JP4509261B2 - インクジェットプリンタ、その初期化制御方法及び情報記録媒体 - Google Patents

インクジェットプリンタ、その初期化制御方法及び情報記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ、その初期化制御方法及び当該方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体に関し、特に、印刷ヘッドのクリーニング動作中に電源の供給が遮断された場合における印刷装置の初期化処理を改良する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、微少時間間隔でインク室内のインクを加圧し、この圧力でノズルよりインク液滴を吐出させ、記録媒体上に付着させるという非接触の印字方式を用いる。キャリッジに沿う印字ヘッドの移動及び記録媒体の送りにより、記録媒体上にはインク液滴が二次元的に配列され、このドットマトリクスで文字、画像その他の印字像が形成される。インパクト式のプリンタと比較した場合、インクジェットプリンタは、一般に、静寂であり、高速であり、ランニングコストが低く、またカラー化が容易である。
【0003】
その反面、インクジェットプリンタでは、液体インクを用いるため、その保守・管理が煩雑である。特に、ノズル周辺に付着したインクや紙粉等の異物は、ノズルの目詰まり、インク液滴の飛翔軌道への影響のみならず、記録媒体に付着することで直接的に記録媒体の汚れをも引き起こす。ノズルの汚れは、印字品質の低下に直結するので、できるだけノズルを清潔に保つことが重要である。このため、従来のインクジェットプリンタは、クリーニング機構を備え、定期的にノズルをクリーニングすることによって、その印字品質を一定に保っている。
【0004】
従来のある種のインクジェットプリンタにおいては、インクの吸引処理及びレベルの異なる2種類の払拭処理を含むクリーニングが実行可能である。インクの吸引処理では、吸引ポンプに連結されたキャップを印字ヘッドのノズル面に被せ、ヘッドのインク室内或いはインク供給経路内に滞留し増粘した所定量のインクをノズルから吸引する。この処理で、ノズル近傍の、粘度が増したインクやノズルから侵入した気泡がノズルから吸引、除去されるのである。
【0005】
払拭処理では、払拭部材として、異なる材質、例えばフェルト材とゴム材とを張り合わせてなる弾性ブレードが用いられる。クリーニング時にこの弾性ブレードを印字ヘッドの移動経路内に突出させ、印字ヘッドの移動によりブレードの先端でノズル面上のインクや紙粉などの異物を払拭させる。印字ヘッドの移動方向によって、ノズル面に接触する弾性ブレードの面が異なるため、その材質の違いに応じて、ヘッドのクリーニング効果が異なる。フェルト材からなるブレード面は、ゴム材からなるブレード面に比して、ノズル面に対する接触抵抗及びインクの吸収力が大きいので、ノズル面上の異物を擦り取るよう作用し、その結果、高いクリーニング効果が得られる。以下、この効果の違いに応じて、フェルト材による払拭をラビング、ゴム材による払拭をワイピングという。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、インクジェットプリンタ等においては、その電源のオン・オフ時には、後の正常な動作を保証するために必要な初期化処理が行われる。初期化処理の一つのステップで、印字ヘッドはこれを搭載するキャリッジによって搬送され、ホームポジションにセットされる。また、これと前後して上記のクリーニング処理が行われるのである。しかしながら、停電や誤って電源コードを引き抜いた場合、プリンタの機構部分への電源供給が遮断されてしまうため、初期化処理は中断してしまう。仮に、プリンタに対する電源供給が遮断された時点で、上記クリーニング処理が実行されていた場合、その状態で各機構部の動作が停止される。
【0007】
従来のインクジェットプリンタにおいては、次に電源を投入した際には、プリンタはその電源オフ時の状態に拘わらず、所定の初期化動作を実行する。従って、上述のように、電源の遮断時において、プリンタがクリーニング処理を実行していた場合、この電源投入時に下記のような幾つかの問題が発生する。
【0008】
すなわち、インク吸引処理中、すなわちノズルからインクを吸引している最中は、キャップ内にノズルから吸い出されたインクがたまっており、電源供給が遮断された場合にはその状態のまま処理が停止している。後に供給開始された場合に、初期化処理における印字ヘッドの移動が行われると、ノズル面とキャップとの係合が解除され、キャップ内に溜まったインクがこぼれて装置内部が汚れてしまう。また、インクが導電性を有する場合には、電気回路の誤動作を引き起こすおそれもある。また、この際、吸引動作の終了直後であってキャップ内の気圧がキャップ外の気圧より低い場合には、キャップが外れた際の急激な気圧の変動によってノズルからヘッド内に気泡が侵入し、インク吐出口におけるインクのメニスカスが正常に形成されない場合がある。そしてこれにより、インクの吐出が良好に行われない、といった問題が生じるのである。
【0009】
また、払拭処理中、すなわちノズル面と弾性ブレードとが接触している状態で電源供給が遮断された場合には、弾性ブレードがヘッドとの相対移動方向と反対の方向に撓んだ状態となったまま、ヘッドが停止する。後に電源供給が再開された場合には、従来のインクジェットプリンタに於いては当該停止状態に拘わらず初期化処理を行うので、印字ヘッドが停止前の移動方向と逆の方向に移動することがある。この場合、弾性ブレードはヘッドに対してその撓んだ方向と同じ方向に相対移動することとなり、弾性ブレード自体やその保持機構に、好ましくない外力が作用して劣化を促進する場合がある。また、弾性ブレードからノズル面に作用する圧力が異常に高くなり、ノズル面に形成した発水膜を損傷する、といった問題も生じる。更に、弾性ブレードとノズル面との摩擦力が増大するため、印字ヘッドの走行が妨げられるという問題が生じる。
【0010】
従って本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、クリーニング処理が行われていた場合に停電や誤って電源コードを引き抜いたことによって電源が遮断されても、後の電源投入時におけるクリーニング処理等の初期化処理を良好に行うことにある。
【0011】
すなわち本発明は、上記電源遮断時におけるヘッドクリーニング処理の状態に応じて、後の電源投入時において適切な初期化処理を行うように構成されたインクジェットプリンタ及びその初期化制御方法を提供することを目的としている。
【0012】
上記目的を達成するため本発明は、キャリッジに搭載され、インクを吐出するノズルを備えたインクジェットヘッドと、材質の異なる第1及び第2の素材を張り合わせてなり、前記インクジェットヘッドのノズル面(以下、ノズル面)と接触し、該ノズル面を払拭する払拭部材及び該払拭部材を前記ノズル面に向けて前進又は後退させる払拭部材駆動手段を有する払拭手段を有し、前記払拭部材駆動手段によって前記払拭部材の内の第1の素材を前記ノズル面に接触させた状態で前記キャリッジを第1の方向に、又は第2の素材を前記ノズル面に接触させた状態で第1の方向とは反対の第2の方向に移動させることによって前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、電源供給の開始に応じてインクジェットプリンタの初期化処理を行う初期化制御手段と、電源供給の遮断を検出する電源遮断検出手段と、前記電源遮断検出手段により電源供給の遮断が検出された場合に、前記クリーニング手段の動作状態を記憶する動作状態記憶手段と、前記動作状態記憶手段によって記憶された前記クリーニング手段の動作状態に応じて、前記初期化制御手段の動作を選択する動作選択手段とを有するインクジェットプリンタであって、
前記動作状態記憶手段は、前記クリーニング手段の動作状態として、前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1又は第2の素材のいずれによる払拭処理であるかを記憶し、前記動作選択手段は、前記動作状態記憶手段に記憶された前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1の素材による払拭処理であった場合には、前記キャリッジの最初の移動方向を前記第1の方向に、前記動作状態記憶手段に記憶された前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第2の素材による払拭処理であった場合には、前記キャリッジの最初の移動方向を前記第2の方向に、それぞれ選択することを特徴とする。
【0015】
また、前記クリーニング手段が前記ノズルからインクを吸引する吸引手段を有する場合には、前記動作状態記憶手段は、前記吸引手段が動作中か否かの状態を記憶することが望ましい。この場合において、前記吸引手段が、前記インクジェットヘッドの前記ノズルを覆い外気から遮断された空間を形成するキャップ部材と、前記キャップ部材を前記ノズルに対して相対的に移動させ、前記ノズルを覆う第1の位置と覆わない第2の位置とに位置づけるキャップ移動手段と、開閉可能に設けられ、開放状態において前記キャップ部材によって形成された空間を外気に連通させる通気手段と、前記キャップ部材に接続され、前記キャップ部材を介して空気及びキャップ内に存在するインクを吸引するポンプとを有する場合には、前記動作状態記憶手段は、前記吸引手段が動作中の場合には、前記通気手段が閉じられた状態で前記ポンプを動作させる第1の吸引処理を開始した第1の状態、又は前記通気手段が開いた状態で前記ポンプを動作させる第2の吸引処理が終了していない第2の状態の少なくとも一方を記憶することが望ましい。
【0016】
更に、この場合において、前記動作選択手段は、前記動作状態記憶手段に記憶された前記吸引手段の状態が前記第1又は前記第2の状態であった場合には、前記キャップ移動手段によって前記キャップ部材を前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させる前に、前記第2の吸引処理を終了させる動作を選択することが望ましい。
【0017】
本発明はインクジェットプリンタ装置に限られず、インクジェットプリンタの初期化制御方法としても有効である。また、本発明はコンピュータを用いたインクジェットプリンタ及び、コンピュータを用いて初期化制御を行う場合に特に適しており、そのためのコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体の形態としても有効なものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に沿って説明する。図1は、本発明に係るインクジェットプリンタをその上部カバーを取り外した状態で示す外観斜視図である。図に示すインクジェットプリンタ1は、ホストコンピュータによって遠隔制御され、小切手等の単票紙及びレシート等のロール紙(以下、用紙Pという)に対し印字を行うPOSプリンタである。もっとも、本発明が後述する印字ヘッドのクリーニング機構を備えた各種のインクジェット方式のプリンタに適用できることは、以下の説明より明らかにされるであろう。
【0019】
図において、インクジェットプリンタ1は、他の一般的なプリンタ装置と同様に、印字ヘッド2を搭載したキャリッジ3を、その移動機構4で用紙Pの送り方向と交差する方向へ移送可能にする。キャリッジ3の移動方向に関し、印字ヘッド2は、用紙Pへの印字を行う領域、すなわち印字領域A、及びその右側に連続する待機領域B間で自在に移動される。印字領域Aには、上記印字ヘッドの移動領域に対向してプラテン5が配置されている。図示しない用紙Pの送り機構によって、プラテン5と印字ヘッド2とのギャップに、用紙Pが送り込まれ、制御されたキャリッジ3の移動に伴って、該用紙P上にインク液滴が吐出される。連携されたキャリッジ3の移動、用紙Pの送り及びインク液滴吐出のタイミングによって、用紙Pの面上にドットマトリクスで構成される文字その他の印字像が徐々に形成されていく。待機領域Bは、印字が行われないときの印字ヘッド2の休止領域である。インクジェットプリンタ1は、この待機領域Bに、印字ヘッド2の保守及びクリーニングを行うメンテナンスユニット10を備えている。
【0020】
図2は、上記待機領域B付近におけるインクジェットプリンタ1の要部を抽出して示す斜視図である。図では、図1とは逆側から該要部が描かれている点に留意されたい。以下では、更に本図を参照し、メンテナンスユニット10の構成及び動作について説明する。メンテナンスユニット10は、印字ヘッド2のノズルの乾きを防ぐキャップ部材11、ノズルからインクを吸引するインク吸引ポンプ12、及びノズル面の汚れを払拭する弾性ブレード13を備えて構成される。
【0021】
キャップ部材11は、図1で明らかなように、印字ヘッド2のノズル面2aと対向側を開口し、その内部にフェルトその他のインク吸収材11aを内装して構成される。印字ヘッド2のノズル面2aを該キャップ部材11に接触させる、すなわちキャッピングすることによって、ノズル面2aの好適な状態が維持される。すなわち、キャッピングによって、ノズルを密閉し、ノズル付近のインクの蒸発による粘度の増加や、インクメニスカスの後退等の弊害が防止される。インク吸引ポンプ12は、上記キャップ部材11に接続され、インク吸引処理、すなわちキャップ部材11に接触された印字ヘッド2からインクを吸引し、更にキャップの一部を開放してインク吸収材11aに溜まったインクを吸引する処理を実行する。インク吸引処理によって、ノズル近傍の粘度の増したインクや内部の気泡が除去される。弾性ブレード13は、印字ヘッド2の進路上で出退し、これが前進されたときに印字ヘッド2を通過させることによって機能される。すなわち、弾性ブレード13が前進された状態で、印字ヘッド2が移動すると、弾性ブレード13の先端は、ノズル面2aに接触する。弾性ブレード13はその弾性力によって湾曲しながら、その先端でノズル面2a上に付着した増粘インクや紙粉などの異物を払拭する。
【0022】
弾性ブレード13は、ゴム部材13aとフェルト部材13bを張り合わせて形成され、印字ヘッド2の移動方向によって、異なるクリーニング効果が得られるようにされている。すなわち、図3(A)に示すように、弾性ブレード13に対し印字ヘッド2を右から左方向、すなわち印字領域Aに向けて移動させた場合には、ゴム部材13aがノズル面2aに接触する。その結果、表面を拭う程度の比較的軽いノズル面のクリーニングが実行される。この処理はワイピング処理と呼ばれる。一方、図3(B)に示すように、弾性ブレード13に対し印字ヘッド2を左から右方向、すなわちプリンタ側壁側に向けて移動させた場合には、フェルト部材13bがノズル面2aに接触する。その結果、表面の異物を擦り取るような比較的強いノズル面のクリーニングが実行される。この処理はラビング処理と呼ばれる。なお、本明細書においてはワイピング処理とラビング処理とを総称して払拭処理と呼ぶ。
【0023】
図4は、キャリッジ3乃至印字ヘッド2の停止位置を示す説明図である。図に示すように、印字ヘッド2は、待機領域Bにおいて、複数の停止位置、すなわちキャリッジ折り返し位置R、フラッシング位置F、ホームポジションHP及び空吸引位置Kにおいて停止可能なように制御される。上記所定の位置において印字ヘッド2は、上記メンテナンスユニット10による保守及びクリーニングを受ける。なお、空吸引とはキャップ部材をノズル面に密着させた状態で、キャップ部材の一部(通気孔)を開放して、インク吸引ポンプ12を作動させることにより、キャップ部材の内部に溜まったインクを吸引、排除する処理である。また、空吸引位置については後述する。
【0024】
キャリッジ折り返し位置Rは、上記印字ヘッド2のワイピング及びラビング処理において、キャリッジ3の移動起点及び終点となる位置である。すなわちワイピング処理においてキャリッジ3は、最初、空吸引位置Kにセットされ、そこから印字領域Aに向けて移動され、キャリッジ折り返し位置Rで停止される。また、ラビング処理においてキャリッジ3は、最初このキャリッジ折り返し位置Rにセットされ、そこからプリンタ側壁側に向けて移動され、空吸引位置Kで停止される。
【0025】
フラッシング位置Fは、印字ヘッド2のノズルからインクを予備吐出して、粘度の増したインク等を排出するための位置である。この位置で、キャップ部材11は印字ヘッド2に離間して対向しており、吐出されたインクは、インク吸収材11aによって回収される。なお、ワイピング及びラビング処理を実行するための上記弾性ブレード13は、このフラッシング位置Fの近傍で、印字ヘッド2の経路上に出退され、フラッシング位置Fを通過する印字ヘッド2のノズル面へのクリーニングを実行する。
【0026】
ホームポジションHPは、キャリッジ3の初期位置である。電源投入時その他の初期化処理の実行時には、キャリッジ3はホームポジションHPに移送され、この状態でインクジェットプリンタ1は印字命令を待機する。この位置で、印字ヘッド2のノズル面は、キャップ部材11によってキャッピングされている。本実施形態において、ホームポジションHPは、インク吸引位置としても機能する。すなわち、この位置で、インク吸引ポンプ12が起動され、上記インク吸引処理が実行される。
【0027】
空吸引位置Kは、インクの空吸引処理を実行するための位置である。空吸引処理は、印字ヘッド2からのインクの吸引を行わずに、キャップ部材11のインク吸収材11aに溜まったインクを排出するための処理である。キャリッジ3を空吸引位置Kに移動することによって、インク吸収材11aを内装したキャップ部材11の内部に空気を流入させるための弁が開放される。この空吸引位置Kにおいても印字ヘッド2は、ホームポジションHPにあるときと同じように、キャッピングされた状態にあるが、この弁の開放によって、キャップ部材11内部への空気の流入が可能となり、更に印字ヘッドのノズルからインクが吸引されることなく、キャップ部材11とノズル面とで形成される空間に溜まったインクがインク吸収材11aを介して吸引、排出される。
【0028】
次に、上記インクジェットプリンタ1で実行可能なクリーニング処理について説明する。インクジェットプリンタ1では、比較的頻繁に実行される低レベルのクリーニング(以下、クリーニングレベル1)と、必要に応じて実行される高レベルのクリーニング(以下、クリーニングレベル2)の2種類のクリーニング処理が実行可能である。図5は、クリーニングレベル1の処理のフローチャートを示しており、図6はクリーニングレベル2の処理のフローチャートを示している。
【0029】
図5に示すように、クリーニングレベル1は、ワイピング処理と吸引処理を組み合わせたクリーニングである。クリーニングレベル1では、最初にワイピング処理が実行され(501)、次いで吸引処理(502)、再度ワイピング処理(503)を実行して、キャリッジをホームポジションに戻し(504)、処理を終える。一方、クリーニングレベル2は、図6に示すように、ワイピング処理と吸引処理に、更にラビング処理を加えたクリーニングである。クリーニングレベル2でも、最初にワイピング処理が実行され(601)、次いで吸引処理(602)が実行される。ここで、工程602における吸引処理は、上記クリーニングレベル1における吸引処理よりも長い吸引時間を掛けてインクを吸引することができる。クリーニングレベル2では、ワイピング処理(604)に先立って、ラビング処理を実行する(603)。工程603のワイピング処理によって、クリーニングレベル2では、クリーニングレベル1よりも強力に印字ヘッド2のクリーニングが実行されることとなる。工程603の後に、ワイピング処理が行われ(604)、キャリッジをホームポジションに戻して(605)、処理を終了する。上記クリーニングレベル1又はクリーニングレベル2の何れを実行するかは、前回のクリーニングからの経過時間や印字量を考慮して決定することができる。後述するようにインクジェットプリンタ1は、前回のクリーニングからの経過時間や印字量を記憶するEEPROMを備えており、クリーニングの実行に先立って、該内容を読み出しその内容に応じたクリーニングレベルを実行する。
【0030】
図7〜図9は、上記クリーニング処理で実行されるワイピング処理、吸引処理及びラビング処理の具体的処理手順を示している。本発明において、プリンタが上記何れかの処理の実行中である場合、その処理を示すフラグがセットされる点に留意すべきである。
【0031】
図7は、図5における工程501、503及び図6における工程601、604で実行されるワイピング処理の手順を示すフローチャートである。クリーニング処理において、プリンタがワイピング処理の段階に入ると、キャリッジ3は図4に示す空吸引位置Kへ移動され(701)、ワイピング処理中であることを示すフラグがセット(ワイピング処理用に割り当てられたデータビットを”1”とする)される(702)。次いで、弾性ブレード13が印字ヘッド2の進路上に前進され(703)、この状態でキャリッジ3がキャリッジ折り返し位置Rへ移動される。この移動の途中で、印字ヘッド2は、前進された弾性ブレード13に接触し、これによってそのノズル面2aをクリーニングされる。次の工程で、弾性ブレード13は後退され(705)、キャリッジの移動、すなわちノズル面2aのクリーニングが所定回数に達したか否かが判断される(706)。処理が所定回数に達していない場合、キャリッジ3は空吸引位置Kへ戻され(707)、所定回数に達するまで工程703〜705が繰り返される。処理が所定回数に達すると、ワイピング処理中であることを示すフラグがリセット(データビットを”0”とする)され(708)、キャリッジ3はホームポジションHPに移動され(709)、ワイピング処理が終了する。
【0032】
図8は、図5における工程502及び図6における工程602で実行される吸引処理の手順を示すフローチャートである。吸引処理の前に実行されるワイピング処理の最後の工程(図7の工程709)で、キャリッジ3はホームポジションHPに移動され、この位置で印字ヘッド2はキャッピングされており、この状態で以下に示す吸引処理が実行される。クリーニング処理において、プリンタが吸引処理の段階に入ると、吸引処理中であることを示すフラグがセット(吸引処理用に割り当てられたデータビットを”1”とする)される(801)。そして、インク吸引ポンプ12が所定時間起動された後、停止される(802〜804)。
【0033】
この後、キャップ内の圧力が外気圧と略等しくなるまで所定時間待つ。これはキャップ内の圧力が外気圧より低い場合、キャップを開放することによってキャップ内の圧力が急激に上昇し、ノズルを介してヘッド内に気泡が侵入する不具合を回避するためである。
【0034】
次に、キャリッジ3が図4に示す空吸引位置Kに移動され(805)、上記同様、インク吸引ポンプ12が所定時間起動された後、停止される(806〜808)。先に説明したように、キャリッジ3が空吸引位置Kに移動されると、キャップ部材11の弁が開放され、上記空吸引、すなわちインク吸収材11aからのインクの排出が行われる。その後、吸引処理中であることを示すフラグがリセットされ(809)、キャリッジ3がホームポジションHPに戻されて(810)、吸引処理が終了する。
【0035】
図9は、図6における工程603で実行されるラビング処理の手順を示すフローチャートである。ラビング処理では、基本的にはワイピング処理におけるキャリッジ3の送り方向を逆にした処理が実行される。クリーニング処理において、プリンタがラビング処理の段階に入ると、キャリッジ3は図4に示すキャリッジ折り返し位置Rへ移動され(901)、ラビング処理中であることを示すフラグがセット(ラビング処理用に割り当てられたデータビットを”1”とする)される(902)。次いで、弾性ブレード13が印字ヘッド2の進路上に前進され(903)、この状態でキャリッジ3が空吸引位置Kへ向けて移動される。この移動の途中で、印字ヘッド2は、前進された弾性ブレード13に接触し、これによってそのノズル面2aをクリーニングされる。次の工程で、弾性ブレード13は後退され(905)、キャリッジの移動、すなわちノズル面2aのクリーニングが所定回数に達したか否かが判断される(906)。処理が所定回数に達していない場合、キャリッジ3はキャリッジ折り返し位置Rへ戻され(907)、所定回数に達するまで工程903〜905が繰り返される。処理が所定回数に達すると、ラビング処理中であることを示すフラグがリセット(データビットを”0”とする)され(908)、キャリッジ3はホームポジションHPに移動され(909)、ラビング処理が終了する。
【0036】
次に、上記インクジェットプリンタ1の動作制御、特に電源遮断時及び電源投入時における制御について説明する。図10は、本発明に係るインクジェットプリンタの制御に関するブロック図である。図においてCPU100は、インクジェットプリンタ1の全体の制御を司るコントローラであり、インタフェース部101を介してのホストコンピュータとの通信制御、クリーニング機構を含むプリンタ機構部102の動作制御、プリンタ上の各種スイッチやセンサの監視制御その他の制御を実行する。記憶部103は、CPU100で実行される各種制御プログラムを格納したROM、ROMから読み出されたプログラムやデータを一時的に記憶してCPU100で処理可能とする主記憶としてのRAM、及びプリンタの各種状態情報、例えばインクカートリッジの状態、カバーの状態、各種カウンタの値、クリーニング状態、プリンタ稼働時間等を所定のタイミングで記憶するためのEEPROMで構成される。
【0037】
なお、本例において、CPU100が実行すべき制御プログラムは記憶部103のROM内に格納されているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、当該制御プログラムをインタフェース101を介して接続されたホスト装置からロードしてRAMに格納し、これを実行することもできる。この場合、制御プログラムはホスト装置に接続されているHDD、FDD、ODD等の各種外部記憶装置や、インターネット等のネットワークをその供給媒体として用いることができる。
【0038】
本発明に関連して上記EEPROMは、プリンタに供給される外部電源104が遮断された際に、その時点における印字ヘッド2のクリーニングの実行状態を記憶する。具体的には、その時点で実行されているクリーニングが、インク吸引処理、ワイピング処理、ラビング処理、またはクリーニングが実行されていないかによって、EEPROMに異なるフラグを書き込む。例えば、クリーニングの実行状態を記憶するために上記各処理に対応して3ビットを割り当て、何れかのビットを”1”にセットする(クリーニング処理中にない場合は全てのビットを”0”にする)ことで、その状態を記録することができる。
【0039】
電源異常検出部105は、電源部106を介して与えられる外部電源104の電流値又は電圧値を検出し、これがプリンタの動作に支承を来す程度となった場合にその旨をCPU100へ通知するものである。停電や誤って電源コンセントが引き抜かれたことによって、外部電源104が遮断された場合、電源異常検出部105はこれを検出し、CPU100へ通知する。本発明においてCPU100は、電源異常検出部105からの検出信号を受けると、CPU100への電源供給が完全に遮断されるまでの約100msの間に、上記クリーニングの実行状態を記憶部103のEEPROMに記憶する。一方で、外部電源104が遮断された場合、プリンタ機構部102に対する電源の供給が中断され、プリンタ機構部102が動作中であった場合は、その処理が停止されることとなる。仮に、インクジェットプリンタ1がクリーニング処理、すなわち上記ワイピング処理、吸引処理又はラビング処理の何れかを実行しているときに、電源の供給が停止した場合、それらの処理は途中で停止される。なお、インクジェットプリンタ1は、更にCPU100からの制御信号に基いて電源部106からの電源の供給を遮断するスイッチ107、及びユーザが操作可能な電源オン・オフスイッチ、クリーニング実行スイッチ、紙送りスイッチ等のマニュアルスイッチ108を備えている。
【0040】
図11は、停電や誤って電源コンセントが引き抜かれたことによって、インクジェットプリンタへの外部電源104が遮断された場合における処理のフローチャートを示している。図10において外部電源104が遮断されると、電源異常検出部105でこれが検出される(1101)。この検出信号を受けて、CPU100は、主記憶内のクリーニングに関する状態フラグを読みにいき(1102)、これをEEPROMの所定の領域に記憶する(1103)。
【0041】
次に、ユーザによってインクジェットプリンタ1の電源が投入された際の初期化制御について説明する。図12は、電源投入時における初期化処理のフローチャートを示している。ユーザによって図10に示すマニュアルスイッチ108が操作され、インクジェットプリンタ1の電源が投入されると(1201)、キャリッジ3の移動を含まないプリンタ機構部102の初期化が行われる(1202)。すなわち、ロール紙やカット紙の搬送機構、オートカッター、送りローラ等の初期化が実行される。次に、クリーニング処理の状態を示すフラグを記憶部103のEEPROMから読み出し、その内容を判断する(1203)。クリーニング処理を示すフラグが何れもセットされていない場合、直前の電源遮断が正常に行われた(すなわちユーザのマニュアル操作又はCPU100による遮断信号により電源が遮断された)か、又は停電やコンセントの引き抜きにより電源遮断が適正に行われていないが、遮断時にはクリーニング処理が実行されていなかったと判断され(1204)、キャリッジの移動に関し、通常の初期化処理が実行される(1205)。一旦キャリッジ3を所定ステップ印字領域A側に移動し、ホームポジションHPに戻す動作を、通常の初期化処理として実行することができる。
【0042】
一方、クリーニング処理を示すフラグの何れかがセットされている場合、停電やコンセントの引き抜きにより直前の電源遮断が適正に行われず、且つ遮断時にクリーニング処理が行われていた場合、該フラグの内容に応じて対応する初期化処理(1207、1208又は1209)の何れかが実行される。すなわち、工程1206で、直前の電源遮断時にワイピング処理が実行されていたことを示すフラグがセットされていた場合、ワイピング時初期化処理が実行され(1207)、吸引処理が実行されていたことを示すフラグがセットされていた場合、吸引時初期化処理が実行される(1208)。また、ラビング処理が実行されていたことを示すフラグがセットされていた場合、ラビング処理が実行される(1209)。
【0043】
図13〜図15は、それぞれワイピング時初期化処理、吸引時初期化処理及びラビング処理における具体的処理の内容を示すフローチャートである。これらの処理によって、電源遮断時においてクリーニング処理が実行されていた場合に生じ得る不具合が回避される。図13に示すように、ワイピング時初期化処理の最初の工程で、キャリッジ3がキャリッジ折り返し位置Rへ向けて移動される(1301)。次に、弾性ブレード13を後退させ(既に弾性ブレードが後退している場合にはその状態が維持される)、最後にキャリッジ3をホームポジションHPへ移動して処理を終了する(1302、1303)。
【0044】
仮に、弾性ブレード13が印字ヘッド2のノズル面2aをワイピング中に電源が遮断された場合(図7の工程704の過程)、弾性ブレード13は、ノズル面2a上で湾曲したまま停止することとなる。電源投入時に適正な初期化処理を行わない場合、場合によってはキャリッジ3が直ちにホームポジションHPに向けて移動し(これはワイピング時のキャリッジの送り方向と逆方向である)、その結果、弾性ブレード13に不適当な負荷を与えることがある。上記ワイピング時初期化処理においては、最初にワイピング時のキャリッジの送り方向と同じ方向にキャリッジ3を移動させることによって、上記問題を回避する。
【0045】
EEPROMに記憶されたクリーニング処理のフラグが、吸引処理を示すものである場合、図14に示す吸引時初期化処理が実行される。吸引時初期化処理では、図に示すように、最初にキャリッジ3を空吸引位置Kへ移動する(1401)。そこでインク吸引ポンプ12を所定時間起動し、停止することで空吸引処理を実行する(1402〜1404)。そしてキャリッジ3をホームポジションHPへ移動して処理を終了する(1405)。
【0046】
仮に、ホームポジションHPでの吸引終了後、空吸引位置Kでの空吸引処理が開始される前に電源が遮断された場合(図8の工程804〜工程805の過程)、キャップ部材11内部にインクが溜まったままで処理が中断されることとなる。電源投入時に適正な初期化処理を行わない場合、キャップ部材11からインクが滴れ、また、インク吐出口のメニスカスが生成されず、インクの吐出が良好に行われなくなる恐れがある。上記吸引時初期化処理においては、電源遮断時における吸引処理の段階に拘わらず、空吸引を実施することで、キャップ部材11内部に溜まったインクを排出し、上記問題を回避する。
【0047】
なお、空吸引位置KとホームポジションHPとが識別できない場合には、吸引処理中、空吸引処理中を示すフラグをそれぞれ設けることが望ましい。これにより、キャリッジの位置を特定することができるので、より確実な処理を行うことができる。この場合には、キャリッジのそれぞれの位置への移動が完了した後にそれぞれのフラグをセットすることが望ましい。即ち、吸引処理中を示すフラグは、通気手段たる弁が閉じられた状態でポンプを動作させる吸引処理を開始したことを、空吸引処理中を示すフラグは弁が開いた状態でポンプを動作させる空吸引処理が終了していないことを、それぞれ示すものであり、それらの状態をフラグという形で記憶するものである。
【0048】
即ち、初期化処理において吸引処理中を示すフラグがセットされていた場合には、上述のように、キャップ内の圧力が外気圧と略等しくなるまで所定時間待った後、空吸引位置までキャリッジを移動させ、空吸引処理を完了させ、その後ホームポジション検出処理等の通常の初期化処理を行う。また、空吸引処理中を示すフラグがセットされていた場合には、当該位置において所定時間の吸引動作を行って空吸引処理を完了させ、その後上記の通常の初期化処理を行う。なお、電源供給遮断時において、キャリッジが吸引位置と空吸引位置との間に位置していた場合には、吸引中を示すフラグがセットされている。従って、初期化処理時においては吸引位置と空吸引位置との間隔に相当する距離だけ更に空吸引位置へキャリッジが移動される。この場合には、空吸引位置の更に外側に設けられたストッパによってキャリッジの移動が制限され、キャリッジが空吸引位置に留まるように構成されている。
【0049】
EEPROMに記憶されたクリーニング処理のフラグが、ラビング処理を示すものである場合、図15に示すラビング時初期化処理が実行される。図に示すように、ラビング時初期化処理の最初の工程で、キャリッジ3が空吸引位置Kへ向けて移動される(1501)。次に、弾性ブレード13を後退させ(既に弾性ブレードが後退している場合にはその状態が維持される)、最後にキャリッジ3をホームポジションHPへ移動して処理を終了する(1502、1503)。
【0050】
仮に、弾性ブレード13が印字ヘッド2のノズル面2aをラビング中に電源が遮断された場合(図9の工程904の過程)、弾性ブレード13は、ノズル面2a上で湾曲したまま停止することとなる。電源投入時に適正な初期化処理を行わない場合、場合によってはキャリッジ3が印字領域Aに向けて移動し(これはラビング時のキャリッジの送り方向と逆方向である)、その結果、弾性ブレード13に不適当な負荷を与える。上記ラビング時初期化処理においては、最初にラビング時のキャリッジの送り方向と同じ方向にキャリッジ3を移動させることによって、上記問題を回避する。
【0051】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明したが、本発明は上記実施形態において示された事項に限定されず、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用を行うことができる範囲が含まれる。上記実施形態においては、2種類のクリーニングレベルを実行可能なインクジェットプリンタにおいて本発明を示した。しかしながら、クリーニング処理のレベル数及びその具体的処理の内容は、実施形態に示したものに限定されない。また、図4に示した待機領域Bにおける印字ヘッドの停止位置は、特定のインクジェットプリンタにおける一つの実施形態に過ぎず、本発明に係るインクジェットプリンタは、更に他の停止位置を含んでも良いし、またその順位もこれに限定されない。
【0052】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、停電や誤って電源コードを引き抜いたことによる電源の遮断の際にクリーニング処理が行われていた場合においても、後の電源投入時における初期化処理が良好に行われる。その結果、クリーニング用のブレードの損傷やインクのたれ等の不具合が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタをその上部カバーを取り外した状態で示す外観斜視図である。
【図2】待機領域B付近における図1のインクジェットプリンタの要部を抽出して示す斜視図である。
【図3】弾性ブレード13の作用を示す概略平面図である。
【図4】キャリッジの停止位置を示す説明図である。
【図5】クリーニングレベル1の処理のフローチャートである。
【図6】クリーニングレベル2の処理のフローチャートである。
【図7】ワイピング処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【図8】吸引処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【図9】ラビング処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係るインクジェットプリンタの制御に関するブロック図である。
【図11】インクジェットプリンタへの外部電源が遮断された場合における処理のフローチャートである。
【図12】電源投入時における初期化処理のフローチャートである。
【図13】図12におけるワイピング時初期化処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【図14】図12における吸引時初期化処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【図15】図12におけるラビング時初期化処理の具体的手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A 印字領域
B 待機領域
R キャリッジ折り返し位置
F フラッシング位置
HP ホームポジション
K 空吸引位置
P 用紙
1 インクジェットプリンタ
2 印字ヘッド
2a ノズル面
3 キャリッジ
4 移動機構
5 プラテン
10 メンテナンスユニット
11 キャップ部材
11a インク吸収材
12 インク吸引ポンプ
13 弾性ブレード
13a ゴム部材
13b フェルト部材
100 CPU
101 インタフェース部
102 プリンタ機構部
103 記憶部
104 外部電源
105 電源異常検出部
106 電源部
107 スイッチ
108 マニュアルスイッチ

Claims (9)

  1. キャリッジに搭載され、インクを吐出するノズルを備えたインクジェットヘッドと、
    材質の異なる第1及び第2の素材を張り合わせてなり、前記インクジェットヘッドのノズル面(以下、ノズル面)と接触し、該ノズル面を払拭する払拭部材及び該払拭部材を前記ノズル面に向けて前進又は後退させる払拭部材駆動手段を有する払拭手段を有し、前記払拭部材駆動手段によって前記払拭部材の内の第1の素材を前記ノズル面に接触させた状態で前記キャリッジを第1の方向に、又は第2の素材を前記ノズル面に接触させた状態で第1の方向とは反対の第2の方向に移動させることによって前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、
    電源供給の開始に応じてインクジェットプリンタの初期化処理を行う初期化制御手段と、
    電源供給の遮断を検出する電源遮断検出手段と、
    前記電源遮断検出手段により電源供給の遮断が検出された場合に、前記クリーニング手段の動作状態を記憶する動作状態記憶手段と、
    前記動作状態記憶手段によって記憶された前記クリーニング手段の動作状態に応じて、前記初期化制御手段の動作を選択する動作選択手段とを有するインクジェットプリンタであって、
    前記動作状態記憶手段は、前記クリーニング手段の動作状態として、前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1又は第2の素材のいずれによる払拭処理であるかを記憶し、
    前記動作選択手段は、前記動作状態記憶手段に記憶された前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1の素材による払拭処理であった場合には、前記キャリッジの最初の移動方向を前記第1の方向に、前記動作状態記憶手段に記憶された前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第2の素材による払拭処理であった場合には、前記キャリッジの最初の移動方向を前記第2の方向に、それぞれ選択することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記クリーニング手段は、前記ノズルからインクを吸引する吸引手段を有し、前記動作状態記憶手段は、前記吸引手段が動作中か否かの状態を記憶することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吸引手段は、前記インクジェットヘッドの前記ノズルを覆い外気から遮断された空間を形成するキャップ部材と、前記キャップ部材を前記ノズルに対して相対的に移動させ、前記ノズルを覆う第1の位置と覆わない第2の位置とに位置づけるキャップ移動手段と、開閉可能に設けられ、開放状態において前記キャップ部材によって形成された空間を外気に連通させる通気手段と、前記キャップ部材に接続され、前記キャップ部材を介して空気及びキャップ内に存在するインクを吸引するポンプとを有し、前記動作状態記憶手段は、前記吸引手段が動作中の場合には、少なくとも、前記通気手段が閉じられた状態で前記ポンプを動作させる第1の吸引処理を開始した第1の状態、又は前記通気手段が開いた状態で前記ポンプを動作させる第2の吸引処理が終了していない第2の状態の一方を記憶することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項3記載のインクジェットプリンタにおいて、前記動作選択手段は、前記動作状態記憶手段に記憶された前記吸引手段の状態が前記第1又は前記第2の状態であった場合には、前記キャップ移動手段によって前記キャップ部材を前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させる前に、前記第2の吸引処理を終了させる動作を選択することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. キャリッジに搭載され、インクを吐出するノズルを備えたインクジェットヘッドと、材質の異なる第1及び第2の素材を張り合わせてなり、前記インクジェットヘッドのノズル面(以下、ノズル面)と接触し、該ノズル面を払拭する払拭部材及び該払拭部材を前記ノズル面に向けて前進又は後退させる払拭部材駆動手段を有する払拭手段を有し、前記払拭部材駆動手段によって前記払拭部材の内の第1の素材を前記ノズル面に接触させた状態で前記キャリッジを第1の方向に、又は第2の素材を前記ノズル面に接触させた状態で第1の方向とは反対の第2の方向に移動させることによって前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング手段とを有するインクジェットプリンタにおける初期化制御方法であって、
    (a)電源供給の開始に応じて当該インクジェットプリンタの初期化処理を行う初期化工程と、
    (b)前記インクジェットヘッドをクリーニングするクリーニング工程であって、(b1)前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する工程と、
    (c)電源供給の遮断を検出する電源遮断検出工程と、
    (d)前記電源遮断検出工程(c)において電源供給の遮断が検出された場合に、前記クリーニング工程(b)における処理状態として、前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1又は第2の素材のいずれによる払拭処理であるかを記憶する処理状態記憶工程と、
    (e)前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第1の素材による払拭処理であった場合には、前記初期化工程(a)における前記キャリッジの最初の移動方向を前記第1の方向に選択する工程と、前記払拭手段による前記ノズル面を払拭する処理が前記払拭部材の前記第2の素材による払拭処理であった場合には、前記初期化工程(a)における前記キャリッジの最初の移動方向を前記第2の方向に選択する工程と、
    を有することを特徴とする初期化制御方法。
  6. 請求項5記載の初期化制御方法において、前記クリーニング工程(b)は、(b2)前記ノズルからインクを吸引する吸引工程を有し、前記処理状態記憶工程(d)は、(d3)前記吸引工程(b2)の処理が実行中か否かの状態を記憶する工程を有することを特徴とする初期化制御方法。
  7. 請求項6記載の初期化制御方法において、前記吸引工程(b2)は、(b21)キャップ部材を前記ノズルに対して相対的に第1の位置まで移動させ、前記インクジェットヘッドの前記ノズルを覆い外気から遮断された空間を形成する工程と、(b22)前記キャップ部材を前記ノズルに対して相対的に第2の位置まで移動させ、前記インクジェットヘッドの前記ノズルから前記キャップ部材を離隔する工程と、(b23)前記ノズルが前記キャップ部材に覆われた状態に於いて前記キャップ部材によって形成された空間を通気手段の開放によって外気に連通させる工程と、(b24)前記キャップ部材に接続されたポンプによって、前記キャップ部材を介して空気及びキャップ内に存在するインクを所定時間吸引する工程とを有し、前記処理状態記憶工程(d)は、(d4)前記吸引工程(b2)の処理を実行中に、工程(b21)の処理に引き続いて工程(b24)の処理が開始した第1の状態を記憶する工程、又は(d5)前記吸引工程(b2)の処理を実行中に、工程(b23)の処理に引き続く工程(b24)の処理が終了していない第2の状態を記憶する工程の少なくとも一方を有することを特徴とする初期化制御方法。
  8. 請求項7記載の初期化制御方法において、前記処理選択工程(e)は、(e3)前記処理状態記憶工程(d)において記憶された前記吸引工程(b2)の処理状態が前記第1又は前記第2の状態であった場合には、工程(b22)に先だって、工程(b23)及びそれに引き続く工程(b24)の処理を終了させる処理を選択する工程を有することを特徴とする初期化制御方法。
  9. 請求項5〜8に記載の初期化制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体。
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