化した。再び真空濾過を行い濾材上にケーキの再形成を行った。その後、真空下でポリカーボネート重量に対し3倍量、6倍量のイソプロパノールを、再形成されたケーキ上より添加し、2度真空濾過・洗浄を行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄イソプロパノール量はポリカーボネート重量の12倍量であり、湿ケーキ中の残メチレンクロライド量は4.3wt%であった。
【0042】
比較例9
参考例5のスラリー1000gを真空下にて濾過し濾材上に20mm厚さのケーキを形成した。その後、ケーキを解砕することなしに、ポリカーボネート重量に対して12倍量のイソプロパノールをケーキ上より添加して真空濾過・洗浄をを行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の湿ケーキ中の残メチレンクロライド量は、8.1wt%であった。
【0043】
比較例10
参考例5のスラリー1000gを真空下にて濾過し濾材上に20mm厚さのケーキを形成した。その後、常圧下でポリカーボネート重量に対して4倍量のイソプロパノールを添加し、ケーキを解砕・攪拌後、再び真空濾過を行いケーキの再形成を行った。このケーキの解砕と真空濾過による再形成をポリカーボネート重量に対して4倍量のイソプロパノールにて、更に2度繰り返し行った。その後、真空下で約2分脱液した。この場合の総洗浄イソプロパノール量はポリカーボネート重量の12倍量であり、湿ケーキ中の残メチレンクロライド量は6.6wt%であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明方法によれば、従来の方法に比較して、洗浄液の使用量や洗浄回数を低減することができ、幅広い粒度分布を持つ粒状固形物の高純度化、あるいは有用物質の回収効率の向上が可能となる。本発明を工業的な装置に適用した場合には、濾過装置を相対的に小さくできるばかりでなく、抽出後の抽出液中有用成分の濃度が高くなり、その後の有用成分の単離に於いても経済的に有利な結果をもたらす等、多くの利点がある。

Claims (1)

  1. 粒径が1μm〜5mmの範囲であり、しかも粒径が100μm以下のものが15重量%以上含まれる幅広い粒度分布を持つ粒状固形物を含むスラリーを真空濾過により固液分離した後、該粒状固形物を洗浄する方法において、一旦真空濾過にて溶剤等と粒状固形物を分離する事で形成されたケーキを、濾材に面する最下層部分に最初に形成されたケーキ層を、該ケーキ層の厚さの2〜60%を残し、粒状固形物の1.0〜5.0重量倍の洗浄液を常圧下にて添加・攪拌して一度だけ再スラリー化し、再度真空下にて濾過を行い、再度ケーキ層を形成させた後、洗浄液で再度形成させたケーキ層を洗浄することを特徴とする粒状固形物の洗浄方法。
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