JP4507570B2 - 吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents

吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 Download PDF

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本発明は、圧力発生素子が発生した圧力で押圧された液体を液滴にして対象物に吐出する吐出口が設けられた吐出面をクリーニングすることが可能な吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置に関する。
液体を吐出する装置として、対象物となる記録紙Pに対してインク吐出ヘッドよりインクを吐出させて、画像や文字を記録するインクジェット方式のプリンタ装置がある。このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコスト、装置の小型化、印刷画像のカラー化が容易という利点がある。インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のように複数の色のインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジからインク吐出ヘッドのインク液室等に供給される。
そして、このプリンタ装置は、インク液室等に供給されたインクを、インク液室内に配置された発熱抵抗体等の圧力発生素子でインク内のインクを押圧してインク吐出ヘッドに設けられた微小なインク吐出口、いわゆるノズルより吐出させる。具体的には、インク液室内に配置された発熱抵抗体でインク室内のインクを加熱し、発熱抵抗体上のインクに気泡を発生させ、この気泡が割れて消えるときのエネルギーによりインクをノズルから吐出させ、吐出させたインクを対象物となる記録紙P等に着弾させて画像や文字を印刷する。
このようなインクジェット方式のプリンタ装置では、ノズルが形成された吐出面に印刷するときのインクが付着したりして吐出面が汚れると、ノズルよりインクが吐出されない不吐出や、ノズルより吐出されたインクの吐出方向がずれる吐出曲がり等が生じて印刷品質が低下してしまう。
このような不具合を解決するために、プリンタ装置では、特許文献1に示すように、インクを吐出した後に、例えばゴム等の弾性体樹脂からなるクリーニングブレード等で吐出面を払拭し、吐出面に付着した余分なインクを除去するといった吐出面クリーニング機構が提案されている。
図28に示す特許文献1の吐出面クリーニング機構201では、吐出面202のノズル203が設けられたノズル領域202aを図28中矢印S方向に移動しながら払拭するのに、ノズル領域202aの幅方向略中央付近に角部204aを有するクリーニングブレード204が提案されている。具体的に、この吐出面クリーニング機構201では、クリーニングブレード204がノズル領域202aの幅方向の略中央付近に所定の角度に曲げられた角部204aを有し、この角部204aを基準にして縁端部204bが図28中反矢印S方向に傾斜するようにされている。そして、吐出面202をクリーニングするときは、クリーニングブレード204の吐出面202と対向する先端を吐出面202に接触させた状態で図28中矢印S方向に移動させることで、吐出面202に付着した余分なインクを頂点部204aから縁端部204bの方向にノズル領域202aの幅方向の端部にまで押し退けるようにしてクリーニングブレード204が吐出面202を摺動、払拭し、吐出面202をクリーニングする。
しかしながら、このような吐出面クリーニング機構201では、吐出面202をクリーニングするときに、吐出面202を摺動するクリーニングブレード204の角部204aに吐出面202を払拭するときの摩擦力等の応力が加わって変形し、角部204aと吐出面202との間に隙間ができて吐出面202にインク拭き残しが発生することがある。
また、この吐出面クリーニング機構201では、ノズル領域202a全体をクリーニングするために、クリーニングブレード204が、ある程度の堅さをもったゴム板等で形成されている。
このため、クリーニングブレード204においては、例えば吐出面202の平坦性が悪いと、先端全体を吐出面202に押し当てることが困難になり、吐出面202と先端との間に隙間ができて吐出面202をクリーニングすることが困難になる。
さらに、この吐出面クリーニング機構201では、吐出面202にクリーニングブレード204の先端全体を押し当てる必要があり、クリーニングブレード204の先端と吐出面202との間に隙間ができないように吐出面202に対するクリーニングブレード204の接触状態を調整するといった煩わしい作業をしなければならない。
さらにまた、この吐出面クリーニング機構201においては、例えば吐出面202とクリーニングブレード204との間に隙間ができないように、吐出面202にクリーニングブレード204を隙間なく押し当てようとして過剰な圧力で押圧すると、押圧されたクリーニングブレード204によって吐出面202のノズル203等に傷が付いてしまい、印刷品質が劣化してしまうことがある。
特開平9−216387号公報
本発明は、液体吐出ヘッド部の吐出面を損傷させることなく適切にクリーニングできる吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置を提供するものである。
上述した目的を達成する本発明に係る吐出面保護装置は、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出ヘッド部の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面に保持される吐出面保護装置であって、吐出面と平行な面内を、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに少なくとも対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し吐出面を開放する方向と、吐出口領域上に進入し吐出ヘッド部の吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、カバーキャップ部の吐出面と対向する面上で、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、各ブレード部の吐出面と対向する先端を吐出面に当接させた状態で、カバーキャップ部が吐出面と平行な面内で、矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを備え、吐出面クリーニング部は、カバーキャップ部による吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で基準に近い方から順にカバーキャップ部による吐出面の閉塞方向に並び、且つ各ブレード部における吐出口領域の幅方向の端部のうち基準に近い方が基準に遠い方よりカバーキャップ部による吐出面の開放方向側に位置する
本発明に係る液体吐出カートリッジは、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出カートリッジであって、液体を液滴の状態で対象物に向かって吐出させる吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッド部と、吐出面と平行な面内を、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに少なくとも対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し吐出面を開放する方向と、吐出口領域上に進入し吐出ヘッド部の吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、カバーキャップ部の吐出面と対向する面上で、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、各ブレード部の吐出面と対向する先端を吐出面に当接させた状態で、カバーキャップ部が吐出面と平行な面内で、矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを有する吐出面保護カバーとを備え、吐出面クリーニング部は、カバーキャップ部による吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で基準に近い方から順にカバーキャップ部による吐出面の閉塞方向に並び、且つ各ブレード部における吐出口領域の幅方向の端部のうち基準に近い方が基準に遠い方よりカバーキャップ部による吐出面の開放方向側に位置する。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置であって、液体を液滴の状態で対象物に向かって吐出させる吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッド部と、吐出面と平行な面内を、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに少なくとも対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し吐出面を開放する方向と、吐出口領域上に進入し吐出ヘッド部の吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、カバーキャップ部の吐出面と対向する面上で、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、各ブレード部の吐出面と対向する先端を吐出面に当接させた状態で、カバーキャップ部が吐出面と平行な面内で、矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを有する吐出面保護カバーと、液体吐出ヘッド部が吐出口より液滴を吐出するときの吐出動作を制御する吐出制御部とを備え、吐出面クリーニング部は、カバーキャップ部による吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で基準に近い方から順にカバーキャップ部による吐出面の閉塞方向に並び、且つ各ブレード部における吐出口領域の幅方向の端部のうち基準に近い方が基準に遠い方よりカバーキャップ部による吐出面の開放方向側に位置する。
本発明によれば、カバーキャップ部の吐出面と対向する面上で、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部の移動方向に対向且つ吐出面側の先端を吐出面に当接させた状態でカバーキャップ部を矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動させることで吐出面を払拭していく。すなわち、本発明によれば、各ブレード部が吐出面に対してそれぞれが接触し、それぞれが吐出面を払拭することで、吐出面に付着した異物を除去し、吐出面をクリーニングする。
本発明によれば、カバーキャップ部の移動方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で基準に近い方から順にカバーキャップ部による吐出面の閉塞方向に並び、且つ各ブレード部における吐出口領域の幅方向の端部のうち基準に近い方が基準に遠い方よりカバーキャップ部による吐出面の開放方向側に位置する。このため、本発明によれば、カバーキャップ部が吐出面の開放方向に向かって移動し、吐出面をクリーニングするときに、カバーキャップ部の移動方向で最前列に位置する、すなわち基準に一番近いブレード部から順に吐出面に付着した異物を矩形状の吐出口領域の短辺方向に向かって押し退け、吐出口領域外に異物を押し出して吐出面を払拭する。
本発明によれば、例えば吐出面の平坦性が悪いときでも、カバーキャップ部の吐出面と対向する面上で、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部が、吐出面にそれぞれが接触して払拭し、吐出面に付着した異物、いわゆる余分な液体を除去していくことから、吐出面を適切にクリーニングできる。
本発明によれば、吐出面をクリーニングするときに、カバーキャップ部の移動方向で最前列に位置するブレード部から順に吐出面に付着した異物を矩形状の吐出口領域の短辺方向に向かって押し退け、吐出口領域外に異物を押し出すようにして払拭していくことから、吐出口領域に異物が残留することなく適切に吐出面をクリーニングできる。
本発明によれば、吐出面をクリーニングするときに、矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部の隣り合う端部同士がカバーキャップ部の移動方向に対向しており、例えばカバーキャップ部の移動方向で前側にあるブレード部の端部で液体の拭き残しが生じたとしても、この端部と対向且つカバーキャップ部の移動方向で後側に位置する他のブレード部の端部がインクの拭き残しを払拭することから、吐出面に液体の拭き残しが生じることなく吐出面を適切にクリーニングできる。
このように、本発明によれば、複数のブレード部により吐出面に付着した余分な液体を適切に払拭し、除去できることから、吐出面に付着した余分な液体によって起こる不吐出や吐出曲がりを抑制することができ、優れた画質の印刷を行うことができる。
以下、本発明に係る吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置をプリンタ装置に適用した例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と記す。)1は、所定の方向に走行する記録紙Pに対してインク等を吐出して画像や文字を印刷するものである。また、このプリンタ装置1は、記録紙Pの印刷幅に合わせて、記録紙Pの幅方向、すなわち図1中矢印W方向にインク吐出口(ノズル)を略ライン状に並設した、いわゆるライン型のプリンタ装置である。図1に示す本発明を適用したインクジェット型のプリンタ装置1は、対象物である記録紙Pに対して、液体であるインクを吐出し、着弾させることによって、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置より入力された文字データや画像データ等に応じたインクドットからなる画像や文字等を記録するものである。
このプリンタ装置1は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジという。)2と、このヘッドカートリッジ2が装着される装置本体であるプリンタ本体3とを備えている。
また、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体3に対してヘッドカートリッジ2が着脱可能とされることによって、容易に交換が可能となっている。
先ず、このようなプリンタ本体3に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2について説明する。
このヘッドカートリッジ2は、インクを吐出する吐出口であるノズルを記録紙Pの幅に対応する長さで略直線状に複数並べて配置した、いわゆるライン型のプリンタヘッドである。
このヘッドカートリッジ2は、図1及び図2に示すように、インクを収容するインクタンク11が装着されるカートリッジ本体12を備え、このカートリッジ本体12には、カラー印刷に対応して、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色からなるインクタンク11y,11m,11c,11kが着脱可能となっている。
これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、例えば樹脂材料等を射出成形することで、全体略直方体状に形成された容器であり、その内部に各色に対応したインクを収容している。また、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、内部の洗浄を行った際に塵埃等の微小な異物が容易に除去されるように、インクと接する内面が外面よりも表面粗さが小さくなっている。また、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、なるべく多くのインクを収容するために、カートリッジ本体12の長辺方向に対応した長尺形状とされている。そして、各インクタンク11y,11m,11c,11kは、カートリッジ本体12の短辺方向に並んで配置される。
なお、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、インクの消費量が最も多いブラックのインクタンク11kが、他のインクタンク11y、11m、11cよりも容量が大きく、他に比べて厚みを有する以外は同じ構造を有している。したがって、これらインクタンク11y,11m,11c,11kの構成を、以下まとめてインクタンク11として説明する。
インクiを収容するインクタンク11は、図2及び図3に示すように、インクiを収容する液体収容部であるインク収容部21と、インク収容部21内のインクiをカートリッジ本体12へと送り出す液体送出部であるインク送出部22と、インク収容部21を外部と連通させる外部連通孔23と、外部連通孔23からインク収容部21内に外部の空気を導入するための空気導入管24とを有している。
インク収容部21は、インクiを収容する収容空間を形成しており、なるべく多くのインクiを収容するため、略々インクタンク11の外形に対応した内形形状を有している。また、インク収容部21は、その底面部が略中央に位置するインク送出部22で最も深くなるように形成されており、内部に収容されたインクiが集中的にインク送出部22に流入するようになされている。
インク送出部22は、インク収容部21と連通されたインクタンク11からカートリッジ本体12へインクiを供給するノズルであり、このインク収容部21の下面中央部から下方に向かって突出して設けられている。そして、このインク送出部22は、後述するカートリッジ本体12の連結部35に円滑に嵌合されるように、先端に向かって内径が拡径されたテーパー形状を有している。
外部連通孔23は、図3に示すように、インク収容部21の上面中央部に設けられている。また、この外部連通孔23は、通気性を有するシール部材(図示せず。)によって閉塞されている。これにより、インクタンク11では、この外部連通孔23から外部にインクiが漏れ出すことを防止すると共に、この外部連通孔23から外部の空気を取り込む際に、インク収容部21内に塵埃等が侵入することを防止している。
空気導入管24は、外部連通孔23からインク収容部21の内部へと下方に向かって延長して設けられている。これにより、インクタンク11では、インク収容部21内のインクiがインク送出部22からカートリッジ本体12へと送り出された際に、このインク収容部21内のインクiが減少した分に相当する空気が、外部連通孔23から空気導入管24を通してインク収容部21内に取り込まれることになる。
また、この空気導入管24の中途部には、インク収容部21から逆流したインクiがいきなり外部連通孔23から外部に流出することがないように、インクiを一時的に貯留させる液体貯留部であるインク貯留部25が設けられている。このインク貯留部25は、正面から見て長い方の対角線をインク収容部21の長辺方向と一致させた略菱形状の内部空間を形成しており、上部側の角部が空気導入管24を介して外部連通孔23と連通されると共に、下部側の角部が空気導入管24を介してインク収容部21と連通されている。これにより、インクタンク11では、インク収容部21から空気導入管24を通して逆流したインクiをインク貯留部25が一時的に貯留することによって、外部連通孔23から外部にインクiが漏れ出すことなく、再度インクiをインク収容部21側に戻すことが可能となっている。
また、このインクタンク11は、図2及び図3に示すように、後述するカートリッジ本体12のタンク装着部31に固定するための固定手段である係合段部26及び係止突部27を有している。
係合段部26は、インクタンク11の長辺方向の一端側に形成された段差部であり、その一端側の側面部から上面部と平行且つ上面部よりも一段低くなされた水平面部26aと、この水平面部26aから上面部に向かって傾斜する傾斜面部26bとを有している。
係止突部27は、インクタンク11の長辺方向の他端側の側面部から突出形成された突起部であり、上面部と平行な水平面部27aと、この水平面部27aよりも下方に位置する側面部に向かって傾斜する傾斜面部27bとを有している。
一方、カートリッジ本体12は、図2及び図4に示すように、上述した各色に対応したインクタンク11y,11m,11c,11kが装着されるタンク装着部31を有している。
このタンク装着部31は、記録紙Pの幅に対応して全体略直方体状に形成されたカートリッジ本体12の上面部から各インクタンク11y,11m,11c,11kを収納するのに十分な深さで形成された凹部であり、その底面部は、各インクタンク11y,11m,11c,11kがカートリッジ本体12の短辺方向に並んで配置されるように、隔壁31aによって仕切られた構造を有している。
なお、上述したブラックのインクタンク11kは、他のインクタンク11y,11m,11cに比べて厚みを有することから、このタンク装着部31においても、ブラックのインクタンク11kの装着位置を仕切る隔壁31aの間隔が他のインクタンク11y,11m,11cの装着位置を仕切る隔壁31aの間隔よりも所定の幅だけ広く形成されている。
そして、このタンク装着部31には、上述したインクタンク11を固定するための固定手段である被係合部32、ラッチレバー33及び板バネ34が設けられている。
被係合部32は、上述したインクタンク11に形成された係合段部26の水平面部26aと係合される部分であり、タンク装着部31の長辺方向の一端側に位置する開口端から長辺方向に所定の幅だけ突出形成されている。
ラッチレバー33は、タンク装着部31の長辺方向の他端側に位置する底面コーナー部から上方に向かって突出された弾性変位片であり、その先端部がタンク装着部31の側面部に対して近接離間する方向に弾性変位可能となっている。また、このラッチレバー33の先端側には、上述したインクタンク11の係止突部27が係止される係止孔33aが穿設されている。そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応したラッチレバー33が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
板バネ34は、タンク装着部31の底面部に設けられ、このタンク装着部31に装着されたインクタンク11を上方に向かって押圧する押圧部材である。この板バネ34は、タンク装着部31の長辺方向に沿って配置されると共に、一端がタンク装着部31の底面部に固定され、その中間部が上方に向かって折り曲げられた形状を有している。そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31の底面部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した板バネ34が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
このタンク装着部31にインクタンク11を装着する際は、図5に示すように、インクタンク11の係合段部26が設けられた一端側を、タンク装着部31の内部に斜めに挿入し、この係合段部26の水平面部26aをタンク装着部31の被係合部32に当接させながら、この当接位置を回動支点として、インクタンク11の係止突部27が設けられた他端側を、回動させながらタンク装着部31の内部に挿入する。このとき、インクタンク11の係止突部27は、その傾斜面部27bがラッチレバー33に当接することによって、このラッチレバー33をタンク装着部31の側面部に近接する方向へと弾性変位させる。
そして、図6に示すように、インクタンク11がタンク装着部31に装着されると同時に、係止突部27がラッチレバー33の係止孔33aに係止される。このとき、ラッチレバー33の先端部がタンク装着部31に装着されたインクタンク11の側面部を押圧すると共に、タンク装着部31の底面部に設けられた板バネ34がインクタンク11の底面部を上方に向かって押圧することから、係合段部26の水平面部26aがタンク装着部31の被係合部32に係止されると共に、係止突部27の水平面部27aがラッチレバー33の係止孔33aに係止される。これにより、インクタンク11をカートリッジ本体12のタンク装着部31に適切に固定することができる。
一方、このタンク装着部31に装着されたインクタンク11を取り外す際は、ラッチレバー33の先端部をインクタンク11の側面部から離間する方向に弾性変位させる。これにより、上述した係止突部27の水平面部27aとラッチレバー33の係止孔33aとの係止状態が解除される。このとき、板バネ34がインクタンク11の底面部を上方に向かって押圧することから、インクタンク11をタンク装着部31から容易に取り外すことができる。
また、以上のようなインクタンク11が装着されるカートリッジ本体12は、図4及び図7に示すように、上述したインクタンク11のインク送出部22と連結される連結部35と、この連結部35に連結されたインクタンク11からのインクiの供給を行う液体供給部であるインク供給部36と、このインク供給部36により供給されたインクiを吐出するヘッド部37とを有している。
連結部35は、図6及び図7に示すように、タンク装着部31の底面中央部に設けられたノズルであり、その先端が上述したインク送出部22に嵌合されることによって、インクタンク11のインク送出部22と連結される。また、この連結部35にインクタンク11のインク送出部22が連結された際には、連結部35の先端部に設けられた図示しない開閉ピンがインク送出部22を開放する。また、この連結部35には、連結されたインク送出部22との間からインクiが漏れ出すのを防止するために、Oリング等のシール部材38が設けられている。なお、連結部35は、その先端部が開閉ピンを兼ねるようにしてもよい。すなわち、この連結部35の先端部がインク送出部22に嵌合されると共にインク送出部22を開放する構成であってもよい。また、連結部35の先端部は、上述したインク送出部22に円滑に嵌合されるように、先端に向かって外径が縮径されたテーパー形状を有している。
そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31の底面中央部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した連結部35が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
インク供給部36は、後述するヘッド部37のノズル52aからインクiが吐出された際に、ヘッド部37側に発生する負圧によって図示しない弁が開放されてインクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へとインクiを供給し、インクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へインクiが供給されて、ヘッド部37側の圧力が定常状態に戻ると、弁を閉塞してインクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へのインクiの供給を停止する弁機構である。
そして、インク供給部36は、後述するヘッド部37のノズル52aからインクiを吐出する度に、インクiの供給動作を繰り返す。一方、インクタンク11では、上述したインク供給部36によるインクiの供給動作に連動して、インク収容部21内のインクiがインク供給部36側に供給されると、インク収容部21内のインクiが減少すると共に、この減少したインクiに相当する空気が外部連通孔23から空気導入管24を通してインク収容部21内に導入される。これにより、インク収容部21内の圧力を平衡状態に保ちながら、インク供給部36側にインクiを適切に供給することが可能となっている。
なお、上述した各色に対応した連結部35の下方には、それぞれインク供給部36が設けられている。
ヘッド部37は、インクiを液滴の状態で吐出させる後述するノズル52aが形成された吐出面41と、この吐出面41よりも上方に位置し、インク供給部36からインクiが供給されるインク供給口42と、このインク供給口42から供給されたインクiを各ノズルへと導くインク流路43とを有している。
吐出面41には、記録紙Pの幅に相当する長さに亘って略直線状に複数のノズル52aが並んで設けられている。インク供給口42は、インク流路43の上面中央部に設けられ、インク供給部36に連通されている。インク流路43は、各ノズル52aにインクiが供給されるように記録紙Pの幅に相当する長さに亘って略直線状に設けられている。
このヘッド部37には、所定数のノズル52aを組とするインク吐出ヘッド44が千鳥状に配置されている。すなわち、このインク吐出ヘッド44は、インク流路43を挟んで記録紙Pの幅方向に互い違いに並ぶように配置されている。
インク吐出ヘッド44は、図8に示すように、ベースとなる回路基板51と、複数のノズル52aが形成されたノズルシート52と、回路基板51とノズルシート52との間をノズル52a毎に区画するフィルム53と、インク流路43を通して供給されたインクiを加圧するインク液室54と、インク液室54に供給されたインクiを加熱する発熱抵抗体55とを有している。
回路基板51は、シリコン等からなる半導体ウェハ上に、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなる制御回路を構成すると共に、インク液室54の上面部を形成している。
ノズルシート52は、吐出面41に向かって縮径され、且つ吐出面41側の口径が20μm程度のノズル52aが穿設されると共に、回路基板51とフィルム53を挟んで対向配置されることで、インク液室54の下面部を形成している。
フィルム53は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、上述したインク流路43と連通される部分を除いて各ノズル52aの周囲を囲むように形成されている。また、このフィルム53は、回路基板51とノズルシート52との間に介在されることによって、インク液室54の側面部を形成している。
インク液室54は、上述した回路基板51、ノズルシート52及びフィルム53により囲まれることで、ノズル52a毎にインク流路43から供給されたインクiを加圧する加圧空間を形成している。
発熱抵抗体55は、インク液室54に臨む回路基板51に配置されると共に、この回路基板51に設けられた制御回路等と電気的に接続されている。そして、この発熱抵抗体55は、制御回路等により制御されることで発熱し、インク液室54内のインクiを加熱する。
そして、このインク吐出ヘッド44では、回路基板51の制御回路が発熱抵抗体55を駆動制御し、選択された発熱抵抗体55に対して、例えば1〜3マイクロ秒程度の間だけパルス電流を供給する。これにより、インク吐出ヘッド44では、発熱抵抗体55が急速に加熱される。すると、インク吐出ヘッド44では、図9(A)に示すように、発熱抵抗体55と接するインク液室54内のインクiに気泡bが発生する。そして、インク吐出ヘッド44では、図9(B)に示すように、このインク液室54内において、気泡bが膨張しながらインクiを加圧し、押し退けられたインクiが液滴の状態になってノズル52aより吐出される。また、インク吐出ヘッド44においては、インクiの液滴が吐出された後は、インク流路43を通してインクiがインク液室54に供給されることによって、再び吐出前の状態へと戻る。
なお、上述したインク吐出ヘッド44は、回路基板51の一主面上にフィルム53を全面に亘って形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフィルム53をインク液室54に対応した形状に成形した後に、この上にノズルシート52を積層することで形成される。
また、上述したインク吐出ヘッド44は、発熱抵抗体55によってインクiを加熱しながら吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えば圧電素子等の電気機械変換素子によってインクiの液滴を電気機械的に吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
また、上述した各色に対応したインク供給部36の下方には、それぞれヘッド部37が設けられている。そして、カートリッジ本体12の底面部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した各ヘッド部37の吐出面41が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられており、これらは連続した吐出面41を形成している。
以上のような構成のヘッドカートリッジ2は、上述した構成の他に、後述するガイド溝39や、インク収容部12内のインクiの残量を検出する図示しない残量検出部や、インクタンク11y,11m,11c,11kを識別する図示しないインクタンク識別部等を備えている。
また、カートリッジ本体12の底面部には、図1及び図2に示すように、上述した吐出面41を保護すると共に、吐出面41のノズル52aより露出するインクiの乾燥を防ぎ、且つ吐出面41のノズル52a以外の領域に付着したインクiをクリーニングする吐出面保護カバー61が設けられている。
この吐出面保護カバー61は、図2及び図10に示すように、カートリッジ本体12の底面部に対応した略矩形状のカバーキャップ部62と、カートリッジ本体12に対して着脱可能に保持させるキャップ保持片63と、カバーキャップ部62のカートリッジ本体12と対向する面に設けられ、吐出面41に付着したインクiをクリーニングする吐出面クリーニング部64とを備えている。
この吐出面保護カバー61おいて、カバーキャップ部62は、カートリッジ本体12の吐出面41よりインクiが吐出されるときに、吐出面41に対して略平行な面内を移動し、少なくとも記録紙Pに対してノズル52aを臨ませるように吐出面41のノズル52aが形成されている吐出口領域41aより退避する。また、カバーキャップ部62は、カートリッジ本体12に保持されて吐出面41を閉塞した状態において、インクiがヘッド部37より滴り落ちることを防ぐ受け皿となり、且つカートリッジ本体12と連続した底面部となってカートリッジ本体12をプリンタ本体3より取り外したときに吐出面41のインクiが他に付着することを防止する。
キャップ保持片63は、カバーキャップ部62の長辺方向の両側に、上方に向かって突出し、且つ先端が外側に向かって略直角に折り曲げられてなる一対の突部であり、カートリッジ本体12に対する着脱方向、すなわちカバーキャップ部62の短辺方向に亘って突出形成されている。そして、キャップ保持片63は、カートリッジ本体12の吐出面41に設けられた一対のガイド溝39に係合されることで、吐出面41に対してカバーキャップ部62を略平行移動可能に保持する。
吐出面クリーニング部64は、カバーキャップ部62の吐出面41と対向する面に立設された第1のブレード部71と、第2のブレード部72とを有している。具体的に、これらのブレード部71,72は、例えば略矩形板状をなすクロロプレンゴム、ウレタンゴム等といった樹脂製弾性体等によって形成され、カバーキャップ部62の吐出面41と対向する面に吐出口領域41aの幅方向と略直交方向に一方主面を臨ませるようにしてカバーキャップ部62におけるカートリッジ本体12に装着される側の端部に沿うように立設されている。そして、この吐出面クリーニング部64は、上述したインク吐出ヘッド44がノズル52aよりインクiを液滴の状態で吐出したときに、吐出面41に余分なインクiとして付着する微少なインク滴、いわゆるインクサテライト等を、ブレード部71,72が吐出面41を摺動しながら払拭し、除去して吐出面41をクリーニングするクリーニング機構である。なお、ブレード部71,72においては、後述する支持片81aよって着脱可能に支持されていることから、例えば樹脂製弾性部材が劣化し、吐出面41のクリーニング能力が低下したときに新しいものと容易に交換できる。
吐出面クリーニング部64において、第1のブレード部71は、吐出面41のノズル52aが形成された吐出口領域41aの記録紙Pの幅方向Wと同方向、すなわち吐出口領域41aの幅方向の略中央から一端に亘って配置され、第2のブレード部72は、吐出口領域41aの幅方向の略中央から他端に亘って配置されている。そして、これらのブレード部71,72は、隣り合う端部71a,72a同士が吐出口領域41aの幅方向と略直交する方向で対向するようにされている。すなわち、ブレード部71,72は、吐出面41をクリーニングするときに、両方を合わせることで、少なくとも記録紙Pの幅方向に並設された全てのノズル52aと対向するようにされている。
吐出面クリーニング部64においては、図2及び図10に示すように、カバーキャップ部62がカートリッジ本体12の前面側に退避する、すなわちカバーキャップ部62が図2中矢印A方向に移動する際のカバーキャップ部62の移動方向側縁端の所定位置を基準点Bとしたときに、吐出口領域41aの幅方向に立設されたブレード部71,72が、隣り合う端部71a,72a同士をカバーキャップ部62の移動方向に対向させた状態で基準点Bに近い方から順にカバーキャップ部62の移動方向とは反対方向、すなわち図2中反矢印A方向に並ぶようにされている。そして、第1のブレード部71の基準点Bに近い端部71aが基準点Bに遠い端部71bよりカバーキャップ部62の移動方向側に位置するようにされ、第2のブレード部72の基準点Bに近い端部72aが基準点Bに遠い端部72bよりカバーキャップ部62の移動方向側に位置するようにされている。なお、ここでは、ブレード部71,72のうち第1のブレード部71が第2のブレード部72より基準点Bの近くに位置するものとして説明する。
すなわち、ブレード部71,72は、基準点Bに近い方の端部71a,72aを基準にして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって図10中反矢印A方向に傾斜した状態で、隣り合う端部71a,72a同士をカバーキャップ部62の移動方向で対向させながら基準点Bに近い方から順に図10中反矢印A方向に並ぶようにされている。
このような構成の吐出面保護カバー61では、ブレード部71,72の吐出面41と対向する先端を吐出面41に当接させた状態でカバーキャップ部62が吐出口領域41aの幅方向と略直交方向に退避する、すなわち図10中矢印A方向に移動するときに吐出面41をブレード部71,72が摺動してブレード部71,72それぞれが吐出面41に付着した余分なインクiを払拭し、吐出面41を適切にクリーニングしていく。
具体的に、この吐出面保護カバー61では、吐出面41をクリーニングするときに、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する、すなわち基準点Bに近い第1のブレード部71から順に吐出面41に付着した余分なインクiをブレード部71,72の主面に沿うようにして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって押し退け、吐出口領域41aの外側にインクiを押し出して吐出面41をクリーニングしていく。
このとき、吐出面保護カバー61では、吐出面41をクリーニングするときに、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する第1のブレード部71の端部71aが吐出面41を摺動するときの摩擦等の応力によって変形し、インクiの拭き残しが生じたとしても、端部71aと対向し、且つカバーキャップ部62の移動方向で後側に位置する第2のブレード部72の端部72aがインクiの拭き残しを払拭していくことから、吐出面41にインクiの拭き残しが生じることなく吐出面41を適切にクリーニングできる。
また、プリンタ装置1では、吐出面41のノズル52aに目詰まりや気泡混入等が生じたときに、インク吐出ヘッド44より強制的にインクiを吐出させて目詰まりや気泡混入等を解消させる。この際、吐出面保護カバー61は、カバーキャップ部62がノズル52aより強制的に吐出されたインクiを受け止める受け皿として機能する。そして、カバーキャップ部62においては、その底面にインクiを吸収するためのスポンジ等のインク吸収体65を設けることで底面に溜まったインクiが外部に漏れることを防ぎ、且つ受け皿を所定の深さにすることでインクiを溜めておく容量の拡大を図ることができる。なお、インク吸収体65は、インクiを吸収するものであり、インク吸収の許容量に達してインク吸収能力が無くなったときに交換することができる。
一方、吐出面保護カバー61が取り付けられるカートリッジ本体12の底面部、すなわち吐出面41には、図2に示すように、カバーキャップ部62に設けられた一対のキャップ保持片63が短辺方向の一端側から係合される一対のガイド溝39が形成されている。一対のガイド溝39は、一対のキャップ保持片63に対応して、カートリッジ本体12の底面部から所定の深さで切り込まれ且つ外側に向かって略直角に切り込まれてなる凹部を形成している。そして、一対のガイド溝39は、カートリッジ本体12の長辺方向の両側に位置して、カートリッジ本体12の短辺方向に亘って平行に形成されている。
したがって、吐出面保護カバー61は、これら一対のガイド溝39に一対のキャップ保持片63が係合されることによって、カートリッジ本体12の短辺方向にスライドしながら、カートリッジ本体12の吐出面41をカバーキャップ部62が閉塞する閉塞位置まで案内される。また、この吐出面保護カバー61は、カートリッジ本体12の吐出面41を閉塞しているカバーキャップ部62を、一対のガイド溝39に沿ってカートリッジ本体12の短辺方向に外部に向かってスライドさせることで、カートリッジ本体12の短辺方向の一端側から取り外すことができる。すなわち、吐出面保護カバー61は、カートリッジ本体12に対する着脱を容易に行える。
また、吐出面41には、吐出面保護カバー61によって閉塞されているときに、吐出面クリーニング部64と対向する位置に、少なくとも吐出面クリーニング部64と対向する領域がインクタンク11側に凹んだ部分、具体的には吐出面クリーニング部が吐出面41のクリーニング動作を行わないときにブレード部71,72が吐出面41に当接しないようにするための逃げ部45(図11参照。)が設けられている。これにより、吐出面クリーニング部64おいては、ブレード部71,72がクリーニング動作を行うときだけ吐出面41に当接されることになり、ブレード部71,72の吐出面41を押圧する弾性力が劣化することを抑制できる。
ところで、吐出面クリーニング部64は、カバーキャップ部62が吐出面41から退避する往路のとき、吐出面41に接触して、吐出面41に付着したインクiやノズル55a内のインクiを吸引除去し、吐出面41を閉塞するとき、吐出面41に接触することなく、吐出面41のクリーニングを行わない。カバーキャップ部62の往復で吐出面41のクリーニングを行うと、ブレード部71,72が基準点Bに近い方の端部71a,72を基準にして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かってカバーキャップ部62の移動方向とは反対方向に傾斜していることから、吐出面41に付着した余分なインクiがブレード部71,72に沿って吐出口領域41aの幅方向略中央付近に集まってしまうからである。そこで、吐出面保護カバー61には、カバーキャップ部62の吐出面41と対向する主に、吐出面クリーニング部64の昇降機構66が設けられている。
図11に示すように、昇降機構66は、カバーキャップ部62に設けられており、吐出面クリーニング部64が取り付けられる昇降部材81と、この昇降部材81の昇降を制御する昇降制御レバー82とを有する。昇降部材81は、吐出面クリーニング部64を支持するための支持片81aが形成され、この支持片81aは、吐出面クリーニング部64のブレード部71,72を支持している。この昇降部材81は、カバーキャップ部62の底板に形成されたガイド壁81bによって吐出面41に対して近接離間する図11中矢印C方向又は反矢印C方向に移動可能に取り付けられる。ガイド壁81bには、先端部に内方に突出した係止部81cが形成され、この係止部81cには、昇降部材81の段部81dが係止される。係止部81cは、昇降部材81が吐出面41に近接する図11中矢印C方向に移動したとき、昇降部材81の段部81dに係止されることによって、昇降部材81の吐出面41に近接する方向の移動を規制する。また、この昇降部材81には、昇降制御レバー82により押圧される被押圧部81eが形成されている。このような昇降部材81は、カバーキャップ部62の底板と昇降部材81との間に、コイルバネ等の弾性体83が配設される。弾性体83は、常時、昇降部材81を吐出面41に近接する図11中矢印C方向に付勢する。
昇降制御レバー82は、図11に示すように、略L字状に形成され、一片が、制御片82aとなっており、他方の片が、昇降部材81の被押圧部81eを押圧する押圧片82bとなっている。昇降制御レバー82は、角部において、カバーキャップ部62の底板に形成された回動支持片82cと、回動支持片82c、角部の何れかに形成された支軸92dとによって、図11中矢印D方向及び反矢印D方向に回動可能に取り付けられている。制御片82aは、カバーキャップ部62の移動方向の端面が傾斜面をなし先端が略先鋭に形成されている。この制御片82aは、コイルバネ等の引っ張り部材82eによって、図11中矢印E方向に付勢されている。すなわち、昇降制御レバー82とを有は、支軸92dを中心に、押圧片82bが昇降部材81の被押圧部81eを押圧しない方向に付勢されている。
以上のような昇降機構66は、吐出面41をカバーキャップ部62が閉塞しているとき、図11のような状態にある。すなわち、吐出面クリーニング部64は、吐出面41の逃げ部45に位置しており、昇降制御レバー82は、支軸92dを中心に、引っ張り部材82eの引っ張り力によって、図11中反矢印D方向に回動した状態にあり、制御片82aは、逃げ部45により、ヘッドカートリッジ2の底面に非接触の状態にあり、押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81eを押圧していない状態にある。したがって、昇降部材81は、弾性体83の付勢力によって、吐出面41に近接する図11中矢印C方向に移動した状態にある。
そして、カバーキャップ部62が、吐出面41より退避する往路のとき、図12に示すように、制御片82aがヘッドカートリッジ2の底面の逃げ部45から吐出面41に移動する。そして、制御片82aの先端が吐出面41によって押圧されることにより、昇降制御レバー82は、支軸92dを中心にして反矢印D方向に回動する。したがって、昇降制御レバー82の押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81eを未だ押圧しない。そして、弾性体83によって図12中矢印C方向に付勢されている吐出面クリーニング部64のブレード部71,72は、その先端が吐出面41に圧接され、吐出面41に付着した余分なインクiを払拭し、吐出面41をクリーニングする。
図13に示すように、カバーキャップ部62が吐出面41を閉塞する復路のとき、吐出面41に接触している昇降制御レバー82の制御片82aは、先端が吐出面41によって押圧され、引っ張り部材82eの引っ張り力に抗して支軸92dを中心にして図13中矢印D方向に回動する。すると、昇降制御レバー82の押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81eを押圧する。すると、昇降部材81は、被押圧部81eが押圧片82bによって押圧されることによって、弾性体83の付勢力に抗してガイド壁81bにガイドされながら吐出面41から離間する図13中反矢印C方向に移動する。したがって、復路のとき、吐出面クリーニング部64は、吐出面41からブレード部71,72が離間した状態で、吐出面41に付着したインクiを払拭することなく、逃げ部45まで移動する。
以上のように構成されたヘッドカートリッジ2では、カバーキャップ部62の開閉動作に合わせて、吐出面41のクリーニングや捨てインクの吐出等のメンテナンスを行うことができる。また、吐出面クリーニング部64やインク吸収体65は、上述したように、吐出面41のクリーニングや捨てインクの吐出等のメンテナンス作業によってクリーニング能力やインク吸収能力等が劣化したときに、容易に交換できる。したがって、プリンタ装置1では、吐出面クリーニング部64やインク吸収体65等が交換部品となっていることから、例えばクリーニング能力やインク吸収能力等が劣化したときに交換部品だけを新しいものに交換するだけでクリーニング効果を復活でき、装置寿命を長くすることができる。
次に、以上のように構成されるヘッドカートリッジ2が装着されるプリンタ本体3について説明する。
このプリンタ本体3は、図1に示すように、内部への塵埃等の侵入を防ぐために、上部筐体91aと下部筐体91bとから構成される外筐81の内部に組み付けられた構造を有している。
また、このプリンタ本体3において、外筐81の前面側は、図14及び図15に示すように、下部筐体91b内の図示しないフレームに上部筐体91aの両側面部に設けられた一対の支軸92が軸支されることによって、上部筐体91aが下部筐体91bに対して開閉可能となっている。
また、外筐81の前面には、図1に示すように、記録紙Pの給排紙が行われる給排紙口93が設けられている。そして、この給排紙口93に記録紙Pを収納する収納トレイ94が装着されることによって給紙が可能となり、記録紙Pは、この給排紙口93を通して収納トレイ94の開口端のうち前面側を閉塞する蓋トレイ95上に排紙されることになる。
上部筐体91aには、上述したヘッドカートリッジ2が装着されるヘッド装着部96が設けられている。このヘッド装着部96は、ヘッドカートリッジ2に対応した開口部97と、この開口部97の周囲を囲むようにしてヘッドカートリッジ2の外周部を保持する保持枠98とを有している。そして、このヘッド装着部96にヘッドカートリッジ2が装着された際には、ヘッドカートリッジ2の吐出面41が、後述する下部筐体91b内の印刷位置に臨むことになる。なお、ヘッドカートリッジ2には、図2に示すように、取手部99が取り付けられている。これにより、ヘッドカートリッジ2は、交換時等においてヘッド装着部96に対する着脱が容易となっている。
また、上部筐体91aには、このヘッド装着部96の開口部97を閉塞する蓋体91cが開閉可能に取り付けられている。この蓋体91cは、ヘッド装着部96の開口部97を閉塞した際には、上部筐体91aと連続した上面部を形成する。また、この蓋体91cは、ヘッド装着部96にヘッドカートリッジ2が装着された状態でも開口部97を閉塞することが可能となっている。
また、上部筐体91aの上面部には、後述する記録紙Pの給排紙が行われる前面側に位置して、各種操作を行うための操作ボタン100や、印刷状態等を表示するための表示パネル101等が設けられている。
さらに、上部筐体91aの上面部には、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部96に装着されたときに、ヘッド装着部96に対してヘッドカートリッジ2を着脱可能に保持するヘッドカートリッジ保持機構102を備えている。具体的に、ヘッドカートリッジ保持機構102は、ヘッドカートリッジ2に設けられたつまみ102aを上部筐体91aの保持枠98の係止孔102b内に設けられた図示しないバネ等の付勢部材に係止することにより、プリンタ本体3における保持枠98の上端に設けられた基準面3aと、ヘッドカートリッジ2の基準面3aと対向する外周面2aとが圧着することになり、上部筐体91aに対してヘッドカートリッジ2を位置決めして保持、固定できるようにする。これにより、カートリッジ本体12の吐出面41と、後述する搬送ベルト154によって印刷位置に搬送された記録紙Pの主面とを互いに平行且つ所定の間隔をもって対向配置することができる。
また、上部筐体91aには、図16に示すように、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部96に装着されたときに、このヘッドカートリッジ2の吐出面41に取り付けられた吐出面保護カバー61を開閉操作するカバー開閉機構103が設けられている。
このカバー開閉機構103は、図16〜図18に示すように、吐出面41を閉塞する閉塞位置と、吐出面41を開放し且つ吐出面41よりも上方に位置する開放位置とに吐出面保護カバー61をガイドするガイド機構111と、このガイド機構111によってガイドされた吐出面保護カバー61を閉塞位置と開放位置との間で変位駆動する駆動機構112とを有している。
ガイド機構111は、吐出面保護カバー61を保持するスライダ121と、このスライダ121を吐出面保護カバー61の開放位置と閉塞位置との間でスライド可能にガイドする一対のガイド部122とを有している。
スライダ121は、吐出面保護カバー61の外周部を保持するように、この吐出面保護カバー61に対応した略矩形状の枠体からなる。また、このスライダ121には、前後一対のガイドピン123a,123bがそれぞれ長辺方向の両枠部から外側に向かって突出して設けられている。なお、これらガイドピン123a,123bのうち、前面側のガイドピン123aの長さが背面側のガイドピン123bの長さよりも長くなっている。
また、このスライダ121には、前後一対の係合突部124a,124bがそれぞれ長辺方向の両枠部から内側に向かって突出形成されている。一方、吐出面保護カバー61の底面部には、これら前後一対の係合突部124a,124bが係合される前後一対の係合凹部125a,125bが形成されている。また、これら前後一対の係合突部124a,124bの間には、吐出面保護カバー61の底面部を支持する一対の支持片126がそれぞれ長辺方向の両枠部から内側に向かって突出形成されている。
そして、このスライダ121は、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部96に装着された際に、前後一対の係合突部124a,124bが吐出面保護カバー61の前後一対の係合凹部125a,125bに係合されると共に、一対の支持片126が吐出面保護カバー61の底面部を支持することによって、この吐出面保護カバー61の外周部を保持することになる。
一対のガイド部122は、上述したヘッド装着部96の保持枠98と一体に形成されたフレームからなり、上述したスライダ121の外側に位置して、互いに平行な側板部を形成している。そして、これら一対のガイド部122には、上述したスライダ121の前後一対のガイドピン123a,123bが係合される前後一対のガイド孔127a,127bがそれぞれ穿設されている。
具体的に、これら前後一対のガイド孔127a,127bは、吐出面保護カバー61がカートリッジ本体12の吐出面41を閉塞する閉塞位置から、上部筐体91aの前面側に向かって吐出面保護カバー61がカートリッジ本体12に対して着脱される着脱位置まで、前後一対のガイドピン123a,123bを水平方向にスライドさせる水平部128aと、この着脱位置から更に上部筐体91aの前面側に向かって、カートリッジ本体12の吐出面41aを開放し且つ吐出面41よりも上方に位置する開放位置まで、前後一対のガイドピン123a,123bを斜め上方向にスライドさせる傾斜部128bとを有している。
したがって、これら一対のガイド部122は、前後一対のガイド孔127a,127bに前後一対のガイドピン123a,123bを係合させることによって、スライダ121を吐出面保護カバー61の開放位置と閉塞位置との間で前後方向にスライド可能に支持している。
以上のように、このガイド機構111では、カートリッジ本体12に対して着脱可能に取り付けられた吐出面保護カバー61をスライダ121に保持した状態で、カートリッジ本体12の吐出面41を閉塞する閉塞位置と、カートリッジ本体12の吐出面41を開放し且つ吐出面41よりも上方に位置する開放位置との間でガイドすることが可能となっている。
駆動機構112は、図18に示すように、下部筐体91b側に、駆動モータ131と、この駆動モータ131の回転軸に取り付けられたウォームギア132と、このウォームギア132と噛み合わされたピニオンギア133と、上部筐体91a側に、ピニオンギア133と噛み合わされて、前後方向にスライドされるラック板134とを有している。
このうち、ラック板134は、上述したガイド部122の外側に配置された略矩形状の平板部材からなり、その下端部には、ピニオンギア133と噛み合わされるラックギア135が前後方向に亘って形成されている。
また、このラック板134の上部側には、前後一対のガイドピン136a,136bがガイド部に向かって突出形成されている。一方、一対のガイド部122には、これら前後一対のガイドピン136a,136bが係合される水平孔137が前後方向に亘って直線状に形成されている。したがって、このラック板134は、水平孔137内を前後一対のガイドピン136a,136bがスライドすることによって、前後方向にスライド可能となっている。
また、このラック板134前面側には、上述した前面側のガイド孔127aを貫通した前面側のガイドピン123aが係合される鉛直孔138が上下方向に亘って直線状に穿設されている。
この駆動機構112では、駆動モータ131が回転駆動されると、互いに噛合されたウォームギア132及びピニオンギア133が回転しながら、ピニオンギア133とラックギア135との噛合によってラック板134が前後方向に変位駆動される。これに伴って、スライダ121の前面側のガイドピン123aがラック板134の鉛直孔138内を上下方向にスライドしながら、スライダ121の前後一対のガイドピン123a,123bがラック板134の前後一対のガイド孔127a,127b内を前後方向にスライドすることになる。これにより、スライダ121を開放位置と閉塞位置との間で変位駆動することが可能となっている。
一方、下部筐体91bの内部には、図14及び図19に示すように、記録紙Pをヘッドカートリッジ2まで供給し、ヘッドカートリッジ2によって印刷が行われた記録紙Pを外部に排出する給排紙機構141が設けられている。具体的に、給排紙機構141は、収納トレイ94から記録紙Pを給紙する給紙部142と、この給紙部142により給紙された記録紙Pを印刷位置へと搬送する搬送部143と、この搬送部143により搬送された記録紙Pを排紙する排紙部144とによって構成され、これらの部位が下部筐体91b内の図示しないフレーム等に組み付けられている。
給紙部142は、収納トレイ94から搬送部143へと記録紙Pを給紙するための給紙手段として、収納トレイ94内の記録紙Pを搬送部143へと送り出す給紙ローラー151と、この給紙ローラー151により送り出された記録紙Pを1枚毎に搬送部143へと送り出すための一対の分離ローラー152a,152bとを有し、これらは、下部筐体91b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって互いに連動しながら、図19中矢印F1,F2,F3方向に回転駆動される。
給紙ローラー151は、収納トレイ94の背面側の開口端から臨む記録紙Pの上方に配置されており、その外周面が、収納トレイ94内に設けられた紙押上げ機構(図示せず。)により押し上げられた記録紙Pと接触可能となっている。
一対の分離ローラー152a,152bは、給紙ローラー151の背面側近傍に位置して、この給紙ローラー151により送り出された記録紙Pを間に挟み込みながら、互いに同一方向に回転駆動される。これにより、給紙ローラー151が記録紙Pを誤って2枚同時に給紙した場合でも、一方の分離ローラー152aが、その外周面に接する1枚の記録紙Pを背面側へと送り出し、他方の分離ローラー152bが、その外周面に接するもう1枚の記録紙Pを前面側の収納トレイ94へと送り返すことによって、1枚のみ背面側に送り出すことができる。
搬送部143は、給紙部142から排紙部144へと記録紙Pを搬送するための搬送手段として、記録紙Pの送り方向を反転させる反転ローラー153と、この反転ローラー153により反転された記録紙Pを印刷位置へと搬送させる搬送ベルト154とを有している。
反転ローラー153は、外筐81内の背面側に配置されており、下部筐体91b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって、図19中矢印G方向に回転駆動される。また、反転ローラー153の背面側には、この反転ローラー153の外周面に沿って反転される記録紙Pを押さえる複数の押さえローラー155a,155b,155cと、反転ローラー153の外周面と対向して記録紙Pの移動を規制する湾曲状の第1の規制板156とが設けられている。
また、この反転ローラー153と一対の分離ローラー152a,152bとの間には、記録紙Pを案内する第1の案内板157が下部筐体91b側に位置して設けられている。さらに、この反転ローラー153と搬送ベルト154との間には、記録紙Pを案内する第2の案内板158と、この第2の案内板158と対向して記録紙Pの移動を規制する平面状の第2の規制板159とが上部筐体91a側に位置して設けられている。
搬送ベルト154は、駆動プーリ160aと被動プーリ160bとの間に巻き掛けられた無端駆動ベルトからなり、下部筐体91b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって駆動プーリ160aが回転駆動されることで、図19中矢印H方向に回転駆動される。これにより、記録紙Pをプリンタ装置1の前面側へと搬送させることができる。
また、この搬送ベルト154には、印刷位置に搬送された記録紙Pをヘッドカートリッジ2の吐出面41に対向させるプラテン板161が設けられている。また、搬送ベルト154は、このプラテン板161の前後が一対のピンチローラ162a,162bによってプラテン板161の厚みに対応して分だけ押し下げられている。また、プラテン板161は、図19に示す印刷位置において、上述したヘッドカートリッジ2の吐出面41と互いに平行且つ所定の距離を以て対向配置される。
また、下部筐体91bには、図19に示す印刷時に搬送動作を行う搬送位置と、この搬送位置よりも下方に位置して、図14及び図15に示す非駆動時に待避される待避位置との間で、上述した搬送ベルト154を昇降させるベルト昇降機構163が設けられている。
具体的に、このベルト昇降機構163は、図20及び図21に示すように、上述した駆動プーリ160aと被動プーリ160bとの間に巻き掛けられた搬送ベルト154の被動プーリ160b側を昇降操作するものであり、下部筐体91b内の図示しないフレームの両側面部に、支軸164を中心に回動される第1の回動部材171と、第1の回動部材171と引張りコイルバネ165を介して連結されると共に、支軸164を中心に回動される第2の回動部材172と、図示しない駆動機構によって前後方向にスライドされるスライド部材173とを有している。
第1の回動部材171は、上述したヘッド装着部96よりも前面側に配置された平板部材であり、その前面側の端部が下部筐体91b内の図示しないフレームに取り付けられた支軸164に回動可能に支持されると共に、その背面側の端部には、上述した被動プーリ160bを回転可能に保持する孔部174が設けられている。また、第1の回動部材171は、上端側の中間部から上方に向かって突出された係止片175を有しており、この係止片175には、引張りコイルバネ165の一端を係止する孔部175aが設けられている。なお、この第1の回動部材171には、搬送位置へと回動された際に、この搬送位置よりも上方側に回動されることを規制するためのストッパが設けられている。
第2の回動部材172は、上述した第1の回動部材171よりも前面側に配置された平板部材であり、第1の回動部材171よりも外側に位置して、その背面側の端部が支軸164に回動可能に支持されている。また、第2の回動部材172は、上端側の中間部から上方に向かって延長された第1のアーム176と、前面側の端部から上方に向かって延長された第2のアーム177とを有している。
第1のアーム176は、その先端部に背面側に向かって突出された係止片178を有し、この係止片178には、引張りコイルバネ165の他端を係止する切欠部178aが設けられている。
したがって、引張りコイルバネ165は、その一端が第1の回動部材171に設けられた係止片175の孔部175aに係止され、その他端が第2の回動部材172に設けられた係止片178の切欠部178aに係止されることによって、これら第1の回動部材171と第2の回動部材172とを連結している。
第2のアーム177は、後述するスライド部材173の作動突179と当接される当接面177aを有し、この当接面177aが上下方向に亘って所定の長さで設けられている。
スライド部材173は、長尺状の平板部材からなり、下部筐体91b内の図示しないフレームに、第1の回動部材171よりも内側に位置して、前後方向にスライド可能に支持されている。また、スライド部材173の下端部には、図示しない駆動機構のピニオンギアと噛み合わされるラックギア173aが前後方向に亘って形成されており、この駆動機構によって前後方向に変位駆動される。
なお、駆動機構は、下部筐体91b側に、駆動モータと、この駆動モータの回転軸に取り付けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合わされたピニオンギアとを有し、このピニオンギアがスライド部材173のラックギア173aと噛み合わされて、駆動モータの駆動力によりスライド部材173を前後方向に変位駆動させる。
また、スライド部材173の一主面側には、上述した第2の回動部材172の第2のアーム177と当接される作動突179が外側に向かって突出して設けられている。この作動突179は、スライド部材173が前後方向にスライドされることによって、第2のアーム177の当接面177aと当接しながら、第2の回動部材172を支軸164中心に回動させることになる。
そして、このベルト昇降機構163では、駆動機構によりスライド部材173が前後方向にスライドされると、作動突179が第2のアーム177の当接面177aと摺接しながら、第2の回動部材172が支軸164を中心に回動される。すると、第2の回動部材172と引張りコイルバネ165を介して連結された第1の回動部材171が支軸164を中心に回動しながら、孔部174内に回転可能に保持された被動プーリ160bが昇降されることになる。これにより、上述した駆動プーリ160aと被動プーリ160bとの間に巻き掛けられた搬送ベルト154を搬送位置と退避位置との間で昇降させることが可能となっている。
排紙部144は、図14及び図19に示すように、搬送部143により搬送された記録紙Pを排紙するための排紙手段として、搬送ベルト154を介して被動プーリ160bと対向配置された拍車166を有し、この拍車166と搬送ベルト154との間から記録紙Pを給排紙口93側へと送り出す。
次に、以上のように構成されたプリンタ装置1を制御する図22に示す制御回路181について図面を参照して説明する。
制御回路181は、上述したプリンタ本体3のカバー開閉機構103、給排紙機構141、ベルト昇降機構163の駆動を制御するプリンタ制御部182と、各色のインクiに対応するインク吐出ヘッド44に供給される電流等を制御する吐出制御部183と、各色のインクiの残量を警告する警告部184と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子185と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)186と、読み出された制御プログラム等を一旦格納し、必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)167と、各部の制御を行う制御部188とを有している。
プリンタ制御部182は、制御部188からの制御信号に基づき、カバー開閉機構103を構成する駆動機構112を駆動させて吐出面保護カバー61を開閉するように、カバー開閉機構103を制御する。また、プリンタ制御部182は、制御部188からの制御信号に基づき、給排紙機構141を構成する図示しない駆動機構を駆動させてプリンタ本体3の収納トレイ94から記録紙Pを給紙し、印刷後に給排紙口93側へと記録紙Pを送り出すように給排紙機構141を制御する。プリンタ制御部182は、制御部188からの制御信号に基づき、ベルト昇降機構163を構成する図示しない駆動機構を駆動させて給排紙機構141に備わる搬送ベルトを、印刷時に搬送動作を行う搬送位置と非駆動時に待避される待避位置との間で昇降させるようにベルト昇降機構163を制御する。
吐出制御部183は、インク吐出ヘッド44に備わる発熱抵抗体55にパルス電流を供給する外部電源との電気的な接続をオン/オフするスイッチング素子や、発熱抵抗体55に供給されるパルス電流値を調整する抵抗体や、スイッチング素子等のオン/オフの切り替えを制御する制御回路部等を有する電気回路である。そして、吐出制御部183は、制御部188からの制御信号に基づき、インク吐出ヘッド44に備わる発熱抵抗体55に供給されるパルス電流等を調整し、ノズル52aよりインクiを吐出するインク吐出ヘッド44を制御する。
警告部184は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部184は、例えばスピーカ等の音声出力手段であってもよく、この場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部184は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置189のモニタやスピーカ等で行うようにしてもよい。
入出力端子185は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフェースを介して外部の情報処理装置189等に送信する。また、入出力端子185は、外部の情報処理装置189等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置189は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。
情報処理装置189等と接続される入出力端子185は、インタフェースとして例えばシリアルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができ、具体的にUSB(Universal Serial Bus)、RS(Recommended Standard)232C、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格に準拠したものである。また、入出力端子185は、情報処理装置189との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通信を行うようにしてもよい。なお、この無線通信規格としては、IEEE802.11a,802.11b,802.11g等がある。
入出力端子185と情報処理装置189との間には、例えばインターネット等のネットワークが介在していてもよく、この場合、入出力端子185は、例えばLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTHP(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)、BS(Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、データ通信は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコルにより行われる。
ROM186は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御部188が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部188によりRAM187にロードされる。RAM187は、制御部188によりROM186から読み出されたプログラムや、プリンタ装置1の各種状態を記憶する。
制御部188は、入出力端子185から入力された印刷データ、ヘッドカートリッジ2から入力されがインクiの残量データ等に基づき、各部を制御する。制御部188は、入力された制御信号等に基づいて各部を制御する処理プログラムをROM186から読み出してRAM187に記憶し、この処理プログラムに基づき各部の制御や処理を行う。
すなわち、制御部188は、ROM186に格納された処理プログラムに基づき、吐出面保護カバー61を開閉するようにカバー開閉機構103を制御したり、収納トレイ94から記録紙Pを給紙し、印刷後に給排紙口93側へと記録紙Pを送り出すように給排紙機構141を制御したり、給排紙機構141に備わる搬送ベルトを搬送位置と待避位置との間で昇降させるようにベルト昇降機構163を制御したりする。
なお、以上のように構成された制御回路181においては、ROM186に処理プログラムを格納するようにしたが、処理プログラムを格納する媒体としては、ROM186に限定されるものでなく、例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路181は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置189を介して接続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。
ここで、以上のように構成されるプリンタ装置1の印刷動作について図23に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作はROM186等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づいて制御部188内の図示しないCPU(Central Processing Unit)の演算処理等により実行されるものである。
先ず、ユーザが、印刷動作をプリンタ装置1が実行するように、プリンタ本体3に設けられている操作ボタン100を操作して命令する。次に、制御部188は、ステップS1において、各タンク装着部31に所定の色のインクタンク11が装着されているか、又ヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3のヘッド装着部96に装着されているかどうかを判断する。そして、制御部188は、全てのタンク装着部31に所定の色のインクタンク11が適切に装着且つヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3のヘッド装着部96に装着されているときはステップS2に進み、タンク装着部31にインクタンク11が適切に装着されていないとき、若しくはプリンタ本体3のヘッド装着部96にヘッドカートリッジ2が装着されていないときはステップS4に進み、印刷動作を禁止する。
制御部188は、ステップS2において、インクタンク11内のインクiが所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは、警告部184でその旨を警告し、ステップS4において、印刷動作を禁止する。一方、制御部188は、インクタンク11内のインクiが所定量以上であるとき、すなわちインクiが満たされているとき、ステップS3において、印刷動作を許可する。
そして、印刷動作を許可されたプリンタ装置1は、図14に示すように、ヘッドカートリッジ2の吐出面41に保持されている吐出面保護カバー61の外周部がガイド機構111のスライダ121に保持された状態となる。なお、印刷動作前のプリンタ装置1は、下部筐体91b側の搬送ベルト154が、閉塞位置にある吐出面保護カバー61と衝突することを防ぐために、ベルト昇降機構163によって搬送位置よりも下方の待避位置へと待避されている。
印刷動作を行う際は、先ず、制御部188がプリンタ制御部182によって各機構103,141,163等を駆動制御し、記録紙Pを印刷可能な位置まで移動させる。具体的に、印刷動作が開始されると、制御部188は、ヘッドキャップ開閉機構103を駆動制御して、吐出面41を閉塞した状態にある吐出面保護カバー61を、図19に示すように、スライダ121と共にプリンタ装置1の前面側の退避位置へと移動する。これにより、ヘッドカートリッジ2の吐出面41が開放され、吐出面保護カバー61は、図19に示すように、前面側の退避位置へと移動することによってヘッドカートリッジ2の吐出面41よりも上方に位置する。
このとき、吐出面保護カバー61は、図24に示すように、カバーキャップ部62に備わる吐出面クリーニング部64が、印刷前に吐出面41に付着した余分なインクiで記録紙Pを汚すことがないように、少なくとも吐出口領域41aをプリンタ装置1の前面側、すなわち図24中矢印X1方向にブレード部71,72を摺動させることでヘッドカートリッジ2の吐出面41をクリーニングする。
具体的に、吐出面41を吐出面保護カバー61が閉塞しているとき、図11に示すように、吐出面クリーニング部64は、ノズル面41の逃げ部45に位置しており、昇降制御レバー82は、支軸82dを中心に、引っ張り部材82eの引っ張り力によって、図11中反矢印D方向に回動した状態にあり、制御片82aは、逃げ部45により、ヘッドカートリッジ2の底面に非接触の状態にあり、押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81eを押圧していない状態にある。したがって、昇降部材81は、弾性体83の付勢力によって、吐出面41に近接する図11中矢印C方向に移動した状態にある。
そして、吐出面保護カバー61が、ノズル面41より退避するとき、図12に示すように、制御片82aがヘッドカートリッジ2の底面の逃げ部45から吐出面41に移動する。これにより、制御片82aの先端が吐出面41によって押圧されることにより、昇降制御レバー82は、支軸82dを中心にして反矢印D方向に回動する。したがって、昇降制御レバー82の押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81dを未だ押圧しない。そして、弾性体83によって図12中矢印C方向に付勢されている吐出面クリーニング部64のブレード部71,72は、吐出面41に圧接され状態で吐出面41を摺動して吐出面41に付着した余分なインクiを払拭し、吐出面41をクリーニングする。
このとき、この吐出面保護カバー61では、図10に示すように、ブレード部71,72が、対向する端部71a,72bを基準にして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって図10中反矢印A方向に傾斜していることから、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する第1のブレード部71から順に吐出面41に付着した余分なインクiをブレード部71,72の主面に沿うようにして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって押し退け、吐出口領域41aの外側にインクiを押し出して吐出面41を適切にクリーニングしていく。
また、吐出面保護カバー61では、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する第1のブレード部71の端部71aが吐出面41を摺動するときの摩擦等の応力によって変形し、インクiの拭き残しが生じたとしても、端部71aと対向し、且つカバーキャップ部62の移動方向で後側に位置する第2のブレード部72の端部72aがインクiの拭き残しを払拭していくことから、吐出面41にインクiの拭き残しが生じることなく吐出面41を適切にクリーニングできる。
次に、制御部188は、図19に示すように、ベルト昇降機構163を駆動制御して搬送ベルト154が待避位置から搬送位置へと上昇させる。これにより、プリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2の吐出面41とプラテン板161とが互いに平行且つ所定の間隔を以て対向配置され、印刷位置が決定されることになる。
次に、制御部188は、給排紙機構141を駆動制御し、収納トレイ94より図示しない紙押上げ機構によって押し上げられた記録紙Pを、図19中矢印F1方向に回転する給紙ローラー151の外周面に押し当てるようにして給紙する。そして、給紙された記録紙Pは、図19中矢印F2,F3方向に回転する一対の分離ローラー152a,152bの間を通過しながら、図19中矢印J1に示す背面側へと送り出される。
次に、制御部188は、背面側に送り出された記録紙Pを、第1の案内板157上を移動させながら、反転ローラー153の外周面に沿って反転させ、今度は図19中矢印J2に示す前面側へと送り出すように給排紙機構141を駆動制御する。そして、制御部188は、前面側に送り出された記録紙Pが、第2の案内板158と第2の規制板159との間を通過しながら、図19中矢印H方向に回転する搬送ベルト154によって印刷位置へと搬送されるように給排紙機構141を駆動制御する。そして、記録紙Pは、印刷位置において、プラテン板161によって押し上げられ、ヘッドカートリッジ2の吐出面41と相対向することになる。
次に、制御部188は、吐出制御部183によってヘッドカートリッジ2を制御し、この印刷位置に搬送された記録紙Pに対してノズル52aよりインクiを吐出、着弾させてインクドットからなる画像や文字等を記録させる。
次に、制御部188は、給排紙機構を駆動制御し、印刷が終了した記録紙Pを、搬送ベルト154の駆動によって、この搬送ベルト154と拍車146との間から、図19矢印J2に示す背面側へと送り出し、給排紙口93から蓋トレイ95上に排紙させる。また、制御部188は、記録紙Pへの印刷が終わると、ベルト昇降機構163を駆動制御し、搬送ベルト154を搬送位置から待避位置へと下降する。
次に、制御部188は、カバー開閉機構103を駆動制御し、図25に示すように、吐出面保護カバー61をスライダ121と共にプリンタ装置1の背面側の閉塞位置、すなわち図25中矢印X2方向へと移動させる。吐出面41を閉塞する途中において、カバーキャップ部62に備わる吐出面クリーニング部64は、図13に示すように、吐出面41に接触している昇降制御レバー82の制御片82aの先端が吐出面41によって押圧され、引っ張り部材82eの引っ張り力に抗して支軸82dを中心にして図13中矢印D方向に回動する。これにより、昇降制御レバー82の押圧片82bは、昇降部材81の被押圧部81eを押圧する。そして、昇降部材81は、被押圧部81eが押圧片82bによって押圧されることによって、弾性体83の付勢力に抗してガイド壁81bにガイドされながら吐出面41から離間する図13中反矢印C方向に移動する。したがって、復路のとき、吐出面クリーニング部64のブレード部71,72は、吐出面41から離間した状態で、吐出面41に付着した余分なインクiを払拭することなく、逃げ部46まで移動し、上述の図11の状態に戻る。以上のようにして、印刷動作が終了する。
以上のように、このプリンタ装置1では、搬送ベルト154が搬送位置よりも下方に位置する待避位置に待避した状態から、カバー開閉機構103によって吐出面保護カバー61がヘッドカートリッジ2の吐出面41を開放し、且つこの吐出面41よりも上方に位置する開放位置へと移動した後、ベルト昇降機構163によって搬送ベルト154が搬送動作を行う搬送位置へと上昇する。また、この状態から、ベルト昇降機構163によって搬送ベルト154が搬送位置よりも下方に位置する待避位置へと下降した後、カバー開閉機構103によって吐出面保護カバー61がヘッドカートリッジ2の吐出面41を閉塞する。
したがって、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2をプリンタ本体3のヘッド装着部96から取り外した際に、吐出面41が吐出面保護カバー61によって閉塞されることから、吐出面41が傷付いたり、吐出面41からインクiが漏れ出したりして周囲を汚してしまうことを防止できる。
このプリンタ装置1は、吐出面保護カバー61が開閉動作されると、吐出面クリーニング部64のブレード部71,72が、その先端を吐出面41に摺動させて吐出面に付着した余分なインクiを払拭し、吐出面41をクリーニングする。
そして、プリンタ装置1においては、吐出面クリーニング部64におけるブレード部71,72が、対向する端部71a,72bを基準にして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって図10中反矢印A方向に傾斜していることから、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する第1のブレード部71から順に吐出面41に付着した余分なインクiをブレード部71,72の主面に沿うようにして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって押し退け、吐出口領域41aの外側にインクiを押し出して吐出面41を適切にクリーニングしていく。
また、このプリンタ装置1においては、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する第1のブレード部71の端部71aが吐出面41を摺動するときの摩擦等の応力によって変形し、インクiの拭き残しが生じたとしても、端部71aと対向し、且つ後方に位置する第2のブレード部72の端部72aがインクiの拭き残しを払拭していくことから、吐出面41にインクiの拭き残しが生じることなく吐出面41を適切にクリーニングできる。
以上では、吐出面41をクリーニングする吐出面クリーニング部64が2つのブレード部71,72によって構成されている場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されることはなく、図26及び図27に示すように、例えば3つ以上のブレード部を備える吐出面クリーニング部191を用いても吐出面41と適切にクリーニングすることができる。なお、図26及び図27においては、吐出面クリーニング部191以外の部位は、上述したプリンタ装置1と同様な構成及び同様な機能であることから、その説明を省略すると共に同じ符号を付すものとする。
具体的に、吐出面クリーニング部191は、カバーキャップ部62の吐出面41と対向する面に立設されたブレード部192,193,194,195,196,197を有している。すなわち、6枚のブレード部192〜197を有している。これらのブレード部192〜197は、例えば略矩形板状をなすクロロプレンゴム、ウレタンゴム等といった樹脂製弾性体等によって形成され、カバーキャップ部62の吐出面41と対向する面に吐出口領域41aの幅方向と略直交方向に一方主面を臨ませるようにしてカバーキャップ部62におけるカートリッジ本体12に装着される側の端部に沿うように立設されている。そして、この吐出面クリーニング部191は、上述したインク吐出ヘッド44がノズル52aよりインクiを液滴の状態で吐出したときに、吐出面41に付着したインクサテライト等を、6枚のブレード部192〜197が吐出面41を摺動しながら払拭し、除去して吐出面41をクリーニングする。なお、これらブレード部192〜197においては、上述した支持片81aよって着脱可能に昇降機構66に支持されていることから、例えば樹脂製弾性部材が劣化し、吐出面41のクリーニング能力が低下したときに新しいものと容易に交換できる。
吐出面クリーニング部64において、ブレード部192,193,194は、吐出面41のノズル52aが形成された吐出口領域41aの幅方向の略中央から一端に亘って順に配置され、ブレード部195,196,197は、吐出口領域41aの幅方向の略中央から他端に亘って順に配置されている。そして、これらのブレード部192〜197は、隣り合う端部同士が対向するようにされている。具体的には、吐出口領域41aの幅方向の略中央付近でブレード部192,195の一端192b195a同士がカバーキャップ部62の移動方向に対向し、吐出口領域41aの幅方向の一端側に向かってブレード部192の他端192aとブレード部193の一端193bとがカバーキャップ部62の移動方向に対向し、ブレード部193の他端193aとブレード部194の一端194bとがカバーキャップ部62の移動方向に対向するようにされている。また、吐出口領域41aの幅方向の略中央から他端側では、ブレード部195の他端195bとブレード部196の一端196aとがカバーキャップ部62の移動方向に対向し、ブレード部196の他端196bとブレード部197の一端197aとがカバーキャップ部62の移動方向に対向するようにされている。このように、ブレード部192〜197は、吐出面41をクリーニングするときに、全てを合わせることで、少なくとも記録紙Pの幅方向に並設された全てのノズル52aと相対するようにされている。
そして、吐出面クリーニング部191においては、カバーキャップ部62がカートリッジ本体12の前面側に退避する、すなわちカバーキャップ部62が図26中矢印A方向に移動する際のカバーキャップ部62の移動方向側縁端の所定位置を基準点Bとしたときに、吐出口領域41aの幅方向に立設されたブレード部192〜197が、隣り合う端部同士をカバーキャップ部62の移動方向に対向させた状態で基準点Bに近い方から順にカバーキャップ部62の移動方向とは反対方向に向かって並ぶようにされている。また、各ブレード部192〜197においては、の基準点Bに近い一端192a〜197aが基準点Bに遠い他端192b〜197bよりカバーキャップ部62の移動方向側に位置するようにされている。なお、ここでは、ブレード部192〜197のうちブレード部192が基準点Bの一番近くに位置するものとして説明する。
すなわち、ブレード部192〜197は、基準点Bに近い方の一端192a〜197aを基準にして吐出口領域41aの幅方向の端部に向かって図27中反矢印A方向に傾斜した状態で、隣り合う端部同士をカバーキャップ部62の移動方向に対向させながら基準点Bに近い方から順に図27中反矢印A方向に並ぶようにされている。
このような構成の吐出面クリーニング部191では、ブレード部192〜197の吐出面41と対向する先端を吐出面41に当接させた状態でカバーキャップ部62が吐出口領域41aの幅方向と略直交方向に退避する、すなわち図27中矢印A方向に移動するときに吐出面41をブレード部192〜197が摺動してブレード部192〜197それぞれが吐出面41に付着した余分なインクiを払拭し、吐出面41を適切にクリーニングしていく。
具体的に、吐出面クリーニング部191では、吐出面41をクリーニングするときに、カバーキャップ部62の移動方向で前側に位置する、すなわち基準点Bに近いブレード部192から順に吐出面41に付着した余分なインクiを、ブレード部192,193,194は吐出口領域41aの幅方向の一端側に、ブレード部195,196,197は吐出口領域41aの幅方向の他端側に向かって押し退け、吐出口領域41aの外側にインクiを押し出して吐出面41をクリーニングしていく。
そして、この吐出面クリーニング部191でも、上述した吐出面クリーニング部64と同様、カバーキャップ部62の移動方向で一番前に位置するブレード部192の一端192aが吐出面41を摺動するときの摩擦等の応力で変形し、吐出面41にインクiの拭き残しが生じたとしても、一端192aと対向し、且つカバーキャップ部62の移動方向で後側に位置するブレード部195の一端195aがインクiの拭き残しを払拭していくことから、吐出面41にインクiの拭き残しが生じることなく吐出面41を適切にクリーニングできる。
この吐出面クリーニング部191では、例えばカートリッジ本体12の吐出面41の平坦性が悪いときでも、6枚のブレード部192〜197が吐出面41にそれぞれ接触し、吐出面41をそれぞれ払拭していくことから、吐出面41とブレード部192〜197との間に隙間ができることが抑制されて吐出面41を適切にクリーニングできる。
この吐出面クリーニング部191では、6枚のブレード部192〜197が吐出面41にそれぞれ当接して払拭し、吐出面41をクリーニングしていくことから、従来のように1つ幅広なクリーニングブレードを吐出面との間に隙間ができないように当接させるといった煩わしい作業が必要なくなり、印刷時の歩留まりを向上できる。
この吐出面クリーニング部191では、6枚のブレード部192〜197が吐出面41にそれぞれ当接して払拭し、吐出面41をクリーニングしていくことから、従来のように1つ幅広なクリーニングブレードを吐出面との間に隙間ができないように過剰な圧力で吐出面に押圧する必要がなく、吐出面41に傷が付くことを防止できる。したがって、クリーニング動作のときに、ノズル52aを損傷させるような傷が吐出面41に付くことがなく、印刷の品質が低下することを抑制できる。なお、ここでは、吐出面クリーニング部191が6枚のブレード部192〜197を備えている場合を例に挙げて説明しているが、このことに限定されることはなく、ブレード部を3枚以上備えていれば吐出面クリーニング部191と同様の作用効果を得ることができる。ブレード部の枚数は、吐出口領域41の幅が広い場合は多くなり、吐出口領域41の幅が狭い場合は少なくなる。
上述したヘッドカートリッジ2では、カートリッジ本体12に対してインクタンク11が着脱可能となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。すなわち、このヘッドカートリッジ2自体が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体3に対して着脱可能なことから、このカートリッジ本体12にインクタンク11が一体に設けられた構成とすることも可能である。
以上は、本発明をプリンタ装置に適用した例について説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用することが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−34560号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。
以上では、1つの発熱抵抗体55がインクiを加熱して吐出するインク吐出ヘッド44を例に挙げて説明したが、このような構造に限定されることはなく、複数の圧力発生素子を備え、各圧力発生素子に異なるエネルギー又は異なるタイミングでエネルギーを供給することで吐出方向を制御することが可能な吐出手段を備える液体吐出装置にも適用可能である。
以上では、1つの発熱抵抗体55によってインクiを加熱しながらノズル52aから吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクを電気機械的にノズルより吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
以上では、ライン型のプリンタ装置1を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなく、例えばインクヘッドが記録紙Pの走行方向と略直交する方向に移動するシリアル型の液体吐出装置にも適用可能である。
本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置を示す分解斜視図である。 同インクジェットプリンタ装置に備わるプリンタヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおけるインクタンクを示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおけるカートリッジ本体を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおいて、カートリッジ本体にインクタンクを装着する状態を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジの構成を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジを模式的に示す図である。 同プリンタヘッドカートリッジに備わるインク吐出ヘッドを模式的に示す断面図である。 同インク吐出ヘッドを示しており、同図(A)は発熱抵抗体に気泡が発生した状態を模式的に示す断面図であり、同図(B)はノズルよりインクを吐出した状態を模式的に示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジの吐出面における吐出口領域を示す平面図である。 同プリンタヘッドカートリッジに備わる吐出面クリーニング部を昇降させる昇降機構の構成を模式的に示す側面図である。 同昇降機構が吐出面クリーニング部を押し上げて吐出面に当接させた状態を示す側面図である。 同昇降機構が吐出面クリーニング部を降下させた状態を示す側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の構成を示す透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の上部筐体が下部筐体に対して開放された状態を示す透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置のカバー開閉機構の構成を模式的に示す側面図である。 同カバー開閉機構に備わるスライダの構成を示す平面図である。 同インクジェットプリンタ装置の駆動機構の構成を一部透視して示す側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の印刷動作を説明するための透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置に備わるベルト昇降機構により搬送ベルトが退避位置まで下降した状態を模式的に示す側面図である。 同ベルト昇降機構により搬送ベルトが搬送位置まで上昇した状態を模式的に示す側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の制御回路を模式的に示すブロック図である。 同インクジェットプリンタ装置の印刷動作を説明するフローチャートである。 同プリンタヘッドカートリッジの吐出面保護カバーが前面側に移動しながら吐出面をクリーニングする状態を示す模式図である。 同吐出面保護カバーが背面側に移動する状態を示す模式図である。 同吐出面保護カバーに備わる吐出面クリーニング部の他の例を示す斜視図である。 同プリンタヘッドカートリッジの吐出面における吐出口領域を示す平面図である。 従来の吐出面クリーニング機構を示す平面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ装置(液体吐出装置)、2 プリンタヘッドカートリッジ2 プリンタ本体、11 インクタンク、12 カートリッジ本体、37 ヘッド部、39 ガイド溝、41 吐出面、44 インク吐出ヘッド、52a ノズル、45 逃げ部、61 吐出面保護カバー、62 カバーキャップ部、63 キャップ保持片、64,191 吐出面クリーニング部、66 昇降機構、71 第1のブレード部、72 第2のブレード部、91 外筐、91a 上部筐体、91b 下部筐体、103 カバー開閉機構、111 ガイド機構、112 駆動機構、121 スライダ、122 ガイド部、141 給排紙機構、142 給紙部、143 搬送部、144 排紙部、163 ベルト昇降機構、181 制御回路、182 プリンタ制御部、183 吐出制御部、186 ROM、187 RAM、188 制御部、192,193,194,195,196,197 ブレード部

Claims (8)

  1. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出ヘッド部の上記液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面に保持される吐出面保護装置において、
    上記吐出面と平行な面内を、上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに少なくとも上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し上記吐出面を開放する方向と、上記吐出口領域上に進入し上記吐出ヘッド部の上記吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、
    上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、
    上記カバーキャップ部の上記吐出面と対向する面上で、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、上記各ブレード部の上記吐出面と対向する先端を上記吐出面に当接させた状態で、上記カバーキャップ部が上記吐出面と平行な面内で、上記矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって上記吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを備え、
    上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部による上記吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士を上記カバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で上記基準に近い方から順に上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記閉塞方向に並び、且つ上記各ブレード部における上記吐出口領域の幅方向の端部のうち上記基準に近い方が上記基準に遠い方より上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記開放方向側に位置する吐出面保護装置。
  2. 上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部が上記吐出面の上記開放方向に向かって移動するときだけ上記吐出面をクリーニングする請求項1記載の吐出面保護装置。
  3. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出カートリッジにおいて、
    上記液体を液滴の状態で上記対象物に向かって吐出させる吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッド部と、
    上記吐出面と平行な面内を、上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに少なくとも上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し上記吐出面を開放する方向と、上記吐出口領域上に進入し上記吐出ヘッド部の上記吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、上記カバーキャップ部の上記吐出面と対向する面上で、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、上記各ブレード部の上記吐出面と対向する先端を上記吐出面に当接させた状態で、上記カバーキャップ部が上記吐出面と平行な面内で、上記矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって上記吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを有する吐出面保護カバーとを備え、
    上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部による上記吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士を上記カバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で上記基準に近い方から順に上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記閉塞方向に並び、且つ上記各ブレード部における上記吐出口領域の幅方向の端部のうち上記基準に近い方が上記基準に遠い方より上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記開放方向側に位置する液体吐出カートリッジ。
  4. 上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部が上記吐出面の上記開放方向に向かって移動するときだけ上記吐出面をクリーニングする請求項3記載の液体吐出カートリッジ。
  5. 上記液体吐出ヘッド部は、上記吐出面に形成されている吐出口がライン状に並設されている請求項3記載の液体吐出カートリッジ。
  6. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置において、
    上記液体を液滴の状態で上記対象物に向かって吐出させる吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッド部と、
    上記吐出面と平行な面内を、上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに少なくとも上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている矩形状の吐出口領域より退避し上記吐出面を開放する方向と、上記吐出口領域上に進入し上記吐出ヘッド部の上記吐出面を閉塞する方向とに亘って移動されるカバーキャップ部と、上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して移動可能に保持するキャップ保持部と、上記カバーキャップ部の上記吐出面と対向する面上で、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向に亘って立設された複数枚の板状のブレード部を有し、上記各ブレード部の上記吐出面と対向する先端を上記吐出面に当接させた状態で、上記カバーキャップ部が上記吐出面と平行な面内で、上記矩形状の吐出口領域の短辺に平行な方向に移動することによって上記吐出面をクリーニングする吐出面クリーニング部とを有する吐出面保護カバーと、
    上記液体吐出ヘッド部が上記吐出口より上記液滴を吐出するときの吐出動作を制御する吐出制御部とを備え、
    上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部による上記吐出面の開放方向側縁端の中央位置を基準にしたときに、上記矩形状の吐出口領域の長辺方向で隣り合うブレード部が、隣り合う端部同士を上記カバーキャップ部の移動方向に対向させた状態で上記基準に近い方から順に上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記閉塞方向に並び、且つ上記各ブレード部における上記吐出口領域の幅方向の端部のうち上記基準に近い方が上記基準に遠い方より上記カバーキャップ部による上記吐出面の上記開放方向側に位置する液体吐出装置。
  7. 上記吐出面クリーニング部は、上記カバーキャップ部が上記吐出面の上記開放方向に向かって移動するときだけ上記吐出面をクリーニングする請求項6記載の液体吐出装置。
  8. 上記液体吐出ヘッド部は、上記吐出面に形成されている吐出口がライン状に並設されている請求項6記載の液体吐出装置。
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