JP4513466B2 - 溶接継手および溶接材料 - Google Patents

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Description

本発明は、石油精製における熱交換型炭化水素改質装置や廃熱回収装置等にて、高温での雰囲気に曝される容器、反応管、部品等に使用され、溶接性及び耐メタルダスティング性に優れた高Cr−高Ni−Fe合金である母材及び溶接金属からなる溶接継手およびその溶接継手を作製するのに用いる溶接材料に関する。
石油精製等における改質装置、石油等を原料とするアンモニア製造装置、水素製造装置等においては、エネルギー効率を高めるために廃熱回収のための熱交換が多用されるようになってきている。一方、今後、水素ガス、メタノールガス等のクリーンエネルギは、大幅な需要増加が予想され、これらの製造に欠かせない改質装置には大型で熱効率が高い、量産に適したものが要求される。
通常、上記の装置の反応管などの金属材料は、1000℃程度またはそれ以上の温度で、H2、CO、CO2、H2O、炭化水素(メタン等)を含む反応ガスに曝される。この温度域においては、金属材料の表面は、FeやNi等よりも酸化傾向の大きいCr、Si等の元素が選択的に酸化され、緻密な酸化皮膜を形成する。これにより金属材料の腐食が抑制される。
しかし、高温ガスの熱を有効活用するためには、従来よりも低い、400〜700℃の温度域における熱交換が重要であり、この温度域において反応管や熱交換器等に使用する高Cr−高Ni−Fe合金系金属材料の浸炭現象に伴う腐食が問題となる。即ち、熱交換器等の相対的に温度の低い部分では、腐食抑制効果のある酸化皮膜の形成が遅れるため、ガスからC原子が金属材料表面に吸着され、金属材料に浸炭が生じるのである。
金属材料中にCr、Fe等の炭化物を含む浸炭層が形成されると、その部分が膨張して微細な割れが生じやすくなる。更に、金属材料中の炭化物形成が飽和すると、金属材料の表面から炭化物が分解して発生する金属粉末が剥離して腐食消耗が進行する、いわゆるメタルダスティングが生じる。剥離した金属粉末は、金属材料の表面における炭素析出を促進させる。このような損耗、炭素析出等によって管内閉塞が拡大すると、装置の故障を招くおそれがあるので、装置部材としての材料選定に十分な配慮が必要である。
特許文献1には、Al量を高めた高Cr−高Ni−Fe合金にCuを含有させることにより、耐メタルダスティング性を確保した金属材料が開示されている。また、特許文献2には、上述のような耐浸炭性を向上させた高Cr−高Ni−Fe合金溶接継手が開示されている。
特開2003-73763号公報 特開2002-235136号公報
特許文献1に開示された金属材料は、溶接性、特にAl量の高Ni基合金溶接時に問題となる溶接熱影響部(Heat Affected Zone 以下、「HAZ」という。)で生じる割れを抑制する観点での配慮がなされていない。このため、溶接施工を伴った構造物への使用を考えた際には十分な溶接性を具備しているとは言えない。
特許文献2に開示された溶接継手は、エチレンプラントのような熱分解により石油製品を製造する装置で問題となるコーキングを防止することを目的としたものであり、より苛酷な環境で問題となる耐メタルダスティング性および溶接性を同時に満足することができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、熱交換型炭化水素改質装置、廃熱回収装置等のメタルダスティングの発生しやすい環境下において、優れた耐食性を有し、しかも高温強度と溶接性とに優れた溶接継手および溶接材料を提供することである。
なお、「熱交換型炭化水素改質装置、廃熱回収装置等の環境下」とは、具体的には、炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気下を意味する。
本発明者らは、耐メタルダスティング性を確保しつつ、溶接性にも優れた溶接継手につき検討を行った。
溶接継手を形成する母材および溶接金属は、液相線温度(TL)と固相線温度(TS)の範囲において大きな延性低下を示す。また、低温(TS未満)になるにつれ再び延性が低下する温度領域が存在する。前者の温度領域を凝固脆性温度範囲(BTR: Brittleness Temperature Range)、後者の温度領域を延性低下温度領域(DTR: Ductility-dip Temperature Range)という。溶接継手のHAZでの割れには、(a) 溶接熱サイクルを受けた際に溶接金属との境界に近い高温に加熱された母材粒界が溶融し、溶接により付加される歪みがBTRを上回った際に生じる「液化割れ」と、(b)溶接熱サイクルを受けた際、DTRを超えるような歪みが付加される場合に生じる「延性低下割れ」とがある。
この延性低下割れを抑制するためには、DTRでの最も低い延性値(最低延性値、以下εDTRと記す。)を上げることが有効であり、そのためには、P、S、Al、Ti等の粒界脆化を生じやすい元素の含有量を少なくする必要がある。
しかし、耐メタルダスティング性を確保するためには、高濃度のAlに加えてCuも含有させなければならない。Alは粒界脆化の誘発はもちろん、粒内に固溶してγ'相(Ni3(Al、Ti)の金属間化合物)を形成し、粒内強度を上昇させ、Cuもまた粒内に固溶して微細な金属間化合物を析出して粒内強度を上昇させる。
よって、耐メタルダスティング性を有する金属材料は、従来の高Cr-高Ni-Fe合金と比較して粒内強度は極めて高く、そのため溶接継手ではHAZにて多数の延性低下割れが生じるおそれがある。
そこで、本発明者らは粒界を強化させて粒内/粒界の強度バランスを保ちεDTRを上昇させることで延性低下割れを防止すべく、Moに着目した。
即ち、Moは炭化物形成元素であり、浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を高める作用を有している。さらに、Moは一般に粒内に固溶して強度を高める元素として使用されるが、その含有量が15質量%以下の場合にはむしろ粒界強化作用の方が顕著となる。そこで、P、S等の粒界脆化を促進する元素はもちろんのこと、耐メタルダスティング性確保の為に必須であるAlおよびCuを添加することによる粒内強化によって促進されるHAZでの延性低下割れを、Moを必須元素として適正量含有させることにより粒界を強化し、粒内/粒界強度をバランスさせてεDTRを上昇させることで防止することができるのである。
また、粒界強化元素であるBは多量に含有させると粒界の溶融化を促進して液化割れを誘発し、かつ溶接金属凝固時に液相へ著しく濃化して液相を低融点化し凝固割れ感受性を著しく増加させる。このため、Bを含有させる場合には、その含有量に制約を設ける必要がある。
さらに、耐浸炭性を向上させる元素であるSiは多量に含有させると粒界の溶融化を促進して液化割れを誘発し、かつ溶接金属凝固時に液相へ著しく濃化して液相を低融点化し凝固割れ感受性を著しく増加させる。このため、Siを含有させる場合にも、その含有量に制約を設ける必要がある。
以上により、質量%で、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、Cu:0.53〜5.5%を含有する高Cr−高Ni−Fe合金をベースとし、さらに、耐メタルダスティング性を確保するAl、SiおよびCu、粒界を強化するMo(更には、B)、ならびに粒界脆化を促進するPおよびSを下記の(1)式または(2)式を満足するように成分調整をすれば、耐メタルダスティング性を確保しつつ同時に溶接熱サイクルを受けた際にHAZでの延性低下割れが生じない溶接継手を得ることができる。
Bを含有しない場合
24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
Bを含有する場合
24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23・・・(2)
但し、(1)式または(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
本発明は、下記の(A)から(G)までのいずれかに示す溶接継手および下記の(H)から(N)までのいずれかに示す溶接材料を要旨とする。
(A) 母材および溶接金属がともに、質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、且つ下記(1)式を満足し、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
但し、(1)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
(B) 上記の(A)に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
(C) 上記の(A)または(B)に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
(D) 母材および溶接金属がともに、質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、更に、B:0.0005〜0.03%、Ca:0.0005〜0.02%およびMg:0.0005〜0.02%の中から選択される1種以上を含み、且つ下記(2)式を満足することを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(2)
但し、(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。Bを含有しない場合には、(2)式中の「B」に0を代入する。
(E) 上記の(D)に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
(F) 上記の(D)または(E)に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
(G) 炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気で使用することを特徴とする上記の(A)から(F)までのいずれかに記載の耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
(H) 質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、且つ下記(1)式を満足し、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とする上記の(A)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
但し、(1)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
(I) 上記の(H)に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする上記の(B)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
(J) 上記の(H)または(I)に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする上記の(C)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
(K) 質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、更に、B:0.0005〜0.03%、Ca:0.0005〜0.02%およびMg:0.0005〜0.02%の中から選択される1種以上を含み、且つ下記(2)式を満足することを特徴とする上記の(D)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(2)
但し、(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。Bを含有しない場合には、(2)式中の「B」に0を代入する。
(L) 上記の(K)に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする上記の(E)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
(M) 上記の(K)または(L)に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする上記の(F)に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
(N) 炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気で使用する部材を溶接する材料であることを特徴とする上記の(H)から(M)までのいずれかに記載の耐メタルダスティング性に優れた溶接材料。
本発明に係る溶接継手は、耐メタルダスティング性および溶接性に優れているので、石油精製における加熱炉管、配管または熱交換器管などに利用することができ、装置の溶接施工性、耐久性および安全性を大幅に向上させることができる。また、本発明に係る溶接材料は、上記の溶接継手をTIG溶接法により作製するのに最適である。
本発明において、溶接継手の母材と溶接金属の化学組成を限定する理由は、下記のとおりである。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.01〜0.45%
Cは、溶接継手の母材および溶接金属の強度を高める作用を有する元素であるが、その含有量が0.01%未満では高温強度が不十分となる。一方、その含有量が0.45%を超えると、溶接継手の靭性が低下する。従って、Cの含有量を0.01〜0.45%とした。Cの含有量は0. 2〜0.4%が好ましく、最も好ましいのは0.25〜0.4%である。
Si:0.01〜2%
Siは、金属材料の溶製時に脱酸作用を有する元素である。Siは、また、溶接継手表面のCr酸化皮膜の下層にSi酸化皮膜を形成して溶接継手中へのCの侵入を抑制するとともに、溶接継手中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を大幅に向上させる作用も有する元素である。このため、Siは0.01%以上含有させる。しかし、その含有量が2%を超えると、母材の熱間加工性や溶接性が低下する。従って、Siの含有量は0.01〜2%とした。Siの含有量の下限は0.05%が望ましく、更に望ましいのは0.06%である。また、Siの含有量の上限は1%が望ましく、更に望ましいのは0.5%である。
Mn:0.01〜2%
Mnは、不純物として含まれるSによる母材の熱間加工時の脆性を抑制する効果を有するとともに、溶製時の脱酸に有効な元素である。これら効果を得るためには、Mnは0.01%以上含有させることが必要である。しかし、Mnの含有量が2%を超えると、母材および溶接金属からなる溶接継手中のCの活量を低下させ、溶接継手表面におけるCrやAlの酸化皮膜の形成を阻害する。その結果、雰囲気中からのCの侵入を促進させるので、メタルダスティングが発生しやすくなる。従って、Mnの含有量は0.01〜2%とした。Mnの含有量は0.05〜1.0%が好ましく、最も好ましいのは0.1〜0.8%である。
P:0.03%以下
Pは、金属材料を溶製する際に原料などから混入してくる不純物元素であり、耐食性の低下を招き、熱間加工性、溶接性を劣化させるので、可能な限り低減することが望ましい。従って、Pの含有量は0.03%以下とした。Pの含有量は、0.02%以下が好ましく、最も好ましいのは0.01%以下である。
S:0.01%以下
Sも金属材料を溶製する際に原料などから混入してくる不純物元素であり、耐食性の低下を招き、熱間加工性、溶接性を劣化させるので、可能な限り低減することが望ましい。従って、Sの含有量は0.01%以下とした。Sの含有量は、0.007%以下が好ましく、さらに好ましいのは0.002%以下である。
Cr:15〜35%
Crは、高温の使用環境において、溶接継手中に侵入したCと結合して浸炭層の成長を遅延する作用を有し、これによって良好な耐メタルダスティング性が確保される。この効果はその含有量が15%以上の場合に発揮される。しかし、その含有量が35%を超えると、靱性の低下、熱間加工性の劣化が生じて母材の製造が困難になる。従って、Crの含有量は15〜35%とした。Crの含有量は18〜33%が望ましく、更に望ましいのは、25.2〜33%である。
Ni:40〜78%
Niは、高温強度と組織安定性を維持し、Crと共存することによって耐食性を高める作用を有する元素である。また、Niはメタルダスティングの発生を抑制する効果も有する。これらの効果はNiの含有量が40%以上で発揮されるが、78%を超えてもその効果は飽和する。従って、Niの含有量は40〜78%とした。Niの含有量は、48〜78%が好ましく、更に50〜78%であれば一層好ましい。最も好ましいのは56〜78%である。
Al:2%を超え4.5%未満
Alは、金属材料の溶製時に脱酸作用を有する元素である。Alは、溶接継手表面のCr酸化皮膜の下層または溶接継手の最表面にAl酸化皮膜を形成し、Cの金属材料中への侵入を抑制するとともに金属材料中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を大幅に向上させる作用も有する。さらに、Alは、Ni3Al等の金属間化合物の析出により高温強度を高める作用も有する。これらの効果を得るためには、Alの含有量は2%を超えて含有させる必要がある。しかし、その含有量が4.5%以上の場合、母材の熱間加工性や溶接性の低下が著しくなる。従って、Alの含有量は2%を超え4.5%未満とした。Alの含有量は4%未満であるのが望ましく、更に3.7%未満であるのが望ましい。また、Alの含有量の下限は2.6%であるのが望ましい。
Mo:3.5〜15%
Moは、炭化物形成元素であり、浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を高めるとともに、粒界を強化する元素である。これらの効果を得るためには、Moを3.5%以上含有させることが必要である。しかし、Moの含有量が15%を超えると、粒内に金属間化合物が析出して粒内強度を著しく高め、且つ熱間加工性、製造性、溶接性の低下を招く。従って、Moの含有量は3.5〜15%とした。好ましい含有量は4〜12%であり、更に好ましいのは5〜10%である。
N:0.001〜0.2%
Nは、母材中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を向上させる作用を有する元素である。この効果は、その含有量が0.001%未満では不十分である。しかし、Nの含有量が0.2%を超えると、CrやAlの窒化物が多く形成されて、熱間加工性および溶接性が著しく低下する。従って、Nの含有量は0.001〜0.2%とした。
Cu:0.015〜5.5%
Cuは、溶接継手中のCの活量を高めて浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を向上させる元素である。この効果は、0.015%以上のCuを含有させることで発揮される。しかし、5.5%を超えてCuを含有させると、母材および溶接金属の靱性が低下し、熱間加工性が著しく低下する。また溶接凝固割れ感受性を著しく増大させる。従って、Cuの含有量は0.015〜5.5%とした。Cuの含有量は0.02〜4.8%が好ましく、更に好ましいのは0.05〜4.2%である。
なお、本発明の溶接継手は、Al含有量が2%を超えるので、Cuの含有量を低下させても十分な耐メタルダスティング性が得られる。従って、溶接凝固割れ感受性の観点からCu含有量を2%以下とするのが最も好ましい。
本発明の溶接継手を構成する母材および溶接金属は、上記の化学組成を有し、残部はFeおよび不純物からなるものであればよい。また、耐メタルダスティング性を更に高める観点からは、Feの一部に代えて、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むものであってもよい(実施例では、これらの元素を「第1群元素」と呼ぶ。)。
Ti、Ta、V、Zr、NbおよびHfはいずれも炭化物形成元素であり、浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を高める作用を有する。これらの効果が顕著となるのは、それぞれTaは0.05%以上、Ti、V、Zr、NbおよびHfは0.01%以上の場合である。しかし、これらの元素の含有量が多すぎると、熱間加工性、製造性、靱性および溶接性に悪影響を及ぼす。
従って、これらの元素から選択される1種以上を含有させる場合の含有量は、Tiは0.01〜1.4%、Taは0.05〜5%、Vは0.01〜1%、Zrは0.01〜1.4%、Nbは0.01〜1.4%、Hfは0.01〜1%とする。これらの元素の含有量は、それぞれTiは0.01〜0.8%、Taは0.5〜5%、ZrおよびNbはいずれも0.01〜0.8%、VおよびHfはいずれも0.01〜0.6%とするのが望ましく、更に望ましいのは、それぞれTiは0.01〜0.4%、Taは1〜3%、ZrおよびNbはいずれも0.02〜0.8%、Vは0.01〜0.3%、Hfは0.02〜0.6%である。
本発明の溶接継手の母材および溶接金属は、耐食性向上の観点から、Feの一部に代えて、REM:0.005〜0.3%を含むものであってもよい。なお、REMとは、ScおよびYとランタノイド元素の合計17元素の総称である。
REMは、使用環境において溶接継手表面に生成するCrやAlを含む酸化皮膜の均一性を高めて密着性を向上させ、耐食性を高める作用を有する。この効果が顕著となるのは、0.005%以上の場合である。しかし、その含有量が0.3%を超えると、粗大な酸化物を形成して靱性や熱間加工性の低下を招くとともに、表面疵の発生を多くする。従って、REMを添加する場合の含有量は、0.005〜0.3%とする。REM含有量は0.005〜0.1%が好ましく、より好ましいのは0.005〜0.07%である。
本発明の溶接継手の母材および溶接金属は、熱間加工性および粒界強度を向上させる観点からFeの一部に代えて、B:0.0005〜0.03%、Ca:0.0005〜0.02%およびMg:0.0005〜0.02%から選択される1種以上を含むものであってもよい(実施例では、これらの元素を「第2群元素」と呼ぶ。)。
これらの元素は、いずれも熱間加工性および粒界強度を高める作用を有する元素である。これらの効果が顕著となるのは、それぞれ0.0005%以上含有させた場合である。しかし、Bの含有量が0.03%を超えると、粒界の溶融化を促進して液化割れを誘発し、しかも、溶接金属が凝固する時に液相へ著しく濃化して低融点化し凝固割れ感受性を著しく増加させる。これにより、母材及び溶接金属からなる溶接継手が脆化するとともに熱間加工性と溶接性の低下を招く。CaまたはMg含有量が0.02%を超えると、固溶状態で合金中に存在し、逆に熱間加工性及び溶接性を低下させる。
従って、これらの元素から選択される1種以上を含有させる場合の含有量は、それぞれBは0.0005〜0.03%、CaおよびMgはいずれも0.0005〜0.02%とする。いずれの元素も0.0005〜0.015%とするのが望ましく、より望ましいのは、0.0005〜0.012%である。
本発明の溶接継手は、耐メタルダスティング性を確保するAlおよびCu、粒界を強化するMoおよびB、ならびに粒界脆化を促進するPおよびSを下記の(1)式または(2)式を満足するように成分調整をする必要がある。下記の(1)式または(2)式を満たす場合には、耐メタルダスティング性を確保しつつ、溶接熱サイクルを受けた際にHAZでの延性低下割れが生じない溶接継手を得られる。
Bを含有しない場合:
24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
Bを含有する場合:
24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(2)
但し、(1)式または(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
本発明に係る溶接継手は、特に、炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気下における耐メタルダスティング性に優れている。このため、この溶接継手を石油精製の熱交換型炭化水素改質装置や廃熱回収装置等における反応管や周辺機器等の部材に適用すれば、装置の溶接施工性、耐久性および安全性を大幅に向上させることができる。
以上、母材と溶接金属を構成する成分について説明した。母材と溶接金属は、ともに各成分同じ含有量の範囲内にある化学組成を有するのであるが、これは、母材と溶接金属の化学組成がまったく同一でなければならない、ということではない。即ち、母材と溶接金属のそれぞれの各成分が上述の含有量の範囲内あれがよいのである。例えば、母材のCが0.10%で、溶接金属のCが0.15%であっても差し支えはない。
本発明の溶接継手は、TIG溶接、MIG溶接等の種々の溶接方法で作製することができる。また、溶接を行った後に、表面を酸洗、ショットブラスト、グラインダー研磨等の表面加工処理を施してもよい。溶接材料は、採用する溶接方法と溶接条件に応じて、前記の溶接金属の組成が得られる組成のものを選べばよい。また、TIG溶接を採用する場合には、前述の(H)から(N)までのいずれかに示すものを用いるのが望ましい。
表1に示す化学組成の金属材料を高周波加熱真空炉により溶製した。各金属材料のインゴットを通常の方法で鍛造した後、1200℃で固溶化熱処理を施し、突き合わせ部1.5mmの60°V開先加工が施された厚さ12 mm、幅50 mm、長さ150 mmの拘束溶接割れ試験用試験片および厚さ4 mm、幅10 mm、長さ20 mmの耐メタルダスティング性評価用試験片を作製した。
得られた拘束溶接割れ試験用試験片を用いて、周囲を拘束溶接し、あらかじめ各母材から作製した外径1.2 mmの溶接材料(溶接ワイヤー)を使用して、溶接電流150 A、溶接電圧15V、溶接速度10 cm/minの条件でTIG溶接により多層盛り溶接を行い、溶接継手を得た。ここで、溶接金属の化学組成は、TIG溶接の場合には希釈はほとんど生じないため、母材と同一である。この溶接継手の6箇所の断面を抽出し、光学顕微鏡を用いて200倍の拡大視野で検鏡し、HAZ割れの有無を調査した。
次いで、各金属材料の耐メタルダスティング性評価用試験片を用いて、体積比で26 %H2-60%CO-11.5%CO2-2.5%H2Oの雰囲気中で630℃にて1000時間保持する試験を行い、その後、試験片の表面堆積物を除去し、超音波洗浄を施した後、光学顕微鏡にてピットの発生有無を調査した。この結果も表1に併記する。なお、耐メタルダスティング性は200時間までにピットが発生しないことを目標とする。
さらに、各金属材料の溶接継手に対し、溶接部を中心とする平行部の径6 mmの丸棒試験片を用いて、800℃にて引張試験を行った。引張強さ(TS[MPa])を測定し、高温強度を評価した。この結果も表1に併記する。
Figure 0004513466
表1中の「評価」の「溶接性」の「×」は、6つの観察断面に対して1箇所でもHAZ割れが見られたものを意味し、「○」は、HAZ割れが全く見られなかったものを意味する。また、「耐メタルダスティング性」の「×」は、200時間未満でピットが発生したもの、「△」は、200時間以上500時間未満でピットが発生したもの、「○」は500時間以上1000時間未満でピットが発生したもの、「◎」は1000時間にてピットが発生しなかったものを意味する。
表1に示すように、Al含有量および/またはCu含有量が本発明で規定される範囲を外れるNo.1〜3では、高温強度は十分確保されており、しかもHAZ割れは生じなかったが、耐メタルダスティング性を確保できなかった。S、PまたはMoの含有量が本発明で規定される範囲を外れるNo.4〜7(No.5および7では更にCuが本発明で規定される範囲を外れる)では、耐メタルダスティング性および高温強度は良好であったが、HAZ割れが生じ、溶接性が低下していた。Mo含有量が本発明で規定される範囲を外れるNo.8では、HAZ割れが生じ、溶接性が低下していた。これは、Moの含有量が過多で、粒界強化作用が顕著となり、相対的な粒界脆化を招いた結果である。
これに対し、本発明で規定される条件を全て満たすNo.9〜15、17〜21、23〜32では、溶接性はもちろん耐メタルダスティング性および高温強度も優れていた。
本発明に係る溶接継手は、耐メタルダスティング性および溶接性に優れているので、石油精製における加熱炉管、配管または熱交換器管などに利用することができ、装置の溶接施工性、耐久性および安全性を大幅に向上させることができる。また、本発明に係る溶接材料は、上記の溶接継手をTIG溶接法により作製するのに最適である。

Claims (14)

  1. 母材および溶接金属がともに、質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、且つ下記(1)式を満足し、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
    24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
    但し、(1)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 請求項1に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
  3. 請求項1または2に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
  4. 母材および溶接金属がともに、質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、更に、B:0.0005〜0.03%、Ca:0.0005〜0.02%およびMg:0.0005〜0.02%の中から選択される1種以上を含み、且つ下記(2)式を満足することを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
    24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(2)
    但し、(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。Bを含有しない場合には、(2)式中の「B」に0を代入する。
  5. 請求項4に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
  6. 請求項4または5に記載の溶接継手において、母材および溶接金属がともに、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
  7. 炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気で使用することを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の耐メタルダスティング性に優れた溶接継手。
  8. 質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、且つ下記(1)式を満足し、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とする請求項1に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
    24P+1.28Mo+0.9Si−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(1)
    但し、(1)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
  9. 請求項8に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項2に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
  10. 請求項8または9に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする請求項3に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
  11. 質量%で、C:0.01〜0.45%、Si:0.01〜2%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜35%、Ni:40〜78%、Al:2%を超え4.5%未満、Mo:3.5〜15%、N:0.001〜0.2%およびCu:0.53〜5.5%を含有し、更に、B:0.0005〜0.03%、Ca:0.0005〜0.02%およびMg:0.0005〜0.02%の中から選択される1種以上を含み、且つ下記(2)式を満足することを特徴とする請求項4に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
    24P+1.28Mo+0.9Si+20B−32S−0.12Cu−0.05Al ≧ 4.23 ・・・(2)
    但し、(2)式中の元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。Bを含有しない場合には、(2)式中の「B」に0を代入する。
  12. 請求項11に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.01〜1.4%、Ta:0.05〜5%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜1.4%、Nb:0.01〜1.4%およびHf:0.01〜1%の中から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項5に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
  13. 請求項11または12に記載の溶接材料において、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.005〜0.3%を含むことを特徴とする請求項6に係る溶接継手をTIG溶接法により作製するために用いる溶接材料。
  14. 炭化水素および一酸化炭素を単体または合計で1vol%以上、炭化水素、一酸化炭素および水素を単体または合計で25vol%以上含み、且つ1000℃以下である雰囲気で使用する部材を溶接する材料であることを特徴とする請求項8から13までのいずれかに記載の耐メタルダスティング性に優れた溶接材料。
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